特許第6202445号(P6202445)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6202445反芻動物のメタン排出を低減するため、および/または反芻動物の能力を改善するための飼料組成物の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202445
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】反芻動物のメタン排出を低減するため、および/または反芻動物の能力を改善するための飼料組成物の使用
(51)【国際特許分類】
   A23K 20/105 20160101AFI20170914BHJP
   A23K 50/10 20160101ALI20170914BHJP
   A23K 20/195 20160101ALI20170914BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 1/14 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/35 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/045 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   A23K20/105
   A23K50/10
   A23K20/195
   A61P43/00 121
   A61P1/14
   A61P1/00 171
   A61K45/00
   A61K9/20
   A61K31/35
   A61K31/045
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-511902(P2014-511902)
(86)(22)【出願日】2012年5月25日
(65)【公表番号】特表2014-515930(P2014-515930A)
(43)【公表日】2014年7月7日
(86)【国際出願番号】EP2012059826
(87)【国際公開番号】WO2012160191
(87)【国際公開日】20121129
【審査請求日】2015年4月14日
(31)【優先権主張番号】11167748.0
(32)【優先日】2011年5月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(72)【発明者】
【氏名】ドゥヴァル, ステファーヌ
(72)【発明者】
【氏名】イミグ, イルムガルト
(72)【発明者】
【氏名】キンダーマン, マイク
(72)【発明者】
【氏名】ウィーバー, ギルバート
【審査官】 田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−529333(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/072584(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/045418(WO,A1)
【文献】 ANDERSON, Robin C.,Effects of select nitrocompounds on in vitro ruminal fermentation duringconditions of limiting or excess added reductant,Bioresource Technology,Elsevier B.V.,2008年,Vol.99 Issue 18,p.8655-8661
【文献】 U. FAGERHOLM,PRE-CLINICAL PHARMACOKINETICS OF THE CYCLOOXYGENASE-INHIBITING NITRIC OXIDE DONOR(CINOD) AZD3582,JOURNAL OF PHARMACY AND PHARMACOLOGY,2005年 5月 1日,V57 N5,P587-597
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 10/00−50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反芻動物の消化活動から生じるメタンの形成を低減するため、および/または反芻動物の飼料転換率を改善し、飼料摂取量を低減し、体重増加を改善し、かつ/あるいは屠体または乳の生産量を改善するための、
少なくとも1つの抗生物質と、
下記式で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物と、
を含む飼料組成物または飼料添加物の使用。
【化1】
【請求項2】
前記抗生物質が、モネンシン、ラサロシド、ナラシン、マズラマイシン、セムズラマイシン、サリノマイシン、アボパルシン、アクタプラニン、およびペニシリンからなる群から選択される、請求項に記載の使用。
【請求項3】
前記飼料組成物または飼料添加物がさらに、ジアリルジスルフィド、ニンニク油、アリルイソチオシアネート、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸およびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な活性物質と組み合わせられる、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記反芻動物が、ウシ、ヤギ、ヒツジ、キリン、アメリカバイソン、ヨーロッパバイソン、ヤク、水牛、シカ、ラクダ、アルパカ、ラマ、ヌー、レイヨウ、プロングホーン、およびニルガイからなる群から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
乾物摂取量1キログラムあたりのリットル数で計算される、前記反芻動物におけるメタン生成が、代謝チャンバー内で測定したときに少なくとも10%低減される、請求項1〜のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記化合物の前記反芻動物に投与される量が、飼料1kgあたり1mg〜10gであり、前記反芻動物に投与される前記抗生物質の量が飼料1kgあたり0.5〜100mgである、請求項1〜のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記化合物/前記抗生物質の重量比が0.05〜50の間である、請求項1〜のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
少なくとも、請求項に記載の抗生物質および化合物を含む、飼料組成物または飼料添加物。
【請求項9】
ミネラルプレミックス、ビタミンプレミックス、もしくはビタミンおよびミネラルを含むプレミックス、または巨丸剤である、請求項に記載の飼料組成物または飼料添加物
【請求項10】
反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を低減するため、および/または反芻動物の飼料転換率を改善し、飼料摂取量を低減し、体重増加を改善し、かつ/あるいは屠体または乳の生産量を改善するための方法であって、
少なくとも1つの抗生物質と、
下記式で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物と、
を含む、十分な量の飼料組成物または飼料添加物を前記動物に経口的に投与することを含む方法。
【化2】
【請求項11】
前記飼料組成物または飼料添加物が、ジアリルジスルフィド、ニンニク油、アリルイソチオシアネート、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸およびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な活性物質と組み合わせて前記動物に投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記反芻動物が、ウシ、ヤギ、ヒツジ、キリン、アメリカバイソン、ヨーロッパバイソン、ヤク、水牛、シカ、ラクダ、アルパカ、ラマ、ヌー、レイヨウ、プロングホーン、およびニルガイからなる群から選択される、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記化合物の前記反芻動物に投与される量が、飼料1kgあたり1mg〜10gであり、前記反芻動物に投与される前記抗生物質の量が飼料1kgあたり0.5mg〜150gである、請求項1012のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
乾物摂取量1キログラムあたりのリットル数で計算される、前記反芻動物におけるメタン生成が、代謝チャンバー内で測定したときに少なくとも10%低減される、請求項1013のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記化合物/前記抗生物質の重量比が0.05〜50の間である、請求項1014のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、反芻動物のメタン排出を低減する分野に関する。特に、反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を低減するため、および/または反芻動物の能力を改善するための、少なくとも1つの抗生物質と、少なくとも1つのニトロオキシ基によって任意の位置で置換された少なくとも1つの有機分子とを含む飼料組成物または飼料添加物の使用に関する。
【0002】
本発明はさらに、上記の分子を含む動物飼料または動物飼料組成物および飼料添加物に関する。飼料または飼料組成物という用語は、動物による摂取に適した、あるいは動物による摂取を目的とした任意の化合物、調製物、混合物、または組成物を意味する。
【0003】
本文脈では、反芻動物は、植物ベースの食物を最初に動物の第1の胃(第一胃として知られている)の中で軟化させ、次に半消化塊(これは食い戻しとして知られている)を吐き戻し、これを再度噛み砕くことによって消化する偶蹄目の哺乳類である。食い戻しを再度噛み砕いて植物質をさらに分解し、消化を刺激する過程は、「反芻」と呼ばれる。
【0004】
第一胃発酵はいくつかの不都合をもたらす。嫌気性発酵の自然の結果としてメタンが生成され、これは、宿主動物にとってエネルギー損失を意味する。典型的な乳牛飼料において炭水化物は乾物の70〜80%を構成するが、これにもかかわらず胃腸管からの炭水化物の吸収は通常、非常に限られている。この理由は、主生成物としてアセタート、プロピオナートおよびブチラートの生成をもたらす第一胃内での炭水化物の徹底的な発酵である。これらの生成物は、いわゆる揮発性脂肪酸(VFA)の一部である。
【0005】
エネルギー損失に加えて、メタンは、COよりも何倍も強力な温室ガスでもある。その大気中の濃度は過去1世紀の間に倍増し、不安をいだかせるほど増加し続けている。反芻動物は生物起源のメタン形成の主要原因であり、反芻動物からのメタン形成を防止すると、大気中メタンの濃度がほぼ安定化され得ると推定されている。
【0006】
さらに、2009年のコペンハーゲン気候サミット(climate summit)によって追従される京都議定書のアセスメントは、マルチガス戦略の一環としてメタン排出を削減することをより一層優先している。
【0007】
抗生物質、そしてより詳細にはイオノフォアは、反芻動物のメタン生成をわずかに低減することが示されている(Guan et al.2006.Journal of Animal Science;84:1896−1906)。しかしながら、メタン形成に対する抗生物質の効果は、短期間(2〜3週間)のうちに意図される効果の完全な損失をもたらす細菌叢の急速な適応および/または耐性の発現のために、そしてヨーロッパでは抗生物質の非治療的な用途での使用は禁止されているために、いくつかの不都合を有する。
【0008】
生体外第一胃シミュレーションモデルを用いて試験したときにメタン排出の低減をもたらす非抗生物質製品(胆汁酸誘導体)が最近公開されている(国際公開第2010/072584号パンフレット)。しかしながら、メタン排出の適度な低減を生じるために必要とされる量は、反芻動物飼料産業のコスト制約と両立できない。
【0009】
さらに、生体外実験に基づいて反芻動物のメタン排出を低減するための強力な解決法として、いくつかの天然植物抽出物(ニンニク:国際公開第2009/150264号パンフレット、ユッカ、シナモン、ルバーブなど)が科学文献において記載されている。しかしながら、副作用(乳中の残留物)のため、生体内で試験したときの効力の欠如のため、あるいは有意なメタンの低減を生じるために動物に供給される必要がある非常に大量の添加物のために、これらの解決法はどれも市販製品には至らなかった。
【0010】
これらの状況下で反芻動物によって生じるメタンの形成を低減する新しい物質および組成物を開発することが依然として必要とされている。メタン排出の低減に加えて、このような組成物は、飼料転換率(feed conversion ratio)を改善し、飼料摂取量を低減し、体重増加を改善し、かつ/あるいは屠体または乳の生産量を改善することによって、反芻動物の能力を改善することにも寄与し得る。
【0011】
本発明者らはここで驚くことに、宿主動物に有害であり得るような形で微生物発酵に影響を及ぼすことなくメタン形成を本質的に低減するために、本明細書中で以下に規定される組成物が、動物飼料中で使用する大きな可能性を有することを見出した。さらに、本発明の化合物は、第一胃内アセタート/プロピオナート比、飼料転換率、飼料摂取量、体重増加、屠体生産量、または乳生産量によって測定される全体的な動物能力に関しても大きな利益を有する。また前記組成物は従来技術に記載されるものよりも安定であり、動物およびヒトにとって安全であり、持続的なメタン低減効果をもたらし、おいしさに影響を与えず、動物栄養産業に適合したコストにおいて工業規模で生産することが可能であり、そして中でも、前記組成物が補給された動物の乳または食肉中の任意の代謝産物の蓄積を誘発せず、第一胃内において非常に低濃度で活性である。
【0012】
従って、本発明は、反芻動物の消化活動から生じるメタンの形成を低減するため、および/または反芻動物の能力を改善するための、少なくとも1つの抗生物質と、式(I)によって定義される、少なくとも1つのニトロオキシ基によって任意の位置で置換された少なくとも1つの有機分子またはその塩とを含む飼料組成物または飼料添加物の使用を提供する。
【0013】
本発明はさらに、反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を低減するため、および/または反芻動物の能力を改善するための方法であって、動物に、少なくとも1つの抗生物質と、式(I)によって定義される、少なくとも1つのニトロオキシ基によって任意の位置で置換された少なくとも1つの有機分子またはその塩とを含む、十分な量の飼料組成物または飼料添加物を動物に経口的に投与することを含む方法を提供する。経口投与とは、単純な摂食、または手作業の巨丸剤投与であると理解されるべきである。
【0014】
本発明の全ての実施形態において、少なくとも1つのニトロオキシ基によって任意の位置で置換された有機分子またはその塩は、以下の式(I):
【化1】


によって定義され、式中、
Yは、以下の組成:Cの有機分子であり、ここで
aは、1〜25の間、好ましくは1〜10の間であり、
bは、2〜51の間、好ましくは2〜21の間であり、
dは、0〜8の間、好ましくは0〜6の間であり、
eは、0〜5の間、好ましくは0〜3の間であり、
gは、0〜3の間、好ましくは0〜1の間である。
【0015】
より好ましくは、本発明の全ての実施形態において、式(I)の有機分子は以下の組成Cを有し、式中、
aは、1〜10の間であり、
bは、2〜21の間であり、
dは、0〜6の間であり、
eは、0〜3の間であり、
gは、0〜1の間である。
【0016】
別の実施形態では、本発明に従う式(I)の好ましい化合物は、bが3〜51の間であり、好ましくはbが3〜21の間である化合物である。
【0017】
別の実施形態では、本発明に従う式(I)の好ましい化合物は、式(II)
【化2】


の化合物であり、式中、
nは0〜12の間であり、好ましくは0〜6の間であり、かつnが0でない場合、炭素鎖は、線状、環状、もしくは分枝状の脂肪族炭素鎖(非置換であっても、あるいは3個までのヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはニトロオキシ基によって置換されていてもよい)、またはアルケニル、またはアルキニル炭素鎖(一不飽和または多価不飽和であり、任意の異性体形態である)であり、
R4は独立して、水素、または1〜12個、好ましくは1〜6個の炭素原子を含有するアルキルもしくはアルケニル基の飽和直鎖、環状鎖もしくは分枝鎖であり、
Xは、水素、R5、R5≡N、−OR5、−OCOR5、−NR5R6、−ONO2、−COOR5、−CONR5R6、−NHSO2R5、または−SO2NHR5であり、
R5およびR6は独立して、水素、C1〜C12直線状、分枝状または環状アルキル鎖(非置換であるか、あるいは3個までのヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはニトロオキシ基によって置換されている)、アルケニル、またはアルキニル炭素鎖(一不飽和または多価不飽和、ならびに任意の異性体形態であり得る)である。
【0018】
本発明の全ての実施形態について、式(I)の化合物および式(II)の化合物は任意の異性体形態であり得ると理解されるべきである。式(II)の化合物の上記定義において、nが2よりも大きい場合、炭素鎖は線状であるか、あるいは炭素鎖に沿った任意の位置で分枝され得ると理解されるべきである。加えて、炭素鎖は、炭素鎖に沿った異なる位置で多数の枝によって分枝され得る。さらに、nが3よりも大きい場合、脂肪族炭素鎖は環状部分を形成し得る。この環状部分は任意の位置(2、3、4)にニトロオキシ部分を有することができ、同様に、任意の脂肪族基によって多数の位置で分枝され得る。分枝脂肪族基は、好ましくは、メチル、エチルまたはプロピルである。さらに、炭素鎖は、3個までのヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはニトロオキシ基によってさらに置換されていてもよい。
【0019】
式(II)の誘導体の上記定義において、好ましいアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2級ブチル、イソブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、および2−エチル−ヘキシルおよびオクチルである。さらに、3個以上の炭素原子を含有するアルキルまたはアルケニル基はどれも、直鎖、分枝状、または環状であり得る。加えて、直鎖または分枝状C〜C10−アルケニレン基の場合、これは、1つまたは複数(Cから)の二重結合を有するアルケニレン基を包含すると理解され、このようなアルケニレン基の例は、式−CH=CH−、−CH=CH−CH−、−CH=CH−(CH−および−(CH=CH)−を有するものである。
【0020】
別の実施形態では、本発明に従う式(I)のより好ましい化合物は、表1においてその化学式と共に記載される化合物およびその塩のリストから選択される。
【0021】
【表1】

【0022】
【表2】

【0023】
【表3】

【0024】
【表4】

【0025】
別の実施形態では、式(I)のさらにより好ましい化合物は、3−ニトロオキシプロパノール、エチル−3−ニトロオキシプロピオナート、メチル−3−ニトロオキシプロピオナート、および3−ニトロオキシプロピオン酸を含む化合物およびこれらの塩のリストから選択される。
【0026】
本発明の式(I)の化合物はニトロオキシ有機分子の塩も含む。塩の調製のための好ましいカチオンは、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、リチウム(Li+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、ストロンチウム(Sr2+)、およびアンモニウム(NH4+)からなる群から選択され得る。また塩は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属から調製されてもよい。
【0027】
本発明に従う式(I)の化合物は、原則として、ニトロオキシ有機分子のためのそれ自体が既知である合成方法に従って、かつ/あるいはPCT/EP2010/069338号明細書、および欧州特許出願第10195857.7号明細書において記載される方法に基づいて製造することができる。
【0028】
全てのこれらの場合において、生成物(式(I)の化合物)を精製するために適切な方法は当業者によって選択することができ、すなわちカラムクロマトグラフィによるか、あるいは、それ自体が既知である方法によって、例えば、ジエチルエーテルまたは酢酸エチルなどの溶媒を添加して反応後の混合物から粗生成物の分離を引き起こし、捕集した粗生成物をNaSO上で乾燥させることによって、式(I)の化合物を単離および精製することができる。
【0029】
抗生物質は、微生物を死滅させるか、あるいはその増殖を遅くする物質である。特定の抗生物質の種類として、イオノフォアは、一般に、細胞膜などの脂質バリアを横切るイオンの移動を容易にする物質であると定義される。
【0030】
本発明の特定の実施形態では、少なくとも1つの抗生物質は、モネンシン、ラサロシド、ナラシン、マズラマイシン、セムズラマイシン、サリノマイシン、アボパルシン、アクタプラニン、およびペニシリンからなる群から選択される。より好ましくは、本発明に最も適した化合物はイオノフォアであり、さらに最も好ましくは、抗生物質は、モネンシン(Rumensin)またはラサロシド(Bovatec)のいずれかである。両イオノフォアは、ElancoおよびAlpharmaからそれぞれ入手可能である。
【0031】
反芻動物によるメタン排出は、当該技術分野で既知の方法によって、代謝チャンバー内で個々の動物において容易に測定することができる(Grainger et al.,2007 J.Dairy Science;90:2755−2766)。さらに、レーザービームを用いる新たな技術によって、家畜小屋レベルで評価することもできる(McGinn et al.,2009,Journal of Environmental Quality;38:1796−1802)。あるいは、酪農反芻動物によって生成されるメタンは、国際公開第2009/156453号パンフレットに従って乳中の脂肪酸プロファイルの測定によって評価することもできる。
【0032】
反芻動物の能力は当該技術分野において周知の方法によって評価することができ、通常、飼料転換率、飼料摂取量、体重増加、屠体生産量、または乳生産量によって特徴付けられる。
【0033】
また本発明は、第一胃内のメタン形成に関して類似の効果を示し、ジアリルジスルフィド、ニンニク油、アリルイソチオシアネート、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸およびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な活性物質と組み合わせた、少なくとも1つの抗生物質と、式(I)によって定義される、少なくとも1つのニトロオキシ基によって任意の位置で置換された少なくとも1つの有機分子またはその塩とを含む飼料組成物または飼料添加物の使用に関する。
【0034】
本発明に従う化合物と共に付与され得るさらなる成分は、例えば、酵母、オレガノ抽出物、および精油、例えば、チモール、3−メチルフェノール、バニリン、グアヤコールおよびオイゲノールである。
【0035】
現在のところ、ジアリルジスルフィド、ニンニク油、アリルイソチオシアネート、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸およびこれらの誘導体は、例えば、飼料1kgあたり0.01〜500mgの活性物質(ppm)の用量範囲で独立して投与されることが考えられる。これらの化合物は市販されているか、あるいは従来技術において周知の過程および方法を用いて当業者により容易に調製することができる。
【0036】
本発明に従う反芻哺乳類には、ウシ、ヤギ、ヒツジ、キリン、アメリカバイソン、ヨーロッパバイソン、ヤク、水牛、シカ、ラクダ、アルパカ、ラマ、ヌー、レイヨウ、プロングホーン、およびニルガイが含まれる。
【0037】
本発明のすべての実施形態のために、家畜牛、ヒツジおよびヤギがより好ましい種である。本発明の目的のために、最も好ましい種は家畜牛である。この用語は、全ての品種の家畜牛、および全ての生産種の牛、特に乳牛および肉牛を含む。
【0038】
また本発明は、少なくとも1つの抗生物質と、式(I)によって定義される、少なくとも1つのニトロオキシ基によって任意の位置で置換された少なくとも1つの有機分子またはその塩とを含む飼料組成物または飼料添加物の使用に関し、乾物摂取量1キログラムあたりのリットル数で計算される反芻動物のメタン生成は、代謝チャンバー内で測定したときに少なくとも10%低減される。好ましくは、メタンの低減は、少なくとも15%であり、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくとも30%である。レーザービームの使用、あるいは酪農反芻動物の場合にはメタン生成と乳中のVFAプロファイルとの相関のように、代替的なメタン排出測定が使用されてもよい。
【0039】
また本発明は、少なくとも1つの抗生物質と、式(I)によって定義される、少なくとも1つのニトロオキシ基によって任意の位置で置換された少なくとも1つの有機分子またはその塩とを含む飼料組成物または飼料添加物の使用に関し、反芻動物の飼料転換率は、従来の能力試験で測定される場合に少なくとも1%低減される。好ましくは、飼料転換率は、少なくとも2%、より好ましくは少なくとも2.5%、さらにより好ましくは少なくとも3%、最も好ましくは少なくとも3.5%低減される。
【0040】
畜産において、飼料転換率(FCR)という用語は、動物が飼料質量を体重の増加に転換する効率の尺度である。具体的には、FCRは、特定の期間全体にわたって、摂取された飼料の質量を体重増加で割った値である。FCRは無次元である。
【0041】
また本発明は、少なくとも1つの抗生物質と、式(I)によって定義される、少なくとも1つのニトロオキシ基によって任意の位置で置換された少なくとも1つの有機分子またはその塩とを含む飼料組成物または飼料添加物の使用に関し、式(I)で定義される有機分子の反芻動物に投与される量は、飼料1Kgあたり1mg〜10g、好ましくは飼料1Kgあたり10mg〜1gであり、より好ましくは飼料1Kgあたり50mg〜500mgであり、そして反芻動物に投与される抗生物質の量は、飼料1Kgあたり0.5〜150mg、好ましくは飼料1Kgあたり5〜50mgである。しかしながら、動物飼料において使用する場合、式(I)によって定義される、少なくとも1つのニトロオキシ基によって任意の位置で置換された有機分子またはその塩はそれほど純粋である必要はなく、例えば、他の化合物および誘導体を含んでいてもよい。
【0042】
本発明はさらに、少なくとも1つの抗生物質と、式(I)によって定義される、少なくとも1つのニトロオキシ基によって任意の位置で置換された少なくとも1つの有機分子またはその塩とを含む飼料組成物または飼料添加物の使用に関し、飼料組成物または飼料添加物中の式(I)で定義される有機分子/抗生物質の重量比は、0.05〜50の間、好ましくは0.1〜10の間、より好ましくは0.5〜5の間である。
【0043】
反芻動物の飼料または飼料添加物は、飼料の配合および加工の分野においてそれ自体が既知である方法によって調製され得る。
【0044】
従って、本発明のさらなる態様は、本明細書において上記で定義された組成物を含有する配合物、すなわち飼料添加物および動物飼料組成物である。
【0045】
従って、本発明は、少なくとも1つの抗生物質と、少なくとも式(I)の化合物またはその塩とを含む飼料組成物または飼料添加物にも関する。好ましい実施形態では、組成物は、ミネラルプレミックス、ビタミンプレミックス(ビタミンおよびミネラルを含む)、または巨丸剤である。
【0046】
飼料摂取によって動物に提供される本発明に従う組成物の通常の1日の投与量は、動物の種類およびその状態に依存する。通常、この投与量は、飼料1kgあたり約1mg〜約10g、好ましくは約10mg〜約1g、より好ましくは50mg〜500mgの化合物の範囲内でなければならない。
【0047】
少なくとも1つの抗生物質と、式(I)によって定義される、少なくとも1つのニトロオキシ基によって任意の位置で置換された少なくとも1つの有機分子またはその塩とを含む組成物は、炭酸カルシウム、電解質、例えば塩化アンモニウム、タンパク質、例えば大豆ミール、小麦、デンプン、ヒマワリミール、コーン、肉骨粉、アミノ酸、動物性脂肪、ビタミンおよび微量ミネラルなどの動物飼料組成物(食餌)中に存在する従来の成分と組み合わせて使用されてもよい。
【0048】
本発明の組成物の特定の例は、以下の通りである:
− (a)表1から選択される少なくとも1つの化合物、および(b)抗生物質、(c)少なくとも1つの脂溶性ビタミン、(d)少なくとも1つの水溶性ビタミン、(e)少なくとも1つの微量ミネラル、および/または(f)少なくとも1つの多量ミネラルを含む動物飼料添加物、
− 抗生物質、および表1から選択される少なくとも1つの化合物を含み、粗タンパク質含量が50〜800g/kg飼料である動物飼料組成物。
【0049】
いわゆるプレミックスは本発明の動物飼料添加物の例である。プレミックスは、1つまたは複数の微量成分と、希釈剤および/またはキャリアとの好ましくは均一の混合物を示す。プレミックスは、より大きい混合物中での微量成分の均一な分散を容易にするために使用される。
【0050】
本発明の活性成分は別として、本発明のプレミックスは、少なくとも1つの脂溶性ビタミン、および/または少なくとも1つの水溶性ビタミン、および/または少なくとも1つの微量ミネラル、および/または少なくとも1つの多量ミネラルを含有する。言い換えると、本発明のプレミックスは、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、微量ミネラル、および多量ミネラルからなる群から選択される少なくとも1つの付加的な成分と共に、本発明に従う少なくとも1つの化合物を含む。
【0051】
多量ミネラルは、単独で飼料に添加されてもよい。従って、特定の実施形態では、プレミックスは、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、および微量ミネラルからなる群から選択される少なくとも1つの付加的な成分と共に、本発明の活性成分を含む。
【0052】
以下は、これらの成分の例の非排他的なリストである:
− 脂溶性ビタミンの例は、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、およびビタミンK、例えばビタミンK3である。
− 水溶性ビタミンの例は、ビタミンB12、ビオチンおよびコリン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸およびパントテナート(panthothenate)、例えば、Ca−D−パントテナートである。
− 微量ミネラルの例は、マンガン、亜鉛、鉄、銅、ヨウ素、セレン、およびコバルトである。
− 多量ミネラルの例は、カルシウム、リンおよびナトリウムである。
【0053】
雌ウシなどの反芻動物のための飼料組成物およびその成分に関して、反芻動物の食餌は、通常、容易に分解可能な画分(濃縮物と命名)と、繊維が豊富であまり容易に分解されない画分(干し草、まぐさ、または食物繊維と命名)とから構成される。
【0054】
干し草は、乾燥した牧草、マメ科植物または全穀物で作られている。牧草としては、とりわけ、オオアワガエリ、ドクムギ、フェスク(fescue)が挙げられる。マメ科植物としては、とりわけ、クローバー、ムラサキウマゴヤシまたはアルファルファ、エンドウ豆、豆およびカラスノエンドウが挙げられる。全穀物としては、とりわけ、大麦、トウモロコシ(コーン)、オート麦、ソルガムが挙げられる。その他のまぐさ作物としては、サトウキビ、ケール、セイヨウアブラナ、およびキャベツが挙げられる。また、カブ、スウェーデンカブ、マングル(mangle)、飼料用ビート、および甜菜(甜菜パルプおよびビート糖蜜を含む)などの根菜作物も、反芻動物を育てるために使用される。またさらなる作物は、ジャガイモ、キャッサバおよびサツマイモなどの塊茎である。サイレージは、繊維の豊富な画分(例えば、牧草、マメ科植物または全穀物から)がサイロ発酵されたものであり、制御された嫌気性発酵プロセス(自然発酵または添加剤処理による)によって高含水量の材料が処理される。
【0055】
濃縮物は、大部分は穀物(醸造穀類および蒸留穀類を含む大麦、トウモロコシ、小麦、ソルガムなど)で作られているが、大豆、菜種、パーム核、綿実およびヒマワリなどのタンパク質が豊富な飼料成分を含有することも多い。
【0056】
また雌ウシには、全ての食餌成分、例えば、まぐさ、サイレージおよび濃縮物が供給前に混合された完全混合飼料(TMR)が与えられてもよい。
【0057】
上記のように、プレミックスは、本発明に従う活性化合物を含むことができる飼料添加物の一例である。化合物は、異なる他の形態で動物に投与されてもよいことが理解される。例えば、第一胃内に入れられて、明確に定義された投与量において規定量の活性化合物を特定の期間にわたって連続的に放出し得る巨丸剤中に、化合物が含まれることも可能である。
【0058】
本発明はさらに、反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を低減するため、および/または反芻動物の能力を改善するための方法に関し、少なくとも1つの抗生物質と、上記の好ましい実施形態により式(I)によって定義される、少なくとも1つのニトロオキシ基によって任意の位置で置換された少なくとも1つの有機分子またはその塩とを含む、十分な量の飼料組成物または飼料添加物を経口的に投与することを含む。
【0059】
さらに、本発明は、本発明に従う飼料組成物または飼料添加物が、ジアリルジスルフィド、ニンニク油、アリルイソチオシアネート、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸およびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な活性物質と組み合わせて動物に投与される、上記の方法にも関する。
【0060】
また本発明は、反芻動物が、ウシ、ヤギ、ヒツジ、キリン、アメリカバイソン、ヨーロッパバイソン、ヤク、水牛、シカ、ラクダ、アルパカ、ラマ、ヌー、レイヨウ、プロングホーン、およびニルガイからなる群から選択され、より好ましくは、ウシ、ヤギおよびヒツジからなる群から選択される、上記の方法にも関する。
【0061】
また本発明は、式(I)で定義される少なくとも1つの有機分子の反芻動物に投与される量が、飼料1kgあたり約1mg〜約10g、好ましくは約10mg〜約1g、より好ましくは50mg〜500mgの化合物であり、反芻動物に投与される抗生物質の量が、飼料1Kgあたり0.5〜150mg、好ましくは飼料1Kgあたり5〜50mgである、上記の方法にも関する。
【0062】
また本発明は、乾物摂取量1キログラムあたりのリットル数で計算される反芻動物のメタン生成が、代謝チャンバー内で測定したときに少なくとも10%低減された、上記の方法にも関する。好ましくは、メタンの低減は、少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくとも30%である。レーザービームの使用、あるいは酪農反芻動物の場合にはメタン生成と乳中のVFAプロファイルとの相関のように、代替的なメタン排出測定が使用されてもよい。
【0063】
また本発明は、反芻動物の飼料転換率が従来の能力試験で測定される場合に少なくとも1%低減された、上記の方法にも関する。好ましくは、飼料転換率は、少なくとも2%、より好ましくは少なくとも2.5%、さらにより好ましくは少なくとも3%、最も好ましくは少なくとも3.5%低減される。
【0064】
また本発明は、飼料組成物または飼料添加物中の式(I)で定義される有機分子/抗生物質の重量比が0.05〜50の間であり、好ましくは0.1〜10の間であり、より好ましくは0.5〜5の間である、上記方法にも関する。
【0065】
本発明は、本発明の範囲を限定すると解釈されてはならない以下の実施例によってさらに説明される。
【0066】
[実施例]
[実施例1:メタン生成についての生体外試験]
この生体外システムによって模倣される第一胃の機能に対する特定の化合物の効果を試験するために、「Hohenheim Forage value Test(HFT)」の修正版を用いた。
【0067】
[原理]
第一胃液の組成物および緩衝液の適切な混合物と共に、飼料をシリンジ内に供給する(gadded)。溶液を39℃でインキュベートする。8時間後に、生成した気相の量(および組成)を測定し、転換のための式に入力する。
【0068】
[試薬]
[質量要素溶液(mass element solution)]
− 6.2gのリン酸二水素カリウム(KHPO
− 0.6gの硫酸マグネシウム七水和物(MgSO7HO)
− 9mlの濃リン酸(1mol/l)
− 蒸留水に溶解させて1lにする(pH約1.6)
[緩衝溶液]
− 35.0gの炭酸水素ナトリウム(NaHCO
− 4.0gの炭酸水素アンモニウム((NH)HCO
− 蒸留水に溶解させて1lにする
[微量元素溶液]
− 13.2gの塩化カルシウム二水和物(CaCl2HO)
− 10.0gの塩化マンガン(II)四水和物(MnCl4HO)
− 1.0gの塩化コバルト(II)六水和物(CoCl6HO)
− 8.0gの塩化鉄(III)(FeCl6HO)
− 蒸留水に溶解させて100mlにする
ナトリウム塩溶液:
− 100mgのナトリウム塩
− 蒸留水に溶解させて100mlにする
[還元溶液]
− 最初に3mlの水酸化ナトリウム(c=1mol/l)、次に427.5mgの硫化ナトリウム水和物(NaO)を、71.25mlのHOに添加する
− 溶液は、媒体溶液に添加する直前に調製されなければならない
【0069】
[手順]
[サンプルの秤量]
通常はTMR(44%の濃縮物、6%の干し草、37%のトウモロコシサイレージおよび13%の牧草サイレージ)である飼料材料を1mmのふるいにかけ、64本のシリンジ内に正確に秤量する。これらのシリンジのうちの4本は基質対照であり、試験化合物の効果がない場合のガス生成を示す。別の4本のシリンジは正の対照であり、ブロモエタンスルホナートが0.1mMまで添加されている。必要であれば、4本のシリンジはキャリア対照を含有する(試験化合物がキャリアを必要とする場合)。残りのシリンジは、4本のシリンジ群によって試験物質を含有する。
【0070】
[媒体溶液の調製]
成分をWoulffボトル内で以下の順序で混合する:
− 711mlの水
− 0.18mlの微量元素溶液
− 355.5mlの緩衝溶液
− 355.5mlの質量要素溶液
完成溶液を39℃まで温めた後、1.83mlのナトリウム塩溶液を添加し、36℃の還元溶液を添加する。指示薬が無色になったら第一胃液を添加する。
【0071】
[第一胃液の抽出]
継続的に攪拌しながらCOガス処理の下、750mlの第一胃液を約1,400mlの媒体溶液に添加する。
【0072】
[シリンジの充填、インキュベーション、ならびにガス容積およびVFA値の決定]
希釈した第一胃流体(24ml)をガラスシリンジに添加する。次に、シリンジを穏やかに攪拌しながら39℃で8時間インキュベートする。8時間後に、生成したガスの容積を測定し、ガスクロマトグラフィによって気相中のメタンの割合を決定する。
【0073】
[結果]
発酵される食物は、人工TMR(44%の濃縮物、6%の干し草、37%のトウモロコシサイレージおよび13%の牧草サイレージ)であった。モネンシンをElancoから入手し、0.01%の乾物(DM)の濃度で使用した。3−ニトロオキシ−プロパノールは、2つの異なる濃度0.01%および0.005%DMで使用した。
【0074】
結果は、以下の表2に示される。明白な相加効果が得られた。驚くことに、3−ニトロオキシプロパノールを0.01%DMで使用したときにメタン阻害が最大であっても、モネンシンを併用すると、動物の付加的な能力利益につながるアセタート/プロピオナート比に対してさらなる相加効果が観察された。
【0075】
【表5】