特許第6202128号(P6202128)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202128
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】アンテナ装置、および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01Q 7/00 20060101AFI20170914BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20170914BHJP
   H01Q 19/02 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   H01Q7/00
   H01Q1/24 C
   H01Q19/02
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-71571(P2016-71571)
(22)【出願日】2016年3月31日
(62)【分割の表示】特願2014-236160(P2014-236160)の分割
【原出願日】2013年9月11日
(65)【公開番号】特開2016-146660(P2016-146660A)
(43)【公開日】2016年8月12日
【審査請求日】2016年3月31日
(31)【優先権主張番号】特願2012-211709(P2012-211709)
(32)【優先日】2012年9月26日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-141969(P2013-141969)
(32)【優先日】2013年7月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 信一
(72)【発明者】
【氏名】小澤 真大
(72)【発明者】
【氏名】椿 信人
【審査官】 佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−318622(JP,A)
【文献】 特開2011−249935(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/122685(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/135934(WO,A1)
【文献】 特開2006−217435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
H01Q 1/24
H01Q 1/52
H01Q 7/00
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部またはキーボードの配置面と平行な主面と、前記主面よりも面積が小さく、かつ前記主面に連接する側面と、前記側面に形成される、または前記側面から前記主面の端部に延在して形成される、切欠き部とを有する金属筐体部を含む筐体と、
前記筐体の内部に前記金属筐体部と磁界結合するように配置され、巻回中心部をコイル開口部とする給電コイルと、を備え、
前記給電コイルは、前記コイル開口部の少なくとも一部が前記主面と直交するように、かつ、前記コイル開口部を前記切欠き部の形成領域に向けて、前記切欠き部に近接して配置され、
前記切欠き部は、前記金属筐体部の外縁に接し、
前記主面が向く方向に位置する通信相手との通信および前記側面が向く方向に位置する通信相手との通信が可能な、
アンテナ装置。
【請求項2】
前記切欠き部は、前記金属筐体部の外縁に接するスリット部と、前記スリット部に接する開口部を有し、
前記コイル開口部は、前記側面に垂直な方向から見て、前記開口部と重なっている、
請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記開口部は、前記主面に延在している、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記開口部は、前記主面と前記側面との境界に接している、
請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のアンテナ装置を備え、前記筐体内に回路基板を備え、前記回路基板は、前記給電コイルに接続される給電回路を有する、
電子機器。
【請求項6】
操作部またはインターフェース部が前記切欠き部に配置される、
請求項5に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属筐体をアンテナとして利用するアンテナ装置、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末等の移動体通信端末において、近年、外観のデザイン性を向上させるとともに、大型化し、薄型化している筐体の強度を維持するために、アルミニウム、マグネシウム等の金属による筐体が用いられることがある。
【0003】
アンテナを備える電子機器の筐体を金属筐体とすると、そのアンテナにより送信または受信される電磁波は金属筐体による反射、吸収等の影響を受ける。このため、金属筐体を備える電子機器にアンテナを搭載する場合、アンテナの構成、配置等に工夫をする必要がある。例えば、NFC(Near Field Communication)等のHF帯通信システムでは、コイルアンテナを金属筐体の内部に単純に配置しても、通信相手と通信することができない。
【0004】
一方、金属筐体をアンテナとして利用するアンテナ装置として、特許文献1に示すようなものがある。特許文献1に記載のアンテナは、金属筐体部と給電コイルとを備える。金属筐体部の主面には、開口部とスリット部とが形成されている。給電コイルのコイル開口部と金属筐体部の開口部とは、主面に垂直な方向から見て重なっている。
【0005】
この構成により、給電コイルに電流が流れると、金属筐体部の周囲に誘導電流が流れる。そして、磁界が開口部を通り、金属筐体部を囲むように周回する。このため、金属筐体部の周りに磁界が大きく広がり、金属筐体部をアンテナの一部として機能させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2010/122685号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のアンテナ装置では、金属筐体部の主面に、開口部とスリット部とを形成する必要がある。しかし、電子機器の主面の形状等は、電子機器のデザインに大きな影響を与える。したがって、当該アンテナ装置では、アンテナ装置を備える電子機器のデザインの自由度が制約されるとともに、デザイン性を損なうおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、アンテナ装置のデザインの自由度を制限せず、アンテナの放射効率を向上させたアンテナ装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のアンテナ装置は、次の特徴を有する。アンテナ装置は、表示部またはキーボードの配置面と平行な主面と、前記主面よりも面積が小さく、かつ前記主面に連接する側面と、前記側面に形成される、または前記側面から前記主面の端部に延在して形成される、切欠き部とを有する金属筐体部を含む筐体と、前記筐体の内部に前記金属筐体部と磁界結合するように配置され、巻回中心部をコイル開口部とする給電コイルと、を備え、前記給電コイルは、前記コイル開口部の少なくとも一部が前記主面と直交するように、かつ、前記コイル開口部を前記切欠き部の形成領域に向けて、前記切欠き部に近接して配置され、前記切欠き部は、前記金属筐体部の外縁に接する。
【0010】
この構成では、給電コイルに電流が流れると、磁界結合した金属筐体部に磁界を打ち消す方向の誘導電流が流れる。これにより、誘導電流は、切欠き部を通るとともに、縁端効果により金属筐体部の周囲に流れる。そして、給電コイルを流れる電流と金属筐体部を流れる誘導電流とにより磁界が生じる。当該磁界は、切欠き部を通り、金属筐体部を囲むように周回する。このため、当該磁界は、金属筐体部の周りに大きく広がり、前記主面が向く方向に位置する通信相手との通信および前記側面が向く方向に位置する通信相手と通信が可能となる。
【0011】
さらに、この構成では、表示部またはキーボードの配置面と平行な主面と、給電コイルのコイル開口部とが直交するように配置される。これにより、例えば、主面のデザインによって、表示部又はキーボード部分に、導電性部材等が含まれるような場合でも、給電コイルのコイル開口部付近に生じている強い磁束が主面と垂直に交わって給電コイルの磁束の放射または集磁効果が低減するのを抑制しつつ、誘導電流を縁端効果により金属筐体部の周囲に流すことができる。そして、磁界を、金属筐体部を囲むように周回させて、金属筐体部の周りに大きく広げることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、アンテナ装置のデザインの自由度を制限せず、金属筐体部をアンテナの一部として利用することでアンテナの放射効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1(A)は、第1の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の裏面側から視た外観斜視図、図1(B)はその部分側面図である。
図2】第1の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の操作面側から視た外観斜視図である。
図3図3(A)は、給電コイル21に流れる電流を示す図である。図3(B)は、誘導電流が大きい場合の金属筐体部12に流れる誘導電流を示す図である。図3(C)は、誘導電流が小さい場合の金属筐体部12に流れる誘導電流を示す図である。
図4】第1の実施形態に係るアンテナ装置および給電回路を示す回路図である。
図5図5(A)は、第2の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の外観斜視図、図5(B)はその部分側面図である。
図6図6(A)は、第3の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の外観斜視図、図6(B)はその部分拡大図である。
図7図7(A)は、第4の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の外観斜視図、図7(B)はその部分拡大図である。
図8図8(A)は、第5の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の外観斜視図、図8(B)はその部分拡大図である。
図9図9(A)は、第6の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の外観斜視図、図9(B)はその部分拡大図である。
図10図10(A)は、第7の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の外観斜視図、図10(B)および図10(C)はその部分拡大図である。
図11図11(A)は、第8の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の表面(操作面)側から視た外観斜視図、図11(B)は、その電子機器の裏面側から視た外観斜視図である。
図12】第8の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の裏面側から視た部分拡大図である。
図13図13(A)は、第9の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の表面(操作面)側から視た外観斜視図、図13(B)は、その電子機器の裏面側から視た外観斜視図である。
図14】第9の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の裏面側から視た部分拡大図である。
図15図15(A)は、第10の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の表面(操作面)側から視た外観斜視図、図15(B)は、その電子機器の裏面側から視た外観斜視図である。
図16】第10の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の裏面側から視た部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置について説明する。図1(A)は、第1の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の裏面側から視た外観斜視図、図1(B)はその部分側面図である。図2は、その電子機器の表示部および操作部側から視た外観斜視図である。以下では、電子機器の外面のうち、面積が広い面を主面と称し、主面に略垂直な面を側面と称して説明する。
【0015】
アンテナ装置1は、筐体11と給電コイル21とを備え、筐体11を放射体として給電コイル21からの送信信号を送信するおよび/または筐体11を介して通信相手からの受信信号を給電コイル21で受信する磁界放射型アンテナである。筐体11は、電子機器の本体そのものであり、金属により形成されている金属筐体部12と樹脂により形成されている樹脂筐体部13とから構成される。アンテナ装置1は、例えば、NFC等のHF帯通信システムに使用される。NFCでは、例えば、リーダライタモード、Peer−to−Peerモードで使用される。アンテナ装置1を備える電子機器2は、略直方体の外形形状を有する。電子機器2は、例えば、携帯電話端末やタブレット端末等の移動体通信端末である。
【0016】
金属筐体部12は、主面金属部12aと側面金属部12b,12cとから構成され、筐体11の長手方向両端に配置された電界放射型アンテナ(図示せず)を覆う樹脂筐体部13を除き、筐体11の中央部分を含む大部分を覆うように配置されている。主面金属部12aは電子機器2の第1の主面に、側面金属部12bは電子機器2の第1の側面に、側面金属部12cは電子機器2の第2の側面に、それぞれ配置されている。側面金属部12b,12cは、主面金属部12aと連接している。樹脂筐体部13は、筐体11の他の部分を占めている。
【0017】
主面金属部12aには、カメラレンズの位置に開口31が形成されている。電子機器2の表示部32および操作部33は、第2の主面(第1の主面の反対側の主面)に配置されている。
【0018】
側面金属部12bには、切欠き部14が形成されている。切欠き部14は、側面金属部12bの外縁のうち第1の主面に垂直な辺に連通するように形成されている。切欠き部14は、開口部15とスリット部16とから構成される。スリット部16は、開口部15と側面金属部12bの外縁との間を連接する。この例では開口部15の幅はスリット部16の幅と同一になっている。
【0019】
給電コイル21は、筐体11の内部に配置され、側面金属部12bに近接している。給電コイル21は、巻回中心部をコイル開口部22とする渦巻き状の導体である。コイル開口部22は、第1の側面に垂直な方向から見て、開口部15と重なっている。給電コイル21は、金属筐体部12と磁界結合する。筐体11の内部には、図示されていない回路基板が実装されている。当該回路基板には、給電コイル21に接続された給電回路が形成されている。
【0020】
図3(A)は、給電コイル21を流れる電流を示す図である。図3(B)は、誘導電流が大きい場合の金属筐体部12に流れる主要な誘導電流を示す図である。図3(C)は、誘導電流が小さい場合の金属筐体部12に流れる主要な誘導電流を示す図である。
【0021】
給電コイル21に電流i1が流れると、磁界結合した金属筐体部12に電流i1により生じる磁界を打ち消す方向に誘導電流i2が流れる。誘導電流i2が大きい場合、誘導電流i2は、切欠き部14の周囲を流れ、縁端効果により金属筐体部12の周囲を周回するように流れる。
【0022】
電流i1と誘導電流i2とにより生じる磁界は、コイル開口部22と開口部15とを通り、金属筐体部12を囲むように周回する。このため、当該磁界は、金属筐体部12の周りに大きく広がる。これにより、金属筐体部12をアンテナとして機能させることができる。
【0023】
誘導電流i2が小さい場合、誘導電流i2は、切欠き部14の周囲を流れ、金属筐体部12のうち切欠き部14に近い領域を周回するように流れる。この場合、誘導電流i2が大きい場合に比べて、電子機器2の第1の主面が向く方向での通信距離はやや短くなる。しかし、この場合でも、主面金属部12aに誘導電流が流れるので、給電コイル21単体に比べて通信距離は長くなる。また、第1の側面が向く方向だけでなく、第1の主面が向く方向に位置する通信相手と通信することができる。
【0024】
図4は、アンテナ装置および給電回路を示す等価回路図である。RFIC41の第1の端子は、インダクタL1の第1端に接続されている。RFIC41の第2の端子は、インダクタL2の第1端に接続されている。RFIC41は、高周波信号を処理するためのICチップである。
【0025】
インダクタL1の第2端は、キャパシタC1,C2の第1端に接続されている。インダクタL2の第2端は、キャパシタC1の第2端とキャパシタC3の第1端とに接続されている。キャパシタC2の第2端はインダクタL3の第1端に接続されている。キャパシタC3の第2端はインダクタL3の第2端に接続されている。インダクタL3には可変容量キャパシタC4が並列接続されている。インダクタL3は、給電コイル21に対応している。インダクタL4およびキャパシタC5は、金属筐体部12に対応しており、インダクタL4を介してインダクタL3と磁界結合している。
【0026】
インダクタL1,L2とキャパシタC1とは、ローパスフィルタを構成する。当該ローパスフィルタは、RFIC41から出力される高調波成分を除去する。キャパシタC2,C3は整合回路を構成する。当該整合回路はRFIC41側のインピーダンスと給電コイル21(インダクタL3)側のインピーダンスとを整合させる。可変容量キャパシタC4とインダクタL3とは並列共振回路を構成する。当該並列共振回路の共振周波数は搬送波周波数にほぼ等しい。RFIC41、インダクタL1,L2、キャパシタC1,C2,C3および可変容量キャパシタC4は、給電回路を構成し、給電コイル21に電力を供給する。これらの素子は、チップ部品として回路基板に実装されているが、モジュール部品として一体化されていてもよい。
【0027】
インダクタL4のインダクタンスは、図1(A)に示した開口部15およびスリット部16の形状、大きさ等により主に定まる。キャパシタC5のキャパシタンスは、スリット部16の形状、大きさ等により主に定まる。なお、インダクタL4およびキャパシタC5による回路の共振周波数を搬送波周波数にほぼ等しくなるように構成することによって、通信相手側のアンテナと磁界結合しやすくなるため、通信特性を良好にすることが可能である。
【0028】
第1の実施形態によると、給電コイル21は側面金属部12bに近接して配置されている。また、コイル開口部22は、第1の側面に垂直な方向から見て、開口部15と重なっている。これにより、給電コイル21に電流が流れると、磁界結合した金属筐体部12に磁界を打ち消す方向の誘導電流が流れる。また、スリット部16は、開口部15と側面金属部12bの外縁との間を連接している。これにより、誘導電流は、開口部15の周囲およびスリット部16の周囲を通り、縁端効果により金属筐体部12の周囲に流れる。そして、給電コイル21を流れる電流と金属筐体部12を流れる誘導電流とにより磁界が生じる。当該磁界は、コイル開口部22と開口部15とを通り、金属筐体部12を囲むように周回する。このため、当該磁界は、金属筐体部12の周りに大きく広がる。これにより、金属筐体部12をアンテナとして機能させることができる。
【0029】
また、電子機器2の主面は、一般に、電子機器2のデザインに大きな影響を与える。一方、切欠き部14は、電子機器2の側面に配置された側面金属部12bに形成される。このため、電子機器2の主面の形状等を変える必要がない。したがって、電子機器2のデザインの自由度は制限されず、デザイン性を損なうこともない。また、側面金属部12bに切欠き部14を形成する場合、電子機器2の筐体11の強度は大きく低下しない。したがって、電子機器2の筐体11の強度を維持することができる。
【0030】
なお、切欠き部は、側面金属部12b,12cの双方に形成されてもよい。この場合、第1の給電コイルは、側面金属部12bに近接して配置される。第2の給電コイルは、側面金属部12cに近接して配置される。第1および第2の給電コイルは、給電回路に並列接続または直列接続される。これにより、主面金属部12aに流れる誘導電流の対称性が高まり、アンテナの指向性は筐体11の主面に垂直方向を向くことになる。また、両側面方向でも通信が可能となる。
【0031】
また、コイル開口部22は、必ずしも開口部15と重ならなくてもよい。コイル開口部22を切欠き部14の形成領域に向けて、給電コイル21を切欠き部14に近接して配置すれば、上記と同様に、金属筐体部12の周りに広がる磁界が生じる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置について説明する。図5(A)は、第2の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の外観斜視図、図5(B)はその部分側面図である。第2の実施形態に係るアンテナ装置1Aは、第1の実施形態に係る切欠き部14に代えて、切欠き部14Aを備える。また、第1の実施形態に係る構成に加えて、スイッチ部51Aを備える。スイッチ部51Aは本発明の操作部に相当する。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0033】
切欠き部14Aは、開口部15Aとスリット部16Aとから構成されている。開口部15Aの幅は、スリット部16Aの幅に比べて広い。スイッチ部51Aは、開口部15Aに配置されている。スイッチ部51Aは、例えば、カメラ用スイッチ(シャッターボタン)、主電源用スイッチ、音量調節用スイッチ等である。なお、開口部15Aにインターフェース部を配置してもよい。インターフェース部は、例えば、HDMI(登録商標)用IO端子、イヤホンジャック端子、SDカードの挿入口等である。
【0034】
第2の実施形態によると、電子機器2のデザインの自由度を制限せず、筐体11の強度を維持しつつ、金属筐体部12をアンテナとして利用することができる。また、開口部15Aのスペースを有効に利用することができる。
【0035】
次に、本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置について説明する。図6(A)は、第3の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の外観斜視図、図6(B)はその部分拡大図である。第3の実施形態に係るアンテナ装置1Bは、第1の実施形態に係る給電コイル21に代えて、給電コイル21Bを備える。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0036】
給電コイル21Bの一部は、側面金属部12bに近接して配置されている。給電コイル21Bの他の部分は、主面金属部12aに近接して配置されている。コイル開口部22Bは、電子機器2の第1の側面に垂直な方向から見て、開口部15と重なっている。
【0037】
第3の実施形態によると、給電コイル21Bの一部が主面金属部12aに近接して配置されている。これにより、給電コイル21Bに供給される高周波電力が小さい場合でも、金属筐体部12に生じる誘導電流は、主面金属部12aのうち切欠き部14から離れた領域まで広がる。そして、金属筐体部12の周りに生じる磁界は、電子機器2の第1の主面が向く方向に大きく広がる。したがって、高周波電力が小さい場合でも、電子機器2の第1の側面が向く方向だけでなく、第1の主面が向く方向でもアンテナ装置1Bの通信距離を大きくすることができる。また、第1の実施形態と同様に、電子機器2のデザインの自由度は制限されない。また、筐体11の強度を維持することができる。
【0038】
次に、本発明の第4の実施形態に係るアンテナ装置について説明する。図7(A)は、第4の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の外観斜視図、図7(B)はその部分拡大図である。第4の実施形態に係るアンテナ装置1Cは、第1の実施形態に係る給電コイル21に代えて、給電コイル21Cを備える。また、第1の実施形態に係る切欠き部14に代えて、切欠き部14Cを備える。また、第1の実施形態に係る構成に加えて、スイッチ部51Cを備える。スイッチ部51Cは、本発明の操作部に相当する。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0039】
切欠き部14Cは、開口部15Cとスリット部16とから構成される。開口部15Cは、側面金属部12bに形成されるとともに、主面金属部12aに延在している。給電コイル21Cの一部は、側面金属部12bに近接して配置されている。給電コイル21Cの他の部分は、主面金属部12aに近接して配置されている。コイル開口部22Cの一部は、電子機器2の第1の側面に垂直な方向から見て、開口部15Cの一部と重なっている。コイル開口部22Cの他の部分は、第1の主面に垂直な方向から見て、開口部15Cの他の部分と重なっている。スイッチ部51Cは、開口部15Cに配置されている。なお、スイッチ部51Cは、インターフェース部でもよい。
【0040】
第4の実施形態によると、給電コイル21Cの一部が主面金属部12aに近接して配置されている。また、開口部15Cおよびコイル開口部22Cの一部は、主面金属部12aに形成されている。これにより、金属筐体部12の周りに生じる磁界は、電子機器2の第1の主面が向く方向に大きく広がる。したがって、給電コイル21Cに供給される高周波電力が小さい場合でも、電子機器2の第1の側面が向く方向だけでなく、第1の主面が向く方向でもアンテナ装置1Cの通信距離を大きくすることができる。また、第1の実施形態と同様に、電子機器2のデザインの自由度は制限されない。また、筐体11の強度を維持することができる。
【0041】
次に、本発明の第5の実施形態に係るアンテナ装置について説明する。図8(A)は、第5の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の外観斜視図、図8(B)はその部分拡大図である。以下では、第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0042】
アンテナ装置1Dは、ノートPC2Dの側面に配置されている。ノートPC2Dは、本発明の電子機器に相当する。なお、本発明の電子機器として、タブレット端末等の各種の電子機器でもよい。
【0043】
筐体11Dは、金属筐体部121D,122Dと樹脂筐体部13Dとから構成される。金属筐体部121Dは、ノートPC2Dの第1の主面(キーボード35Dが配置された面)に配置されている。金属筐体部122Dは、第2の主面(第1の主面の反対側の面)に配置されている。金属筐体部121D,122Dは、第1および第2の主面を連接する側面に延在し、当該側面で樹脂筐体部13Dを介して配置されている。
【0044】
切欠き部14Dは、開口部15Dとスリット部16Dとから構成され、金属筐体部121Dに形成されている。開口部15Dは、側面に形成され、第1の主面に延在している。スリット部16Dは、側面に形成され、開口部15Dと金属筐体部121Dの外縁とを連接している。
【0045】
給電コイル21Dの一部は、側面に配置された金属筐体部121Dに近接して配置されている。給電コイル21Dの他の部分は、第1の主面に配置された金属筐体部121Dに近接して配置されている。コイル開口部22Dの一部は、側面に垂直な方向から見て、開口部15Dの一部と重なっている。コイル開口部22Dの他の部分は、第1の主面に垂直な方向から見て、開口部15Dの他の部分と重なっている。
【0046】
第5の実施形態によると、ノートPC2Dのデザインの自由度を制限せず、筐体11Dの強度を維持しつつ、金属筐体部121Dをアンテナとして利用することができる。
【0047】
次に、本発明の第6の実施形態に係るアンテナ装置について説明する。図9(A)は、第6の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の外観斜視図、図9(B)はその部分拡大図である。第6の実施形態に係るアンテナ装置1Eは、第1の実施形態に係る切欠き部14に代えて、切欠き部14Eを備える。また、第1の実施形態に係る給電コイル21に代えて、給電コイル21Eを備える。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0048】
切欠き部14Eは、開口部15Eとスリット部16Eとから構成される。開口部15Eは、側面金属部12bに形成され、主面金属部12aと側面金属部12bとの境界に接している。スリット部16Eは、開口部15Eと側面金属部12bの外縁との間を連接している。当該外縁は、側面金属部12bの外縁のうち電子機器2の第1の主面に平行な辺である。
【0049】
給電コイル21Eの一部は、側面金属部12bに近接して配置されている。給電コイル21Eの他の部分は、主面金属部12aに近接して配置されている。コイル開口部22Eは、第1の側面に垂直な方向から見て、開口部15Eと重なっている。
【0050】
第6の実施形態によると、電子機器2のデザインの自由度を制限せず、筐体11の強度を維持しつつ、金属筐体部12をアンテナとして利用することができる。
【0051】
次に、本発明の第7の実施形態に係るアンテナ装置について説明する。図10(A)は、第7の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の外観斜視図、図10(B)はその部分拡大図である。第7の実施形態に係るアンテナ装置1Fは、第1の実施形態に係る給電コイル21に代えて、給電コイル21Fを備える。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0052】
給電コイル21Fは、磁性体の周囲にコイル導体を形成したチップコイルから構成される。コイル開口部22Fは、第1の側面に垂直な方向から見て、開口部15と重なっている。給電コイル21Fは、図示されていない回路基板上に給電回路とともに実装されている。
【0053】
また、チップコイルから構成される給電コイルは、図10(C)のように配置されてもよい。アンテナ装置1Gは、チップコイルから構成される給電コイル21Gを備える。コイル開口部22Gの開口面は側面金属部12bの主面と直交するように配置されている。給電コイル21Gは、コイル開口部22Gを切欠き部14の形成領域に向けて、切欠き部14に近接して配置されている。これにより、磁界がコイル開口部22と開口部15とを通るように生じるので、給電コイル21Gは金属筐体部12と磁界結合する。
【0054】
第7の実施形態によると、電子機器2のデザインの自由度を制限せず、筐体11の強度を維持しつつ、金属筐体部12をアンテナとして利用することができる。
【0055】
次に、本発明の第8の実施形態に係るアンテナ装置について説明する。図11(A)は、第8の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の表面(操作面)側から視た外観斜視図、図11(B)は、その電子機器の裏面側から視た外観斜視図である。図12は、その電子機器の裏面側から視た部分拡大図である。以下では、第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0056】
アンテナ装置1Hは、金属筐体部(上部筐体)121H、金属筐体部(下部筐体)122Hおよび給電コイル21Hを備える。金属筐体部121Hは表面金属部121aHおよび側面金属部121bHから構成されている。
【0057】
表面金属部121aHは、略平板状であり、電子機器2Hの筐体11Hの表面を構成している。表面金属部121aHには開口部が形成され、この開口部に表示部32および操作部33が配置されている。側面金属部121bHは、枠状であり、筐体11Hの側面の大部分を覆うように配置されている。表面金属部121aHと側面金属部121bHとが連接して、箱状の金属筐体部121Hが構成されている。金属筐体部122Hは、平板状であり、筐体11Hの裏面を構成している。金属筐体部121Hと金属筐体部122Hとの隙間は、枠状の樹脂筐体部(ギャップ部)13Hで占められている。
【0058】
給電コイル21Hは、側面金属部121bHと金属筐体部122Hとに沿って、筐体11Hの内部に配置されている。給電コイル21Hのコイル開口部22Hは、給電コイル21Hが配置された筐体11Hの側面に垂直な方向から見て、樹脂筐体部13Hと重なっている。給電コイル21Hの外形寸法は、筐体11Hの長手方向に長く、筐体11Hの短手方向に短い。
【0059】
なお、金属筐体部121Hと金属筐体部122Hとは、所定箇所で接続されていてもよい。但し、金属筐体部121Hと金属筐体部122Hとを接続導体で接続する場合、給電コイル21Hの両側近傍に2つの接続導体をそれぞれ設けることは避ける。なぜなら、金属筐体部121H,122Hにおいて、誘導電流のショートカットが生じ、誘導電流が、金属筐体部121H,122Hのうち、給電コイル21Hに近接する部分にのみ流れてしまう場合があるからである。
【0060】
第8の実施形態によると、樹脂筐体部13Hが筐体11Hの裏面側寄りにオフセット配置されており、かつ、給電コイル21Hが筐体11Hの側面および裏面に沿って配置されている。このため、アンテナ装置1Hは電子機器2Hの裏面方向に指向性を有する。
【0061】
また、上述のように、給電コイル21Hの外形寸法は、筐体11Hの長手方向に長く、筐体11Hの短手方向に短い。すなわち、給電コイル21Hは、そのコイル開口部22Hと樹脂筐体部13Hとの重なり面積ができるだけ大きくなるように、形成され、配置されている。これにより、金属筐体部121H,122Hと給電コイル21Hとの磁界結合が強くなるため、アンテナ装置1Hの放射効率が高まる。
【0062】
第8の実施形態の構成では、電子機器2Hのデザインの自由度を制限せず、筐体11Hの強度を維持しつつ、金属筐体部121H,122Hをアンテナとして利用することができる。
【0063】
次に、本発明の第9の実施形態に係るアンテナ装置について説明する。図13(A)は、第9の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の表面(操作面)側から視た外観斜視図、図13(B)は、その電子機器の裏面側から視た外観斜視図である。図14は、その電子機器の裏面側から視た部分拡大図である。以下では、第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0064】
アンテナ装置1Jは、金属筐体部(枠状筐体)121J、金属筐体部(下部筐体)122Jおよび給電コイル21Jを備える。金属筐体部121Jは、略枠状であり、電子機器2Jの筐体11Jの側面の大部分を覆うように配置されている。金属筐体部121Jの一方端面と他方端面とを連接するように、樹脂からなるスリット部(ギャップ部)16Jが形成されている。スリット部(ギャップ部)16Jは、筐体11Jの厚み方向(上下方向)に延びるように形成されている。金属筐体部122Jは、平板状であり、筐体11Jの裏面を構成している。金属筐体部121Jと金属筐体部122Jとの隙間は枠状の樹脂筐体部(ギャップ部)13bJで占められている。筐体11Jの表面を含むその他の部分は、樹脂筐体部(上部筐体)13aJで占められている。なお、スリット部16Jは、金属筐体部121Jの他の部分に設けられてもよい。すなわち、スリット部16Jは、金属筐体部121Jのうち、筐体11Jの長手方向に対応する部分ではなく、筐体11Jの短手方向に対応する部分に設けられてもよい。
【0065】
給電コイル21Jは、金属筐体部121Jと金属筐体部122Jとに沿って、筐体11Jの内部に配置されている。給電コイル21Jのコイル開口部22Jは、給電コイル21Jが配置された筐体11Jの側面に垂直な方向から見て、スリット部(ギャップ部)16Jと樹脂筐体部(ギャップ部)13bJとの連接部分に重なっている。給電コイル21Jの外形寸法は、筐体11Jの長手方向に長く、筐体11Jの短手方向に短い。
【0066】
なお、金属筐体部121Jと金属筐体部122Jとは、所定箇所で接続されていてもよい。金属筐体部121Jと金属筐体部122Jとを接続導体で接続する場合、給電コイル21Jの両側近傍に、2つの接続導体をそれぞれ設けてもよい。また、樹脂筐体部(ギャップ部)13bJは筺体部の全周に配置されているが、必ずしも全周に設ける必要はなく、例えば、スリット部(ギャップ部)16Jと樹脂筐体部(ギャップ部)13bJとでT字状のスリットが形成されるようにしてもよい。
【0067】
第9の実施形態によると、金属筐体部121Jにスリット部16Jが設けられている。このため、第1の実施形態と同様に、誘導電流が金属筐体121の周囲に流れ、磁界が金属筐体部121J,122Jの周囲に大きく広がる。この結果、アンテナ装置1Jの放射効率が高まるとともに、アンテナ装置1Jの通信距離を長くすることができる。
【0068】
また、第9の実施形態によっても、第8の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
次に、本発明の第10の実施形態に係るアンテナ装置について説明する。図15(A)は、第10の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の表面(操作面)側から視た外観斜視図、図15(B)は、その電子機器の裏面側から視た外観斜視図である。図16は、その電子機器の裏面側から視た部分拡大図である。以下では、第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0070】
アンテナ装置1Kは、金属筐体部(上部筐体)121K、金属筐体部(下部筐体)122Kおよび給電コイル21Kを備える。金属筐体部121Kは表面金属部121aKおよび側面金属部121bKから構成されている。金属筐体部122Kは裏面金属部122aKおよび側面金属部122bKから構成されている。
【0071】
表面金属部121aKは、略平板状であり、電子機器2Kの筐体11Kの表面を構成している。表面金属部121aKには開口部が形成され、この開口部に表示部32および操作部33が配置されている。側面金属部121bKは、枠状であり、筐体11Kの側面の表面寄りに配置されている。表面金属部121aKと側面金属部121bKとが連接して、箱状の金属筐体部121Kが構成されている。
【0072】
裏面金属部122aKは、略平板状であり、筐体11Kの裏面を構成している。裏面金属部121aKにはカメラレンズの位置に開口31が形成されている。側面金属部122bKは、枠状であり、筐体11Kの側面の裏面寄りに配置されている。裏面金属部122aKと側面金属部122bKとが連接して、箱状の金属筐体部122Kが構成されている。
【0073】
金属筐体部121Kと金属筐体部122Kとの隙間は、略枠状の樹脂筐体部(ギャップ部)13Kで占められている。樹脂筐体部13Kは裏面寄りに配置されている。樹脂筐体部13Kには開口部が形成され、この開口部にスイッチ部51Kが配置されている。上述のように、スイッチ部51Kは、例えば、端末主電源ON/OFFスイッチ、音量ボリューム調節用スイッチ、カメラのシャッターボタン等である。
【0074】
給電コイル21Kは、側面金属部121bKと金属筐体部122Kとに沿って、筐体11Kの内部に配置されている。給電コイル21Kのコイル開口部22Kは、給電コイル21Kが配置された筐体11Kの側面に垂直な方向から見て、樹脂筐体部13Kと重なっている。給電コイル21Kの外形寸法は、筐体11Kの長手方向に長く、筐体11Kの短手方向に短い。樹脂筐体部13Kは、筐体11Kの裏面側寄りにオフセット配置されており、かつ、給電コイル21Kが筐体11Kの側面および裏面に沿って配置されている。
【0075】
なお、金属筐体部121Kと金属筐体部122Kとは、所定箇所で接続されていてもよい。但し、金属筐体部121Kと金属筐体部122Kとを接続導体で接続する場合、給電コイル21Kの両側近傍に、2つの接続導体をそれぞれ設けることは避ける。
【0076】
第10の実施形態によると、第8の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0077】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1J,1K…アンテナ装置
2,2H,2J,2K…電子機器
11,11D,11H,11J,11K…筐体
12,121D,122D,121H,122H,121J,122J,121K,122K…金属筐体部
12a…主面金属部
121aH,121aK…表面金属部
122aK…裏面金属部
12b,12c,121bH,121bK,122bK…側面金属部
13,13D,13H,13aJ,13bJ,13K…樹脂筐体部
15,15A,15C,15D,15E…開口部
16,16A,16D,16E,16J…スリット部
21,21B,21C,21D,21E,21F,21G,21H,21J,21K…給電コイル
22,22B,22C,22D,22E,22F,22G,22H,22J,22K…コイル開口部
41…RFIC
51A,51C,51K…スイッチ部
C1,C2,C3,C5…キャパシタ
C4…可変容量キャパシタ
L1,L2,L3,L4…インダクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16