特許第6202025号(P6202025)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6202025-鏝塗り施工可能な補修用不定形耐火物 図000008
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202025
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】鏝塗り施工可能な補修用不定形耐火物
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/66 20060101AFI20170914BHJP
   F27D 1/16 20060101ALI20170914BHJP
   B22D 41/02 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   C04B35/66
   F27D1/16 W
   B22D41/02 C
   B22D41/02 D
【請求項の数】3
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-52008(P2015-52008)
(22)【出願日】2015年3月16日
(65)【公開番号】特開2016-172647(P2016-172647A)
(43)【公開日】2016年9月29日
【審査請求日】2015年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001971
【氏名又は名称】品川リフラクトリーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100161115
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 智史
(72)【発明者】
【氏名】中坊 一也
(72)【発明者】
【氏名】飯田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】新谷 悠記
(72)【発明者】
【氏名】田中 大輔
【審査官】 今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−164479(JP,A)
【文献】 特開2003−171184(JP,A)
【文献】 特開2012−006818(JP,A)
【文献】 特開平10−120471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/66
B22D 41/02
F27D 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火性原料及び炭素質原料からなる不定形耐火物において、耐火性原料がアルミナ原料、MgO−Al系スピネル原料及び炭化珪素原料から構成され、アルミナ原料及び/またはMgO−Al系スピネル原料30〜95質量%及び炭化珪素原料5〜70質量%の配合割合を有し、かつ耐火性原料100質量%に対して外掛けで0.1〜10質量%の炭素質原料を含有し、炭素質原料の一部または全部として窒素吸着比表面積70m/g以上のカーボンブラックを耐火性原料100質量%に対して外掛けで0.1〜5質量%使用し、更に、繊維径が0.005〜0.1mmの親水性有機繊維を耐火性原料100質量%に対して外掛けで0.03〜5質量%含有することを特徴とする鏝塗り施工可能な補修用不定形耐火物。
【請求項2】
耐火性原料の粒度構成が、粒径1mm以上の粗粒40〜60質量%、粒径0.3mm以上1mm未満中粒を10〜50質量%、粒径0.3mm未満の微粉25〜50質量%の範囲内にある、請求項1記載の鏝塗り施工可能な補修用不定形耐火物。
【請求項3】
粒径が0.3mm未満の微粉中のシリカ含有微粉の割合が、20質量%以下である、請求項2記載の鏝塗り施工可能な補修用不定形耐火物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窯炉の内張りに用いられる不定形耐火物に関し,特に、施工に際して施工枠が不要で、鏝塗り施工が可能である補修用不定形耐火物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
流し込み耐火物を用いて流し込み施工を行う場合、施工枠が必要となるため、解体、枠掛け、流し込み施工、施工後材料硬化後に脱枠という工程が必要となり、例えば、使用期間を終えた樋に新たな耐火物を施工して再び使用されるまでの工期が長くなる他、殆ど損傷されていない天端部や壁部も余分に解体しなければならず、耐火物原単位が悪化する問題があった。
【0003】
そのため、スタンプ材、パッチング材による補修が工期短縮や解体量低減を目的として以前より行われているが、これら材料は、ランマーによる作業の負荷が大きいという問題に加え、耐用性が流し込み耐火物と比較して劣るものであり、補修頻度、材料原単位が増大するという問題があった。
【0004】
このような背景から、非特許文献1では、溶銑樋、スラグ樋を対象とした施工枠を必要としない不定形耐火物の開発がなされている。保形剤として粘土、水溶性増粘剤、非水溶性増粘剤を添加することにより、混練した材料を敷部に流し込み、壁部にはスコップや鏝などで塗り上げるようにして施工することができる。このため、施工枠を使用せずに施工することができ、流し込み材と同等の耐用性を有する材料が得られ、大幅な耐火物原単位の低減が可能となるとしている。しかしながら、非特許文献1のように不定形耐火物に粘土を使用すると、粘土を構成するシリカ成分が耐食性を低下させ、また、焼結を助長して耐スポーリング性を低下させるという問題があり、原単位低減の効果が低下する問題があった。また、有機増粘剤を使用すると、作業性に劣り、作業負荷が大きくなるという問題があった。不定形耐火物の粒度構成、微粉原料量の最適化によって作業性の向上が可能だが、配合設計において自由度が低下するという問題があった。
【0005】
また、特許文献1には、ギ酸カルシウム、有機繊維、骨材、セメント、水及び急結剤を含有してなることを特徴とする耐火被覆用モルタルが開示されている。特許文献1では、急結剤及び有機繊維を用いることにより、耐火被覆用モルタルのダレを抑制して鏝仕上げを可能とするものである。特許文献1の耐火被覆用モルタルは、振動による流動性を求めるものではなく、また、窯炉内張り材として使用する場合には、流し込み材と比べて耐用性に劣るという問題があった。
【0006】
また、耐火物にカーボンブラック原料を活用することによる緻密化、焼結抑制の効果により、耐食性、耐スポーリング性に優れた材料を得る研究がかねてよりなされている。特に、カーボンブラックをキャスタブルに添加すると、少量添加でも混練後材料の緻密性と流動性が阻害されるため、その研究の主眼はいかにして緻密にし、耐食性を向上するかにあった。
【0007】
例えば、特許文献2には、径が0.02〜0.50μm程度の粒子径が大きくストラクチャーの発達していない球状カーボンブラックを耐火骨材に0.1〜3重量%添加して特定炭素含有不定形耐火物が開示されている。特許文献2では、カーボンブラックを不定形耐火物に添加配合する際に、比較的粒子径が大きく、比表面積が小さく、ストラクチャーの発達していない球状カーボンブラックを用いることで、流動性の低下を避け、緻密な組織を得られるものである。
【0008】
また、特許文献3には、窒素吸着法による比表面積(m/g)が10〜30であるカーボンブラック原料3〜15重量%を含有してなることを特徴とする水系炭素含有不定形耐火物;窒素吸着法による比表面積(m/g)が10〜30であるカーボンブラック原料3〜15重量%と、当該カーボンブラック原料1重量%に対しβ−ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩を0.02〜0.03重量%の比率で含有してなることを特徴とする水系炭素含有不定形耐火物;窒素吸着法による比表面積(m/g)が10〜30であるカーボンブラック原料3〜15重量%と、当該カーボンブラック原料1重量%に対しβ−ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩を0.02〜0.03重量%の比率で含有し、かつ残部の材料のうち、粒径10μm以下の超微粉が2〜15重量%であることを特徴とする水系炭素含有不定形耐火物が開示されている。特許文献3では、分散剤としてβ−ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩を添加することで、水系不定形耐火物中に比表面積が10〜30m/gにある比表面積の小さいカーボンブラックを使用することで、カーボンブラックの多量に添加することを可能とし、流動性に富み耐食性、耐スポーリング性に優れた不定形耐火物が得られるものである。
特許文献2及び3のように、流動性が高く、緻密なキャスタブルを得るためには、比較的粒子径が大きく、比表面積が小さく、ストラクチャーの発達していないカーボンブラックを用いることが一般に行われてきた。
【0009】
更に、特許文献4には、炭化珪素含有不定形耐火物(流し込み材及び吹き付け材)に、カーボンブラックと有機繊維を併用する配合が例示されている([0083]段落、表3)。また、特許文献4の[0062]段落には、有機繊維として、ビニロン、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン等が例示されている。ここで、特許文献4では、どのようなカーボンブラックを使用しているかの具体的な記載はないものの、緻密な材料を得ようとしているので、特許文献2及び3などの記載からも明らかなように、ストラクチャーの発達していない、すなわち、比表面積の小さいものを使用しているものと推定される。また、有機繊維の形状等についても何ら言及されていない。
【0010】
また、特許文献5には、耐火原料、カーボンブラック原料及び結合剤を必須の構成成分とする水系炭素含有不定形耐火物において、DBP吸収量が80ml/100g未満であり、平均一次粒子径の大きいカーボンブラック原料(A)の平均一次粒子径(a)と最も平均一次粒子径が小さいカーボンブラック原料(B)の平均一次粒子径(b)の比率(a/b)が2以上であり、カーボンブラック原料(A)とカーボンブラック原料(B)の質量比(A/B)を0.5〜50とし、且つカーボンブラック原料の合計量が3〜25質量%の範囲内にあることを特徴とする水系炭素含有不定形耐火物が開示されている。特許文献5では、平均粒子径の大きい、すなわち、ストラクチャーの発達していないカーボンブラックの使用を基本とし、それに対しストラクチャーの発達した特定のDBP吸収量を有し、平均粒子径の異なる複数種のカーボンブラックを特定の比率で組み合わせることで流動性、耐食性及び耐焼結性を向上させようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−182629号公報
【特許文献2】特許第2596700号
【特許文献3】特開2001−253783号公報
【特許文献4】特開2003−171184号公報
【特許文献5】特開2006−188391号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】第2回鉄鋼用耐火物専門委員会報告集、2014年11月18日発行37〜44頁、「施工枠が不要な新しい樋流し込み材の開発」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述のように、特許文献1〜5は、いずれも施工枠を使用した流し込み施工を想定した流し込み材や、吹き付け施工を想定した吹き付け材に関するものであり、鏝塗り施工を想定したものではなく、鏝塗り施工可能な特性を有するものではなかった。
【0014】
また、非特許文献1に示される施工枠が不要な流し込み材では、静置時には保形性を示し、振動付与によって流動する流し込み材を用いることで既存の内張り施工体の解体量を低減し、大幅に原単位が低減できることが示されている。しかしながら、この流し込み材は、粘土を添加することで鏝塗り作業が容易な混練物を得ることができるものであり、耐食性の低下、耐スポーリング性の低下を招く。また、水溶性増粘剤または非水溶性増粘剤の添加によって鏝塗り作業が可能な特性を得ることも可能であるが、増粘剤の添加により鏝塗り作業性は低くなり、作業負荷が大きいという問題があった。
【0015】
従って、本発明の目的は、施工枠が不要な不定形耐火物、流し込み施工に必要な適度の流動性を有すると共に、鏝塗り施工が可能という作業性に優れ、かつ、耐食性、耐スポーリング性に優れた補修用不定形耐火物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述のような問題点に鑑み、本発明者らは、施工枠が不要な流し込み材を改良し、高い耐食性、耐スポーリング性を示し耐火物原単位を低位に保つことができ、更に、鏝塗り作業性を向上することで施工時の作業負荷を低減して作業効率を向上できる不定形耐火物を開発すべく鋭意検討を行った。
まず、施工体の耐食性、耐スポーリング性を向上させるために、カーボンブラックの活用を検討した。カーボンブラックを配合することにより施工体の耐食性、耐スポーリング性を改善することができるが、振動施工性を確保すると鏝塗り施工ができず、逆に、鏝塗り施工を可能とすると振動しても流動しないというように、振動流動性を有しながら鏝塗り可能な特性を持つ材料を開発するには至らなかった。
次に、不定形耐火物の流動性に着目し、流動性に影響を与える添加剤として知られている有機繊維の活用を検討した。不定形耐火物に有機繊維を添加することで保形性を付与することが可能である。これは有機繊維が流動性を阻害することによるものであり、振動付与時の流動性が低下し、さらに鏝作業時の負荷が増大してしまい、既存の有機繊維を単に配合するだけでは、不定形耐火物の流し込み材としての流動性を付与すると共に、鏝塗りに適した特性を付与することはできなかった。
【0017】
上記知見に基づき、本発明者らは、更に検討を進め、不定形耐火物への添加剤の組み合わせと、練り性状の変化について調査を行った。その結果、比表面積がある程度以上のカーボンブラックを添加すると共に、所定の形状を有する親水性有機繊維を加えると、保形性を有し、振動を付与すると流動性は低下するものの施工可能な程度に流動し、更に、鏝塗り作業にかかる負荷が小さくなるとの知見が得られた。また、カーボンブラックの効果により施工体の耐食性、耐スポーリング性は高いものとなった。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
【0018】
即ち、本発明は、耐火性原料及び炭素質原料からなる不定形耐火物において、耐火性原料がアルミナ原料、MgO−Al系スピネル原料及び炭化珪素原料から構成され、アルミナ原料及び/またはMgO−Al系スピネル原料30〜95質量%及び炭化珪素原料5〜70質量%の配合割合を有し、かつ耐火性原料100質量%に対して外掛けで0.1〜10質量%の炭素質原料を含有し、炭素質原料の一部または全部として窒素吸着比表面積70m/g以上のカーボンブラックを耐火性原料100質量%に対して外掛けで0.1〜5質量%使用し、更に、繊維径が0.005〜0.1mmの親水性有機繊維を耐火性原料100質量%に対して外掛けで0.03〜5質量%含有することを特徴とする鏝塗り施工可能な補修用不定形耐火物に係る。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、所定の窒素吸着比表面積を有するカーボンブラックと、所定の形状を有する親水性有機繊維を配合することにより、静置時の保形性と振動付与時の流動性を両立し、かつ鏝塗り作業における負荷を低減し、さらに耐食性、耐スポーリング性に優れる流し込み施工及び鏝塗り施工可能な補修用不定形耐火物を提供することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施例において、持ち上げ性指数を測定するために用いた装置の模式図。
図2】実施例において、保形性指数の測定工程を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の流し込み施工及び鏝塗り施工可能な補修用不定形耐火物(以下、「本発明の不定形耐火物」と記載する)では、耐火性原料として、アルミナ原料、MgO−Al系スピネル原料(以下、「スピネル原料」と記載する)及び炭化珪素原料を配合する。
アルミナ原料としては、例えば、電融アルミナ、焼結アルミナ、ボーキサイト,仮焼アルミナ等を使用することができ、これらのアルミナ原料を併用することもできる。なお、アルミナ原料の純度は、耐食性の観点から85質量%以上のものを使用することが好ましい。
スピネル原料としては、MgO−Al系の電融スピネル、焼結スピネル原料を使用することができる。スピネル原料の組成は理論組成のものに限らず、アルミナ含量の多いアルミナリッチスピネルや、マグネシア含量の多いマグネシアリッチスピネルを使用することもできる。
【0022】
本発明の不定形耐火物において、耐火性原料として、アルミナ原料及び/またはスピネル原料の配合量は、30〜95質量%、好ましくは50〜90質量%の範囲内である。アルミナ原料及び/またはスピネル原料の配合量が30質量%未満の場合には、施工体の溶銑に対する耐食性が低下するため好ましくない。また、アルミナ原料及び/またはスピネル原料の配合量が95質量%を超える場合には、施工体のスラグに対する耐食性の低下と耐スポーリング性が劣るため好ましくない。
【0023】
また、本発明の不定形耐火物において、耐火性原料として使用される炭化珪素原料の純度は、耐食性の観点から85質量%以上のものを使用することが好ましい。炭化珪素原料の配合量は、5〜70質量%、好ましくは10〜50質量%である。炭化珪素原料の配合量が5質量%未満の場合には、施工体の耐スラグ性が劣り、また、70質量%を超える場合には、耐溶銑性が劣ったり、滓樋に適用する場合には、酸化の影響を受けて耐食性が低下するため好ましくない。炭化珪素原料は特に限定されるものではないが、例えば、アチソン法によって製造したものなどが利用できる。
【0024】
本発明の不定形耐火物においては、上述のような配合を有する耐火性原料100質量%に対して外掛けで0.1〜10質量%の炭素質原料を配合し、かつこの炭素質原料の一部または全部として、窒素吸着比表面積が70m/g以上のカーボンブラックを耐火性原料100質量%に対して外掛けで0.1〜5質量%配合する。
【0025】
ここで、炭素質原料の配合量が耐火性原料100質量%に対して外掛けで0.1質量%未満の場合には、耐食性、耐スポーリング性が低下するために好ましくなく、また、10質量%を超える場合には、酸化の影響が大きくなり耐食性が低下し、また、施工に必要な水分量が増大して耐食性が低下するためするため好ましくない。なお、炭素質原料の配合量は、好ましくは0.5〜8質量%の範囲内である。
【0026】
なお、上記カーボンブラック以外の炭素質原料としては、例えば、コークス粉、鱗状黒鉛、土状黒鉛、コールタールピッチ、窒素吸着比表面積が70m/g未満のカーボンブラックなどを使用することができる。
【0027】
本発明の不定形耐火物には、窒素吸着比表面積が70m/g以上のカーボンブラックを配合することによって所定の特性を得ることができる。窒素吸着比表面積が70m/g以上のカーボンブラックの配合量は、耐火性原料100質量%に対して外掛けで0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%の範囲内である。窒素吸着比表面積が70m/g以上のカーボンブラックの配合量が耐火性原料100質量%に対して外掛けで0.1質量%未満の場合には、添加効果が十分に得られず、鏝塗り作業性及び耐スポーリング性が低下するため好ましくない。また、このカーボンブラックの配合量が耐火性原料100質量%に対して外掛けで5質量%を超える場合には、施工に必要な水分量が増大して耐食性の低下につながるため好ましくない。なお、このカーボンブラックの窒素吸着比表面積は、好ましくは160m/g以上である。ここで、カーボンブラックの窒素吸着比表面積が70m/g未満であると、後述する親水性有機繊維との併用効果を得ることができないために好ましくない。
【0028】
本発明の不定形耐火物では、窒素吸着比表面積が70m/g以上のカーボンブラックと、親水性有機繊維とを併用することにより、保形性を有し、振動を加えると流動性は低下するものの施工可能な程度に流動し、更に、鏝塗り作業にかかる負荷が小さくすることが可能となる。練り性状を示す原因は定かではないが以下のように推定される。窒素吸着比表面積が70m/g以上のカーボンブラックは分散剤を加えて水中で分散させるとコロイド状になる。ここに親水性有機繊維が加わることで、コロイドが親水性有機繊維を取り込んでゲル化し,保形性を示すようになると考えられる。更に、このゲルはチキソトロピーを示すことで振動や鏝作業などでせん断応力が加わると粘性が低下し、流し込み施工を行うために必要な流動性や鏝塗り作業性を有する性状になるものと考えられる。なお、非親水性繊維を使用すると、分散性に乏しく、コロイドが非親水性繊維を取り込むことができないために好ましくない。親水性有機繊維としては、例えば、ビニロンなどの合成繊維、アセテートなどの半合成繊維、キュプラなどの再生繊維、麻やパルプなどの天然繊維を用いることができる。
【0029】
親水性有機繊維は、繊維径0.005〜0.1mm、0.008〜0.05mmの範囲内にあるものを使用する。親水性有機繊維の繊維径が0.005mm未満であると、混練物中の繊維本数が過剰になり、鏝塗り施工性が低下するため好ましくない。また、親水性有機繊維の繊維径が0.1mmを超えると、保形性が得られなくなり、流動性を確保した際の保形性が不十分となるために好ましくない。
【0030】
親水性有機繊維の配合量は、耐火性原料100質量%に対して外掛けで0.03〜5質量%、好ましくは0.05〜3質量%の範囲内である。親水性有機繊維の配合量が耐火性原料100質量%に対して外掛けで添加量が0.03質量%未満の場合には、保形性が得られなくなり、流動性を確保した際の保形性が不十分となるために好ましくない。また、親水性有機繊維の配合量が耐火性原料100質量%に対して外掛けで5質量%を超えると、混練物中の繊維本数が多くなりすぎてコテ塗り施工性が低下するため好ましくない。
【0031】
本発明の不定形耐火物では、流し込み材としての施工性及び鏝塗り材としての施工性の観点から、アルミナ原料、スピネル原料及び炭化珪素原料から構成される耐火性原料の粒度は、粒径1mm以上の粗粒を40〜60質量%、粒径0.3mm以上1mm未満の中粒を10〜50質量%、粒径0.3mm未満の微粉を25〜50質量%の構成とすることが好ましい。また、施工性の観点から、最大粒径は10mm以下が好ましい。なお、最大粒径が10mmを超えると、鏝塗り施工性が劣るため好ましくない。
【0032】
また、本発明の不定形耐火物には、結合剤としてはアルミナセメント、コロイダルシリカ等を使用することができる。これらは1種または併用することができる。なお、結合剤の配合は耐火性原料100質量%に対して外掛けで1〜12質量%、好ましくは1〜10質量%の範囲内である。
【0033】
更に、本発明の不定形耐火物には、微粉添加物として、粘土質微粉、シリカヒューム、ジルコニア微粉、チタニア微粉、マグネシア微粉などの酸化物微粉、金属シリコン粉などの金属粉を配合することもできる。微粉添加物の配合量は、耐火性原料100質量%に対して外掛けで10質量%以下、好ましくは8質量%以下である。ただし、粒径が0.3mm未満の微粉における粘土質微粉、シリカヒューム等のシリカ含有微粉の割合は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下とする。シリカ含有微粉の割合が多すぎると耐食性、耐スポーリング性が低下するため好ましくない。
【0034】
また、本発明の不定形耐火物には、メタリン酸塩やポリカルボン酸、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物塩などの分散剤、酸化ホウ素、炭酸ナトリウム、カルボン酸類、糖類などのセメント硬化遅延剤、炭酸リチウム、消石灰などのセメント硬化促進剤、金属アルミニウム粉や乳酸アルミニウムなどの爆裂防止剤、炭化ホウ素などの酸化防止剤及びステンレスファイバーなどの亀裂抑制材等の通常キャスタブルに添加しうる添加物を使用することもできる。
【0035】
上述のような構成を有する本発明の不定形耐火物の製造にあたっては、原料を十分に混合する。混合方法は特に限定されるものではないが、例えば、ナウターミキサー、オムニミキサー、その他の同等の混合能力を有するミキサーを使用することができる。
【0036】
本発明の不定形耐火物の施工は、ミキサーで水など液体を加えて所定時間混練し、施工箇所に投入、バイブレーターなどを使用して施工箇所の底部(例えば、敷部)に充填して脱気する。その後、施工箇所の側面(例えば、壁部)にスコップや左官鏝を用いて不定形耐火物を塗り上げて所定形状に成形する。所定時間養生後、乾燥して実用に供することができる。なお、混練方法は特に限定されるものではなく、例えば、ボルテックスミキサーやパドルミキサー、その他の同等の混練能力を有するミキサーを使用することができる。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により本発明品の不定形耐火物を更に説明する。
以下の表1〜3に示す配合割合にて本判明品を、表4〜6に示す配合割合にて比較品の不定形耐火物を製造した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
上記表中、
電融アルミナ:純度95質量%の褐色電融アルミナ;
ボーキサイト:純度85質量%の中国産ボーキサイト;
仮焼アルミナ:粒径20μm以下品;
電融スピネル:理論組成のMgO−Al系電融スピネル;
スピネル超微粉:理論組成のMgO−Al系電融スピネル、粒径20μm以下品;
炭化珪素:純度95質量%の炭化珪素;
なお、耐火性原料の粒度の表示において、「粗粒」は粒径1mm以上、「中粒」は粒径0.3mm以上1mm未満、「微粉」粒径0.3mm未満をそれぞれ表す;
カーボンブラック(1):ファーネス法で製造された窒素吸着比表面積15m/g品;
カーボンブラック(2):ファーネス法で製造された窒素吸着比表面積74m/g品;
カーボンブラック(3):ファーネス法で製造された窒素吸着比表面積130m/g品;
カーボンブラック(4):ファーネス法で製造された窒素吸着比表面積165m/g品;
ビニロン繊維(1):繊維径0.003mm品;
ビニロン繊維(2):繊維径0.005mm品;
ビニロン繊維(3):繊維径0.008mm品;
ビニロン繊維(4):繊維径0.048mm品;
ビニロン繊維(5):繊維径0.1mm品;
ビニロン繊維(6):繊維径0.15mm品;
木材パルプ:繊維径0.008mm品;
アクリル繊維:繊維径0.008mm品(非親水性有機繊維);
アルミナセメント:CaO含有量20質量%品;
コロイダルシリカ:濃度20質量%のアルカリ安定化品;
粘土:ボールクレー;
添加剤:分散剤であるポリリン酸塩及びナフタリンスルホン酸縮合物塩、爆裂防止剤である金属アルミニウム粉、セメント硬化遅延剤である酸化ホウ素、及び酸化防止剤である炭化ホウ素を合計で耐火性原料100質量%に対して外掛けで1質量%添加;
水添加量:不定形耐火物全量100質量%に対する外掛け量;
【0045】
混練及び流動性の評価
混練は、JIS R 2521に準じた試験方法により、タップフロー値が130〜150となるように水、液体バインダー(コロイダルシリカ)添加量を調整してミキサーにより行った。流動性の評価は、タップフロー値が130〜150になるように水、液体バインダー添加量を調整可能なものを「○」、調整が不可能なものを「×」とした。
【0046】
鏝塗り性の評価
鏝塗り性の評価は、(1)鏝による材料の持ち上げ易さ(持ち上げ性指数)、(2)材料のダレ難さ(保形性指数)の2つの基準を規定して総合的に鏝塗り性を評価したものである:
「持ち上げ性指数」は、図1に示す装置を用いて測定した。装置は、バネ秤(1)、バット(2)、試料皿(φ80mm×9mm)(3)、バネ秤(1)と試料皿(3)を繋げる糸(φ1mm)(4)からなる。バット(2)の底部にバネ秤(1)に直結した試料皿(3)をセットし、そこへ供試材料を乗せて振動テーブルで5秒間振動を掛けて材料厚みを35mmにした後、バネ秤(1)を引いたときに試料皿(3)の供試材料が持ち上がったときの最大の荷重(N)を測定して材料の持ち上げ性を評価した。すなわち、荷重(N)が小さいほど鏝塗り施工時に材料を持ち上げ易いことを示している。表中の持ち上げ性指数は、本発明品1の供試材料の荷重を100としたときの指数で表しており、数値が小さいほど持ち上げ性が良いことを示す;
「持ち上げ性」は、本発明品1を基準として、持ち上げ性指数が130以下の場合を「○」、131以上199以下の場合を「△」、200以上の場合を「×」とした。
【0047】
保形性の評価
「保形性指数」は、図2に示すコーン形状の型枠を用いて供試材料を静置し、30秒後の形状の変化を自己流動性の指標と見なして、自己流動し難い性質を保形性として評価した。すなわち、30秒静置後の底辺の直径をRmmとした場合、形状変化(R/100)が小さいほど鏝塗り施工時にダレ難く保形性が良いことを示している。表中の保形性指数は、本発明品1の供試材料の形状変化(R/100)を100としたときの指数で表しており、数値が小さいほど保形性が良いことを示す;
「保形性」は、本発明品1を基準として、保形性指数が110以下の場合を「○」、111以上119以下の場合を「△」、120以上の場合を「×」とした。
【0048】
「鏝塗り施工性」は、持ち上げ性と保形性の両方が「○」の場合を「○」、片方あるいは両方が「△」の場合を「△」、片方あるいは両方が「×」の場合を「×」とした。
【0049】
耐食性の評価
耐食性の評価は、回転ドラム法によるスラグ侵食試験による耐スラグ性(耐スラグ性指数)の評価と高周波誘導炉内張り法による溶銑侵食試験による耐溶銑性(耐溶銑性指数)にて行ったものである:
スラグ侵食試験は、本発明品及び比較品の各材料を流し込み成形した供試体に対し、回転ドラム法により実施したものである。侵食剤として高炉スラグ(CaO/SiO質量比約1.2)を1時間あたり1.2kg使用し、1600℃で4時間行った。高炉スラグは1時間ごとに排出し、新しい高炉スラグと交換した。加熱方法はアーク加熱による。試験終了後に供試体の溶損深さを測定し、本発明品1の溶損深さを100として指数表示した。耐スラグ性指数は、数値が小さいほど溶損量が少なく耐スラグ性に優れることを示している;
溶銑侵食試験は、本発明品及び比較品の各材料を流し込み成形した供試体に対し、高周波誘導炉内張り法により実施したものである。侵食剤として銑鉄13kgを使用し、1600℃で4時間行った。試験終了後に供試体の溶損深さを測定し、本発明品1の溶損深さを100として耐溶銑性指数として表示したものである。耐溶銑性指数は、数値が小さいほど溶損量が少なく耐溶銑性に優れることを示している;
「耐溶銑性」及び「耐スラグ性」は、本発明品1を基準として、耐食性指数が70以下の場合を「◎」、71以上119以下の場合を「○」、120以上129以下の場合を「△」、130以上の場合を「×」とした;
「耐食性」は、「耐溶銑性」及び「耐スラグ性」の両方が「◎」ないし「○」の場合を「○」、どちらか片方あるいは両方が「△」の場合を「△」、どちらか片方あるいは両方が「×」の場合を「×」とした。
【0050】
耐スポーリング性の評価
「耐スポーリング性指数」は、本発明品及び比較品を並型形状(230mm×114mm×65mm)に流し込み成形した供試体を使用して、105℃で24時間乾燥した後、「電気炉にて加熱1500℃、30分間−自然冷却30分間」を1サイクルとして12サイクル繰り返し、発生した亀裂の本数を測定し、本発明品1の亀裂発生本数を100として指数表示したものである。耐スポーリング性指数は小さいほど亀裂の発生が少なく耐スポーリング性に優れることを示している;
「耐スポーリング性」は、本発明品1を基準として,耐スポーリング性指数が70以下の場合を「◎」、71以上119以下の場合を「○」、120以上129以下の場合を「△」、130以上の場合を「×」とした。
【0051】
「総合評価」は、「流動性」、「鏝塗り施工性」、「耐食性」及び「耐スポーリング性」のうち、すべてが「◎」ないし「○」のものを「○」、1つ以上「×」があるものは「×」、それ以外を「△」とした。
【0052】
上記表から、本発明品1〜27は、いずれも流し込み材としての流動性と鏝塗り材としての鏝塗り施工性を両立し、かつ、充分な耐食性を有する不定形耐火物であることが判る。
更に詳述すると、本発明品1〜3は、カーボンブラックの窒素吸着比表面積を本発明の範囲内で変化させたものであり、流し込み施工性と鏝塗り施工性の両立が可能であり、耐食性及び耐スポーリング性も必要基準を満たしている。
本発明品4〜7は、カーボンブラックの配合量を本発明の範囲内で変化させたものであり、流し込み施工性と鏝塗り施工性の両立が可能であり、耐食性及び耐スポーリング性も必要基準を満たしている。
本発明品8及び9は、炭素質原料として本発明の範囲外の窒素吸着比表面積を有するカーボンブラックを併用したものであり、流し込み施工性と鏝塗り施工性の両立が可能であり、耐食性及び耐スポーリング性も必要基準を満たしている。
本発明品10及び11は、本発明の範囲内のカーボンブラックとコールタールピッチを併用したものであり、流し込み施工性と鏝塗り施工性の両立が可能であり、耐食性および耐スポーリング性も必要基準を満たしている。
本発明品12〜15は、ビニロン繊維の配合量を本発明の範囲内で変化させたものであり、流し込み施工性と鏝塗り施工性の両立が可能であり、耐食性及び耐スポーリング性も必要基準を満たしている。
本発明品16〜18は、ビニロン繊維の繊維径を本発明の範囲内で変化させた場合であり、流し込み施工性と鏝塗り施工性の両立が可能であり、耐食性及び耐スポーリング性も必要基準を満たしている。
本発明品19は、親水性有機繊維のとして木材パルプを使用した場合であり、流し込み施工性と鏝塗り施工性の両立が可能であり、耐食性及び耐スポーリング性も必要基準を満たしている。
本発明品20及び21は、結合剤としてコロイダルシリカを用いた場合及びアルミナセメントとコロイダルシリカを併用した場合であり、流し込み施工性と鏝塗り施工性の両立が可能であり、耐食性及び耐スポーリング性も必要基準を満たしている。
本発明品22及び23は、原料に電融スピネルを使用した場合及びスピネルと電融アルミナを併用した場合であり、流し込み施工性と鏝塗り施工性の両立が可能であり、耐食性及び耐スポーリング性も必要基準を満たしている。
本発明品24は、アルミナ原料としてボーキサイトを用いた場合であり、流し込み施工性と鏝塗り施工性の両立が可能であり、耐食性及び耐スポーリング性も必要基準を満たしている。
本発明品25は、粒径0.3mm未満のボーキサイト及び炭化珪素が少ない粒度構成とした場合であり、流し込み施工性と鏝塗り施工性の両立が可能であり、耐食性及び耐スポーリング性も必要基準を満たしている。
本発明品26及び27は、ボールクレーを配合した場合であり、流し込み施工性と鏝塗り施工性の両立が可能であり、耐食性及び耐スポーリング性も必要基準を満たしている。
【0053】
比較品1は、アルミナ原料の割合が本発明範囲より多く、耐スラグ性、耐スポーリング性が不十分であった。
比較品2は、炭化珪素原料の割合が本発明範囲より多く、耐溶銑性が不十分であった。
比較品3〜7は、本発明範囲外の窒素吸着比表面積のカーボンブラックを配合した場合であり、窒素吸着比表面積が小さいために、カーボンブラックの添加効果が不十分であり、鏝塗り施工性が低下していた。
比較品8は、カーボンブラックを含まない場合であり、持ち上げ性,耐スラグ性及び耐スポーリング性に劣っていた。
比較品9は、本発明範囲内の窒素吸着比表面積を有するカーボンブラックの配合量が少ない場合であり、鏝塗り施工性及び耐スポーリング性が低下していた。
比較品10は、本発明範囲内の窒素吸着比表面積を有するカーボンブラックの配合量が多い場合であり、耐食性が低下していた。
比較品11は、炭素質原料の合計量が多い場合であり、耐食性が低下していた。
比較品12もまた、炭素質原料の合計量が多い場合であり、耐食性が低下していた。
比較品13は、配合したビニロン繊維の繊維径が小さい場合であり、持ち上げ性が低下し、鏝塗り施工性が低下していた。
比較品14は、配合したビニロン繊維の繊維径が大きい場合であり、保形性が得られておらず、鏝塗り施工性が低下していた。
比較品15は、非親水性有機繊維であるアクリル繊維を用いた場合であり、保形性に乏しいものであった。
比較品16は、親水性有機繊維を含まない場合であり、保形性に乏しいものであった。
比較品17〜20は、ビニロン繊維の配合量が少ない場合であり、保形性が得られておらず、鏝塗り施工性が低下していた。
比較品21〜24は、ビニロン繊維の配合量が多い場合であり、鏝塗り施工性及び耐スラグ性が低下していた。
比較品25は、粒径1mm以上の耐火性原料が過多の場合であり、水分調整によって流動性を確保することができなかった。
比較品26は、粒径0.3mm未満の耐火性原料が過多の場合であり、持ち上げ性及び保形性に乏しいものであった。
比較品27は、シリカ含有微粉の含有量が多い場合であり、耐スラグ性が低下し、また、耐スポーリング性の低下がみられた。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の不定形耐火物は、流し込み施工可能なことは勿論のこと、鏝塗り施工も可能であり、従来の補修用流し込み材と比較して、補修の際の耐火物原単位の大幅な低減を実現することができ、補修用不定形耐火物として好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 バネ秤、 2 バット、3 試料皿、4 糸。
図1
図2