(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
緑化植物を生産する生産者の生産者側端末と、該生産者から緑化植物を購入して緑化施工をする施工業者の施工側端末との間に介在するコンピュータを、在庫管理装置として機能させる在庫管理プログラムであって、
前記コンピュータを、
生産者から施工業者に販売された緑化植物の数量について、引き渡し時期ごとに実績情報として蓄積する実績情報データベース、
生産者によって指定された検索対象期間を取得して、検索対象期間内に引き渡し時期を含む実績情報を前記実績情報データベースから取得する検索部、
前記検索部によって取得された実績情報に基づいて、検索対象期間内に引き渡された緑化植物の数量を算出する実績数算出部、
前記実績数算出部によって算出された緑化植物の数量を生産者側端末に向けて出力する実績数出力部、
として機能させることを特徴とする在庫管理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る在庫管理装置及びプログラムの一実施形態について
図1〜
図7を参照して説明する。
本実施形態に係る在庫管理装置1は、緑化植物を生産する生産者の生産者側端末2と、該生産者から緑化植物を購入して緑化工事を施工する(緑化施工をする)施工業者の施工側端末3との間に介在する装置である。
図1に示すように、在庫管理装置1は、電気通信回線を介して、複数の生産者のそれぞれに設けられる生産者側端末2と、複数の施工業者のそれぞれに設けられる施工側端末3と接続可能になっている。この在庫管理装置1は、生産者側端末2から送信された緑化植物の種類、数、引き渡し時期(出荷可能時期)、及び、単価を在庫情報として格納する。そして、この在庫管理装置1は、この在庫情報を、施工側端末3を介して施工業者に提供することができる。また、この在庫管理装置1は、生産者側端末2に対して過去の販売状況に即した実績に関する情報を提供することができるとともに、予想される需要に関する情報を提供することができる。
【0017】
このような在庫管理装置1は、
図2に示すように、送受信部11と、認証部12と、画面情報データベース13と、ユーザ管理部14と、在庫情報データベース15と、在庫登録部16と、在庫情報提供部17と、実績情報データベース18と、注文処理部19と、場所情報取得部20、気象情報データベース21と、気象情報更新部22と、気象情報取得部23と、検索部24と、実績数算出部25と、実績数出力部26と、需要算出部27と、を備える。
【0018】
送受信部11は、生産者側端末2及び施工側端末3との間で情報を送受信することが可能な通信インタフェースである。
認証部12は、生産者側端末2及び施工側端末3から送信されたID、パスワード等のログイン情報を認証する。認証部12は、認証情報データベース121と、認証実行部122と、を備える。
【0019】
認証情報データベース121は、生産者及び施工業者毎に予め割り当てられたログイン情報を格納する。また、認証情報データベース121は、ログイン情報に紐付けされた生産者又は施工業者であることを識別する情報(業種情報)を格納する。
認証実行部122は、生産者側端末及び施工側端末3から送信されたログイン情報と、認証情報データベース121に格納されているログイン情報とを比較して、生産者及び施工業者を認証する。
【0020】
以上のような認証部12によれば、認証実行部122が生産者側端末2及び施工側端末3から送信されたログイン情報を、認証情報データベース121に格納されたログイン情報と認証することにより、正規に登録された生産者及び施工業者にサービスを提供することができる。
【0021】
画面情報データベース13は、生産者側端末2及び施工側端末3のそれぞれに送信するための画面情報を生産者及び施工業者を区別して格納する。
ユーザ管理部14は、認証実行部122によって認証された生産者側端末2及び施工側端末3を識別する。具体的には、ユーザ管理部14は、業種情報に基づいて、画面情報データベース13から送信すべき画面情報を読み出して、生産者側端末2又は施工側端末3に送信する。これにより、ユーザ管理部14は、生産者側端末2又は施工側端末3とセッションを開始する。以上のような画面情報データベース13及びユーザ管理部14によれば、ユーザ管理部14が生産者及び施工業者を区別して画面情報を送信するので、生産者に提供するサービスと、施工業者に提供するサービスとを区別することができる。
【0022】
在庫情報データベース15は、生産者側端末2からもたらされた緑化植物の在庫の情報を在庫情報として格納する。具体的には、在庫情報データベース15は、緑化植物の種類ごとに分けて在庫情報を格納する。そして、
図3に示すように、在庫情報データベース15は、生産者ごとに、生産者が販売可能な緑化植物の数量、その引き渡し時期、及び、単価を在庫情報として格納する。本実施形態においては、在庫情報データベース15は、月ごとに、引き渡し可能な数量を在庫情報として格納する。
【0023】
在庫登録部16は、生産者側端末2から送信された新たな在庫に関する情報に基づいて、在庫情報データベース15に格納されている在庫情報を更新する。例えば、在庫登録部16は、在庫情報データベース15から在庫情報を読み出して、読み出した在庫情報に新たな在庫に関する情報を加えることにより在庫情報を更新する。そして、在庫登録部16は、更新した在庫情報を在庫情報データベース15に格納する。
【0024】
在庫情報提供部17は、在庫情報データベース15から在庫情報を読み出して、読み出した在庫情報を施工業者に提供する。具体的には、在庫情報提供部17は、読み出した在庫情報を、ユーザ管理部14及び送受信部を介して施工側端末3に向けて送信する。
【0025】
以上のような、在庫情報データベース15、在庫登録部16、及び、在庫情報提供部17によれば、在庫登録部16は、在庫情報データベース15に格納されている在庫情報を、生産者側端末2からの在庫の登録の度に更新する。従って、在庫情報データベース15に格納されている在庫情報は、常に最新の状態に保たれる。在庫情報提供部17がこのような最新の在庫情報を施工側端末3に提供するので、施工業者は、最新の在庫情報に基づいた施工計画を立てることができる。
【0026】
実績情報データベース18は、例えば、
図4に示すように、生産者から施工業者に販売された緑化植物の種類、数、施工業者名、生産者名、引き渡し時期、及び、引き渡し単価等を実績情報として蓄積する。
注文処理部19は、在庫情報に基づいて施工側端末3から送信される注文を、生産者側端末2に送信する。また、注文処理部19は、送信された注文に基づいて、在庫情報データベース15に格納されている在庫情報を更新する。そして、注文処理部19は、送信された注文に基づいて、販売された緑化植物の数と引き渡し時期とを含む実績情報を実績情報データベース18に格納する。
【0027】
場所情報取得部20は、施工側端末3から注文が送信される際に、販売された緑化植物の施工場所を場所情報として施工側端末3から取得する。また、場所情報取得部20は、送信された注文に基づいて格納された実績情報に、場所情報を含めて実績情報データベース18に格納する。
【0028】
以上のような、実績情報データベース18、注文処理部19、及び、場所情報取得部20によれば、注文処理部19は、在庫情報に基づいて生産者から施工業者への緑化植物の販売を仲介することができる。また、実績情報データベース18は、注文内容を実績情報として蓄積し、場所情報取得部20が緑化植物の施工場所を実績情報に含めることができるので、販売された緑化植物の施工に関する情報についても蓄積することができる。
【0029】
気象情報データベース21は、所定期間ごとの気象情報を予め格納する。例えば、気象情報データベース21は、月ごとの気象情報を予め格納する。また、気象情報データベース21は、地域ごとの気象情報を格納する。気象情報データベース21は、現在よりも先の予想された気象情報を格納するとともに、過去の気象情報を格納する。気象情報データベース21は、例えば、月及び地域ごとの気温や日照時間等の情報を気象情報として格納する。
【0030】
気象情報更新部22は、外部の気象予測装置(図示せず)等から気象情報を取得し、気象情報データベース21に格納されている気象情報を更新する。例えば、気象情報更新部22は、定期的に気象予測装置(図示せず)にアクセスし、予想された気象情報が追加又は変更されたときに、気象情報を更新する。また、気象情報更新部22は、現在の気象情報(実績)に基づいて、気象情報データベース21に格納されている気象情報を更新(補正)する。
【0031】
気象情報取得部23は、予想気象情報取得部231と、類似期間取得部232と、を備える。
予想気象情報取得部231は、所定期間後の予想される気象情報を気象情報データベース21から取得する。
【0032】
類似期間取得部232は、取得された予想される気象情報に類似する過去の気象情報について気象情報データベース21を検索する。また、類似期間取得部232は、検出した過去の気象情報に対応する時期(期間)を取得する。例えば、類似期間取得部232は、予想される気象情報に含まれる気温や日照時間と、過去の気象情報に含まれる気温や日照時間とを対比して、類似する過去の気象情報に対応する時期(期間)を取得する。
【0033】
以上のような気象情報データベース21、気象情報更新部22、及び、気象情報取得部23によれば、今後、予想される気象情報に基づいて、過去において類似する気象情報の期間を取得することができる。
【0034】
検索部24は、生産者によって生産者側端末2に入力(指定)された緑化植物の種類と、検索対象期間とに基づいて、実績情報データベース18から実績情報を取得する。具体的には、検索部24は、検索対象期間が過去の期間である場合、指定された緑化植物について、検索対象期間に引き渡し時期が含まれる実績情報を実績情報データベース18から読み出す。一方、検索部24は、検索対象期間が将来の期間である場合、予想気象情報取得部231に、予想される気象情報を気象情報データベース21から取得させる。検索部24は、指定された緑化植物について、類似期間取得部232によって取得された時期(期間)に含まれる実績情報を実績情報データベース18から読み出す。
【0035】
実績数算出部25は、読み出された実績情報に基づいて、検索対象期間又は類似期間取得部232によって取得された時期(期間)に販売(注文)された緑化植物の種類及び数を集計する。なお、実績数算出部25は、時期(期間)ごとの平均単価を集計してもよい。
実績数出力部26は、実績数算出部25によって集計された緑化植物の数量を生産者側端末2に向けて出力する。
【0036】
このような検索部24、実績数算出部25、及び、実績数出力部26によれば、検索部24は、生産者側端末2から取得した過去の検索対象期間に基づいて、実績情報を取得することができる。一方、検索部24は、生産者側端末2から取得した将来の検索対象期間に基づいて、検索対象期間に予想される気象情報に類似する過去の気象情報であったときの実績情報を取得することができる。実績数出力部26は、検索対象期間に引き渡し時期を含む実績情報から、販売された緑化植物の数量に関する情報を生産者側端末2に提供することができる。これにより、生産者は、過去の検索対象期間を入力することにより、当該検索対象期間に、どの程度の需要があったのかを把握することができる。また、生産者は、将来の検索対象期間を入力することにより、当該検索対象期間に、どの程度の需要がありそうなのかを把握することができる。従って、生産者は、育成を開始する苗の数量について、おおまかな量を知ることができ、育成計画の参考にすることができる。
【0037】
需要算出部27は、実績情報に基づいて、所定期間のより詳細な緑化植物の予想需要を算出する。需要算出部27は、植替条件データベース271と、地域特定部272と、更新数算出部273と、更新数出力部274と、経過数算出部275と、総需要数算出部276と、を備える。
【0038】
植替条件データベース271は、緑化植物の種類ごとに、植替えが必要となる植替条件を格納する。例えば、植替条件データベース271は、植物の変色が発生する温度等の気象条件や、施工から弱体化による再施工の目安となる期限の情報を植替条件として格納する。
【0039】
地域特定部272は、予想気象情報取得部231によって取得された予想される気象情報に基づいて、植え替えが必要となる地域を特定する。具体的には、地域特定部272は、植替条件データベース271に格納された植替条件を読み出す。そして、地域特定部272は、予想される気象情報と、読み出した植替条件とを比較して、緑化植物の種類ごとに、植替えが必要となる地域を特定する。
【0040】
更新数算出部273は、地域特定部272によって特定された地域に施工された緑化植物の数を更新数として算出する。具体的には、更新数算出部273は、緑化植物の種類ごとに、実績情報データベース18から、特定された地域に施工された緑化植物の実績情報を取得する。更新数算出部273は、取得された実績情報の数に基づいて、緑化植物の種類ごとに、更新が必要となる緑化植物の数を算出する。
【0041】
更新数出力部274は、算出された更新数をする。本実施形態において、更新数出力部274は、生産者側端末2に向けて算出された更新数を出力する。
【0042】
経過数算出部275は、地域特定部272によって特定された地域を除く地域に関し、実績情報に含まれる引き渡し時期に基づいて、一定期間が経過する緑化植物の数を算出する。具体的には、経過数算出部275は、実績情報データベース18に格納されている実績情報を読み出して、緑化植物の種類ごとに、地域特定部272によって特定された地域を除く地域の場所情報をもつ実績情報を抽出する。経過数算出部275は、抽出した実績情報のうち、育成を開始する時期に、引き渡し時期が一定期間を経過する緑化植物の数を算出する。
【0043】
総需要数算出部276は、更新数算出部273及び経過数算出部275によって算出された数の和を総需要情報として算出する。具体的には、総需要数算出部276は、緑化植物の種類ごとに、更新数算出部273及び経過数算出部275によって算出された緑化植物の数の和を総需要数として算出する。
総需要数出力部277は、算出された総需要数を出力する。本実施形態において、総需要数出力部277は、生産者側端末2に向けて算出された総需要数を出力する。
【0044】
以上のような需要算出部27によれば、更新数算出部273が、既に施工された緑化植物について、気象による影響により植え替えが必要となる緑化植物の数を算出することができる。また、経過数算出部275が、施工時からの経過時間の影響により植え替えが必要となる緑化植物の数を算出することができる。総需要数算出部276は、気象の影響及び時間の影響により植え替えが必要となる緑化植物の総数を算出することができる。これにより、生産者は、将来的な植替え需要に対して、生産数を調整することが可能となる。
【0045】
次に、本実施形態に係る在庫管理装置1の動作の流れを
図5〜
図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、生産者側端末2に対する在庫管理装置1の動作の流れについて、
図5及び
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0046】
まず、生産者側端末2から、在庫情報管理装置に対して、ID、パスワード等のログイン情報が送信される。認証実行部122は、送受信部を介してログイン情報を受信し、認証情報データベース121を参照して受信したログイン情報を認証する(ステップS1)。認証実行部122がログイン情報を正規であると判断すると、ユーザ管理部14は、生産者側端末2とのセッションを確立する(ステップS2)。
【0047】
生産者側端末2から新たな在庫情報が送信された場合(ステップS3 YES)、在庫登録部16は、新たな在庫情報を用いて在庫情報データベース15に格納されている在庫情報を更新する。例えば、在庫情報登録部は、新たな在庫情報に関する緑化植物の種類及び数に基づいて更新した在庫情報を在庫情報データベース15に格納する(ステップS4)。新たな在庫情報が送信されない場合(ステップS3 NO)、ステップS5に進む。
【0048】
生産者側端末2から実績情報を閲覧する要求があった場合(ステップS5 YES)、検索部24は、実績情報の閲覧を希望する検索対象期間及び緑化植物の種類を生産者側端末2から受け付ける(ステップS6)。検索部24は、受け付けた検索対象期間について、過去であるか将来であるかを判断する(ステップS7)。検索部24は、過去である検索対象期間を受け付けた場合(ステップS7 YES)、指定された緑化植物に関して、検索対象期間に引き渡し時期が含まれる実績情報を実績情報データベース18から読み出す(ステップS8)。
【0049】
一方、検索部24が将来である検索対象期間を受け付けた場合(ステップS7 NO)、予想気象情報取得部231は、検索対象期間に予想される気象情報を気象情報データベース21から読み出す(ステップS9)。類似期間取得部232は、予想気象情報取得部231によって取得された気象情報に類似する過去の気象情報について、気象情報データベース21を検索する。類似期間取得部232は、検出した過去の気象情報に対応する時期(期間)を取得する(ステップS10)。検索部24は、指定された緑化植物に対して、過去の気象情報に対応する時期(期間)の実績情報を実績情報データベース18から取得する(ステップS11)。
【0050】
実績数算出部25は、検索部24によって読み出された実績情報に含まれる緑化植物の数量を集計する。実績数出力部26は、実績情報を閲覧する要求をした生産者側端末2に、集計した緑化植物の数量を出力する(ステップS12)。
【0051】
次に、
図6に示すように、生産者側端末2から植替需要について閲覧を希望する入力があった場合(ステップS13 YES)、地域特定部272は、植替需要の閲覧を希望する緑化植物の種類及び時期について、生産者側端末2から入力(指定)を受け付ける(ステップS14)。予想気象情報取得部231は、入力された時期に基づいて、予想された気象情報を気象情報データベース21から取得する(ステップS15)。地域特定部272は、植替条件データベース271を参照し、入力された緑化植物の種類の植替条件を取得する(ステップS16)。地域特定部272は、取得した植替条件と、予想される気象情報とを対比して、植替条件に該当する地域を特定する(ステップS17)。更新数算出部273は、指定された緑化植物の種類と、特定された地域の場所情報とを含む実績情報を実績情報データベース18から取得する。更新数算出部273は、取得した実績情報に含まれる緑化植物の数を算出する(ステップS18)。
【0052】
次に、経過数算出部275は、入力された緑化植物の種類及び時期について、地域特定部272によって特定された地域を除く地域に関し、実績情報に含まれる引き渡し時期に基づいて、一定期間が経過する緑化植物の数を算出する(ステップS19)。具体的には、経過数算出部275は、地域特定部272から特定された地域を取得する。また、経過数算出部275は、実績情報データベース18から、入力された緑化植物の種類及び時期に関する実績情報を取得する。そして、経過数算出部275は、植替条件データベース271から、入力された緑化植物に関して、施工からの更新周期を定義する植替え条件を取得する。経過数算出部275は、実績情報に含まれる緑化植物のうち、更新周期に該当する緑化植物の数を算出する。総需要数算出部276は、更新数算出部273及び経過数算出部によって算出された数の和を総需要数として算出する(ステップS20)。
【0053】
更新数出力部274は、更新数算出部273によって算出された緑化植物の更新数を生産者側端末2に出力する(ステップS21)。これにより、更新数出力部274は、入力された緑化植物の種類及び時期に関し、気象の影響により更新が必要となる緑化植物の数を出力することができる。また、総需要数出力部277は、経過数算出部275によって算出された緑化植物の数(経過数)と、総需要数算出部276によって算出された緑化植物の数(総需要数)を生産者側端末2に出力する。(ステップS22)。これにより、総需要数出力部277は、入力された緑化植物の種類及び時期に関し、経年劣化により更新が必要となる緑化植物の数を出力することができるとともに、気象及び経年劣化により更新が必要となる緑化植物の総数を出力することができる。
一方、植替需要について閲覧を希望する入力が無い場合(ステップS13 NO)、終了する。
【0054】
次に、施工側端末3に対する在庫管理装置1の動作の流れについて、
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0055】
まず、施工側端末3から、在庫情報管理装置に対して、ID、パスワード等のログイン情報が送信される。認証実行部122は、送受信部を介してログイン情報を受信し、認証情報データベース121を参照して受信したログイン情報を認証する(ステップS31)。認証実行部122がログイン情報を正規であると判断すると、ユーザ管理部14は、施工側端末3とのセッションを確立する(ステップS32)。
【0056】
施工側端末3から在庫を確認する入力があった場合(ステップS33 YES)、在庫情報提供部17は、在庫情報データベース15から在庫情報を取得する(ステップS34)。在庫情報提供部17は、在庫情報を施工側端末3に出力する。一方、在庫を確認しない場合(ステップS33 NO)、ステップS35に進む。
【0057】
緑化植物の注文が実行される場合(ステップS35 YES)、注文処理部19は、注文に関する情報として、緑化植物の種類、数量、及び、生産者を識別する情報について、施工側端末3から取得する(ステップS36)。場所情報取得部20は、緑化植物を施工する場所について場所情報として、施工側端末3から取得する(ステップS37)。
【0058】
注文処理部19は、施工側端末3から取得した注文に関する情報に基づいて、在庫情報を更新する(ステップS38)。また、注文処理部19は、生産者を識別する情報に基づいて、注文を生産者側端末2に向けて出力する。さらには、注文処理部19は、実績情報を作成し、実績情報データベース18に格納する(ステップS39)。場所情報取得部20は、作成された実績情報に場所情報を含めて実績データベースに格納する。
【0059】
以上のような在庫管理装置1及び在庫管理プログラムによれば、以下の効果を奏する。
【0060】
(1)在庫管理装置1について、在庫情報データベース15から在庫情報を読み出して、施工側端末3に提供する在庫情報提供部17を備えるように構成した。これにより、施工業者は、緑化植物の在庫数に基づいて施工可能な時期及び受注可能な上限数を知ることができる。従って、施工業者は、容易に施工計画を立てることができる。そして更に、在庫管理装置1について、販売された緑化植物の数と引き渡し時期とを実績情報として蓄積する実績情報データベース18と、生産者によって指定された検索対象期間を取得して、検索対象期間内に引き渡し時期が含まれる実績情報を実績情報データベース18から読み出す検索部24と、読み出された実績情報を生産者側端末2に向けて出力する実績数出力部26とを備えるように構成した。これにより、生産者は、過去の販売実績に基づいて、緑化植物の需要見込みを知ることができ、育成を開始する緑化植物の数を調整することができる。従って、生産者及び施工業者の双方にとってより利便性の高い在庫管理装置1を提供することができる。
【0061】
(2)所定期間ごとの気象情報を予め格納する気象情報データベース21と、気象情報データベース21から気象情報を取得する気象情報取得部23と、を更に備えるように構成した。また、気象情報取得部23が、予想される気象情報を取得する予想気象情報取得部231と、過去の気象情報について予想される気象情報に類似する期間を取得する類似期間取得部232と、を備えるように構成した。そして、検索部24が、類似する期間の実績情報を取得し、実績数算出部25が、類似する期間に引き渡し時期を含む緑化植物の数量をするように構成した。これにより、生産者は、予想される気象情報に対して、類似する過去の気象情報に対応する期間の実績情報を得ることができる。従って、過去を参照した需要予想をすることができるので、より利便性の高い在庫管理装置1を提供することができる。
【0062】
(3)取得した気象情報に基づいて、植え替えが必要となる地域を特定する地域特定部272と、特定された地域に施工された緑化植物の更新数を算出する更新数算出部273と、更新数を出力する更新数出力部274とを備えるように構成した。これにより、生産者は、実際に施工されている緑化植物の数量に基づいて、気象変化のために植え替えが必要となる緑化植物の更新数の詳細を把握することができる。育成を開始すべき緑化植物の数量の詳細を把握することにより、提供可能な緑化植物が不足する事態を防止することができるとともに、過剰生産により廃棄される緑化植物の数を減少させることができるので、より利便性の高い在庫管理装置1を提供することができる。
【0063】
(4)引き渡し時期から所定の期間が経過した緑化植物の数を算出する経過数算出部275と、更新数算出部273及び経過数算出部275によって算出された緑化植物の数量の和を需要数として算出する需要算出部27とを備えるように構成した。これにより、生産者は、実際に施工されている緑化植物の数量に基づいて、気象による影響で交換が必要となる緑化植物の数量に加え、老化により弱体化(枯れ、色の悪化)するであろう緑化植物の数量を、将来増加する需要数として生産開始前に知ることができる。また、施工業者は、植替施工の計画を容易に作成することができる。従って、より利便性の高い在庫管理装置1を提供することができる。
【0064】
以上、本発明の在庫管理装置及び在庫管理プログラムの好ましい一実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0065】
例えば、在庫管理装置1の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、プログラムが実行されることにより、コンピュータが、在庫管理装置1の少なくとも一部として機能してもよい。プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、在庫管理装置1の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。
【0066】
コンピュータを在庫管理装置1の少なくとも一部として機能させるプログラムは、在庫管理装置1の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、プロセッサ、通信インタフェース等に働きかけて、コンピュータを在庫管理装置1の各部として機能させたり、コンピュータに在庫管理装置1における情報処理方法を実行させたりする。
【0067】
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと、在庫管理装置1の各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた在庫管理装置1を構築することができる。
【0068】
また、上記実施形態において、需要算出部27は、更新数、経過数、及び、総需要数を生産者側端末2に送信することとした。これに対し、需要算出部27は、施工側端末3に対して、更新数、経過数、及び、総需要数を出力するようにしてもよい。例えば、地域特定部272は、さらに、施工業者を識別する識別情報(ログイン情報)をユーザ管理部14から取得するようにしてもよい。そして、更新数算出部273、経過数算出部275、及び、総需要数算出部276は、施工業者を識別する情報を含む実績情報を読み出して、入力された緑化植物の種類及び時期について、更新数、経過数、及び総需要数を算出してもよい。更新数出力部274及び総需要数出力部277は、識別された施工業者の施工側端末3に対して、更新数、経過数、及び、総需要数を出力してもよい。これにより、在庫管理装置1は、施工業者にとって、品質管理装置としての機能をもつことができる。
在庫管理装置1は、生産者が販売可能な緑化植物の数量とその引き渡し時期とを含む在庫情報を格納する在庫情報データベース15と、在庫情報を読み出して、施工側端末3に提供する在庫情報提供部17と、生産者から施工業者に販売された緑化植物の数量について、引き渡し時期ごとに実績情報として蓄積する実績情報データベース18と、生産者によって指定された過去を示す検索対象期間を取得して、検索対象期間内に引き渡し時期を含む実績情報を取得する検索部24と、取得された実績情報に基づいて、検索対象期間内に引き渡された緑化植物の数量を算出する実績数算出部25と、算出された緑化植物の数量を生産者側端末2に向けて出力する実績数出力部26と、を備える。