(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態としてのパーキング装置1の構成の概略を示す構成図であり、
図2は、パーキング装置1の要部の構成の概略を示す構成図であり、
図3は、油圧アクチュエータ10の一部の構成の概略を示す構成図である。
【0012】
本実施形態のパーキング装置1は、車両に搭載され、図示しない変速機のトランスミッションケースの内部または外部に配置される。そして、このパーキング装置1は、シフトレバー61の操作位置(シフトポジション)に応じて出力される電気信号に基づいて変速機のいずれかの回転軸をロックする(パーキングロックを実行する)と共にその回転軸のロックを解除する(パーキングロックを解除する)いわゆるシフトバイワイヤ式のパーキング装置として構成されている。
【0013】
パーキング装置1は、
図1や
図2に示すように、複数の歯2aを有すると共に変速機のいずれかの回転軸に取り付けられるパーキングギヤ2と、パーキングギヤ2と係合可能な突部3aを有すると共に図示しないスプリングによりパーキングギヤ2から離間するように付勢されるパーキングポール3と、進退移動可能なパーキングロッド4と、パーキングロッド4の軸方向に移動可能な筒状のカム部材5と、例えばトランスミッションケースにより回転自在に支持されてパーキングポール3と共にカム部材5を挟持する支持ローラ6と、パーキングロッド4により一端が支持されると共にパーキングポール3をパーキングギヤ2に押し付けるようにカム部材5を付勢するカムスプリング7と、パーキングロッド4に連結されたディテントレバー8と、ピストンロッド12の進退移動(図中上下方向の移動)によりディテントレバー8を介してパーキングロッド4を進退移動させる油圧アクチュエータ10と、変速機の係合要素や油圧アクチュエータ10に作動油を供給する油圧制御装置20と、ピストンロッド12の進退移動を規制することによりパーキングロッド4の進退移動を規制する磁気ロック装置40と、変速機やパーキング装置1(油圧アクチュエータ10や磁気ロック装置40)の制御に用いられる電子制御ユニット60と、を備える。このパーキング装置1では、図示するように、パーキングポール3の突部3aがパーキングギヤ2の隣り合う2つの歯2aの間の凹部と係合することにより、変速機の回転軸がロックされる(パーキングロックが行なわれる)。
【0014】
パーキングギヤ2やパーキングポール3,パーキングロッド4,カム部材5,支持ローラ6,カムスプリング7は、いずれも周知の構成を有する。ディテントレバー8は、略L字状に形成されており、第1遊端部8aと第2遊端部8bとを有する。第1遊端部8aは、パーキングロッド4の基端部(図中右端部)に回転自在に連結されている。第2遊端部8bには、例えばトランスミッションケースにより支持される図示しないディテントスプリングに取り付けられた係合部材9と係合可能な係合凹部8rが形成されている。ディテントレバー8のコーナー部(第1,第2遊端部8a,8bの基端部)は、例えばトランスミッションケースにより支持された支軸8sにより回動自在に支持されている。
【0015】
油圧アクチュエータ10のピストンロッド12が図中上側(以下、適宜「ロック解除側」という)に移動すると、ディテントレバー8が支軸8sの周りに
図1中時計回りに回動すると共にパーキングロッド4が
図1中右側に移動する。そして、パーキングロッド4が
図1中右側に移動することにより、カム部材5によるパーキングポール3の押圧が解除され、パーキングギヤ2とパーキングポール3との係合(変速機の回転軸のロック)が解除される(パーキングロックが解除される)。
【0016】
一方、ピストンロッド12が図中下側(以下、「ロック側」という)に移動すると、ディテントレバー8が支軸8sの周りに
図1中反時計回りに回動すると共にパーキングロッド4が
図1中左側に移動する。そして、パーキングロッド4が
図1中左側に移動することにより、カムスプリング7により付勢されたカム部材5によってパーキングポール3がパーキングギヤ2と係合するように押圧され、変速機の回転軸がロックされる(パーキングロックが実行される)。なお、ディテントレバー8の第2遊端部8bの係合凹部8rと係合部材9とが係合することにより、ディテントレバー8の支軸8s周りの回動が図示しないディテントスプリングによってある程度規制され、それにより、パーキングロッド4の移動もある程度規制される。
【0017】
油圧アクチュエータ10は、
図2に示すように、複数の部材から構成される筐体としてのケース11と、ディテントレバー8の第2遊端部8bに連結されると共にケース11により軸方向(
図2中上下方向)に移動自在に支持される移動部材としてのピストンロッド12と、ピストンロッド12に固定されると共にケース11に形成されたピストン室11p内に配置されるピストン14と、を備える。
【0018】
ピストンロッド12は、先端部(
図2中上端部)がケース11から外部に突出するようにケース11により支持されている。このピストンロッド12の先端部には、
図3に示すように、先端側から基端側に向けて延びる連結凹部12rが形成されており、この連結凹部12rには、ディテントレバー8の第2遊端部8bが差し込まれている。ディテントレバー8には、連結凹部12r内に位置にするように長穴8hが形成されており、長穴8hには、ピストンロッド12の先端部により支持された連結ピン12pが挿通されている。長穴8hは、その内周と連結ピン12pの外周面との間に空間が画成されるよう形成されている。これにより、ピストンロッド12とディテントレバー8とは、互いにある程度の相対移動を許容するように連結される。
【0019】
また、ピストンロッド12の軸方向の中央部付近には、ピストンロッド12を軸方向と直交する方向(
図2中左右方向)に貫通すると共に軸方向に延在する穴部12hが形成されており、穴部12hの内部には、被当接部としてのローラ13が配置されている。ローラ13は、ローラベアリングとして構成されており、穴部12hの長手方向(
図2,
図3中上下方向)の長さより小さい外径を有する。このローラ13は、連結ピン12pと平行に延在するようにピストンロッド12によって支持される支持シャフト12sにより、穴部12h内で回転自在となるよう支持されている。
【0020】
ピストン14は、ピストンロッド12の基端部(
図2中下端部)に固定され、シール部材15を介してピストン室11pの内壁面によりピストンロッド12の軸方向に移動自在に支持されている。このピストン14は、ピストン室11pの内部をスプリング室11sと油室11fとに区画する。スプリング室11sは、ピストンロッド12の先端部やディテントレバー8に近接するようにピストン室11pの
図2中上側に画成される。このスプリング室11sには、ケース11とピストン14との間に位置するように弾性部材としてのリターンスプリング16が配置されており、ピストン14は、リターンスプリング16により、ロック側(図中下側)に付勢される。油室11fは、ピストンロッド12の先端部(図中上端部)やディテントレバー8から離間するようにピストン室11pの
図2中下側に画成され、ケース11に形成された油孔11hを介して油圧制御装置20と連通している。ピストンロッド12およびピストン14は、油圧制御装置20からこの油室11fに供給される作動油(油圧)により、リターンスプリング16の付勢力に抗してロック解除側(図中上側)に移動する。
【0021】
油圧制御装置20は、エンジンからの動力により作動するオイルポンプに接続され、バルブボディや、オイルポンプからの作動油を調圧してライン圧PLを生成するプライマリーレギュレータバルブ,ライン圧PLを調圧して略一定のモジュレータ圧Pmodを生成するモジュレータバルブ,ライン圧PLを油路28や油孔11hを介して油室11fに供給する第1状態と油室11fや油路28の作動油を排出(ドレン)する第2状態とを切り替える切替バルブ21,切替バルブ21を駆動するオンオフソレノイドバルブ22などを備える。
【0022】
オンオフソレノイドバルブ22は、ライン圧PLやモジュレータ圧Pmodなどを信号圧として切替バルブ21に出力可能に構成されている。切替バルブ21は、オンオフソレノイドバルブ22からの信号圧が入力される信号圧用入力ポート21aやライン圧PLが入力される入力ポート21b,油路28に連通する出力ポート21c,ドレンポート21dなどの各種ポートが形成されたスリーブや、スリーブ内を軸方向に摺動するスプール,スプールを軸方向の一方側に付勢するスプリングを有するスプールバルブとして構成されている。この切替バルブ21は、オンオフソレノイドバルブ22の少なくとも一方から信号圧が信号圧用入力ポート21aに供給されるときには、スプールがスプリングの付勢力に抗して軸方向の他方側に移動して入力ポート21bと出力ポート21cとを連通すると共に入力ポート21bとドレンポート21dとを遮断し、第1状態を形成する。また、オンオフソレノイドバルブ22から共に信号圧が信号圧用入力ポート21aに供給されないときには、スプリングの付勢力によりスプールが軸方向の一方側に付勢されて出力ポート21cとドレンポート21dとを連通すると共に入力ポート21bと出力ポート21cとを遮断し、第2状態を形成する。
【0023】
磁気ロック装置40は、
図2に示すように、ピストンロッド12に設けられた被当接部としてのローラ13と当接可能な当接部410を有するロックシャフト41と、ロックシャフト41を直動軸受47を介して軸方向(図中左右方向)に移動自在に支持するシャフトホルダ45と、磁力によりロックシャフト41をロック可能な磁気部50と、を備える。
【0024】
ロックシャフト41は、ステンレスなどの非磁性体により形成されており、一端部(先端部)に当接部410を有する小径部42と、小径部42から当接部410とは反対側に延出し且つ小径部42より大径の大径部43と、を有する。小径部42は、略円柱状に形成されており、その先端部に形成される当接部410は、二面幅形状を有するように成形されている。当接部410は、ピストンロッド12の穴部12h内に位置しており、ピストンロッド12の軸方向(図中上下方向)から見て、ローラ13の外周面の少なくとも一部と重なり合っている。大径部43は、略円柱状に形成されている。
【0025】
小径部42の当接部410は、ピストンロッド12の移動方向(図中上下方向)におけるロック側(図中下側)に位置する第1当接面411と、ピストンロッド12の移動方向におけるロック解除側(図中上側)に位置する第2当接面412と、を有する。第1当接面411は、当接部410側から大径部43側に向かうにつれてロック側に近づく傾斜状に形成されており、具体的には、ローラ13の外周面の半径(曲率半径)より小さい曲率半径を有すると共にロック側に凸となる断面円弧状の曲面として形成されている。第2当接面412は、当接部410側から大径部43側に向かうにつれてロック解除側に近づく傾斜状に形成されており、具体的には、ロック解除側に一定角度で傾斜する(平坦な)斜面として形成されている。
【0026】
磁気部50は、軸方向(図中左右方向)に移動可能な軸部材51と、軸部材51の外周を囲むように配置されるコイル54と、シャフトホルダ45を保持すると共に軸部材51やコイル54を収容するケースとして機能するヨーク55と、軸部材51とコイル54との間に配置されるコア56と、ヨーク55の図中右端部にコイル54やコア56を保持するように装着されるリヤキャップ57と、軸部材51とリヤキャップ57との間に配置されて軸部材51をピストンロッド12側(図中左側)に付勢する弾性部材としてのスプリング58と、を備える。
【0027】
軸部材51は、鉄などの磁性体により形成されたプランジャ52と、鉄などの磁性体により形成されたプランジャ52と、プランジャ52と同一の外径を有すると共にプランジャ52の軸方向の一端側(図中左端側)に固定された(プランジャ52と一体に構成された)環状の永久磁石53と、を有する。この環状の永久磁石53により、軸部材51としては、軸方向の一端側に凹部51aを有する。この凹部51aには、ロックシャフト41の大径部43が挿入される。コイル54は、ケースとしてのヨーク55に取り付けられる図示しないコネクタに接続される端子を有する。コイル54には、電子制御ユニット60により制御される電源回路59やコネクタを介して図示しない車両の補機バッテリから電流が印加される。ヨーク55は、鉄などの磁性体により形成されており、一端側(図中左端側)で径方向内側に突出するフランジ部55aを有する。このフランジ部55aは、ロックシャフト41の小径部42が摺動可能な内径を有し、ロックシャフト41の大径部43や軸部材51の永久磁石53と図中左右方向で対向する。スプリング58は、油圧アクチュエータ10のリターンスプリング16より小さいバネ定数(剛性)を有し、互いに固定されていないロックシャフト41と軸部材51とをピストンロッド12側(図中左側)に付勢すると共に、その付勢力(弾性力)より大きいリヤキャップ57側(図中右側)の外力がロックシャフト41に作用したときに、ロックシャフト41と軸部材51とがリヤキャップ57側に移動するのを許容する。
【0028】
この磁気ロック装置40では、コイル54への非通電時には、軸部材51の永久磁石53とヨーク55のフランジ部55aとの吸引力(およびスプリング58の弾性力)により、ロックシャフト41および軸部材51(プランジャ52および永久磁石53)が一体にシャフトホルダ45側(図中左側)に付勢されてロックされる。これにより、ピストンロッド12のローラ13とロックシャフト41の当接部410との当接時に、ピストンロッド12の図中上下方向の移動を規制する。一方、コイル54への通電時には、ヨーク55,永久磁石53,プランジャ52,コア56を通過する磁束により、永久磁石53とフランジ部55aとの吸引力がキャンセルされ、ピストンロッド12のローラ13からロックシャフト41の当接部410に力が作用したときには、その力の図中右向きの分力により、ロックシャフト41および軸部材51がリヤキャップ57側に移動するのを許容する。これにより、ピストンロッド12が図中上下方向に移動するのを許容する。以下、コイル54への非通電時(ピストンロッド12の移動を規制可能な状態)を磁気ロック装置40のオンとし、コイル54への通電時(ピストンロッド12の移動を許容する状態)を磁気ロック装置40のオフとする。
【0029】
電子制御ユニット60は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。電子制御ユニット60には、ディテントレバー8の回転位置を検出する回転位置検出センサ(例えば磁気センサなど)8rpからのディテントレバー8の回転位置θ,油圧制御装置20の作動油の温度を検出する温度センサ26からの油温Toil,アクセルペダルの踏み込み量(操作量)を検出するアクセルペダルポジションセンサからのアクセル開度やシフトレバー61の位置を検出するシフトポジションセンサ62からのシフトポジションSP,車速を検出する車速センサ64からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット60からは、油圧制御装置20への駆動制御信号や電源回路59への駆動制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
【0030】
次に、こうして構成されたパーキング装置1の動作について説明する。
【0031】
まず、
図2に示すパーキングロック状態から油圧によりピストンロッド12を図中上側に移動させてパーキングロック解除状態に切り替える際の動作について説明する。なお、シフトポジションセンサ62からのシフトポジションSPが駐車ポジションでパーキングロック状態のときには、電子制御ユニット60は、電源回路59に磁気ロック装置40のオン指令(コイル54の非通電指令)を出力することにより、磁気ロック装置40をオン(ピストンロッド12の移動を規制可能な状態)とする。また、油圧制御装置20のオンオフソレノイドバルブ22にオフ指令(信号圧出力停止指令)を出力することにより、オンオフソレノイドバルブ22をオフとする(信号圧を出力しない状態とする)。これにより、切替バルブ21が第2状態を形成し、油圧アクチュエータ10の油室11fにはライン圧PLが供給されない。このため、油圧アクチュエータ10のピストン14は、リターンスプリング16により
図2中下側に付勢されてケース11の底部に最接近または当接している。本実施形態では、このときに、ローラ13とロックシャフト41の第1当接面411との間には、第1所定間隔が形成されるものとした。
【0032】
そして、エンジンの運転時に、シフトポジションSPが駐車ポジションから走行用ポジションに変更されると、パーキングロック状態からパーキングロック解除状態に切り替えるために、電子制御ユニット60は、電源回路59に磁気ロック装置40のオフ指令(コイル54の通電指令)を出力することにより、磁気ロック装置40をオフ(ピストンロッド12の移動を許容する状態)とする。また、オンオフソレノイドバルブ22にオン指令(信号圧出力指令)を出力することにより、オンオフソレノイドバルブ22をオンとする(信号圧を出力する状態とする)。これにより、切替バルブ21が第1状態を形成し、油圧アクチュエータ10の油室11fにライン圧PLが供給される。そして、油室11fにライン圧PLが供給されると、その油圧により、ピストンロッド12およびピストン14は、リターンスプリング16の付勢力に抗してロック解除側(図中上側)に移動する。そして、ピストンロッド12およびピストン14は、ピストンロッド12のローラ13とロックシャフト41の第1当接面411とが当接すると、ローラ13から第1当接面411に作用する力の
図2中右向きの分力によってロックシャフト41および軸部材51をリヤキャップ57側に移動させながら更にロック解除側に移動し、
図4に示すように、ローラ13とロックシャフト41の第2当接面412との間に第2所定間隔が形成される位置で停止する。なお、ロックシャフト41および軸部材51は、ローラ13と第1当接面411との当接が終了すると、スプリング58の付勢力によりピストンロッド12側(
図2中左側)に移動する。このようにしてピストンロッド12がロック解除側に移動すると、上述したように、ディテントレバー8が支軸8sの周りに
図1中時計回りに回動すると共にパーキングロッド4が
図1中右側に移動する。そして、パーキングロッド4が
図1中右側に移動し、カム部材5によるパーキングポール3の押圧が解除され、パーキングロック解除状態が形成される。こうしてパーキングロック解除状態を形成すると、電子制御ユニット60は、磁気ロック装置40をオンとする。
【0033】
こうして
図4に示すパーキングロック解除状態を形成すると、電子制御ユニット60は、
図5に例示する走行時処理ルーチンを実行する。このルーチンは、走行中に繰り返し実行される。
【0034】
走行時処理ルーチンが実行されると、電子制御ユニット60は、まず、磁気ロック装置40がオンのときにはその状態を保持すると共にオフのときにはオンとする(ステップS100)。
【0035】
続いて、温度センサ26から油温Toilや車速センサ64からの車速Vなどのデータを入力し(ステップS110)、入力した油温Toilを閾値Torefと比較する(ステップS120)。ここで、閾値Torefは、油圧制御装置20や油室11fの作動油の粘性が比較的大きいか否かを判定するために用いられるものであり、例えば、0℃や10℃などを用いることができる。
【0036】
油温Toilが閾値Torefより高いときには、油圧制御装置20や油室11fの作動油の粘性はそれほど大きくないと判断し、オンオフソレノイドバルブ22がオンのときにはその状態を保持すると共にオフのときにはオンとして(ステップS160)、本ルーチンを終了する。この場合、油圧制御装置20から油室11fに供給される油圧により、パーキングロック解除状態が保持される。
【0037】
油温Toilが閾値Toref以下のときには、油圧制御装置20や油室11fの作動油の粘性が比較的高いと判断し、車両の停車が予測されるか否かを判定する(ステップS130)。この判定は、例えば、車速Vが一旦閾値Vrefを超えてから閾値Vref以下に至ったか否か(走行中に減速して車速Vが閾値Vref以下に至ったか否か)などによって判定することができる。ここで、閾値Vrefは、例えば、5km/hや7km/hなどを用いることができる。また、車速Vが0km/hとなり、車両が停止しているときには、車両の停車が予測されると判定するようにしてもよい。
【0038】
車両の停車が予測されないときには、オンオフソレノイドバルブ22がオンのときにはその状態を保持すると共にオフのときにはオンとして(ステップS160)、本ルーチンを終了する。この場合、油圧制御装置20から油室11fに供給される油圧により、パーキングロック解除状態が保持される。
【0039】
車両の停車が予測されるときには、オンオフソレノイドバルブ22がオフのときにはその状態を保持すると共にオンのときにはオフとする(ステップS140)。これにより、切替バルブ21は、第2状態のとき(前回以前に本ルーチンを実行したときに第2状態に切り替わったとき)にはその状態が保持され、第1状態のときには第2状態に切り替わる。切替バルブ21が第2状態のときには、油圧アクチュエータ10の油室11fにはライン圧PLが供給されず、油室11fや油路28の作動油が油孔11hや油路28を介して切替バルブ21のドレンポート21dから排出される。油室11fの作動油が排出される(排出が開始される)と、ピストンロッド12およびピストン14は、リターンスプリング16の付勢力により、ロック側(
図4中下側)に移動し、ピストンロッド12のローラ13がロックシャフト41の第2当接面412に当接する。ピストンロッド12およびピストン14は、ローラ13から第2当接面412に作用する力の
図4中右向きの分力によってロックシャフト41および軸部材51をリヤキャップ57側に移動させながらロック側(
図4中下側)に移動しようとするが、磁気ロック装置40がオンとなっていることから、その移動が規制される。これにより、パーキングロック解除状態が保持される。以下、このように磁気ロック装置40によりピストンロッド12のロック側への移動を規制しながら油室11fや油路28の作動油を排出する処理を規制排出処理という。
【0040】
続いて、規制排出処理によりピストンロッド12の移動が規制されているか否かを判定する(ステップS150)。この判定は、磁気ロック装置40が正常にオンとなっているか否かを判定するものであり、例えば、回転位置検出センサ8rpからのディテントレバー8の回転位置θが所定時間(数百msecなど)に亘って保持されているか否かなどによって行なうことができる。
【0041】
規制排出処理によりピストンロッド12の移動が規制されているときには、磁気ロック装置40が正常にオンとなっていると判断し、そのまま本ルーチンを終了する。一方、規制排出処理によりピストンロッド12の移動が規制されていないときには、磁気ロック装置40が正常にオンとなっていないと判断し、オンオフソレノイドバルブ22をオンとして(ステップS160)、本ルーチンを終了する。これにより、油圧制御装置20から油室11fに供給される油圧により、パーキングロック解除状態が保持される。この結果、パーキングロック状態に切り替わるのを回避することができる。
【0042】
その後に、車両が停止すると、電子制御ユニット60は、
図6に例示する走行後停車時処理ルーチンを実行する。走行後停車時処理ルーチンが実行されると、運転者による駐車要求がなされたか否かを示す駐車要求フラグFpや規制排出処理の実行中か否かを示す規制排出処理フラグFrなどのデータを入力する(ステップS200)。ここで、駐車要求フラグFpは、シフトポジションセンサ62からのシフトポジションSPが駐車ポジションに変更されていないときには値0が設定され、シフトポジションSPが走行用ポジションから駐車ポジションに変更されたときに値1が設定されたものを読み込んで入力するものとした。また、規制排出処理フラグFrは、規制排出処理を実行していないときには値0が設定され、規制排出処理を実行しているときには値1が設定されたものを読み込んで入力するものとした。
【0043】
こうしてデータを入力すると、入力した駐車要求フラグFpの値を調べ(ステップS210)、駐車要求フラグFpが値0のときには、シフトポジションSPが駐車ポジションでないと判断し、ステップS200に戻る。そして、駐車要求フラグFpが値1になったときに、シフトポジションSPが走行用ポジションから駐車ポジションに変更されたと判断し、規制排出処理フラグFrの値を調べる(ステップS220)。
【0044】
規制排出処理フラグFrが値1のときには、規制排出処理を実行していると判断し、磁気ロック装置40をオフとして(ステップS230)、本ルーチンを終了する。上述したように、規制排出処理の実行時には、磁気ロック装置40によりピストンロッド12のロック側への移動が規制されながら油室11fや油路28の作動油が排出される。したがって、磁気ロック装置40をオフとすると、ピストンロッド12およびピストン14は、リターンスプリング16の付勢力により、ローラ13から第2当接面412に作用する力の
図4中右向きの分力によってロックシャフト41および軸部材51をリヤキャップ57側に移動させながらロック側(
図4中下側)に迅速に移動し、
図4に示すように、ローラ13とロックシャフト41の第1当接面411との間に第1所定間隔が形成される位置で停止する。なお、ロックシャフト41および軸部材51は、ローラ13と第2当接面412との当接が終了すると、スプリング58の付勢力によりピストンロッド12側(
図4中左側)に移動する。このようにして、ピストンロッド12がロック側に移動すると、ディテントレバー8が支軸8sの周りに
図1中反時計回りに回動すると共にパーキングロッド4が
図1中左側に移動し、カムスプリング7により付勢されたカム部材5によってパーキングポール3がパーキングギヤ2と係合するように押圧され、パーキングロック状態が形成される。
【0045】
油室11fの作動油の排出には、油室11fと切替バルブ21との間の油路28の管路抵抗や切替バルブ21の通油抵抗などにより、ある程度の時間を要する。このため、シフトポジションSPが走行用ポジションから駐車ポジションに変更されたときに、油室11fの作動油の排出を開始すると、その排出に要する時間が長いほど、シフトポジションSPの変更からピストンロッド12がロック側に移動してパーキングロック状態が形成されるまでに要する時間(以下、切替所要時間という)が長くなる。作動油の油温Toilが高いときには、その粘性がそれほど大きくないことから、この切替所要時間はそれほど長くならないが、作動油の油温Toilが低いときには、その粘性が大きいために、切替所要時間が比較的長くなってしまうおそれがある。これに対して、油圧制御装置20や油室11fの作動油の油温Toilが低いときには、走行中に車両の停止が予測されたときに、磁気ロック装置40によりピストンロッド12のロック側への移動を規制しながら油室11fや油路28の作動油の排出を開始し、車両が停車してシフトポジションSPが走行用ポジションから駐車ポジションに変更されたときに、磁気ロック装置40をオフとすることにより、ピストンロッド12のロック側への移動を許容する。これにより、シフトポジションSPの変更からパーキングロック状態の形成までに要する時間を短縮することができる。
【0046】
ステップS220で規制排出処理フラグFrが値0のときには、規制排出処理を実行していない、即ち、油圧制御装置20から油室11fに供給される油圧によりパーキングロック解除状態を保持していると判断し、オンオフソレノイドバルブ22をオフとして(ステップS240)、本ルーチンを終了する。これにより、切替バルブ21が第1状態から第2状態に切り替わり、油圧アクチュエータ10の油室11fにライン圧PLが供給されなくなると共に油室11fや油路28の作動油が油孔11hや油路28を介して切替バルブ21のドレンポート21dから排出され始め、ピストンロッド12およびピストン14は、リターンスプリング16の付勢力により、ロックシャフト41および軸部材51をリヤキャップ57側に移動させながらロック側(
図4中下側)に移動し、
図4に示すように、ローラ13とロックシャフト41の第1当接面411との間に第1所定間隔が形成される位置で停止する。上述したように、油圧制御装置20や油室11fの作動油の油温Toilがある程度高いときには、切替所要時間はそれほど長くならないことから、本実施形態では、シフトポジションSPが走行用ポジションから駐車ポジションに変更されたときに、油室11fの作動油の排出を開始して、パーキングロック解除状態からパーキングロック状態に切り替えるものとした。
【0047】
図7は、油圧制御装置20や油室11fの油温Toilが低いとき(閾値Toref以下のとき)の車速V,シフトポジションSP,オンオフソレノイドバルブ22の状態,磁気ロック装置40の状態,ピストンロッド12の位置の時間変化の様子の一例を示す説明図である。図中、実線は、実施例の様子を示し、一点鎖線は、車両の停車を予測しない(規制排出処理を実行しない)比較例の様子を示す。比較例では、図中一点鎖線に示すように、車速Vが低下して車両が停車してシフトポジションSPが駐車ポジションに変更された時刻t2にオンオフソレノイドバルブ22をオフとして、油室11fの油圧の低下に応じてピストンロッド12がリターンスプリング16の弾性力によってロック側に移動して時刻t4にパーキングロック状態が形成される。このため、シフトポジションSPが駐車ポジションに変更されてからパーキングロック状態が形成されるまでの時間が比較的長くなっている。これに対して、実施例では、車速Vが低下して車両の停車が予測された時刻t1にオンオフソレノイドバルブ22をオフとして上述の規制排出処理を実行し、その後の時刻t2に磁気ロック装置40をオフとして、ピストンロッド12がロック側に移動して時刻t4より前の時刻t3にパーキングロック状態が形成される。即ち、時刻t2より前に油室11fの作動油の排出を開始しておくことにより、シフトポジションSPが駐車ポジションに変更されてからパーキングロック状態が形成されるまでの時間を短縮することができるのである。
【0048】
以上説明した本実施形態のパーキング装置1では、油圧制御装置20や油室11fの作動油の油温Toilが低いときにおいて、走行中に車両の停車が予測されるときには、磁気ロック装置40をオンとすると共にオンオフソレノイドバルブ22をオフとする規制排出処理の実行により、磁気ロック装置40によってピストンロッド12の移動を規制しながら油室11fの作動油の排出を開始する。そして、車両が停車してシフトポジションSPが駐車ポジションに変更されたときに、磁気ロック装置40をオフとすることによってピストンロッド12の移動の規制を解除する。これにより、ピストンロッド12がロック側に移動してパーキングロック状態が形成される。こうした処理により、シフトポジションSPが駐車ポジションに変更されたときに油室11fの作動油の排出を開始するものに比して、シフトポジションSPが駐車ポジションに変更されてからパーキングロック状態が形成されるまでの時間を短縮することができる。
【0049】
また、本実施形態のパーキング装置1では、規制排出処理の実行開始後に、ピストンロッド12の移動が規制されていないときには、オンオフソレノイドバルブ22を再度オンとする。これにより、油圧制御装置20から油室11fに供給される油圧により、パーキングロック解除状態が保持される。この結果、パーキングロック状態に切り替わるのを回避することができる。
【0050】
もとより、本実施形態のパーキング装置1では、ピストンロッド12の軸方向と、ロックシャフト41および軸部材51の軸方向とが直交するように、油圧アクチュエータ10と磁気ロック装置40とが配置される。これにより、両者を同軸に配置する構成に比して、トランスミッションケースの内部または外部の限られたスペースにパーキング装置1を容易に配置することができる。
【0051】
本実施形態のパーキング装置1では、油圧制御装置20や油室11fの作動油の油温Toilが低い状態で走行中に車両の停車が予測されたときに、規制排出処理を実行するものとしたが、油圧制御装置20や油室11fの作動油の油温Toilに拘わらず、走行中に車両の停車が予測されたときに、規制排出処理を実行するものとしてもよい。
【0052】
本実施形態のパーキング装置1では、パーキングロック解除状態からパーキングロック状態に切り替える際には、リターンスプリング16の付勢力により、ピストンロッド12がロックシャフト41および軸部材51をリヤキャップ57側に移動させながらロック側に移動するものとしたが、このときに、油圧制御装置20から油圧アクチュエータ10のスプリング室11sに油圧(作動油)を供給するものとしてもよい。こうすれば、ピストンロッド12をロック側により迅速に移動させることができる。
【0053】
本実施形態のパーキング装置1では、磁気ロック装置40は、コイル54への非通電時には、軸部材51の永久磁石53とヨーク55のフランジ部55aとの吸引力(およびスプリング58の弾性力)によりロックシャフト41をピストンロッド12側に固定してピストンロッド12の移動を規制し、コイル54への通電時には、永久磁石53とフランジ部55aとの吸引力のキャンセルによりロックシャフト41の固定を解除してピストンロッド12の移動を許容するものとしたが、弾性力と磁力とによりピストンロッド12の移動の規制および規制の解除(移動の許容)が可能な構成であればよい。例えば、永久磁石53を有さずに上述の軸部材51と同一の形状のプランジャ52Bを用いて、コイル54への非通電時には、ロックシャフト41を固定せずにピストンロッド12の移動を許容し、コイル54への通電時には、プランジャ52Bをヨーク55のフランジ部55a側に吸引してロックシャフト41をピストンロッド12側に固定することによってピストンロッド12の移動を規制するものとしてもよい。また、プランジャ52Bと同一の形状のプランジャ52Cを用いて、コイル54への非通電時には、弾性部材の弾性力によってロックシャフト41をピストンロッド12側に固定することによってピストンロッド12の移動を規制し、コイル54への通電時には、弾性部材の弾性力に抗してプランジャ52Cをピストンロッド12から離間する側に吸引することによってピストンロッド12の移動を許容するものとしてもよい。さらに、プランジャ52Bと同一の形状のプランジャ52Dを用いて、コイル54への非通電時には、弾性部材の弾性力によりロックシャフト41をピストンロッド12から離間する側に付勢することによってピストンロッド12の移動を許容し、コイル54への通電時には、弾性部材の弾性力に抗してプランジャ52Dをピストンロッド12側に吸引してロックシャフト41を固定することによってピストンロッド12の移動を規制するものとしてもよい。
【0054】
本実施形態のパーキング装置1では、磁気ロック装置40は、ロックシャフト41と軸部材51(プランジャ52および永久磁石53)とが別体に構成されるものとしたが、一体に構成されるものとしてもよい。
【0055】
本実施形態のパーキング装置1では、磁気ロック装置40は、ピストンロッド12の軸方向(
図1中上下方向)とは直交する方向(
図1中左右方向)に移動するロックシャフト41および軸部材51を用いてピストンロッド12の移動を規制するものとしたが、ピストンロッド12の軸方向と同軸方向に移動する部材を用いてピストンロッド12の移動を規制するものとしてもよい。
【0056】
次に、本発明のパーキング装置について説明する。
【0057】
本発明のパーキング装置は、車両に搭載され、パーキングロック状態およびパーキングロック解除状態を形成するパーキング装置であって、第1方向に移動する移動部材と、弾性力により前記移動部材を前記第1方向のうち前記パーキングロック状態を形成するロック側に付勢する第1弾性部材と、前記移動部材と該移動部材を収容する筐体とによって形成される作動油室に作動油を供給することにより前記移動部材を前記第1方向のうち前記パーキングロック解除状態を形成するロック解除側に移動させる作動油供給手段と、前記移動部材の前記第1方向の移動の規制および規制の解除を行なう移動規制ユニットと、前記パーキングロック解除状態を形成していて車両の停車が予測されるときには、前記移動規制ユニットによる前記移動部材の前記ロック側への移動の規制を伴って前記作動油供給手段により前記作動油室の作動油を排出させる規制排出処理を実行し、車両が停車して前記パーキングロック状態の形成が要求されたときに、前記移動規制ユニットによる前記移動部材の規制を解除する制御手段と、を備えることを要旨とする。
【0058】
この本発明のパーキング装置では、パーキングロック解除状態を形成していて車両の停車が予測されるときには、移動規制ユニットによる移動部材のロック側への移動の規制を伴って作動油供給手段により作動油室の作動油を排出させる規制排出処理を実行し、車両が停車してパーキングロック状態の形成が要求されたときに、移動規制ユニットによる移動部材の規制を解除する。即ち、車両の停車が予測されるときに、移動規制ユニットによる移動部材のロック側への移動の規制によってパーキングロック解除状態を保持しながら、作動油供給手段により作動油室の作動油を排出させて、パーキングロック状態の形成が要求されたときに、移動規制ユニットによる移動部材の規制の解除によって、第1弾性部材の弾性力により、移動部材がロック側に移動してパーキングロック状態が形成されるのである。これにより、パーキングロック状態の形成が要求されてから作動油室の作動油の排出を開始するものに比して、パーキングロック状態の形成の要求からパーキングロック状態の形成までに要する時間を短縮することができる。ここで、「車両の停車が予測されるとき」としては、車速が所定車速を超えてから所定車速以下に至ったとき(走行中に減速して車速が所定車速以下に至ったとき)などが考えられる。また、「パーキングロック状態の形成の要求」としては、シフトレバーの駐車ポジションへの操作などが考えられる。
【0059】
こうした本発明のパーキング装置において、前記制御手段は、作動油の油温が所定温度以下の状態で車両の停車が予測されるときには、前記規制排出処理を実行し、作動油の温度が前記所定温度より高い状態で車両の停車が予測されるときには、前記規制排出処理を実行せず、更に、前記制御手段は、前記規制排出処理を実行していないときには、前記パーキングロック状態の形成が要求されたときに、前記作動油供給手段により前記作動油室の作動油を排出させる、ものとすることもできる。
【0060】
また、本発明のパーキング装置において、前記制御手段は、前記規制排出処理を実行したときに、前記移動規制ユニットにより前記移動部材の前記ロック側への移動が規制されないときには、前記作動油供給手段により前記作動油室に作動油を再度供給する、ものとすることもできる。こうすれば、移動規制ユニットにより移動部材のロック側への移動が規制されないときに、パーキングロック状態が形成されてしまうのを回避することができる。
【0061】
さらに、本発明のパーキング装置において、前記移動規制ユニットは、前記第1方向と直交する第2方向に移動すると共に前記移動部材に設けられた被当接部と当接する当接部が先端部に設けられた移動規制部材を有し、弾性力または磁力によって前記移動規制部材をロックすることにより前記被当接部と前記当接部との当接時に前記移動部材の前記第1方向の移動を規制するよう構成されている、ものとすることもできる。
【0062】
加えて、本発明のパーキング装置において、前記作動油供給手段は、ライン圧を所定油路を介して前記作動油室に供給する第1状態と、前記作動油室および前記所定油路の作動油をドレンする第2状態と、を切り替える切替バルブを有する、ものとすることもできる。
【0063】
次に、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、ピストンロッド12が「移動部材」に相当し、リターンスプリング16が「第1弾性部材」に相当し、油圧制御装置20が「作動油供給手段」に相当し、磁気ロック装置40が「移動規制ユニット」に相当し、電子制御ユニット60が「制御手段」に相当する。
【0064】
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0065】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。