特許第6201852号(P6201852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6201852
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】容量可変型斜板式圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 27/12 20060101AFI20170914BHJP
   F04B 27/18 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   F04B27/12 L
   F04B27/18 Z
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-61850(P2014-61850)
(22)【出願日】2014年3月25日
(65)【公開番号】特開2015-183616(P2015-183616A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】特許業務法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】山本 真也
(72)【発明者】
【氏名】榊原 健吾
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 佑介
(72)【発明者】
【氏名】仲井間 裕之
【審査官】 松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭52−131204(JP,A)
【文献】 特開2003−254231(JP,A)
【文献】 特開2006−009626(JP,A)
【文献】 特開2010−281289(JP,A)
【文献】 米国特許第04061443(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 27/12
F04B 27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入室、吐出室、斜板室及びシリンダボアが形成されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転によって前記斜板室内で回転可能な斜板と、前記駆動軸と前記斜板との間に設けられ、前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、前記シリンダボアに往復動可能に収納されたピストンと、前記斜板の回転により、前記傾斜角度に応じたストロークで前記ピストンを前記シリンダボア内で往復動させる変換機構と、前記傾斜角度を変更可能なアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御機構とを備え、
前記リンク機構は、前記斜板室内で前記駆動軸上に設けられ、前記斜板と対向するラグ部材と、前記ラグ部材から前記駆動軸の回転が伝達される斜板アームとを有し、
前記ラグ部材には、前記斜板アームと対面する案内面が形成され、
前記斜板アームには、前記案内面に当接して案内される被案内面が形成され、
前記アクチュエータは、前記ラグ部材と、前記ラグ部材と前記斜板との間に配置され、前記駆動軸心方向に移動可能な移動体と、前記ラグ部材と前記移動体との間に設けられ、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室とを有し、
前記案内面は、前記傾斜角度が最大である時における前記案内面と前記被案内面との第1当接位置と、前記傾斜角度が最小である時における前記案内面と前記被案内面との第2当接位置との間において、前記被案内面に向かって凸形状に形成され
前記案内面の頂部は、前記第1当接位置と前記第2当接位置との中間よりも、前記第1当接位置側にオフセットされ、
前記案内面は、前記第1当接位置から前記第2当接位置にかけて、前記被案内面に向かう単一の前記凸形状であることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
【請求項2】
前記被案内面は、前記第1当接位置と前記第2当接位置とで曲率半径が異なっている請求項記載の容量可変型斜板式圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機では、ハウジングに吸入室、吐出室、斜板室、センターボア及び複数個のシリンダボアが形成されている。ハウジングには、駆動軸が回転可能に支持されている。斜板室内には、駆動軸の回転によって回転可能な斜板が設けられている。駆動軸と斜板との間には、リンク機構が設けられている。リンク機構は、斜板の傾斜角度の変更を許容する。ここで、傾斜角度とは、駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する斜板の角度である。各シリンダボアには、ピストンが往復動可能に収納されている。ピストン毎に対をなすシューは、変換機構として、斜板の回転により、傾斜角度に応じたストロークで各ピストンをシリンダボア内で往復動させる。アクチュエータは傾斜角度の変更を行う。制御機構はアクチュエータを制御する。
【0003】
リンク機構は、ラグ部材と、第1斜板アームと、第2斜板アームとを有している。ラグ部材は駆動軸に固定されており、斜板室内の前方側に位置して斜板と対向している。第1斜板アームは斜板の前面に設けられており、斜板室の前方に向かって延びている。この第1斜板アームは、ラグ部材と揺動可能に連結されており、ラグ部材から駆動軸の回転が伝達されるようになっている。第2斜板アームは斜板の後面に設けられており、斜板室の後方に向かって延びている。第2斜板アームには被案内面が形成されている。被案内面は円筒状に形成されている。
【0004】
アクチュエータは斜板よりも後方側に配置されている。このアクチュエータは、第1移動体、第2移動体及び制御圧室を有している。第1移動体と第2移動体とは、軸方向に整列しつつ駆動軸に挿通されており、駆動軸心方向に移動可能となっている。第1移動体はセンターボア内に位置している。第2移動体には、斜板側に向かって一定の角度で傾斜する平坦な案内面が設けられている。この案内面と被案内面とは線接触している。また、制御圧室は、内部の圧力によって第1移動体及び第2移動体を移動させる。
【0005】
この圧縮機では、制御機構が吐出室内の冷媒を制御圧室内に導入することよって、制御圧室内の圧力を上昇させる。これにより、第1移動体はセンターボア内を駆動軸心方向に移動し、第2移動体を駆動軸心方向で斜板室の前方側に移動させる。このため、被案内面は駆動軸心から遠隔する方向に案内面を摺動する。また、第1斜板アームがラグ部材に対して揺動する。こうして、この圧縮機では、斜板の傾斜角度が増大し、駆動軸の1回転当たりの吐出容量が増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−105384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の圧縮機では、被案内面が案内面を摺動することにより、斜板の傾斜角度の変更が許容されている。この際、案内面には、被案内面を通じて圧縮荷重が作用する。この圧縮荷重は、傾斜角度を増大させる方向に案内面と被案内面とを摺動させる成分を有する(以下、この成分を容量増大成分という)。
【0008】
ここで、案内面は平坦に形成され、その案内面が駆動軸心に直交する仮想の平面となす角度、つまり案内面と被案内面との接触角度を大きくすれば、容量増大成分を大きくすることができるため、最大吐出容量を維持し易くなる。反対に、案内面と被案内面との接触角度を小さくすれば、容量増大成分を小さくすることができるため、最小吐出容量を維持し易くなる。
【0009】
しかし、この圧縮機では、案内面が平坦に形成されている。これにより、この圧縮機では、案内面と被案内面とが常に一定の接触角度を維持しつつ摺動する。このため、この圧縮機では、最大吐出容量を維持し難く、また、最小吐出容量も維持し難い。
【0010】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、アクチュエータによって吐出容量を変更する圧縮機において、最大吐出容量を好適に維持可能であるとともに、最小吐出容量も好適に維持可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、吸入室、吐出室、斜板室及びシリンダボアが形成されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転によって前記斜板室内で回転可能な斜板と、前記駆動軸と前記斜板との間に設けられ、前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、前記シリンダボアに往復動可能に収納されたピストンと、前記斜板の回転により、前記傾斜角度に応じたストロークで前記ピストンを前記シリンダボア内で往復動させる変換機構と、前記傾斜角度を変更可能なアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御機構とを備え、
前記リンク機構は、前記斜板室内で前記駆動軸上に設けられ、前記斜板と対向するラグ部材と、前記ラグ部材から前記駆動軸の回転が伝達される斜板アームとを有し、
前記ラグ部材には、前記斜板アームと対面する案内面が形成され、
前記斜板アームには、前記案内面に当接して案内される被案内面が形成され、
前記アクチュエータは、前記ラグ部材と、前記ラグ部材と前記斜板との間に配置され、前記駆動軸心方向に移動可能な移動体と、前記ラグ部材と前記移動体との間に設けられ、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室とを有し、
前記案内面は、前記傾斜角度が最大である時における前記案内面と前記被案内面との第1当接位置と、前記傾斜角度が最小である時における前記案内面と前記被案内面との第2当接位置との間において、前記被案内面に向かって凸形状に形成され
前記案内面の頂部は、前記第1当接位置と前記第2当接位置との中間よりも、前記第1当接位置側にオフセットされ、
前記案内面は、前記第1当接位置から前記第2当接位置にかけて、前記被案内面に向かう単一の前記凸形状であることを特徴とする。
【0012】
本発明の圧縮機では、斜板アームの被案内面がラグ部材の案内面を摺動することにより、斜板の傾斜角度の変更が許容される。ここで、この圧縮機では、案内面が第1当接位置と第2当接位置との間において、被案内面に向かって凸形状に形成されている。このため、この圧縮機では、第1当接位置側において案内面と被案内面との接触角度が大きくなり、第2当接位置側において案内面と被案内面との接触角度が小さくなる。こうして、この圧縮機では、傾斜角度が最大である時には容量増大成分を大きくすることができ、傾斜角度が最小である時には容量増大成分を小さくすることができる。
【0013】
したがって、本発明の圧縮機によれば、アクチュエータによって吐出容量を変更する圧縮機において、最大吐出容量を好適に維持可能であるとともに、最小吐出容量も好適に維持可能である。
【0015】
特に、案内面の頂部は、第1当接位置と第2当接位置との中間よりも、第1当接位置側にオフセットされていることが好ましい。この場合には、斜板の傾斜角度を変更するに当たって、被案内面が案内面を好適に摺動することが可能となる。このため、この圧縮機では、最大吐出容量から最小吐出容量まで、吐出容量を好適に変更することが可能となる。
【0016】
本発明の圧縮機において、被案内面は、第1当接位置と第2当接位置とで曲率半径が異なっていることが好ましい。上記のように、傾斜角度が最大である時と最小である時とで、案内面と被案内面との接触角度が異なる場合、ピストンの上死点位置の変化が大きくなる。このため、ピストンの上死点位置の変化を小さくするに当たって、圧縮機の設計が困難となる。この点、第1当接位置と第2当接位置とで被案内面の曲率半径を異ならせることにより、ピストンの上死点位置の変化を容易に小さくすること可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の圧縮機によれば、アクチュエータによって吐出容量を変更する圧縮機において、最大吐出容量を好適に維持可能であるとともに、最小吐出容量も好適に維持可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施例1の圧縮機における最大容量時の断面図である。
図2図2は、実施例1の圧縮機に係り、制御機構を示す模式図である。
図3図3は、実施例1の圧縮機に係り、リンク機構等を示す模式上面図である。
図4図4は、実施例1の圧縮機に係り、ラグプレート及び移動体等を示す要部拡大断面図である。
図5図5は、実施例1の圧縮機における最小容量時の断面図である。
図6図6は、実施例1の圧縮機に係り、案内面に当接して被案内面が案内されつつ、第1当接位置から第2当接位置まで摺動する状態を示す模式図である。
図7図7は、実施例1の圧縮機に係り、案内面と被案内面との接触角度を示す模式図である。図(A)は第1当接位置における接触角度を示している。図(B)は第2当接位置における接触角度を示している。
図8図8は、接触角度の変化と可変差圧の変化に基づく、容量増大成分の変化割合を示すグラフである。
図9図9は、実施例2の圧縮機に係り、案内面に当接して被案内面が案内されつつ、第1当接位置から第2当接位置まで摺動する状態を示す模式図である。
図10図10は、比較例の圧縮機に係り、案内面と被案内面との接触角度を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。実施例1、2の圧縮機は容量可変型片頭斜板式圧縮機である。これらの圧縮機は、いずれも車両に搭載されており、車両用空調装置の冷凍回路を構成している。
【0020】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、斜板5と、リンク機構7と、複数のピストン9と、一対のシュー11a、11bと、アクチュエータ13と、図2に示す制御機構15とを備えている。
【0021】
図1に示すように、ハウジング1は、圧縮機の前方に位置するフロントハウジング17と、圧縮機の後方に位置するリヤハウジング19と、フロントハウジング17とリヤハウジング19との間に位置するシリンダブロック21と、弁形成プレート23とを有している。
【0022】
フロントハウジング17は、前方で圧縮機の上下方向に延びる前壁17aと、前壁17aと一体化され、圧縮機の前方から後方に向かって延びる周壁17bとを有している。これらの前壁17aと周壁17bとにより、フロントハウジング17は有底の略円筒形状をなしている。また、これらの前壁17aと周壁17bとにより、フロントハウジング17内には斜板室25が形成されている。
【0023】
前壁17aには、前方に向かって突出するボス17cが形成されている。このボス17c内には、軸封装置27が設けられている。また、ボス17c内には、圧縮機の前後方向に延びる第1軸孔17dが形成されている。この第1軸孔17d内には第1滑り軸受29aが設けられている。
【0024】
周壁17bには、斜板室25と連通する吸入ポート250が形成されている。この吸入ポート250を通じて、斜板室25は図示しない蒸発器と接続されている。これにより、斜板室25には、吸入ポート250を通じて蒸発器を経た低圧の冷媒ガスが流入する。このため、斜板室25内の圧力は、後述する吐出室35内よりも低圧となる。
【0025】
リヤハウジング19には、制御機構15の一部が設けられている。また、リヤハウジング19には、第1圧力調整室31aと、吸入室33と、吐出室35とが形成されている。第1圧力調整室31aは、リヤハウジング19の中心部分に位置している。吐出室35はリヤハウジング19の外周側に環状に位置している。また、吸入室33は、リヤハウジング19において、第1圧力調整室31aと吐出室35との間で環状に形成されている。吐出室35は図示しない吐出ポートと接続している。
【0026】
シリンダブロック21には、ピストン9と同数個のシリンダボア21aが周方向に等角度間隔で形成されている。各シリンダボア21aの前端側は斜板室25と連通している。また、シリンダブロック21には、後述する吸入リード弁41aの最大開度を規制するリテーナ溝21bが形成されている。
【0027】
さらに、シリンダブロック21には、斜板室25と連通しつつ、圧縮機の前後方向に延びる第2軸孔21cが貫設されている。第2軸孔21c内には第2滑り軸受29bが設けられている。なお、上記の第1滑り軸受29a及び第2滑り軸受29bに換えて、それぞれ転がり軸受を採用することもできる。
【0028】
また、シリンダブロック21には、ばね室21dが形成されている。このばね室21dは、斜板室25と第2軸孔21cとの間に位置している。ばね室21d内には、復帰ばね37が配置されている。この復帰ばね37は、傾斜角度が最小になった斜板5を斜板室25の前方に向けて付勢する。また、シリンダブロック21には、斜板室25と連通する吸入通路39が形成されている。
【0029】
弁形成プレート23は、リヤハウジング19とシリンダブロック21との間に設けられている。この弁形成プレート23は、バルブプレート40と、吸入弁プレート41と、吐出弁プレート43と、リテーナプレート45とからなる。
【0030】
バルブプレート40、吐出弁プレート43及びリテーナプレート45には、シリンダボア21aと同数の吸入ポート40aが形成されている。また、バルブプレート40及び吸入弁プレート41には、シリンダボア21aと同数の吐出ポート40bが形成されている。各シリンダボア21aは、各吸入ポート40aを通じて吸入室33と連通するとともに、各吐出ポート40bを通じて吐出室35と連通する。さらに、バルブプレート40、吸入弁プレート41、吐出弁プレート43及びリテーナプレート45には、第1連通孔40cと第2連通孔40dとが形成されている。第1連通孔40cにより、吸入室33と吸入通路39とが連通している。これにより、斜板室25と吸入室33とが連通している。
【0031】
吸入弁プレート41は、バルブプレート40の前面に設けられている。この吸入弁プレート41には、弾性変形により各吸入ポート40aを開閉可能な吸入リード弁41aが複数形成されている。また、吐出弁プレート43は、バルブプレート40の後面に設けられている。この吐出弁プレート43には、弾性変形により各吐出ポート40bを開閉可能な吐出リード弁43aが複数形成されている。リテーナプレート45は、吐出弁プレート43の後面に設けられている。このリテーナプレート45は、吐出リード弁43aの最大開度を規制する。
【0032】
駆動軸3は、ボス17c側からハウジング1の後方側に向かって挿通されている。駆動軸3は、前端側がボス17c内において軸封装置27に挿通されているとともに、第1軸孔17d内において第1滑り軸受29aによって軸支されている。また、駆動軸3の後端側が第2軸孔21c内において第2滑り軸受29bによって軸支されている。こうして、駆動軸3は、ハウジング1に対して駆動軸心O周りで回転可能に支持されている。そして、第2軸孔21c内には、駆動軸3の後端との間に第2圧力調整室31bが区画されている。この第2圧力調整室31bは、第2連通孔40dを通じて第1圧力調整室31aと連通している。これらの第1、2圧力調整室31a、31bにより、圧力調整室31が形成されている。
【0033】
駆動軸3の後端にはOリング49a、49bが設けられている。これにより、各Oリング49a、49bは、駆動軸3と第2軸孔21cとの間に位置して斜板室25と圧力調整室31との間を封止している。
【0034】
また、駆動軸3には、リンク機構7と、斜板5と、アクチュエータ13とが取り付けられている。図3に示すように、リンク機構7は、ラグプレート51と、ラグプレート51に形成された一対のラグアーム53a、53bと、斜板5に形成された一対の斜板アーム5e、5fとを有している。このラグプレート51が本発明におけるラグ部材に相当する。なお、同図では、説明を容易にするため、ラグプレート51及び斜板5等の形状を簡略化して図示している。
【0035】
図1に示すように、ラグプレート51は、挿通孔510が貫設された略円環状をなしている。このラグプレート51は、斜板室25内において、斜板5よりも前方に配置されている。図4に示すように、挿通孔510には駆動軸3が圧入されており、ラグプレート51は駆動軸3と一体で回転可能となっている。また、ラグプレート51と前壁17aとの間には、スラスト軸受55が設けられている。
【0036】
ラグプレート51には、駆動軸心Oと同軸でラグプレート51の前後方向に延びる円筒状のシリンダ室51aが凹設されている。このシリンダ室51aは、ラグプレート51の後端面で斜板室25に開いており、ラグプレート51の後端面から、ラグプレート51内においてスラスト軸受55の内側となる箇所まで延びている。
【0037】
図3に示すように、各ラグアーム53a、53bは、それぞれラグプレート51から後方に向かって延びている。また、ラグプレート51には、各ラグアーム53a、53bの間となる位置に一対の案内面57a、57bが形成されている。これらのラグアーム53a、53b及び案内面57a、57bは、斜板5の上死点位置Tと駆動軸心Oとで仮定される上死点面Xを跨いでラグプレート51にそれぞれ形成されている。また、この圧縮機では、上死点面Xと直交しつつ駆動軸心Oと交差する第1仮想平面Y1が仮定されている。
【0038】
図1に示すように、斜板5は、環状の平板形状をなしており、前面5aと後面5bとを有している。前面5aには、斜板5の前方に向かって突出するウェイト部5cが形成されている。このウェイト部5cは、斜板5の傾斜角度が最大となった際にラグプレート51と当接する。また、斜板5の中心には、挿通孔5dが形成されている。この挿通孔5dに駆動軸3が挿通されている。
【0039】
図3に示すように、各斜板アーム5e、5fは、上死点面Xを跨いで斜板5の前面5aにそれぞれ形成されている。各斜板アーム5e、5fは、前面5aから前方に向かって延びている。また、各斜板アーム5e、5fの先端には、被案内面59a、59bが形成されている。図4の二点鎖線で示すように、被案内面59aは、上死点面Xと直交する方向に延びる母線を有する円筒状に形成されている。被案内面59bについても同様である。
【0040】
また、図1に示すように、斜板5には、略半球状の凸部5gが前面5aに突設されており、前面5aと一体となっている。この凸部5gは、斜板アーム5eと斜板アーム5fの間に位置している。
【0041】
図3に示すように、この圧縮機では、各斜板アーム5e、5fを各ラグアーム53a、53bの間に挿入することにより、ラグプレート51と斜板5とが連結している。これにより、各ラグアーム53a、53bから各斜板アーム5e、5fに対してラグプレート51の回転駆動力が伝達される。これにより、斜板5は、ラグプレート51と共に斜板室25内で回転可能となっている。
【0042】
このように、ラグプレート51と斜板5とが連結することにより、斜板アーム5eの被案内面59aが案内面57aに当接するとともに、斜板アーム5fの被案内面59bが案内面57bに当接する。ここで、各斜板アーム5e、5fの各被案内面59a、59bが円筒状に形成されていることから、各案内面57a、57bと各被案内面59a、59bとは、それぞれ線接触することとなる。そして、各被案内面59a、59bが案内面57a、57bにそれぞれ案内されつつ、各案内面57a、57bを摺動する。こうして、斜板5は、駆動軸心Oに直交する方向に対する自身の傾斜角度について、上死点位置Tをほぼ維持しつつ、図1に示す最大傾斜角度から、図5に示す最小傾斜角度まで変更することが可能となっている。
【0043】
上記のように、各被案内面59a、59bは円筒状に形成されていることから、各被案内面59a、59bの曲率は一定である。このため、第1当接位置P1及び第2当接位置P2のいずれにおいても、被案内面59a、59bの各中心C1から案内面57a、57bまでの距離は一定である。
【0044】
図4に示すように、案内面57aは、駆動軸心O側からラグプレート51の径外方向に向かって延びている。案内面57aは、上死点面Xと直交するように延びる母線を有する略円筒形状に形成されており、第1仮想平面Y1に対して後方に突出する凸形状に湾曲している。より具体的には、図6に示すように、この案内面57aは、斜板5の傾斜角度が最大である時における案内面57aと被案内面59aとが線接触する第1当接位置P1と、傾斜角度が最小である時における案内面57aと被案内面59aとが線接触する第2当接位置P2との間において、被案内面59aに向かって凸形状となるように形成されている。また、この案内面57aでは、頂部P3が第1当接位置P1と第2当接位置P2との中間よりも、第1当接位置P1側にオフセットされるように形成されている。頂部P3は、案内面57a上の母線のうち、第1仮想平面Y1から最も離間した位置に存在する。図3に示す案内面57bも同様であり、被案内面59bに向かって凸形状に形成されている。
【0045】
図4に示すように、アクチュエータ13は、ラグプレート51と、移動体13aと、制御圧室13bとからなる。
【0046】
移動体13aは駆動軸3に挿通されており、駆動軸3に摺接しつつ駆動軸心O方向に移動可能となっている。この移動体13aは駆動軸3と同軸の円筒状をなしている。より詳細には、この移動体13aは、第1円筒部131と、第2円筒部132と、連結部133とを有している。第1円筒部131は移動体13aにおいて斜板5側に位置しており、駆動軸3と摺接している。第1円筒部131の内周面にはOリング49cが設けられている。第2円筒部132は、移動体13aの前方に位置している。この第2円筒部132は、第1円筒部131よりも大径に形成されている。第2円筒部132の外周面にはOリング49dが設けられている。連結部133は、第1円筒部131と第2円筒部132との間に位置しており、移動体13aの後方から前方に向かって次第に径を拡大させつつ延びている。この連結部133は、後端が第1円筒部131と連続しており、前端が第2円筒部132と連続している。
【0047】
また、第1円筒部131の後端には、作用部134が一体で形成されている。作用部134は、駆動軸心O側から斜板5の上死点位置T側に向かって垂直に延びており、凸部5gと当接している。これにより、移動体13aは、ラグプレート51及び斜板5と一体回転可能となっている。
【0048】
また、シリンダ室51aは、第2円筒部132及び連結部133を内部に進入させることにより、第2円筒部132及び連結部133を収納することが可能となっている。
【0049】
制御圧室13bは、第2円筒部132と、連結部133と、シリンダ室51aと、駆動軸3との間に形成されている。制御圧室13bと斜板室25との間は、Oリング49c、49dによって封止されている。
【0050】
また、駆動軸3内には、駆動軸3の後端から前端に向かって駆動軸心O方向に延びる軸路3aと、軸路3aの前端から径方向に延びて駆動軸3の外周面に開く径路3bとが形成されている。図1に示すように、軸路3aの後端は圧力調整室31に開いている。一方、径路3bは、制御圧室13bに開いている。これらの軸路3a及び径路3bにより、圧力調整室31と制御圧室13bとが連通している。
【0051】
駆動軸3は、先端に形成されたねじ部3cによって、図示しないプーリ又は電磁クラッチと接続される。
【0052】
各ピストン9は、各シリンダボア21a内にそれぞれ収納されており、各シリンダボア21a内を往復動可能となっている。これらの各ピストン9と弁形成プレート23とによって各シリンダボア21a内には圧縮室61が区画されている。
【0053】
また、各ピストン9には、係合部9aがそれぞれ凹設されている。この係合部9a内には、半球状のシュー11a、11bがそれぞれ設けられている。各シュー11a、11bは、斜板5の回転を各ピストン9の往復動に変換している。これらの各シュー11a、11bが本発明における変換機構に相当する。こうして、斜板5の傾斜角度に応じたストロークで、各ピストン9がそれぞれシリンダボア21a内を往復動することが可能となっている。
【0054】
図2に示すように、制御機構15は、低圧通路15aと高圧通路15bと制御弁15cとオリフィス15dと、軸路3aと、径路3bとを有している。
【0055】
低圧通路15aは、圧力調整室31と吸入室33とに接続されている。これにより、この低圧通路15aと軸路3aと径路3bとによって、制御圧室13bと圧力調整室31と吸入室33とは、互いに連通した状態となっている。高圧通路15bは、圧力調整室31と吐出室35とに接続されている。この高圧通路15bと軸路3aと径路3bとによって、制御圧室13bと圧力調整室31と吐出室35とが連通している。また、高圧通路15bには、オリフィス15dが設けられている。
【0056】
制御弁15cは低圧通路15aに設けられている。この制御弁15cは、吸入室33内の圧力に基づき、低圧通路15aの開度を調整することが可能となっている。
【0057】
この圧縮機では、図1に示す吸入口250に対して蒸発器に繋がる配管が接続されるとともに、吐出口に対して凝縮器に繋がる配管が接続される。凝縮器は配管及び膨張弁を介して蒸発器と接続される。これらの圧縮機、蒸発器、膨張弁、凝縮器等によって車両用空調装置の冷凍回路が構成されている。なお、蒸発器、膨張弁、凝縮器及び各配管の図示は省略する。
【0058】
以上のように構成された圧縮機では、駆動軸3が回転することにより、斜板5が回転し、各ピストン9が各シリンダボア21a内を往復動する。このため、圧縮室61がピストンストロークに応じて容積を変化させる。このため、蒸発器から吸入口250によって斜板室25に吸入された冷媒ガスは、吸入通路39から吸入室33を経て圧縮室61内で圧縮される。そして、圧縮室61内で圧縮された冷媒ガスは、吐出室35に吐出され、吐出口から凝縮器に吐出される。また、ウェイト部5cにより、斜板5の回転時の慣性力が調整される。
【0059】
この間、この圧縮機では、斜板5やラグプレート51等に対して斜板5の傾斜角度を小さくするピストン圧縮力が作用する。そして、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を変更してピストン9のストロークを増減させることにより、容量制御を行うことが可能である。
【0060】
具体的には、制御機構15において、図2に示す制御弁15cが低圧通路15aの開度を大きくすれば、圧力調整室31内の圧力、ひいては制御圧室13b内の圧力が吸入室33内の圧力とほぼ等しくなる。このため、制御圧室13bと斜板室25との差圧(以下、可変差圧という)が小さくなる。これにより、斜板5に作用するピストン圧縮力によって、図1に示すように、アクチュエータ13では、移動体13aが駆動軸心O方向で斜板5側からラグプレート51側に向かってシリンダ室51a内を摺動する。
【0061】
また同時に、この圧縮機では、斜板5は自身に作用するピストン圧縮力及び復帰ばね37の付勢力により、斜板アーム5eの被案内面59aが駆動軸心Oから遠隔するように、案内面57aを摺動する。同様に、斜板アーム5fの被案内面59bも案内面57bを摺動する。
【0062】
このため、斜板5では、上死点位置Tをほぼ維持しつつ、下死点側が時計回り方向に揺動する。こうして、この圧縮機では、駆動軸3の駆動軸心Oに対する斜板5の傾斜角度が増大する。これにより、この圧縮機では、ピストン9のストロークが増大し、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が大きくなる。なお、図1に示す斜板5の傾斜角度がこの圧縮機における最大傾斜角度である。この際、図6に示すように、被案内面59aと案内面57aとは第1位置P1で線接触する。被案内面59bと案内面57bについても同様である。
【0063】
一方、図2に示す制御弁15cが低圧通路15aの開度を小さくすれば、圧力調整室31の圧力が大きくなり、制御圧室13b内の圧力が大きくなる。このため、可変差圧が大きくなる。これにより、図5に示すように、移動体13aがラグプレート51から遠隔しつつ、斜板5側に向かって駆動軸心O方向にシリンダ室51a内を摺動する。
【0064】
これにより、この圧縮機では、作用部134が凸部5gを斜板室25の後方に向かって押圧する。このため、斜板アーム5eの被案内面59aが駆動軸心Oに近接するように、案内面57aを摺動する。同様に、斜板アーム5fの被案内面59bも案内面57bを摺動する。
【0065】
このため、斜板5では、上死点位置Tをほぼ維持しつつ下死点側が反時計回り方向に揺動する。こうして、この圧縮機では、駆動軸3の駆動軸心Oに対する斜板5の傾斜角度が減少する。これにより、この圧縮機では、ピストン9のストロークが減少し、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が小さくなる。また、傾斜角度が減少することにより、斜板5は復帰ばね37に当接する。なお、図5に示す斜板5の傾斜角度がこの圧縮機における最小傾斜角度である。この際、図6に示すように、被案内面59aと案内面57aとは第2位置P2で線接触する。被案内面59bと案内面57bについても同様である。
【0066】
このように、この圧縮機では、各斜板アーム5e、5fの各被案内面59a、59bがラグプレート51の各案内面57a、57bをそれぞれ摺動することにより、斜板5の傾斜角度の変更が許容されている。ここで、この圧縮機では、案内面57a、57bが第1当接位置P1と、第2当接位置P2との間において、被案内面59a、59bに向かってそれぞれ凸形状に形成されている。このため、この圧縮機では、第1当接位置P1側と第2当接位置P2側とで、接触角度が変化する。具体的には、第1当接位置P1側において曲率半径が大きくなり、第2当接位置P2側において曲率半径が小さくなる。
【0067】
そして、このように、曲率半径が変化することによって、この圧縮機では、図7に示すように、傾斜角度が最大である時における案内面57a、57bと被案内面59a、59bとの接触角度θ1と、傾斜角度が最小である時における案内面57a、57bと被案内面59a、59bとの接触角度θ2とが相違することとなる。以下、案内面57aと被案内面59aとを基に詳細に説明する。
【0068】
接触角度θ1とは、同図の(A)に示すように、斜板5の傾斜角度が最大である時、すなわち、第1当接位置P1において、案内面57aと被案内面59aとの接触面S1と、駆動軸心Oに直交する第2仮想平面Y2とがなす角度を指す。同様に、接触角度θ2とは、同図の(B)に示すように、斜板5の傾斜角度が最小である時、すなわち、第2当接位置P2において、案内面57aと被案内面59aとの接触面S2と、第2仮想平面Y2とがなす角度を指す。
【0069】
図10に比較例の圧縮機を示す。比較例の圧縮機では、ラグプレート51に一対の案内面63が形成されている。各案内面63は、第1仮想平面Y1に沿って、ラグプレート51の外周側から中心側に向かって平坦な下り傾斜となるように形成されている。これにより、この圧縮機では、第1当接位置P1から第2当接位置P2まで、曲率半径は一定となる。このため、第1当接位置P1であっても第2当接位置P2であっても、各被案内面59a、59bと各案内面63との接触角度θxは変化することがなく一定となる。
【0070】
この点、この圧縮機では、第1当接位置P1側において曲率半径が大きくなり、第2当接位置P2側において曲率半径が小さくなる。このため、この圧縮機では、傾斜角度が最大から最小となるまでの間、接触角度θ1から接触角度θ2まで変化する。
【0071】
そして、図8のグラフに示すように、この圧縮機では、曲率半径が大きくなり、被案内面59a、59bとの接触角度が大きくなるほど、容量増加成分が大きくなる。一方、曲率半径が小さくなり、案内面57a、57bと被案内面59a、59bとの接触角度が小さくなるほど、容量増加成分が小さくなる。
【0072】
ここで、この圧縮機では、第1当接位置P1における接触角度θ1は、比較例の圧縮機における接触角度θxよりも大きな角度となる。一方、第2当接位置P2における接触角度θ2は、比較例の圧縮機における接触角度θxよりも小さな角度となる。
【0073】
これにより、この圧縮機では、比較例の圧縮機と比較して、斜板5の傾斜角度が最大である時には容量増大成分を大きくすることができ、最大吐出容量を維持し易くなる。反対に、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が最小である時には容量増大成分を小さくすることができ、最小吐出容量を維持し易くなる。一方、比較例の圧縮機では、曲率半径が一定であることから、斜板5の傾斜角度が最大である時も傾斜角度が最小である時も容量増大成分は一定となる。このため、最大吐出容量も最小吐出容量を維持し難い。
【0074】
したがって、実施例1の圧縮機によれば、アクチュエータ13によって吐出容量を変更する圧縮機において、最大吐出容量を好適に維持可能であるとともに、最小吐出容量も好適に維持可能である。
【0075】
特に、この圧縮機において、案内面57a、57bの頂部P3が第1当接位置P1と第2当接位置P2との中間よりも、第1当接位置P1側にオフセットされている。このため、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を変更するに当たって、各被案内面59a、59bが各案内面57a、57bを好適に摺動することが可能となり、最大吐出容量から最小吐出容量まで、吐出容量を好適に変更することが可能となっている。
【0076】
(実施例2)
実施例2の圧縮機は、実施例1の圧縮機における斜板アーム5e、5fに換えて、図9に示す一対の斜板アーム67が設けられている。図示を省略するものの、各斜板アーム67も上死点面Xを跨いで斜板5の前面5aにそれぞれ形成されており、前面5aから前方に向かって延びている。また、各斜板アーム67の先端には、被案内面67aが形成されている。同図の二点鎖線で示すように、被案内面67aは、上死点面Xと直交するように延びる母線を有する楕円形状に形成されている。
【0077】
これにより、この圧縮機では、第1当接位置P1における案内面67aの曲率半径R1と、第2当接位置P2における案内面67aの曲率半径R2とが異なっている。具体的には、第1当接位置P1における被案内面67aの曲率半径R1は、第2当接位置P2における曲率半径R2より小さくなっている。なお、第1当接位置P1と第2当接位置P2とで被案内面67aの曲率半径が異なるように、被案内面67aを放物線形状等に形成しても良い。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0078】
この圧縮機では、第1当接位置P1における、案内面57aと被案内面67aとの接触面S3と第2仮想平面Y2とがなす角度、すなわち、斜板5の傾斜角度が最大である時、案内面57aと被案内面67aとが接触角度θ3で線接触する。一方、第2当接位置P2における、案内面57aと被案内面67aとの接触面S4と第2仮想平面Y2とがなす角度、すなわち、斜板5の傾斜角度が最小である時、案内面57aと被案内面67aとが接触角度θ4で線接触する。上記のように、案内面57a、57bは、第1当接位置P1側において曲率半径が大きく、第2当接位置P2側において曲率半径が小さい。このため、この圧縮機においても、接触角度θ3は接触角度θ4よりも大きい。
【0079】
ここで、上記のように、第1当接位置P1における被案内面67aの曲率半径R1が第2当接位置P2における曲率半径R2より小さい。このため、この圧縮機では、第1当接位置P1においては、被案内面67aの中心C2から案内面57aまでの距離が短くなり、反対に、第2当接位置P1においては、被案内面67aの中心C2から案内面57aまでの距離が長くなる。
【0080】
これにより、この圧縮機では、斜板5傾斜角度が最大である時と傾斜角度が最小である時とで接触角度θ3、θ4が異なっていても、ピストン9の上死点位置の変化を小さくすることができる。この圧縮機における他の作用は実施例1の圧縮機と同様である。
【0081】
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0082】
例えば、制御機構15について、高圧通路15bに対して制御弁15cを設けるとともに、低圧通路15aにオリフィス15dを設ける構成としても良い。この場合には、制御弁15cによって、高圧通路15b開度を調整することが可能となる。これにより、第1吐出室29a内の冷媒ガスの圧力によって制御圧室13bを迅速に高圧とすることができ、迅速に吐出容量を増大させることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は空調装置等に利用可能である。
【符号の説明】
【0084】
1…ハウジング
3…駆動軸
5…斜板
5e、5f…斜板アーム
7…リンク機構
9…ピストン
11a、11b…シュー(変換機構)
13…アクチュエータ
13a…移動体
13b…制御圧室
15…制御機構
21a…シリンダボア
25…斜板室
33…吸入室
35…吐出室
51…ラグプレート(ラグ部材)
57a、57b…案内面
59a、59b…被案内面
65…案内面
67…斜板アーム
67a…被案内面
O…駆動軸心
P1…第1当接位置
P2…第2当接位置
P3…頂部
R1、R2…曲率半径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10