(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記共通レシート情報生成部で生成した前記共通レシート情報のうち、予め設定した特定情報を含む共通レシート情報を前記携帯端末ごとに抽出する特定情報抽出部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のレシート情報管理システム。
前記特定情報は、前記共通レシート情報の作成元である前記支出情報を送信した前記支出情報送信装置が医療機関に配置されていることまたは医療機関により提供される支出対象項目であることを表す情報であることを特徴とする請求項3記載のレシート情報管理システム。
前記携帯端末で受信した支出情報または当該支出情報に基づき生成した共通レシート情報を編集する編集処理部を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレシート情報管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を説明する。
(構成)
図1は、本発明におけるレシート情報管理システムの一例を示す構成図である。
このレシート情報管理システムは、利用者が保持する携帯電話機あるいはICカードなどの携帯端末1と、各販売店に配置されるPOSレジスタ、例えば2a、2bと、利用者の自宅に配置されたパーソナルコンピュータ(以後、自宅パソコンともいう。)3と、を含んでなる。自宅パソコン3には、電子レシート情報を記憶するためのデータベース装置3aが接続されている。また、自宅パソコン3は、ストアコンピュータのデータベース装置6に、通信回線などを介して接続できるようになっている。
【0013】
POSレジスタ2aは、電子レシート情報を近距離無線通信により送信可能な電子レシート対応のPOSレジスタであり、POSレジスタ2bは、電子レシート情報を近距離無線通信により送信不可である電子レシート非対応のPOSレジスタである。
販売店内に配置されるPOSレジスタ2(2aまたは2b)は、例えば販売店単位に設けられたPOS管理端末5により管理される。例えば販売店Aの場合には、販売店Aに配置されたPOSレジスタ2はPOS管理端末5aによって管理され、販売店Aに配置されたPOSレジスタ2それぞれが生成した電子レシート情報や決済情報などは、例えばPOSレジスタ2を識別する情報と対応付けられてデータベース装置4aに格納される。
【0014】
同様に、販売店Bの場合には、販売店Bに配置されたPOSレジスタ2はPOS管理端末5bによって管理され、販売店Bに配置されたPOSレジスタ2それぞれが生成した決済情報などは、例えば、POSレジスタ2を識別する情報と対応付けられてデータベース装置4bに格納される。
POS管理端末5a、5bは、それぞれ販売店AまたはB内に配置されたPOSレジスタ2の管理(例えば、売り上げ演算など)を行なうともに、データベース装置4aまたは4bへのアクセスを行う。
【0015】
なお、ここでは、販売店A、Bには、それぞれ1台のPOSレジスタ2a、2bが配置された場合について説明するが、これに限るものではなく、2以上のPOSレジスタが配置されていてもよく、また、電子レシート対応のPOSレジスタ2aおよび電子レシート非対応のPOSレジスタ2bが共に配置されていてもよい。
【0016】
図2(a)は、電子レシート対応のPOSレジスタ2aの一例を示す概略構成図である。電子レシート対応のPOSレジスタ2aは、電子レシート情報の生成あるいは決済処理などを行う決済処理部11aと、携帯端末1との間で近距離無線通信により、情報授受を行う送受信処理部12と、を備え、決済処理部11aで生成された電子レシート情報あるいは決済情報は、送受信処理部12を介して携帯端末1に送信されるとともに、送信元のPOSレジスタ2aを特定する識別情報が付加されて、データベース装置4aに格納される。
【0017】
図2(b)は、電子レシート非対応のPOSレジスタ2bの一例を示す概略構成図である。電子レシート非対応のPOSレジスタ2bは、決済処理などを行う決済処理部11bと、携帯端末2との間で近距離無線通信により情報授受を行う送受信処理部12と、を備え、決済処理部11bで生成された決済情報は、送信もとのPOSレジスタ2bを特定する識別情報が付加されて、データベース装置4bに格納される。
【0018】
図3は、携帯端末1の一例を示す概略構成図である。
携帯端末1は、携帯電話機あるいはICカードなどの携帯可能な端末であって、この携帯端末1には、近距離無線通信に対応したICチップが搭載されており、例えば、POSレジスタ2および自宅パソコン3と、携帯端末1との間で近距離無線通信により情報授受を行う送受信処理部21と、制御部22と、利用者による手動入力に対する入力処理や各種情報の表示処理を行なう入出力処理部23と、バーコードあるいは二次元コードを読み取り、制御部22で処理可能な情報に変換するコード読取部24と、POSレジスタ2(2a、2b)から受信した各種情報やコード読取部24から取得した読取情報を記憶するための記憶部25と、を備える。なお、ここでは、コード読取部24を携帯端末1に設けた場合について説明するが、コード読取部24は、自宅パソコン3に設けてもよく、携帯端末1および自宅パソコン3の双方で備えていてもよい。
【0019】
携帯端末1では、例えば、POSレジスタ2に接続された図示しないリーダライタにかざすこと、または自宅パソコン3に接続された図示しないリーダライタにかざすことにより、リーダリライタを介して、POSレジスタ2あるいは自宅パソコン3との間で、近距離無線通信により情報授受を行なう。
制御部22は、POSレジスタ2との間で、電子マネーによる決済を行う決済処理部22aと、POSレジスタ2a、2bからの電子レシート情報または決済情報、また、コード読取部24から取得したコード情報をもとに共通レシート情報を生成する共通レシート情報処理部22bと、記憶部25に記憶された共通レシート情報に対して、入出力処理部23により入力される編集情報にしたがって編集を行う共通レシート情報編集部22cと、を備える。
【0020】
共通レシート情報処理部22bは、POSレジスタ2からの電子レシート情報または決済情報、また、コード読取部24から取得したコード情報を、記憶部25に格納する。また、これら情報から、決済毎に、共通レシート情報を作成するための予め設定した項目に対応する項目情報を抽出し、抽出した項目情報をもとに共通レシート情報を生成し記憶部25に格納する。
【0021】
また、共通レシート情報処理部22bは、入出力処理部23から入力される指示情報にしたがって、記憶部25に格納されている共通レシート情報や、POSレジスタ2から受信した電子レシート情報や決済情報、また、コード読取部24で読み取った読取情報などの、共通レシート情報を作成する際の元となる元データを、送受信処理部21を介して自宅パソコン3に送信する。
共通レシート情報編集部22cは、利用者が入出力処理部23を操作することにより入力される編集情報にしたがって、例えば、記憶部25に格納されている共通レシート情報のうち指定された共通レシート情報について、入出力処理部23から入力される編集情報にしたがって共通レシート情報を編集する。
【0022】
また、共通レシート情報を記憶する記憶部25は携帯端末1の内部ではなく外部データベースに設け、いわゆるクラウドサービスとして利用してもよい。
自宅パソコン3は、
図4に示すように、入出力装置3bを備えるとともに、携帯端末1との間で近距離無線通信により情報授受を行う送受信処理部31と、制御部32と、を備える。
【0023】
制御部32は、携帯端末1から受信した共通レシート情報また、共通レシート情報を作成する際の元となる元データ、すなわち、POSレジスタ2からの電子レシート情報や決済情報、また、コード読取部24からのコード情報などを、データベース装置3aに格納し、また、指定された電子レシート情報やその他情報をデータベース装置3aから読み出すなどの処理を行なう共通レシート情報管理部32aと、入出力装置3bにより入力された編集情報にしたがって、データベース装置3aに格納された共通レシート情報の編集を行なう編集処理部32bと、医療機関での支払いに関する共通レシート情報など、予め設定した機関での支払いに関する共通レシート情報を抽出するなどの特定情報抽出部32cと、利用者が購入した商品がリコール対象であるかを判断するリコール処理部32dと、を備える。
【0024】
なお、ここでいう、近距離無線通信とは、NFC(Near Field Communication)規格を満足する無線通信をいう。すなわち、通信距離が10cm程度であり、NFC対応の機器を、NFC対応の機器にかざすだけで、データ通信ができるようになっている。例えば、POSレジスタ2a、2bには、NFC対応の図示しないリーダライタが接続されており、携帯端末1とリーダライタとが近距離無線通信を行うことにより、リーダライタを介してPOSレジスタ2a、2bと携帯端末1との間で情報授受が行われるようになっている。同様に、自宅パソコン3には、NFC対応の図示しないリーダライタが接続されており、携帯端末1とリーダライタとが近距離無線通信を行うことにより、リーダライタを介して携帯端末1と自宅パソコン3との間で情報授受が行われるようになっている。
また、ここでは、近距離無線通信により、各機器間で情報授受を行う場合について説明するが、これに限るものではなく、有線/無線に限らず、機器間で情報授受を行うことができればどのような通信手段であってもよい。
【0025】
(動作)
次に、上記実施形態の動作を説明する。
(共通レシート情報の管理)
図5は、
図1に示すレシート情報管理システムにおける処理の一例を説明するための説明図である。
図5において、1aは近距離無線通信対応の携帯端末1としての携帯電話機であって、レシート専用ソフト・インストール済みの携帯電話機である。2aは電子レシート対応のPOSレジスタ、1bは近距離無線通信対応の携帯端末1としてのICカードであって、レシート専用ソフト・インストール済みのICカードである。3は近距離無線通信対応のパソコンまたはタブレットなどの自宅パソコンである。なお、ここでいうレシート専用ソフトとは、
図3に示す本発明における携帯端末1が有する各種機能を実行するための処理プログラムをいう。
【0026】
電子レシートシステムに対応したPOSレジスタ2aにて、購入商品の登録、また決済が完了し、確定ボタンが押下されると(ステップS1)、POSレジスタ2aにおいて近距離無線通信を開始する。このとき、利用者(商品購入者)が、携帯端末1としての携帯電話機1aをPOSレジスタ2aのリーダライタにかざしていれば、POSレジスタ2aは携帯電話機1aを捕捉する(ステップS2)。
【0027】
そのため、POSレジスタ2aは捕捉した携帯電話機1aに対して、電子レシート情報を送信する。携帯電話機1aでは、受信した電子レシート情報を、携帯電話機1a内のICチップなどの記憶部25に書き込む(ステップS3)。このとき、記憶部25に空き領域がない場合には、記憶部25内で最も古い電子レシート情報を消去する。
一方、POSレジスタ2aにて、確定ボタンが押下され、POSレジスタ2aにおいて近距離無線通信が開始されたときに、利用者(商品購入者)が、携帯端末1としてのICカード1bを、POSレジスタ2bのリーダライタにかざしていれば、POSレジスタ2aは、ICカードを捕捉する(ステップS1、S2)。
【0028】
そのため、POSレジスタ2aは捕捉したICカード1bに対して、電子レシート情報を送信する。ICカード1bは、ICカード1b内のICチップなどの記憶部25に受信した電子レシート情報を書き込む(ステップS4)。このとき、記憶部25に空き領域がない場合には、記憶部25内で最も古い電子レシート情報を消去する。
なお、ステップS3、ステップS4の処理で、最も古い電子レシート情報を、まだ自宅パソコン3に取り込んでいない場合には、この電子レシート情報を削除してしまうと、この電子レシート情報は、自宅パソコン3で管理することができなくなる。そのため、例えば、削除する電子レシート情報を携帯電話機1aの画面に表示し、利用者に対してこの電子レシート情報を本当に削除してよいのか否かなどを問い合わせるように構成してもよい。
【0029】
また、ここでは最も古い電子レシート情報を削除するようにしているが、電子レシート情報に限らず、決済情報やコード情報などの元データ、また、共通レシート情報を含めて最も古いデータを削除するようにしてもよい。
そして、このようにして、POSレジスタ2a、2bから電子レシート情報が転送された携帯電話機1a、ICカード1bなどの携帯端末1を、利用者が自宅パソコン3にかざすと、携帯端末1と自宅パソコン3との間での近距離無線通信が開始され、携帯端末1の記憶部25に格納された共通電子レシート情報、また元データなどが自宅パソコン3に転送される(ステップS5)。
【0030】
そして、自宅パソコン3では、携帯電話機1a、ICカード1bなどで収集した電子レシート情報、また元データなどを、データベース装置3aに格納するとともに、この電子レシート情報を利用して、例えば、Web上の家計簿サービス、あるいは、自宅パソコン3に搭載されている家計簿作成用のアプリケーションプログラムを利用して家計簿をつける。
【0031】
以上が、POSレジスタ2から受信した電子レシート情報に対する一例の処理の流れである。
ここで、携帯電話機1a、ICカード1bなどの携帯端末1では、POSレジスタ2aから受信した電子レシート情報から、共通レシート情報を生成し、共通レシート情報を、自宅パソコン3に転送している。
【0032】
(共通レシート情報の生成)
図6は、POSレジスタ2(2aまたは2b)から、電子レシート情報または決済情報を受信したときの、携帯端末1の共通レシート情報生成時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
携帯端末1では、POSレジスタ2から電子レシート情報、あるいは、決済情報、コード情報を受信するとステップS11からステップS12に移行し、受信した電子レシート情報、決済情報、コード情報の様式や記載内容を識別する。
【0033】
つまり、電子レシート情報あるいは決済情報の様式は、これら電子レシート情報あるいは決済情報の送信元であるPOSレジスタ2に搭載されている電子レシート情報の作成処理プログラムや、決済情報の作成処理プログラムの提供会社によって異なる。異なる販売店で商品購入を行った場合、電子レシート情報や決済情報は、POSレジスタ2のメーカなどによってフォーマットが異なったり、これら情報に含まれる記載内容が異なったりする。このように電子レシート情報や決済情報の様式や記載内容が異なると、電子レシート情報や決済情報を、携帯端末1や自宅パソコン3側で管理する場合、電子レシート情報や決済情報の様式が異なるため、これら情報を一元的に取り扱うことができず、利用者は使い勝手が悪い。
【0034】
そこで、本実施形態では、受信した電子レシート情報や決済情報、またコード情報について、これらから、所定項目からなる所定フォーマットのレシート情報からなる共通レシート情報を生成する。
そのため、まずステップS12では、所定項目の項目情報を抽出するため、共通レシート情報に含まれる各項目に対応する項目情報が、電子レシート情報や決済情報、コード情報を表すデータ列のどの部分にどのような形式で格納されているのかなど、といった格納情報を検出する。
【0035】
この格納情報の検出は、例えば、以下の手順で行なう。すなわち、POSレジスタのメーカや、種類の異なるPOSレジスタから送信される電子レシート情報や決済情報、コード情報について、これら情報から、共通レシート情報の各項目に対応する項目情報を抽出する際に必要な情報、例えば、AメーカのPOSレジスタで発行された電子レシート情報のどの部分にどのような形式で、共通レシート情報に含まれる各項目に対応する項目情報が格納されているかなどを、予め電子レシート情報や決済情報、コード情報の種別ごとに検出しておき、これを対応付け情報として携帯端末1の記憶部25に格納しておく。つまり、メーカによって、電子レシート情報などのフォーマットは異なるため、電子レシート情報や決済情報、コード情報について、フォーマットが異なる毎に、対応付け情報を生成しておく。
【0036】
そして、電子レシート情報や決済情報、コード情報を受信したとき、記憶部25に保持している対応付け情報のうち、これら受信した情報に対応する対応付け情報を検索することにより、受信した電子レシート情報などの格納情報を検出する。
次いで、ステップS13に移行し、ステップS12で検出した格納情報をもとに、POSレジスタ2やコード読取部24から取得した電子レシート情報や決済情報、コード情報など、取得した情報それぞれ毎に、これら情報の中から、予め設定した共通レシート情報として抽出すべき項目に対応する項目情報を抽出し(ステップS13)、抽出したデータをもとに、予め設定したフォーマットで共通レシート情報を作成する(ステップS14)。
【0037】
そして、作成した共通レシート情報を、携帯端末1を特定する識別情報や取引Noと紐付けて記憶部25に格納する。
共通レシート情報は、例えば、
図7に示すように、発行年月日(電子レシート情報や決済情報が発行された年月日)、レシート発行者ID(例えば商品購入を行った販売店を識別するためのID)、レジ設置場所ID(例えば商品購入を行った販売店においてどのフロアに設置されているPOSレジスタであるかを表すID)、POSレジID(フロア内に設置されている複数のPOSレジスタのうちどのPOSレジスタであるかを表すID)、電子シートNo、決済手段(現金決済であるか、電子マネーによる決済であるか)、商品ID(購入商品を特定するID番号)、金額(購入商品の金額)、電子マネー決済機種ID(電子マネー決済を行った機種を特定するID番号)、電子マネー取引Noを含む。
【0038】
なお、共通レシート情報に含むべき項目はこれに限るものではなく、任意に設定することができる。
そして、携帯端末1では、POSレジスタ2から電子レシート情報あるいは決済情報を受信したときには、予め保持している格納情報に基づき、受信した電子レシート情報あるいは決済情報、コード情報について格納情報に基づき、共通レシート情報として抽出すべき項目に対応する項目情報を抽出し、例えば
図7に示すフォーマットの共通レシート情報を生成する。
【0039】
例えば、電子レシート対応のPOSレジスタ2aで現金決済を行った場合には、POSレジスタ2aから電子レシート情報が送信され、携帯端末1では、この電子レシート情報から、「発行年月日、レシート発行者ID、レジ設置場所ID、POSレジID、電子レシートNo、決済手段、商品ID、金額、電子マネー決済機種ID、電子マネー取引No」を抽出する。
【0040】
また、例えば、電子レシート非対応のPOSレジスタ2bで電子マネー決済を行った場合には、POSレジスタ2bから決済情報が送信され、携帯端末1では、この決済情報から、例えば
図7(b)に示すように、「発行年月日、決済手段、商品ID、金額、電子マネー決済機種ID、電子マネー取引No」を抽出する。共通レシート情報として抽出すべき他の項目「レシート発行者ID、レジ設置場所ID、POSレジID、電子レシートNo」について、決済情報に含まれないため、これら項目は共通レシート情報として設定されない。
【0041】
また、例えば、コード読取部24によって、バーコードあるいは二次元コードを読み取った場合には、コード情報に含まれる、共通レシート情報として抽出すべき項目の項目情報を抽出し、抽出した項目情報に基づき共通レシート情報を生成する。例えば、コード情報に「商品ID、金額」が含まれ、他の項目については含まれていない場合には、「商品ID、金額」が共通レシート情報として設定される。
【0042】
ここで、コード情報あるいは、
図7(b)に示す決済情報に基づき共通レシート情報を生成する場合のように、共通レシート情報として設定すべき項目の項目情報を全て抽出することができない場合には、利用者が携帯端末1において入出力処理部23を操作し、共通レシート情報編集部22cにより、編集対象の共通レシート情報を読み出して画面表示し、利用者自身が、共通レシート情報として設定すべき項目の項目情報を入力設定することにより、
図7(c)に示すように、共通レシート情報の編集を行ってもよい。なお、必ずしも、
図7(c)に示すように、共通レシート情報に含まれる項目全てについて項目情報を入力設定する必要はなく、可能な範囲で入力するようにすればよい。
【0043】
そして、このようにして生成された共通レシート情報は、取引No(つまり、携帯端末1における電子レシート情報や決済情報を受信したトータルの番号)や、決済機種ID(つまり、携帯電話機1aを特定するID)と紐付けて記憶部25に格納される。
そして、利用者が携帯端末1を、自宅パソコン3のリーダライタにかざすと、携帯端末1と自宅パソコン3との間で近距離通信が行われ、携帯端末1の記憶部25に記憶された共通レシート情報およびPOSレジスタ2から受信した電子レシート情報、決済情報などの元データが記憶部25から読み出され、自宅パソコン3に転送される。
【0044】
自宅パソコン3は、転送された共通レシート情報を、その元となる電子レシート情報あるいは決済情報と対応付けて、データベース装置3aに格納する。
そして、自宅パソコン3の共通レシート情報管理部32aでは、データベース装置3aに格納された共通レシート情報を管理する。
なお、例えば、共通レシート情報を、家計簿処理などに利用する際に、共通レシート情報として設定すべき項目全てに項目情報が含まれていない場合には、この時点で、自宅パソコン3の利用者が、入出力装置3bを操作することによって、共通レシート情報の編集を行ってもよい。
【0045】
このように、各POSレジスタ2a、2bから受信した電子レシート情報、決済情報、あるいはコード読取部24から受信したコード情報は、これら各情報に含まれる情報を有する共通レシート情報に変換されてデータベース装置3aに格納される。また、この共通レシート情報は、POSレジスタ2a、2bの種類や仕様、また、電子レシート情報か決済情報か、また、コード情報かなどに関係なく同一フォーマットの情報からなる。
【0046】
したがって、共通レシート情報管理部32aでは、共通レシート情報を、電子レシート情報であるか、決済情報であるか、また、POSレジスタ2a、2bの仕様などに関係なく、同一フォーマットの情報として取り扱うことができ、すなわち、一元的に管理することができる。
そのため、例えば、携帯端末1あるいは自宅パソコン3に搭載した家計簿のアプリケーションプログラムなどを利用して家計簿をつける場合であっても、共通フォーマットの共通レシート情報を用いて家計簿処理を行なうことになるため、複数の電子レシート情報や決済情報などのフォーマットが異なる場合であっても、容易に処理することができる。
【0047】
また、このように、利用者は自己の共通レシート情報を自宅パソコン3で生成して管理することができる。そのため、利便性が高い上に、共通レシート情報が承諾なしに、二次利用などに用いられることを回避することができ、すなわち情報流出するリスクを低減することができる。
また、決済情報や、電子レシート情報、また、コード情報などから共通レシート情報を得ることができ、すなわち、紙によるレシートが発行される機会を削減することができるため、その分、紙資源利用の削減を図ることができる。
【0048】
なお、ここでは、携帯端末1では、電子レシート情報や決済情報を受信したときに、共通レシート情報を生成する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、決済端末、すなわち携帯端末1に、データベース装置を接続しておき、携帯端末1では、決済時、決済情報や電子レシート情報を受信したときにこれら情報をデータベース装置に格納しておく。そして、例えば利用者による共通レシート情報の生成指示が行われた時点で、データベース装置に格納された決済情報や電子レシート情報から共通レシート情報を生成し、これをデータベース装置に格納するようにしてもよい。
【0049】
あるいは、POSレジスタ側で、携帯端末1に送信した決済情報をPOSレジスタ側のデータベース装置に格納しておく。その一方で、携帯端末1では決済情報を受信し、これに対する決済処理を行う。そして、例えば利用者により、共通レシート情報の生成指示が行われ、
図1に示すように、例えば電子マネーにより決済を行なったPOSレジスタによる決済情報が格納された、POSレジスタ側のデータベース装置6に自宅パソコン3からネットワーク回線などを介してアクセスすることにより、指定された年月日あるいは、指定された決済に関する決済情報をデータベース装置6から取得し、これに基づき共通レシート情報を取得するようにしてもよい。この場合には、自宅パソコン3に、共通レシート情報を生成する機能を設ければよい。
【0050】
(医療費関連情報の抽出)
また、例えば、自宅パソコン3において、利用者の入出力装置3bの操作により、医療費関連情報の抽出を指示すると、制御部32の特定情報抽出部32cでは、
図8のフローチャートに示すように、ステップS21からステップS22に移行し、データベース装置3aに格納されている、共通レシート情報の中から、予め医療費関連項目として設定した項目を含む共通レシート情報を抽出する。
【0051】
医療費関連項目を含む共通レシート情報の抽出は、例えば以下の手順で行なう。すなわち、医療費関連情報として抽出すべき共通レシート情報に設定されている、レシート発行者IDの設定情報、あるいは商品IDの設定情報などを、医療費関連項目として予め設定して自宅パソコン3に記憶しておく。例えば医療機関から電子レシート情報や決済情報を受信したときに、そのレシート発行者ID、あるいは商品IDなどの設定情報、つまり、病院などの医療機関を表すレシート発行者IDや医療機関で処方される商品などを表す商品IDなどの設定情報を、携帯端末1あるいは自宅パソコン3を操作することにより、医療費関連項目として自宅パソコン3に記憶しておく。
【0052】
そして、共通レシート情報のうち、医療費関連項目として設定されているレシート発行者IDや商品IDを含む共通レシート情報を抽出すればよい。
続いて、特定情報抽出部32cでは、ステップS22で抽出した、医療費関連項目として設定された設定情報を含む共通レシート情報から、「発行年月日」の設定情報を取得する。そして、データベース装置3aに格納されている共通レシート情報のうち、医療費関連項目を含む共通レシート情報と同じ発行年月日を有し、且つ医療関連商品を含む共通レシート情報を抽出する(ステップS23)。
なお、ここでいう、医療関連商品とは、例えば、風邪薬や、頭痛薬、腹痛薬、など医療費控除の対象として認められている商品をいう。
【0053】
この医療関連商品を含む共通レシート情報の抽出は、例えば以下の手順で行なう。すなわち、例えば予め自宅パソコン3に、風邪薬や頭痛薬などの医療関連商品として設定した商品の商品IDを記憶しておく。そして、ステップS22で抽出した医療費関連項目を含む共通レシート情報と同じ発行年月日を有する共通レシート情報のうち、医療関連商品として設定された商品IDを含む共通レシート情報を抽出する。
続いて、特定情報抽出部32cでは、データベース装置3aに格納されている共通レシート情報のうち、ステップS22で抽出した医療費関連項目を含む共通レシート情報と同じ発行年月日を有し、且つ交通費に関する共通レシート情報を抽出する(ステップS24)。
【0054】
この交通費に関する共通レシート情報の抽出は、例えば以下の手順で行なう。すなわち、データベース装置3aに格納されている共通レシート情報のうち、ステップS22で抽出した医療費関連項目を含む共通レシート情報と同じ発行年月日を有する共通レシート情報を抽出する。そして、抽出した共通レシート情報を時系列に画面表示する。そして、利用者が、表示画面を参照して共通レシート情報のレシート発行者ID、商品ID、また発行日時などをもとに、医療機関に向かうための交通費に関する共通レシート情報であるかを判別すればよい。あるいは、共通レシート情報を、自宅パソコン3のデータベース装置3aに転送する前に携帯端末1において利用者が共通レシート情報の編集を行い、医療機関に向かうために要した交通費に関する共通レシート情報には、医療関連に要した交通費であることを表す識別情報を付加すること、または、共通レシート情報を自宅パソコン3のデータベース装置3aに転送する際に、自宅パソコン3において、利用者が共通レシート情報の編集を行って、医療機関への往復に要した交通費に、医療関連に要した交通費であることを表す識別情報を付加すること、などにより、医療関連に要した交通費に識別情報を付加する。そして、この医療関連に要した交通費であることを表す識別情報が付加された共通レシート情報を、医療関連の交通費として、特定情報抽出部32cにおいて選択するようにしてもよい。
【0055】
そして、ステップS22で抽出した、医療費関連項目として設定されたレシート発行者ID、あるいは商品IDなどを有する共通レシート情報と、ステップS23で抽出した、医療関連商品として設定された商品IDを有する共通レシート情報と、ステップS24で抽出した、医療関連項目の交通費に関する共通レシート情報と、を、医療費関連情報として、画面表示するなどにより、利用者に提示する(ステップS25)。
これによって、医療機関での支出や医療機関までの交通費、また、医療関連商品の購入に関する共通レシート情報が、医療費関連情報として提示される。この医療費関連情報は医療に要した支出に関する共通レシート情報であるため、利用者は、この医療費関連情報を参照することによって、容易に医療費控除の演算などを行うことができる。
【0056】
また、このとき、医療費関連情報を抽出する期間を設定するようにし、設定した期間における医療費関連情報を抽出するように構成してもよい。
また、例えば、電車やバスなどの交通費については、レシート情報を得ることができない。このような場合には、利用者が自宅パソコン3や携帯端末1で、交通費を含む各項目を手動入力することにより、共通レシート情報を作成するとともに、例えば、商品IDとして医療機関までの往復の交通費であることを表すIDを付加し、さらに、このID情報を、医療関連商品として設定する。このようにすることによって、
図8に示す処理が実行されたときには、この医療機関に行くための交通費からなる共通レシート情報も、医療費関連情報として自動的に抽出されるため、レシート情報のない交通費が、医療費控除の対象から漏れることを抑制することができる。
【0057】
また、医療機関や医療関連商品として設定された商品IDを有する商品の販売店、など、これら医療費関連情報として提示される共通レシート情報の発行元のPOSレジスタ側で、例えばレシート発行者ID、商品ID、金額など、医療費控除に必要な項目の項目情報それぞれに対してチェクデジットなどの認証情報を付加するようにし、携帯端末1では共通レシート情報を生成する際に、このチェックデジットを含めて項目情報を抽出するようにする。このような構成とすることによって、医療機関などで発行された電子レシート情報や決済情報から生成した共通レシート情報であっても、各項目情報には認証情報が付加されており、医療費控除に必要な、レシート発行者ID、商品ID、金額などには認証情報が付加されており不正に改ざんされていないことが証明される。そのため、共通レシート情報そのものを医療費控除の領収書として用いることができる。
【0058】
また、例えば、電子レシート情報や決済情報に、電子署名やチェックデジットなどの認証情報を付加しておけば、この認証情報が付加された電子レシート情報や決済情報そのものが不正に改ざんされていないことが証明されるため、これら電子レシート情報や決済情報を、医療費控除の領収書として用いることができる。
【0059】
(リコール対応処理)
また、例えば、リコールが発生したとき、以下のような処理を行う。
すなわち、リコール商品のメーカは、
図9に示すように、電子レシート対応のPOSレジスタを利用している企業(販売店)に対して、リコール情報を通知する(ステップS31)。リコール情報としては、例えば、リコール対象の商品ID、販売期間などを含む。
リコール情報が通知された販売店では、販売店内のPOSレジスタ2に接続されたデータベース装置4a、4bに記憶している発行ログ、すなわち電子レシート情報あるいは決済情報を参照し、リコール情報で通知された、リコール対象の商品IDの販売期間に該当し、且つリコール対象の商品IDを含む電子レシート情報あるいは決済情報を抽出する。
【0060】
そして、抽出した電子レシート情報や決済情報から、電子レシートのユニーク値を収集する。前記ユニーク値は、例えば、電子レシート情報の場合には、レシート発行者ID、POSレジスタ設置場所ID、POSレジスタID、電子レシートNoなどである。決済情報の場合には、電子マネー取引Noなどである。
そして、抽出したユニーク値を、リコール商品のメーカに通知する(ステップS32)。
【0061】
ユニーク値が通知されたリコール商品のメーカまたリコール商品を販売した販売店では、例えばWebサイトなどにより、リコール商品に該当する電子レシート情報および決済情報のユニーク値を公開する(ステップS33)。
利用者は、例えばWebサイトなどにより公開されたリコール情報(ユニーク値)を自宅パソコン3にダウンロードし(ステップS34)、リコール情報(ユニーク値)と、データベース装置3aに格納している共通レシート情報とをマッチングする(ステップS35)。そして、共通レシート情報のうち、ユニーク値を含む共通レシート情報がない場合にはリコール情報に対する処理を終了する。
【0062】
一方、共通レシート情報のうち、ユニーク値を含む共通レシート情報が存在する場合には、該当する共通レシート情報を、リコール商品として当該リコール商品を購入した販売店に提示する(ステップS36)。
販売店では、リコール商品として提示された共通レシート情報と、データベース装置4a、4bで記憶している電子レシート情報あるいは決済情報と、が合致するかを確認する。そして、合致するときにはリコール商品であると判断し、製造メーカあるいは販売店において、例えば、返品などの手続を行う(ステップS37)。
【0063】
ここで、自宅パソコン3では、電子レシート情報あるいは決済情報を共通レシート情報として保持しており、共通レシート情報は、共通フォーマットで記載された情報である。したがって、全ての共通レシート情報について同一のマッチング処理を行うことで、リコール対象の商品に関する共通レシート情報か否かを判断することができる。そのため、簡易なマッチング処理により、比較的短時間でマッチングを行うことができる。
【0064】
また、上述のように、自宅パソコン3において例えば、各種製品のリコール情報が集められたWebサイトからリコール情報を、一括してあるいは、利用者の購入商品に関連ありそうな製品のリコール情報を選択して、これらリコール情報を自宅パソコン3に取得すれば、以後は、データベース装置3aに格納されている共通レシート情報についてマッチングが自動的に行なわれ、リコール情報に該当する商品を含む共通レシート情報が選択されて、自宅パソコン3に表示される。したがって、利用者は、自宅パソコン3に表示された共通レシート情報を参照するだけで、リコール情報に該当する製品を認識することができる。
【0065】
つまり、利用者はリコール情報に該当する商品を保持しているか、また、それがどの製品であるのかを容易に認識することができるため、利用者に対して、利用者が保持する製品にリコールに該当する製品があるか否かについて関心を持たせることができ、リコール商品の回収率の向上につなげることができる。
また、リコール情報とのマッチングは、利用者の自宅パソコン3で行なっており、利用者は、自己の個人情報や行動履歴を外部に通知することなく、リコール情報を得ることができる。そのため、利用者の個人情報を外部に通知する必要がないという点からも、利用者に対してリコールに関心をもたせることができ、リコール商品の回収向上につなげることができる。
【0066】
また、例えば、上述のように発行元が付加した認証情報を含む電子レシート情報や決済情報、あるいは、共通レシート情報に含まれる項目それぞれに認証情報を付加しておき、リコール申告を行なう際には、利用者に対して、共通レシート情報あるいは電子レシート情報や決済情報の提示を求めることによって、正確な購入日時時刻や購入場所、購入時に同時購入した商品情報などの合致が確認可能なため、偽りにリコール申告も防止することができる。
【0067】
なお、上記実施形態では、共通レシート情報のうち、医療費関連情報を抽出する場合について説明したが、これに限るものではなく、任意の情報を抽出することができる。
また、上記実施形態では、携帯端末1で受信した電子レシート情報や決済情報、コード情報を、自宅パソコン3で管理する場合について説明したが、これに限るものではなく、複数の携帯端末で受信した電子レシート情報などを自宅パソコン3で管理するように構成することも可能である。
【0068】
なお、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。