(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る吸着コレット102を、
図1及び
図2を参照して説明する。
【0015】
図1は、吸着コレット102の、(a)正面図、(b)上面図、(c)右側面図、(d)底面図である。吸着コレット102は、
図1に示すように、第1の斜面103と、第2の斜面104と、吸着孔108とを備える。吸着コレット102は、ベアチップ105が吸着される側(底面側)から見て略長方形であるように形成されている。
【0016】
吸着コレット102を貫通して、吸着孔108(吸着部)が形成されている。吸着孔108は、吸着コレット102の上面及び底面に開口を有する。
【0017】
図1(a)に示すように、吸着コレット102の底面側には、第1の斜面103と第1の斜面103に対向する第2の斜面104とが、吸着コレット102の内側にハの字を形成するように、それぞれ底面の一側部から延在して形成されている。第1の斜面103と第2の斜面104とは、その内側に吸着空間110を形成する。ベアチップ105をピックアップする際に、第1の斜面103と第2の斜面104とは、ベアチップ105のスクライブライン106A(第1の辺)とスクライブライン106B(第2の辺)とにそれぞれ当接する。
【0018】
図2に示すように、吸着コレット102の吸着孔108の開口が存在する平面と第1の斜面103の先端との距離を第1の斜面103の高さL1Aとし、当該平面と第2の斜面104の先端との距離を第2の斜面104の高さL1Bとする。第1の斜面103の高さL1Aは、第2の斜面104の高さL1Bよりも大きい。
【0019】
第1の斜面103と鉛直方向に延びる直線とがなす角を、第1の斜面103の傾斜角θ1Aとし、第2の斜面104と鉛直方向に延びる直線とがなす角を、第2の斜面104の傾斜角θ1Bとする。傾斜角θ1Aは、傾斜角θ1Bより小さい。即ち、第1の斜面103は第2の斜面104と比べてより急峻である。傾斜角θ1Aは典型的には30度であるが、吸着コレット102を形成する素材の材質や第1の斜面103の表面の状態によって上下してもよい。傾斜角θ1Bは典型的には60度であるが、傾斜角θ1Aと同様に、吸着コレット102を形成する素材の材質や第2の斜面104の表面の状態によって上下してもよい。
【0020】
吸着コレット102の底面における第1の斜面103と第2の斜面104との間隔W
X0は、ベアチップ105の幅W
Xよりも小さい。即ち、吸着コレット102の底面とベアチップ105の上側表面とは直接接触しない。
【0021】
スクライブライン106がそれぞれ対向する斜面に当接したとき、スクライブライン106Bが第2の斜面104と当接する位置は、第2の斜面104の先端から底面までの3分の1乃至3分の2の範囲に含まれることが望ましい。この範囲であれば、吸着コレット102の底面とベアチップ105の上側表面との距離、及び吸着コレット102の斜面の先端とベアチップの側面とのクリアランスが十分に保たれる。
【0022】
吸着対象物であるベアチップ105は、
図3(a)に示すように、上側表面にエアーブリッジ配線119が施されている。このため、上側表面には吸着コレットを当接させることができない。吸着コレットを当接させることが可能な場所は、スクライブライン106、ボンディングパット118等に限られる。
【0023】
第1の実施の形態に係るピックアップ装置101を、
図4を参照して説明する。
【0024】
図4に示すように、ピックアップ装置101は、吸着コレット102と、ピックアップトレー109と、コントローラ111と、搭載ヘッド112と、鉛直方向駆動装置113と、水平方向駆動装置114と、真空吸引装置115と、位置センサ116と、圧力センサ117と、を備える。
【0025】
ピックアップトレー109(載置台)は、水平な台であり、その上にベアチップ105を載置可能である。ピックアップトレー109は、ベアチップ105がその上を容易に摺動可能かつ静電気を発生しにくい素材で形成されている。
【0026】
コントローラ111は、位置センサ116及び圧力センサ117からの測定信号を受信する。また、コントローラ111は、受信した測定信号に基づき、鉛直方向駆動装置113、水平方向駆動装置114、及び真空吸引装置115を制御する。
【0027】
搭載ヘッド112は、鉛直方向駆動装置113に接続され、吸着コレット102を保持可能である。搭載ヘッド112は吸引孔107を備え、吸引孔107は後述する真空吸引装置115と連通しており、吸着孔108と連通可能である。
【0028】
鉛直方向駆動装置113は、水平方向駆動装置114に接続されている。鉛直方向駆動装置113は、搭載ヘッド112を鉛直方向、即ち矢印D
Zで示すZ軸方向に移動させることで吸着コレット102を鉛直方向に移動可能である。
【0029】
水平方向駆動装置114は、鉛直方向駆動装置113を水平方向、即ち矢印D
Xで示すX軸方向と、紙面に垂直なY軸方向とに移動させることで吸着コレット102を水平方向に移動可能である。
【0030】
真空吸引装置115は、鉛直方向駆動装置113と水平方向駆動装置114とを介し、吸引孔107と連通している。真空吸引装置115は連通する吸引孔107及び吸着孔108を通して、吸着空間110を減圧する。減圧した状態で吸着コレット102を鉛直方向上向きに移動させることで、ベアチップ105をピックアップすることができる。
【0031】
位置センサ116は、吸着コレット102とベアチップ105との位置関係の測定を行う。位置センサ116は典型的には画像認識によって測定を行うが、他の任意の位置測定方法によって測定を行っても良い。
【0032】
圧力センサ117は、吸着コレット102にベアチップ105から働く上向きの力を検出する。圧力センサ117は典型的には鉛直方向駆動装置113に配置されるが、鉛直方向上向きの力を検出できればどこに配置されていてもよい。
【0033】
コントローラ111と、搭載ヘッド112と、鉛直方向駆動装置113と、水平方向駆動装置114と、真空吸引装置115と、位置センサ116と、圧力センサ117とは、下記の方法でベアチップ105をピックアップすることで、ピックアップ手段を構成する。
【0034】
ピックアップ装置101を用いてベアチップ105をピックアップする方法(ピックアップ処理1)を、
図5乃至
図7及び
図8のフローチャートを用いて説明する。前提として、吸着コレット102は搭載ヘッド112に保持され、ベアチップ105はピックアップトレー109に載置されている。
【0035】
まず、コントローラ111が、X軸方向の位置合わせを行う(ステップS110)。具体的には、
図5(a)に示すように、i)第1の斜面103の先端より吸着コレット102の中心側にスクライブライン106Aが位置し、ii)第2の斜面104の先端より吸着コレット102の中心側にスクライブライン106Bが位置し、iii)第1の斜面103の先端とスクライブライン106Aとの水平方向の距離が、第2の斜面104の先端とスクライブライン106BとのX軸方向の距離より大きい、ことが位置センサ116に検出されるように、コントローラ111が水平方向駆動装置114を制御し吸着コレット102をX軸方向に移動させる。このとき、第1の斜面103の先端は、ベアチップ105の上側表面より高い位置にある。
【0036】
次に、コントローラ111が、Z軸方向の位置合わせを行う(ステップS120)。具体的には、
図5(b)に示すように、第2の斜面104が対向するスクライブライン106Bに当接して、圧力センサ117がZ軸方向上向きの力を検出するまで、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット102をZ軸方向下向きに移動させる。
【0037】
次に、コントローラ111が、第1の斜面103をベアチップ105に当接させる(ステップS130)。具体的には、
図6(a)に示すように、第1の斜面103がスクライブライン106Aに当接するように、コントローラ111が水平方向駆動装置114を制御し吸着コレット102をX軸方向に移動させる。
【0038】
次に、コントローラ111が、ベアチップ105の摺動を開始する(ステップS140)。具体的には、
図6(b)に示すように、ベアチップ105が第1の斜面103に沿って摺動しながら第2の斜面104へ向かってピックアップトレー109上をX軸方向(矢印D110の向き)に摺動するように、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット102をZ軸方向下向き(矢印D120の向き)に移動させる。
【0039】
次に、コントローラ111が、ベアチップ105の摺動を停止する(ステップS150)。具体的には、
図7(a)に示すように、ベアチップ105がピックアップトレー109上を摺動して、スクライブライン106Bが第2の斜面104に当接すると、吸着コレット102にベアチップ105から働くZ軸方向上向きの力が大きくなったことを圧力センサ117が検出し、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット102のZ軸方向下向きの移動を停止する。このとき、ベアチップ105の両端部は第1の斜面103及び第2の斜面104に同じ高さで当接し、ベアチップ105は水平に保たれる。
【0040】
次に、コントローラ111が、ベアチップ105をピックアップする(ステップS160)。具体的には、
図7(b)に示すように、コントローラ111が真空吸引装置115を作動させ、吸引孔107及び吸着孔108を通して吸着空間110を減圧しながら、鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット102をZ軸方向上向きに移動させることで、ベアチップ105をピックアップする。ステップS150でベアチップ105を水平に当接させたので、ベアチップ105を水平に精度良くピックアップすることができる。
【0041】
この後、ピックアップしたベアチップ105を基板に取り付ける等の処理を行った後、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113と水平方向駆動装置114とを制御して吸着コレット102をステップS110以前の位置に戻すことにより、以上の方法を繰り返すことが可能になる。
【0042】
上記の方法によってベアチップ105をピックアップするとき、角θ1Aが30度であるから、ステップS140でベアチップ105をX軸方向に摺動させる際に、第1の斜面103からベアチップ105に水平方向に働く力が、第1の斜面103がベアチップ105を下方に押しつける力より大きくなり、ベアチップ105をX軸方向に容易に摺動させることができる。
【0043】
また、角θ1Bが60度であるから、ステップS150でスクライブライン106Bが第2の斜面104に当接する際に、第2の斜面104からスクライブライン106Bに働く力のZ軸方向成分がより大きくなり、スクライブライン106Bが第2の斜面104に当接したことを容易に検出できる。
【0044】
また、位置測定はステップS110で位置合わせを行うときにのみ必要であり、また繰り返す必要がない。即ち、必要な位置測定の回数を減らすことができる。
【0045】
また、角θ1Bが60度であるから、第2の斜面104の先端とベアチップ105とのクリアランスが十分に保たれる。したがって、ステップS120で、クリアランスが保たれる第2の斜面104が、クリアランスを確保しにくい第1の斜面103より先にベアチップ105と当接するようにステップS110の位置合わせを行えばよく、ベアチップ105と吸着コレット102との許容される距離が大きくなる。即ち、位置測定の要求精度を低減することができる。
【0046】
以上より、上記のようにピックアップ装置101を用いてベアチップ105をピックアップすれば、ベアチップ105と吸着コレット102との位置測定の要求精度を低減し、必要な測定回数を減らすことができる。
【0047】
(実施形態2)
第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同じ構成を用いて異なる方法で発明を実施するものである。ピックアップ装置101を用いてベアチップ105をピックアップする方法(ピックアップ処理2)を、
図9乃至
図11及び
図12のフローチャートを用いて説明する。前提として、吸着コレット102は搭載ヘッド112に保持され、ベアチップ105はピックアップトレー109に載置されている。
【0048】
まず、コントローラ111が、X軸方向の位置合わせを行う(ステップS210)。具体的には、
図9(a)に示すように、第1の斜面103の先端より吸着コレット102の中心側にスクライブライン106Aが位置することが位置センサ116に検出されるように、コントローラ111が水平方向駆動装置114を制御し吸着コレット102をX軸方向に移動させる。このとき、第1の斜面103の先端は、ベアチップ105の上側表面より高い位置にある。
【0049】
次に、コントローラ111が、Z軸方向の位置合わせを行う(ステップS220)。具体的には、
図9(b)に示すように、ベアチップ105の上側表面の位置が、第1の斜面103の先端より高く、かつ第2の斜面104の先端より低くなるように、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット102をZ軸方向下向きに移動させる。
【0050】
次に、コントローラ111が、第1の斜面103をベアチップ105に当接させる(ステップS230)。具体的には、
図10(a)に示すように、第1の斜面103がスクライブライン106Aに当接するように、コントローラ111が水平方向駆動装置114を制御し吸着コレット102をX軸方向に移動させる。
【0051】
次に、コントローラ111が、ベアチップ105の摺動を開始する(ステップS240)。具体的には、
図10(b)に示すように、ベアチップ105が第1の斜面103に沿って摺動しながら第2の斜面104へ向かってピックアップトレー109上をX軸方向(矢印D210の向き)に摺動するように、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット102をZ軸方向下向き(矢印D220の向き)に移動させる。
【0052】
次に、コントローラ111が、ベアチップ105の摺動を停止する(ステップS250)。具体的には、
図11(a)に示すように、ベアチップ105がピックアップトレー109上を摺動して、スクライブライン106Bが第2の斜面104に当接すると、吸着コレット102にベアチップ105から働くZ軸方向上向きの力が大きくなったことを圧力センサ117が検出し、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット102のZ軸方向下向きの移動を停止する。このとき、ベアチップ105の両端部は第1の斜面103及び第2の斜面104に同じ高さで当接し、ベアチップ105は水平に保たれる。
【0053】
次に、コントローラ111が、ベアチップ105をピックアップする(ステップS260)。具体的には、
図11(b)に示すように、コントローラ111が真空吸引装置115を作動させ、吸引孔107及び吸着孔108を通して吸着空間110を減圧しながら、鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット102をZ軸方向上向きに移動させることで、ベアチップ105をピックアップする。ステップS250でベアチップ105を水平に当接させたので、ベアチップ105を水平に精度良くピックアップすることができる。
【0054】
この後、ピックアップしたベアチップ105を基板に取り付ける等の処理を行った後、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113と水平方向駆動装置114とを制御して吸着コレット102をステップS210以前の位置に戻すことにより、以上の方法を繰り返すことが可能になる。
【0055】
上記の方法によってベアチップ105をピックアップするとき、第1の斜面103の高さL1Aが第2の斜面104の高さL1Bよりも大きいので、ステップS220のようなZ軸方向における位置関係をとることができ、ステップS210で第1の斜面103とスクライブライン106Aとの位置関係のみを基準にしても、第2の斜面104の先端がベアチップ105の上側表面に接触してしまうことがない。即ち、必要な位置測定の回数を減らすことができる。
【0056】
また、ステップS230で、吸着コレット102をX軸方向に移動させることによって第1の斜面103をスクライブライン106Aに当接させるので、ステップS210で位置合わせを行う際は、第1の斜面103とベアチップ105とは接触さえしなければどれだけ離れていてもよい。即ち、位置測定の精度を低減することができる。
【0057】
以上より、上記のようにピックアップ装置101を用いてベアチップ105をピックアップすれば、ベアチップ105と吸着コレット102との位置測定の要求精度を低減し、必要な測定回数を減らすことができる。
【0058】
(実施形態3)
以下、本発明の第3の実施の形態に係る吸着コレット302を、
図13及び
図14を参照して説明する。
【0059】
吸着コレット302は、
図13に示すように、第1の斜面103と、第2の斜面104と、第3の斜面303と、第4の斜面304と、吸着孔108とを備える。このうち、第3の斜面303及び第4の斜面304以外の構成要素は実施形態1に係る吸着コレット102の構成要素と同一であり、説明を省略する。
【0060】
図14(a)は、吸着コレット302を、
図13の直線Aを通り紙面に垂直な平面で切った断面図である。
図14(a)に示すように、吸着コレット302の底面側の第1の斜面103と第2の斜面104とに挟まれた2辺に、第3の斜面303と、第3の斜面303に対向する第4の斜面304とが、吸着コレット102の内側にハの字を形成するように、それぞれ底面の一側部から延在して形成されている。第1の斜面103と、第2の斜面104と、第3の斜面303と、第4の斜面304とは、その内側に吸着空間310を形成する。ベアチップ105をピックアップする際に、第3の斜面303と第4の斜面304とは、ベアチップ105のスクライブライン306A(第3の辺)とスクライブライン306B(第4の辺)とにそれぞれ当接する。
【0061】
図14(b)に示すように、吸着コレット302の吸着孔108の開口が存在する平面と第3の斜面303の先端との距離を第3の斜面303の高さL3Aとし、当該平面と第4の斜面304の先端との距離を第4の斜面304の高さL3Bとする。第1の斜面303の高さL3Aは、第4の斜面304の高さL3Bよりも大きい。
【0062】
第3の斜面303と鉛直方向に延びる直線とがなす角を、第3の斜面303の傾斜角θ3Aとし、第4の斜面304と鉛直方向に延びる直線とがなす角を、第4の斜面304の傾斜角θ3Bとする。傾斜角θ3Aは、傾斜角θ3Bより小さい。即ち、第3の斜面303は第4の斜面304と比べてより急峻である。傾斜角θ3Aは典型的には30度であるが、吸着コレット302を形成する素材の材質や第3の斜面303の表面の状態によって上下してもよい。傾斜角θ3Bは典型的には60度であるが、傾斜角θ3Aと同様に、吸着コレット302を形成する素材の材質や第4の斜面304の表面の状態によって上下してもよい。
【0063】
典型的には、第1の斜面103の高さL1Aと第3の斜面303の高さL3Aとがほぼ同じであり、第2の斜面104の高さL1Bと第4の斜面304の高さL3Bとがほぼ同じである。同様に、第1の斜面103の傾斜角θ1Aと第3の斜面303の傾斜角θ3Aとがほぼ同じであり、第2の斜面104の傾斜角θ1Bと第4の斜面304の傾斜角θ3Bとがほぼ同じである。
【0064】
吸着コレット302の底面における第3の斜面303と第4の斜面304との間隔W
Y0は、ベアチップ105の幅W
Yよりも小さい。即ち、吸着コレット302の底面とベアチップ105の上側表面とは直接接触しない。
【0065】
ピックアップ装置301を用いてベアチップ105をピックアップする方法(ピックアップ処理3)を、
図15のフローチャートを用いて説明する。前提として、吸着コレット302は搭載ヘッド112に保持され、ベアチップ105はピックアップトレー109に載置されている。
【0066】
なお、ピックアップ装置301の図については、
図4のピックアップ装置の吸着コレット102を吸着コレット302に置き換えたものと同様であるので、省略する。また、各ステップでの吸着コレット302の図については、XZ平面については
図5乃至
図7と同様であり、YZ平面については
図5乃至
図7において第1の斜面103を第3の斜面303、第2の斜面104を第4の斜面304、スクライブライン106Aをスクライブライン306A、スクライブライン106Bをスクライブライン306Bにそれぞれ置き換えたものと同様であるので、省略する。
【0067】
まず、コントローラ111が、X軸方向及びY軸方向の位置合わせを行う(ステップS310)。具体的には、X軸方向については、i)第1の斜面103の先端より吸着コレット302の中心側にスクライブライン106Aが位置し、ii)第2の斜面104の先端より吸着コレット302の中心側にスクライブライン106Bが位置し、iii)第1の斜面103の先端とスクライブライン106Aとの水平方向の距離が、第2の斜面104の先端とスクライブライン106BとのX軸方向の距離より大きく、Y軸方向については、iv)第3の斜面303の先端より吸着コレット302の中心側にスクライブライン306Aが位置し、v)第4の斜面304の先端より吸着コレット302の中心側にスクライブライン306Bが位置し、vi)第3の斜面303の先端とスクライブライン306Aとの水平方向の距離が、第4の斜面304の先端とスクライブライン306BとのY軸方向の距離より大きい、ことが位置センサ116に検出されるように、コントローラ111が水平方向駆動装置114を制御し吸着コレット302をX軸方向及びY軸方向に移動させる。このとき、第1の斜面103の先端及び第3の斜面303の先端は、ベアチップ105の上側表面より高い位置にある。
【0068】
次に、コントローラ111が、Z軸方向の位置合わせを行う(ステップS320)。具体的には、第2の斜面104、第4の斜面304の少なくとも一方が対向するスクライブライン106B又はスクライブライン306Bに当接して、圧力センサ117がZ軸方向上向きの力を検出するまで、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット302をZ軸方向下向きに移動させる。
【0069】
次に、コントローラ111が、第1の斜面103と第3の斜面303とをベアチップ105に当接させる(ステップS330)。具体的には、第1の斜面103がスクライブライン106Aに当接し、第3の斜面303がスクライブライン306Aに当接するように、コントローラ111が水平方向駆動装置114を制御し吸着コレット302をX軸方向及びY軸方向に移動させる。
【0070】
次に、コントローラ111が、ベアチップ105の摺動を開始する(ステップS340)。具体的には、ベアチップ105が第1の斜面103に沿って摺動しながら第2の斜面104へ向かってピックアップトレー109上をX軸方向に摺動し、第3の斜面303に沿って摺動しながら第4の斜面304へ向かってピックアップトレー109上をY軸方向に摺動するように、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット302をZ軸方向下向きに移動させる。
【0071】
次に、コントローラ111が、ベアチップ105の摺動を停止する(ステップS350)。具体的には、ベアチップ105がピックアップトレー109上を摺動して、スクライブライン106Bが第2の斜面104に当接し、スクライブライン306Bが第4の斜面304に当接すると、吸着コレット302にベアチップ105から働くZ軸方向上向きの力が大きくなったことを圧力センサ117が検出し、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット302のZ軸方向下向きの移動を停止する。このとき、ベアチップ105の周縁部は第1の斜面103と第2の斜面104と第3の斜面303と第4の斜面304とに同じ高さで当接し、ベアチップ105は水平に保たれる。
【0072】
次に、コントローラ111が、ベアチップ105をピックアップする(ステップS360)。具体的には、コントローラ111が真空吸引装置115を作動させ、吸引孔107及び吸着孔308を通して吸着空間310を減圧しながら、鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット302をZ軸方向上向きに移動させることで、ベアチップ105をピックアップする。ステップS350でベアチップ105を水平に当接させたので、ベアチップ105を水平に精度良くピックアップすることができる。
【0073】
この後、ピックアップしたベアチップ105を基板に取り付ける等の処理を行った後、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113と水平方向駆動装置114とを制御して吸着コレット302をステップS310以前の位置に戻すことにより、以上の方法を繰り返すことが可能になる。
【0074】
第3の実施の形態は、第1の実施の形態を四つの斜面を備える吸着コレット302に拡張したものである。したがって、第1の実施の形態で述べた本発明の利点は、第3の実施の形態においても同様に本発明の利点ということができる。
【0075】
以上より、上記のようにピックアップ装置301を用いてベアチップ105をピックアップすれば、ベアチップ105と吸着コレット302との位置測定の要求精度を低減し、必要な測定回数を減らすことができる。
【0076】
(実施形態4)
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態と同じ構成を用いて異なる方法で発明を実施するものである。ピックアップ装置301を用いてベアチップ105をピックアップする方法(ピックアップ処理4)を、
図16のフローチャートを用いて説明する。前提として、吸着コレット302は搭載ヘッド112に保持され、ベアチップ105はピックアップトレー109に載置されている。
【0077】
まず、コントローラ111が、X軸方向及びY軸方向の位置合わせを行う(ステップS410)。具体的には、X軸方向については、i)第1の斜面103の先端より吸着コレット302の中心側にスクライブライン106Aが位置し、Y軸方向については、ii)第3の斜面303の先端より吸着コレット302の中心側にスクライブライン306Aが位置する、ことが位置センサ116に検出されるように、コントローラ111が水平方向駆動装置114を制御し吸着コレット302をX軸方向及びY軸方向に移動させる。このとき、第1の斜面103の先端及び第3の斜面303の先端は、ベアチップ105の上側表面より高い位置にある。
【0078】
次に、コントローラ111が、Z軸方向の位置合わせを行う(ステップS420)。具体的には、ベアチップ105の上側表面の位置が、第1の斜面103の先端及び第3の斜面303の先端より高く、かつ第2の斜面104の先端及び第4の斜面304の先端より低くなるように、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット302をZ軸方向下向きに移動させる。
【0079】
次に、コントローラ111が、第1の斜面103と第3の斜面303とをベアチップ105に当接させる(ステップS430)。具体的には、第1の斜面103がスクライブライン106Aに当接し、第3の斜面303がスクライブライン306Aに当接するように、コントローラ111が水平方向駆動装置114を制御し吸着コレット302をX軸方向及びY軸方向に移動させる。
【0080】
次に、コントローラ111が、ベアチップ105の摺動を開始する(ステップS440)。具体的には、ベアチップ105が第1の斜面103に沿って摺動しながら第2の斜面104へ向かってピックアップトレー109上をX軸方向に摺動し、第3の斜面303に沿って摺動しながら第4の斜面304へ向かってピックアップトレー109上をY軸方向に摺動するように、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット302をZ軸方向下向きに移動させる。
【0081】
次に、コントローラ111が、ベアチップ105の摺動を停止する(ステップS450)。具体的には、ベアチップ105がピックアップトレー109上を摺動して、スクライブライン106Bが第2の斜面104に当接し、スクライブライン306Bが第4の斜面304に当接すると、吸着コレット302にベアチップ105から働くZ軸方向上向きの力が大きくなったことを圧力センサ117が検出し、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット302のZ軸方向下向きの移動を停止する。このとき、ベアチップ105の周縁部は第1の斜面103と第2の斜面104と第3の斜面303と第4の斜面304とに同じ高さで当接し、ベアチップ105は水平に保たれる。
【0082】
次に、コントローラ111が、ベアチップ105をピックアップする(ステップS460)。具体的には、コントローラ111が真空吸引装置115を作動させ、吸引孔107及び吸着孔308を通して吸着空間310を減圧しながら、鉛直方向駆動装置113を制御し吸着コレット302をZ軸方向上向きに移動させることで、ベアチップ105をピックアップする。ステップS350でベアチップ105を水平に当接させたので、ベアチップ105を水平に精度良くピックアップすることができる。
【0083】
この後、ピックアップしたベアチップ105を基板に取り付ける等の処理を行った後、コントローラ111が鉛直方向駆動装置113と水平方向駆動装置114とを制御して吸着コレット302をステップS410以前の位置に戻すことにより、以上の方法を繰り返すことが可能になる。
【0084】
第4の実施の形態は、第2の実施の形態を四つの斜面を備える吸着コレット302に拡張したものである。したがって、第2の実施の形態で述べた本発明の利点は、第4の実施の形態においても同様に本発明の利点ということができる。
【0085】
以上より、上記のようにピックアップ装置301を用いてベアチップ105をピックアップすれば、ベアチップ105と吸着コレット302との位置測定の要求精度を低減し、必要な測定回数を減らすことができる。
【0086】
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、吸着コレット102の移動をX軸方向とZ軸方向とについてのみ説明した。しかし、吸着コレット102はY軸方向に移動してもよい。具体的には、ピックアップ方法が、吸着コレット102のY軸方向中心と、ベアチップ105のY軸方向中心がほぼ一致するように、コントローラ111が水平方向駆動装置114を制御し、吸着コレット102をY軸方向に移動させるステップを含んでいてもよい。このステップは、X軸方向の位置合わせより前、X軸方向の位置合わせとZ軸方向の位置合わせとの間、Z軸方向の位置合わせの後のいずれかに実行されうる。
【0087】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、この発明は上記の実施の形態に限定されず、種々の変形および応用が可能である。
【0088】
例えば、吸着対象物を表面にエアーブリッジ配線119が施されたベアチップ105としたが、これに限られるものではない。即ち、吸着対象物は表面にエアーブリッジ配線が施されていないベアチップであってもよい。さらに、吸着対象物はベアチップ105に限られず、吸着コレット102、302の斜面が当接可能かつ吸着可能であれば任意の物であってよい。
【0089】
また、第1の斜面103の傾斜角θ1A及び第3の斜面303の傾斜角θ3Aを30度としたが、これに限られるものではない。即ち、斜面がスクライブラインに当接してベアチップ105を摺動させる際に、斜面からベアチップ105に働く水平方向の力が、ベアチップ105がピックアップトレー109から受ける摩擦力よりも大きくなるような角度であれば、任意の角度でよい。望ましくは、傾斜角θ1A及び傾斜角θ3Aは45度以下である。
【0090】
また、第2の斜面104の傾斜角θ1B及び第4の斜面304の傾斜角θ3Bを60度としたが、これに限られるものではない。即ち、前述した第1の斜面103の傾斜角θ1A及び第3の斜面303の傾斜角θ3Aより大きければ、任意の角度でよい。望ましくは、傾斜角θ1B及び傾斜角θ3Bは45度以上である。
【0091】
また、第1の斜面103の高さL1Aと第3の斜面303の高さL3Aとがほぼ同じであるとしたが、これに限られるものではない。即ち、第3の斜面303の高さL3Aは、第2の斜面104の高さL1B及び第4の斜面304の高さL3Bよりも大きければ、任意の高さでよい。
【0092】
また、第2の斜面104の高さL1Bと第4の斜面304の高さL3Bとがほぼ同じであるとしたが、これに限られるものではない。即ち、第4の斜面304の高さL3Bは、第1の斜面103の高さL1A及び第3の斜面303の高さL3Aよりも小さければ、任意の高さでよい。
【0093】
また、第1の斜面103の高さL1Aは第2の斜面104の高さL1Bよりも大きいとしたが、これに限られるものではない。即ち、第1の実施の形態及び第3の実施の形態においては、第1の斜面103の高さL1Aと第2の斜面104の高さL1Bとが等しくてもよい。さらに、第3の実施の形態においては、第3の斜面303の高さL3Aと第4の斜面304の高さL3Bとが等しくてもよい。
【0094】
本発明は、以上の実施形態のみに限られる物ではなく、以下のようにも記載される。
【0095】
図17に示すような、
吸着対象物605の第1の辺606Aが当接可能な第1の斜面603と、
吸着対象物605の第1の辺606Aに対向する第2の辺606Bが当接可能であり、第1の斜面603より傾斜角が大きく、第1の斜面603に対向する第2の斜面604と、
第1の斜面603及び第2の斜面604によって形成される吸着空間610を減圧するための吸着部608と、
を備えることを特徴とする吸着コレット602。
【0096】
図18に示すような、
吸着対象物605の第1の辺606Aが当接可能な第1の斜面603と、吸着対象物605の第1の辺606Aに対向する第2の辺606Bが当接可能であり、第1の斜面603より傾斜角が大きく、第1の斜面603に対向する第2の斜面604と、第1の斜面603及び第2の斜面604によって形成される吸着空間610を減圧するための吸着部608と、を備える吸着コレット602を、水平方向に移動させることにより、第1の斜面603を第1の辺606Aに当接させるステップS610と、
吸着コレット602を鉛直方向下向きに移動させることにより、吸着対象物605を第1の斜面603に沿って水平方向に摺動させるステップS620と、
第2の辺606Bが第2の斜面604に当接したことを検出し、吸着コレット602の鉛直方向下向きの移動を停止させるステップS630と、
第1の斜面603と第2の斜面604とが形成する吸着空間610を減圧することにより吸着対象物605を吸着するステップS640と、
吸着対象物605を吸着したまま、吸着コレット602を鉛直方向上向きに移動させることで、吸着対象物605をピックアップするステップS650と、
を備えることを特徴とするピックアップ方法。
【0097】
上記のような吸着コレット602によれば、吸着コレット602と吸着対象物605との位置合わせを行うとき、より傾斜角の大きい第2の斜面604と第2の辺との位置関係を基準にすれば、吸着コレット602と吸着対象物605との許容される距離が大きくなる。即ち、位置測定の要求精度を低減することができる。
【0098】
また、より傾斜角の小さい第1の斜面603によって第1の辺606Aを介して吸着対象物605に力を加えれば、吸着コレット602から吸着対象物605に水平方向に働く力が大きくなるため、吸着対象物605を水平方向に容易に摺動させて斜面に水平に当接させることができる。即ち、吸着対象物605を水平にピックアップするために必要な位置測定の回数を減らすことができる。
【0099】
したがって、上記のような吸着コレット602によれば、本発明の目的が達成される。
【0100】
また、上記のようなピックアップ方法によれば、吸着コレット602と吸着対象物605との位置合わせを行うとき、より傾斜角の大きい第2の斜面604と第2の辺606Bとの位置関係を基準にすれば、吸着コレット602と吸着対象物605との許容される距離が大きくなる。即ち、位置測定の要求精度を低減することができる。
【0101】
また、ステップS620とステップS630とにおいて、吸着対象物605を摺動させることで第1の斜面603と第2の斜面604とに当接させるので、吸着コレット602と吸着対象物605との位置関係を繰り返し測定することなく吸着対象物605を水平にピックアップすることができる。即ち、必要な位置測定の回数を減らすことができる。
【0102】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0103】
(付記1)
吸着対象物の第1の辺が当接可能な第1の斜面と、
前記吸着対象物の前記第1の辺に対向する第2の辺が当接可能であり、前記第1の斜面より傾斜角が大きく、前記第1の斜面に対向する第2の斜面と、
前記第1の斜面及び前記第2の斜面によって形成される吸着空間を減圧するための吸着部と、
を備えることを特徴とする吸着コレット。
【0104】
(付記2)
底面をさらに備え、
前記第1の斜面は、前記底面の一側部から延在し、
前記第2の斜面は、前記底面の、前記一側部に対向する他の側部から延在し、
前記第1の斜面と前記底面の法線とがなす角は、前記第2の斜面と前記法線とがなす角より小さい、
ことを特徴とする付記1に記載の吸着コレット。
【0105】
(付記3)
前記第1の斜面と前記法線とがなす角は45度より小さく、前記第2の斜面と前記法線とがなす角は45度より大きい、
ことを特徴とする付記2に記載の吸着コレット。
【0106】
(付記4)
前記第1の斜面の高さは、前記第2の斜面の高さよりも大きい、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか一つに記載の吸着コレット。
【0107】
(付記5)
付記1から4のいずれか一つに記載の吸着コレットと、
前記吸着対象物を載置する載置台と、
i)前記吸着コレットを水平方向に移動させることにより、前記第1の斜面を前記第1の辺に当接させ、ii)前記吸着コレットを鉛直方向下向きに移動させることにより、前記吸着対象物を前記第1の斜面に沿って水平方向に摺動させ、iii)前記第2の辺が前記第2の斜面に当接したことを検出し、前記吸着コレットの鉛直方向下向きの移動を停止させ、iv)前記第1の斜面と前記第2の斜面とが形成する吸着空間を減圧することにより前記吸着対象物を吸着し、v)前記吸着対象物を吸着したまま、前記吸着コレットを鉛直方向上向きに移動させることで、前記吸着対象物をピックアップするピックアップ手段と、
を備えることを特徴とするピックアップ装置。
【0108】
(付記6)
前記ピックアップ手段は、
vi)前記吸着コレットを移動させることにより、前記第1の斜面の先端を前記第1の辺より外側に位置させ、前記第2の斜面の先端を前記第2の辺より外側に位置させ、前記第1の斜面の先端と前記第1の辺との水平方向距離を前記第2の斜面の先端と前記第2の辺との水平方向距離よりも大きくし、
vii)前記吸着ヘッドを鉛直方向下向きに移動させることにより、前記第2の辺を前記第2の斜面に当接させ、
続いて、前記i)からv)の過程を実行する、
ことを特徴とする付記5に記載のピックアップ装置。
【0109】
(付記7)
前記吸着コレットの前記第1の斜面の高さは、前記第2の斜面の高さよりも大きく、
前記ピックアップ手段は、
vi)前記吸着コレット移動させることにより、前記第1の斜面の先端を前記第1の辺より外側で前記吸着対象物の上側表面より下に位置させ、かつ、前記第2の斜面の先端を前記上側表面よりも上に位置させ、
続いて、前記i)からv)の過程を実行する、
ことを特徴とする付記5に記載のピックアップ装置。
【0110】
(付記8)
吸着対象物の第1の辺が当接可能な第1の斜面と、前記吸着対象物の前記第1の辺に対向する第2の辺が当接可能であり、前記第1の斜面より傾斜角が大きく、前記第1の斜面に対向する第2の斜面と、前記第1の斜面及び前記第2の斜面によって形成される吸着空間を減圧するための吸着部と、を備える吸着コレットを、水平方向に移動させることにより、前記第1の斜面を前記第1の辺に当接させるステップと、
前記吸着コレットを鉛直方向下向きに移動させることにより、前記吸着対象物を前記第1の斜面に沿って水平方向に摺動させるステップと、
前記第2の辺が前記第2の斜面に当接したことを検出し、前記吸着コレットの鉛直方向下向きの移動を停止させるステップと、
前記第1の斜面と前記第2の斜面とが形成する前記吸着空間を減圧することにより前記吸着対象物を吸着するステップと、
前記吸着対象物を吸着したまま、前記吸着コレットを鉛直方向上向きに移動させることで、前記吸着対象物をピックアップするステップと、
を備えることを特徴とするピックアップ方法。