(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202263
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】眼鏡レンズ加工装置の濾過器及びこれを有する濾過装置、並びに濾過システム
(51)【国際特許分類】
B24B 55/03 20060101AFI20170914BHJP
B24B 9/14 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
B24B55/03
B24B9/14 Z
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-173293(P2013-173293)
(22)【出願日】2013年8月23日
(65)【公開番号】特開2015-39759(P2015-39759A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2016年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135184
【氏名又は名称】株式会社ニデック
(72)【発明者】
【氏名】田中 基司
【審査官】
亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−007357(JP,A)
【文献】
実開平01−163514(JP,U)
【文献】
特開2002−283236(JP,A)
【文献】
特開2002−187066(JP,A)
【文献】
特開2009−160724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 55/00 − 57/04
B24B 9/14
B24B 13/00
B01D 27/00 − 29/48
B23Q 11/00
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡レンズ加工装置から排出される排水に含まれる加工屑と研削水とを分離するために、眼鏡レンズ加工装置からの排水経路の排水口と、研削水を蓄えるタンク又は下水口に繋がる排水経路の導入口と、の間に着脱自在に接続される眼鏡レンズ加工装置の濾過器であって、
加工屑と研削水とを分離するための袋状のフィルタであって、前記排水口に接続されるフィルタと、
前記フィルタが内部に配置される筒状の防水部材であって、内部に配置された前記フィルタに溜められる加工屑の堆積具合を作業者が外部から観察可能な部材で構成され、一方の第1開口部と他方の第2開口部とを有し、前記第1開口部が前記排水口に接続され、前記第2開口部が前記導入口に接続される防水部材と、を備え、
前記防水部材の第1開口部が前記袋状のフィルタと共に前記排水口から取り外され、前記防水部材の前記第2開口部が前記導入口から取り外されることによって、前記防水部材は、加工屑が内部に溜った前記フィルタを収納した状態で前記フィルタと一緒に交換可能に構成されていることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置の濾過器。
【請求項2】
請求項1の眼鏡レンズ加工装置の濾過器において、前記第1開口部及び第2開口部を作業者が手によって閉じることが可能なように、少なくとも前記第1開口部及び第2開口部は、作業者が手によって変形可能な柔軟な素材で形成されていることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置の濾過器。
【請求項3】
請求項1又は2の眼鏡レンズ加工装置の濾過器において、前記第1開口部を閉塞する第1閉塞手段と、前記第2開口部を閉塞する第2閉塞手段と、を備えることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置の濾過器。
【請求項4】
眼鏡レンズ加工装置から排出される排水に含まれる加工屑と研削水とを分離するために、眼鏡レンズ加工装置からの排水経路の排水口と、研削水を蓄えるタンク又は下水口に繋がる排水経路の導入口と、の間に着脱自在に接続される濾過器を有する眼鏡レンズ加工装置の濾過装置であって、
前記濾過器は、加工屑と研削水とを分離するための袋状のフィルタであって、前記排水口に接続されるフィルタと、前記フィルタが内部に配置される筒状の防水部材であって、一方の第1開口部と他方の第2開口部とを有し、前記第1開口部が前記排水口に接続され、前記第2開口部が前記導入口に接続される防水部材と、を備え、前記防水部材の第1開口部が前記袋状のフィルタと共に前記排水口から取り外され、前記防水部材の前記第2開口部が前記導入口から取り外されることによって、前記防水部材は、加工屑が内部に溜った前記フィルタを収納した状態で前記フィルタと一緒に交換可能に構成されており、
前記濾過装置は、さらに前記防水部材が載せられる支持部材を備える支持手段であって、加工屑が内部に溜った前記フィルタ及び前記防水部材の荷重を支える支持手段を備え、前記支持部材は前記防水部材に比して熱伝導性が高い素材で構成されていることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置の濾過装置。
【請求項5】
眼鏡レンズ加工装置から排出される排水に含まれる加工屑と研削水とを分離するための濾過器を有する眼鏡レンズ加工装置の濾過システムであって、
眼鏡レンズ加工装置の下に延びる排水経路の下に前記濾過器が配置され、研削水を蓄えるタンクが前記濾過器の下に配置される構成であり、
前記濾過器は、加工屑と研削水とを分離するための袋状のフィルタであって、伸縮性を持ち、前記排水口の下に接続されるフィルタと、前記フィルタが内部に配置される筒状の防水部材であって、一方の第1開口部と他方の第2開口部とを有し、前記第1開口部が前記排水口に接続され、前記第2開口部が前記導入口に接続される防水部材と、を備え、
前記排水口からの排水は自重によって前記フィルタ内に導入され、前記フィルタで研削屑と分離される研削水は自重によって前記フィルタを通過し、前記フィルタを通過した研削水が落下して前記導入口から前記タンク内に流される構成であり、
前記濾過器は、前記防水部材の第1開口部が前記袋状のフィルタと共に前記排水口から取り外され、前記防水部材の前記第2開口部が前記導入口から取り外されることによって、前記防水部材は、加工屑が内部に溜った前記フィルタを収納した状態で前記フィルタと一緒に交換可能に構成されていることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置の濾過システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡レンズ加工装置から排出された排水に含まれる加工屑と研削水とを分離する眼鏡レンズ加工装置の濾過器及びこれを有する濾過装置、濾過システムに関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡レンズ加工装置の濾過装置としては、眼鏡レンズ加工装置からの排水が導入されるホースに接続され、研削水を蓄える研削水タンクの内部に袋状のフィルタを配置したものが知られている(特許文献1参照)。また、眼鏡レンズ加工装置からの排水を研削水タンクに戻さずに、研削水タンクとは別に設置された濾過装置へ排水を送り、濾過装置によって濾過された研削水をタンクの戻すように構成された研削水処理装置が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−200559号公報
【特許文献2】特開2006−7357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、研削水タンクの内部にフィルタが配置された構成では、研削水タンク内に汚れた研削水や加工屑が多く有り、作業者が加工屑の溜ったフィルタを研削水の内部から取り出すときに、作業者の手が汚れやすく、研削水タンクの外部に汚れた研削水が飛散しやすい問題があった。これらは、作業者にとって面倒で苦痛を伴う作業であった。また、特許文献2においても、加工屑の排出時には、濾過装置の容器内に入れられたフィルタを作業者が取り出すように構成されているため、特許文献1と同様な問題がある。
【0005】
本件発明は、加工屑の廃棄処理を効率よくできる濾過器及び濾過装置、並びに濾過システムを提供することを技術課題とする。
く
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
【0007】
(1) 眼鏡レンズ加工装置から
排出される排水に含まれる加工屑と研削水とを分離するために、眼鏡レンズ加工装置からの排水経路の排水口と、研削水を蓄えるタンク又は下水口に繋がる排水経路の導入口と、の間に着脱自在に接続される眼鏡レンズ加工装置の濾過器であって、
加工屑と研削水とを分離するための袋状のフィルタであって、前記排水口に接続されるフィルタと、前記フィルタが内部に配置される筒状の防水部材であって、
内部に配置された前記フィルタに溜められる加工屑の堆積具合を作業者が外部から観察可能な部材で構成され、一方の第1開口部と他方の第2開口部とを有し、前記第1開口部が前記排水口に接続され、前記第2開口部が前記導入口に接続される防水部材と、を備え、前記防水部材の第1開口部が前記袋状のフィルタと共に前記排水口から取り外され、前記防水部材の前記第2開口部が前記導入口から取り外されることによって、前記防水部材は、加工屑が内部に溜った前記フィルタを収納した状態で前記フィルタと一緒に交換可能に構成されていることを特徴とする。
(2) (1)の眼鏡レンズ加工装置の濾過器において、前記第1開口部及び第2開口部を作業者が手によって閉じることが可能なように、少なくとも前記第1開口部及び第2開口部は、作業者が手によって変形可能な柔軟な素材で形成されていることを特徴とする。
(3) (1)又は(2)の眼鏡レンズ加工装置の濾過器において、前記第1開口部を閉塞する第1閉塞手段と、前記第2開口部を閉塞する第2閉塞手段と、を備えることを特徴とする。
(4)
眼鏡レンズ加工装置から排出される排水に含まれる加工屑と研削水とを分離するために、眼鏡レンズ加工装置からの排水経路の排水口と、研削水を蓄えるタンク又は下水口に繋がる排水経路の導入口と、の間に着脱自在に接続される濾過器を有する眼鏡レンズ加工装置の濾過装置であって、
前記濾過器は、加工屑と研削水とを分離するための袋状のフィルタであって、前記排水口に接続されるフィルタと、前記フィルタが内部に配置される筒状の防水部材であって、一方の第1開口部と他方の第2開口部とを有し、前記第1開口部が前記排水口に接続され、前記第2開口部が前記導入口に接続される防水部材と、を備え、前記防水部材の第1開口部が前記袋状のフィルタと共に前記排水口から取り外され、前記防水部材の前記第2開口部が前記導入口から取り外されることによって、前記防水部材は、加工屑が内部に溜った前記フィルタを収納した状態で前記フィルタと一緒に交換可能に構成されており、前記濾過装置は、さらに前記防水部材が載せられる
支持部材を備える支持手段であって、加工屑が内部に溜った前記フィルタ及び前記防水部材の荷重を支える支持手段を備え
、前記支持部材は前記防水部材に比して熱伝導性が高い素材で構成されていることを特徴とする。
(5)
眼鏡レンズ加工装置から排出される排水に含まれる加工屑と研削水とを分離するための濾過器を有する眼鏡レンズ加工装置の濾過システムであって、
眼鏡レンズ加工装置の下に延びる排水経路の下に前記濾過器が配置され、研削水を蓄えるタンクが前記濾過器の下に配置される構成であり、前記濾過器は、加工屑と研削水とを分離するための袋状のフィルタであって、伸縮性を持ち、前記排水口の下に接続されるフィルタと、前記フィルタが内部に配置される筒状の防水部材であって、一方の第1開口部と他方の第2開口部とを有し、前記第1開口部が前記排水口に接続され、前記第2開口部が前記導入口に接続される防水部材と、を備え、前記排水口からの排水は自重によって前記フィルタ内に導入され、前記フィルタで研削屑と分離される研削水は自重によって前記フィルタを通過し、前記フィルタを通過した研削水が落下して前記導入口から前記タンク内に流される構成であり、前記濾過器は、前記防水部材の第1開口部が前記袋状のフィルタと共に前記排水口から取り外され、前記防水部材の前記第2開口部が前記導入口から取り外されることによって、前記防水部材は、加工屑が内部に溜った前記フィルタを収納した状態で前記フィルタと一緒に交換可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本件発明によれば、加工屑の廃棄処理を効率よく行える。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は実施形態に係る、眼鏡レンズ加工装置用の濾過システムの概略構成図である。
【0010】
図1において、濾過システムは、眼鏡レンズ加工装置10と、載置台5と、研削水処理システム30と、を備える。眼鏡レンズ加工装置10は、載置台5に載置されている。眼鏡レンズ加工装置10は、レンズ保持手段の例であるレンズチャック軸11と、眼鏡レンズLEの周縁を加工するための加工具13と、加工具13を回転するモータ15と、加工具13に対してレンズLEを相対的に移動するための移動手段17と、加工室カバー19と、研削水を噴射するノズル21と、を備える。ノズル21は、レンズLEと加工具13との間に向けて研削水を噴射する位置に配置されている。加工室カバー19はレンズLE及び加工具13を囲むように構成されている。加工具13は、例えば、レンズLEの周縁を研削するための粗砥石及び仕上げ砥石等を備える。レンズLEの加工時にはノズル21から研削水が供給される。加工具13によって加工されたレンズLEの加工屑LGは、ノズル21から供給された研削水と共に、加工室カバー19の下に落下する。加工室カバー19の下には、加工屑LGが含まれる排水を流すための排水パイプ23が接続されている。排水パイプ23は、眼鏡レンズ加工装置10からの排水経路を構成する。
【0011】
図1において、研削水処理システム30は、タンクユニット40と、濾過装置100と、を備える。
【0012】
タンクユニット40は、研削水を蓄えるためのタンク41と、タンク41の上部に配置された蓋部材43と、蓋部材43に取り付けられた給水パイプ45と、給水パイプ45の下方に取り付けられたポンプ47と、タンク41の上部に配置された導入パイプの例であるフランジ50と、を備える。フランジ50は、眼鏡レンズ加工装置10からの排水がタンク41へと流れる排水経路を構成する。フランジ50は、
図1の例では、蓋部材43に取り付けられている。タンク41に蓄えられた研削水は、ポンプ47によって吸引され、給水パイプ45及びホース46を介して眼鏡レンズ加工装置10のノズル21に導かれる。
【0013】
濾過装置100は、眼鏡レンズ加工装置10から排出された排水に含まれる研削屑と研削水とを分離するための濾過器110を備える。濾過器110は、眼鏡レンズ加工装置10に接続された排水経路(排水パイプ23)の排水口と、タンク41に排水が導入される導入口(フランジ50)と、の間の経路に着脱自在に接続されている。
【0014】
図2は、濾過装置100及び濾過器110の構成の説明図である。濾過器110は、研削屑と研削水とを分離するための袋状のフィルタ115と、フィルタ115が内部に配置される筒状の防水部材120と、を備える。
【0015】
フィルタ115は、一端に開口を持つ袋状に形成されている。フィルタ115は、柔軟性を持つ素材で、長い形状に形成されている。例えば、フィルタ115は、ストッキングのようなメッシュ構造であり、合成樹脂の繊維から成る。そして、フィルタ115は、細い繊維の編み方によって伸縮性を持つように構成される。フィルタ115の編目は、眼鏡レンズLEが砥石によって加工されたときに発生する糸屑状の加工屑LGを通過させない大きさとされている。
【0016】
防水部材120は、
図3のように、一方の端に第1開口部120aを持ち、他方の端に第2開口部120bを持つ筒状に構成されている。防水部材120は、防水性を有する素材で形成されている。
図1−3の例の防水部材120においては、第1開口部120a及び第2開口部120bを作業者が手によって閉じることを可能なように、少なくとも第1開口部120a及び第2開口部120bは、作業者が手によって変形可能な樹脂等の素材で形成されている。例えば、防水部材120の全体はビニール素材で形成されている。これにより、作業者は、加工屑LGが溜ったフィルタ115を防水部材120の内部に閉じ込めるように、防水部材120の両端を容易に閉じることができる。また、防水部材120は可視光を透過する素材で形成されていると良い。さらに、好ましくは、防水部材120は透明な素材で形成されていると良い。
【0017】
図1、2において、排水パイプ23の下方には、排水口を構成するカフス部25が取り付けられている。カフス部25は、リング状の大径部25aと、大径部25aの下に突き出たリング状の小径部25bと、を有する。カフス部25は、例えば、柔軟性を有する樹脂素材で構成されている。また、載置台5には、排水パイプ23の排水口にフィルタ115及び防水部材120を接続するための接続部材の例であるリング状の支基123が、取付け部材によって取り付けられている。支基123は例えばフランジである。支基123は、取る付け部材によって眼鏡レンズ加工装置10に取り付けられていても良い。支基123の穴123aに防水部材120の第1開口部120aと、フィルタ115の開口側の部分が挿入され、カフス部25の小径部25bが支基123の穴123aに嵌め込まれることにより、防水部材120の第1開口部120a及びフィルタ115が、排水パイプ23の下方の排水口(カフス部25)に接続される。
【0018】
防水部材120の下方端である第2開口部120bは、接続機構の例であるカフス部125によって、タンク41に繋がる排水経路の導入口(フランジ50)に接続される。カフス部125は、リング状の大径部125aと、大径部125aの下に突き出たリング状の小径部125bと、を有する。カフス部125は、例えば、柔軟性を有する樹脂素材で構成されている。カフス部125の穴125cに防水部材120の第2開口部120bが挿入され、カフス部125の小径部125bがフランジ50の穴50aに嵌め込まれることによって、第2開口部120bがフランジ50に接続される。鉛直方向におけるカフス部125とフランジ50との接続位置は、カフス部25と支基123との接続位置より下に設定されている。
【0019】
なお、濾過器110は、防水部材120の第1開口部120aを閉塞するために閉塞機構(閉塞手段)127aと、第2開口部120bを閉塞するための閉塞機構(閉塞手段)127bと、を備える(
図4、5、6参照)。閉塞機構(閉塞手段)127a及び127bの詳細は後述する。
【0020】
濾過装置100は、防水部材120が載せられるプレート130を有する。プレート130は、フィルタ115が内部に溜まった加工屑及び防水部材120の荷重を支える支持機構の例である。プレート130は、例えば、取付け部材によって載置台5に取り付けられている。なお、プレート130は、防水部材120の内部を流れる研削水(排水)の熱を逃がすために、防水部材120に比して熱伝導性が高い金属等の素材で構成されている。例えば、プレート130はアルミ素材で構成されている。
【0021】
なお、プレート130は、カフス部125側が下に位置するように傾斜されて載置台5に取り付けられている。これにより、排水パイプ23から排出された排水は、自重によって防水部材120の内部を通ってフランジ50に流れるようにされる。
【0022】
なお、
図1では、タンクユニット40を使用した循環式の研削水処理システム30の例を示したが、研削水処理システム30は、タンクユニット40が使用されない構成であっても良い。例えば、研削水が水道口の経路からノズル21に直接供給され、排水は下水口の排水経路に直接流される構成であっても良い。濾過器110は、眼鏡レンズ加工装置10の排水経路の排水口と、下水口に繋がる排水経路の導入口と、の間に着脱自債に接続される。そして、第2開口部120bが下水口の導入口に接続される。
【0023】
次に、上記のような構成の濾過装置の使い方を説明する。眼鏡レンズ加工装置10によるレンズLEの加工に先立ち、作業者は、眼鏡レンズ加工装置10からの排水経路の排水口(カフス部25)と、タンク41への排水の導入口(フランジ50)と、の間に濾過器110を、次のようにセットする。
【0024】
まず、作業者は、防水部材120の第1開口部120aを支基123の穴123aの下から挿入し、適当な長さ(例えば、カフス25の小径部25b以上の長さ)を支基123の外側に露出させる。次に、作業者は、フィルタ115を第1開口部120aからフィルタ115の内部に入れ込む。作業者は、フィルタ115についても、防水部材120と同様に適当な長さを上に露出させる。そして、作業者は、防水部材120及びフィルタ115を、支基123とカフス25とによって挟み込むように、カフス25の小径部25bを支基123の穴123aに嵌め込む。これにより、防水部材120の第1開口部120a及びフィルタ115の開口部がカフス25に接続される。
【0025】
次に、作業者は、防水部材120の第2開口部120bをカフス部125の穴125cに挿入し、適当な長さをカフス部125の小径部125bの外側に露出させる。そして、作業者は、防水部材120をカフス部125とフランジ50とによって挟み込むように、カフス部125の小径部125bをフランジ50の穴50aに差し込む。これにより、第2開口部120bがフランジ50に接続される。なお、フィルタ115を収納した防水部材120はプレート130の上に載せられている。以上により、濾過器110のセットが完了する。
【0026】
眼鏡レンズ加工装置10によるレンズLEの加工時には、ポンプ47から研削水が吸引され、ノズル21からレンズLEの加工部分に向けて研削水が噴射される。加工具13によってレンズLEの周縁が加工される。レンズLEの加工に伴って発生した加工屑LGは、ノズル21から供給された研削液と共に、加工装置10から排出される。加工屑LGが含まれた排水は、排水パイプ23を介して濾過器110に導入される。そして、加工屑LGと研削水とがフィルタ115によって分離され、フィルタ115を通過できなかった加工屑LGがフィルタ115内に溜められる。フィルタ115を通過した研削水は、自重によってフランジ50側に流れ、タンク41内に戻される。これにより、研削水はタンク41と加工装置10との間で循環して使用される。
【0027】
加工装置10によってレンズLEが順次加工されることによって、フィルタ115の内部に溜められた加工屑LGの量が増加する。フィルタ115は細長い袋状で構成されているので、加工屑LGはフィルタ115の下部分から徐々に堆積されていき、研削水は主に加工屑が堆積されていないフィルタ部分から流れ出ていく。そして、フィルタ115の内部に溜った加工屑LGの量が増加するにしたがって、防水部材120が膨らむように変形される。これにより、作業者は防水部材120の外部から加工屑LGの堆積具合を確認でき、濾過器110の交換が必要な時期を容易に判断できる。また、防水部材120が可視光を透過可能な素材(好ましくは、透明な部材)で構成されていることにより、作業者は防水部材120を通して内部のフィルタの膨らみ具合を観察することによって、加工屑LGの堆積具合を容易に確認できる。
【0028】
濾過器110の交換が必要な時期が来たら、作業者は次のようにして濾過器110を新たなものと交換を行う。
【0029】
防水部材120は、第1開口部120aと第2開口部120bとの間も、作業者が手で変形可能な柔軟な素材で構成されていても良い。この場合、作業者は、防水部材120の外部からフィルタ115を手で圧迫することにより、フィルタ115の内部に溜った加工屑の水分を絞り出すことができる。これにより、防水部材120の内部に残留する水分を少なくできる。作業者は、フランジ50から第2開口部120b側のカフス部125を外し、カフス部125から第2開口部120bを抜き出す。このとき、作業者は、カフス部125の上部の防水部材120部分を手で握って第2開口部120bを閉じておけば、カフス部125の取り外しの際に、防水部材120の内部から研削水が漏れ、外部に研削水が飛散してしまうことを防止できる。第2開口部120bを取り外した後は、
図4のように、閉じられた第2開口部120bを、閉塞機構(閉塞手段)127bの例である固定部材128によって閉塞させる。固定部材128としては、例えば、結束バンド、輪ゴム、紐等のように、閉じられた第2開口部120bを外部から縛るための部材を使用できる。
【0030】
次に、作業者は第1開口部120aを取り外すために、カフス部25を支基123から取り外し、また、第1開口部120aを支基123から下側に抜き出す。このとき、第1開口部120aを閉じるように手で握って作業を行えば、研削水が第1開口部120aから漏れたり、飛散してしまうことを軽減できる。次に、
図4のように、作業者は閉じられた第1開口部120aを閉塞機構(閉塞手段)127aの例である固定部材128(例えば、結束バンド、輪ゴム、紐等の縛り部材)によって縛ることにより、閉塞させる。これにより、作業者は手を汚さずに、簡単に加工屑LGが内部に溜った濾過器110を取り外することができる。フィルタ115及び防水部材120を廃棄可能な素材で構成しておくことにより、取り外した濾過器110をそのまま廃棄処理できる。
【0031】
なお、閉塞機構(閉塞手段)127a及び127bを構成する固定部材128として、
図5のように、防水部材120を縛り部材として兼用することもできる。すなわち、
図5において、第1開口部120a及び第2開口部120bを長めに確保し、手で閉じた第1開口部120aを紐のように縛る。第2開口部120bも同様に紐のように縛る。これにより、作業者は簡単に第1開口部120a及び第2開口部120bを閉塞することができる。
【0032】
以上のような一連の作業では、フィルタ115と一緒に防水部材120を、加工装置10からの排水経路の排水口(カフス部25)及びフランジ50から取り外すことができる。このため、加工屑の廃棄処理を効率良く行える。また、加工屑の廃棄処理を短時間で行える。また、加工屑LGの飛散、及び研削水を床に垂れることが軽減される。また、作業者は手を汚すことなく、簡単に交換が行える。また、濾過器110の構成部品も少ないので、安価な濾過器110を提供でき、経済的に有利となる。
【0033】
なお、
図1では、防水部材120として、第1開口部120a及び第2開口部120bを、作業者が手で閉じることが可能な素材(ビニール素材等)によって構成した例を示したが、これに限られない。第1開口部120a及び第2開口部120bを手で閉じることができない素材で構成した場合には、第1開口部120aを閉塞するために閉塞機構(閉塞手段)127a、及び第2開口部120bを閉塞するための閉塞機構(閉塞手段)127bの固定部材128の例として、
図6のように、第1開口部120aに栓をするために構成された栓部材160a、160bを使用することができる。第1開口部120aの開口に栓部材160aを嵌め込むことによって第1開口部120aを閉塞でき、第2開口部120bの開口に栓部材160bを嵌め込むことによって第2開口部120bを閉塞できる。これにより加工屑LGが溜ったフィルタ115を、防水部材120の内部に封入することができる。そして、防水部材120は、加工屑が内部に溜ったフィルタ115を収納した状態でフィルタ115と一緒に交換して廃棄できる。
【0034】
なお、
図1の濾過システムでは、研削水を蓄えるタンク41とポンプ47とを備える循環式の例を示したが、水道直結式においても濾過器110を使用できる。例えば、加工装置10のノズル21には、水道水が直接供給されても良い。そして、防水部材120の第2開口部120bは、排水が流される経路の下水口に接続部材を介して接続されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】眼鏡レンズ加工装置用の研削水処理システムの概略構成図である。
【
図4】防水部材の第1開口部120a及び第1開口部120bを閉塞するための閉塞機構の説明図である。
【
図5】防水部材を縛り部材として兼用する例の説明図である。
【符号の説明】
【0036】
10 眼鏡レンズ加工装置
23 排水パイプ
25 カフス部
30 研削水処理システム
41 タンク
50 フランジ
100 濾過装置
115 フィルタ
120 防水部材
120a 第1開口部
120b 第2開口部
127a 閉塞機構
127b 閉塞機構
128 固定部材
130 プレート