特許第6201536号(P6201536)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6201536呼出先切替機能を有するインターホン制御装置
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  • 特許6201536-呼出先切替機能を有するインターホン制御装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6201536
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】呼出先切替機能を有するインターホン制御装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
   H04M9/00 B
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-180899(P2013-180899)
(22)【出願日】2013年9月2日
(65)【公開番号】特開2015-50619(P2015-50619A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(72)【発明者】
【氏名】青柳 博久
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 亙
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−162151(JP,A)
【文献】 特開平06−284182(JP,A)
【文献】 特開平04−269061(JP,A)
【文献】 特開2006−186498(JP,A)
【文献】 特開2008−161299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 9/00−15/12
99/00
G08B 23/00−31/00
H04M 1/00
1/24− 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00−11/10
99/00
H04Q 3/58− 3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のインターホン子機と複数の応対者端末を収容するインターホン制御装置であって、
前記インターホン子機のいずれかに為された前記応対者端末の呼出しに係る第一の呼出操作または前記第一の呼出操作の後の所定期間内に為された第二の呼出操作を検知する呼出操作検知手段と、前記第一の呼出操作または前記第二の呼出操作に応じて所定の応対者端末を呼出す呼出制御手段と、
前記呼出しを解除するインターホン子機に為された呼出解除操作を検知する呼出解除操作検知手段と、を有し、
前記呼出制御手段は、前記呼出操作検知手段が前記インターホン子機のいずれかに為された前記第一の呼出操作を検知した場合に、予め定められた第一の応対者端末を呼出し、前記呼出した第一の応対者端末が当該呼出しに応答する以前に、前記呼出操作検知手段が当該インターホン子機に為された前記第二の呼出操作を検知したならば、予め定められた第二の応対者端末を呼出し、
前記呼出制御手段は、前記呼出解除操作検知手段が呼出解除操作を検知した後の所定期間内に、前記呼出操作検知手段が第三の呼出操作を検知した場合に、予め定められた第三の応対者端末を呼出すことを特徴とする呼出先切替機能を有するインターホン制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホン子機からの呼出操作を検知して、所定の応対者端末を呼出すインターホン制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インターホン制御装置に呼出ボタンとスタッフコールボタンの二つの呼出操作ボタンを備えたインターホン子機を接続し、前記インターホン子機がどちらの呼出操作ボタンを押下したかを識別して呼出先を切り替える技術が知られているが(特許文献1)、呼出ボタンのみを備えた既存のインターホン子機では目的に応じて呼出先を切り替えることができず、二つの呼出操作ボタンを備えたインターホン子機に買い替える必要があった。
【0003】
また、インターホン子機からの最初の呼出し後、所定の時間内に応対者端末が応答しなかった場合に次候補の呼出先に切り替える技術が知られているが(特許文献2)、次の呼出すまでに時間がかかるといった不都合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−282597号広報
【特許文献2】特開2010−162151号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、通常備える呼出ボタンのみを用いて、インターホン子機から任意の契機かつ即時に呼出先を切り替えるインターホン制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は1以上のインターホン子機と複数の応対者端末を収容するインターホン制御装置であって、前記インターホン子機のいずれかに為された前記応対者端末の呼出しに係る第一の呼出操作または前記第一の呼出操作の後の所定期間内に為された第二の呼出操作を検知する呼出操作検知手段と、前記第一の呼出操作または前記第二の呼出操作に応じて所定の応対者端末を呼出す呼出制御手段と、前記呼出しを解除するインターホン子機に為された呼出解除操作を検知する呼出解除操作検知手段と、を有し、前記呼出制御手段は、前記呼出操作検知手段が前記インターホン子機のいずれかに為された前記第一の呼出操作を検知した場合に、予め定められた第一の応対者端末を呼出し、前記呼出した第一の応対者端末が当該呼出しに応答する以前に、前記呼出操作検知手段が当該インターホン子機に為された前記第二の呼出操作を検知したならば、予め定められた第二の応対者端末を呼出し、前記呼出制御手段は、前記呼出解除操作検知手段が呼出解除操作を検知した後の所定期間内に、前記呼出操作検知手段が第三の呼出操作を検知した場合に、予め定められた第三の応対者端末を呼出すことを特徴とする。

【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、インターホン制御装置において、インターホン子機の呼出ボタン押下による呼出操作を検知した後、または復旧操作を検知した後の所定の期間内に呼出ボタン押下による呼出操作を検知した際に、呼出す応対者端末を切り替えることにより、呼出ボタンのみを備えるインターホン子機をそのまま利用して、操作者が任意の契機にかつ即時に、別の呼出先候補やスタッフコールの応対者端末の呼出しに切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のインターホン制御装置のブロック構成図である。
図2】インターホンシステムの動作シーケンス図である。
図3】インターホン制御装置の呼出先記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
図4】インターホン制御装置の呼制御部の動作フローである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明のインターホン制御装置のブロック構成図である。
このインターホンシステムは、本発明によるインターホン制御装置2に、インターホン子機1a,1b,1cと応対者端末3a,3b,3cとで構成されている。
【0011】
インターホン子機1a,1b,1cは、インターホン制御装置2と接続する制御装置接続部15を介して、通話時に音声信号を入出力する送受話器11と、応対者端末の呼出しを要求する呼出ボタン12と、呼出ランプ16の消灯を要求する復旧ボタン13と、廊下灯等の呼出元を表示する呼出ランプ16と、インターホン制御装置2からの指示を受信して呼出ランプ16の点灯または消灯を行うランプ駆動部14から構成されている。
【0012】
本発明によるインターホン制御装置2は、インターホン子機1a,1b,1cを収容する子機接続部21と、応対者端末3a,3b,3cを収容する応対者端末接続部23と、インターホン子機と応対者端末の通話路を接続する通話路スイッチ22と、インターホン子機の各々の第一または第二または第三の呼出操作(呼出ボタンの押下)や呼出解除操作(復旧ボタンの押下)が為されたことを検知する子機操作検知部25と、インターホン子機毎に、第一の呼出操作や第一の呼出操作検知後の第二の呼出操作や呼出解除操作後の第三の呼出操作を検知した際に呼出す応対者端末との対応関係を記憶する呼出先記憶部26と、各部を制御する呼制御部24から構成されている。
【0013】
応対者端末3a,3b,3cは、インターホン制御装置2と接続する制御装置接続部35を介して、通話時に音声信号を入出力する送受話器31と、インターホン制御装置2からの呼出指示を受信して被呼出状態であることをランプ表示や着信音で報知する着信表示部34と、インターホン制御装置2に対して応答や終話を要求する操作部32から構成されている。
【0014】
インターホン制御装置2の呼制御部24は、待機状態において、子機接続部21と子機操作検知部25を介してインターホン子機のいずれかが第一の呼出操作である呼出ボタン12が押下されたことを検知すると(図2のS201)、呼出先記憶部26を検索して呼出ボタン押下を検知したインターホン子機に対応する第一の応対者(例として応対者端末3a)を決定し、応対者端末接続部23を介して前記決定した応対者端末を呼出す(図2のS202)とともに、子機接続部21を介して呼出ボタン押下を検知したインターホン子機のランプ駆動部14に対して呼出ランプ16の点灯を指示する(図2のS203)。
【0015】
制御装置接続部35を介して呼出指示を受信した応対者端末は、着信表示部34によって被呼出状態であることをランプ表示や着信音で報知する。
【0016】
また呼制御部24が、インターホン子機からの第一の呼出操作を検知した後、第一の呼出先応対者端末が応答する前に、前記第一の呼出操作を検出したインターホン子機から第二の呼出操作である呼出ボタン12が再び押下されたことを検知すると(図2のS210)、第一の応対者端末に対する呼出を中止し(図2のS221)、呼出先記憶部26を検索して呼出ボタン押下を検知したインターホン子機に対応する第二の応対者(例として応対者端末3b)を決定し、応対者端末接続部23を介して前記決定した第二の応対者端末を呼出す(図2のS222)。
【0017】
このとき、インターホン制御装置2の呼制御部24が、応対者端末接続部23を介して被呼出状態にある応対者端末の操作部32によって応答操作が為されたことを検知すると(図2のS223)、通話路スイッチ22に指示して呼出操作を検知したインターホン子機と応答操作を検知した応対者端末との間の通話路を接続して通話中状態とする(図2のS224)。
【0018】
また呼制御部24が、応対者端末接続部23を介して通話中状態にある応対者端末の操作部32によって終話操作が為されたことを検知すると(図2のS230)、通話路スイッチ22に指示して通話中のインターホン子機と応対者端末との間の通話路を切断する。
【0019】
次に、呼制御部24が、子機接続部21と子機操作検知部25を介して通話中状態にあったインターホン子機の復旧操作である復旧ボタン13が押下されたことを検知すると(図2のS232)、子機接続部21を介してインターホン子機のランプ駆動部14に対して呼出ランプ16の消灯を指示する(図2のS233)とともに、再呼出監視タイマ(例として120秒)を開始する。
【0020】
呼制御部24は、再呼出監視タイマが満了する前に、子機接続部21と子機操作検知部25を介して復旧操作を行ったインターホン子機から第三の呼出操作である呼出ボタン12が押下されたことを検知すると(図2のS240)、呼出先記憶部26を検索して呼出ボタン押下を検知したインターホン子機に対応する第三の応対者(例として応対者端末3c)を決定し、応対者端末接続部23を介して前記決定した第三の応対者端末を呼出す(図2のS251)とともに、子機接続部21を介してインターホン子機のランプ駆動部14に対して呼出ランプ16の点灯を指示する(図2のS252)。
【0021】
尚、再呼出監視タイマが満了した場合には、待機状態に戻る。
【0022】
図3は、インターホン制御装置の呼出先記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
インターホン子機1aの第一の呼出操作が為されたことを検知した場合の呼出先として、応対者端末3aに対応する呼出先電話番号101(V251)が、第二の呼出操作が為されたことを検知した場合の呼出先として、応対者端末3bに対応する呼出先電話番号201(V252)が、第三の呼出操作が為されたことを検知した場合の呼出先として、応対者端末3cに対応する呼出先電話番号301(V253)が予め登録されている。
【0023】
またインターホン子機1bの第一から第三の呼出操作に対応する呼出先電話番号(V254〜V256)と、インターホン子機1cの第一から第三の呼出操作に対応する呼出先電話番号(V257〜V259)が予め登録されている。
【0024】
尚、これらの呼出操作と呼出先電話番号の対応は、応対者端末のプレゼンスや過去の通話履歴や現在の使用状況等に応じて、自動的に変更するよう構成してもよい。
【0025】
図4は、インターホン制御装置の呼制御部の動作フローである。
待機状態において、子機接続部21と子機操作検知部25を介してインターホン子機のいずれかが第一の呼出操作である呼出ボタン12が押下されたことを検知すると(S201,YES)、呼出先記憶部26を検索して呼出ボタン押下を検知したインターホン子機に対応する第一の応対者端末を決定し、応対者端末接続部23を介して前記決定した第一の応対者端末を呼出す(S202)とともに、子機接続部21を介して呼出ボタンの押下を検知したインターホン子機のランプ駆動部14に対して呼出ランプ16の点灯を指示する(S203)。
【0026】
次に、応対者端末接続部23を介して被呼出状態にある第一の応対者端末によって応答操作が為されたことを検知すると(S211,YES)、通話路スイッチ22に指示して呼出操作を検知したインターホン子機と応答操作を検知した第一の応対者端末との間の通話路を接続して通話中状態とし(S212)、ステップ230に進む。
【0027】
また第一の応対者端末が応答する前に、前記第一の呼出操作を検出したインターホン子機からの第二の呼出操作である呼出ボタン12が再び押下されたことを検知した場合(S210,YES)、第一の呼出先応対者端末に対する呼出を中止し(S221)、呼出先記憶部26を検索して呼出ボタン押下を検知したインターホン子機に対応する第二の応対者端末を決定し、応対者端末接続部23を介して前記決定した応対者端末を呼出す(S222)。
【0028】
このとき、応対者端末接続部23を介して被呼出状態にある第二の応対者端末の操作部32による応答操作を検知すると(S223,YES)、通話路スイッチ22に指示して呼出操作を検知したインターホン子機と応答操作を検知した応対者端末との間の通話路を接続して通話中状態とする(S224)。
【0029】
次に、応対者端末接続部23を介して通話中状態にある応対者端末の操作部32による終話操作を検知すると(S230,YES)、通話路スイッチ22に指示して通話中のインターホン子機と応対者端末との間の通話路を切断する(S231)。
【0030】
次に、子機接続部21と子機操作検知部25を介して通話中状態にあったインターホン子機の復旧操作である復旧ボタン13が押下されたことを検知すると(S232,YES)、子機接続部21を介してインターホン子機のランプ駆動部14に対して呼出ランプ16の消灯を指示する(S233)とともに、再呼出監視タイマ(例として120秒)を開始する(S234)。
【0031】
呼制御部24は、再呼出監視タイマが満了する前に、子機接続部21と子機操作検知部25を介して復旧操作を行ったインターホン子機から呼出操作である呼出ボタン12が押下されたことを検知すると(S240,YES)、呼出先記憶部26を検索して呼出ボタン押下を検知したインターホン子機に対応する第三の応対者端末を決定し、応対者端末接続部23を介して前記決定した応対者端末を呼出す(S251)とともに、子機接続部21を介してインターホン子機のランプ駆動部14に対して呼出ランプ16の点灯を指示する(S252)。
【0032】
このとき、応対者端末接続部23を介して被呼出状態にある第三の応対者端末操作部32による応答操作を検知すると(S253,YES)、通話路スイッチ22に指示して呼出操作を検知したインターホン子機と応答操作を検知した応対者端末との間の通話路を接続して通話中状態とし(S254)、
ステップ230に進む。
【0033】
またステップ240において、インターホン子機の呼出ボタン12押下を検知せず(S240,NO)、前記再呼出監視タイマの満了を検知した場合には(S241,YES)、ステップ201に進む。
【0034】
また前記再呼出監視タイマの満了を検知しない場合には(S241,NO)、ステップ240に進む。
【0035】
尚、ステップ221で第一の応対者端末への呼出を中止せず、呼出を継続したままステップ222で第二の応対者端末を同時に呼出し、いずれか先に応答した応対者端末と接続するよう構成してもよい。
【0036】
尚、図示しないが、ステップ202、ステップ222、ステップ251において呼出す応対者端末を決定する際に、呼出先の応対者端末が使用中等で呼出可能な状態でない場合に、呼出先を次の候補に切り替えたり、通話中着信音によって優先的に応答すべき呼があることを報知たり、第二や第三の呼出操作による呼出を優先して接続するなど、呼出方法を切り替えてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1a,1b,1c・・・インターホン子機
2・・・インターホン制御装置
3a,3b,3c・・・応対者端末
11・・・送受話器
12・・・呼出ボタン
13・・・復旧ボタン
14・・・ランプ駆動部
15・・・制御装置接続部
16・・・呼出ランプ(廊下灯)
21・・・子機接続部
22・・・通話路スイッチ
23・・・応対者端末接続部
24・・・呼制御部
25・・・子機操作検知部
26・・・呼出先記憶部
31・・・送受話器
32・・・操作部
34・・・着信表示部
35・・・制御装置接続部

図1
図2
図3
図4