特許第6201211号(P6201211)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6201211
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】携帯端末装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20130101AFI20170914BHJP
   G06F 3/0484 20130101ALI20170914BHJP
【FI】
   G06F3/0481 170
   G06F3/0484 120
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-200403(P2013-200403)
(22)【出願日】2013年9月26日
(65)【公開番号】特開2015-69230(P2015-69230A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114258
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125391
【弁理士】
【氏名又は名称】白川 洋一
(72)【発明者】
【氏名】中澤 昌美
(72)【発明者】
【氏名】酒澤 茂之
(72)【発明者】
【氏名】柳原 広昌
【審査官】 星野 昌幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−186617(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/075447(WO,A1)
【文献】 特開2013−025787(JP,A)
【文献】 特開2010−109789(JP,A)
【文献】 特開2008−288839(JP,A)
【文献】 特開2007−257181(JP,A)
【文献】 江上公一他,ユビキタスクラウドにおけるユーザコンテキスト管理サービスの一考察,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2011年10月14日,Vol.111 No.255,pp.85-90
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアプリケーションがインストールされ、少なくとも一つのアプリケーションを実行する携帯端末装置であって、
屋内若しくは自装置内に設けられたセンサ、またはユーザの入力によって取得した自装置の現在の屋内での位置を示す位置情報および現在の日時を示す日時情報を少なくとも含む現在情報を収集する現在情報収集部と、
アプリケーションの実行履歴を示す履歴情報を蓄積するアプリ情報部と、
前記現在情報が更新される度に、更新後の現在情報および前記履歴情報に基づいて、各アプリケーションに対して優先度を付与する優先度付与部と、
前記優先度に基づいて、アプリケーションを特定するアイコンの表示方法を変更するアプリ表示部と、を備え
前記アプリ情報部が蓄積する前記履歴情報には、アプリケーションごとに、実行された場所に応じて異なるパラメータが含まれ、前記各アプリケーションは、前記現在情報に基づいて特定された場所に応じたパラメータを用いて実行されることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記アプリ情報部は、各アプリケーションの起動場所および起動日時を第1のテーブルに記録し、
前記優先度付与部は、前記第1のテーブルから前記現在情報に適合する情報を抽出して第2のテーブルを生成し、前記第2のテーブルに基づいて、各アプリケーションに対して優先度を付与することを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記アプリ表示部は、前記優先度に従って、前記アイコンの表示順序を変更することを特徴とする請求項1または請求項2記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記アプリ表示部は、相対的に実行頻度の低いアプリケーションの削除を推薦する表示、または相対的に実行頻度の低いアプリケーションに対応するアイコンを変更した表示を行なうことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記アプリ表示部は、相対的に前記優先度の高いアプリケーションに対応するアイコンを表示する一方、相対的に優先度の低いアプリケーションに対応するアイコンを非表示とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の携帯端末装置。
【請求項6】
少なくとも前記優先度が最も高いアプリケーションを起動する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記現在情報収集部は、ユーザの操作状態を現在情報として収集し、
前記優先度付与部は、前記ユーザの操作状態に応じて、各アプリケーションに対して優先度を付与することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の携帯端末装置。
【請求項8】
複数のアプリケーションがインストールされ、少なくとも一つのアプリケーションを実行する携帯端末装置のプログラムであって、
屋内若しくは自装置内に設けられたセンサ、またはユーザの入力によって取得した自装置の現在の屋内での位置を示す位置情報および現在の日時を示す日時情報を少なくとも含む現在情報を収集する処理と、
アプリケーションの実行履歴を示す履歴情報を蓄積する処理と、
前記現在情報が更新される度に、更新後の現在情報および前記履歴情報に基づいて、各アプリケーションに対して優先度を付与する処理と、
前記優先度に基づいて、アプリケーションを特定するアイコンの表示方法を変更する処理と、の一連の処理を、コンピュータに実行させ
蓄積する前記履歴情報には、アプリケーションごとに、実行された場所に応じて異なるパラメータが含まれ、前記各アプリケーションは、前記現在情報に基づいて特定された場所に応じたパラメータを用いて実行されることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの使用状況に応じて、アイコンの表示方法を変更する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯端末装置には、アプリケーションがインストールされている。このアプリケーションの数が多くなると、目的のアプリケーションを探すために手間がかかる場合がある。特許文献1に記載されている技術では、ユーザの特定の状況に応じてアプリケーションを選択し、そのユーザインタフェースを配置するための配置ルールを生成する。これにより、ユーザが目的とするアプリケーションを見つけやすくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−108005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、どのような条件下でどのアプリケーションをどこに配置するかという情報を、ユーザが事前に設定する必要があるため、導入に手間がかかるという欠点がある。また、特許文献1では、GPS(Global Positioning System)によって位置情報を取得する手法を採るが、GPSでは屋内で位置を特定することは困難である。このため、特許文献1記載の技術は、屋内では利用することができない。さらに、特許文献1記載の技術は、利用頻度の低いアプリケーションをどのように取り扱うのかについては考慮されていない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ユーザの使用状況に応じて、アイコンの表示方法を変更することができる携帯端末装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の携帯端末装置は、複数のアプリケーションがインストールされ、少なくとも一つのアプリケーションを実行する携帯端末装置であって、自装置の現在の位置を示す位置情報および現在の時刻を示す時刻情報を少なくとも含む現在情報を収集する現在情報収集部と、アプリケーションの実行履歴を示す履歴情報を蓄積するアプリ情報部と、前記現在情報が更新される度に、更新後の現在情報および前記履歴情報に基づいて、各アプリケーションに対して優先度を付与する優先度付与部と、前記優先度に基づいて、アプリケーションを特定するアイコンの表示方法を変更するアプリ表示部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このように、自装置の現在の位置を示す位置情報および現在の時刻を示す時刻情報を少なくとも含む現在情報を収集し、アプリケーションの実行履歴を示す履歴情報を蓄積し、現在情報が更新される度に、更新後の現在情報および履歴情報に基づいて、各アプリケーションに対して優先度を付与し、優先度に基づいて、アプリケーションを特定するアイコンの表示方法を変更するので、ユーザにとって、ユーザの現在の状況にふさわしいアプリケーションを選択し易くなる。また、アプリケーションの実行履歴と、現在位置と、現在時刻に応じて、自動的にアプリケーションに対応するアイコンの表示が変更されるため、ユーザが表示条件に関する設定を行なう必要がなく、利便性を高めることができる。
【0008】
(2)また、本発明の携帯端末装置において、前記アプリ情報部は、各アプリケーションの起動場所および起動時刻を第1のテーブルに記録し、前記優先度付与部は、前記第1のテーブルから前記現在情報に適合する情報を抽出して第2のテーブルを生成し、前記第2のテーブルに基づいて、各アプリケーションに対して優先度を付与することを特徴とする。
【0009】
このように、各アプリケーションの起動場所および起動時刻を第1のテーブルに記録し、第1のテーブルから現在情報に適合する情報を抽出して第2のテーブルを生成し、第2のテーブルに基づいて、各アプリケーションに対して優先度を付与するので、現在情報に適合するアプリケーションの候補が明確化され、優先度の付与や変更を容易に行なうことが可能となる。
【0010】
(3)また、本発明の携帯端末装置において、前記アプリ表示部は、前記優先度に従って、前記アイコンの表示順序を変更することを特徴とする。
【0011】
このように、優先度に従って、アイコンの表示順序を変更するので、ユーザが、優先度の高いアイコンを選択し易いように表示することが可能となる。逆に、ユーザが、優先度の低いアイコンを選択し難いように表示することも可能となる。
【0012】
(4)また、本発明の携帯端末装置において、前記アプリ表示部は、相対的に実行頻度の低いアプリケーションの削除を推薦する表示、または相対的に実行頻度の低いアプリケーションに対応するアイコンを変更した表示を行なうことを特徴とする。
【0013】
このように、相対的に実行頻度の低いアプリケーションの削除を推薦する表示、または相対的に実行頻度の低いアプリケーションに対応するアイコンを変更した表示を行なうので、ユーザにとって不必要なアプリケーションに対応するアイコンが表示されず、またはユーザの目に止まり難く表示することができる。その結果、ユーザは、所望のアイコンを探し易くなる。
【0014】
(5)また、本発明の携帯端末装置において、前記アプリ表示部は、相対的に前記優先度の高いアプリケーションに対応するアイコンを表示する一方、相対的に優先度の低いアプリケーションに対応するアイコンを非表示とすることを特徴とする。
【0015】
このように、相対的に優先度の高いアプリケーションに対応するアイコンを表示する一方、相対的に優先度の低いアプリケーションに対応するアイコンを非表示とするので、ユーザにとって必要なアプリケーションに対応するアイコンが表示され、ユーザにとって不必要なアプリケーションに対応するアイコンが表示されなくなる。その結果、ユーザは、所望のアイコンを探し易くなる。
【0016】
(6)また、本発明の携帯端末装置は、少なくとも前記優先度が最も高いアプリケーションを起動する制御部をさらに備えることを特徴とする。
【0017】
このように、少なくとも優先度が最も高いアプリケーションを起動するので、ユーザは、現在状況に最もふさわしいと考えられるアプリケーションをすぐに使用することが可能となる。
【0018】
(7)また、本発明の携帯端末装置において、前記現在情報収集部は、ユーザの操作状態を現在情報として収集し、前記優先度付与部は、前記ユーザの操作状態に応じて、各アプリケーションに対して優先度を付与することを特徴とする。
【0019】
このように、ユーザの操作状態を現在情報として収集し、ユーザの操作状態に応じて、各アプリケーションに対して優先度を付与するので、ユーザの操作状態に応じた優先度を付与することが可能となる。その結果、ユーザの操作状態に最もふさわしいアプリケーションを提案することが可能となる。
【0020】
(8)また、本発明のプログラムは、複数のアプリケーションがインストールされ、少なくとも一つのアプリケーションを実行する携帯端末装置のプログラムであって、自装置の現在の位置を示す位置情報および現在の時刻を示す時刻情報を少なくとも含む現在情報を収集する処理と、アプリケーションの実行履歴を示す履歴情報を蓄積する処理と、前記現在情報が更新される度に、更新後の現在情報および前記履歴情報に基づいて、各アプリケーションに対して優先度を付与する処理と、前記優先度に基づいて、アプリケーションを特定するアイコンの表示方法を変更する処理と、の一連の処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0021】
このように、自装置の現在の位置を示す位置情報および現在の時刻を示す時刻情報を少なくとも含む現在情報を収集し、アプリケーションの実行履歴を示す履歴情報を蓄積し、現在情報が更新される度に、更新後の現在情報および履歴情報に基づいて、各アプリケーションに対して優先度を付与し、優先度に基づいて、アプリケーションを特定するアイコンの表示方法を変更するので、ユーザにとって、ユーザの現在の状況にふさわしいアプリケーションを選択し易くなる。また、アプリケーションの実行履歴と、現在位置と、現在時刻に応じて、自動的にアプリケーションに対応するアイコンの表示が変更されるため、ユーザが表示条件に関する設定を行なう必要がなく、利便性を高めることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ユーザにとって、ユーザの現在の状況にふさわしいアプリケーションを選択し易くなる。また、アプリケーションの実行履歴と、現在位置と、現在時刻に応じて、自動的にアプリケーションに対応するアイコンの表示が変更されるため、ユーザが表示条件に関する設定を行なう必要がなく、利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態の概念を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る携帯端末装置の動作の概要を示すフローチャートである。
図3】アプリケーションに対応するアイコンを表示する際の動作を示すフローチャートである。
図4】アプリケーションの利用情報を蓄積する動作を示すフローチャートである。
図5】アプリ情報部7がテーブルに蓄積する情報の例を示す図である。
図6】削除を推薦する動作を示すフローチャートである。
図7】実施例に係る端末の概略構成を示すブロック図である。
図8】アプリ利用情報蓄積部105のデータのうち、条件が一致するデータのみを集めたテーブルを示す図である。
図9】アプリケーションの優先度順にアイコンを並び替えて、端末のディスプレイに表示した様子を示す図である。
図10】アイコンの削除を推薦する表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本実施形態の概念を示すブロック図である。本実施形態に係る携帯端末装置は、複数のアプリケーションがインストールされ、少なくとも一つのアプリケーションを実行可能である。現在情報収集部3は、自装置の現在の位置を示す位置情報および現在の時刻を示す時刻情報を少なくとも含む現在情報を収集する。アプリケーションを介して利用する機器の情報を収集しても良い。
【0025】
アプリ情報部7は、アプリケーションの実行履歴を示す履歴情報を蓄積する。実行履歴(利用履歴)とは、例えば、アプリケーションの名称、起動時の場所、起動時の日付、起動時の時刻、起動から終了までの時間、利用機器を示すパラメータなどの情報である。なお、携帯端末装置のユーザ本人の履歴の他、家族の履歴、一般的な履歴であっても良い。ユーザが初めて使用する場合には、一般的な履歴を利用する。
【0026】
優先度付与部9は、現在情報が更新される度に、更新後の現在情報および履歴情報に基づいて、各アプリケーションに対して優先度を付与する。すなわち、アプリ情報部7のデータを利用して、現在情報(場所および日時)と同じ条件下で利用されやすいアプリケーションの優先順位を決定する。アプリケーション設定の優先順位を決定しても良い。
【0027】
アプリ表示部11は、優先度付与部9が決定した優先度に基づいて、アプリケーションを特定するアイコンの表示方法を変更する。具体的には、アイコンを優先度順に並べ替えて表示する。ここで、優先度が高いほどアイコンを大きく表示し、優先度が低いほどアイコンを小さく表示しても良い。また、例えば、優先度が3位以内のアプリケーションに対応するアイコンのみを表示しても良い。
【0028】
削除推薦部13は、アプリ表示部11に対して、相対的に実行頻度の低いアプリケーションの削除を推薦する表示をするよう指示する。また、削除推薦部13は、アプリ表示部11に対して、相対的に実行頻度の低いアプリケーションに対応するアイコンを変更した表示を行なうよう指示する。この変更は、例えば、アイコンをグレーアウトで表示したり、不使用アイコンを格納するフォルダに移動させたり、アイコンを小さく表示したりする。
【0029】
制御部15は、少なくとも優先度が最も高いアプリケーションを起動する。例えば、優先度が3位以内のアプリケーションを起動するようにしても良い。
【0030】
図2は、本実施形態に係る携帯端末装置の動作の概要を示すフローチャートである。まず、現在情報である「日時、場所」の情報を収集し(ステップS1)、実行履歴(利用履歴)、すなわち、アプリケーションの名称(アプリ名)、起動時の場所(場所情報)、起動時の日付および起動時の時刻(日時情報)、利用機器を示すパラメータなどの情報を参照する(ステップS2)。次に、優先度を算出する(ステップS3)。ここでは、現在情報と「場所、平日/休日、時間帯」の条件が合致するアプリケーションの種類とその利用頻度を求めて、利用頻度の高い順をアプリケーションの優先度とする。
【0031】
次に、優先度に従って、アプリケーションに対応するアイコンを、携帯端末装置が備えるディスプレイに表示する(ステップS4)。また、利用頻度の低いアプリケーションを抽出し、ユーザに削除を促す表示を行なう(ステップS5)。ユーザがアプリケーションを起動すると(ステップS6)、そのアプリケーションの名称、そのアプリケーションを起動した場所、日時、パラメータをアプリ情報部7に蓄積し、対応するデータを更新する。
【0032】
なお、優先度の高いアプリケーションに対応するアイコンを表示するのみならず、少なくとも優先度が最も高いアプリケーションを起動するようにしても良い。これにより、ユーザは、現在状況に最もふさわしいと考えられるアプリケーションをすぐに使用することが可能となる。
【0033】
図3は、アプリケーションに対応するアイコンを表示する際の動作を示すフローチャートである。まず、現在情報を取得する(ステップT1)。ここでは、現在情報が変化した時、場所情報とその時の日時情報を取得する。次に、アプリ利用情報を取得し(ステップT2)、次に、優先度を算出し(ステップT3)、優先度順にアプリケーションに対応するアイコンを並び替えて表示する(ステップT4)。
【0034】
図4は、アプリケーションの利用情報を蓄積する動作を示すフローチャートである。アプリケーションが起動すると(ステップP1)、フロアセンサや人感センサ等の外部センサにより、当該アプリケーションの起動場所を取得する(ステップP2)。例えば、携帯端末装置とフロアセンサや人感センサ等が通信を行ない、携帯端末装置の場所情報を取得する。次に、日時情報を取得する(ステップP3)。ここでは、当該アプリケーションが起動された日付、時間を取得する。次に、アプリ情報として、当該アプリケーションの名称を取得する(ステップP4)。最後に、上記ステップP1〜ステップP4までに取得したデータをアプリ情報部7に追加し、データを更新する(ステップP5)。
【0035】
図5は、アプリ情報部7がテーブルに蓄積する情報の例を示す図である。ここで、テレビアプリには、寝室(場所4)のテレビ操作が可能なパラメータ設定2と、リビング(場所1)のテレビ操作が可能なパラメータ設定1があり、場所に応じてパラメータを自動的に変更するために、パラメータを設けている。また他にも、エアコン操作など、メーカが異なると設定を変更する必要のあるものや、温度設定などをパラメータとして保持しておき、場所ごとに切替えることが可能である。図5に示すテーブルは、第1のテーブルを構成する。
【0036】
図6は、削除を推薦する動作を示すフローチャートである。まず、一定期間内で利用頻度の低いアプリケーションを抽出する(ステップQ1)。この「一定期間」は、予め設定しておいたものと使っても良いし、ユーザが任意に決めても良い。次に、削除推薦メッセージを表示する(ステップQ2)。
【実施例1】
【0037】
次に、実施例について説明する。本実施例に係る携帯端末装置は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット等、アプリケーションを実行可能で、ディスプレイを有し、ユーザが運搬可能である端末のことを意味する。
【0038】
図7は、実施例に係る端末の概略構成を示すブロック図である。図7において、端末101は、アプリ利用情報収集部103、アプリ利用情報蓄積部105、削除推薦部107、ディスプレイ109、優先度算出部111および日付情報取得部113を備える。アプリ利用情報収集部103は、場所情報受信部119、日時情報受信部121およびアプリ利用情報取得部123を備えている。また、端末101は、場所取得センサ117が取得した情報を、場所情報収集部115を介して、場所情報を取得する。
【0039】
(A)現在情報取得
現在の日付、時間を端末101内部から取得する。また、フロアセンサ、人感センサ等の外部センサ(117)を利用して、現在の場所情報を取得する。また、場所は人為的操作、端末を振る、指定したタップ操作などによって場所を指定してもよい。例えば、3回振るとキッチンを表わす、などである。例えば、現在情報は以下のように表現することができる。
(例)
(日付、時間、場所):(20130809、18:25、3)
(B)アプリケーションの優先度算出
アプリ利用情報蓄積部105にあるデータと、現在情報の条件が一致するデータを抽出する。ここで条件とは、例えば、「平日/休日」、および、「朝/昼/夕/夜」を指し、この条件が一致するデータを、アプリ利用情報蓄積部105から抽出する。アプリケーション毎に起動回数をカウントし、起動回数順に並び替え、それをアプリケーションの優先度順とする。
【0040】
上記の(例)において、条件は、「平日、夕方、3」となる。この条件が一致するアプリ起動履歴を、アプリ利用情報蓄積部105から抽出し、図8に示すテーブルを作成する。図8は、アプリ利用情報蓄積部105のデータのうち、条件が一致するデータのみを集めたテーブルを示す図である。このテーブルにおいて、各アプリケーションの起動回数をカウントすると、レシピが3回、音楽が2回、ブログが1回であるため、優先度順に並べると、レシピ、音楽、ブログとなる。なお、図8に示すテーブルは、第2のテーブルを構成する。
【0041】
(C)アプリ表示
図9は、アプリケーションの優先度順にアイコンを並び替えて、端末のディスプレイに表示した様子を示す図である。ここでは、優先順位は、レシピ、音楽、ブログ、その他となる。例えば、ユーザが端末101と共に、平日、夕方、帰宅時にリビングでくつろいでいるときには、図9の上側の図のような順にアイコンが配置されているが、ユーザが端末101と共にキッチンに移動してディスプレイを見ると、図9の下側の図のように、アイコンの並び方が自動的に変更される。
【0042】
アイコンの並び方をすべて変更する必要はなく、ユーザのお気に入りのアプリケーションに対応するアイコンや電話やメール等の“基本アプリ”は、場所を固定しておき、一部の領域のアイコンの並びを変更することもできる。
【0043】
また、端末101のホーム画面を整理するため、アイコンを一つのフォルダにまとめておき、優先度の高いアプリケーションに対応するアイコンをフォルダから出して表示するようにしても良い。これにより、場所と時間に応じて、ユーザが利用するのにふさわしいアプリケーションに対応するアイコンのみを表示させることが可能となる。
【0044】
(D)削除推薦
図10は、アイコンの削除を推薦する表示例を示す図である。アプリケーションの利用頻度が著しく低く、例えば、2ヶ月間全く利用されてない場合、今後も利用される頻度が低いと考えられるため、ユーザに削除を促すメッセージを表示する。この場合、図10に示すように、“「ゲーム1」、「カメラ4」が利用されていません。削除しますか?”とのメッセージをアイコンと共に表示する。
【0045】
なお、削除ではなく、使用頻度の低いアイコンをグレーアウトで表示したり、不使用アイコンを格納するフォルダに移動させたり、アイコンを小さく表示したりしても良い。
【0046】
(E)アプリ通知
アプリケーションを利用する際、場所と状態に応じて通知を変更しても良い。例えば、ユーザがアプリケーションを使用中に、リアルタイムでの応答が必要でないアプリケーションが動作した場合(例えば、メールやメッセージの受信)、その動作の通知を出さないようにしても良い。例えば、リビングで録画済みの映画を視聴している最中は、ユーザは端末を手放していることが多く、集中している状態であると考えられる。このような場合は、メールを受信した場合でも通知を出さないようにする。この状態は、加速度センサに動きがないことから検知することができる。一方、端末が手元にあり、操作している場合は、加速度センサに動きがあるため、メールを受信した場合は通知する。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザが意識することなく目的のアプリケーションに対応するアイコンが、端末のホーム画面に自動的に表示される。ユーザ、家族、一般的なユーザのアプリ起動履歴を利用して、利用頻度の高いアプリケーションとその場所、時間帯を端末で保持するため、表示条件に関する設定を行なう必要がなく、手間を省くことができる。また、フロアセンサや人感センサなどの外部センサの情報を取得することによって、屋内のどの場所にいるかが把握できるため、同じ家の中で場所を移動しても、アプリケーションの配置を自動的に変更することができる。また、利用頻度の低いアプリケーションの削除を促すことで、不必要にアプリケーションが増加することを防ぐことが可能となる。また、テレビやエアコンなど、部屋に応じて異なるメーカの機器を利用する際、従来の技術では、その都度設定が必要であるが、本発明を利用することによって、利用時に設定変更の必要がなくなる。その結果、ユーザの利便性を高めることが可能となる。
【符号の説明】
【0048】
3 現在情報収集部
7 アプリ情報部
9 優先度付与部
11 アプリ表示部
13 削除推薦部
15 制御部
101 端末
103 アプリ利用情報収集部
105 アプリ利用情報蓄積部
107 削除推薦部
109 ディスプレイ
111 優先度算出部
113 日付情報取得部
115 場所情報収集部
117 場所取得センサ
119 場所情報受信部
121 日時情報受信部
123 アプリ利用情報取得部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10