(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Plan段階、Do段階、Check段階、及びAction段階を順次に実行して、エネルギー消費設備を備えた管理対象のエネルギー使用状況を管理するエネルギー管理方法であって、
前記Plan段階では前記管理対象のエネルギー使用の合理性の判断に要する複数の管理項目、及び、これらの管理項目の管理基準値を設定し、
前記Do段階では前記管理項目の各々の現状値を計測し、
前記Check段階では前記管理項目の管理基準値と前記現状値を比較し、
前記Action段階では前記現状値が前記管理基準値から逸脱している場合に、所定の措置を提示、或いは実行し、
前記管理対象が備える前記エネルギー消費設備の構成に変更がない間、前記Do段階、Check段階、及びAction段階を順次繰り返し、
前記管理対象が備える前記エネルギー消費設備の構成に変更が生じた場合に、前記Action段階の後に前記Plan段階を実行する
ことを特徴とするエネルギー管理方法。
前記Plan段階は、前記管理基準値の値の妥当性を、前記管理対象が備える前記エネルギー消費設備の構成に基づくシミュレーションにより評価するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載のエネルギー管理方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係るエネルギー管理システム1の構成図である。
エネルギー管理システム1は、管理作業者による管理対象2のエネルギー管理のために用いられるシステムであり、監視制御システム3と、管理制御装置4と、表示装置5と、データ変換装置6と、を備えている。エネルギー管理システム1が管理するエネルギーには、燃料、並びに、熱及び電気が含まれる。燃料には、例えば原油や揮発油、重油、可燃性天然ガス、石炭、コークス等が含まれる。
【0020】
管理対象2は、複数のエネルギー消費設備10を備えた、例えば建物や工場、事務所、その他の事業場である。建物には、事務所の他にこれに類するものであって、オフィスビル、官公庁、学校、宿泊施設、デパート、病院等が含まれる。この実施形態において、管理対象2は、日本国における「エネルギー使用の合理化に関する法律(昭和五十四年法律第四十九号)」の第3条で規定された「工場等」に相当するものとする。
【0021】
エネルギー消費設備10は、エネルギーを消費する設備であり、1又は複数の構成機器11を構成要素に含む、いわゆるシステムである。エネルギー消費設備10の例としては、空気調和設備や換気設備、ボイラー設備、給湯設備、照明設備、昇降機、コージェネレーション設備、電気使用設備の各種の設備が挙げられる。また1の設備は、複数の設備の集合である場合もあり、例えば空気調和設備は、冷凍機設備や氷蓄熱設備等を含む。この場合、上位の設備、及び当該設備に含まれる各々の設備のどれをエネルギー消費設備10に規定するかは、管理対象2におけるエネルギー消費構造に基づき適宜に設定される。
また、管理対象2は、必ずしも複数のエネルギー消費設備10を備えるとは限らず、1つだけを備える場合もある。
【0022】
監視制御システム3は、エネルギー消費設備10、及び構成機器11の各々を制御、及び監視する機能を有するものであり、1又は複数の装置を含んで構成されている。特に、この監視制御システム3は、計測デバイス12と、監視装置13と、制御装置14とを備えている。
計測デバイス12は、エネルギー消費設備10の個々の構成機器11のエネルギー消費量を直接的又は間接的に計測するデバイスである。計測デバイス12には、計測対象の構成機器11に応じたセンサ(温度センサや明るさセンサ等)や計器(電力計や流量計等)が用いられる。
監視装置13は、計測デバイス12の出力に基づき、エネルギー消費設備10、及び構成機器11のエネルギー消費に係る動作をリアルタイム、或いは所定時間ごとに監視する。
制御装置14は、監視装置13の監視動作、計測デバイス12の出力、及び管理作業者の指示に基づき、エネルギー消費設備10のエネルギー消費効率に係るファクターを可変し制御する装置である。この制御装置14は、管理制御装置4との連携機能を有し、当該管理制御装置4の指示に基づいて、エネルギー消費が効率化するように、エネルギー消費設備10、及び構成機器11の各々を制御する。
管理対象2が商用ビルや施設等の建物である場合、監視制御システム3には、ビル設備集中監視制御システム(BAS:Building Automation System)が好適に用いられる。
【0023】
管理制御装置4は、エネルギー消費設備10のエネルギー使用状況に基づいて、管理対象2のエネルギー管理に供する各種の画面を表示装置5に表示する。管理作業者は、表示装置5の画面表示により、管理対象2のエネルギー使用状況の監視を通じてエネルギー管理を遂行する。
この管理制御装置4は、エネルギー管理のために、(1)エネルギー消費構造提示機能、(2)構造評価機能、(3)合理性評価機能、(4)エネルギー使用状況監視機能、及び(5)改善制御実行機能を備え、これらについては後述する。
【0024】
データ変換装置6は、監視制御システム3が収集する各種データ、及び監視装置13の監視に係る出力データを、管理制御装置4の仕様によって規定されたデータ形式に変換する。
データ変換装置6と管理制御装置4は、通信線7によって通信可能に接続されており、データ変換装置6による変換後のデータが管理制御装置4に入力される。このデータに基づき、管理制御装置4は、管理対象2のエネルギー管理に要する各種のデータ処理を実行する。
管理制御装置4から監視制御システム3への通信(出力)において、データ変換が不要である場合には、
図1に示すように、データ変換装置6を介在させずに直接、管理制御装置4から監視制御システム3に出力される。
【0025】
なお、管理制御装置4、及び表示装置5は、管理対象2の敷地や建物に限定されず、任意の場所に設置することができ、例えば、通信線7にインターネット回線を使用する等して、管理制御装置4、及び表示装置5を管理対象2から遠隔地に設置することもできる。この場合において、監視制御システム3が備える表示手段を、表示装置5として使用することで、表示装置5のみを管理対象2の敷地内に設置することもできる。
データ変換装置6は、監視制御システム3からデータを受信し、管理制御装置4に出力可能に通信線7に接続されていれば、管理対象2の敷地の内外の任意の箇所に設置できる。
【0026】
図2は、管理制御装置4の機能的構成を示すブロック図である。
同図に示すように、管理制御装置4は、制御部20と、通信部21と、記憶部22と、操作部23と、表示出力部24とを備えている。制御部20は、各部を中枢的に制御する。通信部21は、制御部20の制御の下、通信線7を介して監視制御システム3、及びデータ変換装置6と通信する。記憶部22は、エネルギー管理のための各種のプログラムやデータを記憶する。操作部23は、管理者業者といったユーザの指示入力を受け付けるデバイスである。表示出力部24は、制御部20の制御の下、表示装置5の画面表示に係るデータを出力する。
【0027】
記憶部22には、少なくとも、階層化エネルギーフローデータセット25が記憶されている。階層化エネルギーフローデータセット25は、エネルギー消費設備10の単位、及び当該エネルギー消費設備10が含む構成機器11の単位の各々で作成されたエネルギーフローのデータの集合である。なお、構成機器11が複数の機器の集合である場合には、当該機器の単位で作成したエネルギーフローのデータも階層化エネルギーフローデータセット25に含まれる。
階層化エネルギーフローデータセット25は、管理対象2のエネルギーフローを、エネルギー消費設備10の単位、エネルギー消費設備10をより細分化した構成機器11の単位、構成機器11を更に細分化した機器の単位といったように、階層化して示したものとも言える。
【0028】
エネルギーフローは、管理対象2へのエネルギーの供給から需要までの間のエネルギーの流れを示したチャートである。このエネルギーフローにより、管理対象2において、エネルギー消費設備10、及び構成機器11によって、各種のエネルギーがどのような経路でどのように消費されているかといったエネルギー消費構造(消費メカニズム)を管理作業者が把握できる。
かかるエネルギーフローは、管理対象2が備えるエネルギー消費設備10、及び構成機器11の一覧リストや、これらの間のエネルギーの流入、及び流出の関係を規定する配管・配線の系統図などに基づいて予め作成される。作成の際には、エネルギー消費設備10の単位、及び構成機器11の単位で順次に細分化してエネルギーフローが作成され、これらのエネルギーフローのデータが上記階層化エネルギーフローデータセット25として記憶部15に格納される。この細分化において、上下の階層間で、エネルギー消費設備10、構成機器11、及び機器の相互の関係(リンク)を示すリンクデータが生成され、係るリンクデータも階層化エネルギーフローデータセット25には含まれている。これにより、ある階層におけるエネルギー消費設備10や構成機器11を、より細分化した下位の階層にリンクデータを基に遷移し、当該下位の階層におけるエネルギーフローに簡単に辿り付けるようになっている。
【0029】
制御部20は、所定のプログラムを実行することで、エネルギー消費構造提示部30、構造評価部31、合理性評価部32、エネルギー使用状況監視部33、及び改善制御実行部34として機能する。
エネルギー消費構造提示部30は、エネルギー消費構造提示機能を提供するものであり、エネルギーフローとともに、エネルギー消費設備10、及び構成機器11の各々について、エネルギー消費の効率の指標を示す効率指標値Eを合わせて表示装置5に表示する。
管理作業者は、エネルギーフローを参照することで、管理対象2のエネルギー消費構造を把握し、エネルギー消費原単位に与える影響が最も大きなエネルギー消費設備10、及び構成機器11を把握し、エネルギー消費に無駄が無いか等を評価、検討できる。
【0030】
エネルギー消費原単位とは、所定期間(例えば1年間)で管理対象2が消費するエネルギー消費量を所定物理量で除算した値である。この所定物理量は、管理対象2の業種やエネルギー消費の目的等に応じて設定される。例えば管理対象2が製造業の工場であれば、製造個数が用いられ、病院やスポーツクラブ等のサービス業に係る施設であれば延べ床面積が一般的に用いられる。
【0031】
構造評価部31は、管理対象2のエネルギー消費構造における省エネルギー効果を評価する構造評価機能を提供する。すなわち、構造評価部31は、エネルギー消費設備10、及び構成機器11の各々の効率指標値Eを変化させたときのエネルギー消費原単位の変化をシミュレーションにより求めて表示装置5に表示する。
管理作業者は、例えば、エネルギー消費原単位に与える影響が大きなエネルギー消費設備10、及び構成機器11についてシミュレーションすることで、管理対象2のエネルギー消費構造において、これらの効率指標値Eを改善したときに達成される省エネルギー効果を評価できる。
【0032】
合理性評価部32は、管理対象2におけるエネルギー使用状況の合理性を評価する合理性評価機能を提供する。
詳述すると、エネルギー使用状況の合理性は、所定の管理項目を包括的に取り扱うことにより実現される。所定の管理項目は、管理対象2へのエネルギー供給に関する項目、エネルギー変換システムに関する項目、エネルギー搬送システムに関する項目、及びエネルギー需要に関する項目である。
【0033】
具体的には、エネルギー供給に属する管理項目には、管理対象2のエネルギー消費量に係る物理量(例えば、エネルギー消費原単位)を特定し得る項目が選定される。エネルギー変換システムに属する管理項目には、管理対象2における各エネルギーの変換効率を特定し得る項目が選定される。エネルギー搬送システムに属する管理項目には、管理対象2における各エネルギーの搬送効率を特定し得る項目が選定される。エネルギー需要に属する管理項目には、管理対象2における各エネルギーの需要量を特定し得る項目が選定される。各々の管理項目には、エネルギーが合理的に使用されているみなせる閾値が設定されており、この閾値を逸脱したときに、エネルギー使用が合理的でないと判断される。
これらの管理項目、及び閾値は、管理対象2の業種や建物の種類、当該管理対象2が備えるエネルギー消費設備10、及び構成機器11の種類などに応じて適宜に設定される。この設定は、エネルギー管理に熟練した者や専門の業者によって予め行われている。なお、管理項目の設定、及び合理性判断手法等については、特開2003−162573号公報、及び国際公開第2010/092805号に開示された技術を用いることができる。
【0034】
合理性評価部32は、監視制御システム3が収集するデータなどに基づいて、上記データ項目の値を監視し、データ項目に設定された閾値を逸脱したときには、この値を閾値内に納めるための措置を表示する。係る措置についても、エネルギー管理に熟練した者や専門の業者によって予め規定され、記憶部22に格納されている。
また、合理性評価部32は、措置の表示の際、措置を講じたときに削減されるエネルギー量の推測値を算出し、措置とともに表示する。
管理作業者は、係る推測値により、高い省エネルギー効果が期待できるデータ項目を把握できる。
【0035】
エネルギー使用状況監視部33は、管理作業者が管理対象2のエネルギー使用状況を効率的に監視するためのエネルギー使用状況監視機能を提供する。
すなわち、エネルギー使用状況監視部33は、エネルギー消費原単位に最も影響を与えるエネルギー消費設備10、及び構成機器11の効率指標値Eの現状値を表示する。また、エネルギー使用状況監視部33は、合理性評価部32の合理性評価において、最も高い省エネルギー効果が期待できるデータ項目についても現状値を表示する。
係る表示により、管理作業者は、管理対象2が多数のエネルギー消費設備10や構成機器11を備える場合であっても、少ない項目数の監視で、エネルギー消費原単位、及びエネルギー消費の合理的使用について俯瞰し、効率良く監視できることとなる。
【0036】
改善制御実行部34は、管理作業者の指示に基づき、エネルギー消費設備10、及び構成機器11のエネルギー消費に係るファクターを可変するように、監視制御システム3に指示を与える。このファクターの可変指示は、エネルギー消費設備10、及び構成機器11の効率指標値Eや、合理性評価のための項目データが所定の閾値を逸脱した場合に、管理作業者の操作が無くとも改善制御実行部が自動で行っても良い。このようにファクターが変更されることで、エネルギー消費原単位を良好な値に維持し、またエネルギー消費の合理的使用を維持できる。
【0037】
管理制御装置4は、上述の通り、管理対象2のエネルギー管理に伴い、当該エネルギー管理に要する各種の画面表示を表示装置5に表示させている。この管理制御装置4では、少なくとも、最上位層エネルギーフロー評価画面40、下位層エネルギーフロー評価画面41、合理性評価画面42、及び監視用画面43が表示画面として用意され、操作部23の操作により切り替え可能に成されている。
【0038】
図3は最上位層エネルギーフロー評価画面40の一態様を示す模式図であり、
図4は下位層エネルギーフロー評価画面41の一態様を示す模式図である。
これら最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41は、管理作業者が管理対象2のエネルギー消費構造を把握し、また、エネルギー消費設備10、及び構成機器11の効率指標値Eとエネルギー消費原単位の相互の関係を分析、評価するために用いられる。これら最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41は、エネルギー消費構造提示部30、及び構造評価部31によって生成される。すなわち、管理作業者が表示指示を入力すると、エネルギー消費構造提示部30、及び構造評価部31が最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41の表示のためのデータを、階層化エネルギーフローデータセット25、及び監視制御システム3から取得したデータに基づいて生成し、表示出力部24から表示装置5に出力する。
【0039】
図3、及び
図4に示すように、最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41には、エネルギーフロー表示域50と、エネルギー消費割合表示域51とが設けられている。
エネルギーフロー表示域50は、管理対象2のエネルギーフローを表示する領域である。エネルギーフローは、管理対象2に供給されたエネルギーが需要に至るまでに経由するエネルギー消費設備10、又は構成機器11の経路52を示したものである。このエネルギーフロー表示域50では、経路52を描く線の太さが、そこを流れるエネルギー量に応じた太さで表示される。すなわち、管理作業者は、経路52の太さに基づいて、比較的多量のエネルギーが流れている経路52を一目で容易に把握でき、その経路52上に位置するエネルギー消費設備10、又は構成機器11をエネルギー消費において影響が大きいものと見当をつけることができる。
【0040】
最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41の本質的な違いは、エネルギーフローを構成する単位、換言すればエネルギー消費構造の要素の細分化の度合いである。最上位層エネルギーフロー評価画面40は、エネルギーフローをマクロな単位で示し、下位層エネルギーフロー評価画面41は、それよりも細かな単位で示している。この実施形態では、最上位層エネルギーフロー評価画面40は、エネルギー消費設備10の単位でエネルギーフローを示し、下位層エネルギーフロー評価画面41は、構成機器11の単位でエネルギーフローを示している。
このように、エネルギーフローがエネルギー消費設備10、及び構成機器11の単位の各々に分けて表示されるため、管理作業者は、管理対象2のエネルギー消費構造をマクロな視点、及びミクロな視点の各々で適宜に正確、かつ容易に把握できる。
【0041】
また、エネルギーフロー表示域50では、エネルギー消費設備10、又は構成機器11に対応付けて上述の効率指標値Eが表示される。効率指標値Eは、エネルギー消費の効率の指標を示すものであり、エネルギー消費設備10、又は構成機器11の種類に応じた指標値が用いられる。例えばエネルギー消費設備10が冷凍機システムである場合、効率指標値Eには成績係数(COP:Coefficient Of Performance)が好適に用いられ、またポンプシステムである場合、効率指標値Eには水搬送システム効率は(WTF:Water Transportation FActionor)が好適に用いられる。
効率指標値Eは、上述の通り、エネルギー消費構造提示部30によって算出され、最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41の表示の間は、一定時間ごとに更新表示される。
【0042】
エネルギー消費割合表示域51は、エネルギーフローにおける経路52の主要な分岐ポイント53ごとに、分岐先となるエネルギー消費設備10、構成機器11、及び需要先と、その分岐先へのエネルギー分配比率とを対応付けた消費割合チャート54を表示する領域である。
【0043】
この消費割合チャート54により、管理作業者は、分岐ポイント53ごとに、どれだけのエネルギーがどこに流れて消費されているかを一目で知ることができる。特に、管理作業者は、多量のエネルギーが流れる経路52について、どの程度のエネルギーが各分岐先に分配されているかが容易に把握できる。これにより、管理作業者は、エネルギー消費に影響が大きなエネルギー消費設備10、構成機器11、及び需要先の見当を付けやすくなる。また、エネルギー消費設備10、及び構成機器11に対応して効率指標値Eが表示されることから、管理作業者は、エネルギー消費原単位に特に影響が大きなエネルギー消費設備10、及び構成機器11について効率指標値Eに改善の余地があるかが容易に把握し、効果的な省エネルギー化のための改善を容易に検討できる。
【0044】
さらに、この管理制御装置4では、管理作業者が効率指標値Eを指定して入力すると、構造評価部31によって、エネルギー消費原単位がシミュレーションにより求められ、表示装置5に表示される(図示略)。
したがって、管理作業者は、最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41の表示に基づき、エネルギー消費原単位に影響が大きなエネルギー消費設備10、及び構成機器11に見当を付け、それらの効率指標値Eを可変してエネルギー消費原単位の変化をシミュレーションにより評価することで、エネルギー消費原単位に与える影響が最も大きなエネルギー消費設備10、及び構成機器11を見つけ出すことができる。
【0045】
図5は合理性評価画面42の一態様を示す図である。
合理性評価画面42は、管理作業者が管理対象2のエネルギーが合理的に消費されているか、すなわち無駄に(非合理に)消費されていないかを把握するために用いられものであり、合理性評価部32によって生成される。すなわち、管理作業者が表示指示を入力すると、合理性評価部32が合理性評価画面42の表示のためのデータを生成し、表示出力部24から表示装置5に出力する。
【0046】
図5に示すように、合理性評価画面42には、最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41には、エネルギー消費システム構造表示域60と、項目監視表示域61と、省エネ対策案表示域62と、省エネ期待効果表示域63とが含まれている。
エネルギー消費システム構造表示域60は、エネルギー使用状況の合理性を判断するための上記管理項目を、エネルギーの流れを示す経路とともに示した経路
図64を表示する領域である。この経路
図64は、エネルギーの供給から需要に至る過程を、エネルギー供給(
図5中、「Suuply」)、エネルギー変換システム(
図5中、「Transduction」)、エネルギー搬送システム(
図5中、「Delivery」)、及びエネルギー需要(
図5中、「Demand」)の4つのシステムに分類し、それぞれのシステムごとに管理項目66を対応付けて、エネルギーの流れを示す経路67とともに表示することで、管理対象2におけるエネルギー消費システムの構造を模式的に示したものである。
【0047】
項目監視表示域61は、管理項目66ごとに、合理性判断のために計測すべき対象、その現状値、及び閾値(管理基準値)を対応付けて表示する。管理者業者は、現状値と閾値の対比により、エネルギー使用状況が合理的な使用であるか否かを判断できる。
【0048】
省エネ対策案表示域62は、管理項目66で管理されている対象が閾値を逸脱しないようにするための措置(対応案)を表示によって提示する領域である。
省エネ期待効果表示域63は、この措置を講じたときに削減されるエネルギー量の推測値を表示する領域である。
管理作業者は、これらの表示により、省エネルギー効果が最も期待できる管理項目66、換言すれば、エネルギー消費の合理性に与える影響が最も大きな管理項目66を把握できる。
【0049】
図6は、監視用画面43の一態様を示す図である。
監視用画面43は、管理作業者が管理対象2においてエネルギーが無駄に消費されていないかを効率良く監視するために用いられものであり、エネルギー使用状況監視部33によって生成される。すなわち、管理作業者が表示指示を入力すると、エネルギー使用状況監視部33が監視用画面43の表示のためのデータを生成し、表示出力部24から表示装置5に出力する。
【0050】
図6に示すように、監視用画面43には、エネルギー原単位監視表示域70と、俯瞰用監視表示域71とが含まれている。
エネルギー原単位監視表示域70は、管理対象2のエネルギー消費量の現状を表示する領域であり、ここには、エネルギー原単位現状値72、エネルギー原単位メータ73、及び原単位遷移グラフ74が表示される。
【0051】
エネルギー原単位現状値72は、管理対象2のエネルギー消費原単位をリアルタイム、或いは一定時間(例えば10分)ごとに更新表示して、その現状値を示すものである。
エネルギー原単位メータ73は、エネルギー消費原単位の現状値をメータ表示したものである。エネルギー原単位メータ73には、エネルギー消費原単位の閾値範囲73Aが表示されている。この閾値範囲73Aは、管理対象2のエネルギー消費の状態に無駄が無く合理的な使用の範囲、エネルギー消費設備10、及び構成機器11が正常に動作しているとみなせる範囲、或いは、逸脱の原因の特定を要する範囲等に対応する。
原単位遷移グラフ74は、エネルギー消費原単位の時間経過を示すことで、過去から現在に至る推移を把握可能にするものである。
【0052】
俯瞰用監視表示域71は、エネルギー消費設備10、及び構成機器11の効率指標値E、及び管理項目66の全部のうち、エネルギー消費原単位に最も影響を与える順に選定された所定個数(図示例では2つ)について表示するための領域である。
係る表示により、管理作業者は、エネルギー消費設備10や構成機器11、管理項目66の全部を監視せずとも、少ない項目数の監視で効率良くエネルギー消費について監視、管理できることとなる。
【0053】
俯瞰用監視表示域71には、エネルギー原単位監視表示域70と同様に、現状値75、メータ76、及び遷移グラフ77が表示される。現状値75は、効率指標値E、及び管理項目66の値をリアルタイム、或いは一定時間(例えば10分)ごとに更新表示して、その現状値を示すものである。
メータ76は、効率指標値E、及び管理項目66の現状値をメータ表示したものであり、メータ76には、閾値範囲77Aが表示されている。この閾値範囲76Aは、効率指標値E、及び管理項目66が正常とみなせる閾値の範囲に対する。
遷移グラフ77は、効率指標値E、及び管理項目66の時間経過を示すことで、過去から現在に至る推移を把握可能にするものである。
【0054】
管理作業者は、管理対象2のエネルギー使用状況を管理する場合、上記監視用画面43を表示装置5に表示させ、エネルギー原単位監視表示域70、及び俯瞰用監視表示域71の表示を監視する。具体的には、エネルギー原単位メータ73、及びメータ76の値が閾値範囲73A、76Aを逸脱していないかを監視する。
そして、逸脱が生じた場合には、その逸脱の原因を追及すべく、最上位層エネルギーフロー評価画面40、下位層エネルギーフロー評価画面41、及び合理性評価画面42に表示画面を切り替える。
【0055】
最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41では、所定の閾値を逸脱している効率指標値Eが目立つように表示されることで一目で識別可能になっている。(例えば
図3、
図4において、矢印Aで指し示す効率指標値E)。同様に合理性評価画面42においても、所定の閾値を逸脱している管理項目66が目立つように表示されることで一目で識別可能になっている(例えば
図5において、矢印Aで指し示す管理項目66)。
【0056】
上述の通り、階層化エネルギーフローデータセット25には、上位層の機器と下位層の機器の繋がり(すなわち上位層の機器を構成する下位層の機器)を示すリンクデータが含まれている。このため、最上位層エネルギーフロー評価画面40において、効率指標値Eが所定の閾値を逸脱しているエネルギー消費設備10が存在する場合には、このエネルギー消費設備10を構成する機器の単位でエネルギーフローを示した下位層のエネルギーフローの評価画面に簡単に遷移し、係るエネルギーフローの評価画面を表示することもできる。これにより、効率指標値Eが逸脱している原因の発見等が容易となる。
【0057】
また監視用画面43には、
図6に示すように、管理項目66のうち、合理性評価に与える影響が大きな幾つか(図示例では、「Electric Power」、「Air conditioning」、「Hot water」、「Steam」、)について、値の正常/異常を例えば表示色の変化で示す合理性表示域78が更に設けられている。管理作業者は、この合理性表示域78の表示により、閾値を逸脱した管理項目66を瞬時に知ることができ、合理性評価画面42において、その管理項目66の現状値を確認できる。また、この合理性評価画面42には、管理項目66について、省エネ対策案が表示されるから、管理作業者は、この省エネ対策案に基づいて措置を講じることで、速やかに適切な対応を遂行できる。係る対応遂行に際しては、エネルギー消費設備10、及び構成機器11のエネルギー消費に係るファクターを管理作業者が指示入力し、上記改善制御実行部34が係る指示を監視制御システム3に与えることもできる。
【0058】
このように、本実施形態によれば次の効果を奏する。
すなわち、本実施形態のエネルギー管理システム1によれば、管理制御装置4は、効率指標値Eの中から管理対象2のエネルギー消費原単位への影響が大きい順に選択された所定個数の効率指標値E、及びエネルギー消費原単位の各々の現状値を示した監視用画面43を表示装置5に表示する構成とした。
この監視用画面43の表示により、管理作業者は、管理対象2が多数のエネルギー消費設備10や構成機器11を備える場合であっても、少ない項目数の監視だけで、管理対象のエネルギー使用状況について俯瞰し効率良く監視できる。
【0059】
また管理制御装置4は、エネルギー消費設備10の単位、及び構成機器11の単位のエネルギーフローごとに、効率指標値の現状値を対応付けて示した最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41を表示装置5に表示し、これらの画面では、所定の閾値を逸脱している効率指標値Eを識別
可能に表示する。
この表示により、管理作業者は、効率指標値Eが閾値を逸脱したエネルギー消費設備10、及び構成機器11を直ぐに特定できる。
【0060】
また管理制御装置4は、最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41において、エネルギーフローの経路52をエネルギーの流量に応じた太さで表示し、かつ、経路52の分岐ポイント53について、分岐先へのエネルギーの配分比率を表示する。
この表示により、管理作業者は、経路52の太さに基づいて、比較的多量のエネルギーが流れている経路52を一目で容易に把握でき、その経路52上に位置するエネルギー消費設備10、又は構成機器11をエネルギー消費において影響が大きいものと見当をつけることができる。
【0061】
また管理制御装置4は、管理対象2のエネルギー使用の合理性の判断に要する複数の管理項目66のうち、当該合理性の判断に与える影響が大きな管理項目66の現状値を算出し監視用画面43に表示する。
この表示により、管理作業者は、少ない項目数の監視だけで、管理対象2のエネルギー使用状況の合理性について俯瞰し効率良く監視できる。
【0062】
また管理制御装置4は、管理項目66の現状値を示した合理性評価画面42を表示装置5に表示し、この合理性評価画面42では、所定の閾値を逸脱している管理項目66を識別可変に表示する。
この表示により、管理作業者は、エネルギー使用の合理性を悪化させている管理項目66を一目で把握できる。
【0063】
また、管理制御装置4は、合理性評価画面42に、管理項目66の値を改善させる措置を表示するため、管理者業者は速やかに適切な対応を遂行できる。
【0064】
[第2実施形態]
事業者が省エネ・節電を行うのに必要な、方針・目的・目標を設定し、計画を立て、手順を決めて管理する活動を体系的に実施できるようにした仕組みを規定した世界標準の規格として「ISO50001」が知られている(例えば、特開2013−195000号公報)。
ISO50001は、事業者がエネルギー使用に関して、方針・目的・目標を設定し、計画を立て、手順を決めて管理する活動を体系的に実施できるようにした仕組み(「組織のEnMS」とも称される)を確立する際に必要な要求事項を定め、全ての組織に適用できる世界標準の規格である。
この規格は、組織がエネルギーパフォーマンスを継続的に改善するために必要なシステムとプロセスを確立し、エネルギーの体系的な運用管理によって、温室効果ガスの排出量やエネルギーコストの低減につなげることを意図して策定されている。具体的には、この規格の要求事項の特徴のひとつに、PDCAアプローチが挙げられている。PDCAアプローチでは、Plan(プラン:計画)段階-Do(デュー:実施)段階-Check(チェック:点検)段階-Action(アクション:処置・改善)段階の4つの段階を1サイクルとして順次回し、最後のAction段階をPDCAの先頭サイクルにつなげることでスパイラルアップが図れる仕組みとなっている。
【0065】
しかしながら、建物や工場、事務所、その他の事業場(すなわち、上述の「管理対象」)のエネルギー管理にPDCAアプローチを適用するためには、Plan、Do、Check、及びActionの各段階で何をすべきかを明確にする必要があるものの、そのような規定が成されていないのが現状である。このため、管理作業者が個々の管理対象に応じて、自己の経験則や個別具体的な判断に基づいて各段階の処理を策定しており、省エネルギー効果につながらない運用が成されていることもあるという問題がある。
【0066】
そこで、この実施形態では、PDCAアプローチに基づくエネルギー管理により、一定レベルの省エネルギー効果を得ることができるエネルギエネルギー管理システムについて説明する。
【0067】
図7は本実施形態に係るエネルギー管理システム100の構成図である。なお、同図において第1実施形態で説明したものについては、同一の符号を付して説明を省略する。
この図に示すように、エネルギー管理システム100は、管理制御装置104の構成が第1実施形態のエネルギー管理システム1と異なっている。
具体的には、この管理制御装置104は、PDCAアプローチに基づくエネルギー管理を実行する機能を備えた制御部120を備えている。制御部120は、第1実施形態で説明した各構成に加え、設定部180を更に備えている。
設定部180は、上記Plan段階において、管理対象2のエネルギー使用の合理性の判断に要する複数の上記管理項目66、及び、これらの管理項目66の管理基準値の一例たる上記効率指標値Eを設定するものである。この設定部180による設定は、管理作業者によって行われる。効率指標値Eの設定は、管理対象2が備えるエネルギー消費設備10の構成に基づいて行われるものの、エネルギー消費設備10が多数になるのと、それらの構成の全てを反映した値を設定することは難しく実現不可能の値が設定されることが多々ある。
そこで上記Plan段階において、管理作業者は、効率指標値Eを見積もった後、上記構造評価部31を用いてシミュレーションによりエネルギー消費原単位を求めて表示装置5に表示させることで効率指標値Eの妥当性を評価し確認することになる。
Plan段階においては、管理項目66、及び効率指標値Eを仮決定し、後述するDo段階、Check段階、及びAction段階を試験的に実行し、その結果に基づいて管理項目66、及び効率指標値Eを見直すという動作を繰り返して、管理項目66、及び効率指標値Eを決定しても良い。
【0068】
また、上記Do段階、及び上記Check段階においては、監視制御システム3が収集するデータなどに基づいて、制御部120が備える上記合理性評価部32が上記管理項目66の各々の現状値を取得し(Do段階)、管理項目66に設定された効率指標値Eを逸脱しているか否かを評価し(Check段階)、逸脱している場合には、現状値を効率指標値Eに納めるための措置を表示する。上記Action段階においては、係る措置に基づき管理作業者が作業し、及び/又は、上記改善制御実行部34が自動的に管理項目66の現状値を効率指標値Eに収めるための制御を実行する。
【0069】
このエネルギー管理システム100にあっては、エネルギー管理の当初に、上記設定部180による設定が行われ(Plan段階)、その後は、管理対象2が備えるエネルギー消費設備10、構成機器11、及びその他の機器の構成に変更がない限り、上記合理性評価部32によるDo段階、及びCheck段階、並びに、改善制御実行部34又は/管理作業者によるAction段階が順次繰り返し実行される。
また、管理対象2が備えるエネルギー消費設備10などの構成に変更が生じた場合には、Action段階の後に設定部180によるPlan段階が実行され、構成の変更に即して、管理項目66、及び効率指標値Eが見直されて再設定が行われる。
なお、Check段階においては、第1実施形態と同様に、表示装置5には監視用画面43が表示されて、管理作業者による監視が容易となっている。
【0070】
このエネルギー管理システム100によれば、管理制御装置4が、Plan段階、Do段階、Check段階、及びAction段階を順次に実行してエネルギー管理を行うに際し、Plan段階において、管理対象2のエネルギー使用の合理性の判断に要する複数の上記管理項目66、及び、これらの管理項目66の上記効率指標値E(すなわち管理基準値)が設定される。
これにより、管理作業者の経験などに依らず、省エネルギー効果が得られるエネルギー管理が実現できる。また、管理対象2が備えるエネルギー消費設備10、構成機器11、及びその他の機器の構成に変更がない限りは、Plan段階を除いたDo段階、Check段階、及びAction段階が順次繰り返し実行されることから、管理作業員の労力を低減した効率的な管理が可能になる。
【0071】
また、このエネルギー管理システム100では、上記Plan段階において、管理作業者は、効率指標値Eを見積もった後、上記構造評価部31を用いてシミュレーションによりエネルギー消費原単位を求めて効率指標値Eの妥当性を評価し確認できるようにしたため、実現不可能な効率指標値Eが設定されるのを防止できる。
【0072】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0073】
上述した各実施形態において、管理項目66の具体例としては、「対象機器」、「管理対象値」、「管理基準値」、「管理グラフ」、「計測項目・計算式」、「基準値逸脱時の措置」、及び「管理頻度」が挙げられる。
管理項目66における「対象機器」は管理の対象となる機器・設備を特定したものであり、「管理対象値」は管理の対象となる運転評価値、入出力状態値、又はこれらの複合計算値(例えば効率など)を示す。また「管理基準値」は「管理対象値」の良否を判断するための数値基準値を示し、「管理グラフ」は「管理対象値」の良否を判断するために「管理対象値」を時系列等でグラフ化して示すものである。「計測項目・計算式」は「管理対象値」を把握するための計測項目、及び「管理対象値」を把握するための計測値から計算で求める項目を示す。「基準値逸脱時の措置」は「管理対象値」が数値基準に適合しない時の行動を示し、「管理頻度」は「管理対象値」を確認する頻度を示す。
【0074】
上述した各実施形態において、管理基準値をシミュレーションにより設定する具体例を説明する。
例えば、エネルギー消費設備10が冷却塔を備えた冷凍機システムである場合、冷却水温度をシミュレーションして管理基準値に妥当な冷却水温度を設定する。具体的には、年間における時刻別の外気温度・湿度、及び想定冷却熱量(冷房熱量)に基づき、
図8に示すように、冷凍機システムにおける冷却水温度を例えば構造評価部31のシミュレーションにより求め、冷却塔のファン発停温度基準値を設定する。
図8に示す例の場合、冷却水温度基準値として、盛夏期(8月)には30℃、夏季(7月、9月)には28℃、中間期(3〜6月、10月、11月)には24℃、冬季(12〜2月)には20℃が設定される。
【0075】
上述した各実施形態において、エネルギー管理システム1、100が監視制御システム3に出力する制御内容の具体例を説明する。
【0076】
(1)空調負荷率の管理による熱源機の冷水(温水)設定制御(時刻別の温度設定制御)
エネルギー管理システム1、100は、監視制御システム3の計測データに基づき、時刻別の空調負荷率(空調需要÷熱源機の総容量)を計測して、空調負荷率別に設定した熱源機が出力すべき冷水(温水)温度を参照して、監視制御システム3の一例たるBAS(Building Automation System)または熱源機に温度制御信号を出力する。
冷水製造温度基準値の例としては、冷房負荷率80%以上であれば7℃、冷房負荷率60〜80%であれば8℃、冷房負荷率50〜60%であれば10℃、冷房負荷率50%以下であれば12℃が挙げられる。
【0077】
(2)蒸気流速による蒸気圧力の設定値制御
エネルギー管理システム1、100は、監視制御システム3の計測データに基づき、蒸気流量を計測し、蒸気流速が管理値となる蒸気圧力を算出するとともに、蒸気流速が管理値となる蒸気圧力を上記BASまたはボイラーに出力する。
例えば
図9に示す計測例では、現状0.7MPa(7kgf)で蒸気を製造しているが、5日過ぎごろから蒸気流速が20m/s程度になるため、蒸気圧力をから0.5MPa(5kgf)に変更することにより蒸気流速が管理基準値になるため、蒸気圧力を0.5MPaに変更することが省エネとなる。
【0078】
(3)変圧器の台数制御
管理対象2では一つの電力系統(電灯No.1系統など)に対して複数の変圧器を並列設置しておき(現状は一系統につき変圧器は一台設置)、エネルギー管理システム1、100は、監視制御システム3の計測データに基づき、この系統の負荷率または需要率を計測し、負荷率または需要率が管理値となるように稼働させる変圧器台数を算出するとともに、変圧器台数を上記BASまたは変圧器の台数制御装置に出力する。
【0079】
(4)効率の高い機器の優先使用
例えば
図4において、熱源機やポンプなどは複数台設定されているが、管理制御装置4、104は、熱源機についてはCOP、ポンプについてはWTFを算出し、最も効率の高い熱源機・ポンプを運転する機器として上記BASまたは台数制御装置に出力する。
【0080】
(5)熱源システムの運転台数・運転号機の制御
図10に示すように、熱源システム290(複数の冷凍機やボイラーなどの熱源機で構成され、複数の熱源機が協調してエネルギーを供給する系)は、複数の異なる熱源機から構成されていることが多く、設備されている熱源機は使用するエネルギー種類が異なる場合が多い。また容量や部分負荷における特性も異なるのが通常である。従って、この異なる特性の熱源機に対して、該当建物の特徴的なエネルギー需要を算出した上で、これらのエネルギー需要に対してエネルギー使用量が最小となるように運転する熱源機を適切に選択・組み合わせを行うこと、または上記BASまたは台数制御装置に出力することが、熱源システムの効率を高く維持することにつながる。