特許第6202160号(P6202160)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6202160射出成形装置、射出成形装置の製造方法及びサブ射出ユニットの支持方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6202160
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】射出成形装置、射出成形装置の製造方法及びサブ射出ユニットの支持方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/13 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
   B29C45/13
【請求項の数】9
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-145259(P2016-145259)
(22)【出願日】2016年7月25日
【審査請求日】2016年9月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】宇部興産機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】有馬 祐一朗
(72)【発明者】
【氏名】大串 拓也
【審査官】 ▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−227875(JP,A)
【文献】 実開昭63−125518(JP,U)
【文献】 特開昭60−141515(JP,A)
【文献】 特開平04−339618(JP,A)
【文献】 特開2007−075999(JP,A)
【文献】 特開2009−279867(JP,A)
【文献】 特開平05−237872(JP,A)
【文献】 特開2005−066834(JP,A)
【文献】 特開2001−121572(JP,A)
【文献】 特開平08−174603(JP,A)
【文献】 特開2004−001403(JP,A)
【文献】 特開2003−053770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00−45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する少なくとも2つの金型取付盤と、前記金型取付盤のそれぞれに直接的又は間接的に取り付けられた金型と、前記金型を互いに型締めさせて形成されるキャビティに対して溶融樹脂を射出可能に配置されたメイン射出ユニットと、前記メイン射出ユニットよりも小型に形成され、前記キャビティに対して溶融樹脂を射出可能に配置されたサブ射出ユニットとを備える射出成形装置であって、
前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に対して前記サブ射出ユニットを取り付ける支持部材を更に備え、
前記支持部材は、前記金型の型開閉方向と交差する方向に向けて、前記サブ射出ユニットを支持するよう構成されており、
前記支持部材は、前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に固定される固定面を有する固定板部と、前記固定面と交差する方向に延びる支持面をそれぞれ有する一対の支持板とを有する断面略コ字状に形成されており、該一対の支持面の間において、前記サブ射出ユニットを支持するよう構成されている
ことを特徴とする射出成形装置。
【請求項2】
対向する少なくとも2つの金型取付盤と、前記金型取付盤のそれぞれに直接的又は間接的に取り付けられた金型と、前記金型を互いに型締めさせて形成されるキャビティに対して溶融樹脂を射出可能に配置されたメイン射出ユニットと、前記メイン射出ユニットよりも小型に形成され、前記キャビティに対して溶融樹脂を射出可能に配置されたサブ射出ユニットとを備える射出成形装置であって、
前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に対して前記サブ射出ユニットを取り付ける支持部材を更に備え、
前記支持部材は、前記金型の型開閉方向と交差する方向に向けて、前記サブ射出ユニットを支持するよう構成されており、
前記支持部材は、前記金型取付盤の一方に固定される固定面と、前記金型の一方が取り付けられる金型取付面とを有する金型取付板を備え、該金型取付面上において、前記サブ射出ユニットを支持するよう構成されている
ことを特徴とする射出成形装置。
【請求項3】
前記金型取付盤を貫通する複数のタイバーを更に備え、
前記支持部材は、隣接する一対の前記タイバーに亘って設けられており、前記サブ射出ユニットを支持する支持面を有している
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形装置。
【請求項4】
前記サブ射出ユニットの射出ノズルが前記金型の一方に接続される位置と、該射出ノズルが該金型から離間される位置との間において、前記サブ射出ユニットを該金型に対して進退させるサブ射出ユニット移動機構を更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の射出成形装置。
【請求項5】
前記サブ射出ユニットは、射出ノズルが前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態で、前記支持部材に固定されている
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の射出成形装置。
【請求項6】
前記金型取付盤を貫通する複数のタイバーと、
一端部が前記複数のタイバーの少なくとも1つに取り付けられ、他端部が前記サブ射出ユニットに取り付けられた補助支持部材と
を更に備え、
前記サブ射出ユニットは、射出ノズルが前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態で、前記支持部材に固定されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の射出成形装置の製造方法であって、
前記金型の型開閉方向と交差する方向に向けて、前記サブ射出ユニットを支持するよう構成された前記支持部材を用いて、前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に対して前記サブ射出ユニットを取り付ける
ことを特徴とする射出成形装置の製造方法。
【請求項8】
対向する少なくとも2つの金型取付盤と、前記金型取付盤のそれぞれに直接的又は間接的に取り付けられた金型と、前記金型を互いに型締めさせて形成されるキャビティに対して溶融樹脂を射出可能に配置されたメイン射出ユニットとを備える射出成形装置に対して、前記メイン射出ユニットよりも小型に形成され、前記キャビティに対して溶融樹脂を射出可能に構成されたサブ射出ユニットを取り付けるための支持方法であって、
前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に固定される固定面を有する固定板部と、前記固定面と交差する方向に延びる支持面をそれぞれ有する一対の支持板とを有する断面略コ字状に形成されており、該一対の支持面の間において、前記金型の型開閉方向と交差する方向に向けて、前記サブ射出ユニットを支持するよう構成された支持部材を用いて、前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に対して前記サブ射出ユニットを取り付ける
ことを特徴とするサブ射出ユニットの支持方法。
【請求項9】
対向する少なくとも2つの金型取付盤と、前記金型取付盤のそれぞれに直接的又は間接的に取り付けられた金型と、前記金型を互いに型締めさせて形成されるキャビティに対して溶融樹脂を射出可能に配置されたメイン射出ユニットとを備える射出成形装置に対して、前記メイン射出ユニットよりも小型に形成され、前記キャビティに対して溶融樹脂を射出可能に構成されたサブ射出ユニットを取り付けるための支持方法であって、
前記金型取付盤の一方に固定される固定面と、前記金型の一方が取り付けられる金型取付面とを有する金型取付板を備え、該金型取付面上において、前記金型の型開閉方向と交差する方向に向けて、前記サブ射出ユニットを支持するよう構成された支持部材を用いて、前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に対して前記サブ射出ユニットを取り付ける
ことを特徴とするサブ射出ユニットの支持方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サブ射出ユニットを備える射出成形装置、射出成形装置の製造方法及びサブ射出ユニットの支持方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数色又は複数種類の樹脂材料を使用して積層成形品を成形する積層成形品専用の射出成形装置として、略同サイズの複数の射出ユニットを有する多色多材射出成形装置が広く用いられている。このような従来の多色多材射出成形装置は、1つの積層成形品に使用される複数色又は複数種類の樹脂材料が略同じ射出充填量である場合には、好適に用いることができる。一方、例えば主材料及び副材料の様に、複数色又は複数種類の樹脂材料間の射出充填量に明確な差異があり、主材料の射出充填量に対して、それ以外の副材料の射出充填量が少ない場合には、副材料を射出充填させる射出ユニット内で、副材料が主材料に対して長く可塑化状態で保持されるため、副材料の品質の低下を招くおそれがある。また、副材料が射出充填される金型キャビティは、主材料が射出充填される金型キャビティよりも複数個所に偏在する場合が多く、この場合には副材料用の金型キャビティへの樹脂流路(ホットランナ)が長くなるため、金型の構造が複雑になるという問題や、副材料用の樹脂流路長の増加に起因して、樹脂流路内における可塑化状態での保持時間が増加し、副材料の品質の低下を招くおそれがあるという更なる問題が生じる。
【0003】
そのため、従来、主材料の射出充填量に対して、それ以外の副材料の射出充填量が少ない場合には、1つのメイン射出ユニットを備える汎用の射出成形装置に小型のサブ射出ユニットを後付けした射出成形装置が好適に用いられている(特許文献1)。
【0004】
特許文献1には、主材料用のメイン射出ユニット(第1射出機)と、副材料用のサブ射出ユニット(第2射出機)とを備え、サブ射出ユニットが金型に直接取り付けられると共に、サブ射出ユニットの射出ノズルが金型のスプル(樹脂供給口)に密着するように弾性部材で付勢された射出成形装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−053770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の射出成形装置は、サブ射出ユニットと金型との間にスプリング等の弾性部材が介在する構成であるため、サブ射出ユニットを金型に対して強固に固定することができないという問題がある。
【0007】
また、特許文献1の射出成形装置は、弾性部材によってサブ射出ユニットの射出ノズルを押圧する構成であるため、関連部材の摺動部に、関連部材間の摺動のためのクリアランスが必要となる。このため、特許文献1の射出成形装置では、このようなクリアランスの存在により、サブ射出ユニットが、弾性部材の付勢方向以外の方向にも移動するおそれがあるという問題がある。
【0008】
そして、これらの問題により、特許文献1の射出成形装置では、型開閉動作、型締動作及び射出充填動作等により発生する振動によって、サブ射出ユニットの金型への固定部位や弾性部材に、サブ射出ユニットの静的な負荷に加えて、動的な負荷が繰り返し作用することとなるため、固定部位や弾性部材の破損が発生するおそれがあるという問題がある。また、特許文献1の射出成形装置では、上述した振動により、金型の樹脂供給口に押し付けられた状態の射出ノズルが樹脂供給口に対して意図しない方向に摺動するため、射出ノズル及び金型の樹脂供給口の磨耗や破損が発生するおそれがあるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、金型取付盤又は金型に対してサブ射出ユニットを強固に取り付けることが可能な射出成形装置、射出成形装置の製造方法及びサブ射出ユニットの支持方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る射出成形装置は、対向する少なくとも2つの金型取付盤と、前記金型取付盤のそれぞれに直接的又は間接的に取り付けられた金型と、前記金型を互いに型締めさせて形成されるキャビティに対して溶融樹脂を射出可能に配置されたメイン射出ユニットと、前記メイン射出ユニットよりも小型に形成され、前記キャビティに対して溶融樹脂を射出可能に配置されたサブ射出ユニットとを備える射出成形装置であって、前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に対して前記サブ射出ユニットを取り付ける支持部材を更に備え、前記支持部材は、前記金型の型開閉方向と交差する方向に向けて、前記サブ射出ユニットを支持するよう構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る射出成形装置において、前記支持部材は、前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に固定される固定面と、前記固定面と交差する方向に延びる支持面とを有する断面略L字状に形成されており、該支持面上において前記サブ射出ユニットを支持するよう構成されるとしても良い。
【0012】
一方、本発明に係る射出成形装置において、前記支持部材は、前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に固定される固定面と、前記固定面と交差する方向に延びる一対の支持面とを有する断面略コ字状に形成されており、該一対の支持面の間において、前記サブ射出ユニットを支持するよう構成されるとしても良い。
【0013】
また、本発明に係る射出成形装置において、前記支持部材は、前記金型取付盤の一方に固定される固定面と、前記金型の一方が取り付けられる金型取付面とを有する金型取付板を備え、該金型取付面上において、前記サブ射出ユニットを支持するよう構成されるとしても良い。
【0014】
さらに、本発明に係る射出成形装置は、前記金型取付盤を貫通する複数のタイバーを更に備え、前記支持部材は、隣接する一対の前記タイバーに亘って設けられており、前記サブ射出ユニットを支持する支持面を有するとしても良い。
【0015】
上述した本発明に係る射出成形装置は、前記サブ射出ユニットの射出ノズルが前記金型の一方に接続される位置と、該射出ノズルが該金型から離間される位置との間において、前記サブ射出ユニットを該金型に対して進退させるサブ射出ユニット移動機構を更に備えるとしても良い。
【0016】
一方、上述した本発明に係る射出成形装置において、前記サブ射出ユニットは、射出ノズルが前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態で、前記支持部材に固定されるとしても良い。
【0017】
また、上述した本発明に係る射出成形装置は、前記金型取付盤を貫通する複数のタイバーと、一端部が前記複数のタイバーの少なくとも1つに取り付けられ、他端部が前記サブ射出ユニットに取り付けられた補助支持部材とを更に備え、前記サブ射出ユニットは、射出ノズルが前記金型取付盤又は前記金型に接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態で、前記支持部材に固定されることが好ましい。
【0018】
本発明に係る射出成形装置の製造方法は、対向する少なくとも2つの金型取付盤と、前記金型取付盤のそれぞれに直接的又は間接的に取り付けられた金型と、前記金型を互いに型締めさせて形成されるキャビティに対して溶融樹脂を射出可能に配置されたメイン射出ユニットと、前記メイン射出ユニットよりも小型に形成され、前記キャビティに対して溶融樹脂を射出可能に配置されたサブ射出ユニットとを備える射出成形装置の製造方法であって、前記金型の型開閉方向と交差する方向に向けて、前記サブ射出ユニットを支持するよう構成された支持部材を用いて、前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に対して前記サブ射出ユニットを取り付けることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係るサブ射出ユニットの支持方法は、対向する少なくとも2つの金型取付盤と、前記金型取付盤のそれぞれに直接的又は間接的に取り付けられた金型と、前記金型を互いに型締めさせて形成されるキャビティに対して溶融樹脂を射出可能に配置されたメイン射出ユニットとを備える射出成形装置に対して、前記メイン射出ユニットよりも小型に形成され、前記キャビティに対して溶融樹脂を射出可能に構成されたサブ射出ユニットを取り付けるための支持方法であって、前記金型の型開閉方向と交差する方向に向けて、前記サブ射出ユニットを支持するよう構成された支持部材を用いて、前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に対して前記サブ射出ユニットを取り付けることを特徴とする。
【0020】
一方、本発明に係るサブ射出ユニットの支持方法は、対向する少なくとも2つの金型取付盤と、前記金型取付盤のそれぞれに直接的又は間接的に取り付けられた金型とを備え、前記金型間にプレート状素材を積置させて、該プレート状素材をプレス成形するプレス装置に対して、プレス成形された前記プレート状素材を少なくとも含んで形成されるキャビティに対して溶融樹脂を射出可能に構成された前記サブ射出ユニットを取り付けるための支持方法であって、前記金型の型開閉方向と交差する方向に向けて、前記サブ射出ユニットを支持するよう構成された支持部材を用いて、前記金型取付盤の一方又は前記金型の一方に対して前記サブ射出ユニットを取り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、金型取付盤又は金型に対してサブ射出ユニットを強固に取り付けることが可能な射出成形装置、射出成形装置の製造方法及びサブ射出ユニットの支持方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態に係る射出成形装置の構成を概略的に示す正面図である。
図2】サブ射出ユニットの内部構成を概略的に示す断面図である。
図3図3(a)は、図1に示すサブ射出ユニット及び支持部材をA矢視方向から見た状態を示す概略図であり、図3(b)は、図1に示すサブ射出ユニット及び支持部材をB矢視方向から見た状態を示す概略図である。
図4図4(a)は、本発明の第2実施形態に係る射出成形装置におけるサブ射出ユニット及び支持部材部分を拡大して概略的に示す正面図であり、図4(b)は、図4(a)に示すサブ射出ユニット及び支持部材をC矢視方向から見た状態を示す概略図である。
図5図5(a)は、本発明の第3実施形態に係る射出成形装置におけるサブ射出ユニット及び支持部材部分を拡大して概略的に示す正面図であり、図5(b)は、図5(a)に示すサブ射出ユニット及び支持部材をD矢視方向から見た状態を示す概略図である。
図6図6(a)は、本発明の第4実施形態に係る射出成形装置におけるサブ射出ユニット及び支持部材部分を拡大して概略的に示す正面図であり、図6(b)は、図6(a)に示すサブ射出ユニット及び支持部材をE矢視方向から見た状態を示す概略図である。
図7図7(a)は、本発明の第5実施形態に係る射出成形装置におけるサブ射出ユニット及び支持部材部分を拡大して概略的に示す正面図であり、図7(b)は、図7(a)に示すサブ射出ユニット及び支持部材をF矢視方向から見た状態を示す概略図である。
図8図8(a)は、本発明の第6実施形態に係る射出成形装置におけるサブ射出ユニット及び支持部材部分を拡大して概略的に示す正面図であり、図8(b)は、図8(a)に示すサブ射出ユニット及び支持部材をG矢視方向から見た状態を示す概略図である。
図9図9(a)は、本発明の第7実施形態に係る射出成形装置におけるサブ射出ユニット及び支持部材部分を拡大して概略的に示す正面図であり、図9(b)は、図9(a)に示すサブ射出ユニット及び支持部材をH矢視方向から見た状態を示す概略図である。
図10】本発明の第8実施形態に係る射出成形装置におけるサブ射出ユニット及び支持部材部分を拡大して概略的に示す斜視図である。
図11】本発明の第9実施形態に係る射出成形装置におけるサブ射出ユニット、支持部材部分及び補助支持部材を拡大して示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0024】
まず、本発明の第1〜第9実施形態に係る射出成形装置において共通する構成について、説明する。第1〜第9実施形態に係る射出成形装置は、メイン射出ユニット3を備える射出成形装置本体に、支持部材20a〜20hを用いて小型のサブ射出ユニット30を取り付けることにより構成されている。射出成形装置本体は、例えば、図1に示す横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2や、図6及び図7に示す竪型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2´等を好適に用いることができる。
【0025】
横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2としては、例えば、図1に示すように、主材料用のメイン射出ユニット3と、ベース11に固設された固定盤(金型取付盤)4及びエンドプラテン8と、固定盤4及びエンドプラテン8の間において固定盤4に対して進退可能に設けられた可動盤(金型取付盤)5と、固定盤4に直接的又は金型取付板等を介して間接的に取り付けられた固定金型(金型)6と、可動盤5に直接的又は金型取付板等を介して間接的に取り付けられた可動金型(金型)7と、固定盤4、可動盤5及びエンドプラテン8の四隅を貫通して設けられた4本のタイバー9と、可動盤5及びエンドプラテン8の間に設けられ、可動盤5を固定盤4に対して進退させる型締機構10とを備えた射出成形装置本体を用いることができる。この場合において、固定盤4には、背面から正面(金型取付面)に亘る貫通孔が形成されており、固定金型6には、固定盤4の貫通孔と整合する位置にメイン射出ユニット用の樹脂供給口が形成されている。メイン射出ユニット3は、そのノズル部が固定盤4の貫通孔を介して固定金型6の樹脂供給口と接続されており、固定金型6及び可動金型7のキャビティに対して主材料となる溶融樹脂を射出可能に構成されている。なお、横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2は、上述した説明及び図示の態様に限定されるものではなく、種々の公知の構成を任意に採用することが可能である。
【0026】
一方、竪型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2´としては、例えば、図6及び図7に示すように、主材料用のメイン射出ユニット(図示せず)と、ベース(図示せず)上に載置された固定盤(金型取付盤)4´と、固定盤4´の四隅から上方に向けて延びる4本のタイバー9´と、タイバー9´の上端部に四隅が連結されたエンドプラテン(図示せず)と、固定盤4´及びエンドプラテンの間においてタイバー9´に沿って固定盤4´に対して進退可能に設けられた可動盤(金型取付盤)5´と、固定盤4´に直接的又は金型取付板等を介して間接的に取り付けられた固定金型(金型)6´と、可動盤5´に直接的又は金型取付板等を介して間接的に取り付けられた可動金型(金型)7´と、エンドプラテンに設けられ、可動盤5´を固定盤4´に対して進退させる型締機構(図示せず)とを備えた射出成形装置本体を用いることができる。なお、竪型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2´は、上述した説明及び図示の態様に限定されるものではなく、種々の公知の構成を任意に採用することが可能である。
【0027】
サブ射出ユニット30は、図2に示すように、固定フレーム32と可動フレーム33とを備える2プレート方式のインラインスクリュ式射出ユニットであり、メイン射出ユニット3よりも小型に形成されている。具体的には、サブ射出ユニット30は、固定フレーム32と、固定フレーム32に対して進退可能に設けられた可動フレーム33と、可動フレーム33を固定フレーム32に対して進退させる可動フレーム駆動機構34と、副材料となる樹脂材料を可塑化させる可塑化スクリュ軸35aを有するシリンダアッセンブリ35と、可塑化スクリュ軸35aを回転させる可塑化スクリュ駆動機構36と、シリンダアッセンブリ35の先端部が突出した状態で上記各構成を囲むハウジング31とを備えている。
【0028】
固定フレーム32は、ハウジング31に固設されている。一方、可動フレーム33は、固定フレーム32に対して、後述するように摺動可能な状態で支持されている。なお、ハウジング31は、固定フレーム32を固定可能であればプレート状部材でもよく、このプレート状部材にカバー部材を取り付ける形態であってもよい。
【0029】
可動フレーム駆動機構34は、固定フレーム32に設けられた射出モータ34aと、可動フレーム33に埋設された一対のボールねじナット34bと、一端部がベアリング34cを介して固定フレーム32に連結され、他端部がボールねじナット34bに螺合された一対のボールねじ軸34dと、射出モータ34aの出力軸及び一対のボールねじ軸34dに取り付けられた複数の射出プーリ34eと、複数の射出プーリ34eに掛け渡されたプーリベルト34fとを備えている。この可動フレーム駆動機構34は、射出モータ34aの回転力をプーリベルト34f及び複数の射出プーリ34eを介して一対のボールねじ軸34dに伝達させ、一対のボールねじ軸34dを正方向又は逆方向に回転させることにより、可動フレーム33を固定フレーム32に対して進退させるよう構成されている。
【0030】
シリンダアッセンブリ35は、先端部がハウジング31の外側に延出するよう固定フレーム32に固定された筒状の加熱バレル35cと、先端部側の所定領域にスクリュ35bが設けられ、基端部がベアリング35dを介して可動フレーム33に連結された可塑化スクリュ軸35aとを備えている。加熱バレル35cは、先端部に射出ノズルを有しており、図示しないホッパ(材料供給口)を介して副材料となるペレット状の樹脂材料を投入可能に構成されている。また、加熱バレル35cは、外周に配置された加熱手段(図示せず)によって加熱されるよう構成されており、可塑化スクリュ軸35aのスクリュ35bが設けられた所定領域が加熱バレル35c内に位置するよう配置されている。また、可塑化スクリュ軸35aの先端部には、可塑化した溶融樹脂を加熱バレル35cの射出ノズルから射出する際の逆流を防止するためのチェックリング35eが設けられている。
【0031】
可塑化スクリュ駆動機構36は、可動フレーム33に設けられた可塑化モータ36aと、可塑化モータ36aの出力軸及び可塑化スクリュ軸35aに取り付けられた複数の可塑化プーリ36bと、複数の可塑化プーリ36bに掛け渡されたプーリベルト36cとを備えている。この可塑化スクリュ駆動機構36は、可塑化モータ36aの回転力をプーリベルト36c及び複数の可塑化プーリ36bを介して可塑化スクリュ軸35aに伝達させることにより、可塑化スクリュ軸35aを回転させるよう構成されている。
【0032】
以上の構成を備えるシリンダアッセンブリ35は、加熱バレル35cによる加熱及び可塑化スクリュ軸35aの回転によるせん断熱によって、ホッパから投入された樹脂材料を可塑化(溶融)させるよう構成されている。また、シリンダアッセンブリ35は、可塑化スクリュ駆動機構36により可塑化スクリュ軸35aを回転させながら可動フレーム駆動機構34により可動フレーム33及び可塑化スクリュ軸35aを後退させることで計量を行い、計量完了後に、計量完了位置(後退位置)から可動フレーム駆動機構34により可動フレーム33及び可塑化スクリュ軸35aを前進させることで、可塑化された溶融樹脂を加熱バレル35cの射出ノズルから射出させるよう構成されている。
【0033】
なお、サブ射出ユニット30は、上述した説明及び図示の態様に限定されるものではなく、メイン射出ユニット3よりも小型かつ金型取付盤又は金型に取り付け可能なものであれば、種々の公知の射出ユニットを任意に採用することが可能である。
【0034】
次に、本発明の第1〜第9実施形態に係る射出成形装置において相違する構成について、説明する。以下の説明において、図の簡略化のため、サブ射出ユニット30を加熱バレル35eに相当する突出部分を有する直方体で図示するものとする。
【0035】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る射出成形装置について、図1を用いて説明する。第1実施形態に係る射出成形装置は、図1に示すように、横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2と、射出成形装置本体2に固定される支持部材20aと、支持部材20aに支持されるサブ射出ユニット30とを備えている。
【0036】
第1実施形態に係る支持部材20aは、図1及び図3に示すように、固定盤4の金型取付面に固定される固定面21aと、固定面21aと交差する方向に延びる支持面22aとを有する断面略L字状に形成されている。支持部材20aは、支持面22aが固定金型6の上面と近接した状態で、固定面21aがボルト等の締結手段によって固定盤4の金型取付面に固定されている。ここで、交差とは、2つの対象物が、直角(90度)及び直角から所定角度増減させた範囲の角度で交わる状態を意図しており、直角で交わる状態に限定するものではない。
【0037】
支持部材20aの支持面22aには、固定金型6及び可動金型7の型開閉方向と交差する方向、第1実施形態では鉛直方向下方に向けて、サブ射出ユニット移動機構23aを介してサブ射出ユニット30が配置されている。また、支持面22aには、サブ射出ユニット30の射出ノズル(加熱バレル35cの先端部)と整合する位置に、該射出ノズルを挿通させる貫通孔が形成されている。
【0038】
サブ射出ユニット移動機構23aは、図3(a)に示すように、支持面22aに立設された一対の直動ガイドレール24aと、サブ射出ユニット30に取り付けられ、一対の直動ガイドレール24aに沿って摺動可能に構成された直動ガイドブロック25aと、支持面22a上に設けられ、支持面22aに対してサブ射出ユニット30を進退させる油圧シリンダ等の駆動手段26aとを備えている。このサブ射出ユニット移動機構23aは、サブ射出ユニット30の射出ノズルが固定金型6の上面に形成された樹脂供給口6aに接続される位置と、該射出ノズルが固定金型6の樹脂供給口6aから離間される位置との間において、サブ射出ユニット30を固定金型6に対して進退させることが可能に構成されている。なお、一対の直動ガイドレール24aは、支持面22a上に直接的に立設される構成としても良いし、支持面22a上や、固定面21aの裏面(可動盤5側の面)上に立設されたガイドベース(図示せず)に固設される構成としても良い。また、サブ射出ユニット移動機構23aを構成する各構成要素は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0039】
以上の構成を備える第1実施形態に係る射出成形装置は、固定盤4及び可動盤5(金型取付盤)と、固定盤4及び可動盤5に直接的又は間接的に取り付けられた固定金型6及び可動金型7(金型)と、固定金型6及び可動金型7のキャビティに対して溶融樹脂を射出可能に配置されたメイン射出ユニット3とを備える射出成形装置本体2の固定盤4(金型取付盤)の金型取付面に、メイン射出ユニット3よりも小型に形成され、固定金型6及び可動金型7のキャビティに対して溶融樹脂を射出可能に構成されたサブ射出ユニット30を、固定金型6及び可動金型7の型開閉方向と交差する方向に向けてサブ射出ユニット30を支持するよう構成された支持部材20aを用いて取り付けることによって製造することができる。
【0040】
なお、第1実施形態に係る射出成形装置において、支持部材20aは、固定金型6の上面側においてサブ射出ユニット30を支持するものとして説明したが、これに限定されず、固定金型6の側面側又は底面側においてサブ射出ユニット30を支持する構成としても良い。また、支持部材20aは、固定盤4の金型取付面に固定されるものとして説明したが、これに限定されず、可動盤5の金型取付面に固定され、可動金型7の上面側、側面側又は底面側においてサブ射出ユニット30を支持する構成としても良い。さらに、サブ射出ユニット30は、サブ射出ユニット移動機構23aによって進退可能に構成されるものとして説明したが、これに限定されず、射出ノズルが固定金型6の樹脂供給口6aに接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態において、支持部材20aの支持面22aに固定される構成としても良い。
【0041】
またさらに、第1実施形態に係る射出成形装置では、支持部材20a及びサブ射出ユニット30を横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2に取り付けるものとして説明したが、これに限定されず、支持部材20a及びサブ射出ユニット30を竪型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2´や、射出成形装置本体2´と同様の竪型締機構を有するプレス装置に取り付ける構成としても良い。ここで、プレス装置は、対向する少なくとも2つの金型取付盤と、金型取付盤のそれぞれに直接的又は間接的に取り付けられた金型とを備え、金型間にプレート状素材を積置させて、該プレート状素材をプレス成形するよう構成されている。このようなプレス装置としては、例えば、金属素材をプレス成形するプレス装置や、強化繊維樹脂板を加熱しながら予備賦形するプレス装置等の、プレス成形型で素材を塑性変形させる種々の公知のプレス装置を採用することができる。また、プレス装置は、別の射出成形機やプレス装置で成形させた素材をインサートさせた後に型締めさせ、取り付けたサブ射出ユニットで樹脂構成部を積層成形させるよう構成されても良い。
【0042】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る射出成形装置について、図4を用いて説明する。第2実施形態に係る射出成形装置は、横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2と、射出成形装置本体2に固定される支持部材20bと、支持部材20bに支持されるサブ射出ユニット30とを備えている。
【0043】
第2実施形態に係る支持部材20bは、図4に示すように、固定盤4の金型取付面に固定される固定面21bと、固定面21bと交差する方向に延びる支持面22bとを有する断面略L字状に形成されている。支持部材20bは、固定金型6の側面と近接した位置において、支持面22bが固定金型6の側面と交差するよう、固定面21bがボルト等の締結手段によって固定盤4の金型取付面に固定されている。
【0044】
支持部材20bの支持面22bには、固定金型6及び可動金型7の型開閉方向と交差かつ水平方向に向けて、サブ射出ユニット移動機構23bを介してサブ射出ユニット30が配置されている。
【0045】
サブ射出ユニット移動機構23bは、支持面22bに設けられた一対の直動ガイドレール24bと、サブ射出ユニット30に取り付けられ、一対の直動ガイドレール24bに沿って摺動可能に構成された直動ガイドブロック25bと、固定金型6に対してサブ射出ユニット30を進退させる油圧シリンダ等の駆動手段(図示せず)とを備えている。このサブ射出ユニット移動機構23bは、サブ射出ユニット30の射出ノズルが固定金型6の側面に形成された樹脂供給口6b(図4(b)参照)に接続される位置と、該射出ノズルが固定金型6の樹脂供給口6bから離間される位置との間において、サブ射出ユニット30を固定金型6に対して進退させることが可能に構成されている。なお、一対の直動ガイドレール24bは、支持面22b上に直接的に敷設される構成としても良いし、支持面22b上に敷設されたガイドベース(図示せず)に固設される構成としても良い。また、駆動手段は、支持部材20bの任意の位置に設けることが可能である。サブ射出ユニット移動機構23bを構成する各構成要素は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0046】
以上の構成を備える第2実施形態に係る射出成形装置は、第1実施形態に係る射出成形装置と同様に、支持部材20bを用いて射出成形装置本体2の固定盤4(金型取付盤)の金型取付面にサブ射出ユニット30を取り付けることによって製造することができる。
【0047】
なお、第2実施形態に係る射出成形装置において、支持部材20bは、固定金型6の側面側においてサブ射出ユニット30を支持するものとして説明したが、これに限定されず、固定金型6の上面側又は底面側においてサブ射出ユニット30を支持する構成としても良い。また、支持部材20bは、固定盤4の金型取付面に固定されるものとして説明したが、これに限定されず、可動盤5の金型取付面に固定され、可動金型7の上面側、側面側又は底面側においてサブ射出ユニット30を支持する構成としても良い。さらに、サブ射出ユニット30は、サブ射出ユニット移動機構23bによって進退可能に構成されるものとして説明したが、これに限定されず、射出ノズルが固定金型6の樹脂供給口6bに接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態において、支持部材20bの支持面22bに固定される構成としても良い。またさらに、第2実施形態に係る射出成形装置では、支持部材20b及びサブ射出ユニット30を横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2に取り付けるものとして説明したが、これに限定されず、支持部材20b及びサブ射出ユニット30を竪型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2´や、射出成形装置本体2´と同様の竪型締機構を有する上述のプレス装置に取り付ける構成としても良い。
【0048】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る射出成形装置について、図5を用いて説明する。第3実施形態に係る射出成形装置は、横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2と、射出成形装置本体2に固定される支持部材20cと、支持部材20cに支持されるサブ射出ユニット30とを備えている。
【0049】
第3実施形態に係る支持部材20cは、図5に示すように、固定盤4の金型取付面に固定される固定面21cと、固定面21cと交差する方向に延びる一対の支持面22cとを有する断面略コ字状に形成されている。支持部材20cは、固定金型6の側面と近接した位置において、一対の支持面22cが固定金型6の側面と交差するよう、固定面21cがボルト等の締結手段によって固定盤4の金型取付面に固定されている。
【0050】
支持部材20cの一対の支持面22cの間には、固定金型6及び可動金型7の型開閉方向と交差かつ水平方向に向けて、サブ射出ユニット移動機構23cを介してサブ射出ユニット30が配置されている。
【0051】
サブ射出ユニット移動機構23cは、一対の支持面22cに設けられた一対の直動ガイドレール24cと、サブ射出ユニット30に取り付けられ、一対の直動ガイドレール24cに沿って摺動可能に構成された直動ガイドブロック25cと、固定金型6に対してサブ射出ユニット30を進退させる油圧シリンダ等の駆動手段(図示せず)とを備えている。一方の直動ガイドレール24cは、一方の支持面22cに設けられ、他方の直動ガイドレール24cは、他方の支持面22cに設けられている。このサブ射出ユニット移動機構23cは、サブ射出ユニット30の射出ノズルが固定金型6の側面に形成された樹脂供給口6c(図5(b)参照)に接続される位置と、該射出ノズルが固定金型6の樹脂供給口6cから離間される位置との間において、サブ射出ユニット30を固定金型6に対して進退させることが可能に構成されている。なお、一対の直動ガイドレール24cは、支持面22c上に直接的に敷設される構成としても良いし、支持面22c上に敷設されたガイドベース(図示せず)に固設される構成としても良い。また、駆動手段は、支持部材20cの任意の位置に設けることが可能である。サブ射出ユニット移動機構23cを構成する各構成要素は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0052】
以上の構成を備える第3実施形態に係る射出成形装置は、第1実施形態に係る射出成形装置と同様に、支持部材20cを用いて射出成形装置本体2の固定盤4(金型取付盤)の金型取付面にサブ射出ユニット30を取り付けることによって製造することができる。第3実施形態に係る支持部材20cは、固定面21cに対して交差する方向に立設された一対の支持面22cの間においてサブ射出ユニット30を支持するよう構成されていることにより、第1及び第2実施形態に係る支持部材20a,bよりも、サブ射出ユニット30を固定盤4に近い位置で支持することが可能となる。このため、第3実施形態に係る支持部材20cは、金型が薄く、型厚方向に十分な設置スペースを確保することが困難な場合や、固定金型6の樹脂供給口6cが固定盤4に近い位置に形成されている場合等に、特に好適に用いることができる。
【0053】
なお、第3実施形態に係る射出成形装置において、支持部材20cは、固定金型6の側面側においてサブ射出ユニット30を支持するものとして説明したが、これに限定されず、固定金型6の側面側又は底面側においてサブ射出ユニット30を支持する構成としても良い。また、支持部材20cは、固定盤4の金型取付面に固定されるものとして説明したが、これに限定されず、可動盤5の金型取付面に固定され、可動金型7の上面側、側面側又は底面側においてサブ射出ユニット30を支持する構成としても良い。さらに、サブ射出ユニット30は、サブ射出ユニット移動機構23cによって進退可能に構成されるものとして説明したが、これに限定されず、射出ノズルが固定金型6の樹脂供給口6cに接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態において、支持部材20cの一対の支持面22cに固定される構成としても良い。またさらに、第3実施形態に係る射出成形装置では、支持部材20c及びサブ射出ユニット30を横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2に取り付けるものとして説明したが、これに限定されず、支持部材20c及びサブ射出ユニット30を竪型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2´や、射出成形装置本体2´と同様の竪型締機構を有する上述のプレス装置に取り付ける構成としても良い。
【0054】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る射出成形装置について、図6を用いて説明する。第4実施形態に係る射出成形装置は、竪型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2´と、射出成形装置本体2´に固定される支持部材20dと、支持部材20dに支持されるサブ射出ユニット30とを備えている。
【0055】
第4実施形態に係る支持部材20dは、図6に示すように、可動金型7´に固定される固定面21dと、固定面21dと交差する方向に延びる支持面22dとを有する断面略L字状に形成されている。支持部材20dは、支持面22dが可動金型7´の側面と交差するよう、固定面21dがボルト等の締結手段によって可動金型7´の一の側面に固定されている。
【0056】
支持部材20dの支持面22dには、固定金型6´及び可動金型7´の型開閉方向と交差かつ水平方向に向けて、サブ射出ユニット移動機構23dを介してサブ射出ユニット30が配置されている。
【0057】
サブ射出ユニット移動機構23dは、可動金型7´に対してサブ射出ユニット30を進退させる構成である点を除き、第2実施形態に係るサブ射出ユニット移動機構23bと同様に、一対の直動ガイドレール24dと、直動ガイドブロック25dと、駆動手段(図示せず)とを備えており、サブ射出ユニット30を進退させることが可能に構成されている。なお、一対の直動ガイドレール24dは、支持面22d上に直接的に敷設される構成としても良いし、支持面22d上に敷設されたガイドベース(図示せず)に固設される構成としても良い。また、駆動手段は、支持部材20dの任意の位置に設けることが可能である。サブ射出ユニット移動機構23dを構成する各構成要素は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0058】
以上の構成を備える第4実施形態に係る射出成形装置は、支持部材20dを用いて射出成形装置本体2´の可動金型7´(金型)の側面にサブ射出ユニット30を取り付けることによって製造することができる。
【0059】
なお、第4実施形態に係る射出成形装置において、支持部材20dは、可動金型7´の側面に固定されるものとして説明したが、これに限定されず、固定金型6´の側面に固定され、固定金型6´の側面側においてサブ射出ユニット30を支持する構成としても良い。また、サブ射出ユニット30は、サブ射出ユニット移動機構23dによって進退可能に構成されるものとして説明したが、これに限定されず、射出ノズルが可動金型7´の樹脂供給口(図示せず)に接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態において、支持部材20dの支持面22dに固定される構成としても良い。さらに、第4実施形態に係る射出成形装置では、支持部材20d及びサブ射出ユニット30を竪型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2´に取り付けるものとして説明したが、これに限定されず、支持部材20d及びサブ射出ユニット30を、射出成形装置本体2´と同様の竪型締機構を有する上述のプレス装置や、横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2の固定金型6の上面、側面若しくは底面又は可動金型7の上面、側面若しくは底面に取り付ける構成としても良い。
【0060】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る射出成形装置について、図7を用いて説明する。第5実施形態に係る射出成形装置は、竪型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2´と、射出成形装置本体2´に固定される支持部材20eと、支持部材20eに支持されるサブ射出ユニット30とを備えている。
【0061】
第5実施形態に係る支持部材20eは、図7に示すように、固定盤4´に固定される固定面21eと、固定面21eと交差する方向に延びる支持面22eとを有する断面略L字状に形成されている。支持部材20eは、支持面22eが固定盤4´の側面と交差するよう、固定面21eがボルト等の締結手段によって固定盤4´の一の側面に固定されている。
【0062】
支持部材20eの支持面22eには、固定金型6´及び可動金型7´の型開閉方向と交差かつ水平方向に向けて、サブ射出ユニット移動機構23eを介してサブ射出ユニット30が配置されている。
【0063】
サブ射出ユニット移動機構23eは、固定金型6´に対してサブ射出ユニット30を進退させる構成である点を除き、第4実施形態に係るサブ射出ユニット移動機構23dと同様に、一対の直動ガイドレール24eと、直動ガイドブロック25eと、駆動手段(図示せず)とを備えており、サブ射出ユニット30を進退させることが可能に構成されている。なお、一対の直動ガイドレール24eは、支持面22e上に直接的に敷設される構成としても良いし、支持面22e上に敷設されたガイドベース(図示せず)に固設される構成としても良い。また、駆動手段は、支持部材20eの任意の位置に設けることが可能である。サブ射出ユニット移動機構23eを構成する各構成要素は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0064】
以上の構成を備える第5実施形態に係る射出成形装置は、支持部材20eを用いて射出成形装置本体2´の固定盤4´(金型取付盤)の側面にサブ射出ユニット30を取り付けることによって製造することができる。
【0065】
なお、第5実施形態に係る射出成形装置において、支持部材20eは、固定盤4´の側面に固定されるものとして説明したが、これに限定されず、可動盤5´の側面に固定され、可動金型7´の側面側においてサブ射出ユニット30を支持する構成としても良い。また、サブ射出ユニット30は、サブ射出ユニット移動機構23eによって進退可能に構成されるものとして説明したが、これに限定されず、射出ノズルが固定金型6´の樹脂供給口(図示せず)に接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態において、支持部材20eの支持面22eに固定される構成としても良い。さらに、第5実施形態に係る射出成形装置では、支持部材20e及びサブ射出ユニット30を竪型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2´に取り付けるものとして説明したが、これに限定されず、支持部材20e及びサブ射出ユニット30を、射出成形装置本体2´と同様の竪型締機構を有する上述のプレス装置や、横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2の固定盤4の上面、側面若しくは底面又は可動盤5の上面、側面若しくは底面に取り付ける構成としても良い。
【0066】
[第6実施形態]
次に、第6実施形態に係る射出成形装置について、図8を用いて説明する。第6実施形態に係る射出成形装置は、横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2と、射出成形装置本体2に固定される支持部材20fと、支持部材20fに支持されるサブ射出ユニット30とを備えている。
【0067】
第6実施形態に係る支持部材20fは、図8に示すように、プレート状に形成されており、一方の面が固定盤4の金型取付面に固定される固定面21fとして機能し、他方の面が固定金型6及びサブ射出ユニット30を支持する支持面(金型取付面)22fとして機能するよう構成されている。すなわち、支持部材20fは、固定金型6側の部材である金型取付板としての機能と、サブ射出ユニット30を支持する支持部材としての機能との双方を有している。支持部材20fは、長方形状に形成されており、一端部が固定盤4の側面から外側に延出した状態において、固定面21fがボルト等の締結手段によって固定盤4の金型取付面に固定されている。
【0068】
支持部材20fの支持面22fには、固定金型6が取り付けられると共に、固定金型6に近接した位置に、固定金型6及び可動金型7の型開閉方向と交差かつ水平方向に向けて、サブ射出ユニット移動機構23fを介してサブ射出ユニット30が配置されている。
【0069】
サブ射出ユニット移動機構23fは、第2実施形態に係るサブ射出ユニット移動機構23bと同様に、一対の直動ガイドレール24fと、直動ガイドブロック25fと、駆動手段(図示せず)とを備え、サブ射出ユニット30を固定金型6に対して進退させることが可能に構成されている。なお、一対の直動ガイドレール24fは、支持面22f上に直接的に敷設される構成としても良いし、支持面22f上に敷設されたガイドベース(図示せず)に固設される構成としても良い。また、駆動手段は、支持部材20fの任意の位置に設けることが可能である。サブ射出ユニット移動機構23fを構成する各構成要素は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0070】
以上の構成を備える第6実施形態に係る射出成形装置は、第1実施形態に係る射出成形装置と同様に、支持部材20fを用いて射出成形装置本体2の固定盤4(金型取付盤)の金型取付面にサブ射出ユニット30を取り付けることによって製造することができる。
【0071】
なお、第6実施形態に係る射出成形装置において、支持部材20fは、固定金型6の側面側においてサブ射出ユニット30を支持するものとして説明したが、これに限定されず、固定金型6の上面側又は底面側においてサブ射出ユニット30を支持する構成としても良い。また、支持部材20fは、固定盤4の金型取付面に固定されるものとして説明したが、これに限定されず、可動盤5の金型取付面に固定され、可動金型7の上面側、側面側又は底面側においてサブ射出ユニット30を支持する構成としても良い。さらに、サブ射出ユニット30は、サブ射出ユニット移動機構23fによって進退可能に構成されるものとして説明したが、これに限定されず、射出ノズルが固定金型6の樹脂供給口(図示せず)に接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態において、支持部材20fの支持面22fに固定される構成としても良い。またさらに、第6実施形態に係る射出成形装置では、支持部材20f及びサブ射出ユニット30を横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2に取り付けるものとして説明したが、これに限定されず、支持部材20f及びサブ射出ユニット30を竪型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2´や、射出成形装置本体2´と同様の竪型締機構を有する上述のプレス装置に取り付ける構成としても良い。
【0072】
[第7実施形態]
次に、第7実施形態に係る射出成形装置について、図9を用いて説明する。第7実施形態に係る射出成形装置は、横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2と、射出成形装置本体2に固定される支持部材20gと、支持部材20gに支持されるサブ射出ユニット30とを備えている。
【0073】
第7実施形態に係る支持部材20gは、図9に示すように、プレート状に形成された金型取付板27と、金型取付板27と交差する方向に延びる一対の支持板28とを備え、全体として断面略コ字状に形成されている。
【0074】
金型取付板27は、一方の面が固定盤4の金型取付面に固定される固定面21gとして機能し、他方の面が固定金型6が取り付けられる金型取付面として機能するよう構成されている。金型取付板27は、長方形状に形成されており、一端部が固定盤4の側面から外側に延出した状態において、固定面21gがボルト等の締結手段によって固定盤4の金型取付面に固定されている。
【0075】
一対の支持板28は、金型取付板27の金型取付面に立設されており、互いに対向する面が、サブ射出ユニット30を支持する支持面22gとして機能するよう構成されている。一対の支持面22gの間には、固定金型6及び可動金型7の型開閉方向と交差かつ水平方向に向けて、サブ射出ユニット移動機構23gを介してサブ射出ユニット30が配置されている。
【0076】
サブ射出ユニット移動機構23gは、第3実施形態に係るサブ射出ユニット移動機構23cと同様に、一対の直動ガイドレール24gと、直動ガイドブロック25gと、駆動手段(図示せず)とを備え、サブ射出ユニット30を固定金型6に対して進退させることが可能に構成されている。なお、一対の直動ガイドレール24gは、支持面22g上に直接的に敷設される構成としても良いし、支持面22g上に敷設されたガイドベース(図示せず)に固設される構成としても良い。また、駆動手段は、支持部材20gの任意の位置に設けることが可能である。サブ射出ユニット移動機構23gを構成する各構成要素は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0077】
以上の構成を備える第7実施形態に係る射出成形装置は、第1実施形態に係る射出成形装置と同様に、支持部材20gを用いて射出成形装置本体2の固定盤4(金型取付盤)の金型取付面にサブ射出ユニット30を取り付けることによって製造することができる。第7実施形態に係る支持部材20gによれば、第3実施形態に係る支持部材20cと同様に、固定面21gに対して垂直に立設された一対の支持面22gの間においてサブ射出ユニット30を支持するよう構成されていることにより、サブ射出ユニット30を固定盤4に近い位置で支持することが可能となる。
【0078】
なお、第7実施形態に係る射出成形装置において、支持部材20gは、固定金型6の側面側においてサブ射出ユニット30を支持するものとして説明したが、これに限定されず、固定金型6の上面側又は底面側においてサブ射出ユニット30を支持する構成としても良い。また、支持部材20gは、固定盤4の金型取付面に固定されるものとして説明したが、これに限定されず、可動盤5の金型取付面に固定され、可動金型7の上面側、側面側又は底面側においてサブ射出ユニット30を支持する構成としても良い。さらに、サブ射出ユニット30は、サブ射出ユニット移動機構23gによって進退可能に構成されるものとして説明したが、これに限定されず、射出ノズルが固定金型6の樹脂供給口(図示せず)に接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態において、支持部材20gの一対の支持面22gに固定される構成としても良い。またさらに、第7実施形態に係る射出成形装置では、支持部材20g及びサブ射出ユニット30を横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2に取り付けるものとして説明したが、これに限定されず、支持部材20g及びサブ射出ユニット30を竪型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2´や、射出成形装置本体2´と同様の竪型締機構を有する上述のプレス装置に取り付ける構成としても良い。
【0079】
[第8実施形態]
次に、第8実施形態に係る射出成形装置について、図10を用いて説明する。第8実施形態に係る射出成形装置は、横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2と、射出成形装置本体2に固定される支持部材20hと、支持部材20hに支持されるサブ射出ユニット30とを備えている。
【0080】
第8実施形態に係る支持部材20hは、図10に示すように、上方に位置する一対のタイバー9にそれぞれブッシュ(図示せず)を介して取り付けられた円筒状の固定部21hと、一対の固定部21hの間に架け渡された支持板29とを備えている。支持板29は、固定盤4の金型取付面と略平行に設けられており、一方の面が、サブ射出ユニット30を支持する支持面22hとして機能するよう構成されている。
【0081】
第8実施形態に係る射出成形装置において、サブ射出ユニット30は、鉛直方向下方に向いた状態、かつ、射出ノズル(加熱バレル35cの先端部)が固定金型6の上面に形成された樹脂供給口6aに接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態において、ハウジング31が支持部材20hの支持面22hに固定されている。なお、サブ射出ユニット30の射出ノズルが固定金型6の上面に接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態において支持部材20hに固定される構成に代えて、又はこれに加えて、固定盤4に設けられた固定手段によってサブ射出ユニット30を固定する構成を採用することも可能である。ここで、ハウジング31に換えて、プレート状部材にサブ射出ユニット30の固定フレーム32を固定させる形態の場合は、このプレート状部材が、支持部材20hに固定されればよい。
【0082】
以上の構成を備える第8実施形態に係る射出成形装置は、隣接する一対のタイバー9に亘って設けられた支持部材20hを用いて、射出成形装置本体2の固定金型6の上面に対してサブ射出ユニット30を取り付けることによって製造することができる。第8実施形態に係る射出成形装置によれば、固定金型6の上面と、支持部材20hの支持面22hとの2箇所において、固定金型6に対してサブ射出ユニット30を強固に固定することが可能となる。
【0083】
なお、第8実施形態に係る射出成形装置において、支持部材20hは、上方に位置する一対のタイバー9に亘って設けられ、固定金型6の上面側においてサブ射出ユニット30を支持するものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、支持部材20hを上下方向に隣接する一対のタイバー9に亘って設け、固定金型6の側面側においてサブ射出ユニット30を支持する構成としても良いし、支持部材20hを下方に位置する一対のタイバー9に亘って設け、固定金型6の底面側においてサブ射出ユニット30を支持する構成としても良い。また、支持部材20hは、サブ射出ユニット30を固定金型6に対して固定するものとして説明したが、これに限定されず、サブ射出ユニット30を可動金型7の上面、側面又は底面に対して固定する構成としても良い。さらに、サブ射出ユニット30は、固定金型6の上面と、支持部材20hの支持面22hとの2箇所において固定されるものとして説明したが、これに限定されず、支持部材20hの支持面22hの面積を図示の例よりも大きくすると共に、支持面22hにサブ射出ユニット移動機構(図示せず)を設けることで、固定金型6に対して進退可能な構成としても良い。またさらに、第8実施形態に係る射出成形装置では、支持部材20h及びサブ射出ユニット30を横型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2に取り付けるものとして説明したが、これに限定されず、支持部材20h及びサブ射出ユニット30を竪型射出成形装置タイプの射出成形装置本体2´や、射出成形装置本体2´と同様の竪型締機構を有する上述のプレス装置に取り付ける構成としても良い。
【0084】
[第9実施形態]
次に、第9実施形態に係る射出成形装置について、図11を用いて説明する。第9実施形態に係る射出成形装置は、第1〜第7実施形態に係る射出成形装置に対して、タイバー9にサブ射出ユニット30を固定する補助支持部材40を加え、かつ、サブ射出ユニット移動機構23a〜23gを排して支持部材20a〜20gの支持面22a〜22gにサブ射出ユニット30を固定した構成を備えている。なお、図11では、第1実施形態に係る射出成形装置をベースとした場合の構成を図示しているが、当該図示の構成に限定されるものではなく、例えば、図4図9に示す第2〜第7実施形態に係る射出成形装置をベースとした場合の構成とすることも可能である。
【0085】
補助支持部材40は、図11に示すように、一端部41が1本のタイバー9に取り付けられ、他端部42がボルト等の締結手段によってサブ射出ユニット30に取り付けられている。一端部41は、円筒状に形成されており、ブッシュ(図示せず)を介してタイバー9に取り付けられている。
【0086】
第9実施形態に係る射出成形装置において、サブ射出ユニット30は、鉛直方向下方に向いた状態、かつ、射出ノズル(加熱バレル35cの先端部)が固定金型6の上面に形成された樹脂供給口6aに接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態において、ハウジング31が支持部材20aの支持面22aに固定されている。なお、サブ射出ユニット30の射出ノズルが固定金型6の上面に接続された状態、及び固定された状態のいずれか一方の状態において支持部材20aに固定される構成に代えて、又はこれに加えて、固定盤4に設けられた固定手段によってサブ射出ユニット30を固定する構成を採用することも可能である。ここで、ハウジング31に換えて、プレート状部材にサブ射出ユニット30の固定フレーム32を固定させる形態の場合は、このプレート状部材が、支持部材20aに固定されればよい。
【0087】
以上の構成を備える第9実施形態に係る射出成形装置は、支持部材20a〜20gを用いて射出成形装置本体2,2´の金型取付盤(固定盤4,4´、可動盤5、5´)又は金型(固定金型6,6´、可動金型7、7´)にサブ射出ユニット30を固定すると共に、補助支持部材40を用いてタイバー9にサブ射出ユニット30を固定することによって製造することができる。第9実施形態に係る射出成形装置によれば、支持部材20a〜20gの支持面22a〜22hと、タイバー9に連結された補助支持部材40との少なくとも2箇所において、金型取付盤(固定盤4,4´、可動盤5、5´)又は金型(固定金型6,6´、可動金型7、7´)に対してサブ射出ユニット30を強固に固定することが可能となる。
【0088】
なお、第9実施形態に係る射出成形装置において、補助支持部材40は、一端部41が1本のタイバー9に取り付けられるものとして説明したが、これに限定されず、第8実施形態に係る射出成形装置の支持部材20hのように、隣接する二以上のタイバー9に亘って設けられる構成としても良い。
【0089】
以上のとおり、第1〜第9実施形態に係る射出成形装置では、いずれも、金型の型開閉方向と交差する方向に向けてサブ射出ユニット30を支持するよう構成された支持部材20a〜20hを用いて、金型取付盤(固定盤4,4´、可動盤5、5´)又は金型(固定金型6,6´、可動金型7、7´)に対してサブ射出ユニット30を取り付ける、というサブ射出ユニット30の支持方法を採用している。また、必要に応じて、第1〜第8実施形態に係る射出成形装置においても、第9実施形態のように、補助支持部材を併用するサブ射出ユニット30の支持方法を採用できることは言うまでもない。
【0090】
そして、このような支持方法を採用した第1〜第9実施形態に係る射出成形装置によれば、支持部材20a〜20hを用いることで、あるいは、必要に応じて、補助支持部材40を併用することで、金型取付盤(固定盤4,4´、可動盤5、5´)又は金型(固定金型6,6´、可動金型7、7´)に対してサブ射出ユニット30を強固に取り付けることが可能となるため、特許文献1の射出成形装置のように、サブ射出ユニットと金型との間にスプリング等の弾性部材を介在させる必要がない。これにより、第1〜第9実施形態に係る射出成形装置は、特許文献1の射出成形装置と比較して、以下のような利点を有している。
【0091】
第1に、第1〜第9実施形態に係る射出成形装置は、金型取付盤(固定盤4,4´、可動盤5、5´)又は金型(固定金型6,6´、可動金型7、7´)に対してサブ射出ユニット30を強固に取り付けることにより、特許文献1の射出成形装置と比較して、型開閉動作、型締動作及び射出充填動作等による振動に起因した構成部品の破損及び摩耗が生じにくいという利点を有する。
【0092】
第2に、特許文献1の射出成形装置では、サブ射出ユニット30を直接金型に固定する構成であるため、サブ射出ユニット30の固定部の剛性を確保するために該固定部が大型化すると共に、これに伴い全体の重量が大きくなるという問題があるが、第1〜第9実施形態に係る射出成形装置では、支持部材20a〜20hによってサブ射出ユニット30の荷重を十分に受け止めることが可能となり、サブ射出ユニット30側に固定部を設ける必要がない、又は、固定部を必要最小限に留めることが可能となるため、サブ射出ユニット30の構成を簡素化かつ小型化することができる。
【0093】
第3に、第1〜第9実施形態に係る射出成形装置では、金型(固定金型6,6´、可動金型7、7´)の樹脂供給口の位置に応じて支持部材20a〜20hの形状及び設置位置を改変するだけで、金型取付盤(固定盤4,4´、可動盤5、5´)又は金型(固定金型6,6´、可動金型7、7´)の様々な箇所に任意にサブ射出ユニット30を設置することが可能となるため、サブ射出ユニット30を直接金型に固定する特許文献1の射出成形装置と比較して、金型取付盤又は金型に対する設置位置や設置形態の制約が少ないという利点を有する。
【0094】
第4に、第1〜第9実施形態に係る射出成形装置では、上述のとおり、金型取付盤又は金型に対する設置位置や設置形態の制約を減少させることができることにより、副材料の射出充填を必要とするキャビティのより近傍にサブ射出ユニット30を配置することが可能となるため、副材料用のキャビティへの樹脂流路(ホットランナ)長を短縮することが可能となる。そして、このように副材料用の樹脂流路長の短縮が可能となることにより、第1〜第9実施形態に係る射出成形装置では、金型(固定金型6,6´、可動金型7、7´)の構造を簡略化することができると共に、副材料の品質の低下を抑制することができるという利点を有する。
【0095】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記各実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0096】
例えば、上述した実施形態では、金型が固定金型6,6´及び可動金型7,7´からなる二枚金型であるものとして説明したが、これに限定されず、固定金型6,6´及び可動金型7,7´に1又は複数の中間金型を加えた三枚以上の金型であるとしても良い。また、この場合において、支持部材20a〜20hは、中間金型又は該中間金型を支持する中間盤に取り付けられる構成としても良い。
【0097】
また、上述した実施形態では、1台のサブ射出ユニット30が設置される構成を例に挙げて説明したが、これに限定されず、複数台のサブ射出ユニット30が設置される構成としても良い。
【0098】
さらに、上述した実施形態では、サブ射出ユニット30の射出ノズルを金型に形成された樹脂供給口に接続させる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されず、樹脂流路を複数に分岐させる目的等で、金型間に配置されたブロックの上面、側面及び下面に樹脂供給口が形成された構成や、同様の目的で、金型取付盤の上面や側面に樹脂供給口が形成され、同盤の金型取付面に開口する樹脂流路(ホットランナ)等が設けられるような特殊な構成であっても、本発明を好適に実施することが可能である。
【0099】
またさらに、上述した実施形態では、サブ射出ユニット30が、固定フレーム32、可動フレーム33、可動フレーム駆動機構34、シリンダアッセンブリ35及び可塑化スクリュ駆動機構36がハウジング31内に収容された独立装置として構成され、サブ射出ユニット30とは別にサブ射出ユニット移動機構23a〜23gが設けられるものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、支持部材の支持面上に直接的又はベースプレートを介して間接的に設けられた直動ガイドレールに直動ガイドブロックを介して固定フレーム32及び可動フレーム33が摺動可能に取り付けられると共に、可動フレーム駆動機構、可塑化スクリュ駆動機構及び上述の駆動手段が支持面上又はベースプレート上に配置される構成のように、サブ射出ユニットとサブ射出ユニット移動機構とが一体となって1つのユニットを形成する構成とすることも可能である。また、この場合において、ハウジング(カバー部材)は、シリンダアッセンブリの先端部が突出した状態でユニット全体を覆うよう、支持部材の支持面上又はベースプレート上に設けられるとしても良い。
【符号の説明】
【0100】
3 メイン射出ユニット、4,4´ 固定盤(金型取付盤)、5、5´ 可動盤(金型取付盤)、6,6´ 固定金型(金型)、7、7´可動金型(金型)、9,9´ タイバー、20a〜20h 支持部材、21a〜21g 固定面、22a〜22h 支持面、23a〜23g サブ射出ユニット移動機構、30 サブ射出ユニット、40 補助支持部材
【要約】
【課題】金型取付盤又は金型に対してサブ射出ユニットを強固に取り付けることが可能な射出成形装置、射出成形装置の製造方法及びサブ射出ユニットの支持方法を提供する。
【解決手段】対向する少なくとも2つの金型取付盤と、金型取付盤のそれぞれに直接的又は間接的に取り付けられた金型と、金型を互いに型締めさせて形成されるキャビティに対して溶融樹脂を射出可能に配置されたメイン射出ユニットと、メイン射出ユニットよりも小型に形成され、キャビティに対して溶融樹脂を射出可能に配置されたサブ射出ユニットとを備える射出成形装置であって、金型取付盤の一方又は金型の一方に対してサブ射出ユニットを取り付ける支持部材を更に備え、支持部材は、金型の型開閉方向と交差する方向に向けて、サブ射出ユニットを支持するよう構成されている。
【選択図】図1
図1
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11