【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のグラビア印刷方法は、グラビア印刷に供するグラビア印刷版にグラビアインキを供給する
ファニッシャーロールの、前記グラビア印刷版両端のR部を含む一部領域において、インキパンフレームに固定した治具及びスキージーをもって、前記グラビアインキを前記
ファニッシャーロールより掻き落とすことにで、前記グラビア印刷版両端のR部を含む一部領域の版面及び版側面に前記
ファニッシャーロールからのインキ付着を少なくすることを特徴とする。
【0013】
ファニッシャーロールは、グラビア印刷版に設けられた絵柄を形成するセルにインキを押し込むことが、主たる役割であり印刷速度の高速化に伴い不可欠なロールとなった。グラビア印刷版の速度と同じなら
ファニッシャーロールからインキが飛散するので、周速を調整できる。従って
ファニッシャーロールにより持ち上げられたインキは、障害物があれば、障害物に当たったインキは大半がインキパンに戻る。このような現象を利用すれば、障害物としてスキージーを設ければグラビア印刷版両端のR部を含む一部領域にインキの供給を少なくすることができる。
【0014】
図1に、本発明のグラビア印刷方法の概念斜視図を示す。インキパン(1)に貯めたインキ(2)<インキを太斜線で表した>に
ファニッシャーロール(3)をインキ(2)に漬け回転することでインキ(2)をグラビア印刷版(4)に運びインキ溜まり(5)を作り、過剰なインキ(2)はインキパン(1)に落下し、一部はグラビア印刷版(4)の両端のR部(6)からインキパン(1)に落下する。グラビア印刷版(4)及び
ファニッシャーロール(3)の回転方向を側面に黒矢印で示した。尚、グラビア印刷版(4)と
ファニッシャーロール(3)のシャフトは
図1から省略している。
【0015】
本発明のインキパンの前面フレーム(7)に固定した治具(8)及びスキージー(9)で、
ファニッシャーロール(3)により持ち上げられたインキ(2)を掻き落としグラビア印刷版(4)両端のR部(6)を含む一部領域にインキ(2)を供給しないことにより、R部(6)及び版側面(10)へのインキ(2)の付着を少なくするものである。グラビア印刷版(4)両端のR部(6)近傍においてもドクター刃(11)で掻き落とされるインキも少なくなり版側面(10)のインキ汚れも軽減される。
【0016】
このように、本発明のグラビア印刷方法である、前面フレームに固定した治具及びスキージーを取り付けることにより、R部及び版側面からのインキ飛散がなくなり、版側面へのインキ付着もR部の近傍だけとなることで、グラビア印刷機のフレーム内面やグラビア印刷版を保持するシャフト、更にはグラビア印刷版とシャフト先端のチャッキングコーンの間にもインキの侵入がなく、常にグラビア印刷機を汚れのない状態を維持するだけでなくグラビア印刷版の清掃作業もなくなり、グラビア印刷の効率を高めるものである。
【0017】
本発明のインキパンフレームに固定する治具及びスキージーは、グラビア印刷に供するグラビア印刷版に
ファニッシャーロールによりグラビアインキを供給されるグラビア印刷にあって、前記グラビア印刷版両端のR部を含む一部領域において、前記グラビアインキを前記
ファニッシャーロールより掻き落とし、前記グラビア印刷版両端のR部を含む一部領域の版面及び版側面に前記
ファニッシャーロールからのインキ付着を少なくすることを特徴とする。
【0018】
先に示した
図1に示したように、インキパンフレームに固定した治具及びスキージーにより、
ファニッシャーロールに塗布したインキは掻き落とされ、
ファニッシャーロールが接するグラビア印刷版両端のR部を含む一部領域のインキ溜まりは少なくなり、グラビア印刷版両端のR部及び版側面へのインキ付着を少なくすることが出来る。
【0019】
更に、グラビアインキを
ファニッシャーロールより掻き落とすための、インキパンフレームに固定した治具及びスキージーであって
、前記スキージーの側面の長さは、グラビア印刷版端部に対し外側の方が内側よりも長く、且つ、前記グラビアインキを前記ファニッシャーロールより掻き落とす前記スキージーの先端が、前記
ファニッシャーロールに円弧を描き接することを特徴とする。
【0020】
グラビア印刷版から遠くなる片方のスキージーの先端を長くし、更に接する一辺を凹状の円弧とすれば、スキージーで除去されたインキはグラビア印刷版に接しない方向に多く流れるため、スキージーのインキ除去効果を高める。
図2のスキージーの
ファニッシャーロールと接する一辺を凹状の円弧にしたスキージー(12)を概念斜視図で示す。
【0021】
本発明のインキパンフレームに固定する治具及びスキージーは、グラビアインキを
ファニッシャーロールより掻き落すことができればよいが、取り扱い、作業性を考えればグラビア印刷版の半円周が変われば、
ファニッシャーロールの位置が変わる為、スキージーが簡単に交換できるものがよい。また、グラギア印刷版の版幅が変わればインキパンフレームに固定する治具の位置も変わる為、固定する治具の取り付け取り外しが容易なものがよい。
【0022】
図3に、インキパンフレームに固定する治具及びスキージーの分解斜視図を示す。(以下、スキージーを設けたインキ掻き落とし治具を「スキージー治具」と言う) 本発明のスキージー治具は、
ファニッシャーロールに近く、治具などを固定できる場所としてインキパンフレームの前面に設けられるフレーム部を選んでいる。このフレーム部分には、インキの排出口以外は設けられず、スキージー治具の固定位置を変えるのに都合がよい。(以下、インキパンフレームの前面フレーム部を「前面フレーム部(7)」と言う)
【0023】
図3のスキージー治具の説明をする。前面フレーム部分に固定するスキージー治具分解斜視図に示す、前面フレーム部分に固定部品A(13)を蝶ネジ(14)で固定し、固定部品B(15)に設けられている固定バネ(16)とのに間にスキージー(9)を挟んで固定し、固定部品A、Bに設けられている勘合孔(17)に勘合ピン(18)を差し込めば前面フレーム部分となる。
ファニッシャーロールにスキージー(9)を押し当てる力は、固定部品B(15)とスキージー(9)の自重でよい。
ファニッシャーロールで持ち上げられるインキを完全に掻き落とす必要はなく、スキージーを弱い力で沿わせれば大半のインキを除去することができる。従って、固定部品B(16)の重さで調整すればよい。
【0024】
図4に、インキパンフレームに固定する治具及びスキージーの別な分解斜視図を示す。予めスキージーの固定具(20)を前面フレーム部(7)に丁番を(19)使い固定しておくものである。使用するグラビア印刷版の幅に対応する位置に、丁番(19)の一方を固定し、もう一方にはスキージー固定具(20)を固定したものを、前面フレーム部(7)に固定する。使用しない時は、インキパン外部に収めれば、作業の邪魔にならない。使用時は、スキージー固定具(20)に設けたネジ穴(23)に、長穴(21)を設けたスキージー(9)を蝶ネジ(14)と座金(22)で固定すればよい。長穴(21)は、
ファニッシャーロールの位置によりスキージーの固定位置を調整するためのものである。
ファニッシャーロールにスキージー(9)を押し当てる力は、スキージー固定具(20)スキージー(9)等の自重でよい。
【0025】
図5に、インキパンフレームに固定する治具及びスキージーの別な分解斜視図を示す。スキージーで掻き落としたインキの一部はスキージーの両端部へ逃げるが、そのインキをグラビア印刷版側でなく版側面の外側に逃がすため、スキージーの先端を版面部よりR部の方向に長くしたものである。従って、スキージー(9)が
ファニッシャーロールと接する先端部は中央部が凹状の円弧にしたスキージー(12)となる。また、前面フレーム部(7)に固定する丁番(17)は、スキージーが長くなる端部(24)を高く、短くなる端部(25)を低くして前面フレーム部(7)に固定している。全体図として
図2を参照すればよい。
【0026】
インキパンフレームに固定する治具及びスキージーは、インキパンフレームの前面に限るものではない。
図6はインキパン(1)前面部の一部を図示したものであるが、インキパンのサイドフレーム(26)に丸棒(27)の両端にフレーム固定具(28)を設け、スキージー治具(20)を丸棒(27)に通して2個設け、該スキージー治具(20)を自重で
ファニッシャーロール(3)に沿わせたものである。この場合は、スキージー治具(20)は同一のものでサイドフレーム(26)の固定位置を変えれば版円周の異なるグラビア印刷版に対しても対応することができる。