(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0024】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る配電線相管理支援システムが適用される配電系統の一例を示す図である。
図1に示す配電系統は、変電所T1,T2,・・・,T7、開閉器S1からS18、及び分散型電源設備D1,D2,・・・,D7を含む。なお、
図1に示す例において、3相高圧配電線経路は実線で示し、有線または無線による通信経路は破線で示している。
【0025】
変電所T1,T2,・・・,T7は、3相高圧配電線に電力を供給している。また、3相高圧配電線には、開閉器S1,S2,・・・,S18が設けられ、これらの各開閉器S1,S2,・・・,S18によって3相高圧配電線が複数の区間に区分されている。分散型電源設備D1,D2,・・・,D7は、これらの区間の何れかにおいて3相高圧配電線に連系されている。なお、本実施形態に係る配電線相管理支援システムは、分散型電源設備D1,D2,・・・,D7が3相高圧配電線に連系されていない配電系統に適用することも可能であるが、本実施形態に係る配電線相管理支援システムが適用される配電系統としては、大規模太陽光発電(メガソーラー)システムや大規模風力発電システム等の大規模分散型電源設備が連系される3相高圧配電系統を想定している。
【0026】
図1に示す配電系統の構成において、配電自動化システム4は、例えば運転制御センター3に設置されており、各開閉器S1,S2,・・・,S18の開閉状態、各区間毎の充停電状態等の配電系統に関わる各設備を常時監視する。また、配電自動化システム4は、例えば、配電系統に事故等が発生した場合に、各開閉器S1,S2,・・・,S18を制御して配電経路を自動設定すると共に、各開閉器S1,S2,・・・,S18の開閉状態、各区間の充停電状態等を含む情報を出力する機能を有している。
【0027】
図2は、実施形態1に係る配電線相管理支援システムの一構成例を示す図である。
図2に示す例において、3相高圧配電線(3相配電線)2には、変電所1構内の変電所建屋10に配備された変電設備11からr相、s相、t相の3相高圧電力が供給される。変電所1の3相高圧電力の出力端には、開閉装置21を含み構成される開閉器(第1開閉器)20が設けられている。3相高圧配電線2の所定箇所a,b,・・・,n,・・・には、それぞれ開閉装置21−a,21−b,・・・,21−n,・・・を含み構成される開閉器(第2開閉器)20−a,20−b,・・・,20−n,・・・が設けられている。3相高圧配電線2は、これら開閉器(第1開閉器)20、開閉器(第2開閉器)20−a,20−b,・・・,20−n,・・・によって、複数の区間30に区分されている。なお、本実施形態において、各区間30における捻架箇所の有無は不明であるものとする。
【0028】
本実施形態に係る配電線相管理支援システム100は、変電所1構内の変電所建屋10に設けられたパルス課電装置40と、開閉器(第2開閉器)20−a,20−b,・・・,20−n,・・・の筐体内部に設けられたパルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・と、運転制御センター3の配電自動化システム4の一部として組み込まれ、パルス課電装置40及びパルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・を制御する配電線相管理支援装置(制御装置)5とを備えている。
【0029】
本実施形態では、パルス課電装置40を変電所1構内の変電所建屋10に設け、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・を開閉器(第2開閉器)20−a,20−b,・・・,20−n,・・・の筐体内部に設ける構成としている。これにより、耐候性に優れた配電線相管理支援システム100を得ることができる。
【0030】
図3は、実施形態1に係る配電線相管理支援システムの
図2とは異なる一構成例を示す図である。
図3に示す例では、パルス課電装置40を開閉器(第1開閉器)20の筐体内部に設ける構成としている。このような構成においても、
図2に示す構成と同様に、耐候性に優れた配電線相管理支援システム100aを得ることができる。
【0031】
図4は、実施形態1に係る配電線相管理支援装置のハードウェア構成を示す図である。配電線相管理支援装置5は、例えばコンピュータ等の情報処理端末であり、処理部51、記憶部52、通信部53、入力部54、及び表示部55を備え、各部がバス56を介してデータを送受信可能なように構成される。処理部51は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うと共に、配電線相管理支援装置5全体の制御を行う構成部であり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部52は、処理部51からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりする構成部であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶装置によって実現される。通信部53は、パルス課電装置40及びパルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・と通信を行う構成部であり、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。入力部54は、オペレータがデータや指示を入力する構成部であり、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル等によって実現される。表示部55は、処理部51からの指示によりデータを表示する構成部であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。
【0032】
パルス課電装置40は、配電線相管理支援装置5からの制御指令に基づき、3相高圧配電線2の何れか1相(r相、s相、あるいはt相)に所定のパルス電流を課電する。
【0033】
図5は、パルス課電装置が3相高圧配電線に課電するパルス電流の波形例を示す図である。
図5に示すパルス電流は、基本周波数f、波高値Iの矩形波信号である。パルス電流の基本周波数fは、ここでは、例えば100[Hz]程度から数十[kHz]程度までの周波数範囲であるものとする。このパルス電流の基本周波数fは、後述するパルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・によって3相高圧配電線2における商用電源との分離が容易であり、且つ、高調波が輻射ノイズとして放出され難い周波数であるのが好ましい。なお、このパルス電流の基本周波数fにより本発明が限定されるものではない。
【0034】
パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・は、配電線相管理支援装置5からの制御指令に基づき、3相高圧配電線2を構成する各線の電流を監視し、パルス課電装置40によって3相高圧配電線2に重畳されたパルス電流を検出する。そして、パルス電流を検出した線の情報をパルス電流検出情報として配電線相管理支援装置5に出力する。
【0035】
図6は、パルス検出装置が検出するパルス電流の波形例を示す図である。パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・は、例えば、パルス電流の基本周波数fを中心周波数とするバンドパスフィルタを備えているのが好ましい。これにより、パルス課電装置40によって3相高圧配電線2に重畳されたパルス電流の基本周波数成分を抽出することができる。この場合、
図6に示すように、バンドパスフィルタによって商用電源と分離されると共に、高調波成分が除去された略正弦波形となる。なお、
図6に示すパルス電流の波高値i(<I)は、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・によって検出可能な値であるのが好ましい。すなわち、
図5に示すパルス課電装置40によって3相高圧配電線2に課電されるパルス電流の波高値Iは、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・によって検出される際に、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・によって検出可能な値となるような大きさに設定されているのが好ましい。なお、これらパルス課電装置40によって3相高圧配電線2に課電される、
図5に示すパルス電流の波高値I、及び、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・によって検出される、
図6に示すパルス電流の波高値i(<I)により本発明が限定されるものではない。
【0036】
パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・が、パルス課電装置40によって3相高圧配電線2に重畳されたパルス電流の基本波成分を検出することで、後段の配電線相管理支援装置5によって、3相高圧配電線2上の所定箇所a,b,・・・,n,・・・における各線の相を特定することができる。以下、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・が設置される3相高圧配電線2上の所定箇所a,b,・・・,n,・・・を、「相検出点a,b,・・・,n,・・・」ともいう。
【0037】
また、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・は、検出値に対して閾値が設けられ、検出値が閾値を超えた場合に、当該検出値が閾値を超えた線の情報をパルス電流検出情報として配電線相管理支援装置5に送信する。なお、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・に設けられる閾値は、
図6に示すパルス電流波形の波高値に対して設けられていても良いし、
図6に示すパルス電流波形の平均値あるいは実効値等に対して設けられていても良い。このパルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・によって検出されるパルス電流の検出手法により本発明が限定されるものではない。
【0038】
なお、本実施形態において、パルス課電装置40は、基本周波数fが異なる複数種のパターンのパルス電流を3相高圧配電線2に課電することが可能な構成であっても良い。また、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・は、複数種のパターンのパルス電流の基本周波数fに対応したバンドパスフィルタを備えた構成であっても良い。このような構成にすれば、パルス電流の基本周波数fを変更して後述する配電線相管理支援処理を実施することで、例えば3相高圧配電線2に負荷側から混入したノイズや外来ノイズ等の影響を排除することができ、相検出点a,b,・・・,n,・・・における相検出精度を向上することができる。
【0039】
図7は、実施形態1に係る配電線相管理支援システムの機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【0040】
配電線相管理支援装置(制御装置)5には、本実施形態に係る配電線相管理支援システム100,100aが適用される配電系統の情報が配電系統情報として配電自動化システム4から入力される。この配電系統情報としては、例えば、配電線経路情報、開閉器設置位置情報等が含まれる。
【0041】
データベースサーバ6は、上述した配電線相管理支援装置3と同様のハードウェア構成を有し、例えば、配電線相管理支援装置5と共に運転制御センター3に設置されている。このデータベースサーバ6には、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・から出力されたパルス電流検出情報と、配電自動化システム4から入力される配電系統情報とが関連付けられ、配電線相管理情報として格納される。ここで、配電線相管理情報とは、従来の相管理台帳に相当するものであり、後述する配電線相管理支援処理によって更新される。
【0042】
図8は、データベースサーバに格納される配電線相管理情報の一例を示す図である。配電線相管理情報としては、
図8に示すように、例えば、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・が設けられた開閉器(第2開閉器)20−a,20−b,・・・,20−n,・・・の設置箇所a,b,・・・,n,・・・、すなわち、上述した相検出点a,b,・・・,n,・・・における相情報が含まれる。この相情報は、後述する処理において、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・毎、すなわち、相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に記憶される。
【0043】
なお、上述したように、本実施形態では、各区間30における捻架箇所の有無は不明であるため、開閉器(第2開閉器)20−a,20−b,・・・,20−n,・・・の各入出力端子に対し、r相、s相、t相の3相のうち、どの相が接続されているかについては不明である。本実施形態では、
図8に示すように、相検出点a,b,・・・,n,・・・における3相高圧配電線2の各線は、本実施形態において、便宜上「1」、「2」、「3」の3線で定義され、開閉器(第2開閉器)20−a,20−b,・・・,20−n,・・・の第1入出力端子に「1」線が接続され、第2入出力端子に「2」線が接続され、第3入出力端子に「3」線が接続されているものとする。例えば、
図8(a)に示す例において、開閉器(第2開閉器)20−aが設けられた相検出点aにおける「1」線はr相、「2」線はs相、「3」線はt相であることを示している。また、開閉器(第2開閉器)20−bが設けられた相検出点bにおける「1」線はs相、「2」線はt相、「3」線はr相であることを示している。また、開閉器(第2開閉器)20−nが設けられた相検出点nにおける「1」線はr相、「2」線はt相、「3」線はs相であることを示している。また、
図8(b)に示す例では、後述する配電線相管理支援処理において、相検出点bにおける「1」線、「2」線、「3」線の各線の検出結果が「NG」、すなわち、パルス検出装置50−bにおける検出結果が、例えば3相高圧配電線2に負荷側から混入したノイズや外来ノイズ等の影響を受けたことによるエラーを含んでいることを示している。
【0044】
図9は、実施形態1に係る第1配電線相管理情報表示画面の一例を示す図である。
図10は、実施形態1に係る第2配電線相管理情報表示画面の一例を示す図である。
【0045】
図9に示すように、実施形態1に係る第1配電線相管理情報表示画面71上には、後述する配電線相管理支援処理の対象となる配電線系統
図72と、3相高圧配電線2に課電するパルス電流の基本周波数fの選択ボタン(周波数選択ボタン)73と、配電線相管理支援処理の開始ボタン(処理開始ボタン)74とが表示される。
図9に示す例では、パルス電流の基本周波数をf1,f2,f3の3つの中から選択可能な構成を示している。
【0046】
また、
図9に示すように、配電線系統
図72内には、相検出点a,b,・・・,n,・・・に対応した相検出点ボタン75が表示される。この相検出点ボタン75は、後述する配電線相管理支援処理による相検出結果を表示する第2配電線相管理情報表示画面を表示させる機能を有する。また、この相検出点ボタン75は、後述する配電線相管理支援処理において、正常に相検出できた場合と、正常に相検出できなかった場合とで、異なる色で表示される構成であっても良い。
【0047】
配電線相管理支援システム100,100aの管理者(オペレータ)が入力部54を操作して任意の相検出点ボタン75を選択すると、
図10に示す第2配電線相管理情報表示画面76が表示される。この第2配電線相管理情報表示画面76は、第1配電線相管理情報表示画面71に重ねて表示されても良いし、第1配電線相管理情報表示画面71と並べて表示されても良いし、第1配電線相管理情報表示画面71から第2配電線相管理情報表示画面76に切り替えて表示されても良い。この第1配電線相管理情報表示画面71及び第2配電線相管理情報表示画面76の表示態様により本発明が限定されるものではない。
【0048】
図10に示すように、第2配電線相管理情報表示画面76上には、第1配電線相管理情報表示画面71上の配電線系統
図72内に表示され、オペレータによって選択された相検出点ボタン75に対応した相検出点における相検出結果が表示される。
図10(a)に示す例では、相検出点aにおいて、「1」線はr相、「2」線はs相、「3」線はt相であることが検出されたことを示している。
図10(b)に示す例では、相検出点bにおいて、例えば3相高圧配電線2に負荷側から混入したノイズや外来ノイズ等の影響を受けたことによって検出結果がエラーとなったことを示している。この場合には、
図10(b)に示すように、「1」線、「2」線、「3」線の各線の検出結果として「NG」が表示される。なお、第2配電線相管理情報表示画面76上における各部表示態様はこれに限るものではなく、例えば、「1」線、「2」線、「3」線の各線の検出結果がエラーとなった場合の表示態様としては、「×」を表示する態様であっても良いし、「?」を表示する態様であっても良い。
【0049】
図11は、実施形態1に係る配電線相管理支援方法、及び配電線相管理支援システムにおける配電線相管理支援処理フローの一例を示すフローチャートである。まず、
図11に示す配電線相管理支援処理フローの前提条件として、配電線相管理支援装置5に配電自動化システム4からの配電系統情報が通信部53を介して処理部51に入力され、記憶部52に記憶されているものとする。また、配電線相管理支援装置5の記憶部52には、パルス課電装置40から3相高圧配電線2に課電する複数種のパルス電流の各基本周波数f1,f2,f3が記憶されているものとする。
【0050】
オペレータが入力部54を介して
図9に示す第1配電線相管理情報表示画面71上の周波数選択ボタン73を操作、すなわち、「f1」、「f2」、「f3」の何れかの周波数選択ボタン73を選択して、3相高圧配電線2に課電するパルス電流の基本周波数fを決定し、配電線相管理支援処理の開始ボタン(処理開始ボタン)74を選択すると、実施形態1に係る配電線相管理支援方法における配電線相管理支援処理が開始される。
【0051】
配電線相管理支援処理の開始を指示すると、配電線相管理支援装置5の処理部51は、記憶部52に記憶されている配電系統情報に基づき、パルス課電装置40に対して、3相高圧配電線2の何れか1相(r相、s相、あるいはt相)に所定のパルス電流を課電するよう制御指令(パルス電流課電指令)を出力すると共に、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・に対して、3相高圧配電線2を構成する全線(ここでは、「1」線、「2」線、「3」線の3線)の電流を監視するよう制御指令(パルス電流監視指令)を出力する(ステップS101)。このとき、相情報が記憶部52に記憶されている場合には、当該相情報をリセットする(ステップS102)。
【0052】
パルス課電装置40は、パルス電流課電指令が入力されると、3相高圧配電線2の何れか1相(r相、s相、あるいはt相)に所定のパルス電流を課電する。ここでは、パルス課電装置40は、まず、3相高圧配電線2のr相に対し、オペレータによって選択された基本周波数(f1,f2,f3のうちの何れか)のパルス電流を課電する。
【0053】
パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・は、パルス電流監視指令が入力されると、3相高圧配電線2を構成する全線(ここでは、「1」線、「2」線、「3」線の3線)の電流を監視し、3相高圧配電線2を構成する各線(ここでは、「1」線、「2」線、「3」線の3線)のうち、検出値が閾値を超えた線の情報を、相検出点a,b,・・・,n,・・・におけるパルス電流検出情報として配電線相管理支援装置5に出力する。
【0054】
配電線相管理支援装置5の処理部51は、相検出点a,b,・・・,n,・・・毎のパルス電流検出情報が入力されると(ステップS103)、相情報が記憶部52に記憶されていない相検出点a,b,・・・,n,・・・、あるいは、後述する処理において、相情報として「NG」が記憶された相検出点a,b,・・・,n,・・・に対し、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・毎に、パルス電流検出情報の判定処理を行う。以下のステップS104からステップS108までの処理は、相検出点a,b,・・・,n,・・・に設置されたパルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・から出力される出力結果毎に実施されるものとして説明する。
【0055】
まず、処理部51は、パルス電流検出情報が存在するか否かを判定する(ステップS104)。パルス電流検出情報が存在しない場合(ステップS104;No)、処理部51は、当該パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・における検出結果が、例えば3相高圧配電線2に負荷側から混入したノイズや外来ノイズ等の影響を受けたことによるエラーを含んでいるものとして、記憶部52に相情報を記憶する(ステップS108)。例えば、相検出点bにおける検出結果、すなわち、パルス検出装置50−bにおける検出結果がエラーを含んでいる場合、
図8(b)に示すように、相検出点bの各線の相情報として「NG」が記憶される。
【0056】
パルス電流検出情報が存在する場合(ステップS104;Yes)、処理部51は、パルス電流検出情報が複数存在するか否かを判定する(ステップS105)。パルス電流検出情報が複数存在する場合(ステップS105;Yes)、処理部51は、当該パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・における検出結果がエラーを含んでいるものとして、記憶部52に相情報を記憶する(ステップS108)。
【0057】
パルス電流検出情報が複数存在しない場合(ステップS105;No)、すなわち、パルス電流検出情報が唯一存在する場合、処理部51は、パルス電流検出情報が「1」線であるか否かを判定する(ステップS106)。パルス電流検出情報が「1」線である場合(ステップS106;Yes)、処理部51は、当該パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・に対応する相検出点a,b,・・・,n,・・・における「1」線がr相であるものとして、記憶部52に相情報を記憶する(ステップS108)。
【0058】
パルス電流検出情報が「1」線でない場合(ステップS106;No)、処理部51は、パルス電流検出情報が「2」線であるか否かを判定する(ステップS107)。パルス電流検出情報が「2」線である場合(ステップS107;Yes)、処理部51は、当該パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・に対応する相検出点a,b,・・・,n,・・・における「2」線がr相であるものとして、記憶部52に相情報を記憶する(ステップS108)。
【0059】
パルス電流検出情報が「2」線でない場合(ステップS107;No)、すなわち、パルス電流検出情報が「1」線及び「2」線の何れでもない場合、処理部51は、当該パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・に対応する相検出点a,b,・・・,n,・・・における「3」線がr相であるものとして、記憶部52に相情報を記憶する(ステップS108)。
【0060】
全てのパルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・から出力される出力結果に対して上述したステップS104からステップS108までの処理が行われると、続いて、配電線相管理支援装置5の処理部51は、r相、s相、t相の全ての相に対してパルス電流の課電が終了したか否かを判定する(ステップS109)。r相、s相、t相の全ての相に対してパルス電流の課電が終了していない場合(ステップS109;No)、処理部51は、パルス電流の課電相を変更して(ステップS110)、ステップS103からステップS109までの処理を繰り返し実施する。
【0061】
r相、s相、t相の全ての相に対してパルス電流の課電が終了している場合(ステップS109;Yes)、処理部51は、記憶部52に記憶された相情報を、
図8に示す配電線相管理情報としてデータベースサーバ6に格納すると共に(ステップS111)、当該配電線相管理情報から、
図9に示す第1配電線相管理情報表示画面71、及び、
図10に示す第2配電線相管理情報表示画面76を生成し(ステップS112)、表示部55に表示して、実施形態1に係る配電線相管理支援処理フローを終了する。
【0062】
オペレータは、表示部55に表示された第1配電線相管理情報表示画面71及び第2配電線相管理情報表示画面76を参照し、例えば、
図10(b)に示すように、相検出結果が「NG」、すなわち、例えば3相高圧配電線2に負荷側から混入したノイズや外来ノイズ等の影響を受けたことによって検出結果がエラーとなった相検出点(
図10(b)に示す例では、相検出点b)が存在する場合に、3相高圧配電線2に課電するパルス電流の基本周波数fを変更して、再度、上述した配電線相管理支援処理フローを実行する。
【0063】
上述した実施形態1に係る配電線相管理支援処理フローにより、3相高圧配電線2の各所の相を随時検出し、管理することができる。また、例えば3相高圧配電線2に負荷側から混入したノイズや外来ノイズ等の影響を受けたことによって検出結果がエラーとなった相検出点a,b,・・・,n,・・・が存在した場合でも、上述した実施形態1に係る配電線相管理支援処理フローを、3相高圧配電線2に課電するパルス電流の基本周波数fを変更して複数回実行することで、エラーを解消することができる。また、上述した配電線相管理支援処理フローを、配電線の施工や設計時、あるいは定期的に実施することで、3相高圧配電線経路の相管理や電力品質の維持が容易となる。
【0064】
図12は、実施形態1に係る配電線相管理支援方法、及び配電線相管理支援システムにおける配電線相管理支援処理フローの
図11とは異なる一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、
図11と同一あるいは同等の記載については、詳細な説明を省略する。
【0065】
図12に示す例において、配電線相管理支援装置5の処理部51は、2相、例えば、r相及びs相に対してパルス電流の課電が終了したか否かを判定する(ステップS109a)。r相、s相に対してパルス電流の課電が終了していない場合(ステップS109a;No)、処理部51は、パルス電流の課電相を変更して(ステップS110)、ステップS103からステップS109aまでの処理を繰り返し実施する。
【0066】
r相、s相に対してパルス電流の課電が終了している場合(ステップS109a;Yes)、相検出点a,b,・・・,n,・・・における2線の相(ここでは、r相、s相)が特定できる。2線の相が特定できれば、残る1線の相(ここでは、t相)も自ずと特定できる。従って、
図12に示す配電線相管理支援処理フローを用いた場合でも、相検出点a,b,・・・,n,・・・における3線分の相を特定可能である。
【0067】
以上説明したように、実施形態1に係る配電線相管理支援方法は、3相高圧配電線2の各相毎に所定のパルス電流を課電し、3相高圧配電線2の複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・において3相高圧配電線2を構成する各線の電流を監視し、複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に、パルス電流が検出された各線の相を特定する。
【0068】
より具体的には、3相高圧配電線2のうちのr相に所定のパルス電流を課電し、3相高圧配電線2の複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・において3相高圧配電線2を構成する各線の電流を監視し、複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に、各線のうちパルス電流が検出された線の相をr相として特定する。また、3相高圧配電線2のうちのs相にパルス電流を課電し、3相高圧配電線2の複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・において各線の電流を監視し、複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に、各線のうちパルス電流が検出された線の相をs相として特定する。また、3相高圧配電線2のうちのt相にパルス電流を課電し、3相高圧配電線2の複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・において各線の電流を監視し、複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に、各線のうちパルス電流が検出された線の相をt相として特定する。
【0069】
あるいは、3相高圧配電線2のうちのr相に所定のパルス電流を課電し、3相高圧配電線2の複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・において3相高圧配電線2を構成する各線の電流を監視し、複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に、各線のうちパルス電流が検出された線の相をr相として特定する。また、3相高圧配電線2のうちのs相にパルス電流を課電し、3相高圧配電線2の複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・において各線の電流を監視し、複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に、各線のうちパルス電流が検出された線の相をs相として特定する。そして、複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に、各線のうちr相及びs相として特定されなかった線の相をt相として特定する。
【0070】
また、実施形態1に係る配電線相管理支援システム100,100aは、3相高圧配電線2に所定のパルス電流を課電するパルス課電装置40と、3相高圧配電線2の複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・に設けられ、3相高圧配電線2を構成する各線の電流を監視し、パルス電流を検出するパルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・と、パルス課電装置40から3相高圧配電線2の各相にパルス電流を課電させ、複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に、各線のうちパルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・によってパルス電流が検出された各線の相を特定する配電線相管理支援装置(制御装置)5と、を備える。
【0071】
より具体的には、配電線相管理支援装置(制御装置)5は、パルス課電装置40から3相高圧配電線2のr相にパルス電流を課電させ、複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に、各線のうちパルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・によってパルス電流が検出された線の相をr相として特定する。また、パルス課電装置40から3相高圧配電線2のs相にパルス電流を課電させ、複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に、各線のうちパルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・によってパルス電流が検出された線の相をs相として特定する。また、パルス課電装置40から3相高圧配電線2のt相にパルス電流を課電させ、複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に、各線のうちパルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・によってパルス電流が検出された線の相をt相として特定する。
【0072】
あるいは、配電線相管理支援装置(制御装置)5は、パルス課電装置40から3相高圧配電線2のr相にパルス電流を課電させ、複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に、各線のうちパルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・によってパルス電流が検出された線の相をr相として特定する。また、パルス課電装置40から3相高圧配電線2のs相にパルス電流を課電させ、複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に、各線のうちパルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・によってパルス電流が検出された線の相をs相として特定する。そして、複数の相検出点a,b,・・・,n,・・・毎に、各線のうちr相及びs相として特定されなかった線の相をt相として特定する。
【0073】
これにより、3相高圧配電線2の各所の相を随時検出し管理することができる。また、例えば3相高圧配電線2に負荷側から混入したノイズや外来ノイズ等の影響を受けたことによって検出結果がエラーとなった相検出点a,b,・・・,n,・・・が存在した場合でも、上述した実施形態1に係る配電線相管理支援処理方法、及び配電線相管理支援システム100,100aにおける配電線相管理支援処理フローを、3相高圧配電線2に課電するパルス電流の基本周波数fを変更して複数回実行することで、エラーの発生を抑制することができる。また、上述した配電線相管理支援処理フローを、配電線の施工や設計時、あるいは定期的に実施することで、3相高圧配電線経路の相管理や電力品質の維持が容易となる。
【0074】
さらに、実施形態1に係る配電線相管理支援システム100は、パルス課電装置40を、変電設備11の出力端に設けられた開閉器(第1開閉器)20の入力端に設けている。このパルス課電装置40を変電所1構内の変電所建屋10に設け、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・を開閉器(第2開閉器)20−a,20−b,・・・,20−n,・・・の筐体内部に設ける構成とすることで、耐候性に優れた配電線相管理支援システム100を得ることができる。
【0075】
また、実施形態1に係る配電線相管理支援システム100aは、パルス課電装置40を開閉器(第1開閉器)20の筐体内部に設ける構成とすることで、パルス課電装置40を変電所1構内の変電所建屋10に設けた場合と同様に、耐候性に優れた配電線相管理支援システム100aを得ることができる。
【0076】
(実施形態2)
図13は、実施形態2に係る第1配電線相管理情報表示画面の一例を示す図である。
図14は、実施形態2に係る配電線相管理支援方法、及び配電線相管理支援システムにおける配電線相管理支援処理フローの一例を示すフローチャートである。なお、実施形態2に係る配電線相管理支援システムが適用される配電系統、配電線相管理支援システムの構成、配電線相管理支援装置のハードウェア構成、パルス課電装置が3相高圧配電線2に課電するパルス電流の波形、パルス検出装置が検出するパルス電流の波形、配電線相管理支援システムの機能的な構成を示す機能ブロック、データベースサーバに格納される配電線相管理情報、及び第2配電線相管理情報表示画面については、上述した実施形態1と同様であるので、ここでの重複する説明は省略する。
【0077】
図13に示すように、実施形態2に係る第1配電線相管理情報表示画面71a上には、後述する配電線相管理支援処理の対象となる配電線系統
図72と、配電線相管理支援処理の開始ボタン(処理開始ボタン)74とが表示される。
【0078】
本実施形態では、後述する配電線相管理支援処理において、配電線相管理支援装置5の処理部51は、パルス課電装置40から3相高圧配電線2に課電するパルス電流の基本周波数fを変更する構成としている。このため、本実施形態では、必ずしもパルス電流の基本周波数fの選択ボタン(周波数選択ボタン)73(
図9参照)が表示されなくても良い。
【0079】
以下、実施形態2係る配電線相管理支援処理フローについて説明する。なお、実施形態1に係る配電線相管理支援処理フローと同一の処理については省略する。
【0080】
オペレータが入力部54を介して
図9に示す第1配電線相管理情報表示画面71上の配電線相管理支援処理の開始ボタン(処理開始ボタン)74を選択すると、実施形態2に係る配電線相管理支援方法における配電線相管理支援処理が開始される。ここでは、パルス課電装置40は、まず、3相高圧配電線2のr相に対し、基本周波数f1のパルス電流を課電する。
【0081】
ステップS108において記憶部52に相情報を記憶した後、続いて、配電線相管理支援装置5の処理部51は、r相、s相、t相の全ての相に対してパルス電流の課電が終了したか否かを判定し(ステップS109)、r相、s相、t相の全ての相に対してパルス電流の課電が終了している場合(ステップS109;Yes)、処理部51は、記憶部52に記憶された複数種のパルス電流の各基本周波数f1,f2,f3によるフローが終了したか否かを判定する(ステップS113)。
【0082】
記憶部52に記憶された複数種のパルス電流の各基本周波数f1,f2,f3によるフローが終了していない場合(ステップS113;No)、処理部51は、パルス課電装置40から3相高圧配電線2に課電するパルス電流の基本周波数fを変更(例えば、基本周波数f1から基本周波数f2あるいは基本周波数f3に変更)して(ステップS114)、ステップS103からステップS113までの処理を繰り返し実施する。
【0083】
記憶部52に記憶された複数種のパルス電流の各基本周波数f1,f2,f3によるフローが終了している場合(ステップS113;Yes)、処理部51は、記憶部52に記憶された相情報を、
図8に示す配電線相管理情報としてデータベースサーバ6に格納すると共に(ステップS111)、当該配電線相管理情報から、
図13に示す第1配電線相管理情報表示画面71a、及び、
図10に示す第2配電線相管理情報表示画面76を生成し(ステップS112)、表示部55に表示して、実施形態2に係る配電線相管理支援処理フローを終了する。
【0084】
上述した実施形態2に係る配電線相管理支援処理フローを実行することで、オペレータを介することなく、基本周波数fが異なる複数種のパターンのパルス電流(上述した例では、基本周波数f1,f2,f3のパルス電流)を3相高圧配電線2に課電することができる。これにより、実施形態1に係る配電線相管理支援処理フローよりも相検出点a,b,・・・,n,・・・における相検出精度を向上することができる。
【0085】
図15は、実施形態2に係る配電線相管理支援方法、及び配電線相管理支援システムにおける配電線相管理支援処理フローの
図14とは異なる一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、
図14と同一あるいは同等の記載については、詳細な説明を省略する。
【0086】
図15に示す例において、配電線相管理支援装置5の処理部51は、2相、例えば、r相及びs相に対してパルス電流の課電が終了したか否かを判定する(ステップS109a)。r相、s相に対してパルス電流の課電が終了していない場合(ステップS109a;No)、処理部51は、パルス電流の課電相を変更して(ステップS110)、ステップS103からステップS109aまでの処理を繰り返し実施する。
【0087】
r相、s相に対してパルス電流の課電が終了している場合(ステップS109a;Yes)、相検出点a,b,・・・,n,・・・における2線の相(ここでは、r相、s相)が特定できる。2線の相が特定できれば、残る1線の相(ここでは、t相)も自ずと特定できる。従って、
図15に示す配電線相管理支援処理フローを用いた場合でも、相検出点a,b,・・・,n,・・・における3線分の相を特定可能である。
【0088】
以上説明したように、実施形態2に係る配電線相管理支援方法、及び配電線相管理支援システム100,100aの配電線相管理支援処理フローを実行することで、オペレータを介することなく、基本周波数fが異なる複数種のパターンのパルス電流を3相高圧配電線2に課電することができる。これにより、実施形態1に係る配電線相管理支援処理フローよりも相検出点a,b,・・・,n,・・・における相検出精度を向上することができる。
【0089】
なお、上述した実施形態では、パルス電流の基本波成分を抽出する手法として、例えば、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・がパルス電流の基本周波数fを中心周波数とするバンドパスフィルタを具備し、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・は、バンドパスフィルタを用いて、パルス電流の基本周波数成分を抽出する構成とした、所謂物理的手法を用いた検出手法について説明したが、パルス電流の基本波成分を抽出する手法についてはこれに限るものではない。例えば、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・がCT(Current Transformer)センサー(計器用変流器)を具備し、パルス検出装置50−a,50−b,・・・,50−n,・・・は、CTセンサーによって計測された各相電流に対してDFT(Discrete Fourier Transform;離散フーリエ変換)処理等のソフトウェア処理を行って、パルス電流の基本波成分を抽出する構成とした、所謂論理的手法を用いた検出手法であっても良い。このように、ソフトウェア処理による論理的手法を用いてパルス電流の基本波成分を抽出する構成とすることで、3相高圧配電線2に課電するパルス電流の周波数を変更する場合や、複数種のパターンのパルス電流を課電可能な構成とする場合等の仕様変更が容易となる。
3相高圧配電線の各所の相を随時検出し管理することができる配電線相管理支援方法、及び配電線相管理支援システムを提供する。3相配電線2の1相に所定のパルス電流を課電し、3相配電線2の複数箇所において3相配電線2を構成する各線の電流を監視し、複数箇所毎に、各線のうちパルス電流が検出された線の相を特定する。