(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202406
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】強化コンクリート用の強化鉄筋を製造する方法
(51)【国際特許分類】
B21D 7/024 20060101AFI20170914BHJP
B21F 11/00 20060101ALI20170914BHJP
B21F 1/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
B21D7/024 C
B21D7/024 S
B21F11/00 Z
B21F1/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-8660(P2016-8660)
(22)【出願日】2016年1月20日
(62)【分割の表示】特願2013-521140(P2013-521140)の分割
【原出願日】2011年7月27日
(65)【公開番号】特開2016-93847(P2016-93847A)
(43)【公開日】2016年5月26日
【審査請求日】2016年2月17日
(31)【優先権主張番号】BO2010A000481
(32)【優先日】2010年7月28日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】513015588
【氏名又は名称】シュネル エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ルポリ,シモン
【審査官】
豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−208220(JP,A)
【文献】
特公平05−013011(JP,B2)
【文献】
特開平02−229623(JP,A)
【文献】
特開2007−237195(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01396296(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 7/024
B21F 1/00
B21F 11/00
B21D 43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
強化コンクリート用の強化鉄筋を製造する方法において、
前記方法は鉄筋(2)折り曲げ装置で実行され、前記鉄筋(2)折り曲げ装置は、鉄筋(2)を折り曲げる折り曲げヘッド(3)と、前記鉄筋(2)の前進方向(A)から見て前記折り曲げヘッド(3)の下流側に配置される補助延伸手段(7)と、前記折り曲げヘッド(3)の上流側に配置される切断手段(9)とを具備し、
前記折り曲げヘッド(3)は、前記鉄筋(2)と干渉しない非係合位置と作業面(10)から突出した作業位置の間を移動可能であり、1つの折り曲げピン(4)および2つのマンドレル(5)を有し、前記マンドレル(5)は1組の半月形状体(5a,5b)から構成され、
前記補助延伸手段(7)は、非係合位置と、前記作業面(10)のレベルにある第1作業位置と、前記作業面(10)から突出した第2作業位置の間を移動し、
前記方法は、
(a)前記折り曲げヘッド(3)と前記補助延伸手段(7)を、前記非係合位置に予め配置するステップと、
(b)前記非係合位置に配置された補助延伸手段(7)を超えるまで、所定の長さだけ鉄筋(2)を前進させるステップと、
(c)前記補助延伸手段(7)を前記鉄筋(2)と係合させる為に、前記第1作業位置に移動させるステップと、
(d)前記鉄筋(2)を切断するステップと、
(e)前記ステップ(d)で生成された鉄筋(2)の切断片を前記作業面(10)から離すために、前記折り曲げヘッド(3)と補助延伸手段(7)を、前記作業面(10)から突出した前記作業位置に移動させるステップと、
(f)前記補助延伸手段(7)を駆動して、前記進行方向(A)とは反対方向に、前記鉄筋(2)の切断片を前記折り曲げヘッド(3)に対し所定距離だけ戻すステップと、
(g)強化鉄筋(20)を生成する為に、前記折り曲げヘッド(3)により、前記鉄筋(2)の切断片を少なくとも1回折り曲げるステップと、
(h)前記(g)ステップに関連する適宜のステップにおいて、前記折り曲げヘッド(3)の上流側にある鉄筋(2)を折り曲げる為に、前記補助延伸手段(7)を前記鉄筋(2)と干渉しない非係合位置に移動させ、前記(g)ステップを完了するステップと、
(i)前記折り曲げヘッド(3)を前記非係合位置に移動させて、前記強化鉄筋(20)
を得るステップと、を有する
ことを特徴とする強化コンクリート用の強化鉄筋を製造する方法。
【請求項2】
前記(g)ステップは、
(g1)前記折り曲げヘッド(3)により、前記鉄筋(2)の切断片に対し1回目の折り曲げを実行するステップと、
(g2)前記鉄筋の切断片(2)を、前記供給方向(A)とは反対方向に更に移動させるために、前記補助延伸手段(7)を駆動するステップと、
(g3)前記折り曲げヘッド(3)により、前記鉄筋(2)の切断片の折り曲げを更に実行するステップと、を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記(g)ステップでは、
(g2)前記鉄筋(2)の切断片を、前記供給方向(A)とは反対方向に更に移動させ
るために、前記補助延伸手段(7)を駆動するステップと、
(g3)前記折り曲げヘッド(3)により、前記鉄筋(2)の切断片の折り曲げを、実
行するステップと、を有し、前記鉄筋(2)の折り曲げ回数と同数の回数だけ更に実行して強化鉄筋(20)を得ることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記補助延伸手段(7)の非係合位置は、前記鉄筋(2)折り曲げ装置の前記作業面(10)の下の位置である、ことを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強化コンクリート用の強化した鉄を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属製のあばら筋、一般的には強化コンクリート用の強化鉄(鉄筋)を製造するために、鉄筋折り曲げ装置と称する自動機械が用いられている。この鉄筋折り曲げ装置は、強化鉄筋を得るために金属線(鉄筋)を引き抜く手段と、強化鉄筋を成形するために、この金属線の一部を切断する手段と、所望の形状に金属線を折り曲げるための折り曲げヘッドとを具備する。
【0003】
この鉄筋折り曲げ装置を構成する工作装置は、鉄筋の供給軸に沿って順番に配置されている。この様な工作装置は、従来の実施例においては、作業線軸上に近接して配置されている。これにより折り曲げステップの間、鉄筋は、作業面から突出した工作装置の一部と接触する、例えば引き抜き装置と切断装置のハウジングと接触し、これにより鉄筋を理想の形成面から一部立ち上げてしまう。その結果、加工中の鉄筋は、好ましくない応力を受け、その結果、得られた強化鉄筋がひび割れる傾向にある。複数の強化鉄筋を同一面に形成するアプリケーションでも、上記の欠陥はあまり改善されない。
この様な欠陥は、大きな強化鉄筋を形成する場合、例えばU字型の強化鉄筋を生成する場合は、好ましくない応力を受けやすくなり、その結果、折り曲げステップの間の鉄筋の折り曲げ半径が大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ヨーロッパ特許第379043号明細書
【特許文献2】特許権第1242690号明細書
【特許文献3】ヨーロッパ特許第0865842号明細書
【0005】
鉄筋折り曲げ装置は、引き抜き補助手段を、鉄筋の供給方向に沿って折り曲げヘッドの下流側に配置し、切断後1本の強化鉄筋を成形する為に、鉄筋の一部を処理する。これに関しては、特許文献1を参照のこと。この様な鉄筋折り曲げ装置は、強化鉄筋の両端に折り曲げ部分を形成している。
【0006】
特許文献2も、、折り曲げヘッド上に鉄筋を移動させる為に、上記の引き抜き補助手段を、格納位置と、作業面レベルの作業位置と作業面から更に突出した位置との間を移動可能に配置する鉄筋折り曲げ装置を開示する。
【0007】
しかし上記のいずれの解決方法も、強化鉄筋を同一面上に形成する、特に大型の強化鉄筋を同一面上に形成する際に発生する問題を解決するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前記の課題を解決することである。本発明により、強化コンクリート用の強化鉄筋を最適に製造する方法が、特に鉄筋が同一平面で折り曲げられるような強化鉄筋を製造する方法が、提供できる。
【0009】
本発明の目的は、強化コンクリート用の強化鉄筋、特に大型の強化鉄筋を製造する方法を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、強化鉄筋を製造する方法を、簡単な構造で信頼性のある動作、機能及び割安の装置を用いて実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の機能は、本発明によれば、請求項1記載の強化コンクリート用の強化鉄筋を製造する方法で得られる。
【0012】
本発明によれば、強化コンクリート用の強化鉄筋を形成するために、鉄筋を所定長さの部分を切断し、そして作業面から離れた位置に、この鉄筋の切断部分を動かし、これにより、鉄筋の一部に対し、1回又は複数回の折り曲げステップを実行する。しかしこれらのステップの間中、この鉄筋は、作業面から突出した装置の一部とは干渉(接触)することはない。
【0013】
鉄筋の切断部分を動かすことは、鉄筋から突出した位置に、折り曲げヘッドと補助延伸手段を移動させるにより行われる。補助延伸手段は、折り曲げヘッドの下流側に配置されている。これにより鉄筋の同一の部分に係合できる。
【0014】
手動による本発明の方法は、前記の補助延伸手段を駆動して、鉄筋の切断部分を供給方向とは反対方向に所定距離移動させて、折り曲げヘッドで、鉄筋の切断部分を少なくとも1回折り曲げる。
【0015】
特に本発明の方法は、補助延伸手段を駆動するステップを繰り返して、鉄筋の先端部分を供給方向とは反対方向にシフトさせ、折り曲げヘッドで、鉄筋の切断部分に対し行われる折り曲げ箇所に等しい回数だけ折り曲げて、強化鉄筋を得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】強化コンクリート用の強化鉄筋を製造する鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図2】本発明の一実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図3】本発明の一実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図4】本発明の一実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図5】本発明の一実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図6】本発明の一実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図7】本発明の一実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図8】本発明の一実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図9】本発明の一実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図10】本発明の他の実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図11】本発明の他の実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図12】本発明の他の実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図13】本発明の他の実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図14】本発明の他の実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図15】本発明の更なる実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図16】本発明の更なる実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図17】本発明の更なる実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図18】本発明の更なる実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【
図19】本発明の更なる実施例の方法の連続する動作ステップにおける鉄筋折り曲げ装置の折り曲げ領域の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1−9において、鉄筋2を折り曲げる装置の折り曲げ領域を参照番号1で示す。鉄筋折り曲げ装置は折り曲げヘッド3を具備する。この折り曲げヘッド3は、作業面10の下に格納され切り離された開放位置(
図1)と、作業面10から突出した作業位置(
図2)との間を移動可能である。この折り曲げヘッド3は折り曲げピン4を具備する。折り曲げピン4は、作業面10に直立し、折り曲げヘッド3の回転軸とは同軸ではなく、折りめげヘッド3の回転軸を中心に回転するよう搭載される。折り曲げヘッド3は更にマンドレル5を具備する。このマンドレル5は、一組の半月形状体5a,5bにより構成される。この半月形状体5a,5bが、鉄筋2の供給方向の長手軸方向にチャネル6を規定する。半月形状体5a,5bは、両側から折り曲げるために上記した以外の形状も採りうる。半月形状体5a,5bは互いに勝手違いである。
【0018】
鉄筋2は、矢印Aの方向に沿って、折り曲げヘッド3に、鉄筋の延伸手段(図示せず)を介して供給される。この様な延伸手段は、保護ハウジング11内に収納されている。この保護ハウジング11は、作業面10から突出し、折り曲げヘッド3の上流側に配置される。
【0019】
鉄筋2の供給方向Aに沿って、折り曲げヘッド3の下流側に補助延伸手段7が具備される。この補助延伸手段7は、折り曲げヘッド3の上流側にある延伸手段と整合している。この補助延伸手段7は、作業面10の下に位置する開放位置と、作業面10のレベルの第1作業位置と、作業面10から更に突出する第2作業位置との間を動く。補助延伸手段7は、反対方向に回転する一組の引き抜き回転車8から構成される。以下に説明するように、鉄筋2は、第1作業位置で補助延伸手段7に係合して、作業面10の上を動く。補助延伸手段7が、第2作業位置にシフトすると、鉄筋2は作業面10から離れることになる。
【0020】
折り曲げヘッド3の上流側でかつそれに隣接して、鉄筋2を切断する切断手段9が配置される。その一例は、固定と可動のブレードからなる切断装置である。
【0021】
強化コンクリート用の強化鉄筋を製造する方法を次に説明する。
【0022】
図1に示すように、強化鉄筋を製造する各サイクルの開始時点において、折り曲げヘッド3と補助延伸手段7は、作業面10の下に格納された非係合(開放)位置に配置される。あるいは、供給ステップの間、鉄筋とは干渉(接触)しない位置に配置される。これにより、鉄筋2が、供給方向に沿って作業面10の上で折り曲げられるが、これは折り曲げヘッド3と補助延伸手段7に接触せずに行われる。鉄筋2は、所定の長さだけ引き込まれ、補助延伸手段7から突出する。
【0023】
図2に示すように、その後補助延伸手段7は、作業面10と同じレベルにある第1作業位置に移動して、引き抜き回転車8が、鉄筋2を挟む前に、供給された鉄筋2の一部に噛み合う。その後、鉄筋2の一部を切断し、一本の強化ロッドを形成する。
【0024】
図3に示すように、その後、補助延伸手段7は、作業面10から突出した第2作業位置まで移動し、鉄筋2の切断部分を作業面10から離す。同時に、折り曲げヘッド3を作業面10から突出した作業位置に動かす(浮かす)。その際鉄筋2に係合する。特に鉄筋2の切断部分は、折り曲げヘッド3の半月形状体5a,5bの間のチャネル6と交差し(チャネル内を通過し)、横切り補助延伸手段7の一対の引き抜き回転車8の間に入る。
【0025】
図4に示すように、この状態において、補助延伸手段7を駆動して、鉄筋2の切断部分を、矢印Aと反対方向に所定の長さ移動させる。この移動ステップにおいて、鉄筋2の切断部分は、作業面10から所定距離離れて配置されている。この所定距離は、鉄筋2の切断部分が作業面10から突出した装置の一部と干渉しない距離、特に折り曲げヘッド3の上流側の延伸手段の保護ハウジング11と干渉しない距離である。
【0026】
鉄筋2の切断部分の折り曲げステップが、連続して折り曲げヘッド3で行われ、これにより、強化鉄筋20を所望形状に例えばU字型に折り曲げる。
【0027】
図5に示すように、鉄筋2の切断部分の第一回目の折り曲げ(直角に)を実行する。
図6に示すように、その後折り曲げピン4をスタート位置に戻して、補助延伸手段7により、更に鉄筋2の切断部分を、矢印Aとは反対方向に所定の距離戻す。
図7に示すように、その後鉄筋2の更なる折り曲げを実行して、強化鉄筋20を得る。
【0028】
図8に示すように、同時に折り曲げヘッド3の適宜の動作ステップにおいて、補助延伸手段7を作業面10から離れた非係合位置に移動させ(これにより、作業面10から突出して鉄筋2の把持位置にある補助延伸手段7のハウジングと干渉するのを回避する)、更なる折り曲げ動作を行う。この動作は、鉄筋が作業面10から突出した加工装置と接触する前の如何なる時点で行ってもよい。上記の場合には、90℃の折り曲げステップを2回実行したが、同様に1回で180℃の折り曲げステップを実行してもよい。
【0029】
折り曲げステップにおいて、折り曲げヘッド3の半月形状体5a,5bの間のチャネル6は、折り曲げピン4の動作領域の下流側で供給軸に沿って配置された鉄筋2を挟む対配置部材(contrasting member)として機能する。
【0030】
図9に示すように、折り曲げピン4と折り曲げヘッド3を非係合(格納)位置に動かして、得られた強化鉄筋20を取り外す。
【0031】
図10−14において、折り曲げヘッド3のマンドレルは、折り曲げピン4の回転軸に配置された円筒ピン12により構成される。強化鉄筋を製造するこのステップを再度説明する。
【0032】
図10に示すように、円筒ピン12の回りで第1回目の折り曲げを実行すると、
図11に示すように、鉄筋2の進捗部分を矢印Aとは反対方向に移動させ、
図12に示すよに、鉄筋を再度配置し、2度目の折り曲げを実行する。進捗した部分が補助延伸手段7のハウジングと当たる前に、この補助延伸手段7を開いて、補助延伸手段7の上部部分のみを作業面10の下に収納する。かくして進捗部分との干渉が回避される。
図12に示すように、補助延伸手段7の下側部分が、折り曲げステップ間、鉄筋を曲げるのに必要な機能を実行し続ける。
図13に示すように、2回目の折り曲げが完了すると、
図14に示すように、折り曲げヘッド3を非係合位置に移動して、形成された強化鉄筋20を取り出す。
【0033】
図15−19において、折り曲げヘッド3と補助延伸手段7の間に、折り曲げ部材が配置される。ここに示した場合には、一組の対配置部材13,14が、互いに独立して移動可能に配置される。1回目の折り曲げを実行している間、第1の対配置部材13は作業面10から突出した作業位置をとり、鉄筋2を供給軸に沿って係合させる(
図15)、この第1の対配置部材13は、作業位置に留まるか、あるいは鉄筋2の取り扱いに問題が発生した場合には、非係合位置に収納される(
図16)。第1の対配置部材13が、再び作業面10から突出して作業位置に移動して、鉄筋の折り曲げを実行すると、同じ鉄筋は、補助延伸手段7のハウジングと当たる(
図17)。この様な折り曲げステップにおいて、補助延伸手段7は、非係合位置即ち鉄筋2と干渉しない位置に移動し(格納され)、同一の折り曲げステップを完了させる(
図18)。折り曲げピン4と折り曲げヘッド3と対配置部材13は、その後非係合位置に移動して、強化鉄筋を放出する(
図19)。
【0034】
第2の対配置部材14が、鉄筋2の供給軸に対し第1の対配置部材13とは反対方向に配置されているが、第1の対配置部材13の場合とは反対方向に折り曲げる場合に駆動される。
【0035】
強化コンクリート用の強化鉄筋を製造を実行する方法は、手動でも行うことができる。
【0036】
手動による製造方法の特徴は、ほぼ同一面で強化鉄筋を製造できる点にある。
【0037】
この様な鉄筋の折り曲げ効果は、鉄筋の一部に折り曲げステップを実行する本発明により得られる。この様な本発明の折り曲げ方法は、切断ステップと、折り曲げヘッドの下流側に配置された補助延伸手段7により行われるが、これにより、鉄筋2の折り曲げは、作業面10に対し突起した装置の一部とは干渉せずに行うことができる。特に折り曲げヘッド上流側と下流側に配置された延伸手段のハウジングと当たらずに行うことができる。その為、折り曲げステップの間の鉄筋は、好ましくない応力を受けることがなく、その結果得られた強化鉄筋は、必要な同一面を確保できる。
【0038】
手動による本発明を実行する装置は、様々に変形して装置で実行可能である。
【0039】
特に本発明の手動による方法は、本発明の装置でも使用できる。作業部材は2つの作業軸に配置される。これは特許文献3に記載したとおりである。この場合折り曲げられる鉄筋を、作業面から離した位置に配置する必要はない。
【0040】
本発明の実施例において使用される材料及び形状寸法は、必要により変わる。
【0041】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
【符号の説明】
【0042】
1 鉄筋折り曲げ装置
2 鉄筋
3 折り曲げヘッド
4 折り曲げピン
5 マンドレル
5a,5b 半月形状体
6 チャネル
7 補助延伸手段
8 引き抜き回転車
9 切断手段
10 作業面
11 保護ハウジング
12 円筒ピン
13,14 対配置部材(当接手段)
20 強化鉄筋