(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
モバイル端末と、車両に搭載された車載装置であって、前記車両に同乗している前記モバイル端末の所持者の降車地点を特定する情報を当該モバイル端末から取得し、当該取得した前記降車地点を特定する情報に基づいて当該降車地点を前記車両の目的地とする経路である第1経路の案内を行う車載装置とを備える経路案内システムであって、
前記モバイル端末又は前記車載装置の少なくとも一方は、
前記モバイル端末の所持者が前記車両から降車したことを検知する降車検知手段を備え、
前記車載装置は、
地図情報を格納する地図情報格納手段と、
前記降車検知手段にて前記モバイル端末の所持者の降車が検知された場合に、前記地図情報に基づいて、当該車載装置に登録されている登録地点を前記車両の新たな目的地とする経路である第2経路の案内を行う案内手段と、を備えた、
経路案内システム。
モバイル端末と、車両に搭載された車載装置であって、前記車両に同乗している前記モバイル端末の所持者の降車地点を特定する情報を当該モバイル端末から取得し、当該取得した前記降車地点を特定する情報に基づいて当該降車地点を前記車両の目的地とする経路である第1経路の案内を行う車載装置とにおいて行われる経路案内方法であって、
前記モバイル端末又は前記車載装置の少なくとも一方に設けられた降車検知手段が、前記モバイル端末の所持者が前記車両から降車したことを検知する降車検知ステップと、
前記車載装置に設けられた案内手段が、
前記降車検知ステップにおいて前記モバイル端末の所持者の降車が検知された場合に、地図情報格納手段にて格納された地図情報に基づいて、当該車載装置に登録されている登録地点を前記車両の新たな目的地とする経路である第2経路の案内を行う案内ステップと、
を含む経路案内方法。
モバイル端末と、車両に搭載された車載装置であって、前記車両に同乗している前記モバイル端末の所持者の降車地点を特定する情報を当該モバイル端末から取得し、当該取得した前記降車地点を特定する情報に基づいて当該降車地点を前記車両の目的地とする経路である第1経路の案内を行う車載装置とに実行させるための経路案内プログラムであって、
前記車載装置としての第1コンピュータは、
地図情報を格納する地図情報格納手段を備え、
前記第1コンピュータ又は前記モバイル端末としての第2コンピュータの少なくとも一方を、
前記モバイル端末の所持者が前記車両から降車したことを検知する降車検知手段として機能させ、
前記第1コンピュータを、
前記降車検知手段にて前記モバイル端末の所持者の降車が検知された場合に、前記地図情報に基づいて、当該車載装置に登録されている登録地点を前記車両の新たな目的地とする経路である第2経路の案内を行う案内手段として機能させるための経路案内プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る経路案内システム、経路案内方法、及び経路案内プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、車載装置が、車両に同乗しているモバイル端末の所持者の降車地点を特定する情報を当該モバイル端末から取得し、「車両の現在位置(モバイル端末の所持者が同乗した位置)」から「降車地点」に至る経路(以下、「第1経路」と称する)の案内を行った後、「降車地点」から当該車載装置に登録されている「登録地点」に至る経路(以下、「第2経路」と称する)の案内を行う、経路案内システム、経路案内方法、及び経路案内プログラムに関するものである。
【0013】
ここで、「車載装置」とは、少なくとも第1経路及び第2経路の案内を行う装置を意味し、例えば、公知の車載用ナビゲーション装置等を含む概念である。
【0014】
また、「車両」とは、例えば、四輪自動車、二輪自動車等を含む概念である。
【0015】
また、「同乗」とは、複数人が1つの車両に乗り合わせることを意味する。
【0016】
また、「モバイル端末」とは、携帯可能な情報端末であって、モバイル端末の所持者の任意の「出発地(例えば自宅)」から任意の「目的地(例えば勤務先)」までの経路(以下、「第3経路」)の案内を行う端末を意味し、例えばスマートフォンを含む携帯電話端末の如き公知の携帯端末を含む概念である。
【0017】
また、「モバイル端末の所持者」とは、モバイル端末を少なくとも物理的に保持している者を意味する。このモバイル端末の所持者は、例えば、第1経路までの車両の同乗者(ただし、運転手を除く)、第1経路まで車両を運転する運転手等を含む概念であるが、実施の形態では、第1経路までの車両の同乗者として説明する。
【0018】
また、「降車地点」とは、第3経路上の地点のうち、モバイル端末の所持者が車両から降車する地点を意味し、例えば、公共交通機関(例えば、電車、バス、飛行機等)の乗り換え地点、公共交通機関以外の交通手段であって、モバイル端末の所持者が同乗していた車両とは異なる交通手段(例えば、他の車両、自転車、徒歩等)に切り替える地点等を含む概念である。
【0019】
また、「降車地点を特定する情報」とは、例えば、降車地点の座標、住所、名称等を含む概念である。
【0020】
また、「登録地点」とは、車載装置のユーザによって登録された地点である。この登録地点は、例えば、車載装置のユーザの自宅の地点、会社の地点、行きつけのお店の地点等を含む概念であるが、実施の形態では、車載装置のユーザの自宅の地点として説明する。
【0021】
(本実施の形態の具体的内容)
次に、本実施の形態の具体的内容について説明する。
【0022】
(構成)
最初に、本実施の形態に係る経路案内システムの構成を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る経路案内システムを例示するブロック図である。経路案内システム1は、車載装置がモバイル端末の所持者の降車地点を特定する情報を当該モバイル端末から取得した場合に、当該車載装置によって、当該取得した降車地点を特定する情報に基づいて第1経路の案内が行われた後に、第2経路の案内が行われるシステムである。
図1に示すように、この経路案内システム1は、モバイル端末の所持者によって所持されているモバイル端末10と、車両(図示省略)に搭載された車載装置20とを備えて構成されている。
【0023】
(構成−モバイル端末)
次に、モバイル端末10の構成について説明する。
図1に示すように、モバイル端末10は、現在位置検出部11、通信部12、操作部13、ディスプレイ14、スピーカ15、制御部16、及びデータ記録部17を備えている。なお、このモバイル端末10は、例えば公知の携帯端末等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0024】
(構成−モバイル端末−現在位置検出部)
現在位置検出部11は、モバイル端末10の現在位置を検出する端末現在位置検出手段である。この現在位置検出部11は、GPS又は地磁気センサ(いずれも図示省略)を有し、現在のモバイル端末10の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0025】
(構成−モバイル端末−通信部)
通信部12は、車載装置20との間で近距離無線通信を行ったり、又は車載装置20との間でネットワーク2を介して通信するための通信手段である。この通信部12としては、例えば、公知の近距離無線通信用の通信手段、及び移動体無線通信網を用いて通信を行う公知の通信手段等を用いて構成することができる(なお、後述する車載装置20の通信部23の構成についても同様)。
【0026】
(構成−モバイル端末−操作部)
操作部13は、モバイル端末10の所持者による操作入力を受け付ける操作手段である。この操作部13としては、例えば、タッチパネル、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、あるいはハードスイッチ等、公知の操作手段を用いて構成されている(なお、後述する車載装置20の操作部24の構成についても同様とする)。
【0027】
(構成−モバイル端末−ディスプレイ)
ディスプレイ14は、制御部16の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ14としては、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを用いることができる(後述する車載装置20のディスプレイ25の構成についても同様とする)。
【0028】
(構成−モバイル端末−スピーカ)
スピーカ15は、制御部16の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。スピーカ15より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる(後述する車載装置20のスピーカ26の構成についても同様とする)。
【0029】
(構成−モバイル端末−制御部)
制御部16は、モバイル端末10を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る経路案内プログラムは、任意の記録媒体又はネットワーク2を介してモバイル端末10にインストールされることで、制御部16の各部を実質的に構成する(後述する車載装置20の制御部27についても同様とする)。
【0030】
また、この制御部16は、機能概念的に、経路探索部16a、端末現在位置取得部16b、ペアリング検知部16c、及び案内部16dを備えている。
【0031】
経路探索部16aは、第3経路を探索する経路探索手段である。端末現在位置取得部16bは、現在位置検出部11にて検出されたモバイル端末10の現在位置を取得する端末現在位置取得手段である。ペアリング検知部16cは、車載装置20との近距離無線通信における通信状態を検知するペアリング検知手段である。案内部16dは、所定情報を、ディスプレイ14やスピーカ15を介してモバイル端末10の所持者に案内する案内手段である。
【0032】
(構成−モバイル端末−データ記録部)
データ記録部17は、モバイル端末10の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。このデータ記録部17は、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(後述する車載装置20のデータ記録部28についても同様とする)。
【0033】
また、このデータ記録部17は、地図情報データベース(以下、データベースを「DB」と称する)17aを備えている。
【0034】
地図情報DB17aは、地図情報を格納する地図情報格納手段である。ここで、「地図情報」とは、道路、道路構造物、施設等を含む各種の位置の特定に必要な情報であり、例えば、道路上に設定された各ノードに関するノードデータ(例えばノード番号、座標等)や、道路上に設定された各リンクに関するリンクデータ(例えばリンクID、リンク名、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数等)、地物データ(例えば信号機、道路標識、ガードレール、施設等)、地形データ等を含んで構成されている(後述する車載装置20の地図情報DB28aに格納されている地図情報についても同様とする)。
【0035】
(構成−車載装置)
次に、車載装置20の構成について説明する。
図1に示すように、車載装置20は、現在位置検出部21、車速センサ22、通信部23、操作部24、ディスプレイ25、スピーカ26、制御部27、及びデータ記録部28を備えている。なお、この車載装置20は、例えば自車両に搭載された公知の車載ナビゲーション装置等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0036】
(構成−車載装置−現在位置検出部)
現在位置検出部21は、自車両の現在位置を取得する車両現在位置取得手段である。具体的には、現在位置検出部21は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも1つを有し、現在の自車両の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0037】
(構成−車載装置−車速センサ)
車速センサ22は、自車両の車速を検出する車速検出手段であり、例えば車軸の回転数に比例する車速パルス信号等を制御部27に出力する。この車速センサ22は、例えば公知の車速センサを用いて構成されている。
【0038】
(構成−車載装置−通信部)
通信部23は、モバイル端末10との間で近距離無線通信を行ったり、又はモバイル端末10との間でネットワーク2を介して通信するための通信手段である。
【0039】
(構成−車載装置−操作部)
操作部24は、自車両の運転者(又は自車両の同乗者)による操作入力を受け付ける操作手段である。
【0040】
(構成−車載装置−ディスプレイ及びスピーカ)
ディスプレイ25は、制御部27の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。スピーカ26は、制御部27の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。
【0041】
(構成−車載装置−制御部)
制御部27は、車載装置20を制御する制御手段であり、具体的には、
図1に示すように、機能概念的に、経路探索部27a、車両現在位置取得部27b、車速取得部27c、ペアリング検知部27d、降車検知部27e、及び案内部27fを備えている。
【0042】
経路探索部27aは、第1経路又は第2経路を探索する経路探索手段である。車両現在位置取得部27bは、現在位置検出部21にて検出された自車両の現在位置を取得する車両現在位置取得手段である。車速取得部27cは、車速センサ22にて検出された自車両の車速を取得する車速取得手段である。ペアリング検知部27dは、モバイル端末10との近距離無線通信における通信状態を検知するペアリング検知手段である。降車検知部27eは、モバイル端末10の所持者が自車両から降車したことを検知する降車検知手段である。案内部27fは、所定情報を、ディスプレイ25やスピーカ26を介して自車両の運転手又は同乗者に案内する案内手段である。
【0043】
(構成−車載装置−データ記録部)
データ記録部28は、車載装置20の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、具体的には、地図情報DB28a、及び登録地点テーブル28bを備えている。なお、地図情報DB28aは、モバイル端末10のデータ記録部17に設けられた地図情報DB17aと略同一であるので、説明を省略する。
【0044】
(構成−車載装置−データ記録部−登録地点テーブル)
登録地点テーブル28bは、登録地点を特定する情報を格納している登録地点格納手段である。また、登録地点を特定する情報は、例えば、登録地点の名称を特定する登録地点名情報、登録地点の座標を特定する登録地点座標情報等を含む概念である。
【0045】
図2は、登録地点テーブル28bの構成例を示す図である。
図2に示すように、登録地点テーブル28bは、項目「登録地点名」、項目「登録地点座標」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「登録地点名」に対応する情報は、登録地点名情報である。また、項目「登録地点座標」に対応する情報は、登録地点座標情報であり、具体的には、登録地点の座標であって、項目「緯度」に対応して格納される情報である登録地点の緯度と、項目「経度」に対応して格納される情報である登録地点の経度とを含んで構成されている。
【0046】
(処理)
次に、このように構成された経路案内システム1によって実行される経路案内処理について説明する。
図3は、実施の形態に係る経路案内処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。
図4は、
図3に続く経路案内処理のフローチャートである。この経路案内処理は、車載装置20がモバイル端末10の所持者の降車地点を特定する情報を当該モバイル端末10から取得した場合に、当該車載装置20によって、当該取得した降車地点を特定する情報に基づいて第1経路の案内が行われた後に、第2経路の案内が行われる処理であり、例えば、モバイル端末10及び車載装置20に電源が投入された後に起動される。また、この経路案内処理の前提としては、1人のモバイル端末10の所持者及び1人の運転者が自車両に同乗しているものとする。
【0047】
経路案内処理が起動されると、
図3、
図4に示すように、モバイル端末10の所持者に対して第3経路を案内するために、モバイル端末10の制御部16はSA1からSA3の処理を行う。
【0048】
まず、モバイル端末10の経路探索部16aは、モバイル端末10の所持者によって操作部13を介して所定操作が受け付けられることにより、モバイル端末10の所持者における出発地、目的地、及び降車地点が設定されるまで待機する(SA1、No)。
【0049】
ここで、この出発地の設定ついては、モバイル端末10の所持者によって操作部13を介して所定操作が受け付けられることで設定されることに限られず、例えば、端末現在位置取得部16bによって取得されたモバイル端末10の現在位置を出発地として設定されてもよい。また、この降車地点の設定については、モバイル端末10の所持者によって操作部13を介して所定操作が受け付けられることで設定されることに限られず、例えば、SA1にて設定された出発地及び目的地と、地図情報DB17aに格納された地図情報(特に、地物データ等)とに基づいて、出発地から目的地に至る領域内における公共交通機関の駅等が降車地点として自動的に設定されてもよい。
【0050】
そして、モバイル端末10の所持者における出発地、目的地、及び降車地点が設定されると(SA1、Yes)、モバイル端末10の経路探索部16aは、公知のルート探索方法を用いて、SA1にて設定された出発地、目的地、及び降車地点と、地図情報DB17aに格納されている地図情報とに基づいて、出発地から降車地点を経由して目的地に至る第3経路を探索する(SA2)。そして、モバイル端末10の案内部16dは、この探索された第3経路の案内をディスプレイ14を介して開始する(SA3)。
【0051】
この第3経路の案内については、具体的には、ディスプレイ14の地図上に第3経路を重畳表示させると共に、モバイル端末10の端末現在位置取得部16bにて取得されたモバイル端末10の現在位置も重畳表示させる(なお、後述するSA11の第3経路の案内、後述するSB6の第1経路の案内、SB13の第2経路の案内についても同様とする)。ここで、端末現在位置取得部16bによるモバイル端末10の現在位置の取得については、具体的には、モバイル端末10の現在位置が所定時間間隔毎(例えば、1sec等)に取得され、当該取得されたモバイル端末10の現在位置と、モバイル端末10の制御部16に設けられた内部時計(図示省略)から取得した検出時刻であって、モバイル端末10の現在位置が検出された検出時刻とが相互に関連付けてモバイル端末10のデータ記録部17に記録される。そして、このような一連の処理が、SA3の処理から経路案内処理が終了するまで継続して行われる。
【0052】
次に、モバイル端末10及び車載装置20に対してペアリング処理を行うことで、これらモバイル端末10と車載装置20との相互間でデータを共有することができるように、モバイル端末10の制御部16はSA4からSA6の処理を行うと共に、車載装置20の制御部27はSB1からSB3の処理を行う。ここで、「ペアリング処理」とは、モバイル端末10と車載装置20との相互間で近距離通信を可能にするために、モバイル端末10と車載装置20との相互間における通信を確立する処理を意味する。
【0053】
まず、モバイル端末10のペアリング検知部16cは、モバイル端末10の所持者によって操作部13を介して所定操作が行われることにより、ペアリング処理の開始が受け付けられるまで待機する(SA4、No)。また、車載装置20のペアリング検知部27dは、車両の運転者(又は車両の同乗者)によって操作部24を介して所定操作が行われることにより、ペアリング処理の開始が受け付けられるまで待機する(SB1、No)。そして、これらペアリング処理の開始が受け付けられると(SA4、Yes、SB1、Yes)、モバイル端末10のペアリング検知部16c及び車載装置20のペアリング検知部27dは、ペアリング処理を実行する(SA5、SB2)。ここで、このペアリング処理の受け付けについては、具体的には、車載装置20において、ペアリング処理が可能な状態に設定するための操作が行われ、次いで、モバイル端末10において、ペアリング処理が可能な状態である装置等をディスプレイ14に表示させた状態で、ペアリング処理を行う対象とする車載装置20を選択する操作や、PINコード等の暗証番号を入力する操作が行われることにより、ペアリング処理が受け付けられる。
【0054】
次いで、モバイル端末10の制御部16及び車載装置20の制御部27は、データ共有処理を開始する(SA6、SB3)。
【0055】
ここで、このデータ共有処理については、具体的には、車載装置20の制御部27は、通信部23を介してモバイル端末10のデータ記録部17に記録されたモバイル端末10の現在位置及び検出時刻を取得し、当該取得されたモバイル端末10の現在位置及び検出時刻を相互に関連付けてデータ記録部28に記録する。なお、このSA6の処理は、SA7からSA9にわたって実行され、また、このSB3の処理は、SB4からSB10にわたって実行される。
【0056】
次に、自車両の運転手及び自車両の同乗者に対して第1経路を案内するために、モバイル端末10の制御部16はSA7、SA8の処理を行うと共に、車載装置20の制御部27はSB4からSB6の処理を行う。
【0057】
まず、モバイル端末10の制御部16は、SA1にて設定された降車地点を含む信号を通信部12を介して車載装置20に送信する(SA7)。
【0058】
次いで、車載装置20の制御部27は、モバイル端末10から送信された降車地点を含む信号を通信部23を介して受信するまで待機する(SB4、No)。
【0059】
そして、降車地点を含む信号が受信された場合(SB4、Yes)、車載装置20の経路探索部27aは、公知のルート探索方法を用いて、通信部23を介して車載装置20から受信した当該信号に含まれる降車地点と、その時点で車両現在位置取得部27bにて取得された自車両の現在位置と、地図情報DB28aに格納されている地図情報とに基づいて、自車両の現在位置から降車地点に至る第1経路を探索する(SB5)。そして、車載装置20の案内部27fは、この探索された第1経路の案内をディスプレイ25を介して開始する(SB6)。
【0060】
また、SA7の処理後、この処理が行われたことによって上記車載装置20における第1経路の案内が開始されたものとして、モバイル端末10の案内部16dは、第3経路の案内を停止する(SA8)。
【0061】
次に、モバイル端末10の所持者が降車地点及びその周辺で自車両から降車した後に、自車両の運転手に対して第2経路を案内すると共に、モバイル端末10の所持者に対して第3経路を案内するために、モバイル端末10の制御部16はSA9からSA11の処理を行うと共に、車載装置20の制御部27はSB7からSB13の処理を行う。
【0062】
まず、車載装置20の降車検知部27eは、モバイル端末10の所持者が自車両から降車した否かを判定する(SB7)。ここで、モバイル端末10の所持者に対する降車の判定については、例えば、モバイル端末10と車載装置20との近距離無線通信の切断の有無、モバイル端末10の現在位置と車載装置20の現在位置との相互間の距離、自車両の車速の変化、自車両の座席重量の変化、自車両のギアの操作状態、自車両のリバース信号の変化、自車両のハザードの点滅状態のうち、いずれか1つ又はこれらを組み合わせたものに基づいて判定することが考えられるが、実施の形態では、モバイル端末10の現在位置と車載装置20の現在位置との相互間の距離、及び自車両の車速の変化に基づいて判定するものとして説明する。
【0063】
具体的には、まず、車載装置20の降車検知部27eは、その時点で車速取得部27cにて取得された自車両の車速に基づいて、自車両の車速がゼロである状態を所定時間以上(例えば10sec以上)継続しているか否かを判定する。ここで、自車両の車速がゼロである状態が所定時間以上継続していないと判定された場合には、モバイル端末10の所持者が自車両から降車していないと判定する。一方、自車両の車速がゼロである状態が所定時間以上維持していると判定された場合に、その時点で車両現在位置取得部27bにて取得された自車両の現在位置と、その時点で端末現在位置取得部16bにて取得されたモバイル端末10の現在位置と、地図情報DB28aに格納されている地図情報とに基づいて、モバイル端末10の現在位置が自車両の現在位置の周辺領域内(例えば、自車両の現在位置から半径100m以内)に位置するか否かを判定する。そして、モバイル端末10の現在位置が自車両の現在位置の周辺領域内に位置すると判定された場合に、モバイル端末10の所持者が自車両から降車していないと判定し、モバイル端末10の現在位置が自車両の現在位置の周辺領域内に位置しないと判定された場合に、モバイル端末10の所持者が自車両から降車していると判定する。なお、この場合において、モバイル端末10と車載装置20との近距離通信の通信状態が不安定な状態又は通信不能状態である場合におけるモバイル端末10の現在位置の取得については、例えば、モバイル端末10の制御部16が通信部12によってネットワーク2を介してモバイル端末10の現在位置をネットワーク2上のサーバ(図示省略)に送信し、車載装置20の降車検知部27eは、通信部23を介してネットワーク2上のサーバからモバイル端末10の現在位置を受信することにより、モバイル端末10の現在位置を取得してもよい。
【0064】
このように、車載装置20の降車検知部27eが、車速と、モバイル端末10の現在位置とに基づいて、モバイル端末10の所持者が自車両から降車したことを検知するので、モバイル端末10及び自車両の移動状態を考慮して降車を検知することできるため、降車の検知精度を高めることができる。
【0065】
ここで、モバイル端末10の所持者が自車両から降車していないと判定された場合(SB7、No)、車載装置20の降車検知部27eは、モバイル端末10の所持者が降車していると判定されるまで、SB7の処理を所定時間間隔毎に(例えば、5sec毎等に)繰り返す。
【0066】
一方、モバイル端末10の所持者が自車両から降車したと判定された場合(SB7、Yes)、車載装置20の案内部27fは、その時点で車両現在位置取得部27bにて取得された自車両の現在位置と、SB4にて受信した降車地点と、地図情報DB28aに格納されている地図情報とに基づいて、自車両の現在位置が降車地点から所定距離以内(例えば、300m以内等)であるか否かを判定する(SB8)。
【0067】
ここで、自車両の現在位置が降車地点から所定距離以内でないと判定された場合(SB8、No)、モバイル端末10の所持者が降車地点とその周辺とを含む領域以外の領域に位置する地点で自車両から降車しているため、自車両の運転手に対して第2経路を案内する必要性はないものの、モバイル端末10の所持者に対しては第3経路の案内を行う必要性がある。したがって、車載装置20の案内部27fは、経路案内処理を終了すると共に、モバイル端末10の制御部16は、後述するSA10に移行する。なお、後述するSA10に移行した場合において、自車両の現在位置が第3経路上から外れていた場合には、後述するSA11において、モバイル端末10の経路探索部16aは、SA1にて設定された目的地と、その時点で端末現在位置取得部16bにて取得されたモバイル端末10の現在位置と、地図情報DB28aに格納されている地図情報とに基づいて第3経路を再探索する。そして、モバイル端末10の案内部16dは、この再探索された第3経路の案内をディスプレイ14を介して開始する。なお、この場合においても、後述するSB12〜SB15と同様に、自車両の運転手に対して第2経路を案内するようにしてもよい。
【0068】
一方、自車両の現在位置が降車地点から所定距離以内であると判定された場合(SB8、Yes)、モバイル端末10の所持者が降車地点又はその周辺で自車両から降車していることから、車載装置20の案内部27fは、第1経路の案内を終了し(SB9)、第1経路の案内を終了した旨を示す案内終了信号を通信部23を介してモバイル端末10に送信する(SB10)。次いで、車載装置20の制御部27は、データ共有処理を終了し(SB11)、その後、車載装置20の経路探索部27aは、その時点で車両現在位置取得部27bにて取得された自車両の現在位置と、登録地点テーブル28bに格納されている登録地点の登録地点座標情報と、地図情報DB28aに格納されている地図情報とに基づいて、自車両の現在位置から登録地点に至る第2経路を探索する(SB12)。そして、車載装置20の案内部27fは、この探索された第2経路の案内をディスプレイ25を介して開始する(SB13)。
【0069】
このように、車載装置20の案内部27fが、モバイル端末10の所持者が自車両から降車したことが検知された場合に、第2経路の案内を行うので、モバイル端末10の所持者の降車後に、自車両の運転者が車載装置20に対して車載装置20のユーザの自宅の地点を目的地とする経路の設定を行う手間を省くことができる。特に、車両の現在位置が降車地点から所定距離以内であった場合に第2経路の案内を行うので、モバイル端末10の所持者が降車地点及びその周辺で自車両から降車したタイミングで、第2経路の案内を行うことが可能となる。
【0070】
次に、モバイル端末10の制御部16は、車載装置20から送信された案内終了信号を通信部12を介して受信するまで待機する(SA9、No)。
【0071】
そして、案内終了信号が受信された場合(SA9、Yes)、上記車載装置20における第1経路の案内が終了されたものとして、モバイル端末10の制御部16は、データ共有処理を終了し(SA10)、モバイル端末10の案内部16dは、SA1にて探索された第3経路の案内をディスプレイ14を介して再開する(SA11)。
【0072】
このように、モバイル端末10の案内部16dは、第1経路の案内が行われている場合に、第3経路の案内を停止し、第1経路の案内が行われていない場合に、第3経路の案内を行うので、第1経路の案内の有無に関わらず第3経路の案内を行う場合に比べて、モバイル端末10の電力消費を低減できる。
【0073】
続いて、モバイル端末10の所持者に対して目的地に到着するまで第3経路を案内すると共に、自車両の運転手に対して登録地点に到着するまで第2経路を案内するために、モバイル端末10の制御部16はSA12、SA13の処理を行うと共に、車載装置20の制御部27はSB14、SB15の処理を行う。
【0074】
まず、モバイル端末10の案内部16dは、その時点で端末現在位置取得部16bにて取得されたモバイル端末10の現在位置と、SA1にて取得された目的地と、地図情報DB17aに格納されている地図情報とに基づいて、モバイル端末10の所持者が目的地に到着したか否かを判定する(SA12)。具体的には、モバイル端末10の案内部16dは、モバイル端末10の現在位置がこの目的地から所定距離以内(例えば、50m以内等)であるか否かを判定する。そして、モバイル端末10の現在位置がこの目的地から所定距離以内である場合に、モバイル端末10の所持者が目的地に到着したと判定し、モバイル端末10の現在位置がこの目的地から所定距離以内でない場合に、モバイル端末10の所持者が目的地に到着していないと判定する。
【0075】
ここで、モバイル端末10の所持者が目的地に到着していないと判定された場合(SA12、No)、モバイル端末10の案内部16dは、モバイル端末10の所持者が目的地に到着したと判定されるまで、SA12の処理を繰り返す。
【0076】
一方、モバイル端末10の所持者が目的地に到着したと判定された場合(SA12、Yes)、モバイル端末10の所持者が目的地に到着したとして、モバイル端末10の案内部16dは、第3経路の案内を終了し(SA13)、経路案内処理を終了する。
【0077】
また、車載装置20の案内部27fは、その時点で車両現在位置取得部27bにて取得された自車両の現在位置と、登録地点テーブル28bに格納されている登録地点の登録地点座標情報と、地図情報DB28aに格納されている地図情報とに基づいて、自車両が登録地点に到着したか否かを判定する(SB14)。具体的には、車載装置20の案内部27fは、自車両の現在位置が登録地点から所定距離以内(例えば、50m以内等)であるか否かを判定する。そして、自車両の現在位置が登録地点から所定距離以内である場合に、自車両が登録地点に到着したと判定し、自車両の現在位置が登録地点から所定距離以内でない場合に、自車両が登録地点に到着していないと判定する。
【0078】
ここで、自車両が登録地点に到着していないと判定された場合(SB14、No)、車載装置20の案内部27fは、自車両が目的地に到着したと判定されるまで、SB14の処理を繰り返す。
【0079】
一方、自車両が登録地点に到着したと判定された場合(SB14、Yes)、自車両が登録地点に到着したとして、車載装置20の案内部27fは、第2経路の案内を終了し(SB15)、経路案内処理を終了する。
【0080】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0081】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。従来のシステムよりも、モバイル端末10の所持者が車両から降車した後に行われる経路設定の手間を要する場合であっても、本願発明の手段が従来のシステムの手段と異なっている場合には、本願発明の課題が解決されている。
【0082】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、モバイル端末10又は車載装置20を複数の装置に分散して構成したり、モバイル端末10又は車載装置20の一方の機能の一部を他方に持たせたりしてもよい。また、各部を分散する場合において、これら各部の相互間の連携は、有線と無線のいずれか一方又は両方により行うことができる。
【0083】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0084】
(モバイル端末の所持者の人数について)
上記実施の形態では、モバイル端末10の所持者が1人であると説明したが、複数人であってもよい。この場合において、SB4において、複数のモバイル端末10の所持者から降車地点を含む信号が受信される。また、SB5、SB6において、複数のモバイル端末10の所持者の各々の降車地点を経由する第1経路が探索され、当該探索された第1経路が案内される。そして、SB10の処理後(なお、この場合には、車載装置20の現在位置とモバイル端末10の現在位置とに基づいて、案内終了信号は降車したモバイル端末10の所持者によって所持されているモバイル端末10のみに送られる)、車載装置20に設けられた座席重量センサ(図示省略)の検出結果に基づいて、モバイル端末10の所持者が同乗しているか否かが判定される。そして、モバイル端末10の所持者が同乗していると判定された場合には、モバイル端末10の所持者が同乗していないと判定されるまで、SB7からSB10が繰り返され、モバイル端末10の所持者が同乗していないと判定された場合には、SB11からSB15の処理が実行される。
【0085】
(経路案内処理について)
上記実施の形態では、SB8の処理が行われると説明したが、SB8の処理を省略してもよい。また、上記実施の形態では、SA8からSA11、SB10の処理が行われると説明したが、SA8からSA11、SB10の処理を省略してもよい。
【0086】
また、上記実施の形態では、車載装置20において、SB7、SB8の処理が行われると説明したが、例えば、モバイル端末10において、SB7、SB8の処理が行われてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態では、SB7において、モバイル端末10の現在位置と車載装置20の現在位置との相互間の距離、及び自車両の車速の変化に基づいて判定されると説明したが、これに限られず、例えば、モバイル端末10と車載装置20との近距離無線通信の切断の有無、自車両の座席重量の変化、自車両のギアの操作状態、自車両のリバース信号の変化、又は、自車両のハザードの点滅状態等に基づいて判定されてもよい。具体的には、車載装置20のペアリング検知部27dにてモバイル端末10との近距離無線通信の切断が検知された場合、車載装置20に設けられた座席重量センサ(図示省略)にて検出されたSB6の処理以前の自車両の座席重量が、SB6の処理後に検出された自車両の座席重量に比べて所定値以上(例えば、20kg以上等)減少した場合、車載装置20に設けられたギア状態検出センサ(図示省略)にて自車両のギアがバックギアに入れられた状態が検出された場合、車載装置20に設けられたリバース信号検出センサ(図示省略)にて自車両の自動変速機からリバース信号の出力が検出された場合、又は、車載装置20に設けられたハザード状態検出センサ(図示省略)にてハザードスイッチのスイッチングがON状態であると検出された場合には、モバイル端末10の所持者が自車両から降車していると判定されてもよい。
【0088】
また、上記実施の形態では、SB8において、自車両の現在位置が降車地点から所定距離以内でないと判定された場合に、車載装置20の案内部27fは、経路案内処理を終了すると説明したが、これに限られない。例えば、車載装置20の制御部27は、SB11に移行し、SB11からSB15の処理を行うことにより、第2経路を探索して案内するようにしてもよい。
【0089】
〔実施の形態の特徴と効果の一部〕
最後に、これまでに説明した実施の形態の特徴と効果の一部を、以下に例示する。ただし、実施の形態の特徴と効果は、以下の内容に限定されず、以下の特徴の一部のみを具備することによって以下の効果の一部のみを奏する場合や、以下の特徴以外の他の特徴を具備することによって以下の効果以外の他の効果を奏する場合がある。
【0090】
実施の形態の1つの側面1に係る経路案内システムは、モバイル端末と、車両に搭載された車載装置であって、前記車両に同乗している前記モバイル端末の所持者の降車地点を特定する情報を当該モバイル端末から取得し、当該取得した前記降車地点を特定する情報に基づいて当該降車地点を前記車両の目的地とする経路である第1経路の案内を行う車載装置とを備える経路案内システムであって、前記モバイル端末又は前記車載装置の少なくとも一方は、前記モバイル端末の所持者が前記車両から降車したことを検知する降車検知手段を備え、前記車載装置は、地図情報を格納する地図情報格納手段と、前記降車検知手段にて前記モバイル端末の所持者の降車が検知された場合に、前記地図情報に基づいて、当該車載装置に登録されている登録地点を前記車両の新たな目的地とする経路である第2経路の案内を行う案内手段と、を備えている。
【0091】
上記側面1に係る経路案内システムによれば、車載装置の案内手段が、降車検知手段にてモバイル端末の所持者の降車が検知された場合に、地図情報に基づいて、第2経路の案内を行うので、モバイル端末の所持者の降車後に、車両の運転者が車載装置に対して登録地点を目的地とする経路の設定を行う手間を省くことができ、車載装置の使用性を向上させることが可能となる。
【0092】
実施の形態の他の側面2に係る経路案内システムは、上記側面1に係る経路案内システムにおいて、前記モバイル端末又は前記車載装置の少なくとも一方は、前記車両の車速を取得する車速取得手段と、前記モバイル端末の現在位置を取得する端末現在位置取得手段と、を備え、前記降車検知手段は、前記車速と、前記モバイル端末の現在位置とに基づいて、前記モバイル端末の所持者が前記車両から降車したことを検知する。
【0093】
上記側面2に係る経路案内システムによれば、降車検知手段が、車速と、モバイル端末の現在位置とに基づいて、モバイル端末の所持者が車両から降車したことを検知するので、モバイル端末及び車両の移動状態を考慮して降車を検知することできるため、降車の検知精度を高めることができる。
【0094】
実施の形態の他の側面3に係る経路案内システムは、上記側面1又は上記側面2に係る経路案内システムにおいて、前記モバイル端末又は前記車載装置の少なくとも一方は、前記車両の現在位置を取得する車両現在位置取得手段を備え、前記案内手段は、前記車両の現在位置と、前記地図情報とに基づいて、前記車両の現在位置が前記降車地点から所定距離以内であるか否かを判定し、前記車両の現在位置が前記降車地点から所定距離以内であると判定された場合に、前記第2経路の案内を行う。
【0095】
上記側面3に係る経路案内システムによれば、案内手段が、車両の現在位置が降車地点から所定距離以内であると判定された場合に、第2経路の案内を行うので、モバイル端末の所持者が降車地点及びその周辺で自車両から降車したタイミングで、第2経路の案内を行うことが可能となり、車載装置の使用性を一層向上させることが可能となる。
【0096】
実施の形態の他の側面4に係る経路案内システムは、上記側面1から上記側面3のいずれか一つに係る経路案内システムにおいて、前記モバイル端末は、当該モバイル端末の所持者の目的地までの経路である第3経路の案内を行う端末であって、前記案内手段にて前記第1経路の案内が行われている場合に、前記第3経路の案内を停止し、前記案内手段にて前記第1経路の案内が行われていない場合に、前記第3経路の案内を行う。
【0097】
上記側面4に係る経路案内システムによれば、モバイル端末は、第1経路の案内が行われている場合に、第3経路の案内を停止し、第1経路の案内が行われていない場合に、第3経路の案内を行うので、第1経路の案内の有無に関わらず第3経路の案内を行う場合に比べて、モバイル端末の電力消費を低減できる。
【0098】
上記側面5に係る経路案内システムによれば、上記側面1から上記側面4のいずれか一つに係る経路案内システムにおいて、前記登録地点は、前記車載装置のユーザの自宅の地点を含む。
【0099】
上記側面5に係る経路案内システムによれば、登録地点は、車載装置のユーザの自宅の地点を含むので、モバイル端末の所持者が降車地点及びその周辺で降車したタイミングで、第2経路の案内を行うことができるため、車載装置の使用性をさらに一層向上させることが可能となる。