(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
なお、本出願の記載に用いられている「電気的かつ機械的に接続されている」という用語は、対象物同士が直接接合により接続されている場合に限られず、ハンダや金属焼結材などの導電性の接合材を介して対象物同士が接続されている場合も含むものとする。
図1は本発明に係る半導体装置の第1の実施形態の概略構成を示す断面図である。
図1は本発明に係る半導体装置としてのパワー半導体モジュール2を示している。パワー半導体モジュール2は、絶縁基板3と、半導体チップ4と、プリント基板5と、第1導電ポスト8と、第2導電ポスト9と、回路インピーダンス低減素子10を備える。
【0011】
絶縁基板3は、絶縁板3aと、絶縁板3aの主面に固定された回路板3bと、絶縁板3aの主面と反対側に固定された金属板3cを有する。絶縁板3aはセラミックスなどで構成され、回路板3bおよび金属板3cは、銅やアルミニウムなどで構成されている。また、回路板3bは、ゲート電極用の第1回路板3g、ソース電極用の第2回路板3s、およびドレイン電極用の第3回路板3dで構成され、互いに絶縁されている。
回路板3bの表面に、ハンダ等の接合材7を用いて半導体チップ4が固定されている。半導体チップ4は、パワーMOSFETやIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)などのスイッチング用のパワー半導体素子で構成されている。本明細書の実施の形態の説明においては、半導体チップ4がパワーMOSFETである場合について説明する。
【0012】
絶縁基板3の回路板3bが固定されている側の面に対向して、プリント基板5が配置されている。プリント基板5は、銅などで構成された第1金属層5g1、5g2と、第2金属層5s1、5s2を有する。第1金属層5g1、5g2はゲート配線用であり、第2金属層5s1、5s2はソース配線用である。第1金属層5g1と5g2との間は、スルーホールに埋め込まれた導電ポストなどにより電気的に接続されている。第2金属層5s1と5s2との間も、同様の方法で電気的に接続されている。
そして、絶縁樹脂6により、回路板3b、半導体チップ4およびプリント基板5が封止されている。また、絶縁基板3の金属板3cは絶縁樹脂6から露出している。絶縁樹脂6は、例えば熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂で構成されている。
【0013】
半導体チップ4は、おもて面にゲート電極4gおよびソース電極4sを有し、裏面にドレイン電極4dを有する。ドレイン電極4dは第3回路板3dに接合材7を用いて、電気的かつ機械的に接続されている。
また、絶縁基板3とプリント基板5の間に、柱形状の第1導電ポスト8および第2導電ポスト9が配置されている。そして、第1導電ポスト8の両端が、それぞれゲート電極4gおよび第1金属層5g1に、電気的かつ機械的に接続されている。また、第2導電ポスト9の両端が、それぞれソース電極4sおよび第2金属層5s1に、電気的かつ機械的に接続されている。
【0014】
第1金属層5g1および5g2は、導電ポスト11gを経由して、第1回路板3gに電気的に接続されている。さらに第1回路板3gには、ゲート電極用の外部端子12gが電気的かつ機械的に接続されている。
第2金属層5s1および5s2は、導電ポスト11sを経由して、第2回路板3sに電気的に接続されている。さらに第2回路板3sには、ソース電極用の外部端子12sが電気的かつ機械的に接続されている。
第3回路板3dには、ドレイン電極用の外部端子12dが電気的かつ機械的に接続されている。また外部端子12g、12s、12dの、回路板3bと接続された端と反対の端は、絶縁樹脂6から突出している。
そして、回路インピーダンス低減素子としてのキャパシタ10が、第1金属層5g2および第2金属層5s2の間に、電気的かつ機械的に接続されている。
【0015】
この第1の実施形態のパワー半導体モジュール2の等価回路を、
図2に示す。
MOSFETQ0のゲート電極G0は、ゲート抵抗Rおよびゲート配線インダクタンスLi、Loを通じて、バイアス電源Bの負極側に接続されている。そして、ソース電極S0は、バイアス電源Bの正極側および接地に接続されている。ここで、MOSFETQ0のドレイン
電極D0とソース
電極S0の間には、寄生ダイオードDi0が逆並列に接続されている。また、MOSFETQ0のゲート
電極G0とソース
電極S0の間には、回路インピーダンス低減素子であるキャパシタ10が接続されている。
さらに、MOSFETQ0には、ゲート電極とドレイン電極の間に入力容量Cissが寄生し、ゲート電極とソース電極の間に帰還容量(逆伝達容量)Crssが寄生し、ドレイン電極とソース電極の間に出力容量Cossが寄生している。
【0016】
MOSFETQ0を備えた半導体チップ4がターンオフした際、ゲートG0に流れる電流Igとゲート配線のインダクタンスLg(Lo+Li)、ゲート抵抗Rとの共振による電流の振動が発生する。そして、その電流の振動で、ゲート電圧がしきい値以上に持ち上がり、本来オフ状態であるMOSFETQ0が意図せずターンオンする場合がある。
この意図しないターンオンを抑制するには、MOSFETQ0のゲートとソースとの間に、電流バイパス効果を有する回路インピーダンス低減素子(ここではキャパシタ10)を接続することが有効である。さらに、回路インピーダンス低減素子での電流バイパス効果を大きく発揮させるには、ゲート配線のインダクタンスを小さくすると効果的であることが明らかとなった。このゲート配線のインダクタンスは、パワー半導体モジュール2内部の配線インダクタンスLiとゲート駆動回路の配線インダクタンスLoとの和で表される。そして、パワー半導体モジュール2内部の配線インダクタンスLiをできるだけ低減することが効果的である。
【0017】
しかしながら、ゲート配線としてボンディングワイヤを使用する場合には、パワー半導体モジュール内部の配線インダクタンスLiは、例えば20〜40nHまでしか低減することができない。
これに対して、本実施形態のように、ゲート配線として第1導電ポスト8、導電ポスト11gおよび第1金属層5g1、5g2を使用すれば、Liを例えば5〜10nHに抑制することができる。すなわち、ゲート配線としてボンディングワイヤを使用する場合の4分の1〜8分の1にLiを低減することができる。
したがって、本実施形態により、回路インピーダンス低減素子(キャパシタ10)による電流バイパス効果を効果的に発揮することができる。これにより、MOSFETQ0の意図しないターンオンを防止し、MOSFETQ0の使用することができるdi/dtやdV/dtの範囲を広げることができる。
【0018】
次に、本発明の第2の実施形態について、
図1および
図3を参照して説明する。
第2の実施形態は、
図1に示した第1の実施形態のパワー半導体モジュール2を2組直列に接続してブリッジ回路を構成したものである。等価回路を
図3に示す。
すなわち、第2の実施形態では、
図3に示すように、上アームを構成するパワー半導体モジュール2のMOSFETQ1のドレイン電極D1が図示しない直流電源に接続されている。また、MOSFETQ1のソース電極S1が下アームを構成するパワー半導体モジュール2のMOSFETQ2のドレイン電極D2に接続されている。さらに、MOSFETQ2のソース電極S2は接地されている。
【0019】
そして、下アームのMOSFETQ2がオフ状態である時に、上アームのMOSFETQ1がターンオンすると、下アームのMOSFETQ2の寄生ダイオードDi2が逆回復し、下アームのドレイン電圧が急激に上昇する。この電圧上昇の傾き(dV/dt)と、下アームのMOSFETQ2の帰還容量Crssを乗算した値である電流が、MOSFETQ2のゲート電位を上昇させる。そして、MOSFETQ2のゲート電位がしきい値電圧を超えると、MOSFETQ2は意図せずターンオンする。すなわち、MOSFETQ1、Q2いずれもオン状態となることから、ブリッジ回路は短絡状態となってしまう。さらに具体的には、以下の通りである。
【0020】
MOSFETQ2には、ゲート電極とドレイン電極との間に入力容量Cissが寄生し、ゲート電極とソース電極との間に帰還容量(逆伝達容量)Crssが寄生し、ドレイン電極とソース電極との間に出力容量Cossが寄生している。このため、ゲート電極にはゲート抵抗R、ゲート配線のインダクタンスLiおよびLo、寄生容量
としての入力容量Cissおよび
帰還容量Crssが接続されることになり、これらによって直列RLC回路が構成される。このため、直列RLC回路の発振による電位変動ΔVgが発生する。
そして、ゲート電位Vgに電位変動ΔVgを加えた値(Vg+ΔVg)がしきい値電圧Vthを超えるとMOSFETQ2が意図せずターンオンし、上下アームが短絡状態となる。
【0021】
この下アームのMOSFETQ2の意図しないターンオンを抑制するためには、MOSFETQ2のゲートとソースとの間に回路インピーダンス低減素子(ここではキャパシタ10)を接続することが有効であることが明らかとなった。なぜなら、回路インピーダンス低減素子は、電流バイパス効果を有するからである。またさらに、この電流バイパス効果をより効果的にするには、ゲート配線のインダクタンス(特にモジュール内部の配線インダクタンスL1)を小さくすると良いことも明らかとなった。
このことから、
図1に示すように、ゲート配線として第1導電ポスト8、導電ポスト11gおよび第1金属層5g1、5g2を使用すれば、Liを例えば5〜10nHに抑制することができ、ボンディングワイヤを使用する場合の4分の1〜8分の1に低減することができる。
【0022】
したがって、本実施形態により、回路インピーダンス低減素子(キャパシタ10)による大きな電流バイパス効果を発揮することができる。これにより、MOSFETQ2の意図しないターンオンを防止し、MOSFETQ2の使用することができるdi/dtやdV/dtの範囲を広げることができる。
また、上アームのMOSFETQ1がオフ状態である時に、下アームのMOSFETQ2がターンオンすると、上アームのMOSFETQ1が上記と同様に意図せずターンオンする場合がある。このため、
図3に示すように、MOSFETQ1のゲート電極G1およびソース電極S1の間にも、回路インピーダンス低減素子(ここではキャパシタ10)を接続することが有効である。
また、上記第1および第2の実施形態においては、プリント基板5のおもて面の第1金属層5g2と第2金属層5s2の間にキャパシタ10を接続した場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0023】
次に、第3の実施形態におけるパワー半導体モジュールについて
図4〜
図10を参照して説明する。これら
図4〜
図10において、前述した
図1との対応部分には同一符号を付する。
この第3の実施形態では、上記第2の実施形態をより具体的にしたものである。
すなわち、第3の実施形態では、PMは前述したパワー半導体モジュール2を2組内蔵した半導体装置としてのパワー半導体モジュールである。このパワー半導体モジュールPMは、絶縁基板3Aと、それに固定された第1半導体チップ4Aおよび第2半導体チップ4Bを有する下アーム部13Aを備える。また、絶縁基板3Bと、それに固定された第1半導体チップ4Aおよび第2半導体チップ4Bを有する上アーム部13Bを備える。さらに、絶縁基板3Aおよび3Bに対向して、配線用の金属層を有するプリント基板5を備える。
【0024】
第1半導体チップ4Aは、第1および第2の実施形態と同様のパワーMOSFETなどのスイッチング用のパワー半導体素子で構成されている。第2半導体チップ4Bは、第1半導体チップ4Aに逆並列に接続される還流ダイオード(FWD)で構成されている。
そして、
図6(a)に示すように、絶縁基板3A、3B上のそれぞれ長手方向の中心線上に2個の第2半導体チップ4Bが所定の間隔を保って配置されている。また、これら第2半導体チップ4Bの両外側に、4個の第1半導体チップ4Aが所定の間隔を保って配置されている。
ここで、第1半導体チップ4Aは、裏面側にドレイン電極4dを有し、おもて面側にソース電極4sおよびゲート電極4gを有する、そして、ゲート電極4gが、第2半導体チップ4Bとは反対側の端部側となるように配置されている。また、第2半導体チップ4Bは、裏面側にカソード電極を有し、おもて面側にアノード電極を有する。
【0025】
これらの
第1半導体チップ4A、
第2半導体チップ4Bは、上記のような各種パワー半導体素子であるが、シリコン基板に形成したものでもよいし、SiCやその他の基板に形成したものでもよい。
絶縁基板3Aは、方形状の絶縁板3aと、絶縁板3aの主面に固定された回路板3bと、絶縁板3aの主面と反対側の面に固定された金属板3cを有する。
絶縁基板3Aの回路板3bは、
図6(a)に示すように、幅広部14aと幅狭部14bとからなり、平面形状がT字形状であるドレイン電極用の第3回路板14cを有する。
また、絶縁基板3Aの回路板3bは、幅狭部14bの外側に所定間隔を保って配置されたソース電極用の第2回路板14dおよび14eを有する。
【0026】
ここで、第3回路板14cには、第1半導体チップ4Aおよび第2半導体チップ4Bが電気的かつ機械的に接続されている。そして、第3回路板14cには、S1/D2端子となる外部端子19が圧入される孔14fが設けられている。また、第2回路板14dおよび14eには、S2端子となる外部端子20が圧入される孔14gが設けられている。
また、絶縁基板3Bも、絶縁基板3Aと同様に絶縁板3a、回路板3bおよび金属板3cを有する。絶縁基板3Bの回路板3bは、幅広部14hおよび幅狭部14iとからなるドレイン電極用の第3回路板14jを有する。さらに、絶縁基板3Bの回路板3bは、この第3回路板14jの幅狭部14iの外側に所定間隔を保って配置された回路板14k、14l、14mおよび14nを有する。このうち、14kおよび14lは補助ソース電極用の第4回路板であり、14mおよび14nはゲート電極用の第1回路板である。
【0027】
第3回路板14jには、第1半導体チップ4Aおよび第2半導体チップ4Bが電気的かつ機械的に接続されている。そして、第3回路板14jにはD1端子となる外部端子18が圧入される孔14oが設けられている。また、第4回路板14kおよび14lには、SS1、SS2端子となる外部端子21a、21bが圧入される孔14pが設けられている。さらに、第1回路板14
mおよび14nには、G1、G2端子となる外部端子22a、22bが圧入される孔14qが設けられている。
ここで、外部端子18、19、20、21a、21b、22aおよび22bは、導電性に優れた銅、あるいはアルミニウム系のものであることが望ましい。さらに、各外部端子を回路板3bにハンダで接合する場合、外部端子18、19、20、21a、21b、22aおよび22bにはニッケルあるいは錫系の表面処理を施すことが有効である。
【0028】
図8に示す等価回路図から分かるように、絶縁基板3Bには、上アームを構成する第1半導体チップ4A(MOSFETQ1a〜Q1d)と、第2半導体チップ4B(ダイオードDi1a、Di1b)が逆並列に接続されている。また絶縁基板3Aには、下アームを構成する第1半導体チップ4A(MOSFETQ2a〜Q2d)と、第2半導体チップ4B(ダイオードDi2a、Di2b)が逆並列に接続されている。
そして、絶縁基板3Bと、絶縁基板3Aに構成された2組の逆並列回路は、プリント基板5と、導電ポスト17bを経由して直列に接続される。
そして、MOSFETQ1a〜Q1dのドレイン電極4dは、第3回路板14jを経由して、パワー半導体モジュールPMのドレイン端子D1を構成する外部端子18に接続されている。MOSFETQ2a〜Q2dのドレイン電極4dは、第3回路板14cを経由して、パワー半導体モジュールPMのS1/D2を構成する外部端子19に接続されている。
【0029】
外部端子18〜20は、
図4に示すようにパワー半導体モジュールPMの幅方向の中心線に対して対称の位置に2本ずつ形成されている。また、パワー半導体モジュールPMは外部端子1
8の長手方向外側に片側2本ずつ計4本の外部端子21a、21b、22aおよび22bをさらに有している。これらの外部端子18、19、20、21a、21b、22aおよび22bはパワー半導体モジュールPMの両側縁に沿って略直線状に二列に配置されている。
外部端子21a、21bは補助ソース端子であって、MOSFETQ1a〜Q1d、Q2a〜Q2dのドレイン―ソース間に流れる電流をセンシングする電流検出端子SS1、SS2を構成している。また、外部端子22a、22bは、ハーフブリッジ回路のMOSFETQ1a〜Q1dおよびMOSFETQ2a〜Q2dのゲート電極4gにゲート制御信号を供給するゲート端子G1、G2を構成している。
【0030】
絶縁基板3A、3Bの裏面側の金属板3cは、その下面が絶縁樹脂24の底面と同一平面か、もしくは絶縁樹脂24の底面より僅かに突出している。
プリント基板
5のおもて面図を
図7(a)に、裏面図を(b)に示す。プリント基板5には、下アーム部13Aおよび上アーム部13Bの電流路となる、T字形状の第2金属層16aおよび16bが形成されている。第2金属層16aおよび16bと、下アーム部13Aおよび上アーム部13Bの第1半導体チップ4Aのソース電極4sは、それぞれ第2導電ポスト17sの両端と電気的かつ機械的に接続されている。なお、プリント基板5のおもて面および裏面の第2金属層16aは同電位であり、同様におもて面および裏面の第2金属層16bも同電位である。
【0031】
また、プリント基板5のおもて面には、下アーム部13Aおよび上アーム部13Bの制御回路となる、第1金属層16cおよび16dが形成されている。第1金属層16cおよび16dと、下アーム部13Aおよび上アーム部13Bの第1半導体チップ4Aのゲート電極4gは、それぞれ第1導電ポスト17gの両端と電気的かつ機械的に接続されている。
第1金属層16cは、第1金属層16e1、16e2、16e3および16hで構成されている。また第1金属層16dは、第1金属層16j1、16j2、16j3、および16mで構成されている。
図7で示される通り、第1金属層16cは、第1金属層16e1、16e2によって、各MOSFETQ1a〜Q1dのゲート電極4gへの配線長さが等しくなるように配置されている。同様に第1金属層16dは、第1金属層16j1、16j2によって、各MOSFETQ2a〜Q2dのゲート電極4gへの配線長さが等しくなるように配置されている。
【0032】
プリント基板5には、外部端子18、19および20が非接触で挿し通されるスルーホール16o、16pおよび16qを有する。
さらに、プリント基板5の裏面には、下アーム部13Aおよび上アーム部13Bの電流路となる、第2金属層16rおよび16sが配置されている。これら第2金属層16rおよび16sは、おもて面側の第1金属層の16hおよび16mと平面から見て重なるように配置されている。そして、第2金属層16vおよび16wに電気的に接続されている。
このように、ゲート配線である第1金属層16hおよび16mと、ソース配線である第2金属層16rおよび16sを対向する位置に配置することにより、両金属層の間の相互インダクタンスを低減することができる。この相互インダクタンスを低減することにより、MOSFETQ1a〜Q1dおよびQ2a〜Q2dの制御を安定させることができる。
【0033】
また、プリント基板5の第2金属層16bが複数の導電ポスト17bによって絶縁基板3Aの第
3回路板14cに電気的に接続され、下アーム部13Aと上アーム部13Bとの間の電流路を構成している。
さらに、プリント基板5のおもて面側には、下アーム部13Aの第1半導体チップ4Aのゲート電極
4gに電気的に接続される第1金属層16e
3と16hとの接続領域と、そこに隣接する第2金属層16aとの間に、回路インピーダンス低減素子としてのキャパシタ10Aが電気的かつ機械的に接続されている。
同様にプリント基板5のおもて面側には、上アーム部13Bの
第1半導体チップ4Aのゲート電極
4gに電気的に接続される第1金属層16j
3と16mとの接続領域と、そこに隣接する第2金属層16bとの間に、回路インピーダンス低減素子としてのキャパシタ10Bが電気的かつ機械的に接続されている。
【0034】
続いて、パワー半導体モジュールPMの製造工程について説明する。
あらかじめ用意したプリント基板5の所定の位置に、導電ポスト17a、17b、17g、17sの端部を電気的かつ機械的に接続する。
そして、
図9に示すように、絶縁基板3Aおよび3Bに外部端子18、19、20、21a、21b、22aおよび22bを挿入して垂直に保持された状態で、絶縁基板3Aおよび3Bの上にプリント基板5を配置する。
この際、導電ポスト17a、17b、17g、17sのもう片方の端部を、第1半導体チップ4A、第2半導体チップ4Bおよび第
3回路板14c、14jにハンダや金属粒子ペーストなどを介して当接させる。また、第1金属層16e
3および16hの接続領域と、そこに隣接する第2金属層16aとの間に、キャパシタ10Aを、ハンダを介して載置する。さらに、第1金属層16j
3および16mの接続領域と、そこに隣接する第2金属層16bとの間に、キャパシタ10Bを、ハンダを介して載置する。
【0035】
この状態でリフロー処理することにより、導電ポスト17a、17b、17g、17sの端部と、第1半導体チップ4A、第2半導体チップ4Bおよび第
3回路板14c、14jが電気的かつ機械的に接続される。また、第1金属層16cおよび16dと、第2金属層16aおよび16bとの間で、キャパシタ10Aおよび10Bが電気的に接続される。
なお、上記の工程の際、絶縁基板3Aの第
2回路板14dおよび14eと、プリント基板5の第2金属層16aの間を、図示しない導電ポストにより電気的に接続する。また、絶縁基板3Bの第4回路板14kおよび14lはそれぞれ、プリント基板5の第2金属層16wおよび16vと、図示しない導電ポストにより電気的に接続する。さらに、絶縁基板3Bの第1回路板14mおよび14nはそれぞれ、プリント基板5の第1金属層16lおよび16gと、図示しない導電ポストにより電気的に接続する。
【0036】
このように絶縁基板3Aおよび3Bと、プリント基板5とを電気的かつ機械的に接続した後に、図示しない金型内に配置して、金型内に例えば熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂材料を注入する。これにより、パワー半導体モジュールPMの外形が、
図4に示すように直方体状の絶縁樹脂24として成型される。これらの工程によりパワー半導体モジュールPMが製造される。
なお、絶縁樹脂24には、その長手方向の両端部側に、
図4に示すように、絶縁壁25A、25Bが形成されている。また絶縁壁25A、25Bを構成する凹部26の底部に、取付孔27が絶縁樹脂24の底面に貫通して配置されている。
【0037】
上記構成を有するパワー半導体モジュールPM
の、外部端子21a、21b、22a、22bを駆動回路に接続することにより、インバータ回路の1相を構成できる。さらにこれらを3個組み合わせることにより、U相、V相およびW相の3相のインバータ装置を構成できる。
このようにしてインバータ装置を構成した場合、パワー半導体モジュールPMの下アーム部13AのMOSFETQ1a〜Q1dと、上アーム部13BのMOSFETQ2a〜Q2dは、一方がオン状態であるときに他方がオフ状態となるように、交互にスイッチング制御される。そして、パワー半導体モジュールPMでは、
図5において実線矢印で示すように、外部端子18から入力される電流Iaが上アーム部13Bの回路板3bを経由して、MOSFETQ1a〜Q1dのドレイン電極に供給される。そしてMOSFETQ1a〜Q1dがオン状態であるときには、電流Iaは第2導電ポスト17s、プリント基板5の第2金属層16b、および導電ポスト17bを経由して絶縁基板3Aの回路板3bに供給される。
【0038】
この絶縁基板3Aの回路板3bに供給された電流Iaは、外部端子19を経由して例えばU相出力として負荷に出力される。
このとき、下アーム部13AのMOSFETQ2a〜Q2dはオフ状態であるので、ソース電極には電流が出力されず、外部端子20は電流遮断状態である。
その後、上アーム部13BのMOSFETQ1a〜Q1dがオフ状態となると、上記電流Iaが徐々に減少する。同時に、下アーム部13AのMOSFETQ2a〜Q2dがオン状態となる。この状態となると、
図5において破線図示の矢印で示すように、負荷からの電流が外部端子19、および絶縁基板3Aの回路板3bを経由してMOSFETQ2a〜Q2dのドレイン電極に入力される。このとき、MOSFETQ2a〜Q2dはオン状態であるので、ドレイン電極に入力された電流はソース電極から第2導電ポスト17s、およびプリント基板5の第2金属層16aを経由して外部端子20に出力される。この電流は、外部端子20から例えば負極側電源に戻される。
【0039】
このため、絶縁基板3Aの回路板3bでは実線図示の電流が減少して電流変化率di/dtが負となり、その後、プリント基板5へ向かう破線図示の電流が増加して電流変化率di/dtが正となる。このため、回路板3bの自己インダクタンスL1とプリント基板5の第2金属層16aの自己インダクタンスL2が直列に接続されることになる。両者の相互インダクタンスをMとすると、端子間電圧vは次式で表すことができる。
v={L1(di/dt)+M(di/dt)}+{L2(di/dt)+M(di/dt)}
したがって、絶縁基板3Aの回路板3bの電流変化率di/dtが負であり、プリント基板5の第2金属層16aの電流変化率di/dtが正であるので、相互インダクタンスMを相殺することができる。
【0040】
また、前述したように、下アーム部13Aと上アーム部13Bとの間の電流路が、第2導電ポスト17s、プリント基板5の第2金属層16b、および複数の導電ポスト17bにより構成されている。これにより、配線距離を短くするとともに、電流路の断面積を大きくすることができることから、内部配線のインダクタンスLiを例えば5〜10nHに低減することができる。
しかも、プリント基板5の第1金属層16cと第2金属層16aとの間に、回路インピーダンス低減素子としてのキャパシタ10Aを電気的に接続したので、その電流バイパス効果により、MOSFETQ2のゲート電圧の変動を抑制することができる。また、プリント基板5の第1金属層16dと第2金属層16bとの間に、回路インピーダンス低減素子としてのキャパシタ10Aを電気的に接続したので、その電流バイパス効果により、MOSFETQ1のゲート電圧の変動を抑制することができる。このことから、MOSFETQ1およびQ2の使用することができるdi/dtやdV/dtの範囲を広げることができる。
【0041】
図10は、上述したパワー半導体モジュールPMの構成を使用して、キャパシタ10Aおよび10Bを接続した場合の実施例1、2と、接続しない場合の比較例とを比較した結果である。
ここで実施例1は、キャパシタ10Aおよび10Bの静電容量を0.15nFにした場合、実施例2はキャパシタ10Aおよび10Bの静電容量を1.5nFにした場合である。
図10は、左側が上アーム(MOSFETQ1)のスイッチング時の電圧波形および電流波形であり、右側が下アーム(MOSFETQ2)のゲート・ソース間電圧Vgsおよびゲート電流波形を示している。ここでMOSFETQ2a〜Q2dはオン状態にせず、Vgs=−9Vでオフ状態を保たせている。
【0042】
この結果から、MOSFETQ1のスイッチング時に、比較例ではMOSFETQ2のVgsの最大変化量ΔVgs(max)が11.4Vに達していることが分かった。すなわちMOSFETQ2には
しきい値電圧Vth(=−9V)を超えて正の電圧が印加されることになるため、MOSFETQ2は意図せずターンオンしてしまう。
これに対して、実施例1では、ΔVgs(max)を7.3Vに抑制することができ、MOSFETQ2の意図しないターンオンを防止することができる。さらに、実施例2では、ΔVgs(max)を4.5Vに抑制することができ、MOSFETQ2の意図しないターンオンをより確実に防止することができる。
【0043】
上記実施形態においては、回路インピーダンス低減素子としてキャパシタを用いているが、これに限定されるものではなく、ダイオードやMOSFETを適用することもできる。要はMOSFETのゲート配線とソース配線の間を必要に応じて電気的に接続し、ゲート電圧の変動を抑制する電流バイパス効果を備えた素子であればよい。
上記実施形態では、絶縁基板3Aおよび3Bを個別に設けているので、第1半導体チップ4Aの発熱により発生する絶縁基板の内部応力を抑制することができる。このことから、パワー半導体モジュールPMの信頼性をより向上させることができる。
また、第1半導体チップ4Aのゲート電極を、第2半導体チップ4B側とは反対側に配置しているので、第1金属層(16cおよび16d)の経路を、第2金属層(16aおよび16b)を横切ることなく配置することが可能となる。このことから、プリント基板5の配線のレイアウトを容易に行うことができる。
【0044】
なお、上記各実施形態においては、下アーム部13Aおよび上アーム部13B毎に絶縁基板3Aおよび3Bを設けた場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、絶縁基板と封止材の線膨張係数差が問題にならない場合などでは、一枚の絶縁板3aに下アーム部13A用と上アーム部13B用の回路板3bを固定すると共に、共通の金属板3cを固定してもよい。
また、上記各実施形態においては絶縁基板3、3Aおよび3Bは、上記構成に限定されるものではない。例えば、セラミックスと銅をロウ付けし、エッチングによって銅をパターニングした所謂AMB(Active Metal Brazing)基板や、セラミックス基板と銅とを直接接合したDCB(Direct Copper Bonding)基板を適用することができる。また、絶縁板3aとしては、アルミナ(Al
2O
3)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si
3N
4)等を適用することができる。さらに、絶縁板3aとしては樹脂基板を適用することもできる。要は絶縁性を確保できる基板であればよい。
【0045】
また、上記実施形態においては、導電ポスト17a、17b、17g、17sを円柱形状にする場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、四角柱、三角柱、多角柱、楕円柱等の任意の形状の導電ポストを適用することができ、要はインダクタンスの減少に寄与する導電ポストであれば良い。
また、上記実施形態においては、全ての外部端子を絶縁基板上に取り付けたが、これに限定されるものではなく、ゲート端子やソース補助端子など大電流が流れない外部端子は、プリント
基板に直接取り付けても良い。この場合、絶縁基板3については
図11(a)〜(c)に示すように、2つの回路板41および42を配置し、外側に回路板43aおよび43bを独立して配置すればよい。この場合、上記実施形態に比べて、回路板の面積が増加し、冷却性能が向上するという効果がある。
【0046】
また、上記実施形態では、第1半導体チップ4AにパワーMOSFETを用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、第1半導体チップ4AをIGBTにしてもよい。この場合、上記実施形態におけるソース電極はエミッタ電極に、上記ドレイン電極はコレクタ電極にそれぞれ置き換えればよい。また、その他の電圧制御型半導体素子を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、絶縁基板3Aおよび3Bに第1半導体チップ4A(MOSFET)および第2半導体チップ4B(ダイオード)を共に配置する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、MOSFET内蔵ダイオードを使用できる場合や、同期整流方式を採用する場合などは、第2半導体チップ4Bを省略して第1半導体チップ4Aのみで構成することもできる。また、第1半導体チップ4Aを、IGBTとFWDとをワンチップにしたRC−IGBT(逆導通IGBT)のみで構成することもできる。
また、外部端子としては、棒形状に代えてリードフレームや他の形状の端子を適用することができる。また、外部端子の突出方向としてはパワー半導体モジュールPMの上面に限定されるものではなく、側面から突出させて上方に折り曲げるようにしてもよい。
【0047】
次に、本発明の第4の実施形態について
図12、
図13を参照して説明する。
図12は前述の第3の実施形態の
図7に対応した、回路インピーダンス低減素子としてのキャパシタの異なる配置例を示した図である。
プリント基板5のおもて面側には、下アーム部13Aの第1半導体チップ4Aのゲート電極に電気的に接続される第1金属層16e1と16e3との接続領域と、そこに隣接する第2金属層16aとの間に、キャパシタ10Cが電気的かつ機械的に接続されている。そして第1金属層16e2と16e3との接続領域と、そこに隣接する第2金属層16aとの間に、キャパシタ10Dが電気的かつ機械的に接続されている。
【0048】
同様にプリント基板5のおもて面側には、上アーム部13Bの第1半導体チップ4Aのゲート電極に電気的に接続される第1金属層16j1と16j3との接続領域と、そこに隣接する第2金属層16bとの間に、キャパシタ10Eが電気的かつ機械的に接続されている。そして第1金属層16j2と16j3との接続領域と、そこに隣接する第2金属層16bとの間に、キャパシタ10Fが電気的かつ機械的に接続されている。
このように第1半導体チップ4Aのゲート電極に近く、配線のインダクタンスが小さい位置に回路インピーダンス低減素子を配置することにより、回路インピーダンス低減素子の電流バイパス効果をより高めることができる。例えば、回路インピーダンス低減素子としてキャパシタを適用した場合、より小さい容量で優れた電流バイパス効果が得られる。それを示した結果を
図13に示す。
【0049】
図13は、第1半導体チップ4Aのゲート電極からの配線インダクタンスLgが5.1nHおよび2.6nHの位置にキャパシタを配置とした場合の、キャパシタの容量と第1半導体チップ4Aの逆回復損失の関係を示した図である。第1半導体チップ4Aに意図しないターンオンが発生すると、逆回復損失が増加する。
図13より、Lgがより小さい位置にキャパシタを配置した場合に、より小さいキャパシタ容量で逆回復損失が低減している。すなわち、Lgがより小さい位置にキャパシタを配置した場合には、意図しないターンオンが抑制され、高い電流バイパス効果が得られていることがわかる。
図17に示した従来の半導体装置100においては、回路インピーダンス低減素子を絶縁基板上の半導体チップとは異なる回路板に配置する必要がある。さらにゲート配線はボンディングワイヤで構成されているため、本実施形態のようにLgの小さい位置に回路インピーダンス低減素子を配置することは困難である。
【0050】
一方、本実施形態ではゲート配線に導電ポストとプリント基板を用いているため、半導体チップのゲート電極に近いプリント
基板上に回路インピーダンス低減素子を配置することが可能である。さらに、その間を導電ポストで接続しているため、Lgをより小さく、例えば5nH以下にすることが可能となる。言い換えれば、半導体チップのゲート電極からの配線インダクタンスが5nH以下の位置に、回路インピーダンス低減素子(キャパシタ10C〜10F)を配置することができる。このことから、
図13に示したような、優れた電流バイパス効果を得ることができる。
【0051】
次に、本発明の第5の実施形態について
図14を参照して説明する。
この第5の実施形態では、前述した第1の実施形態におけるプリント基板5にキャパシタを接続する場合に代えて、パワー半導体モジュール2の絶縁樹脂から突出する導電ポストに、キャパシタを電気的かつ機械的に接続するようにしたものである。
すなわち、第5の実施形態では、
図14に示すように、前述した
図1の構成において、第1導電ポスト8を、プリント基板5を貫通させ、さらに絶縁樹脂6から突出するように延長させる。また、第2導電ポスト9を、プリント基板5を貫通させ、さらに絶縁樹脂6から突出するように延長させる。そして、第1導電ポスト8および第2導電ポスト9の絶縁樹脂6から突出した箇所の間に、キャパシタ10が電気的かつ機械的に接続されている。
【0052】
この第5の実施形態でも、半導体チップ4のゲート電極4gとソース電極4sの間に、第1導電ポスト8および第2導電ポスト9を経由してキャパシタ10を電気的に接続したことになる。このため、等価回路としては
図2に示した第1の実施形態と全く同じ構成となる。また前述した第1の実施形態と同様に、ゲート配線に幅広の金属層と太い導電ポストを使用している。
したがって、第5の実施形態でも、パワー半導体モジュールは大きな電流バイパス効果を有し、半導体チップ4のゲート電圧の変動を抑制することができる。
【0053】
しかも、絶縁樹脂6から突出する第1導電ポスト8および第2導電ポスト9の間にキャパシタを接続するので、ユーザから要求される様々な仕様に合わせて任意の容量のキャパシタを接続することが可能となる。そのため、パワー半導体モジュール2の系列拡充において、キャパシタを除いたパワー半導体モジュール本体の系列数を少なくすることができ、製造コストの低減が可能となる。
また、第1の実施形態のようにプリント基板5上にキャパシタ10を接続した場合であっても、絶縁樹脂6から突出させた第1導電ポスト8および第2導電ポスト9の間に追加のキャパシタを接続することにより、トータルの静電容量を調整することも可能である。
【0054】
次に、本発明の第6の実施形態について
図15を参照して説明する。
この第6の実施形態では、
図15に示すように、前述した第1の実施形態における
図1の構成において、プリント基板の第1金属層5g1もしくは5g2に、電気的かつ機械的に接続された第3導電ポスト51を配置する。また、プリント基板の第2金属層5s1もしくは5s2に、電気的かつ機械的に接続された第4導電ポスト52を配置する。なお、第3導電ポスト51と第4導電ポスト52は、お互いが隣接した位置に配置する。そして第3導電ポスト51および第4導電ポスト52を絶縁樹脂6から突出させ、突出した箇所の間にキャパシタ10が電気的かつ機械的に接続されている。なお
図15においては、ドレイン用外部端子は図示を省略している。
この実施形態でも、等価回路的には上述の実施形態と全く同様の構成を有し、上述の実施形態と全く同様の作用効果を得ることができる。
さらにこの第6の実施形態においては、キャパシタ10を搭載する位置を、第1金属層と第2金属層が隣接する任意の位置に調整することができる。このため、第5の実施形態と比較して、パワー半導体モジュール2の設計自由度を高くすることができる。
【0055】
次に、本発明の第7の実施形態について
図16を参照して説明する。
この第7の実施形態では、前述した第1の実施形態における
図1の構成において、ゲート用である第1金属層5g2およびソース用である第2金属層5s2が隣接する任意の位置を、絶縁樹脂6から露出させる。そして露出した第1金属層5g2および第2金属層5s2の間に、キャパシタ10が電気的かつ機械的に接続されている。
この実施形態でも、等価回路的には上述の実施形態と全く同様の構成を有し、上述の実施形態と全く同様の作用効果を得ることができる。
さらに、この第7の実施形態においては、キャパシタ10を絶縁樹脂から突出させることなく配置することができるため、第6の実施形態と比較して、パワー半導体モジュール2の小型化が可能となる。
【0056】
上述の第5ないし第7の実施形態においては、あらかじめキャパシタなどの回路インピーダンス低減素子が接続された状態で、メーカーからユーザに出荷されている。しかしながら、ユーザが自身の使用状況に応じて回路インピーダンス低減素子をカスタマイズしたいという要求も存在する。そこでメーカーにおいては半導体モジュールに回路インピーダンス低減素子を接続せず、第1導電ポストおよび第2導電ポストを経由して、ゲート電極とソース電極の間に回路インピーダンス低減素子を接続するための素子接続端子を備えた状態でユーザに出荷しても良い。
【0057】
この素子接続端子は、第5の実施形態においては第1導電ポスト8および第2導電ポスト9が該当し、第6の実施形態においては第3導電ポスト51および第4導電ポスト52が該当し、第7の実施形態においては絶縁樹脂6から露出させた第1金属層5g2および第2金属層5s2が該当する。
パワー半導体モジュール2を使用するユーザは、素子接続端子に自身の使用状況に応じた仕様の回路インピーダンス低減素子を電気的に接続することにより、上述の実施形態と全く同様の作用効果を得ることができる。
なお、本発明は、パワー半導体モジュールの端子接続の組み合わせだけで所望する回路構成が得られることから、本発明は上述した電力変換用インバータ装置に限定されるものではない。例えば、パワー半導体モジュールを使用する他の電力変換装置や高周波用途のスイッチングIC等の他の半導体装置に本発明を適用することができる。