特許第6201514号(P6201514)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6201514
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】給電ハブ装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 19/00 20060101AFI20170914BHJP
   H04M 3/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   H04M19/00 101
   H04M3/00 E
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-169763(P2013-169763)
(22)【出願日】2013年8月19日
(65)【公開番号】特開2015-39134(P2015-39134A)
(43)【公開日】2015年2月26日
【審査請求日】2016年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(72)【発明者】
【氏名】青柳 博久
(72)【発明者】
【氏名】藤生 喜元
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−197104(JP,A)
【文献】 特開2007−281628(JP,A)
【文献】 特開2009−260848(JP,A)
【文献】 特開2003−158529(JP,A)
【文献】 特開2006−085503(JP,A)
【文献】 特開2009−022112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26− 1/32
H02J 13/00
H04L 12/28
12/44−12/46
13/02−13/18
29/00−29/12
H04M 1/00
1/24− 3/06
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
19/00−19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電能力を備える1以上の端末接続ポートを備える給電ハブ装置において、
前記端末接続ポートに接続された受電端末を識別する端末IDを指定して給電の開始または停止に係る給電制御コマンドを所定の給電管理装置から受信する給電制御コマンド受信手段と、前記受信した給電制御コマンドに応じて前記受電端末が接続されている端末接続ポートの給電の開始または停止を制御する給電制御手段と、前記端末接続ポートの各々から入力されるデータから1以上の端末IDを抽出する端末ID抽出手段と、前記抽出した端末IDを当該端末接続ポートと対応付けて記憶する端末ID記憶手段と、を有し、
前記給電制御手段は、前記給電管理装置から受信した前記給電制御コマンドが給電の停止を指示していた場合に、前記端末ID記憶手段を参照し、前記給電制御コマンドが指定している端末IDに対応する端末接続ポートに複数の端末IDが記憶されているか否かを判定し、複数の端末IDが記憶されていると判定したならば、給電の停止を実行しないことを特徴とする給電ハブ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の給電ハブ装置において、
前記給電制御コマンド受信手段は、所定の給電管理装置との通信リンクが切断されたことを検知した場合に、前記給電制御手段は、前記端末ID記憶手段を参照して各端末接続ポートに対応付けて記憶されている端末IDが1つのみの端末接続ポートの給電を停止することを特徴とする給電ハブ装置。
【請求項3】
給電能力を備える1以上の端末接続ポートを備える給電ハブ装置において、
予め登録したスケジュールに応じて前記端末接続ポートに接続された受電端末を識別する端末IDを指定して給電の開始または停止を指示する計画給電指示手段と、前記計画給電指示手段からの指示に応じて当該受電端末が接続されている端末接続ポートの給電の開始または停止を制御する給電制御手段と、前記端末接続ポートの各々から入力されるデータから1以上の端末IDを抽出する端末ID抽出手段と、前記抽出した端末IDを当該端末接続ポートと対応付けて記憶する端末ID記憶手段と、を有し、
前記端末ID記憶手段は、複数の端末IDが抽出された端末接続ポートを検知した場合に、前記検知した端末接続ポートから入力された端末IDを記憶しないことを特徴とする給電ハブ装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP電話機等の通信端末に対して電力を供給する給電ハブ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の給電ハブ装置では、連携する外部の給電管理装置(給電管理サーバ)から給電の開始または停止に係わる指示を受け、配下の通信端末(IP電話機等)に対する電力供給を制御する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
しかし従来の方法では、電力供給を管理/制御を行う情報に、給電ハブ装置の端末接続ポートの位置に係わるポート情報を用いていたため、当該ポートに継続的に電力供給を必要とする他の通信端末が一緒に接続されている場合や、無線アクセスポイントを介して複数の通信端末が接続されている場合など、給電管理サーバからの指示のみに従って電力供給を停止すると、これら通信端末の通信が途絶えてしまう不都合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−197104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明の課題は、給電ハブ装置において、端末接続ポートに給電制御対象の通信端末が1台のみ接続されている場合に限って給電管理装置からの指示を実行するとともに、給電管理装置が給電制御対象の通信端末が接続されているポートを意識することなく電力供給を制御することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
給電能力を備える1以上の端末接続ポートを備える給電ハブ装置であって、前記端末接続ポートに接続された受電端末を識別する端末IDを指定して給電の開始または停止に係る給電制御コマンドを所定の給電管理装置から受信する給電制御コマンド受信手段と、前記受信した給電制御コマンドに応じて前記受電端末が接続されている端末接続ポートの給電の開始または停止を制御する給電制御手段と、前記端末接続ポートの各々から入力されるデータから1以上の端末IDを抽出する端末ID抽出手段と、前記抽出した端末IDを当該端末接続ポートと対応付けて記憶する端末ID記憶手段と、を有し、前記給電制御手段は、前記給電管理装置から受信した前記給電制御コマンドが給電の停止を指示していた場合に、前記端末ID記憶手段を参照し、前記給電制御コマンドが指定している端末IDに対応する端末接続ポートに複数の端末IDが記憶されているか否かを判定し、複数の端末IDが記憶されていると判定したならば、給電の停止を実行しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、端末接続ポートにおいて認識された通信端末固有の端末IDを判断して、前記端末IDが複数認識された場合に電力供給を停止しないよう制御することにより、継続的に電力供給を必要とする通信端末の通信を維持することが可能となる。
【0008】
またポートの物理的位置を示すポートIDでなく通信端末固有の端末IDで管理することにより、給電制御対象の通信端末を別のポートに移動した際にも、給電管理装置(給電管理サーバ)と給電ハブ装置間での不整合をなくし、安全に給電を制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明を用いた給電ハブ装置を含む通信システムの構成図である。
図2】本発明による給電ハブ装置のブロック構成を示す図である。
図3】給電ハブ装置の端末ID一時記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
図4】給電ハブ装置の給電対象端末ID記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
図5】給電ハブ装置の第一の実施例における給電制御部の動作フローである。
図6】給電ハブ装置の第二の実施例における給電制御部の動作フローである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明を用いた給電ハブ装置を含む通信システムの構成図である。電話網1と接続する主装置2、およびIP網3と接続するルータ4と、本発明による給電ハブ装置6のポート5とがLAN5を介して接続され、給電ハブ装置6のポート1とポート2とポート4には主装置2の内線端末であるIP電話機11,12,13が、ポート3には無線LANアクセスポイント7が接続されており、これらに対して給電ハブ装置6は電力を供給する。
【0012】
またポート3に接続された無線アクセスポイント7を介して無線IP電話機31,32が、またポート4に接続されたハブを内蔵するIP電話機13を介してパソコン21が接続されている。
【0013】
このとき給電ハブ装置6は、ポート1〜ポート4の各ポートに入力されるデータから、各端末で固有の端末ID(MACアドレスやIPアドレスや固有IDなど)を抽出し、自装置の端末ID記憶部に記憶するとともに、主装置2に対して前記抽出した端末IDを通知する。尚、特定の端末IDのみを記録、通知してもよい。
【0014】
また主装置2は、給電制御装置として機能し、給電ハブ装置6から給電対象端末の端末IDを受信し、当該端末IDに対応づけられた省エネ設定やプレゼンスに応じて給電を管理し、端末IDを通知してきた給電ハブ装置6に対して、端末IDを指定した給電の開始または停止に係る給電制御コマンドを通知する。
【0015】
前記給電制御コマンドを受信した給電ハブ装置6は、給電制御コマンドによって指示された端末IDに対応するポートに対して給電の開始または停止を制御する。
【0016】
図2は、本発明による給電ハブ装置のブロック構成を示す図である。
本発明による給電ハブ装置6は、給電能力を備え通信端末を収容するポート1〜ポート4(601〜604)と、上位ネットワークに位置する主装置2やルータ4と接続するアップリンクポート5(605)と、スイッチングハブ機能を実現するハブ機能部611と、ポート1〜ポート4(601〜604)において給電を必要とする通信端末の接続状態を検知する端末接続検知部621と、給電制御部630からの指示によって各ポートへの給電を行う端末給電部622と、自装置の各部に電力を供給する電源部609と、ハブ機能部611が抽出した1以上の端末ID(例としてMACアドレス)を各ポートに対応づけて所定の期間記憶する端末ID一時記憶部612(例としてMACアドレステーブル)と、各ポートに対応づけて給電制御対象とする単一の端末IDを記憶する給電対象端末ID記憶部631と、主装置2に対して前記抽出した端末IDを通知または主装置2から通知される給電制御コマンドを受信する主装置通信部632と、端末ID毎またはポート毎に予め給電の開始時刻または停止時刻を登録し、登録した時刻になった際に給電制御部630に給電の開始または停止に係わる指示を通知するスケジュール管理部633と、給電を制御する給電制御部630から構成されている。
【0017】
給電制御部630は、まず端末接続検知部621によっていずれかのポート(601〜604)に給電を必要とする通信端末が接続されたことを検知すると、端末給電部622に指示して接続を検知したポートに対する給電を開始する。
【0018】
次に、端末ID一時記憶部612に記憶されている端末IDを所定の条件で抽出して、給電対象端末ID記憶部631に前記抽出した端末IDを抽出したポートに対応づけて記憶するとともに、主装置通信部632を介して前記抽出した端末IDを主装置2に通知する。
【0019】
このとき、ポート3(603)やポート4(604)のように複数の通信端末が接続されている場合、端末ID一時記憶部612のひとつのポート区分に対して複数の端末IDが記憶されるが、ポート1(601)やポート2(602)にように単一の通信端末が接続され単一の端末IDのみが抽出された場合のみ、給電対象端末ID記憶部631に前記抽出した端末IDを抽出したポートに対応づけて記憶する。
【0020】
尚、所定の条件に合致する端末IDのみを記憶、通知するようにしてもよい。これは、無線アクセスポイントに従属する無線IP電話機が1台のみの場合にも、新たに無線アクセスポイントに従属しようとする通信端末を受入れられるよう、無線アクセスポイントへの給電を継続させるよう給電制御を無効化する場合などに適用される。
【0021】
また給電対象端末ID記憶部631の他のポートに対する端末IDに、前記抽出した端末IDと同一の値が記憶されていた場合には他のポートの端末IDをクリアする。
【0022】
次に給電制御部630が、主装置通信部632を介して主装置2からの給電制御コマンドを受信した場合またはスケジュール管理部633から給電に係わる指示を受信した場合に、受信した端末IDと給電対象端末ID記憶部631の内容を照合し、給電制御対象のポートを特定する。
【0023】
次に、端末給電部622に指示して前記特定したポートに対する給電の開始または停止を制御する。
【0024】
次に給電制御部630が、端末接続検知部621によって給電を必要とする通信端末が取り外されたことを検知すると、端末給電部622に指示して前記通信端末が取り外されたことを検知したポートに対する給電を停止する。
【0025】
図3は、給電ハブ装置の端末ID一時記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
給電ハブ装置6の端末ID一時記憶部612は、データ転送を行っている通信端末のMACアドレス(端末ID)を一時的に記憶するMACアドレステーブルであり、ハブ機能部611によって抽出された1以上のMACアドレスを端末接続ポートに対応づけて所定の期間記憶するものである。
【0026】
本図において、IP電話機11のMACアドレス“A001”がポート1に(V6121)、IP電話機12のMACアドレス“A002”がポート2に(V6122)、無線IP電話機31のMACアドレス“B001”がポート3に(V6123)、無線IP電話機32のMACアドレス“B002”がポート3に(V6124)、IP電話機13のMACアドレス“A003”がポート4に(V6125)、IP電話機13に内蔵されたハブを介して接続されたパソコン21のMACアドレス“C001”がポート4に(V6126)対応づけられて記憶されている。
【0027】
尚、これらのMACアドレスは、給電ハブ装置6と通信端末との間で所定の期間データ転送が行われなかった場合に自動的にクリアされる。また通信端末を別の端末接続ポートに接続しなおした場合にも更新される。
【0028】
本発明による給電ハブ装置6の給電制御部630では、このMACアドレステーブルに記憶されたポート区分毎のMACアドレスの数を判断して、給電対象端末ID記憶部631に記憶するMACアドレスを決定したり、給電停止の実行を制御する。
【0029】
図4は、給電ハブ装置の給電対象端末ID記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
給電ハブ装置6の給電対象端末ID記憶部632は、給電制御の対象とする通信端末のMACアドレス(端末ID)を端末接続ポート毎に1つを対応づけて記憶する管理テーブルである。
【0030】
給電制御部630は、端末ID一時記憶部612の記憶内容(図3に一例を示す)を検索し、1つのポート区分に記憶されているMACアドレスの数を判定して、MACアドレスの数が1である場合に当該MACアドレスを端末接続ポートに対応づけて給電対象端末ID記憶部631に記憶する。またこのとき1つのポート区分において複数のMACアドレスが存在している場合には、給電対象端末ID記憶部631に記憶させず、当該ポート区分に対応する記憶内容をクリアする。
【0031】
これにより、給電対象端末ID記憶部632のポート1の区分にIP電話機11のMACアドレス“A001”(V6311)が、ポート2の区分にIP電話機12のMACアドレス“A002”(V6312)が記憶される。
【0032】
尚、給電対象端末ID記憶部632には、端末ID一時記憶部612において複数のMACアドレスが記憶されているポート3とポート4の区分の端末IDは記憶しない(V6313〜V6314)。
【0033】
図5は、第一の実施例として、給電停止指示を受信時にMACアドレステーブルの記憶内容を検査して給電停止の実行を判断する場合における給電制御部の動作フローを示す。
【0034】
本発明による給電ハブ装置の電源を入れ本フローを開始した場合(S600)において給電制御部630は、端末接続検知部621によって給電対象の通信端末が接続されたことを検知すると(S601,YES)、端末給電部622に指示して前記接続を検出したポートへの給電を開始する(S602)。
【0035】
次に、端末ID一時記憶部(MACアドレステーブル)621を検査し(S603)、前記接続を検知したポート区分に属する端末ID(MACアドレス)の数が単一であるか複数であるかを判定し(S604)、
【0036】
単一であった場合に(S604,YES)、主装置通信部632を介して当該MACアドレスを主装置2に通知する(S605)。また前記接続を検知したポート区分に属するMACアドレスの数が複数であった場合には(S604,NO)、ステップ606に進む。
【0037】
次に、給電制御部630が主装置通信部632を介して主装置2からの給電制御コマンドを受信した場合またはスケジュール管理部633から給電に係わる指示を受信した場合に(S606,YES)、前記受信したMACアドレス(端末ID)とMACアドレステーブル612の内容を照合し、給電制御対象のポートを特定する(S607)。
【0038】
次に、給電制御対象のポートを特定できた場合には(S608,YES)ステップ609に進む。また給電制御対象のポートを特定できなかった場合には(S608,NO)ステップ614に進む。
【0039】
ステップ609において、主装置2から受信した給電制御コマンドまたはスケジュール管理部633から受信した給電に係わる指示の内容が給電の停止を指示するものであった場合(S609,YES)、APRテーブル612を検査し、指示された給電制御対象ポートの区分に属するMACアドレスの数が単一であるか複数であるかを判定し(S610,S611)、単一であった場合に(S611,YES)、端末給電部622に指示して当該ポートへの給電を停止する(S612)。また複数であった場合には(S611,NO)、ステップ614に進む。
【0040】
また主装置2から受信した給電制御コマンドまたはスケジュール管理部633から受信した給電に係わる指示の内容が給電の停止を指示するものでなかった場合には(S609,NO)、端末給電部622に指示して当該ポートへの給電を開始し(S613)、ステップ614に進む。
【0041】
次に、ステップ614において給電制御部630は、端末接続検知部621によって給電対象の通信端末が取り外されたことを検知すると(S614,YES)、端末給電部622に指示して前記通信端末が取り外されたポートへの給電を停止し(S615)、ステップ601に戻る。
【0042】
また端末接続検知部621によって給電対象の通信端末の接続が維持されていることを検知すると(S614,NO)、ステップ603に進む。
【0043】
これにより、通信端末が1台のみ接続されているポートに限って給電が停止され、複数の通信端末が接続されているポートにおいては給電が継続され該通信端末との通信が維持される。
【0044】
図6は、第二の実施例として、MACアドレステーブルの記憶内容を検査して給電制御対象のポートを判断する場合における給電ハブ装置の給電制御部の動作フローを示す。
【0045】
本発明による給電ハブ装置の電源を入れ本フローを開始した場合(S600)において給電制御部630は、端末接続検知部621によって給電対象の通信端末が接続されたことを検知すると(S621,YES)、端末給電部622に指示して前記接続を検出したポートへの給電を開始する(S622)。
【0046】
次に、端末ID一時記憶部(MACアドレステーブル)621を検査し(S623)、前記接続を検知したポート区分に属する端末ID(MACアドレス)の数が単一であるか複数であるかを判定し(S624)、
【0047】
単一であった場合に(S624,YES)、給電対象端末ID記憶部631に当該MACアドレスを端末接続ポートに対応づけて記憶するともに(S625)、主装置通信部632を介して当該MACアドレスを主装置2に通知する(S626)。
【0048】
次に、給電対象端末ID記憶部631の他のポート区分に、前記記憶したMACアドレスと同一の値が記憶されていた場合には(S627,YES)、他のポート区分の記憶内容をクリアする(S628)。
また前記接続を検知したポート区分に属するMACアドレスの数が複数であった場合には(S624,NO)、ステップ629に進む。
【0049】
次に、給電制御部630が主装置通信部632を介して主装置2からの給電制御コマンドを受信した場合またはスケジュール管理部633から給電に係わる指示を受信した場合に(S629,YES)、前記受信したMACアドレス
(端末ID)と給電対象端末ID記憶部631の記憶内容を照合し、給電制御対象のポートを特定する(S630)。
【0050】
次に、給電制御対象のポートを特定できた場合には(S631,YES)ステップ632に進む。また給電制御対象のポートを特定できなかった場合には(S631,NO)ステップ635に進む。
【0051】
ステップ632において、主装置2から受信した給電制御コマンドまたはスケジュール管理部633から受信した給電に係わる指示の内容が給電の停止を指示するものであった場合(S632,YES)、端末給電部622に指示して当該ポートへの給電を停止し(S633)、ステップ635に進む。
【0052】
また主装置2から受信した給電制御コマンドまたはスケジュール管理部633から受信した給電に係わる指示の内容が給電の停止を指示するものでなかった場合には(S632,NO)、端末給電部622に指示して当該ポートへの給電を開始し(S634)、ステップ635に進む。
【0053】
次に、ステップ635において給電制御部630は、端末接続検知部621によって給電対象の通信端末が取り外されたことを検知すると(S635,YES)、端末給電部622に指示して前記通信端末が取り外されたポートへの給電を停止し(S636)、ステップ621に戻る。
【0054】
また端末接続検知部621によって給電対象の通信端末の接続が維持されていることを検知すると(S635,NO)、ステップ623に進む。
【0055】
これにより、通信端末が1台のみ接続されているポートに限って給電が停止され、複数の通信端末が接続されているポートにおいては給電が継続され通信が維持される。
【0056】
尚、図5のステップ605や、図6のステップ625やステップ626においては、所定の条件に合致する端末IDのみを記憶、通知するようにしてもよい。
【0057】
尚、図示しないが、主装置通信部632によって本発明の給電ハブ装置6と所定の主装置(給電管理装置)2との通信リンクが切断されたことを検知した場合に、端末接続ポートに接続されている通信端末が1台である当該ポートからの給電を停止するようにしてもよい。
【0058】
尚、本実施例では、MACアドレスを端末IDとしたが、通信端末を特定するIPアドレスや固有のIDを用いてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1・・・電話網
2・・・主装置(給電管理装置)
3・・・IP網
4・・・ルータ
5・・・LAN
6・・・給電ハブ
7・・・無線アクセスポイント
11,12,13・・・IP電話機
21・・・パソコン
31,32・・・無線IP電話機
601,602,603,604・・・端末接続ポート
605・・・アップリンクポート
609・・・電源部
611・・・ハブ機能部
612・・・端末ID一時記憶部
621・・・端末接続検知部
622・・・端末給電部
630・・・給電制御部
631・・・給電対象端末ID記憶部
632・・・主装置通信部
633・・・スケジュール管理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6