特許第6202399号(P6202399)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6202399水液中粉体製造装置及び水液中粉体製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202399
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】水液中粉体製造装置及び水液中粉体製造方法
(51)【国際特許分類】
   B02C 7/08 20060101AFI20170914BHJP
   B22F 9/04 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   B02C7/08
   B22F9/04 C
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-219252(P2014-219252)
(22)【出願日】2014年10月28日
(65)【公開番号】特開2016-10791(P2016-10791A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2017年3月24日
(31)【優先権主張番号】特願2014-117150(P2014-117150)
(32)【優先日】2014年6月6日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593035696
【氏名又は名称】杉本 幹生
(73)【特許権者】
【識別番号】303056140
【氏名又は名称】杉本 至健
(73)【特許権者】
【識別番号】303056151
【氏名又は名称】杉本 慧子
(73)【特許権者】
【識別番号】305040732
【氏名又は名称】杉本 由起江
(74)【上記3名の代理人】
【識別番号】593035696
【氏名又は名称】杉本 幹生
(72)【発明者】
【氏名】杉本 幹生
【審査官】 木原 啓一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−135868(JP,A)
【文献】 特開2012−143743(JP,A)
【文献】 特開2014−069093(JP,A)
【文献】 特開2014−184385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 1/00−7/18;15/00−17/24
B02C 13/00−13/31;18/00−18/38
B22F 9/00−9/30
B22F 1/00−8/00
C22C 1/04−1/05;33/02
B24B 41/00−51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水液が流れ込む流入筒内の下流側に回転駆動源で回動する回転側固形物体、上流側に非回転側固形物体をそれぞれ備え、
前記流入筒内を流れる水液の水力で前記非回転側固形物体が前記回転側固形物体方向に移動して回転側固形物体と圧接状態で相対摩擦研磨するように構成されていることを特徴とする水液中粉体製造装置。
【請求項2】
水液中からポンプで汲み上げた水液の流路内の下流側に回転駆動源で回動する回転側固形物体、上流側に非回転側固形物体をそれぞれ備え、
前記流路内を流れる水液の水力で前記非回転側固形物体が前記回転側固形物体方向に移動して回転側固形物体と圧接状態で相対摩擦研磨するように構成されていることを特徴とする水液中粉体製造装置。
【請求項3】
水中ポンプにおける揚水羽根の外周を囲う状態で備えた流入筒内に、揚水羽根と一体に回転する回転側固形物体と、揚水羽根の回転による流入筒内に吸い込まれる水液の水力で回転側固形物体方向に移動して回転側固形物体と圧接状態で相対摩擦研磨させる非回転側固形物体を備えることを特徴とする水液中粉体製造装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の水液中粉体製造装置において、
前記回転側固形物体と非回転側固形物体のいずれか一方が研磨材であることを特徴とする水液中粉体製造装置。
【請求項5】
請求項4記載の水液中粉体製造装置において、
前記回転側固形物体が研磨材であることを特徴とする水液中粉体製造装置。
【請求項6】
請求項4記載の水液中粉体製造装置において、
前記非回転側固形物体が研磨材であることを特徴とする水液中粉体製造装置。
【請求項7】
水液が流れ込む流入筒内の下流側に回転駆動源で回動する回転側固形物体、上流側に非回転側固形物体をそれぞれ備え、
前記非回転側固形物体を前記流入筒内を流れる水液の水力で前記回転側固形物体方向に移動して回転側固形物体と圧接状態で相対摩擦研磨させることで水液中で回転側固形物体と非回転側固形物体の両方又はいずれか一方を磨耗させて粉体化するようにしたことを特徴とする水液中粉体製造方法。
【請求項8】
水中ポンプにおける揚水羽根の外周を囲う状態で備えた吸入筒内に、揚水羽根と一体に回転する回転側固形物体と、揚水羽根の回転による吸入筒内に吸い込まれる水液の圧力で回転側固形物体方向に移動して回転側固形物体と圧接して相対摩擦研磨させる非回転側固形物体を備え、回転側固形物体と非回転側固形物体とを圧接状態で相対回転させることで水液中で回転側固形物体と非回転側固形物体の両方又はいずれか一方を磨耗させて粉体化するようにしたことを特徴とする水液中粉体製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形物体同士を水液中で圧力を印加した状態で相対摩擦研磨させることで両固形物体又はいずれか一方の固形物体を磨耗させて粉体を製造する水液中粉体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固形物体同士を空気中で圧力を印加した状態で相対摩擦研磨させることで両固形物体を磨耗させて粉体化する技術が知られている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-263109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術にあっては、固形物体同士を空気中で相対摩擦研磨させることで摩擦研磨熱が発生するため、粉体化される固形物体の材質によっては製造された粉体が変質や爆発する恐れがあるという問題がある。
また、固形物体同士に圧力を印加する手段としてスプリングが用いられているため、固形物体が磨耗すると次第に印加圧力が減少し、粉体の製品精度にばらつきが生じるという問題がある。
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、製造される粉体が変質や爆発(粉塵爆発)する恐れがなく、かつ、粉体の製品精度を均一化して拡散することができる水液中粉体製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1記載の水液中粉体製造装置は、水液が流れ込む流入筒内の下流側に回転駆動源で回動する回転側固形物体、上流側に非回転側固形物体をそれぞれ備え、
前記流入筒内を流れる水液の水力で前記非回転側固形物体が前記回転側固形物体方向に移動して回転側固形物体と圧接状態で相対摩擦研磨するように構成されていることを特徴とする手段とした。
【0007】
また、請求項2記載の水液中粉体製造装置は、水液中からポンプで汲み上げた水液の流路内の下流側に回転駆動源で回動する回転側固形物体、上流側に非回転側固形物体をそれぞれ備え、
前記流路内を流れる水液の水力で前記非回転側固形物体が前記回転側固形物体方向に移動して回転側固形物体と圧接状態で相対摩擦研磨するように構成されていることを特徴とする手段とした。
【0008】
また、請求項3記載の水液中粉体製造装置は、水中ポンプにおける揚水羽根の外周を囲う状態で備えた流入筒内に、揚水羽根と一体に回転する回転側固形物体と、揚水羽根の回転による流入筒内に吸い込まれる水液の水力で回転側固形物体方向に移動して回転側固形物体と圧接状態で相対摩擦研磨させる非回転側固形物体を備えることを特徴とする手段とした。
【0009】
また、請求項4記載の水液中粉体製造装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水液中粉体製造装置において、
前記回転側固形物体と非回転側固形物体のいずれか一方が研磨材であることを特徴とする手段とした。
【0010】
また、請求項5記載の水液中粉体製造装置は、請求項4記載の水液中粉体製造装置において、
前記回転側固形物体が研磨材であることを特徴とする手段とした。
【0011】
また、請求項6記載の水液中粉体製造装置は、請求項4記載の水液中粉体製造装置において、
前記非回転側固形物体が研磨材であることを特徴とする手段とした。
【0012】
また、請求項7記載の水液中粉体製造方法は、水液が流れ込む流入筒内の下流側に回転駆動源で回動する回転側固形物体、上流側に非回転側固形物体をそれぞれ備え、
前記非回転側固形物体を前記流入筒内を流れる水液の水力で前記回転側固形物体方向に移動して回転側固形物体と圧接状態で相対摩擦研磨させることで水液中で回転側固形物体と非回転側固形物体の両方又はいずれか一方を磨耗させて粉体化するようにしたことを特徴とする手段とした。
【0013】
また、請求項8記載の水液中粉体製造方法は、水中ポンプにおける揚水羽根の外周を囲う状態で備えた吸入筒内に、揚水羽根と一体に回転する回転側固形物体と、揚水羽根の回転による吸入筒内に吸い込まれる水液の圧力で回転側固形物体方向に移動して回転側固形物体と圧接して相対摩擦研磨させる非回転側固形物体を備え、回転側固形物体と非回転側固形物体とを圧接状態で相対回転させることで水液中で回転側固形物体と非回転側固形物体の両方又はいずれか一方を磨耗させて粉体化するようにしたことを特徴とする手段とした。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の水液中粉体製造装置では、上述のように、水液が流れ込む流入筒内の下流側に回転駆動源で回動する回転側固形物体、上流側に非回転側固形物体をそれぞれ備え、流入筒内を流れる水の水力で非回転側固形物体が回転側固形物体方向に移動して回転側固形物体と圧接状態で相対摩擦研磨するように構成されるため、この回転側固形物体と非回転側固形物体の相対摩擦研磨による磨耗によって製造される粉体は、水液中で製造されるため、爆発(粉塵爆発)を生じさせることなく安全に製造することができるようになるという効果が得られる。
また、流れる液体の冷却効果で冷却されるため、粉体の変質が抑えられるようになる。
また、製造された粉体を水液中に直接連続的に放出させることができるようになる。
【0016】
また、回転側固形物体と非回転側固形物体の圧接力が変動することがないため、粉体の製品精度を均一化することができるようになるという効果が得られる。
【0017】
請求項2記載の水液中粉体製造装置では、上述のように、水中ポンプにおける揚水羽根の外周を囲う状態で備えた流入筒内に、揚水羽根と一体に回転する回転側固形物体と、揚水羽根の回転による流入筒内に吸い込まれる水の水力で回転側固形物体方向に移動して回転側固形物体と圧接状態で相対摩擦研磨させる非回転側固形物体を備えた構成とすることで、この回転側固形物体と非回転側固形物体の相対摩擦研磨による磨耗によって製造される粉体は、水液中で製造されるため、爆発(粉塵爆発)を生じさせることなく安全に製造することができるようになるという効果が得られる。
また、流れる液体の冷却効果で冷却されるため、粉体の変質が抑えられるようになる。
また、製造された粉体を水液中に直接連続的に放出させることができるようになる。
【0018】
また、回転側固形物体と非回転側固形物体の圧接力が変動することがないため、粉体の製品精度を均一化することができるようになるという効果が得られる。
また、水中ポンプと一体化されたものであるため、水の流れがない全ての水液中で利用することができるという効果が得られる。
【0019】
請求項3記載の水液中粉体製造装置では、上述のように、回転側固形物体と非回転側固形物体のいずれか一方を研磨材で構成することで、粉体の製造効率を高めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施例1の水液中粉体製造装置を示す全体斜視図である。
図2】実施例1の水液中粉体製造装置の要部を示す一部切欠斜視図である。
図3】実施例1の水液中粉体製造装置の作用前の状態を示す説明図である。
図4】実施例1の水液中粉体製造装置の作用状態を示す説明図である。
図5】実施例2の水液中粉体製造装置の作用状態を示す説明図である。
図6】実施例3の水液中粉体製造装置を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0022】
まず、この実施例1の水液中粉体製造装置を図面に基づいて説明する。
この水液中粉体製造装置は、図1〜4に示すように、水中ポンプ1における揚水羽根11の外周を囲う状態で備えた流入筒12内に、揚水羽根11と一体に回転する回転側固形物体2と、揚水羽根11の回転による流入筒12内に吸い込まれる水の水力で回転側固形物体2方向に移動して回転側固形物体2と圧接状態で相対摩擦研磨させる非回転側固形物体3を備えている。
【0023】
さらに詳述すると、前記水中ポンプ1は、ケーシング13内に図示を省略したモーターを備え、このモーターの回転で揚水羽根11を回転させ、流入筒12の下端吸入口から水を吸引し、吐出口14から水液中や他の場所へ流出させるようになっている。
【0024】
前記回転側固形物体2は、流入筒12内において揚水羽根11の下方において揚水羽根11と一体に回転するように、モーターの回転軸又は揚水羽根11に連結されている。
【0025】
また、流入筒12内の下方には、流入筒12の内周面との間に流水路41を形成した五角形の固定プレート4を備え、この固定プレート4には、流入筒12の内周面に沿って回転側固形物体2に向かう5本の案内ガイド支柱42が設けられている。
そして、この案内ガイド支柱42には、案内ガイド支柱42に沿って回転側固形物体2に向かって移動する移動プレート5を備え、この移動プレート5に非回転側固形物体3が取り付けられている。なお、この移動プレート5の外周面と流入筒12の内周面との間には流水路51を形成する環状隙間が形成されている。
【0026】
回転側固形物体2及び又は非回転側固形物体3の素材としては、純金属や合金金属や2種材混在金属などの金属材の他、セラミックス材、石材、炭素材、砥石、ヤスリ、木材、焼成貝殻、竹材、混合加工物、プラスチック、天然鉱石、植物、その他全ての固形素材が用いられる。
また、回転側固形物体2及び又は非回転側固形物体3の素材の組み合わせとして、同種又は異種のいずれの組み合わせであってもよい。さらに、回転側固形物体2と非回転側固形物体3の素材を転換してもよい。
【0027】
次に、この実施例1の作用・効果を説明する。
この実施例1の水液中粉体製造装置では、上述のように、水中ポンプ1における揚水羽根11の外周を囲う状態で備えた流入筒12内に、揚水羽根11と一体に回転する回転側固形物体2と、揚水羽根11の回転による流入筒12内に吸い込まれる水の水力で回転側固形物体2方向に移動して回転側固形物体2と圧接状態で相対摩擦研磨させる非回転側固形物体3を備えた構成とすることで、この回転側固形物体2と非回転側固形物体3の相対摩擦研磨による磨耗によって製造される粉体は、水液中で製造されるため、爆発(粉塵爆発)を生じさせることなく安全に製造することができるようになるという効果が得られる。
また、流れる液体の冷却効果で冷却されるため、粉体の変質が抑えられるようになる。
【0028】
また、製造された粉体を水液中に直接連続的に放出拡散させることができるようになる。
【0029】
また、回転側固形物体2及び又は非回転側固形物体3として、金属材と炭素材の組合せ、あるいは金属粉末と炭素粉末材を調整混合したのち焼結固形化したものなどを用いることで、炭素と金属との高速摺動では金属の電子放出現象(クラマー効果)が起こり、例えば、金属材として鉄材を使用すると新表面の露出と電位差も伴って水液中に鉄イオン等の金属イオンを連続的に溶出させることができ、これにより以下に列挙する効果が得られる。
すなわち、金属イオンの発生により、水液中に溶存する物質や水及び化学液とイオンを結合させ、直接化合物を創ることができるようになる。
また、ナノ粒子生成で色付けをすることができるようになる。
また、水液及び水液に溶存する化学物質と錯反応及び結合反応、殺菌作用や不純物の凝集効果他など、金属イオンの作用効果を容易に起こすことができるようになる。
なお、水液とは、汎用の液全般であり、海水、淡水、化学希釈水液、純水、工業排水、産業排水などを示す。この水液を処理することにより、海でも河川でも湖池でも自然水域に放出することもできる。
【0030】
また、回転側9形物体と非回転側固形物体の圧接力が変動することがないため、粉体の製品精度を均一化することができるようになるという効果が得られる。
【0031】
また、水中ポンプと一体化されたものであるため、流れがない全ての水液中で利用することができるという効果が得られる。
【0032】
また、回転側固形物体2と非回転側固形物体3のいずれか一方に砥石やヤスリ等の研磨研削材を用いることで、微粒子、粉体の製造効率を高めることができるようになる。
【0033】
次に、他の実施例について説明する。この他の実施例の説明にあたっては、前記実施例1と同様の構成部分については説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【実施例2】
【0034】
この実施例2は、実施例1における水液中粉体製造装置の変形例を示すものであり、図5に示すように、水中ポンプ1における揚水羽根11の外周を囲う状態で備えた吸入筒12内に、揚水羽根11と一体に回転する回転側固形物体2を備え、吸入筒12内の上流側と回転側固形物体2の下流側にメッシュなどのストレーナー10、10を備え、吸入筒12内の両ストレーナー10、10間に複数の被研磨粉体材(ターゲット材)9を収容し、吸入筒12内に吸い込まれる水液の勢いで被研磨粉体材9を乱舞させることにより、被研磨粉体材9を回転側固形物体2に衝突させ及び被研磨粉体材9どうしの衝突を起こして水液中で被研磨粉体材9又は被研磨粉体材9と回転側固形物体2両方を磨耗させて粉体化するようにしたものである。
【0035】
従って、この実施例2では、実施例1とほぼ同様の効果が得られる。
【実施例3】
【0036】
この実施例3は、実施例1における水液中粉体製造装置の変形例を示すものであり、図6に示すように、水液中からポンプ6で汲み上げた水液の流路7内の下流側にモーター等の回転駆動源8で回動する回転側固形物体2、上流側に非回転側固形物体3をそれぞれ備え、前記流路7内を流れる水の水力で前記非回転側固形物体3が前記回転側固形物体2方向に非回転状態で移動して回転側固形物体2と圧接状態で相対摩擦研磨するように構成されたものである。
【0037】
すなわち、上述の実施例1では、水中ポンプを改造したような構造で、必要機構機能を加え挿入した形態であり、全体を水中に存置して稼動する。この場合は、水流水をつくるポンプ機能は吸引水流となる揚水羽根11を回転する回転動力部(モーター)の軸、その軸と同軸に研磨研削機能部材(回転側固形物体2)を備えた構造とした。
【0038】
上記実施例1に対し、実施例3では、水流水力をつくり出すポンプ機能部(図6では吸い上げポンプ6)と、回転して研磨研削機能を持たせた回転動力部(回転駆動源8)とを直管路(流路7)の左右等に分離したもので、その時のポンプ機能部(図6では吸い上げポンプ6)のポンプ水流押し込み水を使用する。
この時、丸パイプ角パイプなど形状不問の直管パイプ(流路7)にポンプ機能部(図6では吸い上げポンプ6)と回転動力部(モーター)とを左と右にセパレートさせ、その間に被研磨研削材(非回転側固形物体3)となるターゲット材が水流水力により押されて可動する状態で備わり、装置稼動時、研磨研削機能部材と被研磨研削機能部材とが当接摺動し合う。なお、ポンプは、水液を汲み上げるもの水中ポンプなど全て使用可とする。
【0039】
なお、回転動力部(回転駆動源8)の研磨研削機能部材と水流水力で直管(流路7)内を移動する被研磨研削機能部材とは入れ替えて備えることも可能である。
また、研磨研削機能部材と被研磨研削機能部材とは、固体固形であれば同種異種を問わず自由な組み合わせができる。しかも、研磨研削部材も被研磨研削部材も同時にターゲット材でも可の場合も存在する。
また、水等水液を、微粒子懸濁機能液(懸濁着色液、導電性液、殺菌機能液、金属イオン溶出液、複合化合物液、その他)とすることができる。
なお、図6では、水中に放出する場合を示したが、大気に放出するようにしてもよい。
さらに、吸い込み口にはろ過のためにストレーナーとして被研磨粉体材と同一素地を用いることができる。
【0040】
従って、この実施例3では、実施例1とほぼ同様の効果が得られる他に、ポンプ機能部(図6では吸い上げポンプ6)も回転動力部(回転駆動源8)も水液から切り離した装置とすることができるので、水全般および水液の性状や化学的液質を問わず耐久性の向上とメンテナンスの容易化が可能になるという効果が得られる。
また、流路7の途中に空気他気体を水液に加えることができたり、水液に他の化学物質を添加できる部分を備えることも可能となる。
【0041】
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【0042】
例えば、実施例では、水液の流れを作るために水中ポンプや吸い上げポンプを用いたが、水液が流れる流路内の下流側にモーター等の回転駆動源で回転する回転側固形物体と、上流側に水流で回転側固形物体方向に非回転状態で移動して回転側固形物体と圧接して摩擦研磨する非固定側固形物体を備えることで、同様の効果を得ることができるとともに、構成の簡略化が可能になる。
さらに、水路7に高低差などによる水流水力がある場合は、ポンプ機能部(吸い上げポンプ6)の水流発生力及び又は回転動力部(回転駆動源8)による回転駆動源に変えることができる。
【0043】
また、実施例1において、実施例2と同様に、吸入筒12内の上流側と回転側固形物体2の下流側にメッシュなどのストレーナー10、10を備え、吸入筒12内の両ストレーナー10、10間に複数の被研磨粉体材(ターゲット材)9を収容し、吸入筒12内に吸い込まれる水液の勢いで被研磨粉体材9を乱舞させることにより、被研磨粉体材9を回転側固形物体2に衝突させ及び被研磨粉体材9どうしの衝突を起こして水液中で被研磨粉体材9又は被研磨粉体材9と回転側固形物体2と非回転側固形物体3全て磨耗させて粉体化するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 水中ポンプ
11 揚水羽根
12 吸入筒
13 ケーシング
14 吐出口
2 回転側固形物体
3 非回転側固形物体
4 固定プレート
41 流水路
42 案内ガイド支柱
5 移動プレート
51 流水路
6 吸い上げポンプ
7 流路
8 回転駆動源
9 被研磨粉体材(ターゲット材)
10 ストレーナ

図1
図2
図3
図4
図5
図6