【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にしたがって、この目的は、結合親和性の検出に用いる装置によって、達成される。この装置は、基板上に配置された平面導波路を備え、所定波長のコヒーレント光を前記平面導波路内に結合するための光カプラーをさらに備え、前記平面導波路の外表面に沿って伝播する該コヒーレント光のエバネッセント場を伴って該コヒーレント光が前記平面導波路を通って伝播するよう構成されている。前記平面導波路の外表面は、その上に結合サイトを備え、当該結合サイトには、対象試料を結合可能であり、前記結合サイトに結合された対象試料によって前記エバネッセント場の光を散乱させるよう構成されている。前記結合サイトは複数の所定の線に沿って配置され、当該線は、前記結合サイトに結合された前記対象試料により散乱させた光が所定の検出域において当該光の所定波長の整数倍の光路差で干渉するように配置されている。
【0008】
本発明による結合親和性の検出は、対象試料の特定の種類に限定されるものではなく、結合サイトの任意の種類に限定されるものでもなく、分子、タンパク質、DNAなどの結合特性が、平面導波路上の任意の種類の結合サイトについて分析可能である。結合親和性の検出は、ラベルを使用しない方法で達成可能である。代替的に、光を強力に散乱させる散乱エンハンサー(たとえば、散乱ラベル)を使用して、検出感度を高めることができる。そのような散乱エンハンサーとしては、ナノ粒子(単独でまたはバインダーとともに)あるいは、他の例としては、コロイド粒子を使用することができる。分析対象とする結合特性としては、静的なタイプ(たとえば、対象試料が結合サイトに結合しているか、していないかを分析することができる)、または、動的なタイプ(たとえば、結合プロセスの経時的な動態を分析することができる)とすることができる。結合サイトとは、対象試料が結合するかもしれない平面導波路の外表面上の場所である。たとえば、結合サイトは、平面導波路の外表面上に固定化された捕獲分子を含むものであってもよく、単に、対象試料を結合させることができる平面導波路の外表面上の活性化された場所を含んでいるのでもよく、平面導波路の外表面上の所望の場所に対象試料を結合するのに適した他の任意の方法で構成してもよい。複数の所定の線は、個々に分離した線を含むものであってもよく、個々の線が1本の線を形成するように連結された線のパターン、たとえば、蛇行する一本の線のパターンを含むものであってもよい。結合サイトがそれらに沿って配置される隣接する所定の線の間の距離は、光の所定波長を基準にして選択される。隣接する所定の線間の好ましい距離は、100nmを超えるオーダーである。標準的な光学手段により散乱させた光が検出できるためには、平面導波路に可視光を使用する場合、隣接する所定の線の間の距離は、約100nmから約1000nmの範囲が好ましい。また、平面型光学導波路は、エバネッセント場の浸透深度が小さく、そのエバネッセント場を伝播するコヒーレント光の割合が高くなるように、平面導波路の外表面上の媒質に対する屈折率が高いことが望ましい。たとえば、平面導波路の屈折率は、1.6から2.5の範囲とすることができ、そのときの平面導波路の表面の媒質の屈折率は、通常、1から1.5の範囲である。例を挙げると、結合サイトは、平面導波路の外表面上で固定化されている捕獲分子を含むものとすることができる。固定化された捕獲分子は、それに結合された対象試料とともに、エバネッセント場のコヒーレント光を散乱させる複数の散乱中心を形成する。平面導波路に沿って伝播するコヒーレント光は、所定波長を有し、好ましくは単色光(理想的には単一の波長)である。平面導波路の表面に沿って伝播するエバネッセント場の光は、平面導波路内を伝播するコヒーレント光がそうであるようにコヒーレントなので、エバネッセント場のコヒーレント光は、異なる所定の線上に配置された捕獲分子によって(より一般的には、結合サイトに結合された対象試料によって)形成される散乱中心によってコヒーレントに散乱させられている。任意の場所の散乱させられた光は、個々の散乱中心のそれぞれからの貢献を加えることにより測定することができる。所定の検出域では、異なる散乱中心により散乱させた光の光路長が光の波長の整数倍だけ異なるように、所定の線が配置されているので、散乱させた光の最大のものが所定の検出域に配置される。検出域における最大の信号に対して、光カプラーから所定の線まで、そして、そこから所定の検出域までの光の光路長も、所定波長の整数倍である。したがって、結合サイトに結合された対象試料によって散乱させた光は、所定の検出域で干渉する。強め合う干渉の要件がいずれかの散乱された光によって満たされ、検出域の検出可能な信号にその光が加わる。所定の検出域には、特に形状の限定はなく、たとえば、点状であっても、細長い帯状であってもよい。「所定の線に沿った」結合サイトの配置とは、すべての結合サイトが精確に所定の線上に配置される最も理想的な場合を表している。結合サイトのそのような最も理想的な配置によって、検出域で最大の信号が得られることになる。当該技術分野における熟練技術者にとって、実用上、結合サイトの配置は、そのような最も理想的な配置からある程度ずれてもよいことは明らかである。たとえば、ずれは、詳細を後述するように、平面導波路の外表面上の結合サイトに配置する方法が原因となって生ずるものかもしれない。
【0009】
本発明による装置の一態様によれば、隣接する所定の線の間の距離が前記エバネッセント場の光の伝播の方向に減少する。一般に、エバネッセント場の散乱させた光が所定の検出域で干渉する角度は、所定の線に沿って配置されたさまざまな散乱中心(結合サイトに結合された対象試料)ごとに異なっている。所定の検出域では、散乱させた光は最大に干渉するので、様々な散乱中心から散乱される光の光路差は、光の波長の整数倍でなければならない。隣接する所定の線の間の距離の減少は、この事実を考慮し、光を、所定の検出域で最大に干渉させる。この所定の検出域は必ずしも点状や小さなスポット状である必要はなく、細長い帯状や、任意の他の所望形状であってもよい。
【0010】
本発明による装置のさらなる態様によれば、前記結合サイトが配置された前記複数の所定の線は曲線を含む。これらの線の曲率は、これらの所定の線に沿って配置された前記結合サイトに結合された前記対象試料により散乱させた前記エバネッセント場の光が検出域で最大に干渉するように設定されている。検出域は、好ましくは点(ポイント)状である。個々の所定の線はそれぞれが他の所定の線と異なる曲率を有するものであってもよい。実施の上では、検出域は点ではなく、小さなスポットまたは前記結合サイトが配置される所定の線の長さよりも短い長さの細長い帯状であってもよい。個々の湾曲した所定の線の曲率は、光カプラーから個々の所定の線に、そしてそこから所定の検出域に伝播する光の光路長が曲線全体に対する伝播する光の所定波長の整数倍となるように選択される。このことは、所定の線の外側のセクション上に配置された散乱中心によって散乱させた光も、ポイント状(またはスポット状、細長い帯状)の空間的に縮小された領域における信号に寄与することになるという点で有利である。
【0011】
本発明による装置のさらなる態様によれば、複数の所定の線は、x
jy
j座標におけるそれらの位置が幾何学的に下記の式により定義されるように、平面導波路の外表面上に配置されている:
ここで、
λは、伝播する光の真空波長、
Nは、前記平面導波路の被嚮導モードの有効屈折率であり、Nは、前記平面導波路の厚みと屈折率、前記基板の屈折率、前記平面導波路の前記外表面上の媒質の屈折率、および前記被嚮導モードの偏光度に依存する、
n
Sは、前記基板の屈折率、
fは、前記基板の厚み、
A
0は、前記基板の屈折率n
Sと厚みfとの積を前記波長λで除算した値に近くなるよう選択された整数、
jは、前記線それぞれの指数を表す連続する整数
である。
【0012】
選択された整数A
0は、線の中心の負のxの値に、負のjの値を割り当て、線の中心の正のxの値に、正のjの値を割り当てる。あるいは、言い換えると、整数A
0は、平面導波路の外表面における線の配置に使用されるx、y座標の枠組みの原点を定義しており、選択されたA
0の値は検出域をx=0,y=0,z=−fにセットする。
【0013】
ここまですでに概要を説明したように、所定の検出域での信号強化のためには、複数の所定の線が、それらの所定の線に沿って配置された散乱中心が、隣接する所定の線の間の距離が狭くなる曲面のグリッド状の構造上に位置づけられるように、配置されるのが好ましい。そのように配置することで、光カプラーから個々の所定の線に伝播し、散乱中心によって所定の検出域に散乱させられた光に対する光路差が導波路内を伝播する光の所定波長の整数倍であるという条件を満足することになる。また、光カプラーから個々の所定の線へ、そしてそこから所定の検出域へと伝播する光の光路長は、曲線全体に対する伝播する光の所定波長の整数倍である。このように、結合サイトが平面導波路の表面上に配置される一方で、検出域を、平面導波路を保持する基板の底面に形成することができるのでコンパクトな装置を形成することが可能である。
【0014】
結合サイトをどのように複数の所定の線に沿って配置することができるかに関して、2つの実施形態が特に想定されている。第1の実施形態によれば、結合サイトは、所定の線のみに沿って平面導波路の表面に付着した捕獲分子を含む。これらの捕獲分子は、対象試料を結合可能であり、平面導波路の外表面上に固定化される(もっとも、上述のように、結合サイトは、平面導波路自体の活性化された表面によって形成することが可能である)。捕獲分子を平面導波路の外表面上に所定の線に沿って固定化することは、一般に、任意の適切な方法によって実現可能であり、たとえば、曲線とともにリソグラフィックマスクを使用したフォトリソグラフィック法を用いて実行してもよい。言うまでもなく、所定の線に沿って結合サイトを配置することは、本発明のすべての実施形態において、結合サイトの大多数が―本実施形態では捕獲分子が―所定の線に沿って配置されているとともに一部の結合サイトはそれらとは異なる場所に配置されていることを明示的に含むものであると理解されるべきである。
【0015】
第2の実施形態によれば、結合サイトは、ここでも、対象試料を結合することができる捕獲分子を含んでおり、このことは、特定の種類の結合サイトまたは特定の種類の対象試料に限定するものではない。捕獲分子は、同様に、対象試料を結合することができる。しかし、所定の線に沿って対象試料を結合することができる捕獲分子を配置することは、平面導波路の(全)面の対象試料を結合することができる捕獲分子を供給して固定化することによって、そして、続けて、所定の線に沿って配置されていない捕獲分子については不活性化することによってなされる。この文脈での「不活性化」という用語は、対象試料を結合することができなくなる状態を実現するために捕獲分子の結合能力を(たとえば、捕獲分子を所定時間露光することによって)改変するための任意の適切な方法を示している。本発明のこの実施形態によれば、捕獲分子は、平面導波路の外表面上に均一にあるいは統計的に、塗布することができる。所定の線の間に配置された捕獲分子の不活性化後、所定の線に沿って配置された捕獲分子(これらは不活性化されていない)のみが対象試料を結合することができる。しかしながら、不活性化された捕獲分子は、平面導波路の外表面上に固定化されたままである。
【0016】
この実施形態には、捕獲分子に結合された対象分子により散乱された光によって生成する信号の、検出域における信号全体に対する寄与が増すという追加の利点がある。一般に、捕獲分子に結合された対象分子によって散乱された光の信号と対象分子が結合されていない捕獲分子によって散乱された光の信号との間の差は捕獲分子だけで散乱された光に比べると小さい。所定の線に沿って配置された(不活性化されていない)捕獲分子の散乱特性と所定の線の間に配置された不活性化された捕獲分子の散乱特性とが同一であると仮定し、さらに、平面導波路の外表面を覆って捕獲分子が均一に分布していると仮定すると、理想的には、捕獲分子が平面導波路の外表面上で固定化された後であって、かつ、所定の線の間に配置された捕獲分子が不活性化された後において、検出域で信号が生成されることはない。しかし、実際には、捕獲分子の不活性化は、捕獲分子の散乱特性をわずかに変化させるので、所定の線の間に配置された捕獲分子のすべてを不活性化することは、理想的ではないかもしれない。そのかわり、不活性化されるのは、所定の線の間に配置された捕獲分子の大部分すぎないこととしてもよい。捕獲分子の不活性化は、所定の線に沿って配置された捕獲分子によって生ずる信号と所定の線の間に配置された不活性化された捕獲分子および少数の不活性化されていない捕獲分子によって生ずる信号とを含む、検出域の信号全体が最小となる、そして好ましくはゼロとなるような程度で実行される。そのように検出域で得られた信号がゼロまで小さくすることができると仮定すると、対象試料を加えた後には、検出域で生成される信号が、捕獲分子に結合された対象試料からだけ得られることを意味する。捕獲分子に結合されている対象試料がない場合には、検出域における信号はゼロのままである。これによって、検出域で捕獲分子に結合された対象分子により散乱される光によって発生する信号に対する検出器の感度が向上する。
【0017】
本発明による装置のさらなる態様によれば、平面導波路は、基板の屈折率n
Sよりも実質的に高く、平面導波路の外表面上の媒質の屈折率n
medよりも実質的に高い屈折率n
Wを有し、光の所定波長に対してエバネッセント場が40nmから200nmの範囲の浸透深度を有するよう構成されている。「実質的に高い」という用語は、光が全反射で伝播する平面導波路内への光の内部結合を可能にする屈折率の差を指すものとして理解されるべきである。平面導波路に沿って伝播する光は、平面導波路の外表面に沿って伝播するエバネッセント場を有する。当該エバネッセント場は、屈折率n
med、被嚮導モードの有効屈折率Nに依存するとともに伝播する光の波長にも依存する浸透深度を有し、エバネッセント場の光が外表面上の所定の線上(あるいは所定の線に近接して)配置された結合サイトに結合された対象試料によってコヒーレントに散乱されるように構成することができる。前記浸透深度のおおよその値は、その正確な境界値を明示的に含むものであると理解されるべきである。
【0018】
本発明による装置のさらなる態様によれば、前記装置は、平面導波路を通って伝播した光を外部に結合するさらなる光カプラーを備える。光を平面導波路内に結合する光カプラーと平面導波路を通って伝播した光を外部に結合するさらなる光カプラーとはともに、平面導波路の内部または外部に前記光をコヒーレントに結合する光学回折格子を有する。前記光カプラーおよびさらなる光カプラーは、それぞれ所定の内部結合(in-coupling)角度ないし外部結合(out-coupling)角度で平面導波路の内部および外部に光をコヒーレントに結合するための光学回折格子を有する。内部結合角度や外部結合角度は、光の波長および光カプラーの特性によって決定される。しかし、本発明の範囲内で、数ナノメートルから数百ナノメートルの範囲の厚みの平面導波路の内部および外部に光を結合するために適した他の任意の手段によって光を平面導波路の内部および外部に結合させることもできる。ほんの一例を挙げるなら、代替的光カプラーは、光学プリズムであってもよい。
【0019】
本発明の装置のさらなる態様によれば、平面導波路は、当該平面導波路を通る光の伝播方向に対して当該平面導波路の互いに反対側の端部に配置された第1端部セクションおよび第2端部セクションを有する。第1端部セクションおよび第2端部セクションは、それぞれ平面導波路を通って伝播する光の波長で吸収性を有する材料を含んでいる。吸収性を有する材料は、平面導波路に沿って伝播しそれぞれの端部セクションに向かい、平面導波路内に戻る光の反射を最少化する。これにより、平面導波路の両端部から反射していたかもしれない光がなくなり、あるいは少なくとも大幅に最少化されるので、検出信号が向上する。
【0020】
本発明による装置のさらなる態様によれば、複数の測定ゾーンが、平面導波路の外表面上に配置される。各測定ゾーンには、結合サイトが複数の所定の線に沿って配置されている。高スループットの選別のために、異なる種類の結合サイトおよび対象試料に対して、結合サイトに結合されたそれぞれの対象試料を別個の測定ゾーンに配置することによって、試料の結合親和性の同時検出が実現可能である。各測定ゾーンには、エバネッセント場の散乱された光を別々に検出可能になるように対応する個別検出域がある。
【0021】
本発明による装置のさらなる態様によれば、前記複数の測定ゾーンは、異なるサイズの測定ゾーンを含んでいる。測定ゾーンのすべてのサイズは、既知である。それぞれの検出域では、同じ種類の対象試料が同じタイプの結合サイトに結合される測定ゾーンの中で対応する異なるサイズを有する測定ゾーンで散乱される光が比較可能である。検出域における散乱光の強度は、導波路の平面上のそれぞれの測定ゾーンにある散乱中心の数に対して二次相関を有する。このように、異なるサイズの測定ゾーン内の散乱中心の均一な分布および面密度のために、異なるサイズの対応する測定ゾーンのそれぞれの検出域における散乱光の強度は、それぞれの測定ゾーンのサイズに対して二次相関を有する。したがって、異なるサイズの測定ゾーンの検出域における散乱光の強度は、測定された強度が本当に所定の線上に配置された散乱中心により散乱された光を表していることを確認するために用いることができる。
【0022】
本発明の一態様によれば、各測定ゾーンは、面積が25μm
2より大きく、前記複数の所定の線は、隣接する所定の線の間の距離が1.5μm未満、特に、1μm未満である。このことによって、多数の測定ゾーン、すなわち、1平方センチメートル当たり1000,10000,100000,・・・,4×10
6個の測定ゾーンを備える高度に統合された装置が実現可能となる。
【0023】
好ましくは、結合サイトは、単一の測定ゾーン内において少なくとも2本の複数の所定の線に沿って配置されている。当該2本の複数の所定の線は、それぞれが、それぞれの複数の所定の線に沿って配置された結合サイトに結合されている対象試料によって散乱させた光が、各複数の所定の線に対して、個別の検出域で、光の所定波長の整数倍の光路差で干渉するよう配置されている。個別の検出域は互いに空間的に離間している。空間的に離間した個別の検出域を形成するように配置された測定ゾーン内の2本以上の複数の所定の線によって、結合イベントの検出(たとえば、協同的結合の検出や、反応カスケードの検出)のための追加の方法を実行することが可能となる。
【0024】
本発明による装置の他の態様によれば、装置は、開口を有する隔膜を備え、それらは、検出域における光が当該開口を通過可能で、前記検出域とは異なる位置における光が前記隔膜で遮断されるように配置されている。機械的隔膜および電子的隔膜が検出域に散乱される光以外のすべての光を見えなくするよう構成することができる。好ましくは、隔膜は、基板の平面導波路からは遠い側の外表面上に形成することができる。たとえば、不透明な材料、たとえばクロム層を基板の導波路からは遠い方の表面に塗布することができる。不透明なクロム層は、検出域に透明な開口を有し、それを通って検出域に散乱された光が透過可能で、開口に散乱しなかった残りの光は遮断される。
【0025】
本発明による装置のさらなる態様によれば、隔膜は、平面導波路を通って光が伝播する方向に見て、前記開口に隣接して配置された少なくとも一つのさらなる開口をさらに備えている。このさらなる開口は、当該さらなる開口に散乱されたインコヒーレント光がこのさらなる開口を通過できるように、前記開口に隣接配置されている。好ましくは、さらなる開口を有する隔膜を使用することにより、検出されたインコヒーレントなバックグラウンド光が、補正可能となる。さらなる開口は、それ自体は検出域でインコヒーレントなバックグラウンド光を検出するものではないが、検出域とは異なる位置のインコヒーレント光の測定値から検出域におけるインコヒーレント光の量の測定を可能にする。そのようにして測定された検出域におけるインコヒーレント光の量は、検出域の光と分離することはできないが、検出器で検出域における全体信号が測定されると、検出領域の全体信号から引き去ることができる。補正を向上させるために、伝播する光の方向に対して、検出域の前方に第1のさらなる開口が配置され、検出域の後方に第2のさらなる開口が配置される。そのような構成によって、検出域における信号の補正のために検出域におけるインコヒーレント光に対する平均値を検出することが可能になる。
【0026】
本発明のもう一つの態様は、本発明にしたがって、結合親和性を検出するための装置を有する結合親和性を検出するためのシステムに関する。このシステムは、所定波長のコヒーレント光を発する光源をさらに有し、コヒーレント光が光カプラーを介して平面導波路内に結合されるように、前記光源および前記装置が相対配置されている。代替的に、当該システムは、光カプラーの正確な結合角度が装置によって異なる可能性があるため、走査および/または光カプラーに入射する光の角度の調整のための光学手段をさらに有する。代替的に、当該システム内の光源により出射される光の波長を調整することができる。これは、構造上の理由で光カプラーに入射する光の角度が固定されている場合に有利である。
【0027】
本発明によるシステムのさらに他の態様によれば、システムは、光学撮像ユニットをさらに有し、当該光学撮像ユニットは、装置の検出域の画像を生成するように焦点を合わせてある。光学撮像ユニットは、結合サイトに結合された対象試料により散乱された光が、当該光の所定波長の整数倍となる光路差で干渉する所定の検出域の画像を提供することができる。光学撮像ユニットは、検出域に存在する光を画像化して観察位置に供するために用いることができる。光学撮像ユニットは、検出域からの光と一つないし複数のさらなる開口からの光を(後者の光は、検出域に存在する光全体からインコヒーレントなバックグラウンド光を引き去るために使用可能なため)両方とも画像化するよう構成することができる。代替的または追加的に、光学撮像ユニットは、当該光学撮像ユニットの焦点を検出域に合わせることによって検出域における光のみを選択するために用いることができる。その場合、隔膜はもはや必要なくなる。
【0028】
本発明のもう一つの態様は、結合親和性を検出するための方法に関する。この方法は、
− 基板上に配置された平面導波路と光カプラーとを準備するステップと、
− 所定波長のコヒーレント光を、前記平面導波路の外表面に沿って伝播する該コヒーレント光のエバネッセント場を伴って、該コヒーレント光が前記平面導波路に沿って伝播するように、結合するステップと、
− 前記平面導波路の前記外表面上の複数の所定の線に沿って配置された結合サイトに、対象試料を付着させるステップと、
− 前記所定の線に沿って配置された前記結合サイトに結合された前記対象試料によって散乱させた前記エバネッセント場の光を、所定の検出域で検出するステップとを有し、前記結合サイトに結合された前記対象試料によって散乱させた前記光が、前記所定の検出域において、当該光の前記所定波長の整数倍となる光路差を有する。
【0029】
本発明のさらなる有利な態様は、以下の、添付の概略図面を参照しての本発明の実施形態の説明から明らかになる。