(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202351
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】動作補助装置用アクチュエータ及び動作補助装置
(51)【国際特許分類】
B25J 13/00 20060101AFI20170914BHJP
B25J 11/00 20060101ALI20170914BHJP
A61H 3/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
B25J13/00 Z
B25J11/00 Z
A61H3/00 B
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-552255(P2015-552255)
(86)(22)【出願日】2013年12月12日
(86)【国際出願番号】JP2013083337
(87)【国際公開番号】WO2015087427
(87)【国際公開日】20150618
【審査請求日】2016年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】100104503
【弁理士】
【氏名又は名称】益田 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100191112
【弁理士】
【氏名又は名称】益田 弘之
(72)【発明者】
【氏名】青木 隆行
(72)【発明者】
【氏名】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】豊田 昭仁
(72)【発明者】
【氏名】平山 雅之
【審査官】
貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−13534(JP,A)
【文献】
特開2009−95954(JP,A)
【文献】
特開2010−63581(JP,A)
【文献】
特開2011−131370(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/145643(WO,A1)
【文献】
特開平8−206981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 − 21/02
A61H 1/00 − 3/00
A61F 2/50 − 2/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の四肢のいずれかの関節における回動動作を補助するための動作補助装置を駆動する動作補助装置用アクチュエータであって、
補助対象の関節の近傍で、その駆動軸と回動軸が略同軸的な配置となるよう構成されたウォームギア本体と、
それぞれウォームピニオンを設けた出力軸が相互に略同じ方向に向かう配置で前記ウォームギア本体に噛合するよう構成された2つの駆動モータと、
を有し、
前記2つの駆動モータは、前記ウォームギア本体に対する各前記ウォームピニオンとの間のバックラッシュを除去可能に協調制御される
ことを特徴とする動作補助装置用アクチュエータ。
【請求項2】
前記2つの駆動モータが、前記補助対象の関節を介して相互に回動する2カ所の身体部位のいずれか一方と略平行となる配置で前記動作補助装置に固定されるよう構成される、ことを特徴とする請求項1記載の動作補助装置用アクチュエータ。
【請求項3】
前記動作補助装置は、前記装着者の膝関節における回動動作を補助するよう構成される、ことを特徴とする請求項1又は2記載の動作補助装置用アクチュエータ。
【請求項4】
当該動作補助装置用アクチュエータは、前記膝関節の外側面に配置されるよう構成される、ことを特徴とする請求項3記載の動作補助装置用アクチュエータ。
【請求項5】
前記2つの駆動モータは直流モータで構成される、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の動作補助装置用アクチュエータ。
【請求項6】
さらに減速機本体を有し、
前記ウォームギア本体はその駆動軸だけを前記減速機本体から突出させて当該駆動軸を中心に回転可能に前記減速機本体の内部に収納され、
2つの前記ウォームピニオンは、互いに逆回転方向で歯面が形成され、前記ウォームギア本体の外周ギア歯に対し前記駆動軸を中心とした略180°の位相差で対向する配置で噛合し、
前記2つの駆動モータは、それぞれの前記出力軸が対応する前記ウォームピニオンに軸接続するとともに、それぞれの固定子が相互に略同じ方向に向かう配置で前記減速機本体に固定され、
前記減速機本体と、前記2つの駆動モータの前記固定子は、いずれも前記駆動軸の軸方向における厚み寸法が略同じに設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の動作補助装置用アクチュエータ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の動作補助装置用アクチュエータを有し、
前記動作補助装置用アクチュエータの駆動により装着者の四肢のいずれかの関節における回動動作を補助することを特徴とする動作補助装置。
【請求項8】
さらに前記補助対象の関節を介して相互に回動する2カ所の身体部位のいずれか一方に装着される第1装具と、他方に装着される第2装具を有し、
前記動作補助装置用アクチュエータは、減速機本体を有し、
前記減速機本体と前記駆動軸のいずれか一方は前記第1装具に固定され、他方は前記第2装具に固定されていることを特徴とする請求項7記載の動作補助装置。
【請求項9】
前記第1装具及び前記第2装具は、それぞれ身体部位に対してその周囲を巻装又は収納するよう装着することを特徴とする請求項8記載の動作補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、動作補助装置用アクチュエータ及び動作補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、駆動モータを装着者の胴部に固定し、駆動モータが出力する回転駆動力をフレキシブルシャフトを介して関節近傍に設けた減速機などの駆動機構に伝達し、駆動する動力装具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−213671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フレキシブルシャフトを長い範囲で身体の外部に配設した場合には、外部の障害物と干渉しやすいため動作性能の点で改善の余地がある。また、駆動モータを関節近傍に設ける場合でも、要求されるトルクを出力可能な大型の駆動モータを設置した場合には、その外径が大きいためにやはり装着者の身体から外部の側方に大きく突出して他の障害物と干渉しやすくなる。また、動作精度を向上させるためには、駆動機構が備える減速機においてできるだけバックラッシュを除去することが望ましい。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、大トルク化と外部干渉の回避とバックラッシュの除去を両立可能な動作補助装置用アクチュエータ及び動作補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、装着者の四肢のいずれかの関節における回動動作を補助するための動作補助装置を駆動する動作補助装置用アクチュエータであって、補助対象の関節の近傍で、その駆動軸
と回動軸が略同軸的な配置となるよう構成されたウォームギア本体と、それぞれウォームピニオンを設けた出力軸が相互に略同じ方向に向かう配置で前記ウォームギア本体に噛合するよう構成された2つの駆動モータと、を有
し、前記2つの駆動モータは、前記ウォームギア本体に対する各前記ウォームピニオンとの間のバックラッシュを除去可能に協調制御される動作補助装置用アクチュエータが適用される。
【0007】
また、本発明の別の観点によれば、装着者の四肢のいずれかの関節における回動動作を補助するための動作補助装置を駆動する動作補助装置用アクチュエータであって、補助対象の関節の近傍で、その駆動軸と前記回動軸が略同軸的な配置となるよう構成されたウォームギア本体と、それぞれウォームピニオンを設けた出力軸が相互に略同じ方向に向かう配置で前記ウォームギア本体に噛合するよう構成された2つの駆動モータと、を有し、前記2つの駆動モータは、前記補助対象の関節を介して相互に回動する2カ所の身体部位のいずれか一方と略平行となる配置で前記動作補助装置に固定されるよう構成される動作補助装置用アクチュエータが適用される。
【0008】
また、本発明の別の観点によれば、上記のうちいずれかの動作補助装置用アクチュエータを有し、前記動作補助装置用アクチュエータの駆動により装着者の四肢のいずれかの関節における回動動作を補助する動作補助装置が適用される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、大トルク化と外部干渉の回避とバックラッシュの除去を両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】動作補助装置を左膝に装着した装着者の全身を表す図である。
【
図2】膝関節用アクチュエータの拡大平面図と矢視IIb−IIb断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明における前方、後方、上方、下方、左方、右方とは、それぞれ
図1に示す「前方」「後方」「上方」「下方」、「左方」、「右方」で注記された方向を指す。これらの方向は、通常の起立姿勢で動作補助装置を装着した装着者から見た方向に対応して統一的に用いるだけであり、例えば装着者が四肢を回動させた場合にはその姿勢に応じて適宜変更すればよい。
【0012】
本実施形態の動作補助装置用アクチュエータを備えた動作補助装置は、一例として装着者Mの膝関節の回動動作を補助する形態のものであり、
図1は、動作補助装置を左膝に装着した装着者Mの全身を表している。この
図1において、動作補助装置1は、胴部用装具2と、股関節用ヒンジ3と、大腿部用アーム4と、大腿部用装具5と、脛部用装具6と、脛部用アーム7と、足首関節用ヒンジ8と、靴部9と、膝関節用アクチュエータ10を有している。
【0013】
胴部用装具2は、装着者Mの胴部に対してその周囲に巻装するよう装着する装具であり、当該装着者Mの胴囲が最も細い腰部の位置に安定的に装着される。
【0014】
股関節用ヒンジ3は、上記胴部用装具2と後述の大腿部用アーム4の間に設けられるヒンジであり、装着者M自身による股関節の回動動作に合わせて回動する。なお図示する例では、この股関節用ヒンジ3には能動的に回動動作を補助する駆動機構は備えていない。
【0015】
大腿部用アーム4は、梁状の構造物であり、その上端は上記股関節用ヒンジ3に固定され、下端は後述の大腿部用装具5に固定されている。
【0016】
大腿部用装具5は、装着者Mの大腿部に対してその周囲に巻装するよう装着する装具であり、図示する例では膝関節のすぐ上の位置に安定的に装着される。
【0017】
脛部用装具6は、装着者Mの脛部に対してその周囲に巻装するよう装着する装具であり、図示する例では膝関節のすぐ下の位置に安定的に装着される。
【0018】
脛部用アーム7は、梁状の構造物であり、その上端は上記脛部用装具6に固定され、下端は後述の足首関節用ヒンジ8に固定されている。
【0019】
足首関節用ヒンジ8は、上記脛部用アーム7と後述の靴部9の間に設けられるヒンジであり、装着者M自身による足首関節の回動動作に合わせて回動する。なお図示する例では、この足首関節用ヒンジ8には能動的に回動動作を補助する駆動機構は備えていない。
【0020】
靴部9は、装着者Mの足を内部に挿入するように装着する靴状の装具であり、足の姿勢を拘束するよう安定的に装着される。またこの靴部9のくるぶし付近は、上記足首関節用ヒンジ8に固定されている。
【0021】
膝関節用アクチュエータ10(動作補助装置用アクチュエータ)は、後述の
図2に示すようにウォームギアを内部に備える減速機11と2つの駆動モータ12を有しており、この例では減速機11の本体が膝関節の外側面側で上記大腿部用装具5(第1装具)に固定され、減速機11の駆動軸が上記脛部用装具6(第2装具)に固定されている。2つの駆動モータ12は、減速機11の前後方向で挟む配置で、いずれの回転軸も上記大腿部用アーム4の延設方向(図中の状態の略上方)に向かう方向でそれぞれの下端を減速機11に接続するよう設置されている。つまり、2つの駆動モータ12は、この例の補助対象である膝関節を介して相互に回動する大腿部と脛部(2カ所の身体部位)のうちの大腿部と略平行となる配置で当該動作補助装置1に固定されている。
【0022】
これら2つの駆動モータ12の回転駆動力が、減速機11で減速されトルクを増加して駆動軸に出力される。これにより脛部用装具6及び脛部用アーム7は、大腿部用装具5及び大腿部用アーム4に対して駆動軸を中心とした相対的な回動動作を行う。この駆動軸の位置が装着者Mの膝関節と略一致するよう配置されていることで、膝関節用アクチュエータ10は装着者Mの膝関節に対して同軸的に回動動作を補助できる。なお、特に図示しないが、減速機11が上記脛部用装具6に固定され、駆動軸が上記大腿部用装具5に固定されてもよい。この場合には相対回動動作の方向が逆になるが、駆動モータ12の正転と逆転の切り替えを逆に制御すればよい。
【0023】
この膝関節用アクチュエータ10の構成を詳細に説明する。
図2(a)は、膝関節用アクチュエータ10の拡大平面を表しており、
図2(b)は
図2(a)中の矢視IIb−IIb断面を表しており、いずれの図においても減速機11の内部を透視して表している。この
図2において、膝関節用アクチュエータ10は、減速機本体21と、ウォームギア本体22と、2つのウォームピニオン23と、2つの駆動モータ12を有している。
【0024】
ウォームギア本体22は、ウォームギアの従動側のギアであり、ウォームギアのほとんどは減速機本体21の内部に回転可能に収納され、その回転中心となる駆動軸22aだけが減速機本体21の右方側面から突出している。これにより、このウォームギア本体22は、この例の補助対象の膝関節の回動軸の近傍で、その駆動軸22aと回動軸のそれぞれの軸方向が相互に略平行となるよう配置される。
【0025】
2つのウォームピニオン23は、ウォームギアの主動側のギアであり、それぞれ後述する2つの駆動モータ12の出力軸に結合されるとともに、減速機本体21の内部で上記ウォームギア本体22の外周ギア歯に噛合している。これら2つのウォームピニオン23は、互いに逆回転方向で歯面が形成されており、ウォームギア本体22に対し駆動軸22aを中心とした略180°の位相差で対向する配置で噛合している。なお、減速機本体21と、上記ウォームギア本体22と、2つのウォームピニオン23とで減速機11を構成する。
【0026】
2つの駆動モータ12は、本実施形態の例では直流モータで構成されおり、それぞれの出力軸は減速機本体21の内部で上記2つのウォームピニオン23に結合されている。これら2つの駆動モータ12は、それぞれ上記ウォームピニオン23を設けた出力軸が相互に略同じ方向(図示する姿勢の下方)に向かう配置で上記ウォームギア本体22に噛合している。また、2つの駆動モータ12の本体に相当する固定子は、相互に略同じ方向(
図2(a)中の上方)に向かう配置でそれぞれ減速機本体21に固定されている。また、減速機本体と、2つの駆動モータ12の本体(固定子)は、いずれも駆動軸22aの軸方向(
図2(b)中の上下方向)における厚み寸法が略同じに設定されている。
【0027】
以上のように構成された膝関節用アクチュエータ10は、特に図示しない制御部からの給電制御により2つの駆動モータ12が相互に逆方向で回転制御されることで、ウォームギア本体22の駆動軸22aを所望のトルク、所望の回転方向で回転駆動できる。また、2つの駆動モータ12の回転駆動を協調させることで、ウォームギアにおけるバックラッシュを除去できる。
【0028】
以上説明した実施形態によれば、次のような効果を得る。すなわち、本実施形態の膝関節用アクチュエータ10では、減速機11にウォームギアを利用し、これを2つの駆動モータ12で駆動する。具体的には、補助対象の膝関節の回動軸の近傍で、その駆動軸22aと回動軸が略同軸的な配置となるよう配置されたウォームギア本体22と、それぞれウォームピニオン23を設けた出力軸が相互に略同じ方向に向かう配置でウォームギア本体22に噛合する2つの駆動モータ12と、を備える。
【0029】
この構成により、2つの駆動モータ12は、それらの出力軸の方向(回転軸方向)を膝関節の回動軸の略直交平面上で略同じ方向に向けるよう配置されるため、膝関節用アクチュエータ10全体の設置空間領域を小さくできる。また、2つの駆動モータ12で必要駆動トルクを分担できるため、個々の外径を小さくできる。このため、膝関節の回動軸方向(図中の左右方向)に対する膝関節用アクチュエータ10全体の厚さ寸法を小さく(薄型化)することができ、外部の障害物との干渉を回避させて円滑な動作が可能となる。
【0030】
また、各駆動モータ12は外径を大きくせずとも回転子及び固定子の軸方向の長さを延長(図中の矢印E方向に延長)することで駆動トルクを向上させることができることから、アクチュエータ全体を左右方向に薄型化したまま駆動力を向上できる。また、同一のウォームギア本体22に対し2つの駆動モータ12がウォームピニオン23で噛合しているため、それらの協調制御によりウォームギアにおけるバックラッシュを除去できる。以上の結果、大トルク化と外部干渉の回避とバックラッシュの除去を両立可能な動作補助装置用アクチュエータを実現できる。
【0031】
また、本実施形態では特に、2つの駆動モータ12が、補助対象の膝関節を介して相互に回動する2カ所の身体部位(大腿部と脛部)のいずれか一方(図示する例の大腿部)と略平行となる配置で動作補助装置1に固定されている。これにより膝関節がどのような角度で回動しても、2つの駆動モータ12が膝関節の回動軸直交平面上で装着者Mの身体部位から突出することがなくなるため、外部の障害物との干渉を回避させて円滑な動作を確保できる。
【0032】
なお上記実施形態では、2つの駆動モータ12を大腿部と略平行となる配置で固定されていたが、これに限られない。例えば、2つの駆動モータ12は脛部と略平行となる配置で固定されてもよい。この場合には、減速機11が脛部用装具6に固定され、駆動軸22aが大腿部用装具5に固定されることで、2つの駆動モータ12の突出を回避できる。
【0033】
また、本実施形態では特に、例えば股関節や肩関節のように多軸的に回動する関節ではなく、回動軸が一方向に定まっている膝関節への適用に特に好適である。なお、動作補助装置用アクチュエータの適用は膝関節に限られず、同様に回動軸が一方向に定まっている足首関節や肘関節の回動動作の補助にも適用可能である。また、例えば股関節のように2軸方向(前後方向及び左右方向)で回動可能な関節に対しても、一方の軸方向の回動(例えば通常の歩行動作における前後方向の回動)に限定してその回動動作を補助するよう動作補助装置用アクチュエータを適用してもよい。
【0034】
また、本実施形態では特に、膝関節用アクチュエータ10を膝関節の内側面ではなく外側面に配置することで、両足どうしの間の干渉を回避できる。
【0035】
また、本実施形態では特に、2つの駆動モータ12は直流モータで構成されている。一般的な直流モータは、その外周側の固定子内部において回転軸中心に対し2つの永久磁石を対向配置させる構成となる(図示省略)。このため、各駆動モータ12の軸直交断面全体を偏平化(図示する姿勢における前後方向で大径化し、左右方向に小径化するよう偏平化)でき、薄型化が容易となる。なお、外径が十分小さければ、直流モータ以外の他の種類のモータを駆動モータ12に利用してもよい。
【0036】
また、本実施形態では特に、動作補助装置1が、補助対象の膝関節を介して相互に回動する大腿部と脛部にそれぞれ装着される大腿部用装具と脛部用装具6を有している。また、膝関節用アクチュエータ10は、減速機本体21を有しており、減速機本体21が大腿部用装具5に固定され、駆動軸22aが脛部用装具6に固定されている。これにより、膝関節用アクチュエータ10は、駆動モータ12の駆動によって減速機本体21と駆動軸22aを相対的に回転させることにより、大腿部と脛部の間の膝関節の回動動作を確実に補助できる。
【0037】
また、本実施形態では特に、大腿部用装具5と脛部用装具6が、それぞれ身体部位(大腿部と脛部)に対してその周囲を巻装するよう装着する。これにより、大腿部用装具5と脛部用装具6はそれぞれ身体部位に固定的に装着され、膝関節用アクチュエータ10が大腿部と脛部の間の膝関節の回動動作を確実に補助できる。なお、上述したように動作補助装置用アクチュエータを足首関節の回動動作の補助に適用した場合には、当該足首関節を介した一方の身体部位が装着者Mの足となる。この場合、靴部9がその内部に足を挿入させるよう収納することで固定的に装着され、足首関節の回動動作を確実に補助できる。
【0038】
なお、上記実施形態の動作補助装置1は、膝関節に麻痺障害を有する場合のリハビリテーション用として利用できるとともに、健常者が装着することで重量物の運搬などの作業補助用としても利用できる。
【0039】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0040】
その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0041】
1 動作補助装置
2 胴部用装具
3 股関節用ヒンジ
4 大腿部用アーム
5 大腿部用装具(第1装具)
6 脛部用装具(第2装具)
7 脛部用アーム
8 足首関節用ヒンジ
9 靴部
10 膝関節用アクチュエータ(動作補助装置用アクチュエータ)
11 減速機
12 駆動モータ
21 減速機本体
22 ウォームギア本体
22a 駆動軸
23 ウォームピニオン
M 装着者