特許第6202262号(P6202262)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202262
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/02 20060101AFI20170914BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   F24F11/02 103A
   F24F1/00 401E
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-159183(P2013-159183)
(22)【出願日】2013年7月31日
(65)【公開番号】特開2015-31417(P2015-31417A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100083194
【弁理士】
【氏名又は名称】長尾 常明
(72)【発明者】
【氏名】山田 太志
(72)【発明者】
【氏名】澤田 大貴
【審査官】 田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−071521(JP,A)
【文献】 特開2011−027328(JP,A)
【文献】 特開2005−188814(JP,A)
【文献】 特開2012−112547(JP,A)
【文献】 実開昭55−022027(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/02
F24F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と前面パネル組で構成され、該前面パネル組に形成された人検知センサ取付穴から露出するように人検知センサを取り付けた空気調和機の室内機において、
前記人検知センサが取り付けられた人検知センサ基板と、該人検知センサ基板が嵌め込まれ底面から前記人検知センサが突出する筒形状の人検知センサホルダと、該人検知センサホルダを前記本体に取り付ける人検知センサホルダ取付手段と、中央に前記人検知センサが突出する開口が形成され前記前面パネル組の前記人検知センサ取付穴に外側から前記人検知センサ取付穴の軸心に直交する方向に遊びをもって挿入して取り付けられる人検知センサ化粧枠とを備え、
前記人検知センサ化粧枠、前記人検知センサ化粧枠の開口の軸心が前記人検知センサの軸心と一致するように、位置決め手段によって位置決めされ
前記位置決め手段は、前記人検知センサ化粧枠から前記人検知センサ化粧枠の奥方向に伸びるように形成された4個の位置決めリブと、前記人検知センサホルダの周方向に形成された四角筒形状部とで構成され、前記人検知センサ化粧枠の前記位置決めリブが、前記人検知センサホルダの前記四角筒形状部の各側面に外側から当接することで位置決めが行われるようにしたことを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気調和機の室内機において、
前記人検知センサホルダ取付手段は、電装品箱に取り付けられる表示器ケースであることを特徴とする空気調和機の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人検知センサを取り付けた空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の室内機では、人検知センサ(赤外線検知センサ)を室内機に取り付けて、その人検知センサにより人体が検知されると空調運転を開始し、検知されなくなると運転を停止するような制御システムが採用されている(特許文献1)。これによれば、空気調和機の運転開始や運転停止のための特別な操作が一切不要となり、また人の居ない部屋で無駄な空調が行われることを防止できる。
【0003】
特許文献1では、人検知センサを室内機に取り付ける際には、運転状態等を表示する発光素子やリモコン信号を受光する受光素子等とともに人検知センサを受光部付き運転表示基板に共通に取り付け、その受光部付き運転表示基板を表示ユニットに組み込んで、その表示ユニットを室内機の前面の収納部に取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−241009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、人検知センサのみを室内機から外部に露出させる際、前面パネル組に人検知センサ取付穴を形成して、そこに人検知センサを臨ませる構成となるが、この場合、人検知センサの取付部分は人目につく部分であり、秀麗な外観が必要である。
【0006】
しかしながら、人検知センサの軸心と人検知センサ取付穴の軸心とを合致させることは難しく、人検知センサの周囲の隙間が不均一になり易く、外観を損なうおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、人検知センサの前面パネル組への取付部分の外観が良好になるようにした空気調和機の室内機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、本体と前面パネル組で構成され、該前面パネル組に形成された人検知センサ取付穴から露出するように人検知センサを取り付けた空気調和機の室内機において、前記人検知センサが取り付けられた人検知センサ基板と、該人検知センサ基板が嵌め込まれ底面から前記人検知センサが突出する筒形状の人検知センサホルダと、該人検知センサホルダを前記本体に取り付ける人検知センサホルダ取付手段と、中央に前記人検知センサが突出する開口が形成され前記前面パネル組の前記人検知センサ取付穴に外側から前記人検知センサ取付穴の軸心に直交する方向に遊びをもって挿入して取り付けられる人検知センサ化粧枠とを備え、前記人検知センサ化粧枠、前記人検知センサ化粧枠の開口の軸心が前記人検知センサの軸心と一致するように、位置決め手段によって位置決めされ、前記位置決め手段は、前記人検知センサ化粧枠から前記人検知センサ化粧枠の奥方向に伸びるように形成された4個の位置決めリブと、前記人検知センサホルダの周方向に形成された四角筒形状部とで構成され、前記人検知センサ化粧枠の前記位置決めリブが、前記人検知センサホルダの前記四角筒形状部の各側面に外側から当接することで位置決めが行われるようにしたことを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の空気調和機の室内機において、前記人検知センサホルダ取付手段は、電装品箱に取り付けられる表示器ケースであることを特徴とする。

【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、人検知センサ化粧枠が、人検知センサ化粧枠の開口の軸心が人検知センサの軸心と一致するように、位置決め手段によって位置決めされるようにしたので、人検知センサ化粧枠の開口内に位置する人検知センサの周囲の隙間は均一となり、人検知センサの取付部分の外観が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の空気調和機の室内機の一部の分解斜視図である。
図2】人検知センサ基板と人検知センサホルダと人検知センサ化粧枠の斜視図である。
図3】表示器ケースの人検知センサ取付部に人検知センサホルダを取り付ける説明の斜視図である。
図4】表示器ケースの人検知センサ取付部に人検知センサホルダを取り付けた斜視図である。
図5】表示器ケースを電装品箱の表示器ケース取付部に取り付ける説明の斜視図である。
図6】表示器ケースを電装品箱の表示器ケース取付部に取り付けた斜視図である。
図7】室外機の内部機構部分に前面パネル枠をかぶせた斜視図である。
図8】室外機の内部機構部分に前面パネル枠をかぶせる前の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に本発明の第1の実施例の空気調和機の室内機の要部を示す。10は前面パネル組であり、電源コード等の接続工事等の際に開かれるメンテナンス蓋11が設けられ、また、光透過性の受光/表示部12、四角形の人検知センサ取付穴13、ディフューザ/風向板配置穴14等が形成されている。受光/表示部12と人検知センサ取付穴13とディフューザ/風向板配置穴14は、前面パネル組10の正面の斜め下方向を向くように形成されている。
【0012】
20は電装品箱であり、電装品(図示せず)が収納される電装品箱本体21、電源ケーブル引込穴22、電源ケーブル引出穴23、表示器ケース取付部24等を有する。電源ケーブル引込穴22から引き込まれ内部を挿通して電源ケーブル引出穴23から引き出される電源ケーブルの先端は、電装品箱本体21の端子台(図示せず)に接続される。そして、表示器ケース取付部24には、上爪24aと下爪24bが形成されている。
【0013】
30は表示器ケースであり、受光部付き運転表示基板取付部31と人検知センサセンサ取付手段としての人検知センサ取付部32が形成されている。そして、受光部付き運転表示基板取付部31には、発光素子が露出する3個の開口31aと受光素子が露出する1個の開口31bが横並びで形成され、さらに、上下に取付用の爪31c、31dが形成されている。また、人検知センサ取付部32には、両側に係合穴32aが形成され、中央に開口32bが形成されている。
【0014】
40は表示器ケース30の受光部付き運転表示基板取付部31の内部(裏側)に組み込まれる受光部付き運転表示基板であり、3個の発光素子41aや1個の受光素子41b等の光学部品が横並びで取り付けられ、また、コネクタ42,43が両端に取り付けられたコード44の一方のコネクタ42が取り付けられている。
【0015】
50は表示器ケース30の人検知センサ取付部32に収納される人検知センサ基板であり、正面中心位置に丸形状の人検知センサ51が取り付けられ、また、コネクタ52,53が両端に取り付けられたコード54の一方のコネクタ52が取り付けられている。
【0016】
60は底面の中心に丸い開口61が形成された四角筒形の人検知センサホルダであり、前記した人検知センサ基板50が内部に嵌め込まれることにより、開口61から人検知センサ51が突出するようになっている。
【0017】
70は中心に丸い開口71が形成された人検知センサ化粧枠であり、前面パネル組10の人検知センサ取付穴13の外側から差し込まれることにより、人検知センサ取付穴13の周囲を閉じる作用を行う。
【0018】
図2に人検知センサ基板50と人検知センサホルダ60と人検知センサ化粧枠70の詳細を示す。人検知センサホルダ60には、開口61の内側底面の四隅に人検知センサ基板50の4個の角が当接するストッパ62が形成されている。また、人検知センサホルダ60の外側の180度離れた両側の2箇所には、表示器ケース30の人検知センサ取付部32の係合穴32aに係合する爪63が形成されている。
【0019】
人検知センサ化粧枠70には、人検知センサ51の頭部が突出する開口71の他に、前面パネル組10の人検知センサ取付穴13の周縁に外側から当接する四角形の周鍔(フランジ)72と、その周鍔72の内側の180度離れた両側の2箇所に周鍔72から若干の間隔(前面パネル組10の人検知センサ取付穴13の周縁の肉厚より若干広い間隔)をおいて設けられた爪73と、人検知センサホルダ60の外周の4面に外側から圧接するために周鍔72と反対側の奥方向に伸びるように形成された4個の位置決リブ74と、が設けられている。
【0020】
次に組み立てについて説明する。まず、人検知センサホルダ60の内部に、人検知センサ51が開口61から突出するように、人検知センサ基板50を嵌め込み、その人検知センサ基板50の4個の角を人検知センサホルダ60のストッパ62に押し当てる。これにより、人検知センサホルダ60内に人検知センサ基板50が収納され、図3に示すような状態となり、人検知センサ51の軸心が人検知センサホルダ60の軸心と一致するようになる。
【0021】
次に、このように内部に人検知センサ基板50が収納された人検知センサホルダ60を、表示器ケース30の人検知センサ取付部32内に、人検知センサ取付部32の前方から、図4に示すように嵌め込む。このときは、人検知センサ基板50から引き出されるコード54を、表示器ケース30の人検知センサ取付部32の開口32bから背後に引き出しておき、人検知センサホルダ60の両側の爪63を人検知センサ取付部32の両側の係合穴32aに係合させる。これにより、人検知センサ取付部32に対して人検知センサホルダ60が図4に示すように組み立てられる。このとき、人検知センサ基板50の人検知センサ51の取付面(正面)は、その4個の角が人検知センサホルダ60のストッパ62に押し当てられ、人検知センサ基板50の裏面は、人検知センサ取付部32の開口32bの周囲の縁に押し当てられるので、ガタツキが発生することはない。
【0022】
次に、人検知センサ基板50と人検知センサホルダ60が表示器ケース30の人検知センサ取付部32に組み込まれた後に、表示器ケース30の受光部付き運転表示基板取付部31の裏側に、受光部付き運転表示基板40を嵌め込み、発光素子41aが開口31aから露出し、受光素子41bが開口31bから露出するようにする。
【0023】
次に、受光部付き運転表示基板40と人検知センサ基板50と人検知センサホルダ60が組み込まれた表示器ケース30を、電装品箱20の表示器ケース取付部24に取り付ける。このときは、図5に示すように、表示器ケース30の受光部付き運転表示基板取付部31の人検知センサ取付部32の爪31dを電装品箱20の表示器ケース取付部24の上爪24aに当接させ、人検知センサ取付部32の爪31cを下爪24bに嵌め込む。これにより、図6に示すように、人検知センサホルダ60が電装品箱20に組み込まれる。本実施例では、このように人検知センサホルダ60を本体120(図8参照)の一部である電装品箱20に組み込んでいるが、本体120は室内機を構成する部分の内の前面パネル組10を除く部分であり、電装品箱20以外の本体120に対して検知センサホルダ60を組み込んでも良い。
【0024】
次に、前面パネル組10の人検知センサ取付穴13の表側から内側に向けて、人検知センサ化粧枠70を、位置決めリブ74を先頭にして押し込む。これによって、人検知センサ化粧枠70の爪73が人検知センサ取付穴13の周縁により押されて若干内側に撓んで逃げ、さらに押し込むと、その爪73が人検知センサ13の内縁から外れる。この結果、人検知センサ化粧枠70の周鍔72と爪73の間に人検知センサ取付穴13の周縁部が遊びをもって挟持される状態となる。よって、人検知センサ化粧枠70は上下左右前後方向に若干の遊びを有して、人検知センサ取付穴13の周縁部に取り付けられる。
【0025】
次に、人検知センサ化粧枠70が取り付けられた前面パネル組20の全体を、電装品箱20、熱交換器、配管、その他が組み込まれた部分に上面からかぶせると、人検知センサ51は人検知センサ化粧枠70の開口71から外部に突出する。このとき、人検知センサ化粧枠70と人検知センサホルダ60は図2に示す向きで互いに合わせられるので、人検知センサ化粧枠70の4個の位置決めリブ74が人検知センサホルダ60の周囲の4面に当接され、人検知センサ化粧枠70が、その開口71の軸心が人検知センサ51の軸心と一致するように位置決めされる。よって、開口71における人検知センサ51の周囲の隙間(図示せず)が均一になり、外観が良好となる。そして、図7に示すように、人検知センサ51の周囲は人検知センサ化粧枠70によって飾られる。なお、表示器ケース30の受光部付き運転表示基板取付部31の開口31aに露出する発光素子41a、開口31bから露出する受光素子41bは、前面パネル組10の光透過性の受光/表示部12の裏面に位置する。
【0026】
図8に前面パネル組10をかぶせる直前の機構を示した。80は風向板用モータ、90はディフューザ用モータ、100は風向板、110はディフューザである。このように、表示器ケース30の人検知センサ取付部32は、モータ80の右隣の空きスペースに配置されることになる。なお、人検知センサ51を設けない機種の室内機では、人検知センサ取付部32が形成されていない表示器ケース30が取り付けられる。よって、人検知センサ51を取り付けない室内機では、前面パネル組10に人検知センサ取付穴13を設けなければよい。
【0027】
このように、本実施例の室内機は、表示器ケース30の受光部付き運転表示基板取付部31に連続して人検知センサ取付部32を一体的に設けたものである。人検知センサを取り付けない室内機の構成に対する変更点は、人検知センサ取付部32を設けた表示器ケース30を新たに製作することと、前面パネル組10に人検知センサ取付穴13を新たに設ければよいことのみである。よって、本実施例では、人検知センサを取り付けない室内機の構成(受光部付き運転表示基板40や表示器ケース取付部24)を有効利用することができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0028】
また、人検知センサ化粧枠70の位置決めリブ74によって、人検知センサ化粧枠70の開口71の軸心が、人検知センサホルダ60の前面に突出する人検知センサ51の軸心と一致するように位置決めされるので、人検知センサ化粧枠70の開口71内に位置する人検知センサ51の周囲の隙間は均一となり、人検知センサの取付部分の外観が良好となる。
【符号の説明】
【0029】
10:前面パネル組、11:メンテナンス蓋、12:受光/表示部、13:人検知センサ取付穴、14:風向板/ディヒューザ配置穴
20:電装品箱、21:電装品箱本体、22:ケーブル差込穴、23:ケーブル引出穴、24:表示器ケース取付部、24a:上爪、24b:下爪
30:表示器ケース、31:受光部付き運転表示基板取付部、31a、31b:開口、31c,31d:爪、32:人検知センサ取付部、32a:係合穴、32b:開口
40:受光部付き運転表示基板、41a:発光素子、41b:受光素子、42,43:コネクタ、44:コード
50:人検知センサ基板、51:人検知センサ、52,53:コネクタ、54:コード
60:人検知センサホルダ、61:開口、62:ストッパ、63:爪
70:人検知センサ化粧枠、71:開口、72:周鍔、73:爪、74:位置決めリブ
80:風向板用モータ
90:ディフューザ用モータ
100:風向板
110:ディフューザ
120:本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8