特許第6202013号(P6202013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202013
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20170914BHJP
   G01D 7/04 20060101ALI20170914BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   B60K35/00 Z
   G01D7/04
   G09F9/00 362
【請求項の数】3
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-21089(P2015-21089)
(22)【出願日】2015年2月5日
(65)【公開番号】特開2016-141366(P2016-141366A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2016年3月23日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100157808
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 耕平
(72)【発明者】
【氏名】久田 晴士
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 繁行
(72)【発明者】
【氏名】北村 遥
(72)【発明者】
【氏名】諸川 波動
(72)【発明者】
【氏名】早田 英彦
【審査官】 堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−032209(JP,A)
【文献】 特開2002−098559(JP,A)
【文献】 特開2012−194138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00−37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車両用表示装置であって、
画像が表示される表示面と、前記表示面を支持する筐体と、を有するディスプレイパネルと、
前記表示面と前記筐体との間の境界線に沿って整列した第1端及び第2端の間で、前記表示面から離れる方向に湾曲するC字状の第1枠体を有する第1アナログメータと、
前記境界線に沿って整列した第3端及び第4端の間で、前記表示面から離れる方向に、且つ、前記第1枠体と車幅方向において反対側に湾曲するC字状の第2枠体を有する第2アナログメータと、
前記第1枠体と前記第2枠体との間で前記表示面に重ねられた略円環状のリング帯と、を備え、
前記表示面は、前記画像として、前記第1枠体とは反対方向に湾曲し、且つ、前記第1端から前記第2端へ延びる第1枠体像並びに前記第2枠体とは反対方向に湾曲し、且つ、前記第3端から前記第4端へ延びる第2枠体像がそれぞれ表示される一対の第1表示領域と、前記第1表示領域の隣の第2表示領域と、を含み、
前記第2表示領域は、前記画像として、前記車両の走行状態を表すメータ画像が表示されるメータ表示領域を含み、
前記リング帯は、前記メータ表示領域を取り囲み、前記メータ画像と協働して、前記車両の前記走行状態を表すメータ装置として機能し、
前記ディスプレイパネルは、前記第1枠体像及び前記第2枠体像前記リング帯の外側で表示される第1表示モードと、前記第1端と前記第2端との間で、前記第1枠体の曲率中心に向けて前記リング帯と略同心に湾曲するように前記リング帯の外に表示される指標像、前記第3端と前記第4端との間で、前記第2枠体の曲率中心に向けて前記リング帯と略同心に湾曲するように前記リング帯の外に表示される他のもう1つの指標像及び前記メータ表示領域内でオートクルーズコントロールが行われていることを表す画像が表示される第2表示モードと、の間で、表示モードを切り替え、
前記2つの指標像のうち一方は、前記車両と、前記オートクルーズコントロールにおいてターゲットとされる先行車両と、の間の関係を表す
車両用表示装置。
【請求項2】
前記ディスプレイパネルは、前記第1枠体像を、前記リング帯に接するように表示する
請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記2つの指標像のうち一方の両端は、前記第1端の上方及び前記第2端の下方にそれぞれ位置し、
前記2つの指標像のうち他方の両端は、前記第3端の上方及び前記第4端の下方にそれぞれ位置する
請求項1又は2に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の走行状態を表す情報をドライバへ伝達するために、回転式の針部を有するアナログメータが多く用いられている。近年、アナログメータから車両の走行状態を画像として表示するディスプレイパネルへ置き換える試みがなされている(特許文献1を参照)。アナログメータとは異なり、ディスプレイパネルは、多様な情報をドライバに提示できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−95602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くのドライバは、走行状態が大きな表示領域に表されることを好む。したがって、アナログメータに代えて、ディスプレイパネルが用いられるならば、大きな表示面が、ディスプレイパネルに要求される。一般的に、表示面の大きさは、ディスプレイパネルのコストに直接的に影響するので、ドライバが、大きな表示領域での表示を望むならば、高価なディスプレイパネルが必要となる。
【0005】
本発明は、小さな表示面積を有するディスプレイパネルの使用の下で、ドライバに受け入れられやすい情報表示を行うことができる車両用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る車両用表示装置は、車両に搭載される。車両用表示装置は、画像が表示される表示面と、前記表示面を支持する筐体と、を有するディスプレイパネルと、前記表示面と前記筐体との間の境界線に沿って整列した第1端及び第2端の間で、前記表示面から離れる方向に湾曲する第1枠体を有する第1アナログメータと、を備える。前記ディスプレイパネルは、前記第1枠体とは反対方向に湾曲した第1枠体像を表示する。前記第1枠体像は、前記第1端から前記第2端へ延びる。
【0007】
上記構成によれば、車両用表示装置は、ディスプレイパネルと、第1アナログメータと、を備えるので、車両用表示装置は、ディスプレイパネルに完全に依存することなく、情報をドライバに与えることができる。したがって、設計者は、小さな表示面積を有する装置を、ディスプレイパネルとして利用することができる。
【0008】
第1枠体とは反対方向に湾曲した第1枠体像は、第1枠体の第1端から第1枠体の第2端へ延びるので、第1枠体及び第1枠体像は、一般的なアナログメータと同様の外形輪郭を、第1アナログメータに与えることができる。したがって、車両用表示装置は、ドライバに受け入れられやすい情報表示を行うことができる。
【0009】
上記構成において、前記表示面は、前記第1枠体像が表示される第1表示領域と、前記第1表示領域の隣の第2表示領域と、を含んでもよい。前記第2表示領域は、前記車両の走行状態を表すメータ画像が表示されるメータ表示領域を含んでもよい。
【0010】
上記構成によれば、第2表示領域は、車両の走行状態を表すメータ画像が表示されるメータ表示領域を含むので、車両用表示装置は、ディスプレイパネルを用いて、車両の走行状態に関する情報をドライバへ伝達することができる。
【0011】
上記構成において、前記ディスプレイパネルは、前記第1枠体像が表示される第1表示モードと、前記第1端と前記第2端との間で、前記第1枠体の曲率中心に向けて湾曲した指標像が表示される第2表示モードと、の間で、表示モードを切り替えてもよい。
【0012】
上記構成によれば、ディスプレイパネルは、第1表示モードと第2表示モードとの間で表示モードを切り替えるので、車両用表示装置は、様々な情報を、ドライバに与えることができる。
【0013】
上記構成において、前記メータ表示領域を取り囲むリング帯を更に備えてもよい。前記リング帯は、前記メータ画像と協働して、前記車両の前記走行状態を表すメータ装置として機能してもよい。
【0014】
上記構成によれば、メータ表示領域を取り囲むリング帯は、メータ画像と協働して、車両の走行状態を表すメータ装置として機能するので、リング帯及びメータ画像は、一般的なアナログメータに似た視覚的印象を、ドライバに与えることができる。したがって、車両用表示装置は、ドライバに受け入れられやすい情報表示を行うことができる。
【0015】
上記構成において、前記ディスプレイパネルは、前記第1枠体像を、前記リング帯に接するように表示してもよい。
【0016】
上記構成によれば、ディスプレイパネルは、第1枠体像を、リング帯に接するように表示するので、車両用表示装置は、複数のアナログメータを有する一般的なメータ装置に似た視覚的印象をドライバに与えることができる。したがって、車両用表示装置は、ドライバに受け入れられやすい情報表示を行うことができる。
【0017】
上記構成において、前記指標像は、前記リング帯と同心であってもよい。
【0018】
上記構成によれば、指標像は、リング帯と同心であるので、ディスプレイパネルは、洗練された画像デザインを用いて、ドライバに情報を与えることができる。
【0019】
上記構成において、車両用表示装置は、第2枠体を有する第2アナログメータを更に備えてもよい。前記リング帯は、前記第1アナログメータと前記第2アナログメータとの間に配置されてもよい。前記境界線は、前記第1端及び前記第2端に沿って延びる第1縁と、前記第1縁とは反対の第2縁と、を含んでもよい。前記第2枠体は、前記第2縁に沿って整列した第3端及び第4端の間で、前記表示面から離れる方向に湾曲してもよい。前記ディスプレイパネルは、前記第2枠体とは反対方向に湾曲した第2枠体像を表示してもよい。前記第2枠体像は、前記第3端から前記第4端へ延びてもよい。
【0020】
上記構成によれば、リング帯は、第1アナログメータと第2アナログメータとの間に配置されるので、連接された複数のアナログメータを有する一般的なメータ装置に似た視覚的印象をドライバに与えることができる。
【0021】
第2枠体とは反対方向に湾曲した第2枠体像は、第2枠体の第3端から第2枠体の第4端へ延びるので、第2枠体及び第2枠体像は、一般的なアナログメータと同様の外形輪郭を、第2アナログメータに与えることができる。したがって、車両用表示装置は、ドライバに受け入れられやすい情報表示を行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、小さな表示面積を有するディスプレイパネルの使用の下で、ドライバに受け入れられやすい情報表示を行うことができる車両用表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態の車両用表示装置の概略的な展開斜視図である。
図2図1に示される車両用表示装置の概略的な正面図である。
図3図1に示される車両用表示装置の概略的な正面図である(第2実施形態)。
図4図1に示される車両用表示装置の概略的な正面図である(第3実施形態)。
図5】第4実施形態の車両用表示装置の概略的な展開斜視図である。
図6図5に示される車両用表示装置の概略的な正面図である。
図7図5に示される車両用表示装置の概略的な正面図である(第5実施形態)。
図8図5に示される車両用表示装置中の信号の流れを概念的に表すブロック図である(第6実施形態)。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付の図面を参照して、車両用表示装置に関する様々な実施形態が説明される。以下に説明される実施形態において、同一の要素に対して同一の符号が付されている。説明の明瞭化のため、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、単に本実施形態の原理を容易に理解させることを目的とする。したがって、以下の実施形態の原理は、これらに何ら限定されない。「上」、「下」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とする。したがって、これらの用語は、限定的に解釈されるべきものではない。
【0025】
<第1実施形態>
本発明者等は、アナログメータが、多様な情報を表示することができるディスプレイパネルとともに用いられるならば、ディスプレイパネルは、過度に大きな表示面積を有さなくともよいことを見出した。その一方で、本発明者等は、アナログメータがディスプレイパネルとともに利用されるならば、ディスプレイパネルとアナログメータとの間で一体化された視覚的印象が失われやすいという課題を見出した。第1実施形態において、ディスプレイパネルとアナログメータとの間の一体化した視覚的印象をドライバに与えることができる車両用表示装置が説明される。
【0026】
図1は、第1実施形態の車両用表示装置(以下、表示装置100と称される)の概略的な展開斜視図である。図1を参照して、表示装置100が説明される。
【0027】
表示装置100は、ディスプレイパネル200と、アナログメータ300と、文字盤400と、を備える。ディスプレイパネル200は、筐体210と、表示面220と、を含む。表示面220は、筐体210によって支持される。ディスプレイパネル200は、画像信号に応じて、表示面220に画像を表示する。ディスプレイパネル200は、液晶を駆動し、画像を表示する液晶ディスプレイであってもよい。代替的に、ディスプレイパネル200は、プラズマ発光を利用したプラズマディスプレイであってもよい。更に代替的に、ディスプレイパネル200は、有機EL(エレクトロルミネセンス)素子を利用した有機ELディスプレイであってもよい。本実施形態の原理は、ディスプレイパネル200の特定の種類に限定されない。
【0028】
表示面220は、上縁221と、下縁222と、左縁223と、右縁224と、を含む。上縁221は、水平方向に延びる。下縁222は、上縁221の下方で、水平に延びる。左縁223は、上縁221の左端から下縁222の左端まで、垂直に延びる。右縁224は、上縁221の右端から下縁222の右端まで、垂直に延びる。上縁221、下縁222、左縁223及び右縁224は、筐体210と表示面220との間の境界線を形成する。
【0029】
文字盤400は、ディスプレイパネル200とアナログメータ300との間に配置される。図1は、文字盤400中に矩形枠DRFを示す。矩形枠DRFは、上縁UPEと、下縁LOEと、左縁LEEと、右縁RIEと、を含む。上縁UPEは、表示面220の上縁221に略一致する。下縁LOEは、表示面220の下縁222に略一致する。左縁LEEは、表示面220の左縁223に略一致する。右縁RIEは、表示面220の右縁224に略一致する。
【0030】
矩形枠DRFによって囲まれた領域は、表示面220から出射された映像光の透過を許容する。矩形枠DRFの外側の領域は、不透明であってもよい。文字盤400は、矩形枠DRFに沿うグラデーションパターンを有してもよい。この場合、筐体210と表示面220との間の境界は、グラデーションパターンによってぼやかされる。したがって、ドライバは、筐体210と表示面220との間の境界を視認しにくくなる。
【0031】
文字盤400は、第1面411と、第2面412と、を含む。第1面411は、ディスプレイパネル200に対向する。アナログメータ300は、第1面411とは反対側の第2面412に取り付けられる。表示面220から出射された映像光は、第1面411に入射し、その後、第2面412から出射される。第2面412から出射された映像光は、最終的に、ドライバの眼に入射する。したがって、ドライバは、ディスプレイパネル200が表示する画像を視認することができる。
【0032】
アナログメータ300は、C型リング310と、指示針320と、を含む。C型リング310及び指示針320は、文字盤400の第2面412に取り付けられる。文字盤400には、表示装置100が搭載される車両の走行状態(たとえば、車両の速度、エンジンの回転数、水温や燃料の残量)を表す指標(図示せず:たとえば、複数の目盛線や複数の数字)が描かれてもよい。C型リング310は、文字盤400に描かれた指標を取り囲む。
【0033】
指示針320は、文字盤400の第2面412上で回転する。一般的なアナログメータに用いられる様々な機構が、指示針320を回転させるために利用されてもよい。したがって、本実施形態の原理は、指示針320を回転させるための特定の機構に限定されない。
【0034】
C型リング310は、上端311と、下端312と、を含む。下端312は、上端311から下方に離間する。
【0035】
図2は、表示装置100の概略的な正面図である。図1及び図2を参照して、表示装置100が更に説明される。
【0036】
C型リング310の上端311及び下端312は、ディスプレイパネル200の表示面220(図1を参照)に対応する矩形枠DRFの左縁LEEに沿って整列される。C型リング310は、上端311と下端312との間で、矩形枠DRFから離れる方向(すなわち、左方)へ湾曲する。本実施形態において、第1アナログメータは、アナログメータ300によって例示される。第1枠体は、C型リング310によって例示される。第1端は、上端311及び下端312のうち一方によって例示される。第2端は、上端311及び下端312のうち他方によって例示される。
【0037】
ディスプレイパネル200は、枠体像FRIを表示する。枠体像FRIは、C型リング310とは反対方向(すなわち、右方)に湾曲する。枠体像FRIは、C型リング310の上端311からC型リング310の下端312へ延びる。したがって、枠体像FRIは、C型リング310と協働して、閉ループを規定する。ドライバは、閉ループ内に表示される情報を見て、車両の走行状態を確認することができる。本実施形態において、第1枠体像は、枠体像FRIによって例示される。
【0038】
上述の如く、本実施形態において、第1枠体は、C型の円弧輪郭を描くC型リング310によって例示される。代替的に、車両用表示装置を設計する設計者は、第1枠体に他の形状(例えば、複数の短い線分によって形成された湾曲形状)を与えてもよい。したがって、本実施形態は、第1枠体の特定の形状に限定されない。
【0039】
上述の如く、第1端は、上端311及び下端312のうち一方によって例示され、且つ、第2端は、上端311及び下端312のうち他方によって例示される。図2に示される如く、上端311及び下端312は、表示面220に対応する矩形枠DRF内に位置している。代替的に、第1端及び第2端のうち少なくとも一方が、表示面220から外れるように、第1枠体を配置してもよい。「第1端及び第2端が、境界線に沿う」との文言は、第1端及び第2端がともに、境界線の近傍に位置することを意味する。したがって、「第1端及び第2端が、境界線に沿う」との文言は、ドライバが、第1枠体が、枠体像FRIと協働して、閉ループを描いているとの視覚的印象を受けるのに十分な程度に、第1端及び第2端が、境界線に近接していることを意味してもよい。本実施形態の原理は、境界線、第1端及び第2端の間の特定の位置関係に限定されない。
【0040】
図1に示される如く、アナログメータ300は、楕円形状の文字盤400に取り付けられている。車両用表示装置を設計する設計者は、文字盤400に代えて、他の固定部材を利用してもよい。例えば、アナログメータ300は、ディスプレイパネル200の表示面220を覆わない部材に取り付けられてもよい。したがって、本実施形態の原理は、文字盤400によっては何ら限定されない。
【0041】
<第2実施形態>
第1実施形態に関連して説明された如く、第1枠体像は、第1枠体と協働して、閉ループを描く。ディスプレイパネルは、閉ループ内に車両の走行状態を表すメータ画像を表示してもよい。メータ画像は、第1アナログメータがドライバに与える情報とは内容において異なる情報を表してもよい。代替的に、メータ画像は、第1アナログメータと協働して、車両の走行状態に関する情報を与えてもよい。第2実施形態において、第1枠体像に加えて、メータ画像を表示する車両用表示装置が説明される。
【0042】
図3は、表示装置100の概略的な正面図である。第1実施形態乃至第2実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第1実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図1及び図3を参照して、表示装置100が説明される。
【0043】
文字盤400には、車両の走行状態(たとえば、車両の速度、エンジンの回転数、水温や燃料の残量)を表す指標SCMが描かれる。指標SCMは、複数の目盛線SCLと複数の数字NMBとを含む。
【0044】
C型リング310は、内縁313と、外縁314と、を含む。内縁313は、上端311と下端312との間で弧状の輪郭を形成する。外縁314は、内縁313の外側において、上端311と下端312との間で弧状の輪郭を形成する。
【0045】
複数の目盛線SCLは、内縁313に沿って略等間隔に配列される。複数の目盛線SCLそれぞれは、指示針320の回転中心RTXに向けて延びる。複数の数字NMBそれぞれは、複数の目盛線SCLそれぞれに対応して配列される。ドライバは、指示針320によって指し示される値を見て、車両の走行状態(たとえば、車両の速度、エンジンの回転数、水温や燃料の残量)を確認することができる。
【0046】
ディスプレイパネル200は、枠体像FRIに加えて、メータ画像MTIを表示する。メータ画像MTIは、複数の目盛線像SCIと、指示針像PNIと、を含む。枠体像FRIは、内縁像IPIと、外縁像OPIと、を含む。内縁像IPIは、上端311と下端312との間で、C型リング310とは反対方向に湾曲する。外縁像OPIは、内縁像IPIの外側において、上端311と下端312との間で、C型リング310とは反対方向に湾曲する。
【0047】
複数の目盛線像SCIは、内縁像IPIに沿って略等間隔に配列される。複数の目盛線像SCIそれぞれは、指示針320の回転中心RTXに向けて延びる。指示針像PNIは、車両の走行状態に応じて、内縁像IPIに沿って周回移動する。ドライバは、指示針像PNIの位置から、車両の走行状態を確認することができる。
【0048】
<第3実施形態>
第1実施形態に関連して説明された如く、第1枠体像は、表示面の境界線の近くで表示される。したがって、ディスプレイパネルは、第1枠体像が表示される領域の隣に広い表示領域を有することができる。第3実施形態において、第1枠体像が表示される領域の隣の領域にメータ画像を表示する車両用表示装置が説明される。
【0049】
図4は、表示装置100の概略的な正面図である。第2実施形態乃至第3実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第2実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第2実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図1及び図4を参照して、表示装置100が説明される。
【0050】
図4は、表示面220(図1を参照)の境界に対応する矩形枠DRFによって囲まれる領域を、第1表示領域と、第2表示領域と、に概念的に区分する。枠体像FRIは、第1表示領域に表示される。第2表示領域は、第1表示領域の隣に位置する。
【0051】
図4は、概念的な円MDCを一点鎖線で示す。円MDCは、第2表示領域内で閉ループを描く。ディスプレイパネル200は、円MDC内で、メータ画像MTJを表示する。メータ画像MTJは、アナログメータ300がドライバに与える情報とは内容において異なる情報をドライバに与えてもよい。たとえば、円MDC内のメータ画像MTJが、車両の速度を表すならば、アナログメータ300は、エンジンの回転数、水温や燃料の残量に関する情報をドライバに与えてもよい。本実施形態において、メータ表示領域は、円MDCが取り囲む領域によって例示される。
【0052】
<第4実施形態>
設計者は、第1実施形態乃至第3実施形態に関連して説明された設計原理に基づいて、様々な車両用表示装置を設計することができる。例えば、設計者は、3つのアナログメータが連接された一般的なメータ装置に似た意匠を車両用表示装置に与えてもよい。第4実施形態において、例示的な車両用表示装置が説明される。
【0053】
図5は、第4実施形態の車両用表示装置(以下、表示装置100Aと称される)の概略的な展開斜視図である。第1実施形態乃至第4実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第1実施形態乃至第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図4及び図5を参照して、表示装置100Aが説明される。
【0054】
第3実施形態と同様に、表示装置100Aは、ディスプレイパネル200と、アナログメータ300と、文字盤400と、を備える。第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0055】
表示装置100Aは、アナログメータ500と、円形リング600と、駆動ユニット700と、メータベセル810と、保護板820と、を更に備える。アナログメータ300と同様に、アナログメータ500は、文字盤400の第2面412に取り付けられる。アナログメータ500は、アナログメータ300の右方に配置される。本実施形態において、第2アナログメータは、アナログメータ500によって例示される。
【0056】
アナログメータ500は、C型リング510と、2つの指示針520,530と、を含む。アナログメータ300のC型リング310とは異なり、アナログメータ500のC型リング510は、右方に湾曲する。アナログメータ500の指示針520,530は、C型リング510によって囲まれた領域内で回転する。本実施形態において、第2枠体は、C型リング510によって例示される。
【0057】
アナログメータ300の指示針320及びアナログメータ500の指示針520,530は、文字盤400を介して、駆動ユニット700に機械的に接続される。駆動ユニット700は、表示装置100Aが搭載された車両の走行状態(たとえば、車両の速度、エンジンの回転数、水温や燃料の残量)に応じて、指示針320,520,530を回転させる。
【0058】
駆動ユニット700は、表示装置100Aが搭載された車両の走行状態に応じて、図4を参照して説明されたメータ画像MTJを表す画像信号を生成してもよい。画像信号は、駆動ユニット700からディスプレイパネル200へ出力される。ディスプレイパネル200は、画像信号に応じて、表示面220にメータ画像MTJを表示する。
【0059】
アナログメータ300,500と同様に、円形リング600は、文字盤400の第2面412に取り付けられる。円形リング600は、アナログメータ300,500の間に配置される。
【0060】
円形リング600は、枠リング610と、透光リング620と、を含む。枠リング610は、外周縁611と、内周縁612と、を含む。外周縁611は、内周縁612を取り囲む。透光リング620は、外周縁621と、内周縁622と、を含む。外周縁621は、内周縁622を取り囲む。
【0061】
透光リング620は、枠リング610内に配置される。透光リング620の外周縁621は、枠リング610の内周縁612に当接する。透光リング620の内周縁622は、図4を参照して説明された概念的な円MDCに合致する。したがって、円形リング600は、図4を参照して説明されたメータ画像MTJを取り囲む。本実施形態において、リング帯は、円形リング600によって例示される。
【0062】
表示装置100Aを設計する設計者は、枠リング610を不透明な材料(たとえば、金属や樹脂)から形成してもよい。この場合、ドライバは、枠リング610によって囲まれた領域を、車両の走行状態が表される領域として視覚的に認識しやすい。したがって、円形リング600は、図4を参照して説明されたメータ画像MTJと協働して、1つのメータ装置として機能することができる。
【0063】
表示装置100Aを設計する設計者は、透光リング620を、透明な材料(たとえば、樹脂)から形成してもよい。この場合、円形リング600は、表示面220から出射される映像光の伝搬を不必要に妨げない。
【0064】
メータベセル810は、ディスプレイパネル200、アナログメータ300,500、文字盤400、円形リング600及び駆動ユニット700が収容される空間を規定する筒体である。保護板820は、メータベセル810の開口部を閉塞する。ディスプレイパネル200、アナログメータ300,500、文字盤400及び円形リング600は、メータベセル810内で、駆動ユニット700と保護板820との間に配置される。
【0065】
保護板820は、全体的に透明である。したがって、ディスプレイパネル200によって生成された映像光は、文字盤400中の矩形枠DRF内の領域を通じて、保護板820に到達し、その後、ドライバの眼に入射することができる。保護板820には、反射を抑制するための光学的処理が施与されてもよい。この場合、ドライバは、保護板820上での反射に妨げられることなく、ディスプレイパネル200が映し出す画像を良好に視認することができる。
【0066】
上述の如く、本実施形態において、リング帯は、円形リング600によって例示される。代替的に、表示装置100Aを設計する設計者は、リング帯に他の形状(たとえば、楕円形状、多角形状や弧と直線とからなる他の閉ループ)を与えてもよい。したがって、本実施形態の原理は、リング帯の特定の形状に限定されない。
【0067】
本実施形態において、リング帯として例示される円形リング600は、複数の部材(枠リング610及び透光リング620)から形成される。代替的に、リング帯は、1つの部材から形成されてもよい。したがって、本実施形態の原理は、リング帯の特定の構造に限定されない。
【0068】
上述の如く、本実施形態において、第1枠体及び第2枠体は、C型の円弧輪郭を描くC型リング310,510によって例示される。代替的に、車両用表示装置を設計する設計者は、第1枠体及び/又は第2枠体に他の形状(例えば、複数の短い線分によって形成された湾曲形状)を与えてもよい。したがって、本実施形態は、第1枠体及び/又は第2枠体の特定の形状に限定されない。
【0069】
図6は、表示装置100Aの概略的な正面図である。図5及び図6を参照して、表示装置100Aが更に説明される。
【0070】
第1実施形態に関連して説明された如く、ディスプレイパネル200は、枠体像FRIを表示する。枠体像FRIは、枠リング610に接する。「枠体像FRIは、枠リング610に接する」との文言は、枠体像FRIが枠リング610の外周縁611に一点で接することのみを意味しない。枠体像FRIが枠リング610に接しているように、ドライバが視覚的に認識するならば、枠体像FRIは、枠リング610に接する。
【0071】
C型リング510は、上端511と、下端512と、を含む。下端512は、上端511から下方に離間する。
【0072】
左方のC型リング310の上端311及び下端312は、ディスプレイパネル200の表示面220に対応する矩形枠DRFの左縁LEEに沿って整列される一方で、右方のC型リング510の上端511及び下端512は、矩形枠DRFの右縁RIEに沿って整列される。C型リング510は、上端511と下端512との間で、矩形枠DRFから離れる方向(すなわち、右方)へ湾曲する。本実施形態において、第2縁は、矩形枠DRFの右縁RIEに対応する表示面220(図5を参照)の右縁224(図5を参照)によって例示される。第3端は、上端511及び下端512のうち一方によって例示される。第4端は、上端511及び下端512のうち他方によって例示される。
【0073】
ディスプレイパネル200は、枠体像FRKを表示する。枠体像FRKは、C型リング510とは反対方向(すなわち、左方)に湾曲する。枠体像FRKは、C型リング510の上端511からC型リング510の下端512へ延びる。したがって、枠体像FRKは、C型リング510と協働して、閉ループを規定する。ドライバは、閉ループ内に表示される情報を見て、車両の走行状態を確認することができる。枠体像FRIと同様に、枠体像FRKは、枠リング610に接する。本実施形態において、第2枠体像は、枠体像FRKによって例示される。
【0074】
第2実施形態に関連して説明された指標SCMに加えて、文字盤400には、車両の走行状態を表す指標SCN,SCOが描かれる。指標SCNは、指示針520と協働して、車両の走行状態を表す。指標SCOは、指示針530と協働して、車両の走行状態を表す。指標SCMと同様に、指標SCN,SCOそれぞれは、複数の目盛線や複数の数字を含んでもよい。本実施形態の原理は、指標SCN,SCOそれぞれの特定の意匠に限定されない。
【0075】
ディスプレイパネル200は、枠体像FRKに加えて、メータ画像MTKを表示する。メータ画像MTKは、複数の目盛線像SCKと、指示針像PNKと、を含む。枠体像FRKは、内縁像IPKと、外縁像OPKと、を含む。内縁像IPKは、上端511と下端512との間で、C型リング510とは反対方向に湾曲する。外縁像OPKは、内縁像IPKの外側において、上端511と下端512との間で、C型リング510とは反対方向に湾曲する。
【0076】
複数の目盛線像SCKは、内縁像IPKに沿って略等間隔に配列される。複数の目盛線像SCKそれぞれは、C型リング510の曲率中心に向けて延びる。指示針像PNKは、車両の走行状態に応じて、内縁像IPKに沿って周回移動する。ドライバは、指示針像PNKの位置から、車両の走行状態を確認することができる。
【0077】
透光リング620には、複数の目盛線SCJが付される。複数の目盛線SCJは、塗料によって形成されてもよい。代替的に、複数の目盛線SCJは、透光リング620の表面に刻設されてもよい。本実施形態の原理は、複数の目盛線SCJの特定の形成技術に限定されない。
【0078】
複数の目盛線SCJそれぞれは、枠リング610の外周縁611の半径方向に延びる。複数の目盛線SCJは、外周縁611の周方向に配列される。複数の目盛線SCJは、略等間隔に配置されてもよい。
【0079】
第3実施形態に関連して説明されたメータ画像MTJは、枠体像FRI,FRKの間に表示される。メータ画像MTJは、複数の数字像NMJと、指示針像INJと、を含む。複数の数字像NMJそれぞれは、車両の走行状態を表す数値を表す。複数の数字像NMJは、透光リング620の内周縁622に沿って配列される。
【0080】
指示針像INJは、円形の中心像CCJと、直線状の針像LNJと、を含む。中心像CCJは、内周縁622と略同心である。針像LNJは、中心像から内周縁622へ向けて延びる。
【0081】
複数の数字像NMJは、透光リング620に付された複数の目盛線SCJに対応してそれぞれ配置される。複数の数字像NMJそれぞれは、複数の目盛線SCJそれぞれと中心像CCJとを結ぶ直線上に表示される。
【0082】
ディスプレイパネル200は、中心像CCJからの針像LNJの延出方向を、車両の走行状態の変化に応じて変化させる。したがって、針像LNJは、内周縁622によって囲まれる領域の中心周りに振れる。ドライバは、針像LNJの延出方向にある数字像NMJが表す数値を読み取り、車両の走行状態を把握することができる。
【0083】
<第5実施形態>
車両用表示装置は、第1枠体像が表示される第1表示モードと、第1枠体像が表示されない第2表示モードと、の間で表示モードを切り替えてもよい。第5実施形態において、表示モードを切り替える例示的な車両用表示装置が説明される。
【0084】
図7は、表示装置100Aの概略的な正面図である。第4実施形態及び第5実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第4実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第4実施形態の説明は、これらの要素に援用される。以下の説明において、図6に示される表示モードは、「第1表示モード」と称される。図7に示される表示モードは、「第2表示モード」と称される。図5乃至図7を参照して、表示装置100Aが説明される。
【0085】
ドライバは、車両の走行に関する設定の変更を望むとき、第1表示モードから第2表示モードへの表示モードの切替を表示装置100Aに要求してもよい。本実施形態において、ドライバは、オートクルーズコントロールに関する設定を定めるために、第1表示モードから第2表示モードへの表示モードの切替を要求している。したがって、図7は、オートクルーズコントロールに関する設定に用いられる設定画像を表す。ディスプレイパネル200は、第2表示モードにおいて、他の用途に利用される画像を表示してもよい。本実施形態の原理は、第2表示モードの特定の用途に限定されない。
【0086】
ディスプレイパネル200は、第2表示モード下において、中心像CCJ内に、オートクルーズコントロールに関する設定画像が表示されていることを表すシンボル画像SBJを表示する。したがって、ドライバは、中心像CCJ内のシンボル画像SBJを見て、ドライバの要求が、ドライバから表示装置100Aへ適切に伝達されたか否かを確認することができる。
【0087】
第1表示モードと同様に、ディスプレイパネル200は、中心像CCJから延びる針像LNJを表示する。したがって、ドライバは、第2表示モード下においても、車両の走行状態を適切に把握することができる。
【0088】
上述の如く、本実施形態において、メータ画像MTJの表示内容は、第1表示モードと第2表示モードとの間で変更される(シンボル画像SBJの存在又は不存在)。代替的に、メータ画像MTJの表示内容は、第1表示モードと第2表示モードとの間で一定であってもよい。したがって、本実施形態の原理は、メータ画像MTJの表示パターンによっては何ら限定されない。
【0089】
表示モードが、第1表示モードから第2表示モードに切り替えられると、ディスプレイパネル200は、枠体像FRIに代えて、指標像LSIを表示する。枠体像FRIと同様に、指標像LSIは、枠リング610とC型リング310との間に表示される。
【0090】
本実施形態において、指標像LSIは、表示装置100Aが搭載された車両と、オートクルーズコントロールにおいてターゲットとされる先行車両と、の間の距離に関する設定を表す。指標像LSIは、輪郭像CTPと、複数の目盛線像SCPと、複数の数字像NMPと、指示針像INPと、を含む。輪郭像CTPは、C型リング310の上端311と下端312との間で、C型リング310の曲率中心に向けて湾曲する。複数の目盛線像SCP及び複数の数字像NMPは、湾曲した輪郭像CTPに沿って配列される。指示針像INPは、ドライバの設定操作に応じて、輪郭像CTPに沿って位置を変える。ドライバは、指示針像INPの位置を見て、車間距離に関する設定を定めることができる。
【0091】
指示針像INPの表示位置の変更は、既知のオートクルーズコントロールに関する技術と既知の画像信号処理技術とに依存してもよい。したがって、本実施形態の原理は、車間距離を設定するための特定の技術に限定されない。
【0092】
表示モードが、第1表示モードから第2表示モードに切り替えられると、ディスプレイパネル200は、枠体像FRKに代えて、指標像RSIを表示する。枠体像FRKと同様に、指標像RSIは、枠リング610とC型リング510との間に表示される。
【0093】
本実施形態において、指標像RSIは、オートクルーズコントロール下における車両の最高速度の設定を表す。指標像RSIは、輪郭像CTQと、複数の目盛線像SCQと、複数の数字像NMQと、指示針像INQと、を含む。輪郭像CTQは、C型リング510の上端511と下端512との間で、C型リング510の曲率中心に向けて湾曲する。複数の目盛線像SCQ及び複数の数字像NMQは、湾曲した輪郭像CTQに沿って配列される。指示針像INQは、ドライバの設定操作に応じて、輪郭像CTQに沿って位置を変える。ドライバは、指示針像INQの位置を見て、オートクルーズコントロール下における車両の最高速度に関する設定を定めることができる。
【0094】
指示針像INQの表示位置の変更は、既知のオートクルーズコントロールに関する技術と既知の画像信号処理技術とに依存してもよい。したがって、本実施形態の原理は、オートクルーズコントロール下における車両の最高速度を設定するための特定の技術に限定されない。
【0095】
輪郭像CTP,CTQは、枠リング610と同心であってもよい。「輪郭像CTP,CTQは、枠リング610と同心である」との文言は、輪郭像CTP,CTQの曲率中心が、枠リング610の中心に完全に一致することのみを意味するものではない。ドライバが、輪郭像CTP,CTQの曲率中心が枠リング610の中心に一致していると視覚的に認識するならば、輪郭像CTP,CTQは、枠リング610と同心である。
【0096】
輪郭像CTP,CTQが、枠リング610と同心であるならば、指標像LSI,RSIは、円形リング600及び円形リング600内のメータ画像MTJと一体的な視覚的印象をドライバに与えることができる。
【0097】
<第6実施形態>
第5実施形態に関連して説明された車両用表示装置は、駆動ユニットによって駆動される。設計者は、駆動ユニットに様々な構造を与えてもよい。第6実施形態において、駆動ユニットの例示的な構造が説明される。
【0098】
図8は、表示装置100A中の信号の流れを概念的に表すブロック図である。第5実施形態及び第6実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第5実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第5実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図5乃至図8を参照して、表示装置100Aが説明される。
【0099】
駆動ユニット700は、第1駆動信号生成部711と、第2駆動信号生成部712と、第3駆動信号生成部713と、第1駆動モータ721と、第2駆動モータ722と、第3駆動モータ723と、画像信号生成部730と、を含む。第1駆動信号生成部711は、第1駆動モータ721に電気的に接続される。第1駆動モータ721は、指示針320に機械的に接続される。第2駆動信号生成部712は、第2駆動モータ722に電気的に接続される。第2駆動モータ722は、指示針520に機械的に接続される。第3駆動信号生成部713は、第3駆動モータ723に電気的に接続される。第3駆動モータ723は、指示針530に機械的に接続される。画像信号生成部730は、ディスプレイパネル200に電気的に接続される。
【0100】
車両には、車両の走行状態(たとえば、車両の速度、エンジンの回転数、水温や燃料の残量)に応じて変化する物理量を検出する様々なセンサ機器(図示せず)が配置される。センサ群SSGは、これらのセンサ機器を含む。センサ群SSGは、様々な物理量を表す様々な検出信号を生成する。これらの検出信号は、センサ群SSGから第1駆動信号生成部711、第2駆動信号生成部712、第3駆動信号生成部713及び画像信号生成部730のそれぞれへ出力される。センサ群SSGを構成するセンサは、既知の車両に利用されるセンサであってもよい。したがって、本実施形態の原理は、センサ群SSGの特定のセンサに限定されない。
【0101】
第1駆動信号生成部711は、指示針320が指し示す指標に対応する物理量を表す検出信号を受ける。第1駆動信号生成部711は、検出信号に応じて、駆動信号を生成する。駆動信号は、第1駆動信号生成部711から第1駆動モータ721へ出力される。第1駆動モータ721は、駆動信号に応じて、回転する。この結果、指示針320は、文字盤400上で回転することができる。
【0102】
第2駆動信号生成部712は、指示針520が指し示す指標に対応する物理量を表す検出信号を受ける。第2駆動信号生成部712は、検出信号に応じて、駆動信号を生成する。駆動信号は、第2駆動信号生成部712から第2駆動モータ722へ出力される。第2駆動モータ722は、駆動信号に応じて、回転する。この結果、指示針520は、文字盤400上で回転することができる。
【0103】
第3駆動信号生成部713は、指示針530が指し示す指標に対応する物理量を表す検出信号を受ける。第3駆動信号生成部713は、検出信号に応じて、駆動信号を生成する。駆動信号は、第3駆動信号生成部713から第3駆動モータ723へ出力される。第3駆動モータ723は、駆動信号に応じて、回転する。この結果、指示針530は、文字盤400上で回転することができる。
【0104】
検出信号から駆動信号への変換は、既知のアナログメータに用いられる様々な信号処理技術に依存してもよい。したがって、本実施形態の原理は、検出信号から駆動信号へ変換するための特定の信号処理技術に限定されない。
【0105】
車両には、第1表示モードと第2表示モードとの間での表示モードの切替を手動式に要求するためのインターフェースITFが搭載される。インターフェースITFは、車両のハンドルの近くに備えられたレバー、ボタンやダイヤルであってもよい。本実施形態の原理は、インターフェースITFの特定の構造に限定されない。
【0106】
インターフェースITFは、切替要求部SWRと、設定操作部STOと、を含む。ドライバは、切替要求部SWRを操作し、第1表示モードと第2表示モードとの間での表示モードの切替を要求する。ドライバは、第2表示モード下で、設定操作部STOを操作し、オートクルーズコントロールに関する設定を定めることができる。
【0107】
画像信号生成部730は、第1信号処理部731と、第2信号処理部732と、切替部733と、出力部734と、を含む。メータ画像MTJが表す物理量に関連する検出信号は、センサ群SSGから切替部733へ出力される。切替要求部SWRは、ドライバの操作に応じて、切替信号を生成する。切替信号は、切替要求部SWRから切替部733へ出力される。
【0108】
切替部733は、切替信号に応じて、検出信号の出力先を決定する。切替信号が、第2表示モードから第1表示モードへの切替を要求しているならば、切替部733は、検出信号を第1信号処理部731へ出力する。第1信号処理部731は、図6を参照して説明された画像を表すための画像信号を生成する。切替信号が、第1表示モードから第2表示モードへの切替を要求しているならば、切替部733は、検出信号を第2信号処理部732へ出力する。第2信号処理部732は、図7を参照して説明された画像を表すための画像信号を生成する。
【0109】
設定操作部STOは、ドライバの操作に応じて、オートクルーズコントロールに関する設定(車間距離及びオートクルーズコントロール下における車両の最高速度)を表す設定信号を生成する。設定信号は、設定操作部STOから第2信号処理部732へ出力される。第2信号処理部732は、設定信号に応じて、指示針像INP,INQの表示位置を定める。
【0110】
出力部734は、第1信号処理部731又は第2信号処理部732によって生成された画像信号を受け取る。画像信号は、その後、出力部734からディスプレイパネル200へ出力される。ディスプレイパネル200は、画像信号に応じて、図6又は図7を参照して説明された画像を表示する。
【0111】
画像表示に関する信号処理技術は、既知の様々な画像生成技術に依存してもよい。したがって、本実施形態の原理は、画像を表示するための特定の信号処理技術に限定されない。
【0112】
第1駆動信号生成部711、第2駆動信号生成部712、第3駆動信号生成部713及び画像信号生成部730は、信号処理に用いられる一般的なICチップや他の電気素子であってもよい。したがって、本実施形態の原理は、第1駆動信号生成部711、第2駆動信号生成部712、第3駆動信号生成部713及び画像信号生成部730に用いられる特定の電気素子に限定されない。
【0113】
上述の様々な実施形態の原理は、車両に対する要求に適合するように、組み合わされてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0114】
上述の実施形態の原理は、様々な車両の設計に好適に利用される。
【符号の説明】
【0115】
100,100A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・表示装置
200・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ディスプレイパネル
210・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・筐体
220・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・表示面
221・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上縁
222・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下縁
223・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・左縁
224・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・右縁
300,500・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アナログメータ
310,510・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・C型リング
311,511・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上端
312,512・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下端
600・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・円形リング
FRI,FRK・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・枠体像
LSI,RSI・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・指標像
MDC・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・円
MTI,MTJ,MTK・・・・・・・・・・・・・・・・・メータ画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8