(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
蛍光体板の裏面の全反射ミラー層又はダイクロイックミラー層を介して前記蛍光体板の裏面に導電性細線を配置する導電性細線膜を形成し、前記全反射ミラー層又は前記ダイクロイックミラー層により前記蛍光体板が発する蛍光光を前記蛍光体板の前方に出射し、前記導電性細線の断線により前記蛍光体板の損傷を検知することを特徴とする蛍光発光装置。
前記蛍光体板を保持する保持板を更に有し、前記導電性細線の両端に各々電気的に接続される検出電極を前記保持板に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載した蛍光発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態について述べる。本発明に係る蛍光発光装置100を備えるプロジェクタ1は、光源ユニット60と、表示素子51と、投影光学系と、光源ユニット60からの出射光を表示素子51まで導光し、かつ、表示素子51で生成された投影光を投影光学系の光軸に一致させる導光光学系170と、光源ユニット60及び表示素子51を制御するプロジェクタ制御手段と、を備える。
【0016】
この光源ユニット60は、励起光源71及びマイクロレンズアレイ75を備えた励起光照射装置70と、励起光源71からの出射光を受けて緑色波長帯域光を出射する緑色蛍光体層を備えた蛍光体板101と、赤色波長帯域光を出射する赤色光源121と、青色波長帯域光を出射する青色光源131と、赤色、緑色及び青色波長帯域光を同一の光軸に変換して所定の一面まで導光する光源光学系140と、を備える。
【0017】
そして、励起光照射装置70のマイクロレンズアレイ75は、励起光源71と蛍光体板101との間に配置され、蛍光体板101の蛍光体層の形状と相似形状の複数のマイクロ凸レンズをマトリクス状に配列するように有しており、励起光源71からの出射光を、複数の光線束に変換して蛍光発光装置100の蛍光体板101に照射する。
【0018】
また、蛍光体板101は、裏面に反射ミラー層102が形成され、該反射ミラー層102の前方に方形状の蛍光体層とした蛍光体板101が配置され、反射ミラー層102の更に裏側には導電性細線膜105が形成されている。
【0019】
この蛍光体板101の裏面に形成される導電性細線膜105は、蛍光体板101の損傷を検出するためのものであり、蛍光体板101が損傷を生じたときは、光源ユニット60の動作停止を可能とするものである。
【0020】
さらに、光源ユニット60において、蛍光体板101の近傍には集光レンズ110が配置され、マイクロレンズアレイ75のマイクロ凸レンズを透過した各光線束は、集光レンズ110によって蛍光体板101上で中心位置が重なるように該蛍光体板101に照射される。
【0021】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。
図1は、プロジェクタ1の外観斜視図である。なお、本実施例において、プロジェクタ1における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とはプロジェクタ1の投影方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0022】
プロジェクタ1は、
図1に示すように、略直方体形状をした小型プロジェクタ1であって、上ケース5と下ケース6により内部を覆うようにして構成されている。そして、プロジェクタ筐体の前方に位置する上ケース5と下ケース6とが嵌合されてなる正面板12には、略中央にレンズ鏡筒225が配置され、右側板15近傍に吸気孔18が形成されている。
【0023】
また、プロジェクタ筐体の上ケース5によって形成される上面板11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源ユニットや表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
【0024】
さらに、プロジェクタ筐体の後方や側方に位置する上ケース5と下ケース6とが嵌合されてなる背面板13や右側板15には、USB端子や電源アダプタプラグ、メモリカードの挿入口等の各種端子が設けられている。
【0025】
次に、プロジェクタ1のプロジェクタ制御手段について
図2の機能ブロック図を用いて述べる。プロジェクタ制御手段は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。
【0026】
この制御部38は、プロジェクタ1内の各回路の動作制御を司るものであって、演算装置としてのCPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0027】
そして、このプロジェクタ制御手段により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0028】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0029】
表示駆動部26は、表示素子制御手段として機能するものであり、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものである。
【0030】
そして、このプロジェクタ1は、光源ユニット60から出射された光線束、即ち光源ユニット60の光源光学系140により所定の一面に集光された光線束を導光光学系170を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、後述する投影光学系を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。
【0031】
なお、この投影光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0032】
また、画像圧縮伸長部31は、再生時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行なう。
【0033】
そして、筐体の上ケース5に設けられるキー/インジケータ部37からの操作信号は、直接に制御部38に送出される。なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0034】
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御している。この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光源光が光源ユニット60から出射されるように、光源ユニット60の励起光照射装置70、赤色光源装置120及び青色光源装置130の発光を個別に制御する。
【0035】
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源ユニット60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。
【0036】
さらに、プロジェクタ制御手段は、光源ユニット60からの出射光の照度を測定する照度測定手段としての照度センサ42を備える。そして、制御部38は、照度センサ42から送出された各波長帯域光の出力に関する情報をもとに、光源ユニット60の各光源装置の光源に印加する電圧を調整し、輝度バランスを調整維持する。
【0037】
次に、このプロジェクタ1の内部構造について述べる。
図3は、プロジェクタ1の内部構造を示す平面模式図である。プロジェクタ1は、
図3に示すように、中央部分に光源ユニット60を備え、光源ユニット60の左側方に投影光学系が内装されたレンズ鏡筒225を備え、レンズ鏡筒225と左側板14との間にバッテリー55を備えている。
【0038】
また、プロジェクタ1は、レンズ鏡筒225と背面板13との間におけるバッテリー55の近傍に、左側板14と平行に配置されたDMD等の表示素子51を備えている。さらに、プロジェクタ1は、光源ユニット60の下方に主制御回路基板241を備え、レンズ鏡筒225とバッテリー55との間に電源制御回路基板242を備えている。
【0039】
また、プロジェクタ1は、レンズ鏡筒225と背面板13との間にして光源ユニット60の左側に、光源ユニット60からの出射光を表示素子51に照射し、かつ、表示素子51で反射されたオン光の光軸を投影光学系の光軸に一致させて投影光学系に向かって出射する導光光学系170を備えている。
【0040】
また、光源ユニット60と右側板15との間には、背面板13側から順に、電源コネクタ57、後述する赤色光源121用のヒートシンク190、後述する励起光源71及び青色光源131で発生する熱をヒートシンク190へ導くヒートパイプ195、冷却ファン199を備えている。
【0041】
光源ユニット60は、緑色光源装置としての励起光照射装置70及び蛍光発光装置100と、赤色光源装置120と、青色光源装置130と、光源光学系140とを備えている。
【0042】
励起光照射装置70は、冷却ファン199の近傍であって正面板12の近傍に配置されており、蛍光発光装置100は、蛍光体板101を電源コネクタ57の近傍であって背面板13の近傍に配置される。そして、赤色光源装置120は、励起光照射装置70と蛍光体板101との間に配置され、青色光源装置130は、励起光照射装置70とレンズ鏡筒225との間に配置される。
【0043】
また、光源光学系140は、励起光照射装置70及び青色光源装置130の後方に配置されることにより、蛍光発光装置100、赤色光源装置120、及び、青色光源装置130から出射される緑色、赤色及び青色波長帯域光を導光光学系170まで導光する。
【0044】
励起光照射装置70は、光軸が左側板14と平行とされた2個の励起光源71と、各励起光源71の光軸上に配置された2個のコリメータレンズ73と、コリメータレンズ73の前方に配置されたマイクロレンズアレイ75と、を備える。
【0045】
この励起光源71は、青色レーザ発光器であり、蛍光体板101に向けて青色波長帯域のレーザ光線を出射する。また、励起光源71は、励起光源71用の基板を介してヒートパイプ195と接触しており、このヒートパイプ195を介してヒートシンク190によって冷却される。
【0046】
コリメータレンズ73は、励起光源71からの出射光を平行な光線束に変換してマイクロレンズアレイ75に照射する。このマイクロレンズアレイ75は、励起光照射装置70の励起光源71からの励起光を均一な光として蛍光発光装置100の蛍光体板101に照射するものである。
【0047】
また、蛍光体板101は、熱伝導性及び透光性の高いAI203等のセラミックスのバインダと、このバインダに均一に散りばめられた緑色蛍光体と、から形成された板状体とされている。そして、この蛍光体板101の裏面には、銀又はアルミニウムなどの金属膜による全反射ミラー層102を形成している。
【0048】
従って、蛍光体板101は、励起光源71から出射されたレーザ光線を励起光として緑色の蛍光光を励起光の入射面と同一の面から出射する。また、この蛍光体板101は、表示素子51と相似形状とされており、緑色蛍光体に形成された蛍光体板101から出射される光線束の断面形状は、表示素子51の形状に近似したものとなる。
【0049】
赤色光源装置120は、光軸が正面板12と平行とされた赤色光源121とこの赤色光源121の前方に配置される集光レンズ125とを備える。この赤色光源121は、赤色発光ダイオードであり、ヒートシンク190によって冷却される。
【0050】
また、青色光源装置130は、光軸が励起光源71と平行とされた青色光源131とこの青色光源131の前方に配置される集光レンズ135とを備える。この青色光源131は、青色発光ダイオードであり、ヒートパイプ195を介してヒートシンク190によって冷却される。
【0051】
光源光学系140は、励起光照射装置70及び赤色光源装置120からの出射光を透過し、蛍光体板101が出射する蛍光光を反射する第一ダイクロイックミラー141と、赤色光源装置120からの出射光、及び、蛍光体板101が出射する蛍光光を反射し、青色光源装置130からの出射光を透過する第二ダイクロイックミラー142と、により構成している。
【0052】
第一ダイクロイックミラー141は、励起光照射装置70の光軸と赤色光源装置120の光軸とが交差する位置に配置されている。さらに、第二ダイクロイックミラー142は、赤色光源装置120の光軸と青色光源装置130の光軸とが交差する位置に配置されている。
【0053】
レーザ発光器からの出射光を励起光として蛍光体を発光させる蛍光発光装置100を有する光源ユニットでは、レーザ発光器である励起光源から出射される光線束は、指向性が高く、また、ピークパワーが非常に強いため、蛍光体板101の一部に強く照射されて蛍光体の輝度飽和や焦げによる破壊が生じるおそれがあった。
【0054】
そこで、本実施例の光源ユニット60では、上述したように励起光源71の前方にマイクロレンズアレイ75を配置することにより、ピークパワーの強いレーザ光線を、断面形状が蛍光体層と相似形状の光線束に変換して蛍光体板101の全体へ略均一に照射し、蛍光発光装置100の長寿命化と共に、投影画像の形成に適した面均一性の高い緑色光の発光を可能としている。
【0055】
導光光学系170は、マイクロレンズアレイ171と、光源ユニット60からの出射光の光軸を表示素子51に向かって変更する光軸変更ミラー173と、光軸変更ミラー173とマイクロレンズアレイ171との間に配置された集光レンズ172と、光軸変更ミラー173で変更された光軸上に位置する集光レンズ174と、プリズム175と、から構成されている。
【0056】
この導光光学系170におけるマイクロレンズアレイ171は、光源ユニット60における赤色光源121、青色光源131及び蛍光発光装置100から出射された光線束を、表示素子51の形状に合わせた複数の長方形断面の光線束に変換し、かつ、当該マイクロレンズアレイ171によって、又は、集光レンズ等によって、表示素子51上で各光線束の中心位置が重なるように集光することでミキシングし、均一な強度分布の光線束に変換する。
【0057】
プリズム175は、表示素子51に光源光を照射するコンデンサレンズとして、及び、表示素子51で生成された投影光をレンズ鏡筒225に内装された投影光学系の光軸と一致させるように光軸を変更する光軸変換装置として機能する。
【0058】
レンズ鏡筒225に内装された投影光学系は、固定レンズ群や可動レンズ群によって構成されており、上述したレンズモータ45を制御することにより可動レンズ群のレンズを光軸方向に稼働させることでズーム機能やフォーカス機能を実現している。
【0059】
また、バッテリー55は、プロジェクタ1の駆動電源であり、商用電源の接続により充電可能な2次電池である。なお、バッテリー55は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などの2次電池を適用可能である。そして、本実施例のプロジェクタ1は、電気コード等を接続していなくとも、このバッテリー55の電力によって投影可能とされている。
【0060】
また、本実施例の光源ユニット60は、緑色光源装置としての励起光照射装置70及び蛍光発光装置100の他に、赤色光源121及び青色光源131を備えているため、光の三原色である赤色、緑色、青色波長帯域光を生成できることとなり、カラー画像の投影が可能なプロジェクタ1における光源として用いることができる。
【0061】
また、蛍光体の輝度飽和や焦げによる破壊を防止するために蛍光体を回転させる必要がないため、回転駆動させるためのモータなどの駆動装置が不要となり、光源ユニット60、プロジェクタ1の小型化も可能となる。
【0062】
そして、このプロジェクタ1に用いる蛍光発光装置100の詳細は、
図4に示すように、蛍光体板101の裏面に全反射ミラー層102を形成し、全反射ミラー層102の更に裏面に絶縁膜層104を介して導電性細線膜105を形成しており、この導電性細線膜105は、
図5に示すように、導電細線状として絶縁膜層104の裏面に成膜され、全反射ミラー層102を形成した蛍光体板101の裏面全体に亘って蛇行配置されるものである。
【0063】
この蛍光体板101は、YAG:CeやLuAG:Ceなどの蛍光体を用いて板状としたもの、又は、A
l20
3等のセラミックスと蛍光発光体とを焼成したものなどを用いている。
【0064】
そして、全反射ミラー層102は、少なくとも可視光領域の光を反射するものとし、銀又はアルミニウム等の金属反射膜、又は、金属酸化物や弗化物の積層膜などを用いて形成しているものである。
【0065】
更に、絶縁膜層104は、A
l20
3等の絶縁性薄膜により形成している。
【0066】
この蛍光発光装置100は、
図6及び
図7に示すように、更に薄肉の接続材112を用いて保持板113の前面に蛍光体板101を固定し、導電性細線膜105とした導電細線の両端に接続される接続ワイヤ106を、
図8に示すようにスルーホール114を介して保持板113に形成した検出電極107に接続するものである。
【0067】
また、この保持板113は、高熱伝導性を有すると共に、絶縁性を有することが好ましく、絶縁膜が形成された金属板や熱伝導性セラミックス板等を用いている。
【0068】
この蛍光体板101は、このように蛍光体板101の裏面に、蛍光体板101を全体的に覆うように蛇行する細線を形成する導電性細線膜105を蛍光体板101の裏面全面に設けることにより、導電細線を蛍光体板101の裏面全体に配置しているため、蛍光体板101に損傷が生じたとき、導電細線も破損して断線することになる。
【0069】
従って、検出電極107を通じて両検出電極107間の導電性細線膜105の導電細線に微弱電流を通電しておけば、蛍光体板101に損傷が生じたとき、検出電極107間の通電が遮断されて蛍光体板101の損傷を検出することができ、励起光源71等、光源ユニット60やプロジェクタ1の作動を停止させることができる。
【0070】
尚、全反射ミラー層102として銀、アルミニウム、その他の金属製の導電性を有する膜を用いることなく、絶縁性を有する材質材料を用いた場合は、絶縁膜層104を省略することができる。
【0071】
また、蛍光発光装置100としては、前方から励起光を受けて前方に蛍光光を出射する第1実施例に限ることなく、蛍光体板101の裏面から励起光を入射し、蛍光体板101の前方に蛍光を出射する実施例とすることもある。
【0072】
この第2実施例の蛍光発光装置100は、
図9に示すように、蛍光体板101の裏面にダイクロイックミラー層103を設けて導電性細線膜105を取り付けるものである。
【0073】
このダイクロイックミラー層103は、青色波長帯域の励起光を透過させ、緑色波長帯域の蛍光光を反射するものである。
【0074】
また、導電性細線膜105は、透明電極材である酸化亜鉛や酸化インジウムスズ等を用いて透光性を有する蛇行細線状としてダイクロイックミラー層103の裏面に成膜するものである。
【0075】
この蛍光体発光装置では、
図10に示すように、保持板113に開口部を形成し、この開口部に蛍光発光装置100を嵌め込むように固定して保持し、
図11に示すように、開口部の近傍の保持板113の裏面に検出電極107を設け、接続ワイヤ106により導電細線の両端を各々検出電極107に接続するものである。
【0076】
尚、第2実施例の蛍光発光装置100は、蛍光体板101を透過する励起光と蛍光体板101から出射される蛍光光とが同一方向に出射されるため、蛍光発光装置100の前方に励起光を透過し、蛍光光を反射して出射方向を変更することにより、蛍光光を導光光学系ひいてはプロジェクタ1の外部に出射しないようにダイクロイックミラー141を配置することにより、安全性をより高めたプロジェクタ1とすることができる。
【0077】
また、蛍光発光装置100の蛍光体板101は、セラミックバインダと緑色蛍光発光体とする場合に限るものでなく、緑色波長帯域光以外の蛍光光を発する蛍光体を用いることもある。
【0078】
そして、蛍光体板101から出射される蛍光光の波長帯域が前述の様に緑色波長帯域とする場合のみでなく他の波長帯域とする場合、励起光源71としては青色波長帯域光を出射するレーザ発光器とすることなく、紫外線レーザ発光装置等、他の波長帯域光を出射するレーザ発光器とすることがある。
【0079】
更に、この蛍光発光装置100は、高輝度の発光装置とすることができるものであるから、プロジェクタ1用の発光装置に限ることなく、種々の用途に用いる発光装置とすることができるものである。
【0080】
このため、
図12に示すように、蛍光体板101の裏面側にリフレクタ117を設けて励起光源71を蛍光体板101と一体化し、蛍光発光装置100をユニット化することもある。尚、この場合は、ダイクロイックミラー層103を省略し、蛍光体板101の裏面に直接に導電性細線膜105を設け、導電性細線膜105により蛍光体板101の損傷を検出し、励起光源71の点灯を停止させるようにすることもある。
【0081】
また、この場合は、レーザ発光器である励起光源71からの出射光は、蛍光体板101の全面に照射できるように拡散させる、又は、複数の励起光源71を用いて各励起光源71の出射光を拡散させつつ複数の励起光源71により蛍光体板101の全面に励起光を照射するようにするものである。
【0082】
更に、
図13に示すように、蛍光体板101の前方に集光レンズ110を配置するように、保持板113にレンズ保持枠111を設けて開口部115の前方に集光レンズ110を配置することもある。
【0083】
この場合も、励起光源71からの出射光である励起光を拡散光として蛍光体板101の裏面全面に照射するものであり、蛍光体板101から出射される高輝度の蛍光光を照明対象に合わせて適宜集光するように集光レンズ110を設けるものである。
【0084】
このように、本発明の実施の形態とした蛍光発光装置100は、蛍光体板101の裏面に全反射ミラー層102又はダイクロイックミラー層103を介して導電性細線膜105を形成しているため、蛍光体板101に損傷が生じると導電性細線が損傷して通電が遮断され、蛍光体板101の損傷を容易且つ確実に検出することができる。
【0085】
従って、高輝度の蛍光光を発する安全な光源として使用することができ、この蛍光発光装置100を組み込むことにより、明るい投影画像を形成することのできる小型のプロジェクタ1とすることが容易となる。
【0086】
そして、導電性細線を蛍光体板101の裏面全体を覆う蛇行形状とすれば、一本の導電性細線を容易に蛍光体板101の裏面全体に配置することができ、蛍光体板101の何れかの個所に部分的損傷が生じても容易に検出することができる。
【0087】
また、全反射ミラー層102と導電性細線膜105との間に絶縁膜層104を介在させれば、全反射ミラー層102として金属薄膜など利用しつつ、前方のみに蛍光光を発する蛍光発光装置100を容易に製造することができる。
【0088】
そして、蛍光体板101を保持板113により保持し、保持板113には導電性細線と接続する検出電極107を設けておけば、蛍光発光装置100を種々の装置や機器に組み込む取り扱いを容易とすることができる。
【0089】
更に、蛍光体板101の裏面にリフレクタ117を設ければ、蛍光発光装置100を照明対象に合わせた光源とすることが容易となり、光体板101の前面に集光レンズ110を配置すれば、照明対象に適した照明光を出射させることができる。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0091】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 蛍光体板の裏面の全反射ミラー層又はダイクロイックミラー層を介して前記蛍光体板の裏面に導電性細線を配置する導電性細線膜を形成し、前記全反射ミラー層又は前記ダイクロイックミラー層により前記蛍光体板が発する蛍光光を前記蛍光体板の前方に出射し、前記導電性細線の断線により前記蛍光体板の損傷を検知することを特徴とする蛍光発光装置。
[2] 前記導電性細線膜は、前記蛍光体板の裏面を全体的に覆う蛇行形状に前記導電性細線を配置していることを特徴とする前記[1]に記載した蛍光発光装置。
[3] 前記全反射ミラー層と前記導電性細線膜との間に、絶縁膜層を介在させていることを特徴とする前記[1]又は前記[2]に記載した蛍光発光装置。
[4] 前記蛍光体板を保持する保持板を更に有し、前記導電性細線の両端に各々電気的に接続される検出電極を前記保持板に備えることを特徴とする前記[1]乃至前記[3]の何れかに記載した蛍光発光装置。
[5] 前記保持板に固定され、前記蛍光体板の裏面を覆うリフレクタを更に備えることを特徴とする前記[4]に記載した蛍光発光装置。
[6] 前記保持板に固定されて前記蛍光体板の前方に配置される集光レンズを備えていることを特徴とする前記[4]又は前記[5]に記載した蛍光発光装置。
[7] 前記[1]乃至前記[6]の何れかに記載の蛍光発光装置と、
投影光を生成する表示素子と、
前記表示素子で生成された投影光を導光する投影光学系と、
前記蛍光発光装置からの出射光を前記表示素子まで導光し、かつ、前記表示素子で生成された投影光を前記投影光学系の光軸に一致させる導光光学系と、
前記蛍光発光装置及び前記表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、
を備えることを特徴とするプロジェクタ。