(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202112
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】ノイズ低減用電子部品
(51)【国際特許分類】
H05K 9/00 20060101AFI20170914BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
H05K9/00 Q
H05K1/02 P
H05K1/02 N
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-562758(P2015-562758)
(86)(22)【出願日】2015年1月5日
(86)【国際出願番号】JP2015050042
(87)【国際公開番号】WO2015122204
(87)【国際公開日】20150820
【審査請求日】2016年5月16日
(31)【優先権主張番号】特願2014-24132(P2014-24132)
(32)【優先日】2014年2月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105887
【弁理士】
【氏名又は名称】来山 幹雄
(74)【代理人】
【識別番号】100145023
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 学
(72)【発明者】
【氏名】石渡 祐
(72)【発明者】
【氏名】東 貴博
【審査官】
原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/013496(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0154815(US,A1)
【文献】
特開2001−211047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
H05K 1/02
H01Q 1/38
H01Q 15/14
H01Q 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に実装されて使用されるノイズ低減用電子部品であって、
回路基板のグランド導体と容量結合するように配置される浮遊電極と、
前記浮遊電極に接続された放射素子と、
前記放射素子から放射された電磁波を遮蔽する遮蔽部材と
を有するノイズ低減用電子部品。
【請求項2】
さらに、回路基板のグランド導体に電気的に接続されるグランド電極を有し、
前記浮遊電極が前記グランド電極に容量結合している請求項1に記載のノイズ低減用電子部品。
【請求項3】
前記ノイズ低減用電子部品が、回路基板に接着される底面を有し、前記浮遊電極及び前記グランド電極が、前記底面の面内方向に間隙を隔てて配置されている請求項2に記載のノイズ低減用電子部品。
【請求項4】
前記ノイズ低減用電子部品が、回路基板に接着される底面を有し、前記グランド電極が前記底面に露出しており、前記浮遊電極が、誘電体膜を介して前記グランド電極の上に配置されている請求項2に記載のノイズ低減用電子部品。
【請求項5】
前記遮蔽部材が導電材料で形成されており、前記グランド電極に電気的に接続されている請求項2乃至4のいずれか1項に記載のノイズ低減用電子部品。
【請求項6】
前記ノイズ低減用電子部品が、さらに、回路基板のグランド導体に接着される誘電体膜を有し、
前記浮遊電極が前記誘電体膜の上に配置されている請求項1に記載のノイズ低減用電子部品。
【請求項7】
前記遮蔽部材が磁性材料で形成されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載のノイズ低減用電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板等で発生したノイズを低減することが可能なノイズ低減用電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波ノイズ電流がコネクタを経由してケーブルへ伝搬することを防止するフィルタが、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたフィルタにおいては、プリント基板のコネクタ周辺部に高インピーダンスを示す領域が形成されている。高インピーダンスを示す領域は、所定の周波数帯で電磁波の伝搬を阻止するバンドギャップを持つ電磁バンドギャップ構造を有する。複数の周波数帯で高インピーダンスを示す表面構造が、特許文献2に開示されている。
【0003】
高インピーダンスを示す領域は、第1の導体層に周期的に配置された複数の導体小片と、第2の導体層に配置されたグランド導体膜と、複数の導体小片をグランド導体膜に接続する導体柱とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−105575号公報
【特許文献2】米国特許第6483481号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術により、プリント基板に接続されたコネクタのグランドに流れるコモンモード電流を抑制することが可能である。ところが、プリント基板上の一部の回路で発生したノイズが、同一基板上の他の回路に伝搬することを抑制することは困難である。このため、ノイズが基板全体に広がりやすい。ノイズが基板内に広がることで、二次的な放射が発生してしまうことがある。
【0006】
本発明の目的は、プリント基板等のノイズの低減を図ることが可能なノイズ低減用電子部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によると、
回路基板に実装されて使用されるノイズ低減用電子部品であって、
回路基板のグランド導体と容量結合するように配置される浮遊電極と、
前記浮遊電極に接続された放射素子と、
前記放射素子から放射された電磁波を遮蔽する遮蔽部材と
を有するノイズ低減用電子部品が提供される。
【0008】
回路基板のグランド導体に生じたノイズが浮遊電極に伝搬し、放射素子から電磁波として放射される。放射された電磁波は、遮蔽部材によって遮蔽される。回路基板のグランド導体に生じたノイズが電磁エネルギとして放射され、消費されることにより、ノイズの低減を図ることができる。
【0009】
さらに、回路基板のグランド導体に電気的に接続されるグランド電極を配置し、前記浮遊電極が前記グランド電極に容量結合する構成としてもよい。浮遊電極が、グランド電極を介して、回路基板のグランド導体に容量結合する。
【0010】
前記ノイズ低減用電子部品が、回路基板に接着される底面を有し、前記浮遊電極及び前記グランド電極が、前記底面の面内方向に間隙を隔てて配置される構造としてもよい。浮遊電極は、回路基板の絶縁性の領域に接着され、グランド電極は、回路基板のグランド導体に接着される。
【0011】
前記ノイズ低減用電子部品が、回路基板に接着される底面を有し、前記グランド電極が前記底面に露出しており、前記浮遊電極が、誘電体膜を介して前記グランド電極の上に配置される構造としてもよい。浮遊電極が、誘電体膜を介してグランド電極に容量結合する。
【0012】
前記遮蔽部材が導電材料で形成されており、前記グランド電極に電気的に接続される構造としてもよい。遮蔽部材による電磁波の遮蔽効果を高めることができる。
【0013】
前記ノイズ低減用電子部品が、さらに、回路基板のグランド導体に接着される誘電体膜を有し、前記浮遊電極が前記誘電体膜の上に配置されている構造としてもよい。浮遊電極が誘電体膜を介して、回路基板のグランド導体に容量結合する。
【0014】
前記遮蔽部材を磁性材料で形成してもよい。磁性材料により、電磁波を吸収することができる。
【発明の効果】
【0015】
回路基板のグランド導体に生じたノイズが浮遊電極に伝搬し、放射素子から電磁波として放射される。放射された電磁波は、遮蔽部材によって遮蔽される。回路基板のグランド導体に生じたノイズが電磁エネルギとして放射され、消費されることにより、ノイズの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1Aは、実施例1によるノイズ低減用電子部品の断面図であり、
図1B及び
図1Cは、それぞれ実施例1によるノイズ低減用電子部品が実装された回路基板の断面図及び底面図である。
【
図2】
図2は、グランド導体、浮遊導体、放射素子、及び遮蔽部材の等価回路図である。
【
図3】
図3は、実施例1によるノイズ低減用電子部品を回路基板に、他の態様で実装したときのノイズ低減用電子部品及び回路基板の断面図である。
【
図4】
図4Aは、実施例2によるノイズ低減用電子部品の断面図であり、
図4Bは、実施例2によるノイズ低減用電子部品が実装された回路基板の底面図である。
【
図5】
図5Aは、実施例3によるノイズ低減用電子部品の断面図であり、
図5Bは、実施例3によるノイズ低減用電子部品が実装された回路基板の底面図である。
【
図6】
図6は、実施例4によるノイズ低減用電子部品の断面図である。
【
図7】
図7Aは、実施例5によるノイズ低減用電子部品の断面図であり、
図7Bは、
図7Aの一点鎖線7B−7Bにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施例1]
図1Aに、実施例1によるノイズ低減用電子部品10の断面図を示す。ノイズ低減用電子部品10は回路基板20に実装されて使用される。ノイズ低減用電子部品10は、浮遊電極11、放射素子12、遮蔽部材13、及び充填材14を含む。
【0018】
浮遊電極11は、ノイズ低減用電子部品10の底面を構成する。浮遊電極11に放射素子12が取り付けられている。放射素子12は、例えば浮遊電極11の表面に対して垂直に固定された線状導体で構成され、モノポールアンテナとして動作する。放射素子12から放射された電磁波を遮蔽部材13が遮蔽する。遮蔽部材13には、銅等の導電材料またはフェライト等の磁性材料が用いられる。放射素子12と遮蔽部材13との間の空間に、誘電体からなる充填材14が充填されている。遮蔽部材13が導電材料で形成される場合、遮蔽部材13は浮遊電極11から電気的に絶縁されている。
【0019】
回路基板20は、グランド導体21及び浮遊導体22を含む。浮遊導体22は、グランド導体21から面内方向に間隙を隔てて配置され、グランド導体21と容量結合している。浮遊導体22の表面は露出している。浮遊導体22の露出した表面に、ノイズ低減用電子部品10の浮遊電極11が接着され、浮遊電極11が浮遊導体22に電気的に接続される。浮遊導体22がグランド導体21に容量結合しているため、ノイズ低減用電子部品10の浮遊電極11も回路基板20のグランド導体21に容量結合する。
【0020】
図1Bに、実施例1によるノイズ低減用電子部品10が実装された回路基板20の断面図を示す。回路基板20の素子実装面に集積回路素子29が実装されている。集積回路素子29の電極は、素子実装面に分布するパッド28に接続される。回路基板20内に、グランド導体膜24、電源導体膜23、及び信号配線が配置されている。集積回路素子29の電源端子が、層間接続部材26により電源導体膜23に接続され、集積回路素子29のグランド端子が、層間接続部材27によりグランド導体膜24に接続されている。回路基板20の、素子実装面とは反対側の背面に、グランド導体21及び浮遊導体22が配置されている。グランド導体21は、層間接続部材25により、内部のグランド導体膜24に接続されている。ノイズ低減用電子部品10が、浮遊導体22に接着されている。
【0021】
図1Cに、回路基板20の底面図を示す。回路基板20の背面にグランド導体21及び浮遊導体22が配置されている。浮遊導体22とグランド導体21との間に間隙31が確保されている。これにより、浮遊導体22がグランド導体21に容量結合する。ノイズ低減用電子部品10が、平面視において浮遊導体22の内部に配置されている。
【0022】
図2に、グランド導体21、浮遊導体22、放射素子12、及び遮蔽部材13の等価回路図を示す。グランド導体21が、キャパシタ30を介して浮遊導体22接続されている。キャパシタ30は、
図1Cに示したグランド導体21と浮遊導体22との間の間隙31に起因して生じる静電容量に基づく。浮遊導体22が浮遊電極11を介して放射素子12に接続されている。
【0023】
グランド導体21に生じたノイズ電流が、キャパシタ30を介して放射素子12に流れ、放射素子12から電磁波が放射される。放射素子12から放射された電磁波は、遮蔽部材13で遮蔽される。このように、グランド導体21に生じたノイズ電流が、放射素子12により電磁エネルギに変換される。放射素子12から放射された電磁エネルギは、遮蔽部材13により外部に放射されないため、最終的にはノイズ低減用電子部品10内で消費される。その結果、回路基板20、及びそれに実装されている集積回路素子29のノイズレベルの低減が図られる。
【0024】
一般的に、電磁的ノイズをグランド導体21に帰還させることにより、ノイズレベルの低減を図ることができる。ところが、グランド導体21の電位が安定していない場合、グランド導体21に帰還されたノイズが、回路基板20に実装されている種々の回路に悪影響を及ぼす場合がある。効果的なノイズ対策を行うには、ノイズエネルギそのものを消失させることが有効である。上述の実施例1では、ノイズエネルギが電磁エネルギとして放射されるため、グランド導体21の電位が安定していない場合であっても、ノイズレベルの低減を図ることが可能である。例えば、実施例1による回路基板20を、携帯情報端末の基板として用いる場合に、ノイズ低減の顕著な効果が得られる。
【0025】
キャパシタ30の静電容量、放射素子12の形状及び寸法は、除去すべきノイズの周波数帯の電磁波を効率よく放射させることができるように決定することが好ましい。例えば、回路基板20に実装されている集積回路素子29の動作周波数に相当する電磁波を効率よく放射させることができるように、キャパシタ30の静電容量、放射素子12の形状及び寸法が決定される。これにより、ノイズの除去効果を高めることができる。
【0026】
図3に、実施例1によるノイズ低減用電子部品10を、
図1A〜
図1Cの構成とは異なる構成で、回路基板20に実装したときのノイズ低減用電子部品10及び回路基板20の断面図を示す。
図1A〜
図1Cに示した構成例では、ノイズ低減用電子部品10の浮遊電極11が回路基板20の浮遊導体22に接続されていた。
図3に示した例では、ノイズ低減用電子部品10の浮遊電極11が回路基板20の絶縁性の表面に接着されている。ノイズ低減用電子部品10の浮遊電極11と、回路基板20のグランド導体21とが、面内方向に間隙32を隔てて配置されるように、ノイズ低減用電子部品10が位置決めされている。
【0027】
浮遊電極11とグランド導体21との間に間隙32が確保されているため、浮遊電極11がグランド導体21に容量結合する。
図3に示した例では、キャパシタ30(
図2)の静電容量が、間隙32の寸法に依存する。間隙32の寸法精度は、ノイズ低減用電子部品10を実装するときの位置決め精度で決まる。
【0028】
[実施例2]
次に、
図4A及び
図4Bを参照して、実施例2によるノイズ低減用電子部品10について説明する。以下、実施例1との相違点に着目して説明し、同一の構成については説明を省略する。
【0029】
図4Aに、実施例2によるノイズ低減用電子部品10の断面図を示す。実施例1では、ノイズ低減用電子部品10の底面の全域が、浮遊電極11(
図1A)で構成されていた。実施例2では、ノイズ低減用電子部品10の底面に、浮遊電極11及びグランド電極35が露出している。浮遊電極11とグランド電極35とは、底面の面内方向に間隙36を隔てて配置されている。遮蔽部材13がグランド電極35に電気的に接続されている。
【0030】
実施例1によるノイズ低減用電子部品10が実装される回路基板20には、浮遊導体22(
図1A)が配置されていたが、実施例2によるノイズ低減用電子部品10が実装される回路基板20には、浮遊導体22が配置されていない。ノイズ低減用電子部品10のグランド電極35が、回路基板20のグランド導体21に電気的に接続される。浮遊電極11は、回路基板20の絶縁性の表面に接着される。
【0031】
図4Bに、実施例2によるノイズ低減用電子部品10が実装された回路基板20の底面図を示す。ノイズ低減用電子部品10は、グランド導体21と絶縁性の領域との境界線を跨ぐように配置される。
【0032】
実施例2では、ノイズ低減用電子部品10の浮遊電極11がグランド電極35に容量結合し、グランド電極35が回路基板20のグランド導体21に接続される。これにより、ノイズ低減用電子部品10の浮遊電極11が、回路基板20のグランド導体21に容量結合する。実施例2においては、キャパシタ30(
図2)の静電容量が、間隙36の寸法に依存する。このため、キャパシタ30(
図2)の静電容量の精度が、浮遊電極11とグランド電極35との組立精度で決まる。
【0033】
また、実施例2では、遮蔽部材13が浮遊電極11から電気的に絶縁されており、グランド電極35に電気的に接続されている。これにより、遮蔽部材13が、回路基板20のグランド導体21に接続される。このため、遮蔽部材13による電磁波の遮蔽効果を高めることができる。遮蔽部材13を磁性材料で形成する場合には、遮蔽部材13とグランド電極35とを接続する必要はない。
【0034】
[実施例3]
図5A及び
図5Bを参照して、実施例3によるノイズ低減用電子部品10について説明する。以下、実施例1との相違点に着目して説明し、同一の構成については説明を省略する。
【0035】
図5Aに、実施例3によるノイズ低減用電子部品10の断面図を示す。ノイズ低減用電子部品10の底面の全域に、グランド電極35が露出している。浮遊電極11が、誘電体膜37を介してグランド電極35の上に配置されている。遮蔽部材13が、グランド電極35に電気的に接続され、浮遊電極11からは電気的に絶縁されている。グランド電極35が、回路基板20のグランド導体21に電気的に接続される。遮蔽部材13は、
図4Aに示した実施例2の場合と同様に、グランド電極35を介して、回路基板20のグランド導体21に接続される。
【0036】
図5Bに、実施例3によるノイズ低減用電子部品10が実装された回路基板20の底面図を示す。ノイズ低減用電子部品10は、平面視において、グランド導体21の内部に配置される。
【0037】
実施例3では、誘電体膜37を挟んで対向するグランド電極35と浮遊電極11とが、キャパシタ30(
図2)を構成する。
【0038】
[実施例4]
図6に、実施例4によるノイズ低減用電子部品10の断面図を示す。以下、
図5A及び
図5Bに示した実施例3によるノイズ低減用電子部品10との相違点に着目して説明し、同一の構成については説明を省略する。
【0039】
実施例4では、実施例3のグランド電極35が設けられておらず、ノイズ低減用電子部品10の底面に誘電体膜37が露出している。誘電体膜37が、回路基板20のグランド導体21に接着される。浮遊電極11は、誘電体膜37を介してグランド導体21の上に配置される。これにより、浮遊電極11がグランド導体21に容量結合する。
【0040】
ノイズ低減用電子部品10の側面の下端と、グランド導体21との接触部に、導電材料38が配置されている。導電材料38は、遮蔽部材13をグランド導体21に電気的に接続する。なお、遮蔽部材13として磁性材料を用いる場合には、導電材料38を配置する必要はない。
【0041】
[実施例5]
図7A及び
図7Bを参照して、実施例5によるノイズ低減用電子部品10について説明する。以下、実施例1〜実施例4との相違点に着目して説明し、同一の構成については説明を省略する。実施例1〜実施例4では、放射素子12としてモノポールアンテナを用いた。実施例5では、放射素子12としてスパイラルアンテナが用いられる。
【0042】
図7Aに、実施例5によるノイズ低減用電子部品10の断面図を示す。
図7Bに、
図7Aの一点鎖線7B−7Bにおける平断面図を示す。
図7Aは、
図7Bの一点鎖線7A−7Aにおける断面図に相当する。浮遊電極11から、その表面に対してほぼ垂直に導電性の支柱15が延びる。支柱15の先端にスパイラル状の線状導体からなる放射素子12が取り付けられている。
【0043】
なお、放射素子12として、パッチアンテナを用いてもよい。放射素子12には、除去すべきノイズの周波数帯の電磁波を最も放射しやすいアンテナを用いることが好ましい。
【0044】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【符号の説明】
【0045】
10 ノイズ低減用電子部品
11 浮遊電極
12 放射素子
13 遮蔽部材
14 充填材
15 支柱
20 回路基板
21 グランド導体
22 浮遊導体
23 電源導体膜
24 グランド導体膜
25、26、27 層間接続部材
28 パッド
29 集積回路素子
30 キャパシタ
31、32 間隙
35 グランド電極
36 間隙
37 誘電体膜
38 導電材料