(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の表面処理粒子及び前記第2の表面処理粒子は、それぞれ前記金属酸化物粒子に対する前記アミノ基を有するシランカップリング剤の表面処理量が0.05質量%以上1.5質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る電子写真感光体について詳細に説明する。
【0029】
[電子写真感光体]
本実施形態に係る電子写真感光体(以下、単に「感光体」と称する場合がある)は、導電性基材と、前記導電性基材上に配置され、結着樹脂、並びに、金属酸化物粒子をアミノ基を有するシランカップリング剤により表面処理した表面処理粒子として、BET比表面積が10m
2/g以上15m
2/g以下である第1の表面処理粒子及びBET比表面積が18m
2/g以上30m
2/g以下である第2の表面処理粒子を含む下引層と、前記下引層上に配置された感光層と、を有して構成されている。以下、単に「表面処理粒子」という場合は、第1の表面処理粒子及び第2の表面処理粒子に共通することを意味する。
【0030】
本実施形態に係る電子写真感光体を用いて画像形成装置を行えば、画像形成を繰り返した時のハーフトーン画像の濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制される。この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
【0031】
下引層を形成する塗布液中の金属酸化物粒子の分散時間が短いと循環式塗布装置のフィルターの目詰まりが生じ易く、分散時間が長いと長期間使用した場合に電気特性が変動しやすい。
一方、塗布液中の金属酸化物粒子の分散性は比表面積に依存し、比表面積が小さいと分散が速く、比表面積が大きいと分散が遅くなる傾向がある。また、金属酸化物粒子の表面処理量が少ないと分散が速く、表面処理量が多いと分散が遅くなる傾向がある。
そして、アミノ基を有するシランカップリング剤で表面処理され、それぞれ上記範囲内にあるBET比表面積を有する2種類の金属酸化物粒子(第1の表面処理粒子及び第2の表面処理粒子)を併用した塗布液を用いることで分散性が適度な範囲となると考えられる。そのため、この塗布液を用いることにより表面処理粒子の凝集が抑制された下引層が形成され、ハーフトーン画像の濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制されると考えられる。
【0032】
また、特に、接触帯電方式の帯電手段を備える画像形成装置(プロセスカートリッジ)では、局所的な放電が発生し易く、下引層の面内不均一が大きい場合異常放電が更に発生し易いと考えられる。
このため、接触帯電方式の帯電手段を備える画像形成装置(プロセスカートリッジ)では、ハーフトーン画像の濃度ムラ及びゴーストが発生し易いが、本実施形態に係る電子写真感光体を適用すると、ハーフトーン画像の濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制された画像が得られ易くなる。
【0033】
図1乃至
図6は、本実施形態に係る感光体の層構成の例を示す概略図である。
図1に示す感光体は、導電性基材1と、導電性基材1の上に形成された下引層2と、下引層2の上に形成された感光層3と、から構成されている。
また、
図2に示すように、感光層3は電荷発生層31と電荷輸送層32との2層構造でもよい。さらに、
図3及び
図4に示すように、感光層3上又は電荷輸送層32上に保護層5を設けてもよい。また、
図5及び
図6に示すように、下引層2と感光層3との間又は下引層2と電荷発生層31との間に中間層4を設けてもよい。
【0034】
なお、中間層4は、下引層2と感光層3との間又は下引層2と電荷発生層31との間に設けた態様を示しているが、導電性基材1と下引層2との間に設けてもよい。無論、中間層4を設けない態様であってもよい。
【0035】
次に、本実施形態に係る電子写真感光体の各要素について説明する。なお、符号は省略して説明する。
【0036】
(導電性基材)
導電性基材としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基材としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が10
13Ωcm未満であることをいう。
【0037】
導電性基材の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基材の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
【0038】
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基材を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
【0039】
粗面化の方法としては、導電性基材の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基材の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
【0040】
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基材を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基材の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
【0041】
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
【0042】
導電性基材には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
【0043】
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
【0044】
(下引層)
下引層は、結着樹脂、並びに、金属酸化物粒子をアミノ基を有するシランカップリング剤により表面処理した表面処理粒子として、BET比表面積が10m
2/g以上15m
2/g以下である第1の表面処理粒子及びBET比表面積が18m
2/g以上30m
2/g以下である第2の表面処理粒子を含み、好ましくはさらに電子受容性化合物を含んで構成されている。
【0045】
なお、表面処理粒子のBET比表面積は、アミノ基を有するシランカップリング剤によって表面処理された後の金属酸化物粒子(表面処理粒子)について、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
【0046】
・結着樹脂
結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物等が挙げられる。また、これら樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂も挙げられる。
【0047】
・表面処理粒子
下引層には、金属酸化物粒子をアミノ基を有するシランカップリング剤により表面処理した表面処理粒子として、BET比表面積が10m
2/g以上15m
2/g以下である第1の表面処理粒子と、BET比表面積が18m
2/g以上30m
2/g以下である第2の表面処理粒子が含まれる。
【0048】
ハーフトーン画像の濃度ムラ及びゴーストの発生を抑制する観点から、第1の表面処理粒子のBET比表面積は好ましくは12m
2/g以上14m
2/g以下であり、第2の表面処理粒子のBET比表面積は好ましくは19m
2/g以上22m
2/g以下である。
【0049】
金属酸化物粒子としては、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛等の粒子が挙げられる。
これらの中でも、金属酸化物粒子としては、残留電位の上昇抑制の観点から、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛の粒子がよい。
なお、第1の表面処理粒子を構成する金属酸化物粒子(第1の金属酸化物粒子)と第2の表面処理粒子を構成する金属酸化物粒子(第2の金属酸化物粒子)の構成材料は異なってもよいが、同種の材料であることが望ましい。
【0050】
金属酸化物粒子としては、望ましくは粒径が100nm以下、特に10nm以上100nm以下の導電粉が望ましく用いられる。ここでいう粒径とは、平均1次粒径を意味する。金属酸化物粒子の平均1次粒径は、SEM(走査型電子顕微鏡)により観察し測定される値であり、無作為に選んだ50個の金属酸化物粒子について測定した平均値である。
【0051】
金属酸化物粒子としては10
4Ω・cm以上10
10Ω・cm以下の粉体抵抗とすることが望ましい。これにより、下引層は、電子写真プロセス速度に対応した周波数で適切なインピーダンスを得ることが実現され易くなる。
金属酸化物粒子の抵抗値が10
4Ω・cmよりも低いと、インピーダンスの粒子添加量依存性の傾きが大きすぎて、インピーダンスの制御が難しくなる場合がある。一方、金属酸化物粒子の抵抗値が10
10Ω・cmよりも高いと残留電位の上昇を引き起こす場合がある。
【0052】
第1の表面処理粒子及び第2の表面処理粒子を得るには、例えば各表面処理粒子に対応したBET比表面積を有する金属酸化物粒子をそれぞれ用いて、アミノ基を有するシランカップリング剤による表面処理を行えばよい。市販されている金属酸化物粒子を用いてもよい。
第1の表面処理粒子(BET比表面積:10m
2/g以上15m
2/g以下)を構成する市販の金属酸化物粒子としては、テイカ社 酸化亜鉛MZ−150、酸化チタンMT−100が挙げられる。
第2の表面処理粒子(BET比表面積:18m
2/g以上30m
2/g以下)を構成する市販の金属酸化物粒子としては、テイカ社 酸化亜鉛MZ−200、酸化チタンMT−300が挙げられる。
【0053】
アミノ基を有するシランカップリング剤の例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらのアミノ基を有するカップリング剤は2種以上を混合して使用することもできる。
【0054】
表面処理粒子におけるアミノ基を有するシランカップリング剤の表面処理量は、金属酸化物粒子に対して、0.05質量%以上1.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以上1.0質量%以下である。金属酸化物粒子に対するアミノ基を有するシランカップリング剤の表面処理量が0.05質量%以上1.5質量%以下であると表面処理粒子同士の凝集が抑制され、初期のゴーストの発生が抑制される。
【0055】
なお、アミノ基を有するシランカップリング剤の処理量は、次のように測定する。
FT−IR法、29Si固体NMR法、熱分析、XPSなどの分析法があるが、FT−IR法が最も簡便である。FT−IR法では通常のKBr錠剤法でも、ATR法でもよい。少量の処理済金属酸化物粒子(表面処理粒子)をKBrと混合し、FT−IRを測定することで、アミノ基を有するシランカップリング剤の処理量を測定する。
【0056】
金属酸化物粒子は、上記アミノ基を有するシランカップリング剤で表面処理後、必要に応じて抵抗値の環境依存性等の改善のために熱処理を行ってもよい。熱処理温度は、例えば、150℃以上300℃以下、処理時間は30分以上5時間以下がよい。
【0057】
下引層における表面処理粒子の含有量(第1の表面処理粒子及び第2の表面処理粒子の合計量)は、電気特性維持の観点から、30質量%以上60質量%以下が望ましく、35質量%以上55質量%以下がより望ましい。
【0058】
また、下引層における第2の表面処理粒子の含有量が、第1の表面処理粒子の含有量よりも多いことが望ましい。下引層に含まれる第1の表面処理粒子及び第2の表面処理粒子の合計含有量に対する第2の表面処理粒子の含有比率は、55質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
【0059】
・電子受容性化合物
電子受容性化合物は、下引層に含有される、アミノ基を有するシランカップリング剤によって表面処理された金属酸化物粒子(表面処理粒子)の表面と化学反応する材料、又は表面処理粒子の表面に吸着する材料であり、表面処理粒子の表面に選択的に存在し得る。
【0060】
電子受容性化合物としては、好ましくは酸性基を持つ電子受容性化合物が適用される。この酸性基としては、水酸基(フェノール水酸基)、カルボキシル基、スルホニル基等が挙げられる。
電子受容性化合物として具体的には、例えば、キノン系、アントラキノン系、クマリン系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系、アントシアニン系、フラボン系、フラーレン系、ルテニウム錯体、キサンテン系、ベンゾキサジン系、ポルフィリン系の化合物が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、ハーフトーン画像の濃度ムラ及びゴーストの発生を抑制すると共に、材料の安全性、入手性、電子輸送能力を考慮すると、アントラキノン系の材料(アントラキノン誘導体)が望ましく、特に下記一般式(1)で表される化合物であることが望ましい。なお、アントラキノン誘導体とは、アントラキノン骨格を有する化合物を意味する。
これらの中でも、一般式(1)で表される化合物のうち、R
1及びR
2が各々独立に炭素数1以上10以下のアルコキシ基を示す化合物がよい。
【0062】
一般式(1)中、n1及びn2は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、n1及びn2の少なくとも一方は、各々独立に1以上3以下の整数を表す(つまり、n1及びn2が同時に0を表さない)。m1及びm2は、各々独立に0又は1の整数を示す。R
1及びR
2は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコキシ基を表す。
【0063】
また、電子受容性化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物であってもよい。
【0065】
一般式(2)中、n1、n2、n3、及びn4は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。m1及びm2は、各々独立に0又は1の整数を示す。n1及びn2の少なくとも一方は、各々独立に1以上3以下の整数を表す(つまり、n1及びn2が同時に0を表さない)。n3及びn4の少なくとも一方は、各々独立に1以上3以下の整数を表す(つまり、n3及びn4が同時に0を表さない)。rは、2以上10以下の整数を示す。R
1及びR
2は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコキシ基を表す。
【0066】
ここで、一般式(1)及び(2)中、R
1及びR
2が表す炭素数1以上10以下のアルキル基としては、直鎖状、又は分枝状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。炭素数1以上10以下のアルキル基としては、望ましくは1以上8以下のアルキル基、より望ましくは1以上6以下のアルキル基である。
R
1及びR
2が表す炭素数1以上10以下のアルコキシ基(アルコキシル基)としては、直鎖状、又は分枝状のいずれでもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。炭素数1以上10以下のアルコキシ基としては、望ましくは1以上8以下のアルコキシル基、より望ましくは1以上6以下のアルコキシル基である。
【0067】
電子受容性化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0071】
電子受容性化合物の含有量は、化学反応又は吸着する相手である金属酸化物粒子の表面積及び含有量と、各材料の電子輸送能力から決められるが、通常は0.01質量%以上20質量%以下の範囲がよく、より望ましくは0.1質量%以上10質量%以下の範囲である。
電子受容性化合物の含有量が0.1質量%以上であると電子受容性化合物の効果が発現し易い。また、電子受容性化合物の含有量が20質量%以下であると金属酸化物粒子同士の凝集が抑制され、金属酸化物粒子が下引層内で分布が均等になり易く、良好な導電路を形成し易い。そのため、残留電位の上昇を抑制し、ゴーストの発生、黒点の発生、ハーフトーン濃度の不均一が抑制される。
【0072】
−その他添加剤−
その他添加剤としては、樹脂粒子が挙げられる。露光装置にレーザ等のコヒーレント光を用いた場合、モアレ像を防止することがよい。そのためには。下引層の表面粗さを、使用する露光用レーザ波長λの1/4n(nは上層の屈折率)以上1/2λ以下に調整することがよい。そこで、樹脂粒子を下引層中に添加すると、表面粗さの調整が実現される。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメチルメタアクリレート(PMMA)樹脂等が挙げられる。
また、その他添加剤としては、上記に限られず、周知の添加剤も挙げられる。
【0073】
−下引層の形成−
下引層の形成の際には、結着樹脂、並びに、金属酸化物粒子をアミノ基を有するシランカップリング剤により表面処理した表面処理粒子あって、BET比表面積が10m
2/g以上15m
2/g以下である第1の表面処理粒子及びBET比表面積が18m
2/g以上30m
2/g以下である第2の表面処理粒子を溶媒に加えた下引層形成用塗布液が使用される。下引層形成用塗布液は、必要に応じて、電子受容性化合物、さらにその他の添加剤を予備混合又は予備分散したものを、結着樹脂に分散させて得られる。
【0074】
下引層形成用塗布液を得るために用いる溶剤としては前述した結着樹脂を溶解する公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系の溶剤が挙げられる。これらの溶剤は単独又は2種類以上混合して用いてもよい。
【0075】
下引層形成用塗布液に表面処理粒子を分散させる方法としては公知の分散方法が用いられる。例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどが挙げられる。ガラスビーズを用いたサンドミルが分散性及び量産性の観点からより好ましい。
【0076】
下引層形成用塗布液の塗布方法としては浸漬塗布法、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法など公知の塗布方法が用いられる。
【0077】
下引層は、ビッカース硬度が35以上50以下であることが望ましい。
【0078】
下引層の厚みは、画像の粒状性向上の観点から、15μm以上が望ましく、15μm以上30μm以下であることがより望ましく、20μm以上25μm以下が更に望ましい。
【0079】
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
【0080】
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
【0081】
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
【0082】
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
【0083】
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
【0084】
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
【0085】
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
【0086】
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
【0087】
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基材からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp−型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
【0088】
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn−型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n−型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012−155282号公報の段落[0288]〜[0291]に記載された化合物(CG−1)〜(CG−27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
【0089】
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が10
13Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
【0090】
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
【0091】
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
【0092】
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
【0093】
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
【0094】
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
【0095】
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
【0096】
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
【0097】
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
【0098】
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0099】
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体が好ましい。
【0101】
構造式(a−1)中、Ar
T1、Ar
T2、及びAr
T3は、各々独立に置換若しくは無置換のアリール基、−C
6H
4−C(R
T4)=C(R
T5)(R
T6)、又は−C
6H
4−CH=CH−CH=C(R
T7)(R
T8)を示す。R
T4、R
T5、R
T6、R
T7、及びR
T8は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
【0103】
構造式(a−2)中、R
T91及びR
T92は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のアルコキシ基を示す。R
T101、R
T102、R
T111及びR
T112は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは無置換のアリール基、−C(R
T12)=C(R
T13)(R
T14)、又は−CH=CH−CH=C(R
T15)(R
T16)を示し、R
T12、R
T13、R
T14、R
T15及びR
T16は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。Tm1、Tm2、Tn1及びTn2は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
【0104】
ここで、構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び前記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「−C
6H
4−CH=CH−CH=C(R
T7)(R
T8)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「−CH=CH−CH=C(R
T15)(R
T16)」を有するベンジジン誘導体が、電荷移動度の観点で好ましい。
【0105】
高分子電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報等に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材は特に好ましい。なお、高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
【0106】
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
【0107】
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
【0108】
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
【0109】
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
【0110】
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
【0111】
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
【0112】
(保護層)
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
【0113】
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
【0114】
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、−OH、−OR[但し、Rはアルキル基を示す]、−NH
2、−SH、−COOH、−SiR
Q13−Qn(OR
Q2)
Qn[但し、R
Q1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、R
Q2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1〜3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
【0115】
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
【0116】
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
【0117】
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
【0118】
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
【0119】
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
【0120】
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
【0121】
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
【0122】
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
【0123】
(単層型感光層)
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して10質量%以上85質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
【0124】
(その他)
本実施形態に係る電子写真感光体において、感光層や保護層には、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、又は光・熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤などの添加剤を添加してもよい。
また、感光層や保護層には、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電子受容性物質を添加してもよい。
また、感光層や保護層には、各層を形成する塗布液にレベリング剤としてシリコーンオイルを添加し、塗膜の平滑性向上させてもよい。
【0125】
[画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
【0126】
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
【0127】
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
【0128】
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
【0129】
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
【0130】
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0131】
図7は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、
図7に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
【0132】
図7におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
【0133】
なお、
図7には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
【0134】
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
【0135】
−帯電装置−
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
【0136】
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
【0137】
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
【0138】
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
【0139】
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
【0140】
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
【0141】
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
【0142】
図8は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図8に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
【0143】
次に、本実施形態に係る画像形成装置100の動作について説明する。まず、電子写真感光体7が回転すると同時に、帯電装置8により負に帯電する。
【0144】
帯電装置8によって表面が負に帯電した電子写真感光体7は、露光装置10により露光され、表面に静電潜像が形成される。
【0145】
電子写真感光体7における静電潜像の形成された部分が現像装置11に近づくと、現像装置11により、静電潜像にトナーが付着し、トナー像が形成される。
【0146】
トナー像が形成された電子写真感光体7がさらに回転して、転写装置40によりトナー像は中間転写体50に1次転写され、さらに不図示の記録紙に2次転写される。これにより、記録紙にトナー像が形成される。
1次転写後、電子写真感光体7に残留するトナーはクリーニング装置13によって除去される。
【0147】
トナー像が形成された記録紙は、不図示の定着装置によりトナー像が定着される。
【0148】
なお、中間転写体50を用いずに感光体7の表面に形成されたトナー像が記録紙に直接転写されてもよい。
【実施例】
【0149】
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0150】
<表面処理された金属酸化物粒子(表面処理粒子)の作製>
[表面処理例1]
金属酸化物粒子として酸化亜鉛(商品名: MZ−300、テイカ社製)100質量部、シランカップリング剤としてN−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの10質量%のトルエン溶液を5質量部、トルエン195質量部を混合、攪拌を行い、2時間還流を行った。その後10mmHgにてトルエンを減圧留去し、135℃で2時間焼き付け処理を行い、表面処理粒子を得た。
【0151】
得られた表面処理粒子のBET比表面積について、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定したところ、29m
2/gであった。
【0152】
[表面処理例2乃至15]
下記表1に示すように金属酸化物粒子及び表面処理剤(シランカップリング剤)を変更したこと以外は表面処理例1と同様にして表面処理された金属酸化物粒子(表面処理粒子)を作製した。
なお、表1に示す各表面処理例で用いた金属酸化物粒子は以下の通りである。
・酸化亜鉛1:テイカ社製、商品名:MZ−300
・酸化亜鉛2:テイカ社製、商品名:MZ−150
・酸化亜鉛3:テイカ社製、商品名:MZ−200
・酸化亜鉛4:テイカ社製、商品名:MZ−500
・酸化亜鉛5:テイカ社製、商品名:MZ−100
・酸化亜鉛6:テイカ社製、商品名:特注品-1
・酸化亜鉛7:テイカ社製、商品名:特注品-2
・酸化チタン1:テイカ社製、商品名:MT−700B
・酸化チタン2:テイカ社製、商品名:MT−500B
【0153】
【表1】
【0154】
[実施例1]
表面処理例1で表面処理した酸化亜鉛粒子:10質量部と表面処理例4で表面処理した酸化亜鉛:10質量部とを、ブロック化イソシアネート スミジュール3175(住友バイエルンウレタン社製):5質量部、前記電子受容性化合物「1−2」を0.08質量部、メチルエチルケトン:25質量部を30分間混合し、その後ブチラール樹脂 エスレック BM−1(積水化学工業社製):5質量部を添加し、サンドミルにて1時間の分散を行い、分散液を得た。
さらにシリコーン樹脂粒子 トスパール130(東芝シリコーン社製):3質量部を加えて時間撹拌し、塗布液を得た。
さらに、塗布液を浸漬塗布法にて直径84mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、180℃、30分の乾燥硬化を行い、厚さ19μmの下引層を得た。
【0155】
次に、電荷発生材料として、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを用い、その15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10質量部およびn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液を、上記中間層上に浸漬塗布し、100℃、10分乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0156】
また、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1、1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン 4質量部と、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量4万)6質量部とを、テトラヒドロフラン25質量部及びクロルベンゼン5質量部を加えて溶解することで調製した塗布液を電荷発生層上に塗布し、130℃、40分の乾燥を行うことにより膜厚35μmの電荷輸送層を形成した。これにより実施例1の感光体を得た。
【0157】
(画質評価)
以上のようにして得られた感光体を富士ゼロックス社製複写機「Docu Centre Color 500」に搭載し、30℃/80%RHの条件で
図9に示すチャートをA4横送り(短手方向送り)で連続10万枚出力した。
図9に示すチャートは、画像濃度100%の黒色のベタ画像中に白抜きの文字「G」を有する領域と画像濃度40%のハーフトーン画像の領域と、をプリントしたチャートである。
【0158】
−ゴースト評価−
1枚目に出力した画像(初期画像)、10万出力後の画像(10万枚出力後画像)について、目視にて、Gの文字状の濃度変化を確認して行った。評価基準は以下の通りである。
A:濃度変化なし
B:濃度変化若干あり実使用上問題ない
C:濃度変化あり実使用に耐えない
【0159】
−ハーフトーン画像濃度ムラ評価−
ハーフトーン画像濃度ムラの評価は、1枚目に出力した画像(初期画像)、10万出力後の画像(10万枚出力後画像)について、画像濃度40%のハーフトーン画像の領域におけるランダムな濃度変化を目視にて行った。
評価基準は以下の通りである。
A:濃度変化なし
B:濃度変化若干あり実使用上問題ない
C:濃度変化あり実使用に耐えない
【0160】
−粒状性評価−
粒状性は1枚目に出力した40%ハーフトーン画像を細かい濃度ムラを目視にて評価した。
A:問題なし
B:若干あり実使用上問題ない
C:実使用に耐えない
【0161】
[実施例2乃至6]
表面処理粒子を下記表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の評価を行った。
【0162】
[実施例7]
下引層の厚みを14μmに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の評価を行った。
【0163】
[実施例8]
表1に示す酸化チタンを用いた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の評価を行った。
【0164】
[実施例9]
表1に示すシランカップリング剤を用いた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の評価を行った。
【0165】
[実施例10]
電子受容性化合物として、前記電子受容性化合物「1−21」を用いた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の評価を行った。
【0166】
[実施例11]
表面処理粒子を下記表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の評価を行った。
【0167】
[比較例1乃至7]
下引層に含まれる表面処理粒子を下記表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の評価を行った。
【0168】
各例で作製した電子写真感光体の下引層に含まれる表面処理粒子の構成を表2に記す。なお、実施例1以外の各例における下引層中の表面処理粒子の合計含有量は実施例1と同様であり、「含有比率」は、表面処理粒子全体の含有量に対する各表面処理粒子の含有比率である。
【0169】
【表2】
【0170】
実施例及び比較例の評価結果を表3に示す。
【0171】
【表3】
【0172】
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、初期及び長期(10万枚)出力後の画像について、ゴースト及びハーフトーン画像濃度ムラの発生が抑制されたことがわかる。