(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記識別子が他の案件に展開することを示す第1のタグを第1の案件に付与した場合、前記第1の案件が属するグループの他の案件に関連付けて前記第1のタグを表示するステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
前記識別子が他の案件に展開することを示す第1のタグを第1の案件に付与した場合、前記第1のタグによる案件検索において、前記第1の案件が属するグループの他の案件も検索対象に含めるステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
前記識別子が他の案件に展開することを示す第1のタグを第1の案件に付与した場合、前記第1の案件が属するグループの他の案件に前記第1のタグを付与するステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、知的財産権に関する案件の管理を実行させ、複数の案件をグループとして管理可能なプログラム(以下「案件管理プログラム」と称する)である。案件の管理とは、知的財産権に関する案件のデータを記憶し、利用者に各案件のデータを提示したり、利用者に案件データの検索機能を提供することなどを含む。複数の案件のグループとは、例えばパテントファミリーのように、優先権に基づき相互に関連する案件のグループ(以下「ファミリーグループ」と称する)を含む。また、複数の案件のグループとは、あるプロジェクトに関する案件群をまとめて管理したい場合など、ユーザが手動で設定した案件のグループ(以下「手動設定グループ」と称する)を含む。また、複数の案件のグループとは、同じタグを付与された案件のグループ(以下「タググループ」と称する)を含む。
【0011】
案件に付与されるタグとは、案件の技術的特徴を示すタグを含む。例えば、ある案件が暗号化技術に関するものである場合、当該案件に「暗号化技術」タグを付与することができる。また、案件に付与されるタグとは、案件が利用される製品などを示すタグを含む。例えば、ある案件が製品Aに関するものである場合、当該案件に「製品A」タグを付与することができる。また、案件に付与されるタグとは、案件にて生じる法的な手続きや、審査段階で適用された条文などを示すタグを含む。例えば、ある案件にて早期審査請求を行った場合、当該案件に「早期審査」タグを付与することができる。
【0012】
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る案件管理プログラムを実行する案件管理システム1を示す図である。案件管理システム1は、制御部10と表示部20と記憶部30とを備える。制御部10は、案件管理システム1を制御するプロセッサである。制御部10は、案件管理プログラムに関するソフトウェアを読み込み、表示部20及び記憶部30と協働して案件管理プログラムに関する情報処理を実現する。表示部20は、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等の任意の表示デバイスである。記憶部30は、情報を記憶するメモリ、ハードディスク、データベース等の任意の記憶デバイスである。
【0013】
案件管理システム1は、制御部10と表示部20と記憶部30とを含む単独のコンピュータとして実装することができる。また、案件管理システム1は、制御部10と表示部20と記憶部30とをネットワークを介して相互にアクセス可能な独立したコンピュータとして実装することもできる。この場合、例えば案件管理システム1は、制御部10を含むアプリケーションサーバ、表示部20を含む利用者コンピュータ、及び記憶部30を含むデータベースサーバにより構成できる。
【0014】
案件管理システム1は、複数の案件をグループとして管理できる。
図2は、ファミリーグループを記録したファミリーグループテーブル31の一例を示す図である。ファミリーグループテーブル31は、記憶部30に記憶される。
図2では、例えば日本出願であるCASE1の優先権に基づく米国出願(CASE1−US)、中国出願(CASE1−CN)、欧州出願(CASE1−EP)が、1まとまりのファミリーグループ(FAMILY1)として記録されている。なお、ファミリーグループテーブル31は複数のファミリーグループを記録できる。
【0015】
図3は、手動設定グループを記録した手動設定グループテーブル32の一例を示す図である。手動設定グループテーブル32は記憶部30に記憶される。
図3では、Aプロジェクトに2つの案件(CASE1、2)がグループとして記録され、Bプロジェクトに2つの案件(CASE3、4)がグループとして記録されている。なお、手動設定グループには、プロジェクト以外の任意のグループ内容にて手動設定グループを記録できる。
【0016】
図4は、案件に付与されたタグを記録した案件タグテーブル33の一例を示す図である。
図4では、CASE1、CASE7、CASE8、CASE9の4つの案件に暗号化技術タグが付与されている。この場合、CASE1、CASE7、CASE8、CASE9は、暗号化技術に関するタググループを構成することになる。なお、案件タグテーブル33は複数のタグを記録することができる。この場合、各タブについて案件のタググループが構成される。また、1つの案件に複数の異なるタグを付与してもよい。
【0017】
図5は案件情報の画面表示の一例を示す図である。制御部10は、案件タグテーブル33などを参照し、表示部20に
図5に示す案件情報画面を表示させる。案件情報画面には、案件の各種番号や発明者などの書誌情報に加え、タグ表示領域61が設けられる。タグ表示領域61には、CASE1に付与された「暗号化技術」のタグが表示される。
【0018】
図6は案件検索の画面表示の一例を示す図である。制御部10は、案件タグテーブル33などを参照し、表示部20に
図6に示す案件検索画面を表示させる。
図6は、検索タグとして暗号化技術を用いた場合の一例であり、案件検索画面の検索結果領域62には、「暗号化技術」のタグを付与された案件の一覧が表示される。
【0019】
ここで、
図7を参照して、複数の案件を含むグループを考慮しないタグ付与により生じる課題を説明する。なお、ファミリーグループテーブル31は
図2のとおり、案件タグテーブル33は
図4のとおり設定されているものとする。
図7は、タグ未付与の案件情報の画面表示の一例を示す図である。
図7で表示されるCASE1−USに対しては、
図4の案件タグテーブル33においてタグが設定されていない。このため、タグ表示領域61にはタグが表示されない。しかし、
図4の案件タグテーブル33では、CASE1−USと同じファミリーグループに属するCASE1に対して暗号化技術のタグが付与されている。ここで、一般に同じファミリーグループに属する案件は技術的特徴が共通することから、CASE1のファミリーであるCASE1−USの案件情報画面においても、タグ表示領域61に「暗号化技術」のタグが表示されることが好ましい。なお、これは案件情報の表示に限らず、案件データの検索においても、CASE1−USが「暗号化技術」による検索結果に含まれることが好ましい。従来、ある案件に付与したタグを、当該案件が属するグループの他の案件にて表示させたり、他の案件を当該タグにて検索可能とするためには、グループ内の全案件について個別にタグの付与を行う必要があった。
【0020】
本発明の一実施形態に係る案件管理プログラムは、案件に付与するタグを、タグが付与される案件が属するグループの他の案件に展開するか否かを示す識別子とともに記憶するものである。説明の便宜のため、「タグが付与される案件が属するグループの他の案件」を適宜「他の案件」と略記するものとする。他の案件への展開とは、他の案件の案件と関連付けてタグを表示させることを含む。また、他の案件への展開とは、タグによる案件検索において、他の案件を検索対象に含めることを含む。また、他の案件への展開とは、他の案件に当該タグを付与することを含む。
【0021】
図8は、タグ設定画面の一例を示す図である。制御部10は、表示部20に
図2に示す画面を表示させる。タグ設定画面はタグ名フォーム41、グループ展開フォーム42及び登録ボタン43を含む。タグ名フォーム41は、利用者からタグ名の入力を受け付ける。グループ展開フォーム42は、案件に付与するタグを、タグが付与される案件が属するグループの他の案件に展開するか否かを示す識別子の入力を受け付ける。識別子が「有」の場合、当該タグ(以下「展開タグ」と称する)はタグが付与される案件が属するグループの他の案件に展開される。識別子が「無」の場合、当該タグ(以下「非展開タグ」と称する)はタグが付与される案件が属するグループの他の案件に展開されない。制御部10は、利用者が登録ボタン43を操作したことを検出すると、入力内容をタグマスタテーブル34に記憶する。
【0022】
図9は、タグマスタテーブル34の一例を示す図である。タグマスタテーブル34は、記憶部30に記憶される。タグマスタテーブル34には、タグ名とグループ展開の識別子が記録されている。
図9では、「暗号化技術」及び「製品A」のタグは、グループ展開有に設定されている。これは、案件の技術的特徴や、製品・商品に関するタグはグループ案件に共通する場合が多いためである。また、「早期審査」及び「特許庁面接」のタグはグループ展開無に設定されている。これは、案件個別の手続きについては、グループ内の他案件に展開する必要がない場合が多いためである。なお、
図9は例示に過ぎず、タグマスタテーブル34の設定はこれに限定されない。
【0023】
図10〜
図16により、他の案件へのタグの展開について説明する。なお、ファミリーグループテーブル31は
図2のとおり、案件タグテーブル33は
図4のとおり設定されているものとする。
【0024】
本発明の一実施形態に係る案件管理プログラムは、展開タグを案件に付与した場合、当該案件が属するグループの他の案件に関連付けて展開タグを表示することができる。
図10は、他の案件における展開タグ表示の一例を示す図である。
図4の案件タグテーブル3において、表示対象のCASE1−USに対してはタグが設定されていないが、CASE1−USと同じファミリーグループに属するCASE1に対して暗号化技術の展開タグが付与されている。このため、制御部10は、CASE1が属するグループの他の案件であるCASE1−USの画面に展開タグを表示する。また、
図11は、他の案件における展開タグ表示の他の例を示す図である。
図11では、整理番号に「CASE1」を含む案件の検索結果として、CASE1の属するファミリーグループの各案件が一覧表示されている。
図4の案件タグテーブルにおいて、CASE1以外の案件にはタグが設定されていないが、CASE1に対して暗号化技術の展開タグが付与されている。このため、制御部10は、CASE1以外の他の案件についても、暗号化技術の展開タグを表示する。
【0025】
図12は、案件管理プログラムが行う情報処理のフローチャートの一例である。制御部10は、案件の画面表示を行う際、案件タグテーブル33を参照し、案件に付与されたタグを確認する(ステップS1)。案件にタグが付与されている場合(ステップS2のY)、制御部10は当該タグを案件に関連付けて画面に表示する(ステップS3)。また、制御部10は、ファミリーグループテーブル31及び案件タグテーブル33を参照し、当該案件が属するグループの他の案件のタグを確認する(ステップS4)。他の案件に展開タグが付与されている場合(ステップS5のY)、制御部10は、当該展開タグを案件に関連付けて画面に表示する(ステップS6)。
【0026】
また、本発明の一実施形態に係る案件管理プログラムは、展開タグを案件に付与した場合、展開タグによる案件検索において、案件が属するグループの他の案件も検索対象に含めることができる。
図13は、展開タグによる案件検索の一例を示す図である。
図4の案件タグテーブル33において、CASE1以外の案件にはタグが設定されていないが、CASE1に対して暗号化技術の展開タグが付与されている。このため、制御部10は、CASE1以外の他の案件についても、暗号化技術の展開タグによる検索対象に含める。
【0027】
図14は、案件管理プログラムが行う情報処理のフローチャートの一例である。制御部10は、タグを用いた案件検索の場合、タグマスタテーブル34を確認する(ステップS1)。タグが展開タグである場合(ステップS2のY)、制御部10は展開タグが付与された案件が属するグループの他の案件も検索対象に含める(ステップS3)。タグが非展開タグである場合(ステップS2のN)、制御部10は非展開タグが付与された案件のみを検索対象とする(ステップS4)。
【0028】
また、本発明の一実施形態に係る案件管理プログラムは、展開タグを案件に付与した場合、当該案件が属するグループの他の案件に展開タグを付与することができる。
図15は、展開タグの他の案件への付与の一例を示す図である。
図15では、CASE1に暗号化技術の展開タグを付与した際、CASE1が属するグループの他の案件(CASE1−US、CASE1−CN、CASE1−EP)に同じく暗号化技術の展開タグが付与されている。
【0029】
図16は、案件管理プログラムが行う情報処理のフローチャートの一例である。制御部10は、案件にタグを付与する場合、タグマスタテーブル34を確認する(ステップS1)。当該タグが展開タグの場合(ステップS2のY)、制御部10は展開タグが付与された案件が属するグループの他の案件にも展開タグを付与する(ステップS3)。当該タグが非展開タグの場合(ステップS2のN)、制御部10は対象案件のみに非展開タグを付与する(ステップS4)。なお、ステップS3において、制御部10は、他の案件にタグ付与する旨を表示部20に表示してもよい。また、ステップ4において、制御部10は、他の案件の一覧を表示部20に表示し、利用者がタグを付与する案件を選択/解除できるようにしてもよい。
【0030】
このように、本発明の一実施形態に係る案件管理プログラムは、案件に付与するタグを、タグが付与される案件が属するグループの他の案件に展開するか否かを示す識別子とともに記憶する。これにより、複数の案件を含むグループを考慮したタグの付与が可能となる。すなわち、グループに属する個々の案件にタグを付与する手間を省略し、効率的な案件管理が可能となる。
【0031】
また、本発明の一実施形態に係る案件管理プログラムは、展開タグを案件に付与した場合、当該案件が属するグループの他の案件に関連付けて展開タグを表示する。これにより、グループに属する個々の案件にタグを付与することなく、グループ内の案件に付与した展開タグを他の案件に関連付けて表示することが可能となる。
【0032】
また、本発明の一実施形態に係る案件管理プログラムは、展開タグを案件に付与した場合、展開タグによる案件検索において、案件が属するグループの他の案件も検索対象に含める。これにより、グループに属する個々の案件にタグを付与することなく、グループ内の案件に付与した展開タグにより、他の案件を検索することが可能となる。
【0033】
また、本発明の一実施形態に係る案件管理プログラムは、展開タグを案件に付与した場合、当該案件が属するグループの他の案件に展開タグを付与する。これにより、グループに属する個々の案件にタグを手動で付与することなく、グループ内の案件に付与した展開タグを自動的に他の案件に付与することが可能となる。
【0034】
本発明を実施形態に基づき説明してきたが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0035】
例えば、タグマスタテーブル34において、タグが付与される案件が属するグループの他の案件に展開するか否かを示す識別子は、有/無の二値に限られず、より詳細な値を設定することが可能である。例えば、案件のグループにはファミリーグループ、手動設定グループ、及びタググループなどが考えられる。このため、識別子に展開を有効にするグループの種類を設定することができる。例えば、識別子を「ファミリーグループ、手動設定グループ」と設定することにより、ファミリーグループ及び手動設定グループのみに対してタグの展開を有効にすることが可能となる。また、例えば、手動設定グループ及びタググループについて、展開を有効にする特定のグループ内容及びタグを設定することができる。例えば、識別子を「Aプロジェクト、暗号化技術」などと設定することにより、Aプロジェクトに関する手動設定グループ、及び暗号化技術に関するタググループのみに対してタグの展開を有効にすることが可能となる。
【0036】
また、上記実施形態は主に展開タグの付与について説明したが、展開タグの変更/削除についても、複数の案件を含むグループを考慮した対応が可能である。すなわち、ある案件の展開タグを変更/削除する場合、当該案件が属するグループの他の案件の展開タグを変更/削除してもよい。例えば、案件タグテーブル33が
図15の場合において、CASE1の暗号化技術の展開タグが変更/削除された場合、CASE1が属するグループの他の案件(CASE1−US、CASE1−CN、CASE1−EP)の暗号化技術の展開タグを変更/削除してもよい。また、例えば、案件タグテーブル33が
図4の場合において、例えば
図10に示すCASE1−USの案件情報の画面にて暗号化技術タグの変更/削除操作が行われた場合、案件タグテーブル33からCASE1の暗号化技術の展開タグを変更/削除してもよい。
【0037】
また、上記実施形態は特許案件を主として説明したが、これに限定されない。本出願に係る案件管理プログラムは、実用新案、意匠、商標など、知的財産権に関する任意の案件管理に適用可能である。
【0038】
また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することもできる。なお、記録媒体は、可搬型記録媒体に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【解決手段】本発明に係るプログラムは、コンピュータに、知的財産権に関する案件の管理を実行させ、複数の案件をグループとして管理可能なプログラムであって、案件に付与するタグを、タグが付与される案件が属するグループの他の案件に展開するか否かを示す識別子とともに記憶するステップを実行させる。