(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6201917
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】フィールドデバイスを設定するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
G05B23/02 V
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-141176(P2014-141176)
(22)【出願日】2014年7月9日
(65)【公開番号】特開2015-79486(P2015-79486A)
(43)【公開日】2015年4月23日
【審査請求日】2016年8月5日
(31)【優先権主張番号】14/057,645
(32)【優先日】2013年10月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】マメルト・ギャンゴ
(72)【発明者】
【氏名】ゴウタム・アン
(72)【発明者】
【氏名】シン・ワイ・チャン
【審査官】
加藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−043261(JP,A)
【文献】
特開2008−295025(JP,A)
【文献】
特開2009−181365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業プラントでフィールドデバイスを設定するための1次装置であって、
2次装置にアクセスするためのアプリケーションと、
前記2次装置から受信した、配置されたウェブアプリケーションであって、ユーザインターフェースおよびドライババリデータサービスを有する、配置されたウェブアプリケーションとを備え、
前記2次装置が、
ホストアプリケーションおよびドライババリデータサービスを有するウェブアプリケーションと、
フィールドデバイスドライバ配置サービスと、
前記フィールドデバイスを構成するための関連するフィールドデバイスドライバとを含み、
前記1次装置の前記ドライババリデータサービスが、前記フィールドデバイス用の関連するフィールドデバイスドライバが前記1次装置内にないことを判定すると、前記フィールドデバイスドライバ配置サービスは、前記2次装置から前記1次装置に前記関連するフィールドデバイスドライバを転送するために前記1次装置の前記ドライババリデータサービスによって起動され、
前記関連するフィールドデバイスドライバが前記1次装置に転送されると、ユーザインターフェースアプリケーションはフィールドデバイスを設定するために前記1次装置で起動される、1次装置。
【請求項2】
前記アプリケーションが、ネットワーク上で前記2次装置にアクセスするためのブラウザまたはショートカットである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記配置されたウェブアプリケーションが、前記2次装置内の前記ウェブアプリケーションの複製である、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記配置されたウェブアプリケーションが、前記1次装置の前記ブラウザを介してアクセスされる前記2次装置の前記ウェブアプリケーションである、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
フィールドデバイスを構成するためのシステムであって、
産業プラントでフィールドデバイスを設定するための1次装置と
前記1次装置を用いて産業プラントでフィールドデバイスを設定するための2次装置と、を備え、
前記1次装置は、
2次装置にアクセスするためのアプリケーションと、
前記2次装置から受信した、配置されたウェブアプリケーションであって、ユーザインターフェースおよびドライババリデータサービスを有する、配置されたウェブアプリケーションとを備え、
前記2次装置は、
ホストアプリケーションおよびドライババリデータサービスを有するウェブアプリケーションと、
フィールドデバイスドライバ配置サービスと、
前記フィールドデバイスを構成するための関連するフィールドデバイスドライバとを含み、
前記1次装置の前記ドライババリデータサービスが、前記フィールドデバイス用の関連するフィールドデバイスドライバが前記1次装置内にないことを判定すると、前記フィールドデバイスドライバ配置サービスは、前記2次装置から前記1次装置に前記関連するフィールドデバイスドライバを転送するために前記1次装置の前記ドライババリデータサービスによって起動され、
前記関連するフィールドデバイスドライバが前記1次装置に転送されると、ユーザインターフェースアプリケーションはフィールドデバイスを設定するために前記1次装置で起動されることを特徴とするシステム。
【請求項6】
1次装置によって産業プラントで少なくとも1つのフィールドデバイスを設定するためのコンピュータ実装方法であって、
2次装置の第1のアプリケーションにアクセスするステップであって、前記第1のアプリケーションがホストアプリケーションおよびドライババリデータサービスを有する、ステップと、
前記少なくとも1つのフィールドデバイス用の関連するフィールドデバイスドライバが前記1次装置内にあるかどうかを判定するステップと、
前記関連するフィールドデバイスドライバが前記1次装置内にないと、前記2次装置から前記1次装置に前記フィールドデバイスドライバを転送し、インストールするステップと、
前記少なくとも1つのフィールドデバイスを設定するためにユーザインターフェースを起動するステップと
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記第1のアプリケーションが、ネットワーク上で前記2次装置にアクセスするためのブラウザまたは前記ブラウザへのショートカットのいずれかを用いて前記1次装置からアクセスされる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
構成のために前記少なくとも1つのフィールドデバイスを識別するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、産業プラントでフィールドデバイスを設定するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業プラント用の分散制御システムでは、様々なベンダからの多くのフィールドデバイスがある。特定の機能のために、例えば、圧力制御弁、温度制御弁など、様々に異なるベンダからのフィールドデバイスがインストールされる。すべてのベンダは、特定のフィールドデバイスを表現し、設定するためにベンダ自身のソフトウェアアプリケーションを作成している。それぞれのフィールドデバイスは一意のソフトウェアアプリケーションを有し、それぞれのソフトウェアアプリケーションは異なる有用性および機能性を有し、ユーザはそれぞれのソフトウェアアプリケーションに対して訓練されなければならず、適切なソフトウェアアプリケーションを用いてフィールドデバイスごとに精通する経験を必要とする。したがって、すべてのフィールドデバイス用のソフトウェアアプリケーションをインストールし、識別するのに多くの労力および時間が必要とされる。
【0003】
様々な規格-デバイス記述(Device Description)(DD)、拡張デバイス記述(Enhanced Device Description)(EDD)、フィールドデバイスツール(Field Device Tool)(FDT)、フィールドデバイス統合(Field Device Integration)(FDI)などが、それぞれのフィールドデバイスを設定するために一意のソフトウェアアプリケーションを提供する上記の問題に対処するように編成される。この様々な規格は、フィールドデバイスを設定する共通の方法を共有する。この方法は、システムソフトウェアアプリケーションおよびフィールドデバイス特定のドライバまたはソフトウェアコンポーネントを用いることによって行われる。フィールドデバイスのベンダは、システムソフトウェアのベンダによって提供されるシステムソフトウェアアプリケーションにホストされるドライバまたはソフトウェアコンポーネントを提供する。システムソフトウェアアプリケーションにホストされたドライバまたはソフトウェアコンポーネントは、関連するフィールドデバイスを設定するのに用いられる。
【0004】
一例としてFDT技術を使用して、すべてのフィールドデバイスとホストシステムの間の通信およびコンフィギュレーションインターフェースを規格化することが確立される。フィールドデバイスのベンダはデバイスタイプマネージャ(DTM)として知られているドライバを作成し、システムのベンダはドライバをホストするためのフレームアプリケーションとして知られているホストアプリケーションを作成する。
【0005】
図1は、フィールドデバイス10を設定するための従来技術のシステムを示す。フィールドデバイス10は、コンピュータなどの宛先装置12に接続される。ユーザは、宛先装置12を用いてフィールドデバイス10を設定するためにホストアプリケーション14およびフィールドデバイスドライバ16をインストールしなければならない。いくつかのフィールドデバイス10では、フィールドデバイスドライバ16のカタログが、ドライバ16を用いるためにホストアプリケーション14に対して更新されなければならない。インストールが宛先装置12で完了した後、フィールドデバイス10の情報が設定または修正のために宛先装置12のユーザインターフェース20に示される。インストールおよび設定は、それぞれの宛先装置12の新しいフィールドデバイス10ごとにユーザによって手動で行われる。
【0006】
サービスは、提供者および要求者の観点から首尾一貫した機能性を形成するタスクを実行する能力を表現する抽象的な資源として定義されている。使用されるためには、サービスは具体的なプロバイダ業者によって実現されなければならない。
【0007】
インストールおよび設定に使用されるサービスは、サービスアプリケーション18内に記憶されて、フィールドデバイス10、ホストアプリケーション14およびフィールドデバイスドライバ16またはカタログ内のドライバ16の間の通信を可能にする。
【0008】
一例のシナリオでは、ユーザが10個の宛先装置12を用いてフィールドデバイス10で試験または設定を行う前に、10個のすべての宛先装置12は上述のように手動で設定されなければならない。
【0009】
さらに別のシナリオでは、ホストアプリケーション14に対するソフトウェア拡張があると、ユーザはソフトウェア拡張を手動でそれぞれの宛先装置12にインストールしなければならない。
【0010】
ホストアプリケーションのインストール、ドライバのインストール、フィールドデバイスドライバのカタログの更新、拡張のインストールおよび設定は、手動で行われるので、手動で修正される必要がある多くのフィールドデバイス10および/または多くの宛先装置12があると非常に冗長である。この側面において改善の必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様では、産業プラントでフィールドデバイスを設定するための1次装置が提供される。1次装置は、2次装置にアクセスするためのアプリケーションを備え、2次装置は、ホストアプリケーションおよびドライババリデータサービスを有するウェブアプリケーション、フィールドデバイスドライバ配置サービス、およびフィールドデバイスを設定するための関連するフィールドデバイスドライバを含む。1次装置はまた、2次装置から受信された、配置されたウェブアプリケーションを備え、配置されたウェブアプリケーションは、ユーザインターフェースおよびドライババリデータサービスを有する。好ましくは、1次装置のドライババリデータサービスが、フィールドデバイス用の関連するフィールドデバイスドライバが1次装置内にないことを判定すると、フィールドデバイスドライバ配置サービスは、2次装置から1次装置に関連するフィールドデバイスドライバを転送するために1次装置のドライババリデータサービスによって起動され、関連するフィールドデバイスドライバが1次装置に転送されると、ユーザインターフェースアプリケーションはフィールドデバイスを構成するために1次装置で起動される。
【0012】
アプリケーションは、ネットワーク上で2次装置にアクセスするためのブラウザまたはショートカットであることが好ましい。さらに、配置されたウェブアプリケーションは、2次装置内のウェブアプリケーションの複製であってもよい。配置されたウェブアプリケーションは、1次装置のブラウザを介してアクセスされる2次装置のウェブアプリケーションであることが好ましい。
【0013】
第2の態様では、1次装置の産業プラントでフィールドデバイスを設定するための2次装置も提供される。2次装置は、ホストアプリケーション、1次装置に配置するためのウェブアプリケーションであって、ホストアプリケーションおよびドライババリデータサービスを有する、ウェブアプリケーション、関連するフィールドデバイスドライバ、およびフィールドデバイスを設定するために2次装置から1次装置に関連するフィールドデバイスドライバを転送するためのフィールドデバイスドライバ配置サービスを備える。
【0014】
第3の態様では、1次装置および2次装置を用いてフィールドデバイスを構成するためのシステムも提供される。
【0015】
最後の態様では、1次装置の産業プラントで少なくとも1つのフィールドデバイスを構成するためのコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、2次装置の第1のアプリケーションにアクセスするステップであって、第1のアプリケーションがホストアプリケーションおよびドライババリデータサービスを有する、ステップと、少なくとも1つのフィールドデバイス用の関連するフィールドデバイスドライバが1次装置内にあるかどうかを判定するステップと、関連するフィールドデバイスドライバが1次装置内にないと、2次装置から1次装置にフィールドデバイスドライバを転送し、インストールするステップと、少なくとも1つのフィールドデバイスを設定するためにユーザインターフェースを起動するステップとを含む。
【0016】
好ましくは、第1のアプリケーションは、ネットワーク上で2次装置にアクセスするためのブラウザまたはブラウザへのショートカットのいずれかを用いて1次装置からアクセスされる。さらに、この方法は、設定のために少なくとも1つのフィールドデバイスを識別するステップをさらに含んでもよい。
【0017】
本発明を完全に理解し、容易に実用的な効果に付することができるために、これから非限定的な例として本発明の好ましい実施形態のみを説明するものとし、説明は添付の説明図を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図4】フィールドデバイスドライバのカタログ内のテーブルの例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
これから本発明の好ましい実施形態への参照を詳細に行い、この例は添付の図面に例示される。本発明は好ましい実施形態と関連して説明されるが、これらの好ましい実施形態は、本発明をこれらの実施形態に制限するものではないことを理解されたい。逆に、本発明は代替形態、修正形態および等価形態を包含するものとし、これらの代替形態、修正形態および等価形態は添付の特許請求の範囲によって定義されるように本発明の精神および範囲内に含まれてもよい。さらに、本発明の次の詳細な説明において、本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が記載される。しかし、本発明をこれらの具体的な詳細なしに実行することができることは当業者には明らかであろう。他の例では、よく知られた方法、手順、構成要素、および特徴は、本発明の態様を不必要に不明瞭にしないように詳細に説明されていない。
【0020】
図3を参照すると、1次装置304を用いて産業プラントの分散制御システム(「DCS」)内でフィールドデバイス302を設定するためのシステム300が提供される。フィールドデバイス302は、ネットワーク310によって2次装置308に接続されてもよい。ネットワーク310は、例えばイーサネット(登録商標)、USBなど有線または無線の物理的な接続であってもよい。ネットワーク310は、公用または私用のどちらでもよい。
【0021】
1次装置304は、フィールドデバイス302を設定(configure))、試験および/または監視することができる。1次装置304の例には、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、タブレット、ハンドヘルド装置、プロセッサ、ディスプレイおよび入力手段(タッチスクリーンディスプレイを含む)を含む任意のこのような装置などが挙げられる。さらに、1次装置304は、2次装置308にアクセスするためのアプリケーション306を有する。好ましくは、アプリケーション306は、スタートアップ時またはユーザによって自動的に起動させることができるブラウザである。ブラウザ306は、Internet Explorer、Chrome、Firefox、Safariなどのいずれであってもよい。
【0022】
1次装置304は、ネットワーク310を介して2次装置308と通信状態にある。2次装置308は、フィールドデバイス302を設定するためのユーザインターフェースの形で、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、少なくともプロセッサ、少なくともフィールドデバイスドライバ318、ウェブアプリケーション316を記憶するための記憶装置、およびホストアプリケーションを有する任意のこのような装置であってもよい。
【0023】
ウェブアプリケーションは、階層ディレクトリおよび階層ファイル(パックされていない形式)または同じ階層を反映するファイル(パックされた形式)として表現されてもよい。ウェブアプリケーションは、
・ ウェブコンポーネント。ウェブコンポーネントは、ホストアプリケーションと対話するためにウェブベースのクライアント(ブラウザ)によって用いられるサーバ側のオブジェクトとして定義される。
・ 画像などの静的資源ファイル
・ ヘルパクラス
・ ライブラリ
・ 配置記述子(.xmlファイル)
を含む配置可能なパッケージである。
【0024】
ウェブアプリケーション316は、ホストアプリケーション312およびドライババリデータサービス314を含む。ドライババリデータサービス314は、フィールドデバイス302用の関連するデバイスドライバ318がドライババリデータが設置された装置で使用可能であるかどうかを判定する。この場合では、それは2次装置308である。この判定は、フィールドデバイスドライバ318のカタログまたはデータベースを検索することによって行われる。
【0025】
ユーザは、ネットワーク310を介して、ウェブアドレスとしても知られているユニフォームリソースロケータ(uniform resource locator)、略してURL、を使用して、2次装置308のウェブアプリケーション316にアクセスするために、1次装置304のブラウザ306を用いる。ウェブアプリケーション316の複製が、配置されたウェブアプリケーション326として1次装置304に配置される。配置されたウェブアプリケーション326が1次装置304内にすでにある場合、ブラウザ306は配置されたウェブアプリケーション326を起動する。
【0026】
ウェブアプリケーション326が1次装置304に配置されると、2次装置308のドライババリデータサービス314はドライババリデータサービス324として配置される。ドライババリデータサービス324は、フィールドデバイス302用の関連するデバイスドライバ318が1次装置304で使用可能であるかどうかを判定する。ホストアプリケーション322は、フィールドデバイス302を設定するために1次装置304のユーザインターフェース322として自動的に起動される。このことは、ユーザが関連するフィールドデバイスドライバ318およびホストアプリケーション322を手動でインストールし、次いでフィールドデバイスを設定するためにユーザインターフェースとしてホストアプリケーション322を手動で起動する労力を低減することによって、フィールドデバイス302を設定する効率を向上させる。
【0027】
フィールドデバイスドライバ318はフィールドデバイス302を設定するのに必要であり、デバイス記述(「DD」)、デバイスタイプマネージャ(「DTM」)、フィールドデバイス統合(「FDI」)デバイスパッケージなどの形式であってもよい。フィールドデバイスドライバ318は、2次装置308のメモリ記憶装置に記憶される。いくつかの場合では、フィールドデバイスドライバ318は複数のコンポーネントを有する。このような場合では、フィールドデバイスドライバ318はフィールドデバイスドライバパッケージと呼ばれる。判定は、フィールドデバイス302の設定に必要とされるそれぞれのコンポーネントに基づく。必要なすべてのコンポーネントの使用可能性は、ウェブアプリケーション326によって判定される。通常は、産業プラントが複数のフィールドデバイス302のタイプを有するので、フィールドデバイス302のタイプについてそれぞれ、複数のフィールドデバイスドライバ318がある。フィールドデバイスドライバ318はデータベースに記憶され、フィールドデバイスドライバ318のカタログは種々のフィールドデバイス302にとって使用可能なフィールドデバイスドライバ318をリストにする。
【0028】
図4は、フィールドデバイスドライバ318のカタログ内のルックアップテーブル400の例を示す。列402はフィールドデバイス302用のタイプ識別子のリストであり、タイプ識別子の例は製造業者、モデルおよびリビジョンである。列404は、対応するフィールドデバイスドライバ318である。
【0029】
2次装置308は、フィールドデバイス302のインストール、設定および修正に使用されるサービスを記憶するサービスアプリケーション330を含む。このサービスは、フィールドデバイス302、1次装置304、2次装置308ならびに1次装置304および2次装置308内の任意の他のコンポーネント間の通信を可能にすることになっている。
【0030】
フィールドデバイスドライバ配置サービス332により、関連するフィールドデバイスドライバ318が必要な時に自動的に1次装置304に転送されることが可能となる。この利点は、ユーザインターフェース322が起動されると、ユーザはこの設定を続行することができ、したがって手動でフィールドデバイスドライバ318を転送する時間および労力を省くことである。
【0031】
サービスアプリケーション330によって提供される他のサービスは、認証サービスを含む。この認証サービスは、1次装置304でログインされるユーザがサービスアプリケーション330にアクセスすることを許可されているかどうかをチェックする。このチェックは、ログインしたユーザとアクセスできるユーザのリストを比較することによって行われる。
【0032】
別のサービスは、ユーザインターフェース322とサービスアプリケーション330の間のメッセージを送信および受信することを可能にするデバイス通信サービスである。セッションマネージャサービスが、サービスアプリケーション330との1次装置304の接続を管理するために提供される。
【0033】
サービスアプリケーション330は、ネットワーク310を用いて1次装置304およびそのコンポーネントと通信状態にある。
【0034】
複数のブラウザ306を1次装置304に設けることができ、それぞれのブラウザは異なるフィールドデバイスを構成するのに用いられる。あるいは、ブラウザは複数のタブを有することができ、それぞれのタブは異なるフィールドデバイスを設定するためのものである。有利には、いくつかのフィールドデバイスを同時に構成することができる。
【0035】
図2を参照すると、1次装置304を用いてフィールドデバイス302を設定するためのシステム300内のコンピュータ実装方法200が提供される。ステップ201では、ユーザは1次装置304のブラウザ306を起動する。
【0036】
ステップ202では、フィールドデバイス302は2次装置308によってスキャンされる。識別は、オンラインモードまたはオフラインモードで行われてもよい。オンラインモードでは、1次装置304、2次装置308およびフィールドデバイス302はネットワーク310に接続される。オフラインモードでは、1次装置304および2次装置308はネットワーク310に接続され、フィールドデバイス302はネットワーク310に接続されず、フィールドデバイス302のデータベースは2次装置308によるアクセスのために使用可能である。フィールドデバイスのデータベースは、1次装置304、2次装置308またはネットワーク310上でアクセス可能な任意の他の外部記憶装置上にあってもよい。
【0037】
オンラインモードでは、スキャンはフィールドデバイス302を識別するためにネットワーク310内で行われる。オフラインモードでは、スキャンはデータベース内で行われる。
【0038】
スキャンされたフィールドデバイス302のリストが、ステップ203で提供される。ステップ204では、ユーザは構成のための所望のフィールドデバイス302を選択することができる。
【0039】
ステップ205では、サービスアプリケーション330内のサービスにより、1次装置304内の配置されたウェブアプリケーション326が2次装置308と通信してフィールドデバイス302の設定に必要とされるフィールドデバイスドライバ318を判定することが可能となる。この判定は、フィールドデバイス302の設定に必要とされるそれぞれのコンポーネントに基づく。必要なすべてのコンポーネントの使用可能性は、ウェブアプリケーション326によって判定される。
【0040】
あるいは、ステップ205は、フィールドデバイスドライバ318のカタログからフィールドデバイス302用の関連するフィールドデバイスドライバ318を識別する。この識別は、選択されたフィールドデバイス302を設定するためのフィールドデバイスドライバ318と一致することによって行われてもよい。この識別は、タイプ識別子402によってフィールドデバイス302に対応するまたは関連するフィールドデバイスドライバ318をリストにするルックアップテーブル400を用いて行われてもよい。
【0041】
ステップ206は、1次装置304内のドライババリデータサービス324によって実行されて、識別された関連するフィールドデバイスドライバ318が1次装置304にインストールされたかどうかを判定する。
【0042】
識別された関連するフィールドデバイスドライバ318が1次装置304にインストールされない場合、ステップ207で示すようにフィールドデバイスドライバ318のコピーが2次装置308から1次装置304に転送される。転送後、ステップ208は転送されたフィールドデバイスドライバ318を1次装置304にインストールする。ステップ209は、転送されたフィールドデバイスドライバ318のインストールが成功裏に実行されたかどうかを判定する。有利には、ユーザは必要なフィールドデバイスドライバ318を設置する必要がなく、フィールドデバイスドライバ318のインストールを手動で実行する必要がない。転送されたフィールドデバイスドライバ318のインストールが不成功であるように思われた場合、プロセスはユーザへのエラーメッセージを伴って終了する。このようなエラーメッセージは、エラーを提示し、かつ/またはエラーのソースを識別することができる。
【0043】
ステップ210は、選択されたフィールドデバイス302を設定するためにユーザインターフェース322を自動的に起動し、表示する。ユーザインターフェース322は、関連するフィールドデバイスドライバ318が1次装置304にすでにインストールされたことを判定されると表示される。
【0044】
ユーザが同時に複数のフィールドデバイス302を1次装置304によって設定することを望む場合、1つのユーザインターフェース322がそれぞれのフィールドデバイス302に提供される。それぞれのユーザインターフェース322は、別々のブラウザウィンドウまたは1つのブラウザウィンドウの別々のタブに提供されてもよい。
【0045】
フィールドデバイス302を設定するために本発明を使用すると、複数のホストアプリケーション322またはフィールドデバイスドライバ318のデータベースをインストールする必要がない。関連するフィールドデバイスドライバ318のみ、インストールのために1次装置304に自動的に転送される。このことは、1次装置304でのデータ記憶の必要を低減させる。したがって、タブレットまたはハンドヘルド装置などのいずれのモバイル装置も1次装置304としての使用に適している。このことは、遠隔的にまたは局所的にどんな位置でも行われることができるフィールドデバイスの設定/監視のユーザの利便性を向上させる。
【0046】
さらに、ホストアプリケーション322が2次装置308で処理を実行すると、1次装置304はより低い処理能力で動作することができる。このことにより、1次装置304のタイプを選択する際の柔軟性が可能となる。
【符号の説明】
【0047】
10 フィールドデバイス
12 宛先装置
14 ホストアプリケーション
16 フィールドデバイスドライバ
18 サービスアプリケーション
20 ユーザインターフェースアプリケーション
200 コンピュータ実装方法
300 システム
302 フィールドデバイス
304 1次装置
306 アプリケーション、ブラウザ
308 2次装置
310 ネットワーク
312 ホストアプリケーション
314 ドライババリデータサービス
316 ウェブアプリケーション
318 フィールドデバイスドライバ
322 ホストアプリケーション
324 ドライババリデータサービス
326 ウェブアプリケーション
330 サービスアプリケーション
332 フィールドデバイスドライバ配置サービス
400 ルックアップテーブル
402 列、タイプ識別子
404 列