特許第6201934号(P6201934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6201934
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】内装材用作業台
(51)【国際特許分類】
   B25H 1/10 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
   B25H1/10
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-173155(P2014-173155)
(22)【出願日】2014年8月27日
(65)【公開番号】特開2016-47571(P2016-47571A)
(43)【公開日】2016年4月7日
【審査請求日】2016年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【識別番号】100151644
【弁理士】
【氏名又は名称】平岩 康幸
(72)【発明者】
【氏名】権藤 翔一
(72)【発明者】
【氏名】近松 裕輝
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−116299(JP,A)
【文献】 特開2005−161433(JP,A)
【文献】 特開平7−110049(JP,A)
【文献】 特開平8−300235(JP,A)
【文献】 特表2005−523138(JP,A)
【文献】 特開平7−40164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25H 1/00 − 1/20
B23Q 3/02
B23P 19/00 − 21/00
B60R 13/00 − 13/08
B62D 25/00
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内装材の表面に所定部品を組み付ける際に前記内装材を載せて支持する内装材用作業台であって、
前記内装材を載置可能であり、内部への流体の供給で膨らみ且つ内部からの流体の排出で縮む袋体と、
前記袋体の内部に対して流体を供給及び排出するための流体給排機構と、を備え、
前記袋体上に前記内装材を載せたときに、前記流体給排機構により前記袋体の内部に供給された流体が排出されることを特徴とする内装材用作業台。
【請求項2】
前記袋体の内部には、前記袋体上に載せられた前記内装材の重さで変形して前記内装材を支持する支持体が備えられている請求項1記載の内装材用作業台。
【請求項3】
前記支持体は、粒状物からなる請求項2記載の内装材用作業台。
【請求項4】
前記袋体は、ゴムからなり、その外面がカバーで覆われている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内装材用作業台。
【請求項5】
前記袋体上の前記内装材の有無を検知する検知センサと、
前記検知センサの検知結果に応じて前記流体給排機構を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記検知センサの検知結果に基づいて前記袋体上に前記内装材が有ることを判断したときに、前記袋体の内部から流体を排出し、その後、前記検知センサの検知結果に基づいて前記袋体上に前記内装材が無いことを判断したときに、前記袋体の内部に流体を供給するように前記流体給排機構を制御する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の内装材用作業台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内装材用作業台に関し、さらに詳しくは、内装材の表面に所定部品を組み付ける際に内装材を載せて支持する内装材用作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の内装材用作業台として、天井材の表面に所定部品を組み付ける際に天井材を載せて支持する天井材用作業台が一般に知られている。この天井材用作業台101は、例えば、図8に示すように、特定の天井材102の形状に応じて製作された樹脂製の受け治具104を備えている。そして、その受け治具104上に載せられた天井材102の表面への所定部品の組付作業(例えば、天井材の表面へのワイヤーハーネスの組付作業等;特許文献1参照)が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−264137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の種類等によって、天井材の形状(例えば、全体形状、凹凸形状等)が異なっている。しかし、従来の天井材用作業台101では、特定の天井材102の形状に応じて作製された樹脂製の受け治具104を備えているので、車種毎に異形である天井材102に応じて受け治具104、即ち作業台101を製作する必要があった。その結果、作業台101の設備コストが増加し、また工程内の作業台101のスペースが増加してしまう問題があった。なお、上述の問題は、天井材以外のドアトリム、ピラートリム、フロアカーペット等の車両内装材を載せて支持する内装材用作業台においても同様に生じる。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、様々な形状の内装材を載せて所定部品を組み付けることができる内装材用作業台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、内装材の表面に所定部品を組み付ける際に前記内装材を載せて支持する内装材用作業台であって、前記内装材を載置可能であり、内部への流体の供給で膨らみ且つ内部からの流体の排出で縮む袋体と、前記袋体の内部に対して流体を供給及び排出するための流体給排機構と、を備え、前記袋体上に前記内装材を載せたときに、前記流体給排機構により前記袋体の内部に供給された流体が排出されることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記袋体の内部には、前記袋体上に載せられた前記内装材の重さで変形して前記内装材を支持する支持体が備えられていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記支持体は、粒状物からなることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記袋体は、ゴムからなり、その外面がカバーで覆われていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発明において、前記袋体上の前記内装材の有無を検知する検知センサと、前記検知センサの検知結果に応じて前記流体給排機構を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記検知センサの検知結果に基づいて前記袋体上に前記内装材が有ることを判断したときに、前記袋体の内部から流体を排出し、その後、前記検知センサの検知結果に基づいて前記袋体上に前記内装材が無いことを判断したときに、前記袋体の内部に流体を供給するように前記流体給排機構を制御することを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の内装材用作業台によると、内装材を載置可能であり、内部への流体の供給で膨らみ且つ内部からの流体の排出で縮む袋体と、袋体の内部に対して流体を供給及び排出するための流体給排機構と、を備え、袋体上に内装材を載せたときに、流体給排機構により袋体の内部に供給された流体が排出される。これにより、袋体上に内装材を載せたときに、内装材の形状に追従して馴染むように袋体が縮むことで、内装材が袋体で安定的に支持される。よって、様々な形状の内装材を作業台に載せて所定部品を組み付けることができる。その結果、従来のように内装材の形状に応じて製作された受け治具を備えるものに比べて、作業台の設備コスト及びスペースを低減することができる。
また、前記袋体の内部に、前記袋体上に載せられた前記内装材の重さで変形して前記内装材を支持する支持体が備えられている場合は、袋体上に内装材を載せたときに、内装材の形状に追従して馴染むように袋体が縮むとともに内装材の重さで支持体が変形する。よって、内装材が袋体及び支持体で更に安定的に支持される。
また、前記支持体が、粒状物からなる場合は、内装材の形状に対する支持体の追従性が更に高められるとともに、内装材を更に安定的に支持できる。
また、前記袋体が、ゴムからなり、その外面がカバーで覆われている場合は、カバーを清掃することで、内装材への塵、埃等の異物の付着を抑制できる。
さらに、検知センサと、制御部と、を備え、前記制御部が、前記検知センサの検知結果に基づいて前記袋体上に前記内装材が有ることを判断したときに、前記袋体の内部から流体を排出し、その後、前記検知センサの検知結果に基づいて前記袋体上に前記内装材が無いことを判断したときに、前記袋体の内部に流体を供給するように前記流体給排機構を制御する場合は、作業台での内装材の組付作業毎に袋体が自動的に膨縮される。よって、様々な形状の内装材をランダムに組付作業する場合であっても、作業台に内装材を効率良く載せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
図1】実施例に係る天井材用作業台の斜視図である。
図2】上記天井材用作業台を模式的に示す平面図である。
図3】実施例に係るエア給排機構を説明するための説明図である。
図4図3のIV−IV線断面図であり、(a)はエア供給により袋体が膨らんだ状態を示し、(b)はエア排出により袋体が縮んだ状態を示す。
図5】実施例に係る天井材の斜視図であり、(a)は所定部品の組付前の状態を示し、(b)は所定部品の組付後の状態を示す。
図6】上記天井材用作業台の作用説明図であり、(a)は天井材を載せる前の状態を示し、(b)は天井材を載せた後の状態を示す。
図7】上記天井材用作業台の作用説明図であり、(a)は天井材を降ろした後の状態を示し、(b)は袋体へのエア供給中の状態を示す。
図8】従来の天井材用作業台の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
<内装材用作業台>
本実施形態に係る内装材用作業台は、内装材(2)の表面に所定部品(31a〜31d)を組み付ける際に内装材を載せて支持する内装材用作業台(1)であって、内装材を載置可能であり、内部への流体の供給で膨らみ且つ内部からの流体の排出で縮む袋体(3)と、袋体の内部に対して流体を供給及び排出するための流体給排機構(7)と、を備える(例えば、図1図3等参照)。そして、上記袋体(3)上に内装材(2)を載せたときに、流体給排機構(7)により袋体の内部に供給された流体が排出される(例えば、図4(b)等参照)。
【0011】
本実施形態に係る内装材用作業台としては、例えば、上記袋体(3)の内部には、袋体上に載せられた内装材(2)の重さで変形して内装材を支持する支持体(11)が備えられている形態(例えば、図4等参照)を挙げることができる。この支持体としては、例えば、粒状物の集合体、繊維マット等の繊維体、ウレタンフォーム等の発泡体、ゼリー状体等を挙げることができる。これらのうち、支持体の変形性及び支持性といった観点から、粒状物の集合体であることが好ましい。この粒状物としては、蕎麦殻、籾殻、麦殻等の穀物殻、クスクス、小豆、発泡スチロールチップ、樹脂ビーズ、樹脂パイプ等を挙げることができる。これらのうち、支持体の変形性及び支持性といった観点から、異形状で比較的軽く安価な穀物殻であることが好ましい。
【0012】
本実施形態に係る内装材用作業台としては、例えば、上記袋体(3)は、ゴムからなり、その外面がカバー(18)で覆われている形態(例えば、図1及び図2等参照)を挙げることができる。
【0013】
本実施形態に係る内装材用作業台としては、例えば、上記袋体(3)上の内装材(2)の有無を検知する検知センサ(26)と、検知センサの検知結果に応じて流体給排機構(7)を制御する制御部(27)と、を備え、制御部は、検知センサの検知結果に基づいて袋体上に内装材が有ることを判断したときに、袋体の内部から流体を排出し、その後、検知センサの検知結果に基づいて袋体上に内装材が無いことを判断したときに、袋体の内部に流体を供給するように流体給排機構を制御する形態(例えば、図3図6及び図7等参照)を挙げることができる。
【0014】
<内装材への部品組付方法>
本実施形態に係る内装材への部品組付方法は、上記実施形態に係る内装材用作業台(1)を用いる内装材への部品組付方法であって、袋体(3)上に内装材(2)を載せたときに袋体の内部から流体を排出して袋体を縮ませる工程と、袋体(3)上に載せられた内装材(2)の表面に所定部品(31a〜31d)を組み付ける工程と、その組付後に袋体(3)上から内装材(2)を降ろしたときに袋体の内部に流体を供給して袋体を膨らませる工程と、を備える(例えば、図6及び図7等参照)。これにより、作業台での内装材の組付作業毎に袋体が膨縮される。よって、様々な形状の内装材をランダムに組付作業する場合であっても、作業台に内装材を効率良く載せることができる。
【0015】
なお、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。
【実施例】
【0016】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例では、本発明に係る「内装材用作業台」として、天井材2(図5(a)参照)を載せて支持する天井材用作業台を例示する。
【0017】
(1)天井材用作業台の構成
本実施例に係る天井材用作業台1は、図1及び図2に示すように、1又は2以上の袋体3を備える複数の可変支持部5a、5b、5c、5d、5eと、袋体3を備えない複数の固定支持部6a、6b、6cと、袋体3の内部に対してエアを供給及び排出するためのエア給排機構7(図3参照;本発明に係る「流体給排機構」として例示する。)と、を備えている。これら可変支持部5a〜5e及び固定支持枠6a〜6cは、支持枠台9に支持されている。また、可変支持部5a〜5eは、天井材2の車種毎に異なる形状部分を支持するように平面方向に分散して配されている。さらに、固定支持部6a〜6cは、天井材2の車種毎に共通な形状部分を支持するように平面方向に分散して配されている。
【0018】
上記袋体3は、図4に示すように、ゴム製の風船であり、天井材2を載置可能とされている。また、袋体3は、内部へのエアの供給で膨張し且つ内部からのエアの排出で収縮する。さらに、袋体3の内部には、袋体3上に載せられた天井材2の重さで変形して袋体3とともに天井材2を支持する支持体11が備えられている。この支持体11は、所定量の蕎麦殻12(本発明に係る「粒状物」として例示する。)の集合体からなされている。また、袋体3の口部3aには、エア給排管14が挿入されて固定バンド15で固定されている。このエア給排菅14の開口端側には、エア給排管14内への蕎麦殻12の浸入を防止するためのフィルタ16が装着されている。また、各可変支持部5a〜5eにおいては、1又は2以上の袋体3の外面がカバー18で覆われている(図1及び図2参照)。このカバー18は、塵、埃等の異物が付着し難い革等の材質からなり、異物の付着を視認し易い黒色を有している。さらに、袋体3は、支持枠台9に取り付けられたベース板19上に載置され、床面から所定高さの位置に配されている(図3参照)。
【0019】
上記エア給排機構7は、図3に示すように、各可変支持部5a〜5eの各袋体3のエア給排管14とコンプレッサ21とを連絡する配管22と、この配管22の途中に配されてエア給排管14とコンプレッサ21との連絡状態を切り換える切換弁24と、を備えている。この配管22の途中には、エア圧力を調整するためのレギュレータ23が配されている。
【0020】
上記切換弁24は、エア給排管14とコンプレッサ21との連絡を遮断する第1状態と、エア給排管14を大気に開放する第2状態と、エア給排管14とコンプレッサ21とを連絡する第3状態と、に切り換え可能とされている。この第1状態では、袋体3の内部に対するエアの供給及び排出が停止される。また、第2状態では、袋体3の内部からエアが排気される。さらに、第3状態では、袋体3の内部にコンプレッサ21からエアが供給される。
【0021】
上記天井材用作業台1は、袋体3上の天井材2の有無を検知する検知センサ26と、検知センサ26の検知結果に応じてエア給排機構7を制御する制御部27と、を備えている。この検知センサ26は、支持枠台9に取り付けられている。なお、検知センサ26としては、例えば、遮光センサ、重量センサ、近接センサ、リミットスイッチ等を採用することができる。
【0022】
上記制御部27は、検知センサ26及び切換弁24に電気的に接続されており、検知センサ26からの検知結果に応じて切換弁24を切換え制御する。具体的に、制御部27は、検知センサ26の検知結果に基づいて袋体3上に天井材2が有ること(すなわち、袋体3上に天井材2が載せられたこと)を判断したときに、切換弁24を第2状態として袋体3の内部からエアを排出させる(図6参照)。その後、制御部27は、検知センサ26の検知結果に基づいて袋体3上に天井材2が無いこと(すなわち、袋体3上から天井材2が降ろされたこと)を判断したときに、切換弁24を第3状態として袋体3の内部にエアを供給させる(図7参照)。そして、制御部27は、第3状態で所定時間経過してから切換弁24を第1状態として袋体3の内部に対するエアの給排を停止させる。
【0023】
(2)天井材用作業台の作用
次に、上記構成の天井材用作業台1の作用について説明する。なお、本実施例では、様々な形状の天井材2をランダムに組付作業するものとする。
【0024】
図6(a)に示すように、天井材用作業台1に天井材2を載せる前の状態では、各可変支持部5a〜5eにおいて、エア供給により袋体3が膨張されている。この状態より、天井材用作業台1に天井材2を載せると、制御部27は、検知センサ26の検知信号の入力(又は非入力)により袋体3上に天井材2が有ることを判断する。そして、図6(b)に示すように、制御部27によるエア給排機構7の作動制御により、各袋体3の内部からエアが排出されて袋体3が収縮される。このとき、天井材2の形状に追従して馴染むように袋体3が縮むとともに天井材2の重さで支持体11が変形し、天井材2が袋体3及び支持体11で支持される。
【0025】
次いで、天井材用作業台1に載せられた天井材2の表面への所定部品の組付作業が行われる。この組付作業において、天井材2の表面に押圧力が付与されるが、その押圧力により支持体11が更に変形して天井材2の折れ曲がり等が抑制される。なお、上記所定部品としては、例えば、図5(b)に示すように、ワイヤーハーネス31a、バニティランプ31b、チップウレタン31c(干渉材)、サイレンサ31d(防音材)等を挙げることができる。
【0026】
その後、天井材2への所定部品31a〜31dの組付作業が完了したら、図7(a)に示すように、天井材用作業台1から天井材2を降ろす。このとき、制御部27は、検知センサ26の検知信号の非入力(又は入力)により袋体3上に天井材2が無いことを判断する。そして、図7(b)に示すように、制御部27によるエア給排機構7の作動制御により、各袋体3の内部にエアが供給されて袋体3が膨張され、その後、各袋体3の内部へのエアの給排が遮断されて袋体3の膨張状態が維持される。その後、天井材用作業台1に新たな組付作業前の天井材2を載せて上述の作業が繰り返される。
【0027】
(3)実施例の効果
本実施例の天井材用作業台1によると、天井材2を載置可能であり、内部へのエアの供給で膨らみ且つ内部からのエアの排出で縮む袋体3と、袋体3の内部に対してエアを供給及び排出するためのエア給排機構7と、を備え、袋体3上に天井材2を載せたときに、エア給排機構7により袋体3の内部に供給されたエアが排出される。これにより、袋体3上に天井材2を載せたときに、天井材2の形状に追従して馴染むように袋体3が縮むことで、天井材2が袋体3で安定的に支持される。よって、様々な形状の天井材2を作業台1に載せて所定部品31a〜31dを組み付けることができる。その結果、従来のように内装材の形状に応じて製作された受け治具104を備える天井材用作業台101(図8参照)に比べて、作業台1の設備コスト及びスペースを低減することができる。
【0028】
また、本実施例では、袋体3の内部には、袋体3上に載せられた天井材2の重さで変形して天井材2を支持する支持体11が備えられている。これにより、袋体3上に天井材2を載せたときに、天井材2の形状に追従して馴染むように袋体3が縮むとともに天井材2の重さで支持体11が変形する。よって、天井材2が袋体3及び支持体11で更に安定的に支持される。
【0029】
また、本実施例では、支持体11は、粒状物12からなるので、天井材2の形状に対する支持体11の追従性(変形性)が更に高められるとともに、天井材2を更に安定的に支持できる。特に、本実施例では、粒状物12として、異形状で比較的軽く安価な蕎麦殻12を採用したので、支持体11の変形性及び支持性をバランス良く高めることができる。
【0030】
また、本実施例では、袋体3は、ゴムからなり、その外面がカバー18で覆われている。これにより、カバー18を清掃することで、天井材2への塵、埃等の異物の付着を抑制できる。これに対して、カバー18を備えない場合、ゴム製の袋体3上に付着する塵、埃等の異物の清掃が煩雑であり、天井材2に異物が乗り移り易くなる。
【0031】
さらに、本実施例では、検知センサ26と、制御部27と、を備え、制御部27は、検知センサ26の検知結果に基づいて袋体3上に天井材2が有ることを判断したときに、袋体3の内部からエアを排出し、その後、検知センサ26の検知結果に基づいて袋体3上に天井材2が無いことを判断したときに、袋体3の内部にエアを供給するようにエア給排機構7を制御する。これにより、作業台1での天井材2の組付作業毎に袋体3が自動的に膨縮される。よって、様々な形状の天井材2をランダムに組付作業する場合であっても、作業台1に天井材2を効率良く載せることができる。
【0032】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、袋体3の内部に支持体11を備える形態を例示したが、これに限定されず、例えば、袋体3の内部に支持体11を備えないようにしてもよい。この場合、例えば、膨張状態の袋体3上に天井材2を載せ、天井材2の形状に追従して馴染むように袋体3を収縮してその収縮状態を維持することで、袋体3上に天井材2を支持できる。さらに、例えば、収縮状態の袋体3上に天井材2を載せ、天井材2の形状に追従して馴染むように袋体3を膨張してその膨張状態を維持することで、袋体3上に天井材2を支持できる。
【0033】
また、上記実施例では、組付作業の完了後に袋体3上から天井材2を降ろしてから袋体3を膨らませるようにしたが、これに限定されず、例えば、組付作業の完了後に袋体3上に天井材2を載せたままで袋体3を膨らませるようにしてもよい。
【0034】
また、上記実施例では、制御部27の制御により作動されるエア給排機構7を例示したが、これに限定されず、例えば、使用者の操作により作動されるエア給排機構としてもよい。この場合、例えば、エア給排管14とコンプレッサ21との連絡状態を切り換える切換弁として、使用者の操作により切り換え可能なものが使用される。
【0035】
また、上記実施例では、様々な形状の天井材2をランダムに組付作業することを前提として、作業台1での天井材2の組付作業毎に袋体3を膨縮させるようにしたが、これに限定されず、例えば、同じ形状の天井材2を繰り返して組付作業する場合には、最初に作業台1に天井材2を載せたときに袋体3を縮ませてその収縮状態を維持させ、その後、収縮状態の袋体3上に同じ形状の天井材2を載せるようにしてもよい。
【0036】
また、上記実施例では、支持体として粒状物12の集合体を例示したが、これに限定されず、例えば、繊維マット等の繊維体、ウレタンフォーム等の発泡体、ゼリー状体である支持体を採用してもよい。さらに、上記実施例では、粒状物として蕎麦殻を例示したが、これに限定されず、例えば、籾殻、麦殻、クスクス、小豆、発泡スチロールチップ、樹脂ビーズ、樹脂パイプ等を採用してもよい。
【0037】
また、上記実施例では、ゴム製の袋体3を例示したが、これに限定されず、例えば、不織布製、樹脂製、紙製等の袋体を採用してもよい。また、上記実施例では、外面をカバー18で被覆した袋体3を例示したが、これに限定されず、例えば、カバー18を備えず、袋体3の外面上に直接的に天井材2を載せるようにしてもよい。
【0038】
さらに、上記実施例では、袋体3に給排される流体としてエアを例示したが、これに限定されず、例えば、エア以外の気体、水等の液体を採用してもよい。
【0039】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0040】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、内装材を載せて支持する技術として広く利用される。特に、車両内装材(例えば、天井材、ドアトリム、ピラートリム、フロアカーペット等)を載せて支持する技術として好適に利用される。
【符号の説明】
【0042】
1;天井用作業台、2;天井材、3;袋体、7;エア給排機構、11;支持体、12;蕎麦殻、18;カバー、26;検知センサ、27;制御部、31a〜31d;所定部品。
図1
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