(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る経路案内システム、経路案内方法、及び経路案内プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、車載装置が、車両に同乗しているモバイル端末の所持者の経路であって出発地から目的地までの経路(以下、「第1経路」と称する)上の地点のうち、当該所持者の降車予定地点を特定する情報を当該モバイル端末から取得した後、「車両の現在位置(モバイル端末の所持者が同乗した位置)」から「降車予定地点」に至る経路(以下、「第2経路」と称する)の案内を行う、経路案内システム、経路案内方法、及び経路案内プログラムに関するものである。
【0013】
ここで、「車載装置」とは、少なくとも第2経路の案内を行う装置を意味し、例えば、公知の車載用ナビゲーション装置等を含む概念である。
【0014】
また、「車両」とは、例えば、四輪自動車、二輪自動車等を含む概念である。
【0015】
また、「同乗」とは、複数人が1つの車両に乗り合わせることを意味する。
【0016】
また、「モバイル端末」とは、携帯可能な情報端末であって、第1経路の案内を行う端末を意味し、例えば、例えばスマートフォンを含む携帯電話端末の如き公知の携帯端末を含む概念である。
【0017】
また、「モバイル端末の所持者」とは、モバイル端末を少なくとも物理的に保持している者を意味する。このモバイル端末の所持者は、例えば、第2経路までの車両の同乗者(ただし、運転手を除く)、第2経路まで車両を運転する運転手等を含む概念であるが、実施の形態では、第2経路までの車両の同乗者として説明する。
【0018】
また、「降車予定地点」とは、第1経路上の地点のうち、モバイル端末の所持者が車両から降車することを予定している地点を意味し、例えば、公共交通機関(例えば、電車、バス、飛行機等)の乗り換え地点、公共交通機関以外の交通手段であって、モバイル端末の所持者が同乗していた車両とは異なる交通手段(例えば、他の車両、自転車、徒歩等)に切り替える地点等を含む概念である。
【0019】
また、「降車予定地点を特定する情報」とは、例えば、降車予定地点の座標、住所、名称等を含む概念である。
【0020】
(本実施の形態の具体的内容)
次に、本実施の形態の具体的内容について説明する。
【0021】
(構成)
最初に、本実施の形態に係る経路案内システムの構成を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る経路案内システムを例示するブロック図である。経路案内システム1は、車載装置が、車両に同乗しているモバイル端末の所持者の第1経路上の地点のうち、当該所持者の降車予定地点を特定する情報を当該モバイル端末から取得した場合に、当該車載装置によって、当該取得した降車予定地点を特定する情報に基づいて第2経路の案内が行われるシステムである。
図1に示すように、この経路案内システム1は、モバイル端末の所持者によって所持されているモバイル端末10と、車両(図示省略)に搭載された車載装置20とを備えて構成されている。
【0022】
(構成−モバイル端末)
次に、モバイル端末10の構成について説明する。
図1に示すように、モバイル端末10は、現在位置検出部11、通信部12、操作部13、ディスプレイ14、スピーカ15、制御部16、及びデータ記録部17を備えている。なお、このモバイル端末10は、例えば公知の携帯端末等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0023】
(構成−モバイル端末−現在位置検出部)
現在位置検出部11は、モバイル端末10の現在位置を検出する端末現在位置検出手段である。この現在位置検出部11は、GPS又は地磁気センサ(いずれも図示省略)を有し、現在のモバイル端末10の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0024】
(構成−モバイル端末−通信部)
通信部12は、車載装置20との間で近距離無線通信を行ったり、又は車載装置20との間でネットワーク2を介して通信するための通信手段である。この通信部12としては、例えば、公知の近距離無線通信用の通信手段、及び移動体無線通信網を用いて通信を行う公知の通信手段等を用いて構成することができる(なお、後述する車載装置20の通信部23の構成についても同様)。
【0025】
(構成−モバイル端末−操作部)
操作部13は、モバイル端末10の所持者による操作入力を受け付ける操作手段である。この操作部13としては、例えば、タッチパネル、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、あるいはハードスイッチ等、公知の操作手段を用いて構成されている(なお、後述する車載装置20の操作部24の構成についても同様とする)。
【0026】
(構成−モバイル端末−ディスプレイ)
ディスプレイ14は、制御部16の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ14としては、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを用いることができる(後述する車載装置20のディスプレイ25の構成についても同様とする)。
【0027】
(構成−モバイル端末−スピーカ)
スピーカ15は、制御部16の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。スピーカ15より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる(後述する車載装置20のスピーカ26の構成についても同様とする)。
【0028】
(構成−モバイル端末−制御部)
制御部16は、モバイル端末10を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る経路案内プログラムは、任意の記録媒体又はネットワーク2を介してモバイル端末10にインストールされることで、制御部16の各部を実質的に構成する(後述する車載装置20の制御部27についても同様とする)。
【0029】
また、この制御部16は、機能概念的に、経路探索部16a、現在位置取得部16b、ペアリング検知部16c、解除条件判定部16d、第1算出部16e、第2算出部16f、指示部16g、及び案内部16hを備えている。
【0030】
経路探索部16aは、第1経路を探索する経路探索手段である。現在位置取得部16bは、現在位置検出部11にて検出されたモバイル端末10の現在位置を取得する現在位置取得手段である。ペアリング検知部16cは、車載装置20との近距離無線通信における通信状態を検知するペアリング検知手段である。解除条件判定部16dは、モバイル端末10の所持者の移動状態が、後述する解除条件に合致しているか否かを判定する解除条件判定手段である。第1算出部16eは、後述する第1到着予想時刻を算出する第1算出手段である。第2算出部16fは、後述する第2到着予想時刻を算出する第2算出手段である。指示部16gは、モバイル端末10又は車載装置20に対して所定の指示を行う指示手段である。
案内部16hは、所定情報を、ディスプレイ14やスピーカ15を介してモバイル端末10の所持者に案内する案内手段である。
【0031】
(構成−モバイル端末−データ記録部)
データ記録部17は、モバイル端末10の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。このデータ記録部17は、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(後述する車載装置20のデータ記録部28についても同様とする)。
【0032】
また、このデータ記録部17は、地図情報データベース(以下、データベースを「DB」と称する)17aを備えている。
【0033】
地図情報DB17aは、地図情報を格納する地図情報格納手段である。ここで、「地図情報」とは、道路、道路構造物、施設等を含む各種の位置の特定に必要な情報であり、例えば、道路上に設定された各ノードに関するノードデータ(例えばノード番号、座標等)や、道路上に設定された各リンクに関するリンクデータ(例えばリンクID、リンク名、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数等)、地物データ(例えば信号機、道路標識、ガードレール、施設等)、地形データ等を含んで構成されている(後述する車載装置20の地図情報DB28aに格納されている地図情報についても同様とする)。
【0034】
(構成−車載装置)
次に、車載装置20の構成について説明する。
図1に示すように、車載装置20は、現在位置検出部21、車速センサ22、通信部23、操作部24、ディスプレイ25、スピーカ26、制御部27、及びデータ記録部28を備えている。なお、この車載装置20は、例えば自車両に搭載された公知の車載ナビゲーション装置等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0035】
(構成−車載装置−現在位置検出部)
現在位置検出部21は、自車両の現在位置を取得する車両現在位置取得手段である。具体的には、現在位置検出部21は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも1つを有し、現在の自車両の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0036】
(構成−車載装置−車速センサ)
車速センサ22は、自車両の車速を検出する車速検出手段であり、例えば車軸の回転数に比例する車速パルス信号等を制御部27に出力する。この車速センサ22は、例えば公知の車速センサを用いて構成されている。
【0037】
(構成−車載装置−通信部)
通信部23は、モバイル端末10との間で近距離無線通信を行ったり、又はモバイル端末10との間でネットワーク2を介して通信するための通信手段である。
【0038】
(構成−車載装置−操作部)
操作部24は、自車両の運転者(又は自車両の同乗者)による操作入力を受け付ける操作手段である。
【0039】
(構成−車載装置−ディスプレイ及びスピーカ)
ディスプレイ25は、制御部27の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。スピーカ26は、制御部27の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。
【0040】
(構成−車載装置−制御部)
制御部27は、車載装置20を制御する制御手段であり、具体的には、
図1に示すように、機能概念的に、経路探索部27a、現在位置取得部27b、車速取得部27c、ペアリング検知部27d、降車検知部27e、降車検知地点判定部27f、指示部27g、及び案内部27hを備えている。
【0041】
経路探索部27aは、第2経路を探索する経路探索手段である。現在位置取得部27bは、現在位置検出部21にて検出された自車両の現在位置を取得する現在位置取得手段である。車速取得部27cは、車速センサ22にて検出された自車両の車速を取得する車速取得手段である。ペアリング検知部27dは、モバイル端末10との近距離無線通信における通信状態を検知するペアリング検知手段である。降車検知部27eは、モバイル端末10の所持者が自車両から降車したことを検知する降車検知手段である。降車検知地点判定部27fは、降車検知地点が降車予定地点又は降車予定地点の周辺領域内であるか否かを判定する降車検知地点判定手段である。ここで、「降車検知地点」とは、降車検知部27eによってモバイル端末10の所持者の降車が検知された地点を意味する。指示部27gは、モバイル端末10又は車載装置20に対して所定の指示を行う指示手段である。案内部27hは、所定情報を、ディスプレイ25やスピーカ26を介して自車両の運転手又は同乗者に案内する案内手段である。
【0042】
(構成−車載装置−データ記録部)
データ記録部28は、車載装置20の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、具体的には、地図情報DB28aを備えている。なお、地図情報DB28aは、モバイル端末10のデータ記録部17に設けられた地図情報DB17aと略同一であるので、説明を省略する。
【0043】
(処理)
次に、このように構成された経路案内システム1によって実行される経路案内処理について説明する。
図2は、実施の形態に係る経路案内処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。
図3は、
図2に続く経路案内処理のフローチャートである。
図4は、
図3に続く経路案内処理のフローチャートである。この経路案内処理は、車載装置20が、自車両に同乗しているモバイル端末10の所持者の第1経路上の地点のうち、当該所持者の降車予定地点を特定する情報を当該モバイル端末10から取得した場合に、当該車載装置20によって、当該取得した降車予定地点を特定する情報に基づいて第2経路の案内が行われる処理であり、例えば、モバイル端末10及び車載装置20に電源が投入された後に起動される。また、この経路案内処理の前提としては、具体的には、1人のモバイル端末10の所持者及び1人の運転者が自車両に同乗しているものとする。
【0044】
経路案内処理が起動されると、
図2から
図4に示すように、モバイル端末10の所持者に対して第1経路を案内するために、モバイル端末10の制御部16はSA1からSA3の処理を行う。
【0045】
まず、モバイル端末10の経路探索部16aは、モバイル端末10の所持者によって操作部13を介して所定操作が受け付けられることにより、モバイル端末10の所持者における出発地、目的地、及び降車予定地点が設定されるまで待機する(SA1、No)。
【0046】
ここで、この出発地の設定ついては、モバイル端末10の所持者によって操作部13を介して所定操作が受け付けられることで設定されることに限られず、例えば、現在位置取得部16bによって取得されたモバイル端末10の現在位置を出発地として設定されてもよい。また、この降車予定地点の設定については、モバイル端末10の所持者によって操作部13を介して所定操作が受け付けられることで設定されることに限られず、例えば、SA1にて設定された出発地及び目的地と、地図情報DB17aに格納された地図情報(特に、地物データ等)とに基づいて、出発地から目的地に至る領域内における公共交通機関の駅等が降車予定地点として自動的に設定されてもよい。
【0047】
そして、モバイル端末10の所持者における出発地、目的地、及び降車予定地点が設定されると(SA1、Yes)、モバイル端末10の経路探索部16aは、公知のルート探索方法を用いて、SA1にて設定された出発地、目的地、及び降車予定地点と、地図情報DB17aに格納されている地図情報とに基づいて、出発地から降車予定地点を経由して目的地に至る第1経路を探索する(SA2)。そして、モバイル端末10の案内部16hは、この探索された第1経路の案内をディスプレイ14を介して開始する(SA3)。
【0048】
この第1経路の案内については、具体的には、ディスプレイ14の地図上に第1経路を重畳表示させると共に、モバイル端末10の現在位置取得部16bにて取得されたモバイル端末10の現在位置も重畳表示させる(なお、後述するSA14、後述するSA16の第1経路の案内、後述するSB6の第2経路の案内についても同様とする)。ここで、現在位置取得部16bによるモバイル端末10の現在位置の取得については、具体的には、モバイル端末10の現在位置が所定時間間隔毎(例えば、1sec等)に取得され、当該取得されたモバイル端末10の現在位置と、モバイル端末10の制御部16に設けられた内部時計(図示省略)から取得した検出時刻であって、モバイル端末10の現在位置が検出された検出時刻とが相互に関連付けてモバイル端末10のデータ記録部17に記録される。そして、このような一連の処理が、SA3の処理から経路案内処理が終了するまで継続して行われる。
【0049】
次に、モバイル端末10及び車載装置20に対してペアリング処理を行うことで、これらモバイル端末10と車載装置20との相互間でデータを共有することができるように、モバイル端末10の制御部16はSA4からSA6の処理を行うと共に、車載装置20の制御部27はSB1からSB3の処理を行う。ここで、「ペアリング処理」とは、モバイル端末10と車載装置20との相互間で近距離通信を可能にするために、モバイル端末10と車載装置20との相互間における通信を確立する処理を意味する。
【0050】
まず、モバイル端末10のペアリング検知部16cは、モバイル端末10の所持者によって操作部13を介して所定操作が行われることにより、ペアリング処理の開始が受け付けられるまで待機する(SA4、No)。また、車載装置20のペアリング検知部27dは、自車両の運転者(又は自車両の同乗者)によって操作部24を介して所定操作が行われることにより、ペアリング処理の開始が受け付けられるまで待機する(SB1、No)。そして、これらペアリング処理の開始が受け付けられると(SA4、Yes、SB1、Yes)、モバイル端末10のペアリング検知部16c及び車載装置20のペアリング検知部27dは、ペアリング処理を実行する(SA5、SB2)。ここで、このペアリング処理の受け付けについては、具体的には、車載装置20において、ペアリング処理が可能な状態に設定するための操作が行われ、次いで、モバイル端末10において、ペアリング処理が可能な状態である装置等をディスプレイ14に表示させた状態で、ペアリング処理を行う対象とする車載装置20を選択する操作や、PINコード等の暗証番号を入力する操作が行われることにより、ペアリング処理が受け付けられる。
【0051】
次いで、モバイル端末10の制御部16及び車載装置20の制御部27は、データ共有処理を開始する(SA6、SB3)。
【0052】
ここで、このデータ共有処理については、以下に示す処理が行われる。具体的には、車載装置20の制御部27は、通信部23を介してモバイル端末10のデータ記録部17に記録されたモバイル端末10の現在位置及び検出時刻を取得し、当該取得されたモバイル端末10の現在位置及び検出時刻を相互に関連付けてデータ記録部28に記録する。また、車載装置20の現在位置取得部27bは、自車両の現在位置を所定時間間隔毎(例えば、1sec等)に取得すると共に、車載装置20の車速取得部27cは、自車両の車速を所定時間間隔毎(例えば、1sec等)に取得する。そして、車載装置20の制御部27は、上記取得された自車両の現在位置と、自車両の車速と、制御部27に設けられた内部時計(図示省略)から取得した検出時刻であって、自車両の現在位置及び車速が検出された検出時刻とを相互に関連付けてデータ記録部28に記録する。また、モバイル端末10の制御部16は、通信部13を介して車載装置20のデータ記録部28に記録された自車両の現在位置及び検出時刻を取得し、当該取得された自車両の現在位置及び検出時刻を相互に関連付けてデータ記録部17に記録する。なお、このSA6の処理は、SA7からSA16にわたって実行され、また、このSB3の処理は、SB4からSB10にわたって実行される。
【0053】
次に、自車両の運転手及び自車両の同乗者に対して第2経路を案内するために、モバイル端末10の制御部16はSA7、SA8の処理を行うと共に、車載装置20の制御部27はSB4からSB6の処理を行う。
【0054】
まず、モバイル端末10の制御部16は、SA1にて設定された降車予定地点を含む信号を通信部12を介して車載装置20に送信する(SA7)。
【0055】
次いで、車載装置20の制御部27は、モバイル端末10から送信された降車予定地点を含む信号を通信部23を介して受信するまで待機する(SB4、No)。
【0056】
そして、降車予定地点を含む信号が受信された場合(SB4、Yes)、車載装置20の経路探索部27aは、公知のルート探索方法を用いて、通信部23を介してモバイル端末10から受信された当該信号に含まれる降車予定地点と、その時点で現在位置取得部27bにて取得された自車両の現在位置と、地図情報DB28aに格納されている地図情報とに基づいて、自車両の現在位置から降車予定地点に至る第2経路を探索する(SB5)。そして、車載装置20の案内部27hは、この探索された第2経路の案内をディスプレイ25を介して開始する(SB6)。
【0057】
また、SA7の処理後、この処理が行われたことによって上記車載装置20における第2経路の案内が開始されたものとして、モバイル端末10の案内部16hは、直近に探索された第1経路の案内を停止する(SA8)。ここで、「直近に探索された第1経路」とは、現時点で最も近いタイミングで探索された第1経路を意味し、例えば、SA2にて探索された第1経路、又は後述するSA13にて再探索された第1経路等を含む概念である。
【0058】
次に、モバイル端末10の所持者が降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域で自車両から降車した場合に、モバイル端末10による第1経路の再探索を抑制するために、モバイル端末10の制御部16はSA9、SA10の処理を行うと共に、車載装置20の制御部27はSB7からSB12の処理を行う。
【0059】
車載装置20の降車検知部27eは、自車両が停止したか否かを判定する(SB7)。具体的には、車載装置20の降車検知部27eは、その時点で車速取得部27cにて取得された自車両の車速に基づいて、自車両の車速がゼロである状態を所定時間以上(例えば5sec以上)継続しているか否かを判定し、自車両の車速がゼロである状態が所定時間以上維持していると判定された場合に、自車両が停止していると判定し、自車両の車速がゼロである状態が所定時間以上維持していないと判定された場合に、自車両が停止していないと判定する。
【0060】
ここで、自車両が停止していないと判定された場合(SB7、No)、車載装置20の降車検知部27eは、自車両が停止していると判定されるまで、SB7の処理を所定時間間隔毎に(例えば、5sec毎等に)繰り返す。
【0061】
一方、自車両が停止していると判定された場合(SB7、Yes)、車載装置20の降車検知部27eは、モバイル端末10の所持者が自車両から降車した否かを判定する(SB8)。ここで、モバイル端末10の所持者に対する降車の判定については、例えば、モバイル端末10と車載装置20との近距離無線通信の切断の有無、モバイル端末10の現在位置と車載装置20の現在位置との相互間の距離、自車両の車速の変化、自車両の座席重量の変化、自車両のギアの操作状態、自車両のリバース信号の変化、自車両のハザードの点滅状態のうち、いずれか1つ又はこれらを組み合わせたものに基づいて判定することが考えられるが、実施の形態では、モバイル端末10の現在位置と車載装置20の現在位置との相互間の距離、及び自車両の車速の変化に基づいて判定するものとして説明する。
【0062】
具体的には、まず、車載装置20の降車検知部27eは、その時点で車速取得部27cにて取得された自車両の車速に基づいて、自車両の車速がゼロである状態を所定時間以上(例えば10sec以上)継続しているか否かを判定する。ここで、自車両の車速がゼロである状態が所定時間以上維持していないと判定された場合には、モバイル端末10の所持者が自車両から降車していないと判定する。一方、自車両の車速がゼロである状態が所定時間以上維持していると判定された場合に、その時点で現在位置取得部27bにて取得された自車両の現在位置と、その時点でモバイル端末の現在位置取得部16bにて取得されたモバイル端末10の現在位置と、地図情報DB28aに格納されている地図情報とに基づいて、モバイル端末10の現在位置が自車両の現在位置の周辺領域内(例えば、自車両の現在位置から半径100m以内等)に位置するか否かを判定する。そして、モバイル端末10の現在位置が自車両の現在位置の周辺領域内に位置すると判定された場合に、モバイル端末10の所持者が自車両から降車していないと判定し、モバイル端末10の現在位置が自車両の現在位置の周辺領域内に位置しないと判定された場合に、モバイル端末10の所持者が自車両から降車していると判定する。なお、この場合において、モバイル端末10と車載装置20との近距離通信の通信状態が不安定な状態又は通信不能状態である場合におけるモバイル端末10の現在位置の取得については、例えば、モバイル端末10の制御部16が通信部12によってネットワーク2を介してモバイル端末10の現在位置をネットワーク2上のサーバ(図示省略)に送信し、車載装置20の降車検知部27eは、通信部23を介してネットワーク2上のサーバからモバイル端末10の現在位置を受信することにより、モバイル端末10の現在位置を取得してもよい。
【0063】
ここで、モバイル端末10の所持者が自車両から降車していないと判定された場合(SB8、No)、車載装置20の降車検知部27eは、モバイル端末10の所持者が降車していると判定されるまで、SB7、SB8の処理を繰り返す。
【0064】
一方、モバイル端末10の所持者が自車両から降車していると判定された場合(SB8、Yes)、車載装置20の降車検知地点判定部27fは、その時点で現在位置取得部27bにて取得された自車両の現在位置を降車検知地点と特定し、当該特定された降車検知地点が降車予定地点又は降車予定地点の周辺領域内であるか否かを判定する(SB9)。具体的には、車載装置20の降車検知地点判定部27fは、SB4にて受信された降車予定地点と、地図情報DB28aに格納されている地図情報とに基づいて、降車検知地点が降車予定地点から所定距離以内(例えば、300m以内等)であるか否かを判定する。そして、降車検知地点が降車予定地点から所定距離以内であると判定された場合には、降車検知地点が降車予定地点又は降車予定地点の周辺領域内であると判定し、降車検知地点が降車予定地点から所定距離以内でないと判定された場合には、降車検知地点が降車予定地点又は降車予定地点の周辺領域内でないと判定する。
【0065】
ここで、降車検知地点が降車予定地点又は降車予定地点の周辺領域内であると判定された場合(SB9、Yes)、モバイル端末10の所持者が降車予定地点又は降車予定地点周辺領域内に位置する地点で自車両から降車していることから、車載装置20の制御部27は、データ共有処理を終了する(SB11)。そして、車載装置20の案内部27hは、第2経路の案内を終了し(SB12)、経路案内処理を終了する。
【0066】
一方、降車検知地点が降車予定地点又は降車予定地点の周辺領域内でないと判定された場合(SB9、No)、モバイル端末10の所持者が降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域で自車両から降車していることから、車載装置20の指示部27gは、禁止指示信号を通信部23を介してモバイル端末10に送信する(SB10)。ここで、「禁止指示信号」とは、モバイル端末10に対して第1経路の再探索を禁止することを指示するための信号である。なお、この場合において、モバイル端末10と車載装置20との近距離通信の通信状態が不安定な状態又は通信不能状態である場合には、例えば、車載装置20の指示部27gは、通信部23によってネットワーク2を介して禁止指示信号をネットワーク2上のサーバ(図示省略)に送信してもよい。これにより、モバイル端末10の制御部16は、通信部23を介してネットワーク2上のサーバから禁止指示信号を受信することが可能となる。
【0067】
次に、モバイル端末10の制御部16は、車載装置20から送信された禁止指示信号を通信部12を介して受信したか否かを判定する(SA9)。
【0068】
ここで、禁止指示信号が受信されたと判定された場合(SA9、Yes)、モバイル端末10の指示部16gは、後述する再探索禁止解除処理を起動する(SA10)。なお、この後述する再探索禁止解除処理が実行されている間、モバイル端末10の制御部16は、第1経路の再探索を行うことができない状態となる。
【0069】
このように、車載装置20の指示部27gが、降車検知地点判定部27fにて降車予定地点又は降車予定地点の周辺領域内でないと判定された場合に、モバイル端末10による第1経路の再探索を禁止することを指示するので、モバイル端末10の所持者が降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域で自車両から降車した場合に、モバイル端末10による第1経路の再探索を抑制することができるため、モバイル端末10の使用性を向上させることが可能となる。
【0070】
次に、禁止指示信号が受信されていないと判定された場合(SA9、No)、又は、SA10の処理後、モバイル端末10による第1経路の再探索が実行可能な状態であるとして、モバイル端末10の所持者に対して再探索された第1経路を案内するために、モバイル端末10の制御部16はSA11からSA17の処理を行う。
【0071】
まず、モバイル端末10の制御部16は、モバイル端末10の現在位置が直近に探索された第1経路から外れているか否かを判定する(SA11)。具体的には、モバイル端末10の制御部16は、その時点で現在位置取得部16bにて取得されたモバイル端末10の現在位置と、SA2にて探索された第1経路(又は後述するSA12にて再探索された第1経路)と、地図情報DB17aに格納されている地図情報とに基づいて、モバイル端末10の現在位置と直近に探索された第1経路との最短距離を算出し、当該算出された最短距離が所定距離以上(例えば、500m以上等)であるか否か判定する。そして、この最短距離が所定距離以上であると判定された場合に、モバイル端末10の現在位置が直近に探索された第1経路から外れていると判定され、この最短距離が所定距離以上でないと判定された場合に、モバイル端末10の現在位置が直近に探索された第1経路から外れていないと判定される。
【0072】
ここで、モバイル端末10の現在位置が直近に探索された第1経路から外れていると判定された場合(SA11、Yes)、モバイル端末10の所持者に対して当該第1経路とは異なる経路を案内する必要があるため、モバイル端末10の経路探索部16aは、その時点で現在位置取得部16bにて取得されたモバイル端末10の現在位置と、SA1にて設定された目的地と、地図情報DB17aに格納されている地図情報とに基づいて、第1経路を再探索する(SA12)。なお、この再探索された第1経路は、例えば、再探索前の経路の降車予定地点と同じ地点を経由する経路であったり、又は、再探索前の経路の降車予定地点と異なる地点を経由する経路が探索される。
【0073】
次いで、モバイル端末10の案内部16hは、モバイル端末10の所持者が自車両に同乗しているか否かを判定する(SA13)。具体的には、モバイル端末10の案内部16hは、その時点で現在位置取得部16bにて取得されたモバイル端末10の現在位置と、その時点で車載装置20の現在位置取得部27bにて取得された自車両の現在位置とに基づいて、モバイル端末10の現在位置が自車両の現在位置と所定時間以上(例えば5sec以上)一致しているか否かを判定する。そして、モバイル端末10の現在位置が自車両の現在位置と所定時間以上一致していると判定された場合に、モバイル端末10の所持者が自車両に同乗していると判定し、モバイル端末10の現在位置が自車両の現在位置と所定時間以上一致していないと判定された場合に、モバイル端末10の所持者が自車両に同乗していないと判定する(後述するSA15についても同様とする)。
【0074】
ここで、モバイル端末10の所持者が自車両に同乗していると判定された場合(SA13、Yes)、上述したように、SA12にて再探索された第1経路の降車予定地点が再探索前の降車予定地点と異なることが想定されることから、この降車予定地点の変更をモバイル端末10の第2経路の案内に反映させるために(具体的には、SB5にて変更された降車予定地点に基づいて第2経路が再探索され、当該再探索された第2経路が案内されるようにするために)、モバイル端末10の制御部16は、SA7に移行する。
【0075】
一方、モバイル端末10の所持者が自車両に同乗していないと判定された場合(SA13、No)、モバイル端末10の所持者に対してSA12にて再探索された第1経路を案内するために、モバイル端末10の案内部16hは、当該再探索された第1経路の案内をディスプレイ14を介して開始する(SA14)。
【0076】
また、モバイル端末10の現在位置が直近に探索された第1経路から外れていないと判定された場合(SA11、No)、SA13と同様に、モバイル端末10の案内部16hは、モバイル端末10の所持者が自車両に同乗しているか否かを判定する(SA15)。
【0077】
ここで、モバイル端末10の所持者が自車両に同乗していると判定された場合(SA15、Yes)、モバイル端末10において第1経路の案内が停止された状態を継続すると共に、車載装置20において第2経路の案内を継続するために、モバイル端末10の制御部16は、SA9に移行する。
【0078】
一方、モバイル端末10の所持者が自車両に同乗していないと判定された場合(SA15、No)、モバイル端末10の所持者に対して、直近に探索された第1経路を案内するために、モバイル端末10の案内部16hは、当該第1経路の案内をディスプレイ14を介して再開する(SA16)。
【0079】
また、SA14又はSA16の処理後、上記車載装置20における第2経路の案内が終了されたものとして、モバイル端末10の制御部16は、データ共有処理を終了する(SA17)。
【0080】
続いて、モバイル端末10の所持者に対して目的地に到着するまで第1経路を案内するために、モバイル端末10の制御部16はSA18、SA19の処理を行う。
【0081】
まず、モバイル端末10の案内部16hは、その時点で現在位置取得部16bにて取得されたモバイル端末10の現在位置と、SA1にて取得された目的地と、地図情報DB17aに格納されている地図情報とに基づいて、モバイル端末10の所持者が目的地に到着したか否かを判定する(SA18)。具体的には、モバイル端末10の案内部16hは、モバイル端末10の現在位置がこの目的地から所定距離以内(例えば、50m以内等)であるか否かを判定する。そして、モバイル端末10の現在位置がこの目的地から所定距離以内である場合に、モバイル端末10の所持者が目的地に到着したと判定し、モバイル端末10の現在位置がこの目的地から所定距離以内でない場合に、モバイル端末10の所持者が目的地に到着していないと判定する。
【0082】
ここで、モバイル端末10の所持者が目的地に到着していないと判定された場合(SA18、No)、モバイル端末10の制御部16は、SA11に移行し、モバイル端末10の所持者が目的地に到着したと判定されるまで、SA11からSA18の処理を繰り返す。
【0083】
一方、モバイル端末10の所持者が目的地に到着したと判定された場合(SA18、Yes)、モバイル端末10の所持者が目的地に到着したとして、モバイル端末10の案内部16hは、第1経路の案内を終了し(SA19)、経路案内処理を終了する。
【0084】
(処理−再探索禁止解除処理)
次に、
図3における経路案内処理における再探索禁止解除処理(SA10)について説明する。
図5は、再探索禁止解除処理のフローチャートである。再探索禁止解除処理は、解除条件に基づいて、モバイル端末10による第1経路の再探索を禁止することを解除するための処理である。ここで、「解除条件」とは、モバイル端末10による第1経路の再探索の禁止を解除するための条件を意味する。この解除条件は、第2到着予想時刻が第1到着予想時刻よりも遅いこと、モバイル端末10の現在位置が降車検知地点から所定距離以上離れていること等を含む概念である。
【0085】
このうち、「第1到着予想時刻」は、モバイル端末10の所持者が、降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域で自車両から降車することなく、第1経路の目的地に到着すると予想される時刻を意味する。この第1到着予想時刻は、モバイル端末10の所持者が第1経路の出発地から出発した時刻を基点として算出され、例えば、当該出発した時刻に、第1経路の出発地から降車予定地点まで自車両で移動した場合に要する移動時間(以下、「第1移動時間」と称する)と、降車予定地点から第2経路の目的地まで自車両以外の移動手段(例えば、電車、バス、徒歩等)で移動した場合に要する移動時間(以下、「第2移動時間」と称する)とを加算することにより算出される。また、「第2到着予想時刻」は、モバイル端末10の所持者が、降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域で自車両から降車した場合に、第1経路の目的地に到着すると予想される時刻を意味する。この第2到着予想時刻は、モバイル端末10の所持者が降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域で自車両から降車している状態の時刻を基点として算出され、例えば、当該降車している状態の時刻に、モバイル端末10の現在位置から降車予定地点まで自車両で移動した場合に要する移動時間(以下、「第3移動時間」と称する)と、第2移動時間とを加算することにより算出される。
【0086】
図5に示すように、まず、モバイル端末10の第1算出部16eは、第1到着予想時刻を算出する(SC1)。
【0087】
この第1到着予想時刻の算出については、具体的には、まず、SA2にて探索された第1経路(又は後述するSA12にて再探索された第1経路)と、地図情報DB17aに格納されている地図情報とに基づいて、直近に探索された第1経路の出発地から降車予定地点までの移動距離(以下、「第1移動距離」と称する)と、この降車予定地点から直近に探索された第1経路の目的地までの移動距離(以下、「第2移動距離」と称する)とを算出する。次に、この第1移動距離を所定の速度(例えば、時速40km等)で除算することにより第1移動時間を算出する。また、この第2移動距離を所定の速度(例えば、時速50km等)で除算することにより第2移動時間を算出する。ここで、第2移動時間の算出においては、例えば、降車予定地点から第2経路の目的地に至るまでの所定区間毎に異なる移動手段が用いられる場合に、当該所定区間毎に移動手段に応じた速度を用いて移動時間を算出し、これら移動時間の合計値を第2移動時間として算出されてもよい(なお、第2到着予想時刻における第2移動時間の算出についても同様とする)。そして、データ記録部17に格納された検出時刻であって、モバイル端末10の所持者が第1経路の出発地から出発したときの検出時刻に、これら第1移動時間と第2移動時間とを加算することにより、第1到着予想時刻を算出する。
【0088】
次に、モバイル端末10の第2算出部16fは、第2到着予想時刻を算出する(SC2)。
【0089】
この第2到着予想時刻の算出方法については、具体的には、まず、その時点で現在位置取得部16bにて取得されたモバイル端末10の現在位置と、SA2にて探索された第1経路(又は後述するSA12にて再探索された第1経路)と、地図情報DB17aに格納されている地図情報とに基づいて、モバイル端末10の現在位置から直近に探索された第1経路の降車予定地点までの移動距離(以下、「第3移動距離」と称する)を算出すると共に、この降車予定地点から直近に探索された第1経路の目的地までの第2移動距離とを算出する。次に、この第3移動距離を所定の速度(例えば、時速40km等)で除算することにより移動時間(以下、「第3移動時間」と称する)を算出すると共に、この第2移動距離を所定の速度で除算することにより第2移動時間を算出する。そして、その時点で制御部16の内部時計から取得された検出時刻に、これら第2移動時間と、第3移動時間とを加算することにより、第2到着予想時刻を算出する。
【0090】
次に、モバイル端末10の解除条件判定部16dは、SC2にて算出された第2到着予想時刻が、SC1にて算出された第1到着予想時刻よりも遅いか否かを判定する(SC3)。
【0091】
ここで、第2到着予想時刻が第1到着予想時刻よりも遅くないと判定された場合(SC3、No)、モバイル端末10の所持者が第1到着予想時刻までに目的地に到着することができるので、第1経路の再探索を行う必要がないことから、モバイル端末10の解除条件判定部16dは、その時点で現在位置取得部16bにて取得されたモバイル端末10の現在位置と、SB9にて特定された降車検知地点と、地図情報DB17aに格納されている地図情報とに基づいて、モバイル端末10の現在位置が降車検知地点から所定距離以上(例えば、300m以上等)離れているか否かを判定する(SC4)。
【0092】
ここで、モバイル端末10の現在位置が降車検知地点から所定距離以上離れていないと判定された場合(SC4、No)、モバイル端末10の所持者が降車予定地点以外の地点で自車両から一時的に降車したに過ぎないので、第1経路の再探索を行う必要がないことから、モバイル端末10の制御部16は、SC2に移行する。そして、第2到着予想時刻が第1到着予想時刻よりも遅いと判定されるまで、又はモバイル端末10の現在位置が降車検知地点から所定距離以上離れていると判定されるまで、SC2からSC4の処理を繰り返す。
【0093】
一方、第2到着予想時刻が第1到着予想時刻よりも遅いと判定された場合(SC3、Yes)、又は、モバイル端末10の現在位置が降車検知地点から所定距離以上離れていると判定された場合(SC4、Yes)には、モバイル端末10の所持者が第1到着予想時刻までに目的地に到着することができず、又は、モバイル端末10の所持者が降車予定地点以外の地点で自車両から一時的に降車したものではないので、第1経路の再探索を行う必要がある。よって、モバイル端末10による第1経路の再探索を禁止することを解除するために、モバイル端末10の指示部16gは、再探索禁止解除処理を終了する。
【0094】
このように、モバイル端末10の指示部16gが、モバイル端末10の解除条件判定部16dにて解除条件に合致していると判定された場合に、モバイル端末10による第1経路の再探索の禁止を解除することを指示するので、モバイル端末10の所持者の移動状態に応じて、モバイル端末10による第1経路の再探索の禁止を解除することができるため、モバイル端末10の使用性を一層向上させることが可能となる。
【0095】
また、解除条件は、第2到着予想時刻が第1到着予想時刻よりも遅いことを含むので、第1到着予想時刻及び第2到着予想時刻に基づいて、これらモバイル端末10による第1経路の再探索の禁止を解除するか否かを判定することができるため、この判定の精度を高めることが可能となる。
【0096】
また、解除条件は、モバイル端末10の現在位置が降車検知地点から所定距離以上離れていることを含むので、モバイル端末10の現在位置から降車検知地点までの距離に基づいて、モバイル端末10による第1経路の再探索の禁止を解除するか否かを判定することができるため、この判定の精度を一層高めることが可能となる。
【0097】
(モバイル端末の所持者が、降車予定地点で自車両から降車した場合の経路案内処理について)
次に、モバイル端末10の所持者が、降車予定地点で自車両から降車した場合の経路案内処理について、
図2から
図4に示す処理に基づいて説明する。
【0098】
まず、モバイル端末10の所持者における出発地、目的地、及び降車予定地点がモバイル端末10に設定されると(SA1、Yes)、モバイル端末10の経路探索部16aは、第1経路を探索し(SA2)、モバイル端末10の案内部16hは、当該探索された第1経路の案内を開始する(SA3)。
【0099】
次に、モバイル端末10及び車載装置20に対して所定操作が受け付けられると(SA4、Yes、SB1、Yes)、モバイル端末10の制御部16及び車載装置20の制御部27は、ペアリング処理を実行した後(SA5、SB2)、データ共有処理を開始する(SA6、SB3)。
【0100】
次いで、モバイル端末10から降車予定地点を含む信号が送信されると(SA7)、モバイル端末10の案内部16hは、第1経路の案内を停止する(SA8)。また、車載装置20の制御部27が降車予定地点を含む信号を受信すると(SB4)、車載装置20の経路探索部27aは、第2経路を探索し(SB5)、車載装置20の案内部27hは、当該探索された第2経路の案内を開始する(SB6)。
【0101】
ここで、車載装置20においては、自車両が停止して、モバイル端末10の所持者が車両から降車するまで(SB7、No、SB8、No)、車載装置20の制御部27は、SB7、SB8の処理を繰り返す。そして、自車両が降車予定地点で停止して、モバイル端末10の所持者がその地点で自車両から降車すると(SB7、Yes、SB8、Yes、SB9、Yes)、車載装置20の制御部27は、データ共有処理を終了した後(SB11)、第2経路の案内を終了して(SB12)、経路案内処理を終了する。
【0102】
一方、モバイル端末10においては、モバイル端末10の所持者が自車両に同乗している間、車載装置20から禁止指示信号が送信されないため、モバイル端末10の現在位置が第1経路から外れていない場合には(SA9、No、SA11、No、SA15、Yes)、モバイル端末10の制御部16は、SA9、SA11、SA15の処理を繰り返す。そして、モバイル端末10の所持者が降車予定地点で自車両から降車すると(SA15、No)、モバイル端末10の案内部16hは、SA2にて探索された第1経路の案内を再開し(SA16)、データ共有処理を終了する(SA17)。その後、モバイル端末10の所持者が目的地に到着すると(SA18、Yes)、モバイル端末10の案内部16hは、SA2にて探索された第1経路の案内を終了し(SA19)、経路案内を終了する。
【0103】
(モバイル端末の所持者が、降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域で自車両から一時的に降車した後、再び自車両に同乗し、降車予定地点で自車両から降車した場合の経路案内処理について)
次に、モバイル端末10の所持者が、降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域で自車両から一時的に降車した後、再び自車両に同乗し、降車予定地点で自車両から降車した場合の経路案内処理について、
図2から
図5に示す処理に基づいて説明する。なお、この処理の説明においては、上述したモバイル端末10の所持者が降車予定地点で自車両から降車した場合の経路案内処理の説明のうち、SA1からSA8までの説明、及びSB1からSB6までの説明と略同一であるので、これら説明を省略する。
【0104】
まず、車載装置20においては、SB6の処理後、自車両が停止して、モバイル端末10の所持者が自車両から降車するまで(SB7、No、SB8、No)、車載装置20の制御部27は、SB7、SB8の処理を繰り返す。そして、自車両が降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域に位置する地点で停止して、モバイル端末10の所持者がその地点で自車両から降車すると(SB7、Yes、SB8、Yes、SB9、No)、車載装置20の制御部27は、禁止指示信号を送信する(SB10)。
【0105】
また、モバイル端末10においては、SA8の処理後、モバイル端末10の所持者が自車両に同乗している間、車載装置20から禁止指示信号が送信されず、モバイル端末10の現在位置が第1経路から外れていない場合には(SA9、No、SA11、No、SA15、Yes)、モバイル端末10の制御部16は、SA9、SA11、SA15の処理を繰り返す。そして、車載装置20から送信された禁止指示信号が受信されると(SA9、Yes)、モバイル端末10の指示部16gは、再探索禁止解除処理を実行する(SA10)。
【0106】
ここで、再探索禁止解除処理においては、第1到着予想時刻及び第2到着予想時刻が算出された後(SC1、SC2)、第2到着予想時刻が第1到着予想時刻よりも遅くなるか、又はモバイル端末10の現在位置が降車検知地点から所定距離以上離れているかのいずれか1つの解除条件を満たすまで(SC3、No、SC4、No)、モバイル端末10の制御部16は、SC2からSC4の処理を繰り返す。そして、例えば、SC2、SC3、又はSC4の処理中に、モバイル端末10の所持者が自車両に再び同乗した場合には(具体的には、SA13と同様の処理にて判定)、モバイル端末10の指示部16gは、再探索禁止解除処理を終了する。
【0107】
次に、モバイル端末10においては、モバイル端末10の所持者が自車両に同乗している間、モバイル端末10の現在位置が第1経路から外れていない場合(SA11、No、SA15、Yes)、モバイル端末10の制御部16は、SA9、SA11、SA15の処理を繰り返す。そして、モバイル端末10の所持者が降車予定地点で自車両から降車すると(SA15、No)、モバイル端末10の案内部16hは、SA2にて探索された第1経路の案内を再開し(SA16)、データ共有処理を終了する(SA17)。その後、モバイル端末10の所持者が目的地に到着すると(SA18、Yes)、モバイル端末10の案内部16hは、SA2にて探索された第1経路の案内を終了し(SA19)、経路案内を終了する。
【0108】
また、車載装置20においては、SB10の処理後、自車両が降車予定地点で停止して、モバイル端末10の所持者がその地点で自車両から降車するまで(SB7、Yes、SB8、Yes、SB9、Yes)、車載装置20の制御部27は、SB7からSB9の処理を繰り返す。そして、自車両が降車予定地点で停止して、モバイル端末10の所持者がその地点で自車両から降車すると(SB7、Yes、SB8、Yes、SB9、Yes)、車載装置20の制御部27は、データ共有処理を終了した後(SB11)、第2経路の案内を終了して(SB12)、経路案内処理を終了する。
【0109】
(モバイル端末の所持者が、降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域で自車両から降車した後、自車両に再び同乗しない場合の経路案内処理について)
次に、モバイル端末10の所持者が、降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域で自車両から降車した後、自車両に再び同乗しない場合の経路案内処理について、
図2から
図5に示す処理に基づいて説明する。なお、この処理の説明においては、上述したモバイル端末10の所持者が降車予定地点で自車両から降車した場合の経路案内処理の説明のうち、SA1からSA8までの説明、及びSB1からSB6までの説明と略同一であるので、これら説明を省略する。
【0110】
まず、車載装置20においては、SB6の処理後、自車両が停止して、モバイル端末10の所持者が自車両から降車するまで(SB7、No、SB8、No)、車載装置20の制御部27は、SB7、SB8の処理を繰り返す。そして、自車両が降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域に位置する地点で停止して、モバイル端末10の所持者がその地点で自車両から降車すると(SB7、Yes、SB8、Yes、SB9、No)、車載装置20の制御部27は、禁止指示信号を送信する(SB10)。なお、この場合において、SB7からSB10までの処理が繰り返されることを回避するために、例えば、その時点でモバイル端末10の現在位置取得部16bにて取得されたモバイル端末10の現在位置が、SB9にて特定された降車検知地点よりも所定距離以上(例えば、300m以上等)離れた場合に、車載装置20の制御部27は、SB11に移行し、データ共有処理を終了した後(SB11)、第2経路の案内を終了して(SB12)、経路案内処理を終了してもよい。
【0111】
また、モバイル端末10においては、SA8の処理後、モバイル端末10の所持者が自車両に同乗している間、車載装置20から禁止指示信号が送信されず、モバイル端末10の現在位置が第1経路から外れていない場合には(SA9、No、SA11、No、SA15、Yes)、モバイル端末10の制御部16は、SA9、SA11、SA15の処理を繰り返す。そして、車載装置20から送信された禁止指示信号が受信されると(SA9、Yes)、モバイル端末10の指示部16gは、再探索禁止解除処理を実行する(SA10)。
【0112】
ここで、再探索禁止解除処理においては、第1到着予想時刻及び第2到着予想時刻が算出された後(SC1、SC2)、第2到着予想時刻が第1到着予想時刻よりも遅くなるか、又はモバイル端末10の現在位置が降車検知地点から所定距離以上離れているかのいずれか1つの解除条件を満たすまで(SC3、No、SC4、No)、モバイル端末10の制御部16は、SC2からSC4の処理を繰り返す。そして、例えば、モバイル端末10の現在位置が降車検知地点から所定距離以上離れた場合(SC4、Yes)、モバイル端末10の指示部16gは、再探索禁止解除処理を終了する。
【0113】
次に、モバイル端末10の現在位置が第1経路から外れている場合(SA11、Yes)、モバイル端末10の経路探索部16aは、第1経路を再探索する(SA12)。そして、上述したように、モバイル端末10の所持者が自車両が降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域で降車している場合(SA13、Yes)、モバイル端末10の案内部16hは、SA12にて再探索された第1経路の案内を開始し(SA14)、データ共有処理を終了する(SA15)。その後、モバイル端末10の所持者が目的地に到着すると(SA18、Yes)、モバイル端末10の案内部16hは、SA13にて再探索された第1経路の案内を終了し(SA19)、経路案内を終了する。
【0114】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0115】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。従来のシステムよりも、モバイル端末10における経路の再探索を抑制することできない場合であっても、本願発明の手段が従来のシステムの手段と異なっている場合には、本願発明の課題が解決されている。
【0116】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、モバイル端末10又は車載装置20を複数の装置に分散して構成したり、モバイル端末10又は車載装置20の一方の機能の一部を他方に持たせたりしてもよい。また、各部を分散する場合において、これら各部の相互間の連携は、有線と無線のいずれか一方又は両方により行うことができる。
【0117】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0118】
(モバイル端末の所持者の人数について)
上記実施の形態では、モバイル端末10の所持者が1人であると説明したが、複数人であってもよい。この場合において、SB4において、複数のモバイル端末10の所持者から降車予定地点を含む信号が受信される。また、SB5、SB6において、複数のモバイル端末10の所持者の各々の降車予定地点を経由する第2経路が探索され、当該探索された第2経路が案内される。そして、SB9の処理後、車載装置20に設けられた座席重量センサ(図示省略)の検出結果に基づいて、モバイル端末10の所持者が同乗しているか否かが判定される。そして、モバイル端末10の所持者が同乗していると判定された場合には、モバイル端末10の所持者が同乗していないと判定されるまで、SB7からSB9が繰り返され、モバイル端末10の所持者が同乗していないと判定された場合には、SB11、SB12の処理が実行される。
【0119】
(経路案内処理について)
上記実施の形態では、SB8において、モバイル端末10の現在位置と車載装置20の現在位置との相互間の距離、及び自車両の車速の変化に基づいて判定されると説明したが、これに限られず、例えば、モバイル端末10と車載装置20との近距離無線通信の切断の有無、自車両の座席重量の変化、自車両のギアの操作状態、自車両のリバース信号の変化、又は、自車両のハザードの点滅状態等に基づいて判定されてもよい。具体的には、車載装置20のペアリング検知部27dにてモバイル端末10との近距離無線通信の切断が検知された場合、車載装置20に設けられた座席重量センサ(図示省略)にて検出されたSB6の処理以前の自車両の座席重量が、SB6の処理後に検出された自車両の座席重量とに比べて所定値以上(例えば、20kg以上等)減少した場合、車載装置20に設けられたギア状態検出センサ(図示省略)にて自車両のギアがバックギアに入れられた状態が検出された場合、車載装置20に設けられたリバース信号検出センサ(図示省略)にて自車両の自動変速機からリバース信号の出力が検出された場合、又は、車載装置20に設けられたハザード状態検出センサ(図示省略)にてハザードスイッチのスイッチングがON状態であると検出された場合には、モバイル端末10の所持者が自車両から降車していると判定されてもよい。
【0120】
また、上記実施の形態では、車載装置20において、SB7からSB10の処理が行われてもよいと説明したが、例えば、モバイル端末10において、SB7からSB10の処理が行われてもよい。この場合において、SB10の処理にて、モバイル端末10の指示部16gは、禁止指示信号を送信する代わりに、禁止指示フラグを立てる(この禁止指示フラグは、立っていない状態を初期値とするものであって、データ記録部17に記憶される)。そして、SA9において、モバイル端末10の指示部16gは、禁止指示フラグが立てられているか否かを判定する。そして、禁止指示フラグが立てられている場合に、モバイル端末10の指示部16gはSA10の処理を行い、禁止指示フラグが立てられていない場合に、モバイル端末の制御部16はSA11の処理を行う。
【0121】
また、上記実施の形態では、モバイル端末において、SA10の処理が行われてもよいと説明したが、例えば、車載装置20において、SA10の処理が行われてもよい。
【0122】
(再探索禁止解除処理について)
上記実施の形態では、SC1からSC3の処理が行われると説明したが、例えば、SC1からSC3の処理が省略されてもよい。
【0123】
〔実施の形態の特徴と効果の一部〕
最後に、これまでに説明した実施の形態の特徴と効果の一部を、以下に例示する。ただし、実施の形態の特徴と効果は、以下の内容に限定されず、以下の特徴の一部のみを具備することによって以下の効果の一部のみを奏する場合や、以下の特徴以外の他の特徴を具備することによって以下の効果以外の他の効果を奏する場合がある。
【0124】
実施の形態の1つの側面1に係る経路案内システムは、出発地から目的地までの経路である第1経路を探索するモバイル端末と、車両に搭載された車載装置であって、前記モバイル端末にて探索された前記第1経路上の地点のうち、前記車両に同乗している当該モバイル端末の所持者の降車予定地点を特定する情報を当該モバイル端末から取得し、当該取得した前記降車予定地点を特定する情報に基づいて当該降車予定地点までの経路である第2経路の案内を行う車載装置と、を備える経路案内システムであって、前記モバイル端末又は前記車載装置の少なくとも一方は、地図情報を格納する地図情報格納手段と、前記モバイル端末の所持者が前記車両から降車したことを検知する降車検知手段と、前記車両又は前記モバイル端末の現在位置を取得する現在位置取得手段と、前記降車検知手段にて前記モバイル端末の所持者の降車が検知された場合に、前記地図情報と、前記車両又は前記モバイル端末の現在位置とに基づいて、前記モバイル端末の所持者の降車が検知された地点である降車検知地点が前記降車予定地点又は前記降車予定地点の周辺領域内であるか否かを判定する降車検知地点判定手段と、前記降車検知地点判定手段にて前記降車予定地点又は前記降車予定地点の周辺領域内でないと判定された場合に、前記モバイル端末による前記第1経路の再探索を禁止することを指示する指示手段と、を備えている。
【0125】
上記側面1に係る経路案内システムによれば、降車検知地点判定手段にて降車予定地点又は降車予定地点の周辺領域内でないと判定された場合に、モバイル端末による第1経路の再探索を禁止することを指示するので、モバイル端末の所持者が降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域で車両から降車した場合に、モバイル端末による第1経路の再探索を抑制することができるため、モバイル端末の使用性を向上させることができる。
【0126】
実施の形態の他の側面2に係る経路案内システムは、上記側面1に係る経路案内システムにおいて、前記モバイル端末又は前記車載装置の少なくとも一方は、前記モバイル端末の所持者の移動状態が、前記モバイル端末による前記第1経路の再探索の禁止を解除する解除条件に合致しているか否かを判定する解除条件判定手段を備え、前記指示手段は、前記解除条件判定手段にて前記解除条件に合致していると判定された場合に、前記モバイル端末による前記第1経路の再探索の禁止を解除することを指示する。
【0127】
上記側面2に係る経路案内システムによれば、指示手段が、解除条件判定手段にて解除条件に合致していると判定された場合に、モバイル端末による第1経路の再探索の禁止を解除することを指示するので、モバイル端末の所持者の移動状態に応じて、モバイル端末による第1経路の再探索の禁止を解除することができるため、モバイル端末の使用性を一層向上させることが可能となる。
【0128】
実施の形態の他の側面3に係る経路案内システムは、上記側面2に係る経路案内システムにおいて、前記モバイル端末又は前記車載装置の少なくとも一方は、前記モバイル端末の現在位置を取得する前記現在位置取得手段と、前記地図情報に基づいて、前記モバイル端末の所持者が、前記降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域で前記車両から降車することなく、前記第1経路の目的地に到着すると予想される時刻である第1到着予想時刻を算出する第1算出手段と、前記地図情報と、前記モバイル端末の現在位置とに基づいて、前記モバイル端末の所持者が、前記降車予定地点とその周辺とを含む領域以外の領域で前記車両から降車した場合に、前記第1経路の目的地に到着すると予想される時刻である第2到着予想時刻を算出する第2算出手段と、を備え、前記解除条件は、前記第2到着予想時刻が前記第1到着予想時刻よりも遅いことを含む。
【0129】
上記側面3に係る経路案内システムによれば、解除条件は、第2到着予想時刻が第1到着予想時刻よりも遅いことを含むので、これら第1到着予想時刻及び第2到着予想時刻に基づいて、モバイル端末による第1経路の再探索の禁止を解除するか否かを判定することができるため、この判定の精度を高めることが可能となる。
【0130】
実施の形態の他の側面4に係る経路案内システムは、上記側面2又は上記側面3に係る経路案内システムにおいて、前記解除条件は、前記モバイル端末の現在位置が前記降車検知地点から所定距離以上離れていることを含む。
【0131】
上記側面4に係る経路案内システムによれば、解除条件は、モバイル端末の現在位置が降車検知地点から所定距離以上離れていることを含むので、モバイル端末の現在位置から降車検知地点までの距離に基づいて、モバイル端末による第1経路の再探索の禁止を解除するか否かを判定することができるため、この判定の精度を一層高めることが可能となる。