特許第6202287号(P6202287)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6202287炎症性腸疾患の治療のための組成物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202287
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】炎症性腸疾患の治療のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 233/54 20060101AFI20170914BHJP
   A61K 31/655 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/235 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/185 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/202 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/20 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20170914BHJP
   C07C 233/55 20060101ALI20170914BHJP
   C07C 251/84 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   C07C233/54CSP
   A61K31/655
   A61K31/235
   A61K31/185
   A61K31/202
   A61K31/20
   A61P1/04
   A61P1/16
   A61P17/06
   A61P19/02
   A61P29/00 101
   A61P29/00
   C07C233/55
   C07C251/84
【請求項の数】14
【全頁数】73
(21)【出願番号】特願2015-513318(P2015-513318)
(86)(22)【出願日】2013年5月15日
(65)【公表番号】特表2015-522549(P2015-522549A)
(43)【公表日】2015年8月6日
(86)【国際出願番号】IB2013053982
(87)【国際公開番号】WO2013175357
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2016年2月23日
(31)【優先権主張番号】2062/CHE/2012
(32)【優先日】2012年5月23日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】514284187
【氏名又は名称】セリックスビオ プライヴェート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】カンデュラ,マヘシュ
【審査官】 高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特表昭62−501703(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0270635(US,A1)
【文献】 国際公開第2006/125293(WO,A1)
【文献】 特表2011−527691(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101182298(CN,A)
【文献】 特表2008−542209(JP,A)
【文献】 特開昭48−026794(JP,A)
【文献】 特開昭59−190995(JP,A)
【文献】 特開昭59−219268(JP,A)
【文献】 ChemMedChem,2008年,Vol.3,p.1956-1964
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 233/54
A61K 31/185
A61K 31/20
A61K 31/202
A61K 31/235
A61K 31/655
A61P 1/04
A61P 1/16
A61P 17/06
A61P 19/02
A61P 29/00
C07C 233/55
C07C 251/84
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式8或いは式11の化合物:
【化1】
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【化2】
[この文献は図面を表示できません]

又は薬学上許容される塩、水和物、多形体、溶媒和物鏡像異性体もしくは立体異性体。
【請求項2】
式7の化合物:
【化3】
[この文献は図面を表示できません]

又は薬学上許容される塩、水和物、多形体、溶媒和物鏡像異性体もしくは立体異性体。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物及び薬学上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項4】
請求項2に記載の化合物及び薬学上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項5】
前記医薬組成物は、必要とする患者に経口投与、遅延放出又は持続放出、経粘膜、シロップ、局所、非経口投与、注射、皮下、経口溶液、直腸投与、口腔投与又は経皮投与により投与する有効量を用いて、根本的な病因を治療するために処方されることを特徴とする請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記医薬組成物は、必要とする患者に経口投与、遅延放出又は持続放出、経粘膜、シロップ、局所、非経口投与、注射、皮下、経口溶液、直腸投与、口腔投与又は経皮投与により投与する有効量を用いて、根本的な病因を治療するために処方されることを特徴とする請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記医薬組成物は、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、軽度から中等度のクローン病、関節リウマチ、炎症性関節炎、乾癬性関節炎、肝硬変及び特発性蕁麻疹などの胃腸疾患及び炎症の治療のために調製されることを特徴とする請求項5に記載の医薬組成物
【請求項8】
前記医薬組成物は、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、軽度から中等度のクローン病、関節リウマチ、炎症性関節炎、乾癬性関節炎、肝硬変及び特発性蕁麻疹などの胃腸疾患及び炎症の治療のために調製されることを特徴とする請求項6に記載の医薬組成物
【請求項9】
メサラジン、カプリル酸及びエイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸からなる群から選択されるカルボン酸化合物の分子複合体をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記カルボン酸化合物がエイコサペンタエン酸である、請求項9に記載の分子複合体医薬組成物
【請求項11】
前記カルボン酸化合物が、ドコサヘキサエン酸である、請求項9に記載の分子複合体医薬組成物
【請求項12】
サルファサラジン、カプリル酸及びエイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸からなる群から選択されるカルボン酸化合物の分子複合体をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記カルボン酸化合物がエイコサペンタエン酸である、請求項12に記載の分子複合体医薬組成物
【請求項14】
前記カルボン酸化合物が、ドコサヘキサエン酸である、請求項12に記載の分子複合体医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、平成25年5月15日に出願された国際出願番号PCT/IB2013/053982(発明の名称「炎症性腸疾患の治療のための組成物及び方法」、国際公開番号WO/2013/175357)の国内移行出願である。本国際出願はさらに、平成24年5月23日に出願されたインド国特許出願番号2062/CHE/2012の優先権を主張する。優先権出願の全開示は、あらゆる目的のために依拠され、参照により本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般に炎症性腸疾患の治療のための化合物及び組成物に関する。より詳細には、本発明は薬学上許容される量の化合物、立体異性体、鏡像異性体、結晶、エステル、塩、水和物、プロドラッグ、又はそれらの混合物で対象を治療することに関する。
【0003】
炎症性腸疾患(IBD)はいくつかの慢性の炎症状態、特に潰瘍性大腸炎(UC)及びクローン病(CD)を包含する。これらの2つの状態は多くの共通な特徴(下痢、血便、減量、腹痛、熱及び疲労)を持つ一方、各々が固有の特徴を持つ。クローン病の完全な議論は将来の記事で取り組まれる。潰瘍性大腸炎及び関連する危険要因、病因、栄養不足、従来の治療アプローチ、自然療法アプローチ、及び腸外での疾患の顕在化。
【0004】
潰瘍性大腸炎は結腸と直腸に影響し、典型的には最も内側のライニング又は粘膜を含み、正常組織の区切りなく、炎症と潰瘍形成の連続的な範囲に顕在化する。アメリカのクローン・大腸炎財団は、UCのいくつかの種類を定義している。結腸と直腸の最も遠位の部分だけに関する疾病は、潰瘍性直腸炎と名付けられる;結腸から下部の疾病を限定又は遠位大腸炎と呼ぶ;また、全結腸に関する疾病は全大腸炎と呼ばれる。UCは、症状の段階的な発現と共に進行することもあれば、最初の攻撃が急性で、激しいこともある。
【0005】
より軽度な症状は進行性の大便の緩み、腹部痙攣及び下痢を含む。軽度から重度への病勢進展として、患者は減量、疲労、栄養不足をもたらしうる食欲不振、大便中の粘液、激しい直腸出血、熱及び貧血を経験し得る。1−200万人のアメリカ人がIBDに苦しんでいると推測される;このうちおよそ半数は潰瘍性大腸炎を患っている。UCは生涯の中でいつでも起こり得るが、通常30歳より前に診断される。この病気は、男性と女性に等しく影響するように見える。UCを患っている人々のおよそ20%には、IBDを持った近親者がいる。白人はより高いUCの発生率を持ち、ヨーロッパ系のユダヤ人では3−6倍高い発生率を持っている。UCの発生率が低い地方はアジア、日本、アフリカ及び南アメリカを含んでいる。
【0006】
異なるサイトカイニン及び他の炎症性の伝達物質のプロファイルがUCとCDのために識別されてきた。広範囲の上皮損害、豊富な好中球、及び腺窩膿瘍を伴う粘膜層を含むUCの古典的障害は、上皮損害について説明するために、免疫メカニズムの捜索に結びついてきた。増加した酸化ストレスのサインは、潰瘍性大腸炎の患者の腸粘膜の中に証拠としてあり、炎症の二次的なものかもしれない。1つの研究では、UCとCDを患う患者を比較して、酸化ストレスのサイン及びコントロール下のプラズマの酸化防止剤レベルを検査した。酸化DNA損害は、8−ヒドロキシ−デオキシグアノシン(8−OHdG)の生産により測定されて、コントロール下のものと比較して両方のIBDグループの中で示された。UC患者は、ビタミンAとE及びいくつかのカロテノイドの血漿中濃度がコントロールと比較すると著しく低いことが分かった;UCとCDのグループ間の違いなかった。
【0007】
UC患者の粘膜の生検は分析され、コントロールと比べ、活性酸素中間体、DNA酸化生成物(8−OHdG)、炎症を起こした組織中の鉄分が増加することが示された。銅と亜鉛のレベル減少、内部成長的な酸化防止剤スーパーオキシド・ジスムターゼ用共同因子も観察された。
【0008】
急性病理学に対応することは、しばしばその病気の根本的な病理学及び徴候に対処することに依存する。炎症性腸疾患の発現及びその関連合併症の進行の治療又は遅延のための新規組成物が当技術分野において現在必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、化合物、それらの化合物を含む組成物及び炎症性腸疾患などの状態の影響を治療、予防及び/又は改善するためにそれらを使用するための方法を提供する。
【0010】
本発明は、本明細書中、式I又は薬学上許容されるその塩を含む組成物を提供する。本発明はまた、式I又はその中間体の1つ以上の化合物及び1つ以上の薬学上受容可能な担体、溶媒又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。これらの組成物は、炎症性腸疾患及びその関連合併症の抑制に使用でき得る。
【化1】
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式I
【0011】
特定の態様において、本発明は、式Iの化合物及び組成物又は薬学上許容される塩に関する。
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
式I
【0012】
ここで、R、Rは各々独立にCHCO−、アセチル、D、H、CDCO−を表し、
【化3】
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【化4】
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【化5】
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【化6】
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【化7】
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【化8】
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【化9】
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【化10】
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【化11】
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【化12】
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【化13】
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【化14】
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【化15】
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【化16】
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【化17】
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【化18】
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【化19】
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【化20】
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【化22】
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【化23】
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【化24】
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【化25】
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【化26】
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及びRは各々独立してH、Dを表し、
【化27】
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【化28】
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【化29】
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【化30】
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【化31】
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【化32】
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【化33】
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【化34】
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【化35】
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【化41】
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【化42】
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【化43】
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【化44】
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【化45】
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【化49】
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【化50】
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【化51】
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【化52】
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【化61】
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【化62】
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【化63】
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【化65】
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【化66】
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【化67】
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【化68】
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【化69】
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【化70】
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【化71】
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【化72】
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aは独立して2、3又は7;
各bは独立して3、5又は6;
eは独立して1、2又は6;
c及びdはそれぞれ独立してH、D、−OH、−OD、C−Cアルキル、−NH又はCOCHである。
【0013】
本発明は、本明細書中、式II又は薬学上許容されるその塩を含む組成物を提供する。本発明はまた、式II又はその中間体の1つ以上の化合物及び1つ以上の薬学上受容可能な担体、溶媒又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。これらの組成物は、炭酸脱水酵素活性及びその関連合併症の抑制に使用でき得る。
【化73】
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式II
【0014】
特定の態様において、本発明は、式Iの化合物及び組成物又は薬学上許容される塩に関する。
【化74】
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式II
【0015】
ここで、R、Rは各々独立してH、Dを表し、
【化75】
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【化76】
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【化77】
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【化78】
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【化79】
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【化80】
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【化81】
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【化82】
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【化83】
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【化84】
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【化85】
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【化86】
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【化88】
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【化89】
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【化90】
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【化91】
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【化95】
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【化96】
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【化97】
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及びRは各々独立してD、CHCO、CDCOを表し、
【化98】
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【化99】
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【化100】
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【化101】
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【化102】
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【化103】
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【化104】
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【化128】
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【化129】
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【化130】
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【化131】
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【化133】
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【化134】
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【化135】
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【化136】
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【化137】
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【化138】
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【化139】
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【化140】
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【化141】
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【化142】
[この文献は図面を表示できません]
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
aは独立して2、3又は7;
各bは独立して3、5又は6;
eは独立して1、2又は6;
c及びdはそれぞれ独立してH、D、−OH、−OD、C−Cアルキル、−NH又はCOCHである。
【0016】
例示的な実施形態では、式Iの化合物の例は以下に示されるものである。:
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
(1−1)
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
(1−2)
【0017】
例示的な実施形態では、式IIの化合物の例は以下に示されるものである。:
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
(2−1)
【0018】
本願はまた、本明細書で開示の医薬組成物のいずれかで構成されるキットを提供する。キットは、炎症性腸疾患やその関連合併症の治療で使用するための指示を含むことができる。
【0019】
本願はまた、薬学上許容される担体及び本明細書の組成物のいずれかを含む医薬組成物を開示している。いくつかの態様では、医薬組成物は、全身投与、経口投与、徐放性、経口投与、注射、皮下投与、又は経皮投与のために処方される。
【0020】
ここで、本願はさらに、本明細書に記載の医薬組成物を含むキットを提供する。キットはさらに炎症性腸疾患又はその関連合併症の治療における使用のための指示書を含んでもよい。
【0021】
本明細書中に記載の組成物はいくつかの用途を有する。本願は、例えば、炎症性腸疾患あるいは炎症、代謝状態又は障害、メタボリックシンドローム、慢性病あるいは障害から顕在化するその関連合併症;高インスリン血症、インスリン抵抗性、耐糖能異常、肝臓学、癌、呼吸、血液、整形外科、心血管、腎臓部、皮膚、神経性又は眼の合併症に苦しむ患者を治療するための方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
例示的な実施形態が、図面とともに非限定的に例示のために示される。図中、同様の参照番号は同様の要素を指す。
図1】式Iのための1H−NMR結果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
定義
本明細書で使用する場合、以下の用語及び語句は以下に示す意味を有するものとする。別段の定義がない限り、本明細書で用いるすべての技術用語及び科学用語は、当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0024】
本発明の化合物は、薬学上許容される塩の形態で存在することができる。本発明の化合物はまた、薬学上許容可能なエステルの形態(すなわち、プロドラッグとして使用される式I及び式IIの酸のメチル及びエチルエステル)中に存在することができる。本発明の化合物はまた、可溶性、例えば水溶性、であり得る。可溶性は、製造プロセスの過程で影響を受けることができ、又は、例えば初期において無水化合物であった式I及び式II(水和)の吸湿性の結果として、起こり得る。
【0025】
同じ分子式を有していながらも、性質や原子の結合の過程、空間配置が異なる化合物を「異性体」と呼ぶ。原子の空間配置が異なる異性体を「立体異性体」と呼ぶ。ジアステレオマーは1つ以上の鏡像異性体ではないキラル中心において逆の構成をもつ立体異性体である。1つ以上の互いに重複不可能な鏡像である不斉中心をもつ立体異性体を「光学異性体」と呼ぶ。例えば、化合物が1つの不斉中心をもつとき、もし炭素原子が4つの異なる基と結合したとすると、1組の光学異性体ができる。光学異性体は、その不斉中心(複数の場合もある)の絶対的な構成により特徴づけられ、またCahn、Ingold、及びPrelogのR−及びS−配列規則により、あるいは分子が偏光面を回転させ、右旋性又は左旋性を選定する方法((+)又は(−)−異性体のそれぞれ)により記述される。キラル化合物は、単体の光学異性体として、又はその混合物として存在することができる。均等な割合の光学異性体を含有する混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0026】
ここで使用される代謝の先天性異常を指す用語「代謝状態」(又は遺伝的代謝状態)は1つ以上の代謝経路の欠陥に起因する遺伝性疾患であり;具体的には、酵素の機能が影響を受け、欠損しているか、又は完全に機能性を欠いている。
【0027】
ここで使用される用語「多形」は当該分野で認識されており、所定の化合物の一つの結晶構造を指す。
【0028】
ここで用いられるフレーズ「非経口的管理」と「非経口的に投与される」は腸内及び注射のような局所投与以外の投与様式を指しており、非限定的に、静脈内、筋肉内、胸腔内、血管内、心膜内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内及び胸骨内の注射及び注入を含む。
【0029】
本発明の方法により治療される「患者」、「被験体」又は「宿主」はヒト又は非ヒト動物のいずれかを意味し、例えば霊長類、哺乳動物、脊椎動物などである。
【0030】
語句「薬学上許容される」は当該分野で認識されているものである。特定の実施形態において、この用語は、適切な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題又は合併症などがなく、哺乳動物、ヒト及び動物の組織と接触する使用に適し、又は妥当な利益/リスク比に見合う組成物、ポリマー及び他の材料及び/又は投薬形態を含む。
【0031】
語句「薬学上許容される担体」は、当該技術分野で認識されたものであり、例えば、身体の一つの器官又は部分から、身体の別の器官又は部分へと、任意の対象物を運搬及び輸送することに関与する液体又は固体充填剤、希釈剤、溶媒又はカプセル化材料として、薬学上許容される物質、組成物又は媒体を含む。各担体は、患者に無害で、他の主題組成物の成分と適合するという意味で「許容可能」でなければならない。特定の実施形態では、薬学上許容される担体は非発熱性である。薬学上許容される担体として提供され得る物質のいくつかの例は、:(1)例えばラクトース、グルコース及びスクロースなどの糖類;(2)トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体;(4)トラガント粉末;(5)モルト;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオバター及び坐剤ワックス;(9)落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油などの油;(10)プロピレングリコールなどのグリコール類;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのような緩衝剤;(15)アルギン酸;(16) 発熱物質を含まない水;(17)等張生理食塩水;(18)リンゲル溶液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;と(21)その他の非毒性の親和性の物質は、医薬製剤に用いられる。
【0032】
用語「プロドラッグ」は、生理的条件下で、本発明の治療的に活性な薬剤に変換される化合物を包含することを意図している。プロドラッグを製造するための一般的な方法は、所望の分子を明らかにするために、生理的条件下で加水分解され、選択した部分を含むことである。他の実施形態において、プロドラッグは宿主動物の酵素活性によって変換される。
【0033】
用語「予防的又は治療的」処置は、当該技術分野で認識されており、対象組成物のうちの1つ又は複数の宿主への投与が含まれる。望ましくない状態の臨床症状(例えば、宿主動物の疾患又は他の望ましくない状態)以前に処置されるならば、処置は予防的であり、望ましくない状態に発展することから宿主を保護することである。一方、望ましくない状態の臨床状態以後に投与される場合、処置は治療的である。すなわち、それは、既存の望ましくない状態又は副作用を減少、改善、又は安定させることを意図する。
【0034】
本明細書で使用される「予測する」という用語は、将来の定義された時間ウィンドウ(予測ウィンドウ)内で異常や合併症及び/又は末端血小板凝集又は障害及び/又は死(すなわち、死亡率)に罹るであろう患者の疾患に関連する確率を評価することをいう。死亡率は、中枢神経系又は合併症によって引き起こされ得る。予測窓は、被験体が予測された確率に従って前記合併症の一つ又は複数を進行させている区間である。予測窓は、本発明の方法による分析時の被験体の全体の余寿命とすることができる。
【0035】
「治療する」という用語は、当該技術分野で認識されており、疾患、障害及び/又は症状の素因を持ちうるが、まだそれを有すると診断されていない動物で発生する疾患、障害又は状態の予防;疾患、障害又は状態を阻害する、すなわちその進行を妨げる、及び疾患、障害、又は状態を軽減する、すなわち疾患、障害及び/又は状態の退行を引き起こすことを含む。疾患又は状態を治療することには、対象の粘膜炎又は粘膜障害のような、あるいは消化管ライニング及び口腔内の痛みを伴う炎症及び潰瘍形成のような状態を、たとえ投与する薬剤が状態の原因に対処しなくとも、薬剤を投与することによる治療をするように、基礎となる病態生理が影響を受けていない場合でも、特定の疾患又は状態の少なくとも1つの症状を寛解させることを含む。本明細書で使用される用語「治療すること」、「治療する」又は「治療」とは、治癒、予防(例えば、予防)、予防の補助や緩和治療が含まれる。
【0036】
語句「治療有効量」は当該分野で認識される用語である。特定の実施形態において、この用語は、任意の医学的治療に適用可能な妥当な利益/リスク比でいくらかの所望の効果を生じる本明細書に開示される塩又は組成物の量を指す。特定の実施形態において、この用語は、一定期間医学的症状を排除又は軽減するのに必要又は十分な量を意味する。有効量は、処置される疾患又は状態、投与される特定の標的化構築物、対象の大きさ、又は疾患もしくは状態の重症度などの要因に応じて変化し得る。当業者は、過度の実験を必要とすることなく、特定の組成物の有効量を経験的に決定することができる。
【0037】
特定の実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物は、予防的又は治療的処置の一部として、治療有効量で当該医薬組成物が患者に送達されるように処方される。被験体へと投与される組成物の所望の量は、対象組成物からの塩及び組成物の送達速度並びに薬剤の吸収、不活化及び排泄率に依存する。投薬量の値はまた、状態の重症度を軽減するために変化し得ることに留意すべきである。さらに、任意の特定の対象について、特定の投薬レジメンは、個体の要求及び投与する又は組成物の投与を監督する人の専門的判断に従って経時的に調整すべきであることを理解されたい。典型的には、投薬は当業者に公知の技術を用いて決定される。
【0038】
また、最適な濃度及び/又は量、又は任意の特定の塩又は組成物の量は、治療パラメータの変動に適応するように調整することができる。このような治療パラメータは、例えば、治療部位、患者のタイプ、ヒト又は非ヒト、大人又は子供、及び疾患又は状態の性質、等の製剤が配置される臨床的使用状況を含む。
【0039】
特定の実施態様において、本明細書において提供される本発明の組成物の用量は、治療組成物又は他のカプセル化物質の血漿中濃度を参照することによって決定することができる。例えば、最大血漿濃度(Cmax)及び時間0から無限までの血漿濃度−時間曲線下面積を用いてもよい。
【0040】
医薬組成物又は他の物質に関して使用される場合、用語「徐放」は当該分野で認識されている。例えば、物質の全量が一度に生物学的に利用可能にされるボーラス型投与とは対照的に、時間をかけて物質を放出する対象組成物は持続放出特性を示し得る。例えば、特定の実施形態では、身体の血液、髄液、粘液分泌物、リンパ液などを含む体液との接触の際、持続又は延長した期間にわたって(ボーラスからの放出と比較して)、一つ又は複数の許容される賦形剤が、その中で組み合わせた任意の材料、例えば、治療的及び/又は生物学的に活性な塩及び/又は組成物の同時放出を伴う、緩やかな又は遅延分解(加水分解など)を受ける。この放出は、本明細書に開示される治療薬のいずれかの治療的有効量の持続的送達をもたらし得る。
【0041】
語句「全身投与」、「全身に投与」、「末梢投与」、「末梢に投与」は当技術分野で認識されており、疾患が治療される場所から離れた場所での対象組成物、治療薬又は他の物質の投与を含む。疾患のための薬剤の投与は、例えば、皮下投与によるような、患者の組織内に入り代謝などの過程に従うような中枢神経系に直接投与するものでなければ、薬剤が次第に全身的に分布していくような場合でも、「局所(local)」又は「局所(topical)」又は「局所(region)」投与と呼ばれることがある。
【0042】
語句「治療有効量」は当該分野で認識される用語である。特定の実施形態において、この用語は、任意の医学的治療に適用可能な妥当な利益/リスク比でいくらかの所望の効果を生じる本明細書に開示される塩又は組成物の量を指す。特定の実施形態において、この用語は、排除又は一定期間医学的症状を軽減することに必要又は十分な量を意味する。有効量は、疾患又は状態は、処置される特定の標的化構築物は、対象の大きさ、又は疾患もしくは状態の重症度を投与さなどの要因に応じて変化し得る。当業者は、経験的に、過度の実験を必要とすることなく、特定の組成物の有効量を決定することができる。
【0043】
本開示はまた、本明細書に開示される組成物のプロドラッグ、ならびに薬学上許容される当該プロドラッグの塩を考慮する。
【0044】
本出願はまた、全身、局所又は経口投与用に処方することができる薬学上許容される担体及び式I及び式IIの化合物の組成物を含む医薬組成物を開示する。医薬組成物は経口投与、経口液剤、注射剤、皮下投与、又は経皮投与用に処方することができる。医薬組成物は、薬学上許容される安定剤、希釈剤、界面活性剤、充填剤、結合剤、及び潤滑剤のうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0045】
多くの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、患者に式Iもしくは予防的又は治療的処置の一部としての組成物の化合物の治療有効量を送達するのに十分な量で送達されるように開示された化合物及び組成物(式I)を組み込む。式I又はその薬学上許容される塩の所望の濃度は、吸収、不活化及び排泄率、薬物ならびに本発明の組成物からの塩及び組成物の送達速度に依存するであろう。投薬量の値はまた、状態の重症度を軽減するために変化し得ることに留意すべきである。さらに、任意の特定の対象について、特定の投薬レジメンは、個体の必要性及び投与する又は組成物の投与を監督する人の専門的判断に従って経時的に調整すべきであることを理解されたい。典型的には、投薬は当業者に公知の技術を用いて決定される。
【0046】
また、最適な濃度及び/又は量又は式I及び式IIのいずれかの特定の化合物の量は、治療パラメータの変動に適応するように調整することができる。このような治療パラメータは、例えば、製剤が配置された、臨床的使用は、治療部位は、患者のタイプ、例えば、ヒト又は非ヒト、大人又は子供、及び疾患又は状態の性質が含まれる。
【0047】
式I及び式IIの任意の化合物の濃度及び/又は量は、適切な検査を用いて該当する材料の濃度及び/又は量の範囲をスクリーニングすることによる、ラット等の動物におけるルーチンスクリーニングにより容易に識別することが出来る。公知の方法はまた、本明細書に開示される治療用製剤の投与の前後に、局所組織濃度、塩又は組成物の拡散速度、及び局所血流を検定するために利用可能である。T.E.ロビンソンら、1991、神経科学の微小透析、技術、7号、第1章で参照されるように、そのような方法の1つはマイクロダイアリシスである。ロビンソンによって検討された方法は次のように簡単に適用することができる。微小透析ループは、試験動物内の本来の場所に置かれる。透透析液は、ループを通して圧送される。例えば、本明細書に開示されるもののような式Iの化合物は、ループに隣接して注入されると、放出された薬物は、当該箇所の局所組織濃度に比例して透析液中に回収される。塩又は組成物の拡散の進行は、塩又は組成物の既知の濃度を用いて、適切な較正手順により決定することができる。
【0048】
特定の実施形態において、本明細書において提供される式I及び式IIの本発明の化合物の用量は、治療組成物又は他のカプセル化物質の血漿中濃度を参照することによって決定することができる。例えば、最大血漿濃度(Cmaxに)及び時間0から無限までの血漿濃度−時間曲線下面積を用いてもよい。
【0049】
一般に、本出願で詳述した方法を実施する際に、式I及び式IIの化合物の有効投与量は、約0.01mg/kg/日から100mg/kg/日の範囲であり、例えば、単回投与又は分割投与で約0.01mg/kg/日から50mg/kg/日の範囲である。式Iの化合物は、単回投与において、例えば、0.2/kg/日、0.5mg/kg/日、1.0mg/kg/日、5mg/kg/日、10mg/kg/日、20 mg/kg/日、30mg/kg/日、又は40mg/kg/日未満で投与され得る。式Iの化合物はまた、0.1から1000mgの間、5mgから80mgの間、又は、一日あたり1.0、9.0、12.0、20.0、50.0、75.0、100、300、400、500、800、1000、2000、5000mg未満でヒト患者に投与され得る。特定の実施形態において、本明細書の組成物は、同じ治療上の利益のために必要な式Iの化合物の95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、又は10%未満である量で投与される。
【0050】
本明細書に記載の式I及び式IIの化合物の有効量は、疾患を阻害又は予防することができる該塩又は組成物の一つの量を意味する。
【0051】
有効量は、神経損傷、又は脱髄及び/又は反応性酸化―ニトロソ化種の上昇、及び/又は生理学上のホメオスタシスの異常の結果生じる合併症の重症度を、そのような合併症のリスクがある患者において、禁止、治療、緩和、改善、停止、抑制、遅延、又は逆向、あるいは軽減するのに十分な量であり得る。このようにこれらの方法は、必要に応じて、医学的治療(急性)、及び/又は予防(防止)投与の両方が含まれる。投与される組成物の量及びタイミングは、もちろん、治療される対象、苦痛の重症度、投与様式、及び処方する医師の判断に依存する。したがって、患者間の変動性により、上記の投与量は指針であり、医師が患者のために適切と考える治療を達成するために薬剤の投与量を滴定し得る。治療の所望の程度を考慮して、医師は、患者の年齢、既存の疾患の存在、ならびに他の疾患の存在などの様々な要因のバランスをとらなければならない。
【0052】
本願によって提供される組成物は、経口、局所、非経口、例えば、静脈内、皮下又は髄内投与を含む、従来の種々の経路によって処置を必要とする対象に投与することができる。さらに、組成物は、薬物が水の使用を必要とせずに口の中で溶解させる、すなわち、直腸坐剤、又は「フラッシュ」製剤を使用するように、鼻腔内に投与してもよい。さらに、組成物は、制御放出剤形、部位特異的薬物送達、経皮薬物送達パッチ(アクティブ/パッシブ)媒介薬物送達、定位注射によって、又はナノ粒子による治療を必要とする対象に投与することができる。
【0053】
組成物は、単一用量又は複数用量のいずれかで、単独で、又は薬学上許容される担体、媒体又は希釈剤と組み合わせて投与することができる。適切な医薬担体、媒体及び希釈剤は、不活性な固体希釈剤又は充填剤、滅菌水溶液及び種々の有機溶媒が挙げられる。所望であれば、これらの医薬組成物は、例えば、香料、結合剤、賦形剤などの追加成分を含むことができる。従って、経口投与のために、例えば、L−アルギニン、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムのような種々の賦形剤を含む錠剤は、デンプン、アルギン酸、及びある種の複合ケイ酸塩などの様々な崩壊剤と、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン及びアカシアのような結合剤と共に使用することが出来る。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクのような滑沢剤が錠剤化の目的にしばしば有用である。同様のタイプの固体組成物はまた、軟及び硬充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として用いることもできる。このための適切な材料には、ラクトース又は乳糖及び高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。水性懸濁液又はエリキシルが経口投与に望ましい場合、その中の必須の活性成分は、種々の甘味剤又は香味剤、着色物質又は色素、必要に応じて、乳化剤又は懸濁化剤を、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン及びそれらの組み合わせなどの希釈剤と共に組み合わせてもよい。医薬分野でよく知られているように、式Iの化合物はまた種々の賦形剤の腸溶性コーティングを含んでもよい。
【0054】
非経口投与の場合、組成物の溶液の調製は、(例えば)ゴマ油中もしくはピーナッツ油中、水性プロピレングリコール中、又は滅菌水溶液中で行うことができる。このような水溶液は必要な場合に適当に緩衝されるべきであり、液体希釈剤は最初に十分な生理食塩水又はグルコースで等張にされる。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下及び腹腔内投与に特に適している。これに関連して、使用される無菌水性媒体は全て当業者に公知の標準技術によって容易に入手可能である。
【0055】
製剤(例えばタブレット)は、例えば、10〜100、50〜250、150〜500mg、あるいは350〜800mg、例えば、10、50、100、300、500、700、800mgの本明細書で開示の式I及び式IIの化合物、例えば式I及び式IIの化合物、又は式I及び式IIの化合物の薬学上許容される塩を含み得る。
【0056】
一般に、本明細書に記載される組成物は経口的に投与してもよいし、非経口的(例えば、静脈内、筋肉内、皮下又は髄内)に投与してもよい。局所(topical)投与は、患者が経口投与を妨げる胃腸障害を患っている場合、又は薬剤が細胞や臓器の表面に塗布されるのが最適であると主治医により決定される場合を指すこともある。例えば、局所(local)投与は、高用量が標的組織又は器官に所望される場合を示しうる。口腔投与のための活性組成物は、従来の様式で処方された錠剤又はトローチの形態を取ることができる。
【0057】
投与量は、炎症及び脂質障害の特性、年齢、健康及び体重を含めた患者の種類、同時治療の種類、もしあれば、処置と治療の比の頻度に依存する。
【0058】
例示的には、投与される活性成分の用量レベルは次のとおりである(宿主体重に対して)。 筋肉内、0.1 から約200mg/kg;静脈内、1から約500mg/kg;経口的、5から約1000mg/kg;鼻腔内点滴注入、5から約1000mg/kg;エアロゾル、5から約1000mg/kg。
【0059】
濃度の点から表現すると、真皮、鼻腔内、咽喉頭内、気管支、膣、直腸、又は眼に対する局所的使用のために、組成物の約0.01から約50重量%の濃度で、;好ましくは、組成物の約1から約20重量%、;非経口用途には組成物の約0.05から約50重量%の濃度で、;好ましくは、約5から約20重量%の濃度で存在できる。
【0060】
本発明の組成物は、好ましくは、適切な量の活性成分を含有し、例えば錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、坐剤、滅菌非経口溶液又は懸濁液、懸濁液の無菌非経口溶液、及び経口のような単位容量形態でヒト及び動物への投与のために存在する。経口投与のために、固体又は液体の単位容量形態を調製することができる。
【0061】
上述のように、錠剤の核は一つ又は複数の親水性ポリマーを含む。適切な親水性ポリマーとしては、限定はしないが、水膨潤性セルロース誘導体、ポリアルキレングリコール、熱可塑性ポリアルキレンオキシド、アクリルポリマー、親水コロイド、粘土、ゲル化デンプン、膨潤型架橋ポリマー、及びそれらの混合物が含まれる。適当な水膨潤性セルロース誘導体の例としては、限定はしないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシイソプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシフェニルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシペンチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース、及びヒドロキシプロピルエチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。適切なポリアルキレングリコールの例としては、ポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。適当な熱可塑性ポリアルキレンオキシドの例としては、ポリ(エチレンオキシド)が挙げられるが、これらに限定されない。適切なアクリルポリマーの例としては、ノベオン・ケミカルズから市販されているCARBOPOLTM、メタクリレートジビニルベンゼンカリウム共重合体、ポリメチルメタクリレート、高分子量の架橋アクリル酸単一重合体及び共重合体が挙げられるが、これらに限定されない。適切な親水コロイドの例としては、アルギン酸塩、寒天、グアーガム、ローカストビーンガム、カッパカラギーナン、イオタカラギーナン、タラ、アラビアゴム、トラガカント、ペクチン、キサンタンガム、ジェランガム、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、プッスツラン、ラミナリン、スクレログルカン、アラビアゴム、イヌリン、ペクチン、ゼラチン、ウィーラン、ラムサン、ズーグラン、メチラン、キチン、シクロデキストリン、キトサン、及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。適切な粘土の例としては、限定されないが、例えば、ベントナイト、カオリン、及びラポナイトなどのスメクタイト;三ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム;及びそれらの混合物が挙げられる。適当なゲル化デンプンの例としては、例えば、酸加水分解デンプン、ナトリウムデンプングリコレート及びその誘導体などの膨潤性デンプン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な膨潤性架橋ポリマーの例としては、これらに架橋ポリビニルピロリドン、架橋寒天と架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
担体は、錠剤の製剤のために一つ以上の適切な賦形剤を含むことができる。好適な賦形剤の例としては、充填剤、吸着剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、放出調節剤、超崩壊剤、酸化防止剤、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0063】
適切な結合剤としては、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの乾燥結合剤;アカシア、アルギン酸塩、寒天、グアーガム、ローカストビーン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、タラ、アラビアゴム、トラガカント、ペクチン、キサンタン、ジェラン、ゼラチン、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、 プッスツラン、ミナリン、スクレログルカン、イヌリン、ウィーラン、ラムサン、ズーグラン、メチラン、キチン、シクロデキストリン、キトサン、ポリビニルピロリドン、セルロース、ショ糖、及びデンプンなどの親水コロイドを含む水溶性ポリマーなどの湿式結合剤;及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。適切な崩壊剤としては、制限されないが、ナトリウム糊グリコレート、交差結合ポリビニルピロリドン、交差結合カルボキシメチルセルロース、デンプン、微結晶性セルロース、及びそれらの混合物が含まれる。
【0064】
適切な潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸、タルク、グリセリドワックス及びそれらの混合物などの、長鎖脂肪酸とそれらの塩が含まれるが、これらに限定されるものではない。適切な流動促進剤としては、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられるが、これらに限定されない。適切な放出調節賦形剤としては、不溶性食用物質、pH依存性ポリマー、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
放出調節賦形剤として使用するのに適した不溶性食用物質としては、水不溶性ポリマーと低融点疎水性材料、それらのコポリマー、及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されるものではない。適当な水不溶性ポリマーの例としては、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリカプロラクトン、酢酸セルロース及びその誘導体、アクリレート、メタクリレート、アクリル酸共重合体、それらのコポリマー、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適当な低融点疎水性材料としては、その脂肪、脂肪酸エステル、リン脂質、ワックス、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な脂肪の例としては、これらに限定されないが、例えばココアバター、水素化パーム核油、水素化綿実油、水素化ヒマワリ油、水素添加大豆油、遊離脂肪酸及びそれらの塩、及びそれらの混合物のような水素化植物油。好適な脂肪酸エステルの例としては、限定されないが、ショ糖脂肪酸エステル、モノ−、ジ−、及びトリグリセリド、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、グリセリtrilaurylate、グリセリルミリステート、グリコ−932、ラウロイルマクロゴール−32グリセリド、ステアロイルマクロゴール−32グリセリド、及びこれらの混合物が挙げられる。適切なリン脂質の例としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセレン、ホスファチジルenositol、phosphotidic酸、及びこれらの混合物が挙げられる。好適なワックスの例としては、カルナバワックス、鯨ロウ、ミツロウ、キャンデリラワックス、セラックワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスが挙げられるが、これらに限定されない。;チョコレートのような脂肪含有混合物及びそれらの混合物。超崩壊剤の例としては、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム及びクロスポビドン(クロスポビドン)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、錠剤コアは、超崩壊剤の約5重量%まで含んでいる。
【0066】
酸化防止剤の例としては、トコフェロール、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、エデト酸、及びエデト酸塩、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。防腐剤の例としては、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、安息香酸、ソルビン酸、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
一実施形態では、即時放出コーティングは、少なくとも50ミクロンの平均厚さ、例えば、約50ミクロンから約2500ミクロン;約250ミクロンから約1000ミクロンを有する。実施形態において、即時放出コーティングは、典型的には、特定の層の重量と体積により測定して、約0.9g/cc以上の密度に圧縮される。
【0068】
一実施形態では、即時放出コーティングは、第1の部分及び第2部分を含み、それらの少なくとも一方は、第2の薬学上活性な薬剤を含有する。一実施形態では、各部分は錠剤の中心軸で互いに接触する。一実施形態では、第1の部分は第1の薬学上活性な薬剤を含み、第2の部分は第2の薬学上活性な薬剤を含む。
【0069】
一実施形態では、第1の部分は第1の薬学上活性な薬剤を含み、第2の部分は第2の薬学上活性な薬剤を含有する。一実施形態では、部分の一方は第3の薬学上活性な薬剤を含有する。一実施形態では、部分の一方は、錠剤の核中に含まれるものと同じ薬学上活性な薬剤の第2の即時放出部分を含む。
【0070】
一実施形態では、外側コーティング部分は、コーティングされた錠剤核への添加前に材料の乾燥ブレンドとして調製される。別の実施形態において、外側コーティング部分は、医薬活性剤を含む乾燥した顆粒に含まれている。
【0071】
上述の異なる薬物放出機構を有する製剤は、単一又は複数の単位を含む最終剤形に組み合わせることができる。複数のユニットの例は、固体又は液体形態で、錠剤、ビーズ、又は顆粒を含む多層錠剤、カプセル剤などが挙げられる。典型的に、即時放出製剤は、例えばゼラチンカプセル中のような、カプセル化することができる圧縮錠剤、ゲル、フィルム、コーティング、液体及び粒子を含む。コーティングやカバー又は組み合わされた薬剤を調製するための多くの方法は、当技術分野で知られている。
【0072】
即時放出剤は、単位容量形態、すなわち、タブレット、複数の薬剤含有ビーズ、顆粒又は粒子、又はコーティングされたコア容量形態の外層には、従来の医薬賦形剤とともに、活性剤の治療有効量が含まれている。即時放出用量単位は、コーティングされていてもいなくてもよく、又は遅延放出容量単位(複数の場合もあり)とともに混合されていてもいなくてもよい(即時放出薬物含有顆粒、粒子又はビーズのカプセル化された混合物中、及び遅延放出薬含有顆粒又はビーズ中)。
【0073】
例えば、「レミントン−薬学の科学と実践」、第20回、Lippincott WilliamsとWilkins、ボルチモア、メリーランド州、2000年で説明したように延長放出製剤は一般に、拡散又は浸透圧システムとして調製される。拡散システムは、典型的には、染色技術分野においてよく知られるリザーバとマトリックスの二種類のいずれかの機器で構成されている。マトリックスデバイスは、一般に、錠剤の形にゆっくり溶解するポリマー担体と薬物を圧縮することにより調製される。
【0074】
即時放出部分は、持続放出コア上に即時放出層を導入するか、コーティング又は圧縮処理又は拡張及び即時放出ビーズを含有するカプセルのような複数の単位系を用いるかのいずれかの方法により、持続放出システムに追加することができる。
【0075】
遅延放出投薬処方物は、胃の酸性環境で不溶性であるが小腸の中性環境に可溶性であるポリマーのフィルムで固体剤形をコーティングすることによって作成する。遅延放出用量単位は選択された被覆材料で薬剤又は薬剤含有組成物をコーティングすることによって、調製することができる。薬物含有組成物は、カプセルに組み込むための錠剤、「被覆コア」剤形中の内部コアとして使用するための錠剤、又は錠剤又はカプセルのいずれかに組み込むために複数の薬物含有ビーズ、粒子又は顆粒であってもよい。
【0076】
パルス放出剤形は反復投与せずに複数の投薬プロファイルを模倣するものであり、典型的には、例えば、従来の剤形として提示される薬物(溶液又は即時薬物放出、又は従来の固体剤形として)に比べて投与頻度が少なくとも半分以下になる。パルス放出プロファイルは、放出のない期間遅延時間)、又は迅速な薬物放出に続く減少放出によって特徴付けられる。
【0077】
各剤形は、活性剤の治療有効量を含む。一日二回投与特性を模倣する剤形の一実施形態では、剤形中の活性剤の合計量の約30重量%から70重量%、好ましくは40重量%から60重量%初期パルスにおいて放出される。次いで、剤形中の活性剤の合計量の約70重量%から3.0重量%、好ましくは60重量%から40重量%が第二パルスにおいて放出される。一日二回の投薬特性を模倣する剤形については、第二のパルスは、投与後、好ましくは、約3時間から14時間未満、より好ましくは約5時間から12時間放出している。
【0078】
他の投与形態は、圧縮錠剤又は薬剤含有即時放出用量単位、遅延放出用量単位及び任意の第2の遅延放出用量単位を有するカプセルを含んでいる。この剤形で、即時放出用量単位は、期用量を提供するために経口投与直後、実質的に薬物を放出する複数のビーズ、顆粒、粒子を含む。遅延放出投薬単位は、第二の用量を提供するために、経口投与後約3時間から14時間まで薬物を放出する、複数のコーティングされたビーズ又は顆粒を含む。
【0079】
経皮(例えば、局所)投与の目的のために、無菌の水性又は部分的水性希釈溶液(通常、約0.1%から5%濃度で)を調製することができるが、それ以外では上記の非経口溶液に類似したものを調製することができる。
【0080】
式I又は式II、又は他の活性剤の1種以上の化合物の一定量を含む様々な医薬組成物を調製する方法は公知であるか、又は当業者には、本開示に照らして明らかであろう。医薬組成物を調製する方法の例については、レミントンの製薬科学、マック出版社、イーストン、ペンシルバニア、第19版(1995)を参照。
【0081】
さらに、特定の実施形態では、本出願の主題の組成物は、おそらく凍結乾燥、又は噴霧乾燥のような別の適切な乾燥技術が使用される。主題の組成物は、一回投与してもよいし、又は組成物の放出速度及び所望の投薬量に部分的に依存して、時間間隔を変化させることで投与される容量を多数の少用量に分割してもよい。
【0082】
本明細書で提供される方法において有用な製剤は、経口、経鼻、局所(口腔及び舌下を含む)、直腸、膣、エアロゾル及び/又は非経口投与に好適な方法を含む。製剤は、好都合には単位剤形で提供してもよく、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製することができる。対象に応じて変えることができる単一用量を製造するために担体材料と組み合わせることができる本発明の組成物の量は、治療の対象、及び特定の投与様式に依存する。
【0083】
これらの製剤又は組成物を調製する方法は、担体と共に本発明の組成物に結合させる工程と、任意に、1種以上の補助成分を含む。一般に、製剤は、対象の組成物を、均一かつ密接に、液体担体、又は微粉固体担体、又はその両方とともに合成し、必要であれば対製品を成形することによって、調製される。
【0084】
本明細書に記載の式I及び式IIの化合物は、吸入又はエアロゾル製剤で投与することができる。吸入剤又はエアロゾル製剤は、そのような補助剤、診断薬、造影剤、又は吸入治療に有用な治療薬として1つ以上の薬剤を含んでもよい。最後のエアロゾル製剤は、製剤の総重量と比較して薬剤の、例えば0.005から90%w/w、例えば0.005から50%w/w、0.005から5%w/w、又は0.01から1.0%w/wを含有し得る。
【0085】
経口投与のための固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤等)において、対象の組成物は、1つ以上の薬学上許容される担体及び/又は以下のいずれかと混合される。:(1)例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及び/又はケイ酸などの充填剤又は増量剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及び/又はアカシアなどの結合剤;(3)グリセロールなどの保湿剤;(4)例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの難溶化剤;(6)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;(7)アセチルアルコール及びグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤;(8)カオリン及びベントナイト粘土などの吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物などの吸収剤;(10)着色剤。カプセル、錠剤及び丸薬の場合、医薬組成物はまた、緩衝剤を含んでもよい。同様のタイプの固体組成物はまた、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として、高分子量ポリエチレングリコール等と同様に、ラクトース又は乳糖を用いることができる。
【0086】
経口投与用の液体剤形は、薬学上許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシル剤が含まれる。本発明の組成物に加えて、液体剤形は、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、例えば水又は他の溶媒、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、大豆油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、及びそれらの混合物などの可溶化剤及び乳化剤を含むことができる。
【0087】
懸濁液は、本発明の組成物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、ならびにそれらの混合物のような懸濁剤を含有してもよい。
【0088】
直腸又は膣投与のための製剤は、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、座薬ワックス、又はサリチル酸塩を含む1つ以上の適切な非刺激性の担体と本発明の組成物を混合することによって調製され得る坐剤として提供することができる。そして、それらは室温で固体であるが、体温で液体となり、したがって、適切な体腔で融解してカプセル化された化合物(複数の場合もある)及び組成物(複数の場合もある)を放出する。経膣投与に適した処方物はまた、適切であることが当技術分野で知られているような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、又はスプレー製剤が含まれる。
【0089】
経皮投与用の剤形としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、及び吸入剤が含まれる。本発明の組成物は、薬学上受容可能な担体と、又は必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝剤、又は噴射剤とともに無菌条件下で混合してもよい。経皮投与のためには、複合体は、所望の水溶性及び輸送特性を達成するために、親油性及び親水性基を含んでもよい。
【0090】
軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、対象の組成物に加えて、例えば動物性及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、又はそれらの混合物などの他の担体を含み得る。粉末及びスプレーは、対象の組成物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、又はそれらの混合物などの賦形剤を含み得る。スプレーは、さらに、例えばブタン及びプロパンなどのクロロフルオロ炭化水素及び揮発性非置換炭化水素などの通常の噴射剤を含有してもよい。
【0091】
経皮パッチを介して、単一の組成物又は複数の組成物を送達する方法は当技術分野で知られている。典型的なパッチ及びパッチ配達の方法は、米国特許番号6974588、6564093、6312716、6440454、6267983、6239180、及び6103275に述べられている。
【0092】
別の実施形態では、経皮パッチは次のものを含み得る:ポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合材料を100重量部、及びスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体を2から10重量部含む樹脂組成物で形成された複合膜を含む複合フィルム、その複合フィルムの一方の側に第一の接着剤層、及び第一の接着剤層を介して複合フィルムの一方の面に付着したポリアルキレンテレフタレートフィルム、飽和ポリエステル樹脂を含み、ポリアルキレンテレフタレートフィルムの表面に形成されたプライマー層、プライマー層上に積層された医薬品を含むスチレン−ジエン−スチレンブロック共重合体を含む第二の接着剤層。上記基材シートの製造方法は、カレンダー処理により、複合フィルムに樹脂組成物を成形して前記樹脂組成物を調製し、その後接着剤を用いて複合フィルムの一方の面にポリアルキレンテレフタレートフィルムを接着することを含む。これにより、基材シートを形成し、ポリアルキレンテレフタレートフィルムレフタル酸塩フィルムにそのために付着させる上記の樹脂構成を準備することを含む。
【0093】
パッチの別のタイプは、例えば、薬学上許容される接着剤に直接薬物を組み込み、ポリエステル下地膜などの適切な裏打ち部材上に薬物含有接着剤を積層するものを含む。薬物は接着性に影響を及ぼさない濃度で存在し、同時に必要な臨床用量を送達するようにする。
【0094】
経皮パッチは、受動的又は能動的であってもよい。ニコチン、エストロゲン及びニトログリセリンパッチのような現在利用可能な受動的経皮薬物送達システムは、小分子薬物を送達する。新しく開発されたタンパク質及びペプチド薬剤の多くは、受動的経皮パッチを介して送達されるには余りにも大きく、大分子薬物のために、電気アシスト(イオントフォレーシス)などの技術を用いて送達することができる。
【0095】
イオントフォレーシスは、電流の印加によって膜を通ってイオン化された物質のフラックスを向上させるために使用される技術である。イオントフォレーシス膜の一例は、Theeuwesへの米国特許第5080646に記載されている。皮膚を横切って分子輸送を強化したことによる、イオントフォレーシスの主要なメカニズムは、(a)同じ電荷の電極から荷電イオンをはじき、(b)電界が印加されたときに応答して荷電細孔を通して対イオンの優先的な通過を発生する電気浸透溶剤の対流運動をさせ、(c)電流の印加による皮膚透過性を増加させることである。
【0096】
いくつかの形態では、キットの形で投与することが望ましい場合があり、分割されたボトル又は分割ホイルパケットのような別々の組成物を含有するための容器を含み得る。典型的には、キットは別々の成分の投与のための指示を含む。別個の組成物が異なる剤形(例えば、経口及び非経口)及び異なる期間により投与されるほうが好適な場合、又は処方する医師により組み合わせの中の個々の組成物を滴定することが望まれる場合にキット形態は特に有利である。
【0097】
このようなキットの例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは、包装産業で周知であり、広く医薬単位剤形(錠剤、カプセル等)の包装に使用される。ブリスターパックは、典型的には、透過性のプラスチック材料のホイルで覆われた比較的剛性の高いシートにより構成されている。
【0098】
炎症性腸疾患の治療のための方法及び組成物。とりわけ、本明細書中の式Iの化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、粘膜炎を治療する方法が提供される。
【化148】
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式I
【0099】
ここで、
及びRはそれぞれ独立して−CHCO−、アセチル、D、H、CDCO−を表し、
【化149】
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【化150】
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【化151】
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【化152】
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【化153】
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【化154】
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【化155】
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【化156】
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【化157】
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【化158】
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【化159】
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【化160】
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【化161】
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【化162】
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【化163】
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【化164】
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【化165】
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【化166】
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【化167】
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【化168】
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【化169】
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【化170】
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【化171】
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及びRは各々独立してH、Dを表し、
【化172】
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【化173】
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【化174】
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【化175】
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【化176】
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【化177】
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【化178】
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【化179】
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【化180】
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【化181】
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【化182】
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【化183】
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【化184】
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【化185】
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【化186】
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【化187】
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【化188】
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【化189】
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【化190】
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【化191】
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【化192】
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【化193】
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【化194】
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【化195】
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【化196】
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【化197】
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【化198】
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【化199】
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【化200】
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【化201】
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【化202】
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【化203】
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【化204】
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【化205】
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【化206】
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【化207】
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【化208】
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【化209】
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【化210】
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【化211】
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【化212】
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【化213】
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【化214】
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【化215】
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【化216】
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【化217】
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【化218】
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aは独立して2、3又は7;
各bは独立して3、5又は6;
eは独立して1、2又は6;
c及びdはそれぞれ独立してH、D、−OH、−OD、C−Cアルキル、−NH又はCOCHである。
【0100】
したがって、別の様態において炎症性腸疾患の治療のための方法及び組成物。
とりわけ、本明細書中の式IIの化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、粘膜炎を治療する方法が提供される。:
【化219】
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式II
ここで、R及びRは各々独立してH、Dを表し、
【化220】
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【化221】
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【化222】
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【化223】
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【化224】
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【化225】
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【化226】
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【化227】
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【化228】
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【化229】
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【化230】
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【化231】
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【化232】
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【化233】
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【化234】
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【化235】
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【化236】
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【化237】
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【化238】
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【化239】
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【化240】
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【化241】
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【化242】
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及びRは各々独立してD、CHCO、CDCOを表し、
【化243】
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【化244】
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【化245】
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【化246】
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【化247】
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【化248】
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【化249】
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【化250】
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【化251】
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【化252】
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【化253】
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【化254】
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【化255】
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【化256】
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【化257】
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【化258】
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【化259】
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【化260】
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【化261】
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【化262】
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【化263】
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【化264】
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【化265】
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【化266】
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【化267】
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【化268】
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【化269】
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【化270】
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【化271】
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【化272】
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【化273】
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【化274】
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【化275】
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【化276】
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【化277】
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【化278】
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【化279】
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【化280】
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【化281】
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【化282】
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【化283】
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【化284】
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【化285】
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【化286】
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【化287】
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【化288】
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【化289】
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aは独立して2、3又は7;
各bは独立して3、5又は6;
eは独立して1、2又は6;
c及びdはそれぞれ独立してH、D、−OH、−OD、C−Cアルキル、−NH又はCOCHである。
式I及び式IIの化合物の使用方法
【0101】
本発明はさらに、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、軽度から中程度のクローン病、関節リウマチ、炎症性関節炎、乾癬性関節炎、肝硬変及び特発性蕁麻疹のような、胃腸疾患及び炎症を治療するための方法を含む。
【0102】
式I及び式IIの化合物を作製するのに有用な合成経路の例は、例において以下に述べられ、スキーム1、スキーム2及びスキーム3にて一般化される。:
スキーム1:
【実施例1】
【0103】
【化290】
[この文献は図面を表示できません]
【0104】
ステップ−1:合成物2の合成:
【化291】
[この文献は図面を表示できません]
【0105】
水酸化カリウム(70kg、1250mol)及び水(250L)の撹拌溶液に、2(50kg、248mol)を25から30℃の間の温度でオートクレーブ中20分間にわたって加えられた。反応混合物を125から130℃まで加熱し、2.5kg/cm未満になるまで5時間同温度で撹拌した。反応固形物は25℃まで冷却され、塩酸(85L)を使用して、pH1.0−2.0まで酸性化し、1時間撹拌した。沈殿した固形物を濾過し、水(150L)で洗浄し、ケーキを1時間30℃で水(300L)の中でスラリーし、濾過し、水(150L)で洗浄し、3(43.5kgの産出)を産出するために、10時間65℃で乾燥した:43.5kg(96%)(純度:99.87%)。
【0106】
ステップ−2:合成物3の合成:
【化292】
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【0107】
化合物2(40kg、218mol)を、水(320L)及び炭酸ナトリウム(16.3kg、153mol)の撹拌混合物にゆっくりと加え、30分撹拌し、大部分のpHを8.0と9.5の間で維持した。上記溶液に水(80L)と共に10%レーニー・ニッケル(8L)加えた。得られた混合物を6時間60℃大気圧下で水素化した。5%水酸化ナトリウム(130L)を25℃で固形物に加え、30分間撹拌した。触媒はセライトを通して濾過され、水(80L)で洗浄した。溶液を塩酸(33L)でpH2.5−3.0まで酸性化し、1時間撹拌した。得られた化合物を濾過し、水(40L)で洗浄した。湿ったケーキ及び水(560L)及び塩酸(41L)の溶液に活性炭(2.8kg)を加え、内容物を70℃まで加熱し、2時間同温度で保持した。セライトを通して全溶液を濾過し、水(28L)で洗浄した。濾液に活性炭(2.8kg)を加え、2時間70℃で撹拌され、セライトを通して濾過され、水(28L)で洗浄した。得られた濾液は、重炭酸ナトリウム溶液(15L)水溶液を用いてpHを3.0−3.5に調節し、1時間撹拌し、固形物を濾過し、水(42L)で洗浄し、灰白色粉末として表題化合物3を生成するために、9時間80℃で固体を乾燥した。:産出27.5kg(82%)(純度:99.9%)。
【0108】
ステップ−3:合成物4の合成:
【化293】
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【0109】
化合物3(10mmol)はRB中で保持され、塩化チオニル10mlを加え、反応混合物を還流しました。反応完了後、超過の塩化チオニルを蒸留し、粗製酸塩化物(4)を更なる精製を必要とせずに次のステップに使用した。
【0110】
ステップ−4:合成物6の合成:
【化294】
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【0111】
乾燥DCM(1.8ml)中の化合物5(1.0 mmol)の溶液に、N、N−ジイソプロピルエチルアミン(2.0mmol)を−10°Cで加え、次いで同温度で4(1.2mmol)を30分間滴下し、反応混合物を0℃で1時間撹拌させた。反応完了後(TLCによってモニターされた)、反応混合物の溶剤を蒸発させ、化合物6を得るために、粗製生成物をコラムを通して精製した。
【0112】
ステップ−5:合成物8の合成:
【化295】
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【0113】
50mLガラス瓶は、磁気回転棒、化合物6(0.38mmol)、酸7(0.57mmol)、DMF(1.912ml)及びジイソプロピルエチルアミン(0.334ml、1.91mmol)で装填された。撹拌しながら、HATU(0.291g、0.76mmol)を加え、反応物を3時間50℃に温めた。その後、反応物を水で薄め、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出液をMgSOで乾燥し、セライトベッドを通して濾過し、生成物を産出するために真空下でコーンし、その生成物を、化合物8を得るためにシリカゲルによって精製した。M.F:C3549NO;mol 重量:563.36;元素分析:C、74.57;H、8.76;N、2.48;O、14.19。
スキーム2:
【実施例2】
【0114】
【化296】
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【0115】
ステップ−1:合成物2の合成:
【化297】
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【0116】
化合物1(10mmol)はRB中で保持され、塩化チオニル10ml加えて、反応混合物を還流した。反応完了後、超過の塩化チオニル2を蒸発させ、粗製酸塩化物を更なる精製を必要とせずに次の工程に使用した。
【0117】
ステップ−2:合成物4の合成:
【化298】
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【0118】
乾燥DCM(1.8ml)中の化合物3(1.0mmol)の溶液に、N、N−ジイソプロピルエチルアミン(2.0mmol)を−10℃で加え、次いで2(1.2mmol)を同温度で30分間滴下し、反応混合物を0℃で1時間撹拌させた。反応完了後(TLCによってモニターされた)、反応混合物の溶剤を蒸発させ、粗製化合物4を得るために粗製生成物をカラムを通して精製した。
【0119】
ステップ−3:合成物6の合成:
【化299】
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【0120】
化合物5(10mmol)はRB中で保持され、塩化チオニル10ml加えて、反応混合物を還流した。反応完了後、超過の塩化チオニル6を蒸留し、粗製酸塩化物を更なる精製を必要とせずに次のステップに使用した。
【0121】
ステップ−4:合成物8の合成:
【化300】
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【0122】
乾燥DCM(1.8ml)中の化合物7(1.0mmol)の溶液に、N、N−ジイソプロピルエチルアミン(2.0mmol)を−10℃で加え、次いで6(1.2mmol)を同温度で30分間滴下し、反応混合物を0℃で1時間撹拌させた。 反応完了後(TLCによってモニターされた)、反応混合物の溶剤を蒸発させ、合成物8を得るために粗製生成物をカラムを通して精製した。
【0123】
ステップ−5:合成物9の合成:
【化301】
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【0124】
NaH(15mmol)をRB中に取り、DMFを加えて、0℃まで冷却し、DMF(10mmol)中の化合物8を、撹拌しながら滴下した。撹拌を20分間継続し、その後CHIを加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を0℃まで冷却し、氷冷水を滴下した。反応混合物をジエチルエーテルで抽出し、有機層をNaSO上で乾燥させ、蒸発させ、粗製生成物を得た。化合物9を得るためにカラムを通して粗製生成物を精製した。
【0125】
ステップ−6:合成物10の合成:
【化302】
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【0126】
合成物9(0.56mmol)を濃縮HCl5mL及び水2.5mLの混合液中に溶解し、亜硝酸ナトリウム(0.56mmol)溶液でジアゾ化した。一方、化合物4(0.56mmol)、水酸化カリウム(1.12mmol)及び炭酸ナトリウムは水に溶解させた。ジアゾ懸濁液を部分的にサリチル酸のアルカリ性溶液に加え、水酸化カリウム水溶液の追加により、反応全体の間十分に高いレベルのアルカリ度を維持した。2日後に、反応混合物を50℃で30分間加熱した。アゾ化合物10をHClによって沈殿させ、化合物10を産出するために濾過した(85%産出)。
【0127】
ステップ−7:合成物11の合成:
【化303】
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【0128】
化合物10(1mmol)を乾燥DCM(5ml)中に溶解し、三臭化ホウ素(BBr)(1.0M、2mmol)を0℃で加えて、反応混合物を5時間室温で撹拌した。反応完了後、反応混合物は0℃まで冷却し、反応混合物を中和するために飽和NaHCO水溶液を滴下した。2つの層を分離し、有機層を乾燥させ、蒸発させ粗製生成物を得た。化合物11を産出するために粗製生成物をカラムを通して精製した。M.F:C4252;mol 重量:712.37;元素分析:C、70.76;H、7.35;N、3.93;O、17.95。
スキーム3:
【実施例3】
【0129】
【化304】
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【0130】
ステップ−1:合成物2の合成:
【化305】
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【0131】
(5Z、8Z、11Z、14Z、17Z)−エチル・イコサ−5、8、11、14、17−pentaenoate(1、50g、0.151mol)をメタノール(1000ml)中に溶解し、NaOH水溶液(60.5g、1.513mol、200mlのH2O)を加えた。その後、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応完了後、揮発物質をrotavap上減圧下で蒸発させた。得られた粗製生成物を水(200ml)で希釈し、3N HCIで酸性化し、酢酸エチル(2×300ml)で抽出した。合わせた有機抽出液をブライン(2×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、無水まで濃縮した。シリカゲル(ヘキサン中の20%EtOAc)上の精製により化合物2(38g、83.12%の産出)を産出した。;質量(m/z):301(M−H)
【0132】
ステップ−2:合成物3の合成:
【化306】
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【0133】
DCM(40ml)中の化合物2(10g、0.033mol)の溶液に、オキサリル塩化物(4.32ml、0.049mol)を0℃で加え、DMF1滴を加えた。その後、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応完了後、混合物をN大気下で濃縮した。得られた粗製生成物3(10g)を更なる精製を必要とせずに次の工程へと取り上げた。
【0134】
ステップ−3:合成物5の合成:
【化307】
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【0135】
CHCl(20ml)中の5−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸(4、5.06g、0.033mol)の溶液にトリエチルアミン(13.8ml、0.099mol)及び化合物3を0℃で加えた。混合物を同温度で1時間撹拌し続けた。反応完了後、2N HClで酸性化し、有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、無水まで濃縮した。ヘキサン中の再結晶による精製で、化合物5(5g、34.7%産出)を産出した。;質量(m/z):438.5(M+H)
【0136】
ステップ−4:合成物6の合成:x
【化308】
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【0137】
パート−A:ジクロロメタン(60mL)中のオクタン酸(10g、0.069mol)の撹拌溶液に、DMFを1−2滴、次いでオキサリル塩化物(9.0mL、0.103mol、1.5eq。)を0℃N大気下で20分間滴下し、室温で撹拌した。2時間撹拌した後、揮発物質を窒素大気下で濃縮し、octonoyl塩化物を産出した[粗製]。
【0138】
パート−B:0℃のアセトニトリル(70mL)中のヨウ化ナトリウム(10.3g、0.069mol、1eq。)の撹拌溶液にアセトアルデヒド(3.88ml、0.069mol)を加え、その後上記の酸塩化物[パートA]を加え、0−5℃であらに2時間混合物を撹拌した。反応完了後(TLCによってモニターされた)、混合物を氷水(100mL)中に注ぎ入れ、ヘキサン(2×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出液は、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液(2×50ml)、5%重炭酸ナトリウム溶液(50mL)、そして最後にブライン(2×50ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、無水まで濃縮し、油(10g、48.5%)として粗製化合物6を産出した。更なる精製を必要とせずに次の工程で使用した。
【0139】
ステップ−5:合成物7の合成:
【化309】
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【0140】
酢酸エチル(110mL)中の化合物5(5g、0.011mol、1eq)の撹拌溶液にトリエチルアミン(1.98mL、0.0133mol、2eq)、次いでヨウ化ナトリウム(0.342g、0.002mol)及び化合物6(5.09g、0.011mol)を、2分間N大気の室温で滴下した。その後、反応混合物温度を50℃まで加熱し、それを一晩中撹拌し続けた。反応完了後(TLCによってモニターされた)
、酢酸エチルと水で希釈した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、無水まで濃縮した。シリカゲル(ヘキサン中10%EtOAc)上での精製により、淡黄色の液体として化合物7(5.2g、LC−MSによる純度98.18%の75.3%産出)を産出した。1H−NMR(CDCl3):δ10.4(s、1H)、8.00(S、1H)、7.50(d、1H)、7.18−7.05(m、2H)、6.88(d、1H)、5.40(m、10H)、2.82(m、8H)、2.38(m、4H)、2.20(m、2H)、2.10(m、2H)、1.82(m、2H)、1.40−1.20(m、12H)、1.00(t、3H)、0.9(m、6H);質量:608.5[M+H]
同等物
【0141】
本開示は、とりわけ、炎症性腸疾患及びその関連症の治療のための化合物及び方法を提供する。本開示の特定の実施形態が議論されてきたが、上記明細書は例示的であり、制限的ではない。本明細書中の構成及び方法の多くの変形が、この明細書を参照することにより、当業者には明らかとなるだろう。請求の構成及び方法の全ての範囲は請求項に加え、同等物、及び明細書、その変形とともに参照され、決定されるべきである。
引用による補充
【0142】
上記に列挙した事柄も含む、本明細書中で言及した出版物及び特許すべては、あたかも、個々の出版あるいは特許が明確に及びそれぞれ参照によって組込まれるために示されたかのように、参照によってそれらの全体中に組込まれる。対立があった場合、本明細書中のあらゆる定義を含む、本願が支配する。