特許第6202460号(P6202460)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6202460グラビア印刷機の安全バー及びグラビア印刷方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6202460
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】グラビア印刷機の安全バー及びグラビア印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 33/00 20060101AFI20170914BHJP
   B41F 13/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   B41F33/00 630
   B41F13/00 614
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-37233(P2017-37233)
(22)【出願日】2017年2月28日
【審査請求日】2017年3月10日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】714011259
【氏名又は名称】下村 恭一
(72)【発明者】
【氏名】下村恭一
【審査官】 島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−227341(JP,A)
【文献】 特開2000−117948(JP,A)
【文献】 実開昭62−080634(JP,U)
【文献】 特開昭50−047706(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第10005391(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 33/00
B41F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラビア印刷機のニップ圧胴とグラビア印刷版とが圧接する前方に設けられる安全バーであって、前記安全バーの芯部に空気の流入孔を設け、該流入孔から安全バーの外表面に向けて複数の細孔を一線上に設け、前記安全バーには、前記安全バー上を移動して、前記細孔から選択的に、前記ニップ圧胴と前記グラビア印刷版とが圧接する部分の前記グラビア印刷版に向けて空気を噴出させる被覆体で覆われていることを特徴とする安全バー。
【請求項2】
グラビア印刷機のニップ圧胴とグラビア印刷版とが圧接する前方に設けられる安全バーであって、前記安全バーに平坦部分を形成するか、又は平坦部分を有するカバーを取り付け、前記平坦部分を、前記グラビア印刷版の版面上で視認できる印刷欠点を反射させ視認させる鏡面に仕上げてなることを特徴とする安全バー。
【請求項3】
グラビア印刷に際して、請求項1又は請求項2に記載の安全バー、又は請求項1に記載のニップ圧胴の汚れ防止をする安全バーに請求項2に記載の印刷欠点を反射させ視認できる鏡面に仕上げてなるカバーを取り付けた安全バーを使用して、ニップ圧胴の汚れ防止及びグラビア印刷の印刷品質の確認をすることを特徴とするグラビア印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
手を挟まないようにグラビア印刷版とニップ圧胴とが圧接する前段に設けられる安全バーに、版面送風機能及び版面確認機能を付加した安全バーに関する。
【背景技術】
【0002】
グラビア印刷は、グラビア印刷版とニップ圧胴との間に被印刷物を通すことにより、グラビア印刷版のセルに入ったインキを被印刷物に転写することで印刷がされる。グラビア印刷版のセルに絵柄を忠実に転写するためみたグラビア印刷版とニップ圧胴は500kg/版幅から2000kg/版幅の加圧がされる。従って、ここに作業者が手などを挟まないように安全バーが圧接部の直前に設けられている。
【0003】
安全バーは、上記の目的のためにだけ設けられるものであり、他の役割はしていない。安全バーがあるために、弊害となることも有り安全バーを取り除き作業がされている場合もある。
【0004】
安全バーにより弊害となるのは、印刷品質の確認作業においてドクターでインキを掻き落とした後の版面状態の確認ができない、又は行いにくいことである。例えば、ドクター筋やツーツー汚れやヒゲと呼ばれるものであり、印刷不良となるものであっても微細な欠点は欠点検査装置では検知しない。このような欠点は、走行中の印刷物を目視確認しても見つけることはできず、印刷物を枚葉で検査して発見できるものである。
【0005】
走行中に発見できる箇所が、ドクター刃でインキが掻き落とされた版面に限定されるため、版面をドクターで掻いた後、ニップ圧胴に至るまでの約半分を見えなくする安全バーは、品質確認の阻害になっている。
【0006】
しかし、万一の事故を考えると安全バーは大切なものであり、さらなる機能を付加できれば、安全バーを外すということはされないと考える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許文献、非特許文献で安全バーに関する文献を見出せなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
グラビア印刷機のニップ圧胴とグラビア印刷版が圧接する前段に設けられる安全バーであって、該安全バーにより版面より確認する印刷欠点が見にくくなることを改善すると共に版面カブリによるニップ圧胴の汚れを防止できる機能を安全バーに設ける。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の安全バーは、グラビア印刷機のニップ圧胴とグラビア印刷版とが圧接する前方に設けられる安全バーであって、前記安全バーの芯部に空気の流入孔を設け、該流入孔から安全バーの外表面に向けて複数の細孔を一線上に設け、前記安全バーには、前記安全バー上を移動して、前記細孔から選択的に前記ニップ圧胴と前記グラビア印刷版とが圧接する部分の前記グラビア印刷版に向けて空気を噴出させる被覆体で覆われていることを特徴とする。
【0010】
まず、安全バーに版面カブリによるニップ圧胴汚れを防止する機能を付与するために、安全バーの芯部に空気を通す孔を設け、更に該孔より安全バーの外面の一線上に複数の細孔を設け版面に向けて送風する機構とし、版面の選択された部分に送風が当たるよう前記安全バー上を移動できる被覆体で覆うことで、常に版面と接するニップ圧胴に対向する部分に送風するものである。
【0011】
これにより、ニップ圧胴にインキが堆積することがなくなり、ニップ圧胴の洗浄の必要がなくなるだけでなく、ニップ圧胴へのインキの堆積により起こる印刷原反の蛇行もなくなり、これによる印刷物の横見当不良は発生しない。
【0012】
本発明の安全バーは、グラビア印刷機のニップ圧胴とグラビア印刷版とが圧接する前方に設けられる安全バーであって、前記安全バーに平坦部分を形成するか、又はる平坦部分を有するカバーを取り付け、前記平坦部分を、前記グラビア印刷版の版面上で視認できる印刷欠点を反射させ視認させる鏡面に仕上げてなることを特徴とする。
【0013】
従来の安全バーは、円形(丸棒)であり、これを四角形などの丸形状以外の形状とすることで、該安全バーに平坦部分を設け、該平坦部を鏡面としてドクターから安全バーの間のグラビア印刷版の版面を反射して画像も視認できる角度に設ける。
【0014】
これにより、直接グラビア印刷版の版面状態を視認する画像と安全バーの一部を平坦部とした鏡面に映るグラビア印刷版の版面状態を視認する画像とを、同時に視認することで品質確認の信頼性が高まる。ちなみに、品質異常の場合は版面上に白い筋(どのような色でも光の反射で白く見える)がドクターの搖動に沿って左右に搖動する。
【0015】
安全バーの一部を平坦部とした鏡面を設ける方法として、一般的に使用されている丸棒からなり安全バーの一部を平坦部とし鏡面にしてもよい。また、グラビア印刷版の版面への送風機能を付与した安全バーにおいては、平坦部分を有するカバーを取り付平坦部とし鏡面にしてもよい。
【0016】
本発明を図1から図9をもって説明を行う。
【0017】
図1は、安全バー(1)の位置関係を示す斜視図である。グラビア印刷版(2)とニップ圧胴(3)が圧接し、被印刷シート(4)にドクター(5)でインキが掻き落とされ転写し印刷が行われる。グラビア印刷版(2)とニップ圧胴(3)の間に手などを挟むと大きな災害となるため、該部位に安全バー(1)が設けられる。太矢印はグラビア印刷版(2)とニップ圧胴(3)の回転方向及び被印刷シート(4)の搬送方向を示す。
【0018】
図1に示す、グラビア印刷版(2)とニップ圧胴(3)とが、グラビア印刷中に常に接し、ニップ圧胴(3)がインキで汚れ、またインキが堆積する部分(A)である。該部分を一点破線で表示した。
【0019】
図2は、印刷物の品質確認のための、グラビア印刷版(2)の版面の確認をしている概念図である。グラビア印刷版(2)の版面を懐中電灯(6)等で照らし目視確認〔人の目(7)〕をするが、安全バー(1)に遮られ狭い範囲しか見ることができず、安全バー(1)は品質確認の障害物となる。
【0020】
図3は、本発明のグラビア印刷の版面に送風することができる安全バー(1)の被覆体(11)の位置概念図である。安全バー本体(8)の芯部に空気を通す孔が設けられ、該孔より安全バー本体(8)の外面の一線上に細孔(9)が設けられ送風され版面を乾燥することでニップ圧胴(3)がグラビア印刷版(2)に接する部分(10)へのインキ付着、堆積を防止する。図3は最大幅の被印刷シート(12)に印刷される場合の被覆体(11)に位置を表示すもので、使用時に安全バー(1)を被覆体(11)が覆う位置を示している。最大幅の被印刷シート(12)を白抜き両矢印で示す。
【0021】
図4も、本発明のグラビア印刷版の版面に送風することができる安全バー(1)の別な被覆体(11)の位置概念図であるが、最小幅の被印刷シート(13)に印刷される場合の被覆体(11)の位置を表示している。ほかは、図3と同様である。
【0022】
従って、安全バー本体(8)の外面の一線上に設ける細孔(9)は、被印刷シート(4)の最小幅とニッピ圧胴両端の間の部分に設ければよく、被覆体(11)は、最小幅の被印刷シート(13)の、半分の長さの被覆体(11)2本で、安全バー本体(8)に覆えば良い。
【0023】
図5は、本発明の安全バー(1)で被覆体(11)が細孔(9)を覆っている断面図である。安全バー本体(8)の芯部に設けた空気を通す孔(14)から細孔(9)が安全バー本体(8)の外表面に向かって開けられ、被覆体(11)が覆っている。
【0024】
図6は、本発明の四角な断面の別なグラビア印刷版の版面送風機能を有する安全バー(1)で被覆体(11)が細孔(9)を覆っている断面図である。安全バー本体(8)芯部の空気を通す孔(14)から細孔(9)が外表面に向かって開けられ、被覆体(11)が覆っている。被覆体(11)の一部に窓(15)を設けているが、細孔(9)を覆った被覆体(11)の細孔から漏れた空気が中央部の絵柄版面に送風されないよう空気を逃がす窓(15)である。
【0025】
図7は、図6の別なグラビア印刷版の版面送風機能を有する安全バー本体(8)を下部から見た分解概念斜視図であり、被覆体(11)は安全バー本体(8)から抜いて図示している。
【0026】
また、発明の一つである送風機能を有する安全バーと、別な発明の一つである平坦な鏡面を介してグラビア印刷版の版面上で視認できる機能を併設した安全バーとすることもできる。
【0027】
これにより、グラビア印刷版から転移しニップ圧胴にインキ汚れや堆積を防止でき、且つ視界が広がることで印刷欠点をグラビア印刷版の版面で発見し易くすることができる安全バーとした。また、ニップ圧胴の洗浄作業も不要にすることができる。
【0028】
図8は、別なグラビア印刷版の版面に送風することができるに安全バー(1)に、平面部分が鏡面(15)になったカバー(17)を被せた断面図である。カバー(17)の鏡面(15)を太線でその他の面(17)を破線で図示した。
【0029】
図9は、別な安全バー(1)に鏡面(15)からなる平面を設けた概念図である。一般的に安全バー(1)として使われる丸棒の一部に平面を設け、該平面を鏡面(15)にして印刷物の品質確認のための、グラビア印刷版(2)の版面の目視確認〔人の目(7)〕をしている概念図である。安全バー(1)に遮られ狭い範囲でしか見ることができなかった版面を広い範囲で見ることができる。 鏡面部以外の曲面部分は、一般的に安全バーとして注意喚起のためによく使われる黄色の塗装を行えばよい。
【0030】
本発明のグラビア印刷方法は、グラビア印刷に際して、グラビア版面乾燥の機能又は版面確認の機能を付与した安全バー又は、グラビア版面乾燥の機能及び版面確認の機能を付与したカバーを取り付けた安全バーを使用して、グラビア印刷時の安全確保は勿論、ニップ圧胴の汚れ防止及び印刷品質の確認をすることを特徴とする。
【0031】
本発明の安全バーを使用したグラビア印刷方法においては、グラビア版面乾燥の機能、または版面確認の機能、もしくはグラビア版面乾燥の機能及び版面確認の機能を付加した安全バーとすることで、グラビア印刷において、品質向上が図れる。品質の1つとして、ニップ圧胴へのインキ転移及びインキ堆積がなくなり印刷中の横見当不良の発生をなくすことができる。また品質の2つ目は、版面確認が広い視野の範囲で行うことができ、また微妙な光の角度差により欠点の発見を容易にすることができた。安全面においては、安全バーとしての機能は勿論、グラビア印刷版の版面が、明るく広い範囲で視認できるため安全バーに近づきすぎることもなく安全な作業を確保できる。準備作業においては、ニップ圧胴の清掃作業がなくなることで、準備時間の短縮をすることができた。
【発明の効果】
【0032】
本発明の安全バーを使用することで、安全バーにグラビア版面乾燥の機能、または版面確認の機能、もしくはグラビア版面乾燥の機能及び版面確認の機能を付加した安全バーとすることで、品質向上の1つとして、ニップ圧胴へのインキ転移及びインキ堆積がなくなり印刷中の横見当不良の発生をなくすことができる。また品質向上の2つ目は、版面確認が広い視野の範囲で行うことができ、また微妙な光の角度差により欠点の発見を容易にすることができた。安全面においては、安全バーとしての機能は勿論、グラビア印刷版の版面が、明るく広い範囲で視認できるため安全バーに近づきすぎることもなく安全な作業を確保できる。準備作業においては、ニップ圧胴の清掃作業がなくなることで、準備時間の短縮をすることができた。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】安全バーの位置関係を示す斜視図
図2】グラビア印刷版の版面の確認をしている概念図
図3】グラビア印刷版の版面に送風することができる安全バーの被覆体の位置概念図
図4】グラビア印刷版の版面に送風することができる安全バーの別な被覆体の位置概念図
図5】グラビア印刷版の版面送風機能を有する安全バーで被覆体が細孔を覆っている断面図
図6】別なグラビア印刷版の版面送風機能を有する安全バーで被覆体が細孔を覆っている断面図
図7図6の別なグラビア印刷版の版面送風機能を有する安全バーを下部から見た分解分解概念斜視図
図8】別なグラビア印刷版の版面に送風することができるに安全バーに、平面部分が鏡面になったカバーを被せた断面図
図9】別な安全バーに鏡面からなる平面を設けた概念図
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0034】
図8に示したグラビア印刷版の版面乾燥機能を付与した安全バー及び鏡面を設けたカバーを使用し、グラビア印刷を20万mおこなった。版面と接するニップ圧胴は、まったくインキの汚れ、堆積のなく清掃を行わなくてよかった。印刷中2000mから3000mの間隔で印刷ユニット内での版面確認を行ったが、版面が明るく照らされチェックを行いやすく短時間で確実なチェックとすることができた。
【符号の説明】
【0035】
A インキが堆積する部分
1 安全バー
2 グラビア印刷版
3 ニップ圧胴
4 被印刷シート
5 ドクター
6 懐中電灯
7 人の目
8 安全バー本体
9 細孔
10 ニップ圧胴がグラビア印刷版に接する部分〔Aの部分〕
11 被覆体
12 最大幅の被印刷シート
13 最小幅の被印刷シート
14 安全バー芯部の空気を通す孔
15 空気を逃がす窓
16 鏡面
17 カバー
18 カバーの鏡面以外の面
【要約】      (修正有)
【課題】グラビア印刷機に設ける、安全バーに新たに版面への送風機能、版面確認機能を付加した安全バーを提供する。グラビア印刷の品質欠点を確認し易く、またニップ圧胴汚れを皆無にすることで印刷見当品質の安定及びニップ圧胴の清掃をなくす安全バーを提供する。
【解決手段】安全バー1の芯部の孔から外表面に細孔を設け、該細孔からに版面への送風機能を付加し、また安全バーの一部を鏡面16にすることで版面確認を行い易くした。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9