【実施例】
【0065】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例では、式(1)又は(2)で表される化合物として、下記の化合物(1a)、(1b)、(2a)を製造した。
【0066】
【化30】
【0067】
[合成例1]
<光分解型かご型シルセスキオキサン誘導体(1)の合成>
【0068】
【化31】
【0069】
ナスフラスコに1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)3.56g(18.6mmol)を加え、テトラヒドロフラン(THF)35mlに溶解させ、10分撹拌し0℃に冷却した。反応混合液に、THF20mlに溶解した4−ペンテン酸(10a)1.46ml(14.6mmol)、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコール(9a)2.52g(11.8mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)1.80g(14.7mmol)を反応混合液に滴下し、滴下終了後室温へと昇温して一晩撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により原料の消失を確認後、0.03規定の塩酸67mlを加え、ヘキサン50mlで三回抽出した。有機層に硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、黄色固体の4−ペンテン酸 4,5−ジメトキシ―2−ニトロベンジル(11a)を3.46g得た。収率は99%であった。物性値は以下の通りである。
【0070】
IR(KBr disk):2941、2850、1741、1521、1321cm
−1;
1H−NMR(CDCl
3):δ
2.45(m、2H、CH
2)、
2.53(t、J=6.9Hz、CH
2)、
3.97(s、3H、OCH
3)、
3.99(s、3H、OCH
3)、
5.02、5.08(d、J=10.0Hz、1H、d、J=17.1Hz、1H、CH
2)、
5.52(s、2H、CH
2)、
5.85(dd、J=10.0Hz、J=17.1Hz、1H、=CH)、
7.00(s、1H、Ar)、
7.72(s、1H、Ar);
UV:(0.1mM/EtOH)λ
max 337nm、Σ 5400dm
3mol
−1cm
−1.
【0071】
ナスフラスコに、4−ペンテン酸−4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル(11a)1.00g(3.39mmol)を入れ、2時間真空乾燥した。窒素下でトリクロロシラン1.10g(8.12mmol)を入れ、クロロホルム1mlを加えた。カルステッド触媒を数滴加え5時間磁気撹拌した。反応混合溶液から溶媒と原料を除去し、褐色粘体の(4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)5−トリクロロシリルペンタノエート(5Aa)1.41gを得た。収率は95%であった。物性値は以下の通りである。
【0072】
IR(KBr disk):1735、1524、1332cm
−1;
1H−NMR(CDCl
3):δ
1.43(m、2H、SiCH
2)、
1.65(m、2H、CH
2)、
1.80(quin、J=7.3Hz、CH
2)、
2.46(t、J=7.3Hz、2H、CH
2)、
3.96(s、3H、OCH
3)、
3.99(s、3H、OCH
3)、
5.51(s、2H、CH
2)、
6.98(s、1H、Ar)、
7.72(s、1H、Ar).
【0073】
30ml二口ナスフラスコにトリシラノールイソブチルシルセスキオキサン(4a)2.10g(2.65mmol)(白色固体)を入れ、2時間真空乾燥を行い、乾燥THF5mlを加えて溶解させた。乾燥THF5mlに溶解した(4,5−ジメトキシー2−ニトロベンジル)5−トリクロロシリルペタノエート(5Aa)1.41g(3.27mmol)(黄色固体)、トリエチルアミン0.88g(8.70mmol)を加え、69時間40分撹拌した。撹拌後、沈殿物をろ過し、ろ液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(カラム径5.5cm、長さ30cm、展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、得られた溶液を濃縮し、黄色固体0.62gを得た。クロロホルム1mlに溶解させ、メタノール20ml中に再沈殿させ、濾別後、4時間真空乾燥を行い、淡黄色固体の(4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシカルボニルブチルイソブチルシルセスキオキサン(1a)1.18gを得た。得られた固体はヘキサン、クロロホルム、THFに可溶であるが、メタノール、アセトニトリルには難溶だった。物性値は以下の通りである。
【0074】
元素分析:Calcd for C
42H
81NO
18Si
3:C,45.33;H,7.34;N,1.26%.Found:C,45.39;H,7.33;N,1.21%;
HRMS(ESI):1036.3100,calcd for C
37H
75O
16NSi
8Na[M+Na]
+1036.3138.
TG/DTA:重量減少を伴わない吸熱ピーク195℃、分解開始温度215℃、吸熱ピーク277、300、336℃;
IR(KBr disk):1744、1524、1332、1107cm
−1;
1H−NMR(CDCl
3):δ
0.59〜0.64(m、16H、SiCH
2)、
0.93〜0.96(q、J=8Hz、42H、CH
3)、
1.47〜1.54(m、2H、CH
2)、
1.72(q、J=16Hz、2H、CH
2)、
1.79〜1.90(m、9H、CH)、
2.42(t、J=8Hz、2H、CH
2)、
3.97(d、J=8Hz、6H、OCH
3)、
5.51(s、2H、OCH
2)、
7.00(s、1H、Ar)、
7.72(s、1H、Ar);
13C−NMR(CDCl
3):δ11.84、22.45、22.48、22.52、23.86、23.89、25.67、25.70、27.97、33.95、56.40、63.04、127.27、140.08、148.27、153.49、168.53、169.11、172.93;
29Si−NMR(CDCl
3):δ−67.50、−67.29、−67.14.
【0075】
[合成例2]
<光分解型かご型シルセスキオキサン誘導体(1)の反応>
【0076】
【化32】
【0077】
500ml石英ビーカーに(4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシカルボニルブチルイソブチルシルセスキオキサン(1a)0.28g(0.26mmol)を入れ、THF250mlを加え、溶解させた。超高圧水銀灯を起動させ、光源が安定するまで1時間暖気を行った。水フィルターを用いて光源の波長をλ>300nmとした。照度計を用いて、照度が100mW/cm
2となる場所に試料溶液の入った石英ビーカーをセットし、撹拌しながら22時間光照射を行った。光照射終了後、ろ液を濃縮し、その後クロロホルム1.5mlに溶解させ、アセトニトリル50mlに再沈殿させ、褐色の固体として4−カルボキシブチルイソブチルシルセスキオキサン(3a)0.15gを収率62%で得た。得られた固体は、シクロヘキサン、クロロホルム、THFに可溶であるが、メタノール、アセトニトリルには難溶であった。物性値は以下の通りである。
【0078】
HRMS(ESI):939.2954,calcd for C
33H
72O
14Si
8Na[M+Na]
+939.2974.
TG/DTA:重量減少を伴わない吸熱ピーク212℃、分解開始温度215℃、吸熱ピーク266、279、286、345℃;
IR(KBr disk):1712、1107cm
−1;
1H−NMR(CDCl
3):δ
0.59〜0.64(m、16H、SiCH
2)、
0.95(d、J=8Hz、42H、CH
3)、
1.46(q、J=16Hz、2H、CH
2)、
1.68(q、J=12Hz、2H、CH
2)、
1.80〜1.89(m、7H、CH)、
2.35(t、J=4、8Hz、2H、CH
2);
13C−NMR(CDCl
3):δ11.76、22.33、22.47、22.52、23.86、23.89、25.66、25.70、27.58、33.53、178.82;
29Si−NMR(CDCl
3):δ−67.66、−67.72、−67.86.
【0079】
[合成例3]
<活性エステル型かご型シルセスキオキサン誘導体(2)の合成>
【0080】
【化33】
【0081】
窒素雰囲気下、200mlナスフラスコに炭酸N,N’−ジスクシンイミジル8.06g(47.1mmol)、4−ペンテン酸4.74g(46.9mmol)、ジメチルホルムアミド30ml、トリエチルアミン6滴を加え室温で23時間撹拌した。TLCより原料が消失したことを確認後、80℃で溶媒と塩基を減圧留去した。水100ml、2規定の塩酸10mlを加えた後、酢酸エチル100mlで3回抽出した。
有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥後、ろ過、濃縮し、3時間真空乾燥して白色の4−ペンテン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(29a)7.11gを収率77%で得た。物性値は以下の通りである。
【0082】
IR:1729cm
−1;
1H−NMR(CDCl
3):δ
2.49(q、J=7.0Hz、2H、CH
2)、
2.72(t、J=7.4Hz、2H、CH
2CO)、
2.84(s、4H、COCH
2)、
5.11(m、2H、CH
2=)、
5.85(m、1H、CH).
【0083】
2時間真空乾燥した4−ペンテン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(29a)0.56g(2.84mmol)を窒素雰囲気下、クロロホルム2mlに溶解した。カルステッド触媒4滴を加えた後、1mlのクロロホルムに溶解したトリクロロシラン0.73g(5.39mmol)溶液を加え、室温で5時間撹拌した。未反応のトリクロロシランを減圧留去して、5−トリクロロシリル−ペンタン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(6a)0.88gを白色固体として定量的に得た。物性値は以下の通りである。
【0084】
IR:1738cm
−1;
1H−NMR(CDCl
3):δ
1.47(t、J=8.0Hz、2H、Si−CH
2)、
1.72(m、2H、CH
2)、
1.88(m、2H、CH
2)、
2.64(t、J=6.0Hz、2H、COCH
3)、
2.84(s、4H、COCH
2).
【0085】
二口ナスフラスコにトリシラノールイソブチルシルセスキオキサン(4a)1.61g(2.03mmol)(白色固体)を入れ、2時間真空乾燥を行い、乾燥THF5mlを加えて溶解させた。これにトリエチルアミン0.61g(6.00mmol)を加え、氷浴した。乾燥THF7mlに溶解した5−トリクロロシリル−ペンタン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(6a)0.67g(2.01mmol)(黄色固体)を滴下し、室温に戻して40時間30分撹拌した。撹拌後、沈殿物をろ過し、ろ液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(カラム径5.5cm、長さ30cm、展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、得られた溶液を濃縮し、白色固体として(N−スクシンイミジルオキシカルボニル)イソブチルシルセスキオキサン(2a)1.13gを得た。得られた固体はヘキサン、クロロホルム、THFに可溶であるが、メタノール、アセトニトリルには難溶だった。物性値を以下の通りである。
【0086】
元素分析:Calcd for C
37H
75NO
16Si
8:C,43.80;H,7.45;N,1.38%.Found:C,43.81;H,7.30;N,1.36%;
HRMS(ESI):1036.3100,calcd for C
37H
75O
16NSi
8Na[M+Na]
+1036.3138.
TG/DTA:重量減少を伴わない吸熱ピーク195℃、分解開始温度215℃、吸熱ピーク277、300、336℃;
IR(KBr disk):1818、1789、1466、1368、1333、1745、1100cm
−1;
1H−NMR(CDCl
3):δ
0.59〜0.66(m、16H、SiCH
2)、
0.95(d、J=15Hz、42H、CH
3)、
1.43〜1.55(m、5H、CH
2)、
1.73〜1.92(m、9H、CH、CH
2)、
2.59(t、J=10,15Hz、2H、CH
2)、
2.83(s、4H、COCH
2);
13C−NMR(CDCl
3):δ11.69、22.23、22.50、23.88、25.60、25.67、25.71、27.41、30.61、168.53、169.11;
29Si−NMR(CDCl
3):δ−67.62、−67.85、−67.88.
【0087】
[合成例4]
<活性エステル型かご型シルセスキオキサン誘導体(2)の反応>
【0088】
【化34】
【0089】
20ml二口ナスフラスコに(N−スクシンイミジルオキシカルボニル)イソブチルシルセスキオキサン(2a)0.18g(0.18mmol)を入れ、4−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)−7−(2−アミノエチルアミノ)−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール51.2mg(0.18mmol)、乾燥THF12mlを加え溶解させた。トリエチルアミンを10滴加え、23時間撹拌した。撹拌後、反応溶液を濃縮し、ジクロロメタンとメタノール混合溶媒に30℃で溶解後、ゆっくり蒸発させ黄緑色固体0.80gを得た。得られた固体はヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、THFに可溶だった。物性値は以下の通りである。
【0090】
HRMS(ESI):1206.3789,calcd for C
43H
85O
16N
5Si
8SNa[M+Na]
+1206.3795.
IR(KBr disk):1649、1464、1102cm
−1;
1H−NMR(CDCl
3):δ
0.58〜0.63(m、16H、SiCH
2)、
0.95(d、J=6.6Hz、42H、CH
3)、
1.44(quin、J=7.8Hz、2H、CH
2)、
1.69(quin、J=7.6Hz、2H、CH
2)、
1.79〜1.90(m、7H、CH)、
2.23(t、J=7.8Hz、2H、CH
2)、
2.86(s、6H、SO
2N(CH
3)
2)、
3.53(m、2H、CH
2N)、
3.65(m、2H、CH
2N)、
5.85(t、J=6.1Hz、1H、NCH)、
6.15(d、J=8.0Hz、1H、Ar)、
6.73(t、J=4.6Hz、1H、NH)、
7.89(d、J=7.9Hz、1H、Ar);
UV:(0.1mM/シクロヘキサン)λ
max 413nm、e 11000dm
3mol
−1cm
−1.
【0091】
[合成例5]
<光分解型かご型シルセスキオキサン誘導体(1)の合成>
【化35】
【0092】
100mL二口ナスフラスコにo−ジメトキシベンゼン(30)5.36g(38.80mmol)とヨウ素結晶0.186g(0.73mmol)、イソ無水酪酸(31)10.45gを入れ、5時間還流した。その後、水50mLを加え、ジエトキシエーテル50mLで3回抽出した。有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液50mL、飽和食塩水50mLで洗浄し、さらに水50mLで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮した。濃縮液を用いて、カラムクロマトグラフィー(カラム径5.2cm、長さ30cm、展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製を行い、濃縮し、真空乾燥を行い、黄色液体の1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン(7b)5.00g(19.74mmol)を得た。物性は以下の通りである。
【0093】
1H−NMR(CDCl
3):δ
1.21(d、J=6.8Hz、6H、−CH−(C
H3)
2)、
3.55(sep、J=6.8Hz、1H、−C
H−(CH
3)
2)、
3.94(s、3H、Ar−OC
H3)、
3.95(s、3H、Ar−OC
H3)、
6.90(d、J=8.4Hz、1H、Ar−
H)、
7.55(s、1H、Ar−
H)、
7.61(d、J=8.4Hz、1H、Ar−
H).
【0094】
氷浴中で200mLナスフラスコに70%硝酸55mLを入れ、そこにパスツールでゆっくり1−(4,5−ジメトキシフェニル)−2−メチルプロパン−オン(7b)2.68g(12.89mmol)を加え、5時間撹拌した。その後、反応溶液を氷浴で冷やしておいた水300mLに入れ、撹拌した。撹拌後の溶液を用いて、クロロホルム60mlで3回抽出を行った。その後、抽出液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水50ml、水50mlで洗浄し、無水硝酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過、濃縮を行った。カラムクロマトグラフィー(カラム径4cm、長さ30cm、展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、濃縮、真空乾燥を行い、黄色固体の1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン(8b)2.81g(11.10mmol)を得た。物性は以下の通りである。
【0095】
IR(KBr disk):1701,1524,1333cm
−1;
1H−NMR(CDCl
3):δ
1.21(d、J=7.0Hz、6H、−CH−(C
H3)
2)、
2.91(sep、J=6.9Hz、1H、−C
H−(CH
3)
2)、
3.98(s、3H、Ar−OC
H3)、
3.99(s、3H、Ar−OC
H3)、
6.89(s、1H、Ar−
H)、
7.66(s、1H、Ar−
H).
【0096】
氷浴中で300mLナスフラスコに1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン(8b)2.31g(9.12mmol,KW#119)とTHF21mL、メタノール14mLを入れ、水素化ホウ素ナトリウム0.84g(22.20mmol)を少量加え、室温で1時間撹拌した。濃縮後、濃縮液に水500mL、2規定の塩酸10mLを加え、クロロホルム60mLで3回抽出を行い、無水硝酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過、濃縮、真空乾燥を行い、黄色粘体の1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチルプロパン−1−オール(9b)3.01g(11.79mmol)を得た。物性は以下の通りである。
【0097】
1H−NMR(CDCl
3):δ
0.95(t、J=6.9Hz、6H、−CH−(C
H3)
2)、
1.99〜2.07(m、1H、−C
H−(CH
3)
2)、
2.17(d、J=4.4Hz、1H、Ar−CH−O
H)、
3.95(s、3H、−OCH
3)、
3.99(s、3H、−OCH
3)、
5.28(t、J=5.0Hz、1H、Ar−C
H)、
7.22(s、1H、Ar−
H)、
7.57(s、1H、Ar−
H).
【0098】
100mL二口ナスフラスコにEDC・HCl0.946g(4.93mmol,1.8eq.),乾燥THF10mLを入れて、氷浴中で20分間撹拌した。その後1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチルプロパン−1−オール(9b)0.715g(2.80mmol,1.0eq.)、4−ペンテン酸(10a)0.920g(9.20mmol,3.3eq.)、DMAP0.695g(5.69mmol,2.0eq.)を乾燥THF15mlで溶かし、二口ナスフラスコに加えた。反応溶液から氷浴を外し、室温で3時間撹拌した。反応溶液をエバポレーターで濃縮し、水40mL、2規定のHCl10mLを加え、酢酸エチル30mlで4回抽出し、5%炭酸水素ナトリウム50mlで2回洗浄を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過、濃縮、真空乾燥を行い黄色粘体1.132gを得た。その後、黄色粘体を用いて、カラムクロマトグラフィー(カラム径4cm、長さ15cm、展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で目的物の単離、濃縮、真空乾燥を行い黄色粘体の1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチルプロピル−4−ペンタノエート(11b)0.890g(2.64mmol)を得た。物性は以下の通りである。
【0099】
IR(KBr disk):1738、1562、1336、1105cm
−1;
1H−NMR(CDCl
3):δ
0.98(d、J=7.2Hz、6H、−CH−(C
H3)
2)、
2.20(sep、1H、−C
H−(CH
3)
2)、
2.37〜2.51(m、4H、C
H2−C
H2−C=O)、
3.94(s、3H、Ar−OC
H3)、
3.95(s、3H、Ar−OC
H3)、
4.98、5.03(d、d、2H、CH=C
H2)、
5.81(dd、1H、C
H=CH
2)、
6.34(d、J=6.0Hz、1H、Ar−C
H)、
7.26(s、1H、Ar−
H)、
7.59(s、1H、Ar−
H).
【0100】
30mL二口ナスフラスコに、1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチルプロピル−4−ペンタノエート(11b)1.47g(4.35mmol,1.0eq.)を入れ、真空乾燥を2時間行った。その後、乾燥物を乾燥クロロホルム2mLに溶解した。その後、溶解液に乾燥クロロホルム3mLに溶かしたトリクロロシラン(12a)1.61g(11.8mmol,2.7eq.)、カルステッド触媒をパスツールピペットで数滴加え、3時間30分撹拌した。撹拌終了後、真空ポンプを用いて減圧留去を行い、黄色粘体の1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチルプロピル−5−(トリクロロシリル)ペンタノエート(5Ab)2.00gを得た。1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチルプロピル−5−(トリクロロシリル)ペンタノエート(5Ab)は、加水分解されやすいため、精製せずに次の反応に使用した。物性は以下の通りである。
【0101】
1H−NMR(CDCl
3):δ
1.00(dd、J=6.8,7.0Hz、6H、−CH−(C
H3)
2)、
1.38〜1.42(m、2H、Si−C
H2−CH
2−)、
1.56〜1.65(m、2H、Si−CH
2−C
H2−)、
1.75(quin、J=7.4Hz、2H、C
H2−CH
2−C=O−)、
2.49(sep、1H、−C
H−(CH
3)
2)、
3.94(s、3H、Ar−O−C
H3)、
3.95(s、3H、Ar−O−C
H3)、
6.33(d、J=6.0Hz、1H、Ar−C
H)、
6.88(s、1H、Ar−
H)、
7.58(s、1H、Ar−
H).
【0102】
30mL二口ナスフラスコにトリシラノールイソブチルシルセスキオキサン(4a)2.33g(2.94mmol)(白色固体)を入れ、3時間真空乾燥した。乾燥物に、乾燥THF3mL、トリエチルアミン 0.73g(7.14mmol)、1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチルプロピル−5−(トリクロロシリル)ペンタノエート(5Ab)2.00g(4.23mmol)を加え、23時間撹拌した。撹拌後、沈殿物をろ過し、反応溶液を濃縮した。濃縮液をクロロホルム4mLに溶解後、メタノール60mLに沈殿させた。沈殿物を吸引濾過後、真空乾燥して白色固体の1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチルプロピル−オキシカルボニルブチルイソブチルシルセスキオキサン(1b)2.50gを得た。得られた固体はヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、THFに可溶だった。物性値は以下の通りである。
【0103】
EA:Found C,47.18; H, 7.92; N, 1.32.Calcd for C
45H
87NO
18Si
8 C, 46.80; H, 7.59; N, 1.21.
IR(KBr disk):1739、1525、1334、1103cm
−1;
1H−NMR(CDCl
3):δ
0.60(dd、J=7.0, 2.1Hz、16H、SiCH
2)、
0.95(dd、J=6.7、2.6Hz、42H、CH
3)、
1.00(dd、J=7.0、2.6Hz、6H、CH
3)、
1.44(quin、J=7.6Hz、2H、SiCH
2C
H2)、
1.66(quin、J=7.6Hz、2H、CH
2)、
1.85(sep、J=6.8Hz、7H、CH)、
2.19(oct、J=6.4Hz、1H,CH)、
2.33(dd、J=8.2Hz、2H、CH
2)、
3.94(s、3H,OCH
3)、
3.95(s、3H,OCH
3)、
6.34(d、J=5.8Hz、1H、ArCH)、
6.89(s、1H,Ar)、
7.59(s、1H、Ar);
13C−NMR(CDCl
3):δ 11.83、17.38、19.32、22.45、22.49、23.86、23.88、25.67、25.69、28.01、33.34、34.13、56.31、56.27、74.97、107.85、108.88、131.31、140.93、147.87、153.01、172.55;
29Si−NMR(CDCl
3):δ −67.66、−67.73、−67.85.
【0104】
<光分解型かご型シルセスキオキサン誘導体(1)の反応>
【化36】
【0105】
200mLの石英ビーカーに1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチルプロピル−オキシカルボニルブチルイソブチルシルセスキオキサン(1b)を0.997gいれ、THF86.3mLを加えてほぼ透明な0.01Mの溶液とした。高圧水銀灯でガラス、水フィルターに通して50mW/cm
2で約5時間、TLCでエステルのピークがなくなるまで光照射した。溶液を濃縮し、粗成性物1.515gを得た。粗成性物をクロロホルム1.8mLに溶解し、カラムクロマトグラフィー(カラム径4cm、長さ30cm、展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した。リンモリブデン酸で染色し一番上にピークがでるフラクションを収集し、濃縮、真空乾燥し、クリーム色がかった白色固体の5,6−ジメトキシ−3a−2−メチルエチル−2,1−ベンゾイソオキサゾール−3(3aH)−オン(33)を0.651gを得た。5,6−ジメトキシ−3a−2−メチルエチル−2,1−ベンゾイソオキサゾール−3(3aH)−オン(33)の収率は、82.7%であった。次にニトロソ化合物である2−メチル−1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロソフェニル)プロパン−1−オン(32)が溶出され、24mg得た。また、これらとは別に、褐色の固体4−カルボキシブチルイソブチルシルセスキオキサン(3a)を得られた。
【0106】
5,6−ジメトキシ−3a−2−メチルエチル−2,1−ベンゾイソオキサゾール−3(3aH)−オン(33)の構造は単結晶解析によって決定した。具体的には、メタノールから乾固した、白色固体の5,6−ジメトキシ−3a−2−メチルエチル−2,1−ベンゾイソオキサゾール−3(3aH)−オン(33)の単結晶X線解析装置にのせ、回折ピークを収集し、解析した。
【0107】
2−メチル−1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロソフェニル)プロパン−1−オン(32)の物性値は以下の通りである。
【0108】
IR(KBr disk):1695、1509cm
−1;
ESI MS Found 260.0904 Calcd for C
12H
15NO
4Na 260.0899;
1H−NMR(CDCl
3):δ
1.26(d、6H、CH
3)、
3.56(sep、J=6.7Hz、1H、CH)、
3.89(s、3H、OCH
3)、
4.06(s、3H、OCH
3)、
6.23(s、1H、 H6)、
7.11(s、3H、 H3).
【0109】
5,6−ジメトキシ−3a−2−メチルエチル−2,1−ベンゾイソオキサゾール−3(3aH)−オン(33)の物性値は以下の通りである。
【0110】
1H−NMR(CDCl
3):δ
0.96、1.12(d、J=6.8Hz、3H、CH
3、d、J=6.8Hz、3H、CH
3)、
1.99(sep、J=6.8Hz、1H、CH)、
3.71(s、3H、OCH
3)、
3.84(s、3H、OCH
3)、
5.36(s、1H、H4)、
5.65(s、1H、H7);
13C−NMR(CDCl
3):δ
16.21(CH
3、iPr)、17.34(CH
3、iPr)、40.26(CH、iPr)、55.16(C3a)、55.80(OCH
3)、55.57(OCH
3)、88.26(C7)、97.26(C4)、149.92、158.41(C5,C6)、168.44(C7a)、177.11(C3,C=O).