(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202485
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】生体情報管理モジュール、睡眠計、およびシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20170914BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20170914BHJP
A61B 5/0245 20060101ALI20170914BHJP
A61B 5/022 20060101ALI20170914BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20170914BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20170914BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61B5/02 E
A61B5/02 710A
A61B5/02 630A
A61B5/10 300D
A61B5/10 310A
A61B5/16
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-3890(P2013-3890)
(22)【出願日】2013年1月11日
(65)【公開番号】特開2014-133049(P2014-133049A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133179
【氏名又は名称】株式会社タニタ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100167623
【弁理士】
【氏名又は名称】塚中 哲雄
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】堀田 順司
【審査官】
伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−067931(JP,A)
【文献】
特開2004−113618(JP,A)
【文献】
特開2009−118965(JP,A)
【文献】
特開2005−304942(JP,A)
【文献】
特開2007−097999(JP,A)
【文献】
特開2003−235813(JP,A)
【文献】
特開2007−229238(JP,A)
【文献】
特開平02−060633(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0137367(US,A1)
【文献】
米国特許第05765563(US,A)
【文献】
特開平08−131408(JP,A)
【文献】
特開平08−256998(JP,A)
【文献】
特開2012−239807(JP,A)
【文献】
特開2001−008906(JP,A)
【文献】
特開平09−066035(JP,A)
【文献】
特開2010−051588(JP,A)
【文献】
特開2003−047601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 − 5/01
A61B 5/02 − 5/03
A61B 5/06 − 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
就床時の生体の生体情報を取得する第1の取得部と、
前記就床時の生体情報に基づいて、少なくとも、前記生体の状態が安静状態および異変状態であることを判別する判別部と、
前記安静状態および異変状態の少なくとも一方であると判別された場合に、前記第1の取得部が取得した生体情報とは異なる生体情報を測定する第1の機器に対して、測定を実行させる実行指令を生成する生成部とを備え、
前記判別部は、前記安静状態であるときの実行指令に基づいて前記第1の機器が測定した第1の生体情報と、前記異変状態であるときの実行指令に基づいて前記第1の機器が測定した第2の生体情報と、に基づいて前記生体の異常の可否を判別する、
ことを特徴とする生体情報管理モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の生体情報管理モジュールであって、
前記生成部は、前記第1の機器に対して、前記実行指令に基づく測定の実行後、当該測定を禁止させる禁止指令を生成する、
ことを特徴とする生体情報管理モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載の生体情報管理モジュールであって、
前記禁止指令は、前記安静状態と判別された場合と、前記異変状態と判別された場合とで、前記測定を禁止させる期間を異ならせる、
ことを特徴とする生体情報管理モジュール。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の生体情報管理モジュールであって、
前記就床時の生体情報は、前記生体の体動と、前記生体の心拍、脈拍、および呼吸数の少なくともいずれかとを含む
ことを特徴とする生体情報管理モジュール。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の生体情報管理モジュールであって、
前記第1の取得部は、前記生体の姿勢を姿勢情報として取得し、
前記生成部は、前記第1の取得部が前記姿勢情報を取得したときには、前記実行指令に前記姿勢情報を含ませる
ことを特徴とする生体情報管理モジュール。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の生体情報管理モジュールであって、
前記生成部が生成した前記実行指令を、前記生体情報管理モジュールと着脱自在な前記第1の機器に出力する出力部を、さらに備える
ことを特徴とする生体情報管理モジュール。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の生体情報管理モジュールであって、
前記第1の機器は、血圧計である
ことを特徴とする生体情報管理モジュール。
【請求項8】
就床時の生体情報を検出するセンサ部と、
請求項1に記載の生体情報管理モジュールと、を備える
ことを特徴とする睡眠計。
【請求項9】
生体の生体情報を測定する第1の機器と、第1の機器を制御する制御装置と、を備えたシステムであって、
前記制御装置は、
就床時の生体の生体情報を取得する第1の取得部と、
前記就床時の生体情報に基づいて、少なくとも、前記生体の状態が安静状態および異変状態であることを判別する判別部と、を備え、
前記第1の機器は、
前記判別部によって安静状態および異変状態の少なくとも一方であると判別された場合に、前記第1の取得部が取得した生体情報とは異なる生体情報を測定を実行し、
前記判別部は、
前記安静状態と判別された場合に前記第1の機器により測定された生体情報と、前記異変状態と判別された場合に前記第1の機器により測定された生体情報と、に基づいて、前記生体の異常の可否を判別する、
ことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体から取得する生体情報群に基づいて、生体に対して所定の動作を第1の機器に実行させる生体情報管理モジュール、睡眠計、および
システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
人体などの生体からは、血圧、心電図、脳波などの多様な生体情報を検出可能である。これらの生体情報の中には、血圧のように、安静状態および異変状態に応じて、有意な変動が生じ得る情報がある。安静状態および異変状態のような所定の状態において、このような生体情報を取得し、観察することにより、生体の健康管理および診断の精度を向上可能である。そこで、脈拍を生体情報として連続的に蓄積し、新規に採取した脈拍を蓄積した脈拍と比較することにより、生体の状態を判別して血圧を測定する血圧測定装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−237472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の血圧測定装置では、生体の状態を判別するために脈拍を長時間検出する必要がある。それゆえ、脈拍のサンプルを十分に採取するまでは、被験者は血圧測定装置の長時間の装着が必要であり、被験者に不快感を与え得る。また、特許文献1に記載の血圧測定装置では過去に測定した最大値、最低値、および平均値に脈拍が達するときに測定を行っているが、このような時期が測定を行う所望の生体の状態とは限られない。また、血圧の正確な測定のためには、腕などの血圧測定位置を信号に対して一定の高さに保つ必要があるが、活動中の被験者の行動によってはそのような測定姿勢を維持できないため、正確な血圧が必ずしも検出され得ない。
【0005】
本発明は、かかる観点に鑑みてなされたもので、生体情報を蓄積することなく生体の状態が所定の状態であるかを判別し、判別結果に基づいて機器を駆動する生体情報管理モジュール、睡眠計、および制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した諸課題を解決すべく、第1の観点による生体情報管理モジュールは、
就床時の
生体の生体情報
を取得する第1の取得部と、
前
記就床時の生体情
報に基づいて、
少なくとも、前記生体の状態
が安静状態および異変状態であることを判別する判別部と、
前記
安静状態および異変状態
の少なくとも一方である
と判別
された場合に
、前記
第1の取得部が取得した生体情報とは異なる生体情報を測定する第1の機器に
対して、
測定を実行させる実行指令を生成する生成部とを備え
、
前記判別部は、前記安静状態であるときの実行指令に基づいて前記第1の機器が測定した第1の生体情報と、前記異変状態であるときの実行指令に基づいて前記第1の機器が測定した第2の生体情報と、に基づいて前記生体の異常の可否を判別する、
を備えることを特徴とするものである。
【0007】
また、第2の観点による生体情報管理モジュールにおいて、
前記生成部は、
前記第1の機器に対して、前記実行指令に基づく測定の実行後、当該測定を禁止させる禁止指令を生成する、
ことが好ましい。
【0008】
また、第3の観点による生体情報管理モジュールにおいて、
前記禁止指令は、前記安静状態と判別された場合と、前記異変状態と判別された場合とで、前記測定を禁止させる期間を異ならせる、
ことが好ましい。
【0009】
また、第4の観点による生体情報管理モジュールにおいて、
前記
就床時の生体情
報は、前記生体の体動と、前記生体の心拍、脈拍、および呼吸数の
少なくともいずれかとを含む
ことが好ましい。
【0010】
また、第5の観点による生体情報管理モジュールにおいて、
前記第1の取得部は、前記生体の姿勢を姿勢情報として取得し、
前記生成部は、前記第1の取得部が前記姿勢情報を取得したときには、前記実行指令に前記姿勢情報を含ませる
ことが好ましい。
【0011】
また、第6の観点による生体情報管理モジュールにおいて、
前記生成部が生成した前記実行指令を、前記生体情報管理モジュールと着脱自在な前記第1の機器に出力する出力部を、さらに備える
ことが好ましい。
【0012】
また、第7の観点による生体情報管理モジュールにおいて、
前記第1の機器は、血圧計である
ことが好ましい。
【0013】
また、第8の観点による睡眠計は、
就床時の生体情報を検出するセンサ部と、
前記生体情報
を取得する第1の取得部と、前
記就床時の生体情
報に基づいて
、少なくとも、前記生体の状態
が安静状態および異変状態であることを判別する判別部と、前記
安静状態および異変状態
の少なくとも一方である
と判別
された場合に
、前記第1の取得部が取得したし生体情報とは異なる生体情報を測定する第1の機器に
に対して測定を実行させる実行指令を生成する生成部とを有
し、前記判別部は、前記安静状態であるときの実行指令に基づいて前記第1の機器が測定した第1の生体情報と、前記異変状態であるときの実行指令に基づいて前記第1の機器が測定した第2の生体情報と、に基づいて前記生体の異常の可否を判別する、生体情報管理モジュールを備える
ことを特徴とするものである。
【0014】
また、第9の観点による
システムは、
生体の生体情報を測定する第1の機器と、第1の機器を制御する制御装置と、を備えたシステムであって、
前記制御装置は、
就床時の生体の生体情報を取得する第1の取得部と、
前記就床時の生体情報に基づいて、少なくとも、前記生体の状態が安静状態および異変状態であることを判別する判別部と、を備え、
前記第1の機器は、
前記判別部によって安静状態および異変状態の少なくとも一方であると判別された場合に、前記第1の取得部が取得した生体情報とは異なる生体情報を測定を実行し、
前記判別部は、
前記安静状態と判別された場合に前記第1の機器により測定された生体情報と、前記異変状態と判別された場合に前記第1の機器により測定された生体情報と、に基づいて、前記生体の異常の可否を判別する、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、生体情報を蓄積することなく生体の状態が所定の状態であるかを判別し、判別結果により機器を駆動することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る生体情報管理モジュールを有する睡眠計の内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【
図2】解析部により算出される就床時の生体の心拍、呼吸数、および体動の時間変化を示すグラフである。
【
図3】生体情報管理モジュールが実行する第1の生体情報管理処理を示すフローチャートである。
【
図4】生体情報管理モジュールが実行する第2の生体情報管理処理を示すフローチャートである。
【
図5】生体情報管理モジュールを組込んだ制御装置の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る生体情報管理モジュールを有する睡眠計の内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【0019】
睡眠計10は、センサ部11および生体情報管理モジュール12を含んで構成される。
【0020】
センサ部11は、例えば水や空気などの流体を充填したマットおよび流体の圧力変化を検出する圧力センサを有しており、マット上の被験者、すなわち生体の就床時の振動を検出する。センサ部11が検出する振動は、生体の心拍(脈拍)、呼吸数、および体動などの就床時の生体情報を含んでいる。センサ部11は、検出した振動を生体情報管理モジュールに通知する。
【0021】
生体情報管理モジュール12は、バス13、第1の取得部14、解析部15、第1の記憶部16、第2の記憶部17、判別部18、生成部19、外部機器I/F20(出力部、第2の取得部)、および表示部21を含んで構成される。
【0022】
バス13は、第1の取得部14、解析部15、第1の記憶部16、第2の記憶部17、判別部18、生成部19、外部機器I/F20、および表示部21間で、情報および指令を通信させる。
【0023】
第1の取得部14は、センサ部11が検出する振動を、心拍、呼吸数、および体動などの就床時の生体情報を含む就床時の生体情報群として取得する。また、第1の取得部14は、姿勢センサ22から生体の姿勢情報を検出する。
【0024】
解析部15は、第1の取得部14が取得した振動に対して、例えば周波数解析を行うことにより、
図2に示すように、生体の心拍、呼吸数、および体動を算出する。
【0025】
第1の記憶部16は、例えばROMであって、例えば、判別部18が用いる第1の閾値から第9の閾値などの、予め定めておくべき情報を記憶する。
【0026】
第2の記憶部17は、例えばRAMであって、例えば解析部15が算出する生体の心拍、呼吸数、および体動、後述するように外部機器I/F20から取得する第1の生体情報および第2の生体情報、ならびに後述するように姿勢センサ22から取得する姿勢情報などの一時的に保持すべき情報を記憶する。
【0027】
判別部18は、解析部15が算出した生体の心拍、呼吸数、および体動(就床時の生体情報)に基づいて、生体の状態を判別する。状態の判別のために、判別部18は、直近の所定のサンプル時間における心拍および呼吸数の変動を算出する。算出される変動は、例えば分散、標準偏差、ならびに最高値および最低値の差などである。
【0028】
判別部18は、所定のサンプル時間内に体動が検出されず、且つ心拍または脈拍の変動が第1の閾値以下または呼吸数の変動が第2の閾値以下であるときに、生体が安定状態であると判別する。判別部18は、所定のサンプル時間内に体動が検出されず、且つ心拍または脈拍の変動が第3の閾値以上または呼吸数の変動が第4の閾値以上であるときに、生体が急変状態であると判別する。判別部18は、所定のサンプル時間内に、体動が検出され、且つ心拍または脈拍の変動が第5の閾値以上または呼吸数の変動が第6の閾値以上であるときに、生体が異変状態であると判別する。判別部18は、所定のサンプル時間内に体動が検出され、且つ心拍または脈拍の変動が第7の閾値以下または呼吸数の変動が第8の閾値以下であるときに、生体が標準状態であると判別する。
【0029】
判別部18の上述の判別において、安静状態とは、例えばノンレム睡眠時のように、生体そのものおよび精神(大脳の活動)も平静な状態であり、体動が無く、心拍または脈拍および呼吸数も極めて安定した状態である。また、急変状態とは、例えばレム睡眠時および所謂金縛り時などのように、生体は平静でありながら精神的に興奮した状態であり、体動が無く、心拍または脈拍および呼吸数が比較的大きく変動する状態である。また、標準状態とは、生体の一般的な活動状態であり、体動があり、また心拍または脈拍および呼吸数ともに安静状態に比べて変動する状態である。また、異変状態とは、例えば睡眠時無呼吸症候群および生体に異常が発生したと考えられる状態であり、体動があり、また心拍または脈拍および呼吸数ともに大きく変動する状態である。
【0030】
また、判別部18は、後述するように、睡眠計10に対する外部機器である第1の機器23から取得する第1の生体情報および第2の生体情報に基づいて、生体の異常の可否を判別する。判別部18は、第1の生体情報および第2の生体情報に相当する値の差分を第9の閾値と比較する。判別部18は、差分が第9の閾値を超えるときに、生体が異常であると判別する。
【0031】
生成部19は、判別部18が、例えば安静状態および異変状態のように所定の状態であると判別するときに、後述する実行指令を生成する。また、生成部19は、実行指令とともに、後述する禁止指令を生成する。実行指令および禁止指令は、いずれの状態であるかの情報を含む。さらに、実行指令は、最新の生体の姿勢情報を含む。
【0032】
外部機器I/F20は、第1の機器23に対して、生成部19が生成した実行指令および禁止指令を出力する。すなわち、外部機器I/F20は、出力部として機能する。また、外部機器I/F20は、後述する第1の機器23から出力される第1の生体情報および第2の生体情報を取得し、第2の記憶部17に記憶させる。すなわち、外部機器I/F20は、第2の取得部として機能する。
【0033】
表示部21は、睡眠計10により検出される多様な情報を表示する。例えば、表示部21は、判別部18が生体の異常の可否を判別するときに、その結果を表示する。
【0034】
姿勢センサ22は、例えば姿勢検出機能を有するカメラである。姿勢センサ22は、センサ部11による振動の検出と同期して、生体の光学像を撮像する。姿勢センサ22は、撮像した生体の像に対して輪郭抽出などの画像解析を行い、生体の姿勢を検出し、姿勢情報として第1の取得部14に通知する。
【0035】
第1の機器23は、前述のように睡眠計10にとって外部機器であり、コネクタを介して外部機器I/F20に着脱自在であり、装着時に多様な情報を通信可能である。第1の機器23は、例えば血圧計であって、センサ部11によって振動が検出される生体に対して、血圧の測定、測定結果の記録、測定結果に基づく演算、転送などの所定の動作を実行可能である。第1の機器23は、外部機器I/F20から実行指令を取得すると、前述の所定の動作を実行する。実行指令は、前述のように、生体の姿勢情報を含んでおり、第1の機器23は生体の姿勢が第1の機器23を圧迫する姿勢のように測定精度を低下させ得る姿勢であることを把握可能である。第1の機器23は、そのような姿勢であるときには、測定した血圧値の信頼性が低いことを血圧値に関連付け、表示および記憶可能である。
【0036】
第1の機器23は、実行指令に含まれる生体の状態を認識し、所定の動作の実行により検出した血圧値に生体の状態を関連付ける。例えば、第1の機器23は、異変状態であるときの実行指令に基づき検出した血圧値を異変状態と関連付けて、第1の生体情報として扱う。また、第1の機器23は、安静状態であるときの実行指令に基づき検出した血圧値を安静状態と関連付けて、第2の生体情報として扱う。第1の機器23は、第1の生体情報および第2の生体情報を外部機器I/F20に通知する。
【0037】
また、第1の機器23が外部機器I/F20から禁止指令を取得すると、当該禁止指令は、実行指令に基づく所定の動作の実行後の所定の期間内には、当該所定の動作の実行を禁止する。例えば、第1の機器23は、第1の機器23自身の機能または睡眠計10以外の機器からの所定の動作による実行トリガに対しても、禁止指令により所定の期間内の実行が禁じられる。前述のように禁止指令は生体がいずれの状態であるかの情報を含んでおり、状態に応じて実行を禁止する所定の期間が変わる。例えば、異変状態であるときには実行所定の期間は3分間であり、安静状態であるときには所定の期間は45分間である。
【0038】
次に、生体情報管理モジュール12が実行する第1の生体情報管理処理について、
図3のフローチャートを用いて説明する。第1の生体情報管理処理は、睡眠計10による生体情報群の測定を開始すると、開始する。
【0039】
ステップS100において、第1の取得部14は、センサ部11から生体情報群を、姿勢センサ22から姿勢情報を取得する。また、解析部15は、取得した生体情報群から心拍、呼吸数、および体動を算出する。さらに、第2の記憶部17は、算出された心拍、呼吸数、および体動を記憶する。心拍などの生体情報を記憶すると、プロセスはステップS101に進む。
【0040】
ステップS101では、判別部18が、第2の記憶部17から所定の時間の生体情報を読出し、当該読出した生体情報に基づいて、変動を算出する。さらに、判別部18は、算出した変動に基づいて、生体の状態を判別する。生体の状態を判別すると、プロセスはステップS102に進む。
【0041】
ステップS102では、判別部18は、ステップS101において判別した生体の状態が異変状態および安静状態の少なくとも一方であるか否かを判別する。生体の状態がいずれか一方であるときには、プロセスはステップS103に進む。生体の状態がいずれでもないときには、プロセスはステップS103およびS104をスキップして、ステップS105に進む。
【0042】
ステップS103では、生成部19は、ステップS101において判別した状態の情報を含む実行指令および禁止指令を生成する。実行指令および禁止指令を生成すると、プロセスはステップS104に進む。
【0043】
ステップS104では、外部機器I/F20は、ステップS103において生成した実行指令および禁止指令を第1の機器23に通知する。実行指令および禁止指令の通知後、プロセスはステップS105に進む。
【0044】
ステップS105では、生体情報管理モジュール12の入力部に、睡眠計10に測定停止の入力があるか否かを判別する。測定停止の入力が無いときは、プロセスはステップS100に戻る。測定停止の入力があるときには、第1の生体情報管理処理を終了する。
【0045】
次に、生体情報管理モジュール12が実行する第2の生体情報管理処理について、
図4のフローチャートを用いて説明する。第1の生体情報管理処理は、外部機器I/F20が第1の機器23から第1の生体情報または第2の生体情報を取得したときに、開始する。
【0046】
ステップS200において、第2の記憶部17は、取得した第1の生体情報または第2の生体情報を記憶する。記憶すると、プロセスはステップS201に進む。
【0047】
ステップS201では、判別部18は、第1の生体情報および第2の生体情報の両方の生体情報を第2の記憶部17が記憶しているか否かを判別する。両方の生体情報を記憶しているときには、プロセスはステップS202に進む。少なくとも一方の生体情報を記憶していないときには、第2の生体情報管理処理を終了する。
【0048】
ステップS202では、判別部18は、第1の生体情報および第2の生体情報に相当する血圧値の差分を算出する。差分を算出すると、プロセスはステップS203に進む。
【0049】
ステップS203では、判別部18は、ステップS202において算出した差分が第9の閾値を超えるか否かを判別する。差分が第9の閾値を超えるときには、プロセスはステップS204に進む。差分が第9の閾値以下であるときには、第2の生体情報管理処理を終了する。
【0050】
ステップS204では、表示部21は生体が異常状態であることを表示する。表示後、第2の生体情報管理処理を終了する。
【0051】
以上のような構成の本実施形態の生体情報管理モジュールによれば、就寝中の生体における複数の生体情報を組合わせることにより、生体の状態を判別可能である。したがって、本実施形態の生体管理モジュールによれば、生体情報を蓄積すること無く、生体の状態を判別して第1の機器を駆動可能である。また、本実施形態の生体管理モジュールによれば、複数の生体情報の組合せにより、生体の状態を従来より高い精度で判別可能となるため、生体の状態をより高い精度で区分して所定の動作を実行可能となる。また、本実施形態の生体情報管理モジュールによれば、就寝中に用いることにより、第1の機器23などの長時間の装着から被験者を解放するので、被験者の不快感を低減化可能である。
【0052】
また、本実施形態の生体情報管理モジュールによれば、第1の機器23が生体情報管理モジュール12から着脱可能なので、使用目的に応じた外部機器を選択して、生体情報管理モジュール12に接続して使用可能である。本実施形態では単一の第1の機器23が生体情報管理モジュール12に接続される構成であるが、複数であってもよい。
【0053】
また、本実施形成の生体情報管理モジュールによれば、禁止指令が生成されるので、第1の機器23による所定の動作の実行後から所定の期間内の再実行を禁止可能である。したがって、例えば、第1の機器23による所定の動作が生体に身体的負担をかけるような場合に、当該負担を低減化可能である。
【0054】
また、本実施形態の生体情報管理モジュールによれば、異変状態および安静状態における血圧値に基づいて、生体の異常の判別が可能である。判別部18による異変状態の判別は、異変状態を確定しているわけでなく、異変が生じている可能性がある状態を示しているに過ぎない。それゆえ、安静状態および異変状態の両状態における血圧値の比較により、生体に実際に異常が生じているか否かを、異変状態の判別よりも高い精度で判別可能である。
【0055】
また、本実施形態の生体情報管理モジュールによれば、実行指令に姿勢センサ22が検出する生体の姿勢情報を含めることが可能である。前述のように、生体の姿勢によっては所定の処理の実行が適切でないときもあり得るが、第1の機器23に姿勢情報も通知されるので第1の機器23が姿勢情報に応じて所定の処理の実行の可否の判別、所定の処理における設定の変更などが可能となる。
【0056】
本発明を諸図面や実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
【0057】
例えば、本実施形態において、第1の取得部14は、生体の心拍、呼吸数、および体動などを含む振動を生体情報群として取得する構成であるが、生体情報群は他の生体情報を含んでもよい。例えば、脈波、体重、体温、心電図、脳波、光学的に検出される血糖値、および生体ガスなどの生体から得られる多様な情報を用いてもよい。
【0058】
また、本実施形態において、第1の機器23は血圧を測定する血圧計であるが、他の生体情報を測定する機器であってもよい。例えば、脈拍、心拍、呼吸数、脈波、体重、体温、心電図、脳波、光学的に検出される血糖値、および生体ガスなどの生体から得られる多様な情報を測定する機器であってもよい。ただし、上述の生体情報群として用いる生体情報以外の生体情報を測定する機器であることが必要である。また、本実施形態において、第1の機器23は生体情報(血圧)を測定する機器であるが、生体情報の測定だけでなく、生体に対する治療などを行う機器であってもよい。例えば、異変状態が睡眠時無呼吸症候群である場合に、予め被験者に装着させたCPAPに空気の供給を実行させることにより、生体に治療を施すことが可能である。
【0059】
また、本実施形態において、生体情報管理モジュール12は、睡眠計10に組込まれる構成であるが、例えば、
図5に示すように、生体情報管理モジュール12を、複数のセンサ24から生体情報群を取得し、第1の機器23に実行指令を出力する制御装置25として構成してもよい。
【0060】
また、本実施形態において、第1の機器23は生体情報管理モジュール12とは着脱自在な構成であるが、一体型の装置として構成されていてもよい。
【0061】
また、本実施形態において、判別部18は、心拍および呼吸数の変動を用いて、生体の状態を判別する構成であるが、心拍および呼吸数そのものを用いて生体の状態を判別する構成であってもよい。例えば、心拍および呼吸数を閾値と比較することにより、生体の状態を判別してもよい。このような構成においては、それぞれの生体情報の平均値、移動平均値、および累積法などの多様な算術方法を用いて、生体の状態を判別してもよい。
【0062】
また、本実施形態において、姿勢センサ22は生体を撮像した画像に基づいて姿勢を検出する構成であるが、他の方法により姿勢を検出する機器を姿勢センサ22として用いてもよい。例えば、傾斜センサを用いて姿勢を検出してもよいし、また、複数の圧力検出器を用いて、生体の圧力分布を観察することにより姿勢を検出してもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 睡眠計
11 センサ部
12 生体情報管理モジュール
13 バス
14 第1の取得部
15 解析部
16 第1の記憶部
17 第2の記憶部
18 判別部
19 生成部
20 外部機器I/F
21 表示部
22 姿勢センサ
23 第1の機器
24 制御装置