(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
【0010】
回転可能な入力軸と、
物品を搬送方向に搬送させるための物品搬送部であって、前記搬送方向に沿った搬送方向往復直進動及び該搬送方向に交差する交差方向に沿った交差方向往復直進動することにより移動可能な物品搬送部と、
前記入力軸の回転運動に連動して、前記物品搬送部を搬送方向往復直進動及び交差方向往復直進動させることにより移動させる駆動機構と、
を有する物品搬送装置であって、
搬送方向往復直進動及び交差方向往復直進動することにより移動可能なバランサーを備え、
前記駆動機構は、前記入力軸の回転運動に連動して、前記バランサーの移動軌跡が前記物品搬送部の移動軌跡と点対称となるように前記バランサーを搬送方向往復直進動及び交差方向往復直進動させることにより移動させることを特徴とする物品搬送装置。
かかる場合には、物品の搬送が適切に行われる物品搬送装置を実現することが可能となる。
【0011】
また、前記駆動機構は、
前記物品搬送部に取り付けられ、前記物品搬送部と一体的に搬送方向往復直進動及び交差方向往復直進動する第一出力部と、
前記バランサーに取り付けられ、前記バランサーと一体的に搬送方向往復直進動及び交差方向往復直進動する第二出力部と、を有し、
前記第一出力部と前記第二出力部とは水平方向において並び方向に並んで設けられており、
前記バランサーは、アーム部と該アーム部に支持された重りとを備え、
前記アーム部は、前記並び方向において前記重りの中央よりも前記第二出力部側を支持していることとしてもよい。
かかる場合には、物品の搬送がより一層適切に行われる物品搬送装置を実現することが可能となる。
【0012】
また、前記駆動機構は、
前記物品搬送部に取り付けられ、前記物品搬送部と一体的に搬送方向往復直進動及び交差方向往復直進動する第一出力部と、
前記バランサーに取り付けられ、前記バランサーと一体的に搬送方向往復直進動及び交差方向往復直進動する第二出力部と、を有し、
前記第一出力部と前記第二出力部とは水平方向において並び方向に並んで設けられており、
前記物品搬送部は、物品搬送部本体と、該物品搬送部本体を下方から支持する支持部であって、該支持部の下部が前記第一出力部に取り付けられている支持部と、を備え、
前記支持部は、前記並び方向において前記物品搬送部本体の中央よりも前記第一出力部側を支持していることとしてもよい。
かかる場合には、物品の搬送がより一層適切に行われる物品搬送装置を実現することが可能となる。
【0013】
また、前記駆動機構は、
前記入力軸の回転運動に連動して回転する第一カム及び第二カムと、
前記第一カムの側面に係合する第一接触子と、前記側面と隣接する前記第一カムの外表面に係合する第一接触面と、を備え、前記第一接触子が前記第一カムと協働することにより前記物品搬送部と一体的に搬送方向往復直進動し、前記第一接触面が前記第一カムと協働することにより前記物品搬送部と一体的に交差方向往復直進動する第一出力部と、
前記第二カムの側面に係合する第二接触子と、前記側面と隣接する前記第二カムの外表面に係合する第二接触面と、を備え、前記第二接触子が前記第二カムと協働することにより前記バランサーと一体的に搬送方向往復直進動し、前記第二接触面が前記第二カムと協働することにより前記バランサーと一体的に交差方向往復直進動する第二出力部と、
を有することとしてもよい。
かかる場合には、簡易な構成で、物品搬送部とバランサーとを、互いに逆方向に搬送方向往復直進動させ、互いに逆方向に交差方向往復直進動させることが可能となる。
【0014】
また、前記第一出力部及び前記第二出力部の各々は、ハウジングの内側面にすべり面対偶で面接触する面接触部を有し、
前記駆動機構は、前記面接触部を前記内側面へ付勢する付勢部材を有することとしてもよい。
かかる場合には、第一出力部及び第二出力部が、ガタ無く忠実に搬送方向往復直進動及び交差方向往復直進動することが可能となる。
【0015】
===物品搬送装置10について===
ここでは、物品搬送装置10について、
図1乃至
図9を参照しながら説明する。
図1は、物品搬送装置10の平面外観模式図である。
図2は、物品搬送装置10の正面外観模式図であり、
図1の白矢印の方から物品搬送装置10を見たときの図である。
図3は、物品搬送装置10の側面外観模式図であり、
図2の白矢印の方から物品搬送装置10を見たときの図である。
図4は、物品搬送装置10の駆動機構24を示した平面図である。
図5は、物品搬送装置10の駆動機構24を示した正面図である。
図6は、物品搬送装置10の駆動機構24を示した側面図である。
図7は、入力軸14に設けられた4つのカムと第一出力板状部材32と第二出力板状部材42とを示した図である。
図8及び
図9については、後述する。
【0016】
物品搬送装置10は、所謂リニア型フィーダーであり、ハウジング12と、入力軸14と、物品搬送部の一例してのトラフ16と、バランサーの一例としてのダイナミックバランサー20と、駆動機構24と、を有している。
【0017】
ハウジング12は、
図2、
図4等に示すように、内部に空間を有する箱状の部材であり、このハウジング12内に後述する入力軸14や駆動機構24が収容されている。
【0018】
入力軸14は、
図4等に示すように、一対の入力軸軸受け15を介してハウジング12に回転可能に支持されている。この入力軸14の端部は、
図2、
図4等に示すように、ハウジング12の側壁を貫通してハウジング12外に突出している。そして、突出した部分(つまり、前記端部)には、駆動モーター等の駆動源の駆動軸(不図示)が連結されており、当該駆動源の駆動力により入力軸14が回転するようになっている。
【0019】
トラフ16は、物品を搬送方向に搬送させるためのものであり、振動することにより物品を搬送する。このトラフ16は、当該搬送方向(本実施の形態においては、水平方向)に沿った搬送方向往復直進動(以下、水平往復直進動とする)し、当該搬送方向に交差する交差方向(本実施の形態においては、上下方向)に沿った交差方向往復直進動(以下、上下往復直進動とする)することにより移動可能となっている(なお、本実施の形態においては、水平往復直進動及び上下往復直進動のいずれについても単弦運動を実行する)。そして、トラフ16は、かかる移動(つまり、振動)により、トラフ16内の物品を搬送方向に搬送する。
ダイナミックバランサー20は、物品搬送装置10の振動を抑制するためのものである。このダイナミックバランサー20は、トラフ16と同様、水平往復直進動し上下往復直進動することにより移動可能となっている(なお、トラフ16と同様、水平往復直進動及び上下往復直進動のいずれについても単弦運動を実行する)。そして、当該ダイナミックバランサー20は、後述する駆動機構24により、トラフ16の移動軌跡がダイナミックバランサー20の移動軌跡と点対称となるように、水平往復直進動及び上下往復直進動するようになっている。
【0020】
具体的に、
図8及び
図9を用いて説明する。
図8は、トラフ16の移動軌跡とダイナミックバランサー20の移動軌跡が点対称となる様子を表したイメージ図である。
図9は、トラフ16及びダイナミックバランサー20の水平往復直進動及び上下往復直進動についてのタイミング線図(タイミング線図であるため、図には単弦曲線を表さず、その代わりに直線としている)であり、トラフ16の水平往復直進動についてのタイミング線図を最上図に、ダイナミックバランサー20の水平往復直進動についてのタイミング線図を中央上図に、トラフ16の上下往復直進動についてのタイミング線図を中央下図に、ダイナミックバランサー20の上下往復直進動についてのタイミング線図を最下図に、それぞれ表している。なお、
図9の横軸は、入力軸14の角度を表している。
【0021】
前述したとおり、水平往復直進動及び上下往復直進動はいずれも単弦運動であるが、本実施の形態においては、双方の位相を90度ずらしている(トラフ16については、
図9の最上図と中央下図を比較参照。ダイナミックバランサー20については、
図9の中央上図と最下図を比較参照)。そのため、本実施の形態における水平往復直進動及び上下往復直進動の合成運動は楕円運動(なお、本明細書において、楕円とは円も含む概念である)となり、トラフ16及びダイナミックバランサー20の移動軌跡はそれぞれ楕円運動軌跡となっている。そして、
図8に示すように、双方の移動軌跡は点対称となっている。つまり、トラフ16とダイナミックバランサー20は、水平方向においても上下方向においても、互いに逆方向に移動するようになっている。すなわち、トラフ16が水平方向において前進(後退)する際には、ダイナミックバランサー20は後退(前進)し、トラフ16が上下方向において上昇(下降)する際には、ダイナミックバランサー20は下降(上昇)する。
【0022】
そして、ダイナミックバランサー20がトラフ16に対して上述したように点対称移動することにより、ダイナミックバランサー20に係る出力系の振動がトラフ16に係る出力系の振動をキャンセルさせる作用が生じ、物品搬送装置10の自励振動が大幅に抑制される。したがって、物品の搬送が安定する効果が生じることとなる。
【0023】
また、トラフ16は、後述する第一出力部30に取り付けられ(固定され)、当該第一出力部30と一体的に移動(水平往復直進動及び上下往復直進動)するようになっている。すなわち、トラフ16は、
図1乃至
図3に示すように、物品搬送部本体の一例としてのトラフ本体17と、トラフ本体17を下方から支持する支持部18と、を備えており、当該支持部18の下部(最下部)が第一出力部30に取り付けられている。
【0024】
また、ダイナミックバランサー20は、後述する第二出力部40に取り付けられ(固定され)、当該第二出力部40と一体的に移動(水平往復直進動及び上下往復直進動)するようになっている。すなわち、ダイナミックバランサー20は、
図1乃至
図3に示すように、水平方向に伸びた長尺な部材であるアーム部21とアーム部21に支持された重り22とを備えており、当該アーム部21が第二出力部40に取り付けられている。
【0025】
ここで、
図3、
図4等に示すように、第一出力部30と第二出力部40とは水平方向において並び方向(
図3の矢印参照)に並んで設けられている。そのため、第一出力部30に取り付けられた支持部18と第二出力部40に取り付けられたアーム部21も並び方向に並んでいる。
【0026】
そして、
図3に示すように、支持部18は、並び方向においてトラフ本体17の中央17aよりも第一出力部側17bを支持しており、その結果、トラフ本体17は、並び方向において支持部18から第二出力部側へ延出している。また、同様に、アーム部21は、並び方向において重り22の中央22aよりも第二出力部側22bを支持しており、その結果、重り22は、並び方向においてアーム部21から第一出力部側へ延出している。そのため、一体的に移動する第一出力部30及びトラフ16(の組)の重心と一体的に移動する第二出力部40及びダイナミックバランサー20(の組)の重心の並び方向における位置を互いに近づけることが可能となっている。したがって、ダイナミックバランサー20に係る出力系の振動がトラフ16に係る出力系の振動をキャンセルさせる作用がより適切に生じ、物品搬送装置10の自励振動がより一層適切に抑制される。したがって、物品の搬送が安定する効果がより一層適切に生じることとなる。
【0027】
なお、
図2、
図3に示すように、トラフ本体17は、ダイナミックバランサー20(アーム部21や重り22)よりも上方に位置している。また、重り22は、
図2に示すように、アーム部21の両端部に設けられている。
【0028】
駆動機構24は、入力軸14の回転運動に連動して、トラフ16及びダイナミックバランサー20をそれぞれ水平往復直進動及び上下往復直進動させることにより移動させるためのものである。つまり、この駆動機構24が、ダイナミックバランサー20の移動軌跡がトラフ16の移動軌跡と点対称となるようにトラフ16及びダイナミックバランサー20を移動させる。なお、この駆動機構24については、次項において詳述する。
【0029】
<<<駆動機構24について>>>
次に、駆動機構24について、再度
図1乃至
図9を参照しながら説明する。駆動機構24は、4つのカム(第一カム25乃至第四カム28)と、第一出力部30と、第二出力部40と、を有している。
【0030】
第一カム25乃至第四カム28は、
図7等に示すように、入力軸14に設けられており、入力軸14と一体的に(換言すれば、入力軸14の回転運動に連動して)回転することができるようになっている。第一カム25乃至第四カム28は、入力軸14の軸方向において、第三カム27、第二カム26、第一カム25、第四カム28の並び順で並んでおり、また、第二カム26、第一カム25間の距離は、第三カム27、第二カム26間の距離や第一カム25、第四カム28間の距離よりも大きくなっている。また、本実施の形態においては、第一カム25乃至第四カム28の軸(つまり、入力軸14)が、偏心している。
【0031】
また、第一カム25の側面25b(二つの側面のうちの第二カム26と向かい合う方の側面25b)には、カム面が備えられており、このカム面には、
図5等に示すように、第一出力部30に備えられた第一接触子31が係合している。また、前記側面25bと隣接する第一カム25の外表面25aには、第一出力部30に備えられた接触面(後述する第一接触面34)が係合している。また、第三カム27の外表面27aにも、第一出力部30に備えられた接触面(後述する第三接触面35)が係合している(一方で、第三カム27の側面27bには、カム面が備えられていない)。
【0032】
また、同様に、第二カム26の側面26b(二つの側面のうちの第一カム25と向かい合う方の側面26b)には、カム面が備えられており、このカム面には、
図5等に示すように、第二出力部40に備えられた第二接触子41が係合している。また、前記側面26bと隣接する第二カム26の外表面26aには、第二出力部40に備えられた接触面(後述する第二接触面44)が係合している。また、第四カム28の外表面28aにも、第二出力部40に備えられた接触面(後述する第四接触面45)が係合している(一方で、第四カム28の側面28bには、カム面が備えられていない)。
【0033】
第一出力部30は、前述したとおり、トラフ16に取り付けられており(トラフ16に固定されており)、そのため、第一出力部30は、トラフ16と一体的に水平往復直進動及び上下往復直進動することができるようになっている。換言すれば、第一出力部30は、前述した駆動源(入力軸14)から駆動力を受けて、自身が水平往復直進動及び上下往復直進動することにより、トラフ16を水平往復直進動及び上下往復直進動させることができるようになっている。
【0034】
第一出力部30は、第一出力板状部材32と第一接触子31と第一出力軸33とを有している。
【0035】
第一出力板状部材32は、
図7等に示すように、水平方向に沿った(換言すれば、厚み方向が上下方向に沿った)水平方向第一板状部32aと上下方向に沿った(換言すれば、厚み方向が水平方向に沿った)上下方向第一板状部32bとを有している(水平方向第一板状部32aと上下方向第一板状部32bは一体の部材である)。
【0036】
水平方向第一板状部32aは、
図7等に示すように、前記並び方向において第二出力部40側へ延出した延出部を二つ備えており、一方の延出部は第一カム25の上方に、他方の延出部は第三カム27の上方に位置している(便宜上、一方の延出部を第一延出部32c、他方の延出部を第三延出部32dと呼ぶ)。そして、第一延出部32cの下面(裏面)と第三延出部32dの下面(裏面)は、それぞれ第一カム25の外表面25aに係合する(接触する)第一接触面34と第三カム27の外表面27aに係合する(接触する)第三接触面35となっている。
【0037】
そして、第一カム25及び第三カム27の軸(つまり、入力軸14)が偏心しているため、駆動源により入力軸14が回転すると、第一接触面34が第一カム25と協働(また、第三接触面35が第三カム27と協働)することにより、第一接触面34及び第三接触面35(すなわち、第一出力部30)が上下往復直進動し、この上下往復直進動に伴いトラフ16も上下往復直進動するようになっている。
【0038】
なお、
図5、
図6に示すように、ハウジング12の上面板12aの下面と水平方向第一板状部32aの上部との間には、第一スプリング90が設けられている(2箇所に備えられている)。そのため、当該第一スプリング90は、第一接触面34(第三接触面35)を第一カム25(第三カム27)へ付勢する役割を果たす。したがって、第一接触面34(第三接触面35)の第一カム25(第三カム27)への接触が確実なものとなる。
【0039】
また、第一カム25と第三カム27は互いに同じ形状及び大きさを有しており、また、カムに対する入力軸14の取り付け位置(換言すれば、偏心のさせ方)についても互いに同じである(相違部分は、側面に第一接触子31が係合するカム面が存在するか否かのみである)。そのため、第一カム25に係合する第一接触面34と第三カム27に係合する第三接触面35は、上下方向において常に同じ位置を維持した状態で、上下往復直進動する(換言すれば、水平方向第一板状部32aは、水平な状態を常に維持しながら上下往復直進動する)。
【0040】
また、水平方向第一板状部32aの第一延出部32cの下面(裏面であって、入力軸14の軸方向において第一接触面34から見て第三延出部32d側)には、
図5等に示すように、第一接触子31が設けられている。第一接触子31は、回転可能な円柱状のローラー(カムフォロア)であり、第一接触子31の回転軸方向が上下方向に沿うように設けられている。そして、第一接触子31は、第一カム25の側面25bに接触するようになっている(係合している)。
【0041】
そして、駆動源により入力軸14が回転すると、入力軸14に設けられた第一カム25と第一出力部30(水平方向第一板状部32a)に設けられた第一接触子31との協働により、第一出力部30(水平方向第一板状部32a)が水平往復直進動し、この水平往復直進動に伴いトラフ16も水平往復直進動するようになっている。
【0042】
また、上下方向第一板状部32bは、
図6に示すように、ハウジング12の側面板12bの内側面12c(つまり、内側の側面)に接触している。すなわち、上下方向第一板状部32bは、内側面12cにすべり面待遇で面接触する面接触部32eを備えている。つまり、上下方向第一板状部32bの厚み方向における外側の面が当該面接触部32eとなっており、面接触部32eが内側面12cと面待遇で接触した状態で第一出力部30(上下方向第一板状部32b)がハウジング12(側面板12b)に対して滑るようになっている。
【0043】
また、上下方向第一板状部32bには、
図7に示すように、穴部32f及び凹部32gが互いに同心円となるように設けられている。そして、当該穴部32f及び凹部32gには、面接触部32e(上下方向第一板状部32b)を内側面12cへ付勢するための付勢部材の一例としての第二スプリング91と第二スプリング91を止めるための固定ピン80とが備えられている。
【0044】
そして、かかる構成により、第一出力部30(上下方向第一板状部32b)は、ガタ無く忠実に上下往復直進動及び水平往復直進動することができるようになっている。
【0045】
第一出力軸33は、第一出力板状部材32(水平方向第一板状部32a)と一体的に締結された部材であり、第一出力板状部材32(水平方向第一板状部32a)から上方向へ立設されている。本実施の形態において、第一出力軸33は、2つ設けられている。また、第一出力軸33は、ハウジング12の上面板12aを貫通しハウジング12の外へ延出しており、当該第一出力軸33の最上方に位置する最上方端部にトラフ16が固定されている。
【0046】
第二出力部40は、前述したとおり、ダイナミックバランサー20に取り付けられており(ダイナミックバランサー20に固定されており)、そのため、第二出力部40は、ダイナミックバランサー20と一体的に水平往復直進動及び上下往復直進動することができるようになっている。換言すれば、第二出力部40は、前述した駆動源(入力軸14)から駆動力を受けて、自身が水平往復直進動及び上下往復直進動することにより、ダイナミックバランサー20を水平往復直進動及び上下往復直進動させることができるようになっている。
【0047】
第二出力部40は、
図7に示すように、第一出力部30と同一の部材(したがって、同一の形状及び大きさを備えた部材)であり(このようにしたのは、ダイナミックバランサー20に係る出力系の振動がトラフ16に係る出力系の振動をキャンセルさせる作用をより適切に発揮させるためである)、第一出力部30と同様、三つの部分(第二出力板状部材42、第二接触子41、第二出力軸43とする)を有している。
【0048】
第二出力板状部材42は、
図7等に示すように、水平方向に沿った(換言すれば、厚み方向が上下方向に沿った)水平方向第二板状部42aと上下方向に沿った(換言すれば、厚み方向が水平方向に沿った)上下方向第二板状部42bとを有している(水平方向第二板状部42aと上下方向第二板状部42bは一体の部材である)。
【0049】
水平方向第二板状部42aは、
図7等に示すように、前記並び方向において第一出力部30側へ延出した延出部を二つ備えており、一方の延出部は第二カム26の上方に、他方の延出部は第四カム28の上方に位置している(便宜上、一方の延出部を第二延出部42c、他方の延出部を第四延出部42dと呼ぶ)。そして、第二延出部42cの下面(裏面)と第四延出部42dの下面(裏面)は、それぞれ第二カム26の外表面26aに係合する(接触する)第二接触面44と第四カム28の外表面28aに係合する(接触する)第四接触面45となっている。
【0050】
そして、第二カム26及び第四カム28の軸(つまり、入力軸14)が偏心しているため、駆動源により入力軸14が回転すると、第二接触面44が第二カム26と協働(また、第四接触面45が第四カム28と協働)することにより、第二接触面44及び第四接触面45(すなわち、第二出力部40)が上下往復直進動し、この上下往復直進動に伴いダイナミックバランサー20も上下往復直進動するようになっている。
【0051】
なお、
図5、
図6に示すように、ハウジング12の上面板12aの下面と水平方向第二板状部42aの上部との間には、第三スプリング92が設けられている(2箇所に備えられている)。そのため、当該第三スプリング92は、第二接触面44(第四接触面45)を第二カム26(第四カム28)へ付勢する役割を果たす。したがって、第二接触面44(第四接触面45)の第二カム26(第四カム28)への接触が確実なものとなる。
【0052】
また、第二カム26と第四カム28は互いに同じ形状及び大きさを有しており、また、カムに対する入力軸14の取り付け位置(換言すれば、偏心のさせ方)についても互いに同じである(相違部分は、側面に第二接触子41が係合するカム面が存在するか否かのみである)。そのため、第二カム26に係合する第二接触面44と第四カム28に係合する第四接触面45は、上下方向において常に同じ位置を維持した状態で、上下往復直進動する(換言すれば、水平方向第二板状部42aは、水平な状態を常に維持しながら上下往復直進動する)。
【0053】
一方で、第一カム25及び第三カム27と第二カム26及び第四カム28とでは、カムに対する入力軸14の取り付け位置(換言すれば、偏心のさせ方)が異なっている。すなわち、トラフ16(第一接触面34及び第三接触面35を備えた第一出力部30)とダイナミックバランサー20(第二接触面44及び第四接触面45を備えた第二出力部40)が互いに逆方向に移動(上下往復直進動)するように、前記取り付け位置が決められている。
【0054】
具体的に、
図9を再度参照しつつ説明する。
図9の中央下図と最下図には、入力軸14の回転によりトラフ16(第一出力部30)とダイナミックバランサー20(第二出力部40)がどのように上下往復直進動するかが表されている。入力軸14の回転角度が0度のときには、トラフ16(第一出力部30)とダイナミックバランサー20(第二出力部40)は上下方向における最上位置と最下位置の中間(つまり、ゼロ位置。便宜上、上下中間位置と呼ぶ)に位置する。そして、入力軸14が回転を開始すると、回転角度が90度になるまでトラフ16(第一出力部30)は上昇して最上位置へ至り、ダイナミックバランサー20(第二出力部40)は下降して最下位置へ至る。そして、回転角度が90度を過ぎると270度になるまでトラフ16(第一出力部30)は下降して最下位置へ至り、ダイナミックバランサー20(第二出力部40)は上昇して最上位置へ至る。そして、回転角度が270度を過ぎると360度になるまでトラフ16(第一出力部30)は上昇して上下中間位置へ戻り、ダイナミックバランサー20(第二出力部40)は下降して上下中間位置へ戻る。
【0055】
このように、トラフ16(第一出力部30)が上下方向において上昇(下降)する際には、ダイナミックバランサー20(第二出力部40)は下降(上昇)する。すなわち、トラフ16(第一出力部30)とダイナミックバランサー20(第二出力部40)は、上下方向において常に互いに逆方向に移動(上下往復直進動)するようになっている。
【0056】
また、水平方向第二板状部42aの第二延出部42cの下面(裏面であって、入力軸14の軸方向において第二接触面44から見て第四延出部42d側)には、
図5等に示すように、第二接触子41が設けられている。第二接触子41は、回転可能な円柱状のローラー(カムフォロア)であり、第二接触子41の回転軸方向が上下方向に沿うように設けられている。そして、第二接触子41は、第二カム26の側面26bに接触するようになっている(係合している)。
【0057】
そして、駆動源により入力軸14が回転すると、入力軸14に設けられた第二カム26と第二出力部40(水平方向第二板状部42a)に設けられた第二接触子41との協働により、第二出力部40(水平方向第二板状部42a)が水平往復直進動し、この水平往復直進動に伴いダイナミックバランサー20も水平往復直進動するようになっている。
【0058】
なお、
図4、
図5に示すように、水平方向第二板状部42aの第二延出部42cの側面と水平方向第一板状部32aの第一延出部32cの側面との間には、第五スプリング94が水平方向(入力軸14の軸方向)に沿って設けられている(一つだけ設けられている)。そのため、当該第五スプリング94は、第二接触子41を第二カム26へ付勢すると共に、第一接触子31を第一カム25へ付勢する役割を果たす。したがって、第一接触子31(第二接触子41)の第一カム25(第二カム26)への接触が確実なものとなる。
【0059】
また、上述のとおり、本実施の形態においては、第一出力部30(トラフ16)を水平往復直進動させるためのカムと、第二出力部40(ダイナミックバランサー20)を水平往復直進動させるためのカムが、別のカム(すなわち、第一カム25と第二カム26)となっている。そのため、双方のカム面を個別に設定することができ、トラフ16(第一出力部30)とダイナミックバランサー20(第二出力部40)を、水平方向において互いに逆方向に水平往復直進動させることが可能となる。
【0060】
具体的に、
図9を再度参照しつつ説明する。
図9の最上図と中央上図には、入力軸14の回転によりトラフ16(第一出力部30)とダイナミックバランサー20(第二出力部40)がどのように水平往復直進動するかが表されている。入力軸14の回転角度が0度のときには、トラフ16(第一出力部30)は最も負側の位置(便宜上、最負位置と呼ぶ)に位置するのに対しダイナミックバランサー20(第二出力部40)は最も正側の位置(便宜上、最正位置と呼ぶ)に位置する。そして、入力軸14が回転を開始すると、回転角度が180度になるまで、トラフ16(第一出力部30)は前進して最正位置へ至るのに対し、ダイナミックバランサー20(第二出力部40)は後退して最負位置へ至る。そして、回転角度が180度を過ぎると、トラフ16(第一出力部30)は後退を開始し回転角度が360度になるまで後退し続けて最負位置へ戻るのに対し、ダイナミックバランサー20(第二出力部40)は前進を開始し回転角度が360度になるまで前進し続けて最正位置へ戻る。
【0061】
このように、トラフ16(第一出力部30)が水平方向において前進(後退)する際には、ダイナミックバランサー20(第二出力部40)は後退(前進)する。すなわち、トラフ16(第一出力部30)とダイナミックバランサー20(第二出力部40)は、水平方向において常に互いに逆方向に移動(水平往復直進動)するようになっている。
【0062】
また、前述したように、トラフ16(第一出力部30)とダイナミックバランサー20(第二出力部40)は、上下方向においても互いに逆方向に移動(上下往復直進動)するようになっているため、トラフ16(第一出力部30)とダイナミックバランサー20(第二出力部40)は、トラフ16の移動軌跡がダイナミックバランサー20の移動軌跡と点対称となるように、水平往復直進動及び上下往復直進動することとなる。
【0063】
上下方向第二板状部42bは、
図6に示すように、上下方向第一板状部32bと同様、ハウジング12の側面板12bの内側面12c(つまり、内側の側面)に接触している。すなわち、上下方向第二板状部42bは、内側面12cにすべり面待遇で面接触する面接触部42eを備えている。つまり、上下方向第二板状部42bの厚み方向における外側の面が当該面接触部42eとなっており、面接触部42eが内側面12cと面待遇で接触した状態で第二出力部40(上下方向第二板状部42b)がハウジング12(側面板12b)に対して滑るようになっている。
【0064】
また、上下方向第二板状部42bには、
図7に示すように、穴部42f及び凹部42gが互いに同心円となるように設けられている。そして、当該穴部42f及び凹部42gには、面接触部42e(上下方向第二板状部42b)を内側面12cへ付勢するための付勢部材の一例としての第四スプリング93と第四スプリング93を止めるための固定ピン80とが備えられている。
【0065】
そして、かかる構成により、第二出力部40(上下方向第二板状部42b)は、ガタ無く忠実に上下往復直進動及び水平往復直進動することができるようになっている。
【0066】
第二出力軸43は、第二出力板状部材42(水平方向第二板状部42a)と一体的に締結された部材であり、第二出力板状部材42(水平方向第二板状部42a)から上方向へ立設されている。本実施の形態において、第二出力軸43は、2つ設けられている。また、第二出力軸43は、ハウジング12の上面板12aを貫通しハウジング12の外へ延出しており、当該第二出力軸43の最上方に位置する最上方端部にダイナミックバランサー20が固定されている。
【0067】
===本実施の形態に係る物品搬送装置10の有効性について===
上述したとおり、本実施の形態に係る物品搬送装置10は、回転可能な入力軸14と、物品を搬送方向に搬送させるためのトラフ16であって、水平往復直進動及び上下往復直進動することにより移動可能なトラフ16と、入力軸14の回転運動に連動して、トラフ16を水平往復直進動及び上下往復直進動させることにより移動させる駆動機構24と、を有することとした。そして、水平往復直進動及び上下往復直進動することにより移動可能なダイナミックバランサー20を備え、駆動機構24は、入力軸14の回転運動に連動して、ダイナミックバランサー20の移動軌跡がトラフ16の移動軌跡と点対称となるようにダイナミックバランサー20を水平往復直進動及び上下往復直進動させることにより移動させることとした。
【0068】
そのため、前述したとおり、ダイナミックバランサー20に係る出力系の振動がトラフ16に係る出力系の振動をキャンセルさせる作用が生じ、物品搬送装置10の自励振動が大幅に抑制される。したがって、物品の搬送が安定する効果が生じる。すなわち、物品の搬送が適切に行われる物品搬送装置10を実現することが可能となる。
【0069】
また、上記実施の形態において、駆動機構24は、トラフ16に取り付けられ、トラフ16と一体的に水平往復直進動及び上下往復直進動する第一出力部30と、ダイナミックバランサー20に取り付けられ、ダイナミックバランサー20と一体的に水平往復直進動及び上下往復直進動する第二出力部40と、を有し、第一出力部30と第二出力部40とは水平方向において並び方向に並んで設けられており、ダイナミックバランサー20は、アーム部21と該アーム部21に支持された重り22とを備え、アーム部21は、前記並び方向において重り22の中央22aよりも第二出力部側22bを支持していることとした。
【0070】
そのため、前述したとおり、ダイナミックバランサー20に係る出力系の振動がトラフ16に係る出力系の振動をキャンセルさせる作用がより適切に生じ、物品搬送装置10の自励振動がより一層適切に抑制される。したがって、物品の搬送が安定する効果がより一層適切に生じる。すなわち、物品の搬送がより一層適切に行われる物品搬送装置10を実現することが可能となる。
【0071】
また、上記実施の形態において、駆動機構24は、トラフ16に取り付けられ、トラフ16と一体的に水平往復直進動及び上下往復直進動する第一出力部30と、ダイナミックバランサー20に取り付けられ、ダイナミックバランサー20と一体的に水平往復直進動及び上下往復直進動する第二出力部40と、を有し、第一出力部30と第二出力部40とは水平方向において並び方向に並んで設けられており、トラフ16は、トラフ本体17と、トラフ本体17を下方から支持する支持部18であって、支持部18の下部が第一出力部30に取り付けられている支持部18と、を備え、支持部18は、前記並び方向においてトラフ本体17の中央17aよりも第一出力部側17bを支持していることとした。
【0072】
そのため、前述したとおり、ダイナミックバランサー20に係る出力系の振動がトラフ16に係る出力系の振動をキャンセルさせる作用がより適切に生じ、物品搬送装置10の自励振動がより一層適切に抑制される。したがって、物品の搬送が安定する効果がより一層適切に生じる。すなわち、物品の搬送がより一層適切に行われる物品搬送装置10を実現することが可能となる。
【0073】
また、上記実施の形態において、駆動機構24は、入力軸14の回転運動に連動して回転する第一カム25及び第二カム26と、第一カム25の側面25bに係合する第一接触子31と、前記側面25bと隣接する第一カム25の外表面25aに係合する第一接触面34と、を備え、第一接触子31が第一カム25と協働することによりトラフ16と一体的に水平往復直進動し、第一接触面34が第一カム25と協働することによりトラフ16と一体的に上下往復直進動する第一出力部30と、第二カム26の側面26bに係合する第二接触子41と、前記側面26bと隣接する第二カム26の外表面26aに係合する第二接触面44と、を備え、第二接触子41が第二カム26と協働することによりダイナミックバランサー20と一体的に水平往復直進動し、第二接触面44が第二カム26と協働することによりダイナミックバランサー20と一体的に上下往復直進動する第二出力部40と、を有することとした。
【0074】
そのため、単一の入力軸14で(換言すれば、簡易な構成で)、トラフ16とダイナミックバランサー20とを、互いに逆方向に水平往復直進動させ、互いに逆方向に上下往復直進動させることが可能となる。すなわち、単一の入力軸14で(換言すれば、簡易な構成で)、トラフ16とダイナミックバランサー20とを、トラフ16の移動軌跡がダイナミックバランサー20の移動軌跡と点対称となるように、水平往復直進動及び上下往復直進動させることが可能となる。
【0075】
また、上記実施の形態において、第一出力部30及び第二出力部40の各々は、ハウジング12の内側面12cにすべり面対偶で面接触する面接触部32e(面接触部42e)を有し、駆動機構24は、面接触部32e(面接触部42e)を内側面12cへ付勢する付勢部材(第二スプリング91、第四スプリング93)を有することとした。
【0076】
そのため、前述したとおり、第一出力部30及び第二出力部40が、ガタ無く忠実に上下往復直進動及び水平往復直進動することが可能となる。
【0077】
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る物品搬送装置等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。