(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の送信制御手段は、設定された日時に、前記記憶手段に記憶された前記第1の識別データと、前記質問とを、前記管理サーバに送信することを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
前記第1の送信制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記第1の識別データの数が設定された数に到達した時に、前記記憶手段に記憶された前記第1の識別データと、前記質問とを、前記管理サーバに送信することを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
前記無線通信手段は、前記役割設定を交互に切り替える動作を繰り返すことによって、前記送信モードと、前記受信モードとを交互に繰り返し、前記第1の識別データを含む通信データを前記他の通信端末から受信することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の通信システム。
受信モードとして、他の通信端末の存在を示す他端末告知信号を受信することによって、前記他の通信端末又は前記他の通信端末のユーザを識別する第1の識別データを取得する無線通信手段と、
前記他の通信端末のユーザの嗜好に関する肯定又は否定の回答を要求する質問を作成する質問作成手段と、
複数の通信端末又は複数の通信端末のユーザの識別データに対応付けて、各ユーザのプロファイルデータを記憶する管理サーバと通信を行う第1の通信手段と、
前記無線通信手段により取得した前記第1の識別データと、前記質問作成手段により作成した前記質問とを、前記第1の通信手段により前記管理サーバへ送信する第1の送信制御手段と、
前記第1の通信手段により、前記管理サーバが、前記第1の識別データに対応するプロファイルデータに基づき、前記第1の識別データの取得とともに受信した前記質問に対して作成した肯定又は否定の回答を受信する第1の受信制御手段と、
を備え、
前記無線通信手段は、前記他の通信端末である第1の通信端末に対して設定された時間である第1通信端末設定時間、及び前記他の通信端末であって前記第1の通信端末と異なる第2の通信端末に対して設定された時間であって前記第1通信端末設定時間と異なる第2通信端末設定時間で前記第1の通信端末及び前記第2の通信端末との無線通信における役割設定を切り替えることによって、自己の存在を示す自端末告知信号の送信を行う送信モードと前記他端末告知信号の受信を行う前記受信モードのそれぞれを切り替える
ことを特徴とする通信端末。
前記無線通信手段は、前記役割設定を交互に切り替える動作を繰り返すことによって、前記送信モードと、前記受信モードとを交互に繰り返し、前記第1の識別データを含む通信データを前記他の通信端末から受信することを特徴とする請求項8に記載の通信端末。
他の通信端末の存在を示す他端末告知信号を受信することによって、前記他の通信端末又は前記他の通信端末のユーザを識別する第1の識別データを取得する無線通信手段と、複数の通信端末又は複数の通信端末のユーザの識別データに対応付けて、各ユーザのプロファイルデータを記憶する管理サーバと通信を行う第1の通信手段と、を備えた通信端末のコンピュータを、
前記他の通信端末のユーザの嗜好に関する肯定又は否定の回答を要求する質問を作成する質問作成手段、
前記無線通信手段により取得した前記第1の識別データと、前記質問作成手段により作成した前記質問とを、前記第1の通信手段により前記管理サーバへ送信する第1の送信制御手段、
前記第1の通信手段により、前記第1の識別データに対応するプロファイルデータに基づき、前記第1の識別データの取得とともに受信した前記質問に対して前記管理サーバが作成した肯定又は否定の回答を受信する第1の受信制御手段、
として機能させ、
前記無線通信手段を、前記他の通信端末である第1の通信端末に対して設定された時間である第1通信端末設定時間、及び前記他の通信端末であって前記第1の通信端末と異なる第2の通信端末に対して設定された時間であって前記第1通信端末設定時間と異なる第2通信端末設定時間で前記第1の通信端末及び前記第2の通信端末との無線通信における役割設定を切り替えることによって、自己の存在を示す自端末告知信号の送信を行う送信モードと前記他端末告知信号の受信を行う前記受信モードのそれぞれを切り替えさせる
ためのプログラム。
受信モードとして、他の通信端末の存在を示す他端末告知信号を受信することによって、前記他の通信端末又は前記他の通信端末のユーザを識別する第1の識別データを取得する無線通信ステップと、
前記他の通信端末のユーザの嗜好に関する肯定又は否定の回答を要求する質問を作成する質問作成ステップと、
複数の通信端末又は複数の通信端末のユーザの識別データに対応付けて、各ユーザのプロファイルデータを記憶する管理サーバへ、前記無線通信ステップにより取得した前記第1の識別データと、前記質問作成ステップにより作成した前記質問とを送信する第1の送信制御ステップと、
前記第1の識別データに対応するプロファイルデータに基づき、前記第1の識別データの取得とともに受信した前記質問に対して前記管理サーバが作成した肯定又は否定の回答を受信する第1の受信制御ステップと、
を含み、
前記無線通信ステップを、前記他の通信端末である第1の通信端末に対して設定された時間である第1通信端末設定時間、及び前記他の通信端末であって前記第1の通信端末と異なる第2の通信端末に対して設定された時間であって前記第1通信端末設定時間と異なる第2通信端末設定時間で前記第1の通信端末及び前記第2の通信端末との無線通信における役割設定を切り替えることによって、自己の存在を示す自端末告知信号の送信を行う送信モードと前記他端末告知信号の受信を行う前記受信モードのそれぞれを切り替える
ことを特徴とする通信端末の情報問い合わせ方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の通信システム、通信端末
、プログラム、通信端末の情報問い合わせ方
法及び情報提供方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態の通信システム1の概略構成を示している。
通信システム1は、
図1に示すように、3つの通信端末A、B及びCと、管理サーバ50とを備えて構成されている。各通信端末A〜Cと管理サーバ50は、インターネット等のネットワークNを介して接続されている。
【0013】
通信端末A〜Cは、近距離型の無線通信機能を備えたスマートフォンであり、他の通信端末A〜Cと通信データをやりとりすることができる。通信端末A〜Cは、同様の無線通信機能を備えた携帯型の端末であれば、ゲーム機、時計、万歩計(登録商標)、ランニング用のデータ記録装置等であってもよい。
各通信端末A〜Cが無線通信によって互いに通信データをやりとりする基本的な構成部分は同じであるので、以下、通信端末Aの構成を一例として説明する。
【0014】
図2は、通信端末Aの構成を機能ごとに表す機能ブロック図である。
通信端末Aは、
図2に示すように、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、計時部15、マイク161、スピーカ162、通話処理部16、通信部17、無線通信部18、位置検出部19等を備えて構成されている。通信端末Aの各部は、バス30によって接続されている。
【0015】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成されている。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラム121を読み出して、当該プログラム121を実行することにより、通信端末Aの各部の動作を制御する。
例えば、制御部11は、操作部13を介して通話が指示されると、通話処理用のプログラムを実行し、通話処理部16及び通信部17により、通話先の通信端末B又はCと通話音声をやりとりさせる。
【0016】
また、制御部11(第1の受信制御手段、第1の送信制御手段、質問作成手段)は、問い合わせ用のプログラムを実行し、他の通信端末B又はCのユーザのプロファイルに関する質問を作成する。制御部11は、作成した質問と、無線通信部18により当該他の通信端末B又はCから受信した識別データとを、通信部17により管理サーバ50へ送信する。また、制御部11は、通信部17により管理サーバ50から回答を受信する。
【0017】
記憶部12は、制御部11が読み取り可能なプログラム121、プログラム121の実行に必要なデータ等を記憶している。
記憶部12としては、例えばハードディスク、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ等の記憶媒体を用いることができる。
【0018】
また詳細は後述するが、記憶部12(記憶手段)は、質問リスト122を記憶している。質問リスト122は、他の通信端末B又はCから受信した識別データと、当該識別データとともに管理サーバ50に送信される質問のリストである。
【0019】
操作部13は、操作キー、タッチパネル等を備えて、ユーザによるこれらの操作に応じた操作信号を生成し、制御部11に出力する。
【0020】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro luminescence)ディスプレイ等を備え、制御部11による表示制御にしたがって、操作画面、通知画面等の表示画面を表示する。
【0021】
計時部15は、発振器から出力されるクロック信号を元に計時し、現在日時を出力する。
【0022】
マイク161は、通話音声を入力する。
通話処理部16は、マイク161により入力された通話音声をA/D変換し、符号化して通話音声のベースバンド信号を生成し、通信部17に出力する。また、通話処理部16は、通信部17から入力された通話音声のベースバンド信号を復号し、D/A変換してスピーカ162に出力する。
スピーカ162は、受話音声を出力する。
【0023】
通信部17は、RF(Radio Frequency)通信用のアンテナ171を備え、当該アンテナ171により基地局との間で通話音声、メール等の送信及び受信を行う。
具体的には、通信部17は、アンテナ171を介して受信した電波を復調処理し、得られた通話音声のベースバンド信号、メールのパケット等を通話処理部16及び制御部11にそれぞれ出力する。また、通信部17は、制御部11から入力されたメールのパケット又は通話処理部16から入力されたベースバンド信号を変調処理して得られた電波を、アンテナ171を介して基地局に送信する。
なお、通信部17は、WiFi(Wireless Fidelity)により無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントに接続して、送信及び受信をネットワークN経由で行うこともできる。
【0024】
また、通信部17(第1の通信手段)は、ネットワークN上の管理サーバ50に、制御部11により作成された質問及び無線通信部18により受信した識別データを送信し、管理サーバ50から送信された回答を受信する。
【0025】
無線通信部18(無線通信手段)は、Bluetooth用のアンテナ181及びBluetoothモジュール182を備えている。無線通信部18は、Bluetoothモジュール182により、アンテナ181を介して他の通信端末B又はCとの間で通信データの送信及び受信を行う。
なお、近距離型の無線通信を行うことができるのであれば、無線通信部18の通信規格はBluetoothに限定されず、他の通信規格、例えばZigbee(登録商標)等であってもよい。
【0026】
Bluetoothモジュール182は、通信データの送信及び受信に、BLE(Bluetooth Low Energy)の通信プロトコルを用いる。
BLEの通信プロトコルは、他の通信端末B又はCに対して通信データの送信のみを行う送信モードと、他の通信端末B又はCから送信された通信データの受信のみを行う受信モードを、一定間隔ごとに繰り返す。送信モードはAdvertiseと呼ばれ、受信モードはScanと呼ばれている。
無線通信部18は、この送信モードと受信モードを繰り返すBLEの通信プロトコルにしたがって、送信モード時に他の通信端末B又はCに通信データを送信し、受信モード時に他の通信端末B又はCから送信された通信データを受信する。
【0027】
BLEによれば、接続を確立することなく、通信データをやりとりすることができる。
図3は、3つの通信端末A、B及びCが接続を確立せずに通信データをやりとりする場合のタイムチャートを示している。
図3に示すように、各通信端末A、B及びCは、Advertiseで表される送信モードとScanで表される受信モードとを繰り返し、Centralとしてのrole(役割)とPeripheralとしてのroleとを交互に切り替えている。
【0028】
無線通信部18は、
図3に示すように、送信モードと受信モードのそれぞれをあらかじめ設定された時間で切り替える。具体的には、無線通信部18はカウンタを備え、当該カウンタにより時間をカウントして、切り替える時間に到達すると送信モードから受信モードへ又はその逆に切り替える。
送信モード及び受信モードの時間は、通信端末A、B及びCごとに設定することが可能である。そのため、一方の通信端末が送信モードであり、他方の通信端末が受信モードである場合に、通信データをやりとりすることができる。例えば、通信端末Aから送信された通信データを通信端末Bが受信できるのは、通信端末Aの送信モードと、通信端末Bの受信モードが重複している間である。
【0029】
図4は、BLEにおける通信データのフォーマットを示している。
図4に示すように、通信データは、Header31とPayload32とからなるパケットデータである。実データであるPayload32は、address33を先頭に、N個のAD Structure N34から構成されている。address33は、各AD Structure N34のアドレスを示す。
各AD Structure N34は、Length35、AD Type36及びAD Data37により構成されている。Length35は、AD Structure N34のデータ長を定義する。AD Type36には、AD Data37に格納されるデータの種類を示すフラグが格納される。AD Type36に0xFFのフラグを格納すると、AD Data37として特定データを格納することが可能となる。
【0030】
特定データは、BLEに制限されずに他の通信端末B又はCに配信できる任意のデータをいう。特定データとしてAD Data37に格納できるデータの例としては、配信用にユーザにより設定されたメッセージデータ、ユーザが利用しているサービスにおいて発行されたユーザID、アカウント名等の通信端末Aのユーザの識別データ、通信端末Aに固有の端末ID等の通信端末Aの識別データが挙げられる。
【0031】
位置検出部19は、GPS(Global Positioning System)用のアンテナ191を備え、当該アンテナ191を介して複数のGPS衛星から電波を受信してそれぞれとの距離を演算することにより、通信端末Aの現在位置を検出する。
【0032】
管理サーバ50は、各通信端末A〜Cから質問を受信し、当該質問に対する回答を各通信端末A〜Cに送信する。
図5は、管理サーバ50の構成を機能ごとに表す機能ブロック図である。
管理サーバ50は、
図5に示すように、制御部51、記憶部52及び通信部53を備えて構成されている。これら各部はバス54によって接続されている。
【0033】
制御部51は、CPU、RAM等を備えて構成されている。制御部51は、記憶部52に記憶されたプログラム521を読み出して、当該プログラム521を実行することにより、管理サーバ50の各部の動作を制御する。
制御部51(回答作成手段、第2の受信制御手段、第2の送信制御手段)は、記憶部52に記憶されたプロファイルデータ522のうち、通信部53により各通信端末A〜Cから受信した識別データに対応するプロファイルデータ522を取得する。制御部51は、取得したプロファイルデータ522に基づいて、当該識別データとともに受信した質問に対する回答を作成する。制御部51は、作成した回答を、通信部53により質問を送信した各通信端末A〜Cに送信させる。
【0034】
記憶部52は、制御部51が読み取り可能なプログラム521、プログラム521の実行に必要なデータ等を記憶している。
記憶部52としては、例えばハードディスク、EEPROM、フラッシュメモリ等の記憶媒体を用いることができる。
【0035】
記憶部52(記憶手段)は、通信端末A〜Cのそれぞれのユーザのプロファイルデータ522を、各通信端末A〜C又は各通信端末A〜Cのユーザの識別データに対応付けて記憶している。
識別データは、各ユーザを識別できるのであれば、例えばユーザが利用するサービス、例えばSNS、コミュニティサイト等において発行されたユーザID、アカウント名であってもよいし、ユーザが使用する通信端末A〜Cを識別する端末IDであってもよい。
プロファイルデータ522としては、例えばユーザの性別、年齢、職業、所属する団体名、趣味、好きなスポーツ、好きな食べ物等のデータが挙げられる。これらのデータが、ユーザが上記SNS等のサービスに加入した際に管理サーバ50にアップロードされ、プロファイルデータ522として記憶部52に保存されている。
【0036】
図6は、野球のコミュニティサイトを利用するユーザのプロファイルデータ522の例を示している。
図6に示すように、各ユーザが好きな球団名、選手名等のプロファイルデータ522が、識別データ523に対応付けて、記憶部12に保存されている。
図6に示す識別データ523は、コミュニティサイトにおいて発行された各ユーザのユーザIDである。
【0037】
通信部53(第2の通信手段)は、ネットワークインターフェイスカード等の通信用インターフェイスを備えて、ネットワークN上の各通信端末A〜Cと通信を行う。
【0038】
上述した通信端末A〜Cは、他の通信端末A〜Cから送信されたユーザの識別データを用いて、管理サーバ50に対し、当該ユーザのプロファイルに関する質問を送信することにより、管理サーバ50から回答を得ることができる。
図7を参照して、通信端末Aが質問を送信し、管理サーバ50が回答を送信する際の処理手順を説明するが、通信端末B及びCも通信端末Aと同様にして質問を送信することができる。
【0039】
図7に示すように、通信端末Aにおいて、無線通信部18が受信モード時に他の通信端末B又はCから通信データを受信すると(ステップS1;Y)、制御部11が当該通信データから他の通信端末B又はCのユーザの識別データを取得する(ステップS2)。識別データは
図4に示すAD Data37に格納されているので、制御部11は通信データのAD Data37を読み出すことにより識別データを取得することができる。
【0040】
次に、制御部11は、ユーザのプロファイルに関する質問を作成する(ステップS3)。
質問は、「年齢は?」等のユーザのプロファイルの一部を問い合わせる質問であってもよいが、制御部11は、プロファイルに関して肯定又は否定の回答を要求する質問を作成することが好ましい。これにより、具体的な質問とすることができ、ユーザの方向性をより絞り込むことができる。また、プロファイルの開示を必要最小限とすることができる。
肯定又は否定の回答を要求する質問の例としては、「好きな球団はX球団ですか?」、「好きな選手はa選手ですか?」等が挙げられる。このような質問を、例えば「好きな*は*ですか?」等の質問文のテンプレートの空白部分(*が空白部分を表す)に、球団、選手等のあらかじめ用意されたキーワードを制御部11が当てはめるか、ユーザに選択させることにより、作成することができる。
【0041】
制御部11は、作成した質問と取得した識別データとを対応付けて質問リスト122に書き込み、記憶部12に保存する(ステップS4)。
図8は、質問リスト122の一例を示している。
図8に示すように、質問リスト122には、識別データ、受信日時、質問、回答の項目が設けられている。
制御部11は、取得した識別データ及び質問をそれぞれの項目に書き込む。また、制御部11は、識別データの受信時に計時部15から現在日時を取得し、当該現在日時を受信日時の項目に書き込む。回答の項目には、質問に対して管理サーバ50から回答が送信された時に当該回答が書き込まれる。
保存後、制御部11は、質問と識別データとを、通信部17により管理サーバ50に送信させる(ステップS5)。
【0042】
管理サーバ50において、通信部53が通信端末Aから質問と識別データとを受信すると、制御部51が当該識別データに対応するプロファイルデータを記憶部52から読み出す。制御部51は、読み出したプロファイルデータに基づいて、受信した質問に対する回答を作成する(ステップS6)。
【0043】
制御部51は、肯定又は否定の回答を要求する質問に対しては、肯定又は否定の回答を作成する。具体的には、制御部51が質問からキーワードを抽出し、読み出したプロファイルデータのなかに、抽出したキーワードに一致するプロファイルデータがあれば、「はい」の肯定の回答を作成する。一方、一致するプロファイルデータがなければ、制御部51は「いいえ」の否定の回答を作成する。
例えば、識別データが「0001」であり、質問が「好きな球団はX球団ですか?」である場合、制御部51は識別データ「0001」に対応するプロファイルデータ522を記憶部52から読み出す。また、制御部51は、質問から、「球団」、「X球団」等のキーワードを抽出する。
図6に示す識別データ「0001」のプロファイルデータ522には、抽出したキーワードに一致するプロファイルデータ「X球団」があるので、制御部51は、「はい」の回答を作成する。
【0044】
制御部51は、「好きなスポーツは何ですか?」、「年齢は?」等の肯定又は否定による回答ができない質問に対しては、好きなスポーツ、年齢等のキーワードに対応するプロファイルデータを読み出して、「野球です」、「25歳です」等の回答を作成することができる。
このように、肯定又は否定のみで回答できない質問の場合、ユーザのプロファイルの一部が回答となる。一部であっても、ユーザのプロファイル自体は開示しないようにする場合には、制御部51が、受信した質問が肯定又は否定の回答を要求する質問でない場合、回答を拒否し、質問を送信した通信端末Aに回答の拒否を通知してもよい。
例えば、「好きなスポーツは何ですか?」という質問によって、サッカーが好きな他のユーザに「野球」という回答が送信された場合、好きなスポーツが一致しない他のユーザに野球が好きであるというプロファイルが開示されてしまう。このようなプロファイルの開示が望まれない場合、上述のように回答を拒否することにより、コミュニケーションを希望しない他のユーザにプロファイルが開示されることを防ぐことができる。
【0045】
制御部51は、作成した回答を通信部53により通信端末Aに送信させる(ステップS7)。
通信端末Aにおいて、通信部17が管理サーバ50から送信された回答及び識別データを受信すると、制御部11が受信した回答を識別データに対応付けて質問リスト122に保存する(ステップS8)。
また、制御部11が受信した回答を、問い合わせ結果として表示部14により表示させる(ステップS9)。表示部14は、問い合わせ結果として、例えば「X球団が好きなユーザがいます」と表示することもできるし、識別データと組み合わせて「ユーザID:0001は、X球団が好きです」と表示することもできる。
【0046】
以上のように、本実施の形態の通信システム1は、複数の通信端末A〜Cと、管理サーバ50と、を備えている。通信端末Aは、無線通信により、他の通信端末B又はCとの間でそれぞれの通信端末A〜Cのユーザの識別データをやりとりする無線通信部18と、管理サーバ50と通信を行う通信部17と、他の通信端末B又はCのユーザのプロファイルに関する質問を作成し、当該質問と、無線通信部18により他の通信端末B又はCから受信した識別データとを、通信部17により管理サーバ50へ送信させる制御部11と、を備えている。管理サーバ50は、複数の通信端末A〜Cのそれぞれのユーザのプロファイルデータ522を、各ユーザの識別データに対応付けて記憶する記憶部52と、通信端末A〜Cと通信を行う通信部53と、記憶部52に記憶されたプロファイルデータ522のうち、通信部53により通信端末A〜Cから受信した識別データに対応するプロファイルデータ522に基づいて、当該識別データとともに受信した質問に対応する回答を作成し、当該回答を通信部53により通信端末A〜Cに送信させる制御部51と、を備える。
【0047】
これにより、通信端末Aのユーザに、他の通信端末B又はCのユーザのプロファイルに関する質問の回答を提供することができる。通信端末Aのユーザは、回答を元に趣味等が一致する他の通信端末B又はCのユーザを、新たにコミュニケーションを持つ相手として選択することができる。他の通信端末B又はCから直接開示される情報は識別データのみであり、管理サーバ50から提供される回答は、他のユーザのプロファイルのすべてではなく、質問により問い合わせられたプロファイルのみである。よって、必要以上にユーザのプロファイルを開示することなく、ユーザ同士の方向性の不一致を減らして、コミュニケーションの機会を提供することができる。
【0048】
上記実施の形態において、通信端末Aの制御部11は、他の通信端末B又はCのユーザのプロファイルに関して、肯定又は否定の回答を要求する質問を作成する。
管理サーバ50の制御部51は、質問に対し、肯定又は否定の回答を作成する。
これにより、具体的な質問に対する回答を得ることができ、ユーザの方向性をより絞りこむことができる。また、プロファイルを必要以上に開示されることが無く、個人のプライバシーを保護することができる。
【0049】
上記実施の形態において、管理サーバ50の制御部51は、通信部17により通信端末A〜Cから識別データ及び質問を受信した時に、上記回答を作成して通信端末A〜Cに送信させる。
これにより、識別データを受信するごとに問い合わせに対する回答を得ることができる。
【0050】
また、通信端末Aの無線通信部18は、他の通信端末B又はCに対して通信データの送信のみを行う送信モードと、他の通信端末B又はCから送信される通信データの受信のみを行う受信モードとを一定間隔ごとに繰り返す通信プロトコルにしたがって、識別データを含む通信データを他の通信端末B又はCとやりとりする。
また、無線通信部18は、送信モードと受信モードのそれぞれを、設定された時間で切り替える。
これにより、接続を確立することなく、すれ違った短時間の間にも他の通信端末B又はCと、識別データをやりとりすることができる。
【0051】
また、上記通信プロトコルは、Bluetooth Low Energyである。
これにより、消費電力を抑えることができる。
【0052】
上記実施の形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態において、通信端末Aは、他の通信端末B又はCのユーザのプロファイルに関する質問と、他の通信端末B又はC(或いはそのユーザの識別データ)の識別データを管理サーバ50へ送信し、管理サーバ50は、受信した識別データに対応するプロファイルデータ522に基づいて、当該識別データとともに受信した質問に対応する回答を作成して、通信端末Aに送信するようにしている。
これに限らず、通信端末Aの制御部11が、他の通信端末B又はCの識別データ(或いはそのユーザの識別データ)だけを管理サーバ50へ送信し、管理サーバ50の制御部51が、受信した識別データに対応するプロファイルデータ522に基づく回答を作成して、通信端末Aに送信することもできる。例えば、管理サーバ50の制御部51は、プロファイルデータ522の趣味の項目だけを読み出して「野球が好きです」等の回答を作成することができる。
【0053】
また、通信端末Aの制御部11は、他の通信端末B又はCの識別データ(或いはそのユーザの識別データ)とともに、通信端末Aの識別データ(或いはそのユーザの識別データ)を管理サーバ50へ送信し、管理サーバ50の制御部51は、それぞれの識別データに対応するプロファイルデータ522の方向性が一致するか否かの回答を作成することもできる。例えば、管理サーバ50の制御部51は、プロファイルデータ522の趣味の項目に記載されている内容が一致する場合は、「趣味が一致します」等の回答を作成して、通信端末Aに送信することができる。また、管理サーバ50の制御部51は、プロファイルデータ522のすべての項目を比較して、「プロファイルの一致度は○○%です」等の回答を作成して、通信端末Aに送信するようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施の形態において、通信端末Aの制御部11が、同じ識別データを用いてユーザのプロファイルに関する質問を作成し、管理サーバ50へ送信する回数を制限することもできる。質問の回数を制限することにより、繰り返しの質問により、ユーザのプロファイルが必要以上に開示されないように制限することができる。プライバシー保護の観点からは、質問の回数を1回のみとすることが好ましい。
【0055】
また、上記実施形態において、通信端末Aは、無線通信部18により受信した上記識別データと、制御部11により作成された質問とを対応付けて記憶する記憶部12を備え、制御部11は、記憶部12に記憶された識別データと質問とを管理サーバ50に送信させることができる。
よって、通信データを受信した時ではなく、制御部11が計時部15又は管理サーバ50から現在日時を取得し、取得した現在日時があらかじめ設定された日時に到達した時に、それまでに記憶部12に記憶された識別データに対応する質問をまとめて送信することもできる。
また、制御部11が質問リスト122に保存された識別データの数をカウントし、カウントされた数があらかじめ設定された数に到達した時に、それまでに記憶部12に記憶された識別データに対応する質問をまとめて送信することもできる。
同様にして、制御部11はユーザにより指定された時に、質問をまとめて送信することもできる。
【0056】
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、本発明の範囲は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の範囲と均等な範囲を含む。
以下、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載された発明を付記する。下記付記における請求項の番号は、この出願の願書に最初に添付された特許請求の範囲のとおりである。
【0057】
〔付記〕
〔請求項1〕
複数の通信端末と、管理サーバと、を備え、
前記通信端末は、
他の通信端末と無線通信を行い、他の通信端末又は当該他の通信端末のユーザを識別する第1の識別データを受信する無線通信手段と、
前記管理サーバと通信を行う第1の通信手段と、
前記無線通信手段により前記他の通信端末から受信した前記第1の識別データを、前記第1の通信手段により前記管理サーバへ送信する第1の送信制御手段と、を備え、
前記管理サーバは、
前記複数の通信端末のそれぞれのユーザのプロファイルデータを、各通信端末又は各通信端末のユーザの識別データに対応付けて記憶する記憶手段と、
前記通信端末と通信を行う第2の通信手段と、
前記第2の通信手段により前記通信端末から前記第1の識別データを受信する第2の受信制御手段と、
前記記憶手段に記憶されたプロファイルデータのうち、前記第2の受信制御手段により前記通信端末から受信した前記第1の識別データに対応するプロファイルデータに基づく回答を作成する回答作成手段と、
前記回答作成手段により作成された前記回答を、前記第2の通信手段により前記通信端末に送信する第2の送信制御手段と、を備え、
前記通信端末は、前記第1の通信手段により前記管理サーバから前記回答を受信する第1の受信制御手段を、さらに備える
ことを特徴とする通信システム。
〔請求項2〕
前記第1の送信制御手段は、前記無線通信手段により前記他の通信端末から受信した前記第1の識別データと、前記通信端末又は当該通信端末のユーザを識別する第2の識別データとを、前記管理サーバへ送信し、
前記回答作成手段は、前記第2の受信制御手段により前記通信端末から受信した前記第1の識別データと前記第2の識別データに対応するプロファイルデータの方向性が一致するか否かの回答を作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
〔請求項3〕
前記通信端末は、前記他の通信端末のユーザのプロファイルに関する質問を作成する質問作成手段を備え、
前記第1の送信制御手段は、前記質問作成手段により作成された前記質問と、前記無線通信手段により前記他の通信端末から受信した前記第1の識別データとを、前記管理サーバへ送信し、
前記回答作成手段は、前記記憶手段に記憶されたプロファイルデータのうち、前記第2の受信制御手段により前記通信端末から受信した前記第1の識別データに対応するプロファイルデータに基づいて、前記第1の識別データとともに受信した前記質問に対する回答を作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
〔請求項4〕
前記質問作成手段は、前記他の通信端末のユーザのプロファイルに関して、肯定又は否定の回答を要求する質問を作成することを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
〔請求項5〕
前記回答作成手段は、前記質問に対し、肯定又は否定の回答を作成することを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
〔請求項6〕
前記回答作成手段は、前記第2の受信制御手段により前記通信端末から前記第1の識別データ及び前記質問を受信した時に、前記回答を作成し、
前記第2の送信制御手段は、前記回答作成手段により作成された前記回答を、前記通信端末に送信することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の通信システム。
〔請求項7〕
前記通信端末は、前記無線通信手段により受信した前記第1の識別データと、前記質問作成手段により作成された質問とを対応付けて記憶する記憶手段を備え、
前記第1の送信制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記第1の識別データと、前記質問とを、前記管理サーバに送信することを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の通信システム。
〔請求項8〕
前記第1の送信制御手段は、設定された日時に、前記記憶手段に記憶された前記第1の識別データと、前記質問とを、前記管理サーバに送信することを特徴とする請求項7に記載の通信システム。
〔請求項9〕
前記第1の送信制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記第1の識別データの数が設定された数に到達した時に、前記記憶手段に記憶された前記第1の識別データと、前記質問とを、前記管理サーバに送信することを特徴とする請求項7に記載の通信システム。
〔請求項10〕
前記無線通信手段は、前記他の通信端末に対して通信データの送信のみを行う送信モードと、前記他の通信端末から送信される通信データの受信のみを行う受信モードとを交互に繰り返す通信プロトコルにしたがって、前記第1の識別データを含む通信データを前記他の通信端末から受信することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の通信システム。
〔請求項11〕
前記無線通信手段は、前記送信モードと前記受信モードのそれぞれを、設定された時間で切り替えることを特徴とする請求項10に記載の通信システム。
〔請求項12〕
前記通信プロトコルは、Bluetooth Low Energyであることを特徴とする請求項10又は11に記載の通信システム。
〔請求項13〕
他の通信端末と無線通信を行い、他の通信端末又は当該他の通信端末のユーザを識別する第1の識別データを受信する無線通信手段と、
複数の通信端末又は複数の通信端末のユーザの識別データに対応付けて、各ユーザのプロファイルデータを記憶する管理サーバと通信を行う第1の通信手段と、
前記無線通信手段により前記他の通信端末から受信した前記第1の識別データを、前記第1の通信手段により前記管理サーバへ送信する第1の送信制御手段と、
前記第1の通信手段により前記管理サーバから前記第1の識別データに対応するプロファイルデータに基づく回答を受信する第1の受信制御手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
〔請求項14〕
複数の通信端末又は複数の通信端末のユーザの識別データに対応付けて、各ユーザのプロファイルデータを記憶する記憶手段と、
前記通信端末と通信を行う第2の通信手段と、
前記第2の通信手段により前記通信端末から第1の識別データを受信する第2の受信制御手段と、
前記記憶手段に記憶されたプロファイルデータのうち、前記第2の受信制御手段により前記通信端末から受信した前記第1の識別データに対応するプロファイルデータに基づく回答を作成する回答作成手段と、
前記回答作成手段により作成された前記回答を、前記第2の通信手段により前記通信端末に送信する第2の送信制御手段と、
を備えることを特徴とする管理サーバ。
〔請求項15〕
他の通信端末と無線通信を行い、他の通信端末又は当該他の通信端末のユーザを識別する第1の識別データを受信する無線通信手段と、複数の通信端末又は複数の通信端末のユーザの識別データに対応付けて、各ユーザのプロファイルデータを記憶する管理サーバと通信を行う第1の通信手段と、を備えた通信端末のコンピュータを、
前記無線通信手段により前記他の通信端末から受信した前記第1の識別データを、前記第1の通信手段により前記管理サーバへ送信する第1の送信制御手段、
前記第1の通信手段により前記管理サーバから前記第1の識別データに対応するプロファイルデータに基づく回答を受信する第1の受信制御手段、
として機能させるためのプログラム。
〔請求項16〕
複数の通信端末又は複数の通信端末のユーザの識別データに対応付けて、各ユーザのプロファイルデータを記憶する記憶手段と、前記通信端末と通信を行う第2の通信手段と、を備えた管理サーバのコンピュータを、
前記第2の通信手段により前記通信端末から第1の識別データを受信する第2の受信制御手段、
前記記憶手段に記憶されたプロファイルデータのうち、前記第2の受信制御手段により前記通信端末から受信した前記第1の識別データに対応するプロファイルデータに基づく回答を作成する回答作成手段、
前記回答作成手段により作成された前記回答を、前記第2の通信手段により前記通信端末に送信する第2の送信制御手段、
として機能させるためのプログラム。
〔請求項17〕
複数の通信端末と、前記複数の通信端末又は複数の通信端末のユーザの識別データに対応付けて、各ユーザのプロファイルデータを記憶する管理サーバとの間で実行される情報提供方法であって、
前記通信端末が、他の通信端末と無線通信を行い、他の通信端末又は当該他の通信端末のユーザを識別する第1の識別データを受信するステップと、
前記通信端末が、前記他の通信端末から受信した前記第1の識別データを、前記管理サーバへ送信するステップと、
前記管理サーバが、記憶する前記プロファイルデータのうち、前記通信端末から受信した前記第1の識別データに対応するプロファイルデータに基づく回答を作成するステップと、
前記管理サーバが、前記回答を前記通信端末に送信するステップと、
前記通信端末が、前記管理サーバから前記回答を受信するステップと、
を含むことを特徴とする情報提供方法。