(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリマースキャフォールドがクリンパブレードによって加熱されて接触され、前記クリンパブレードにはそれを軟化するためのポリマーがコーティングされる、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0042】
[0042]前述したように、本発明は、展開バルーンにクリンプされるバルーン拡張可能なポリマースキャフォールドにおける高い不良品発生率の問題を解決する必要性から生じた。ポリマースキャフォールドは、クリンパによって構造が不規則に変形されていたため、例えば、ストラットが互いに重なり合いあるいは異常な形状にねじられていたため、また、多数の亀裂および/または窪みがスキャフォールドに形成されていたため、不合格にされてきた。その後のバルーン展開、それに続くスキャフォールドのその展開状態における加速寿命試験、周期的および静的な負荷試験は、スキャフォールドに対してもたらされる前述した損傷が許容できないことを明らかにした。クリンプ時のスキャフォールドへのこの損傷は、比較的高い不具合の可能性をもたらした。これは、スキャフォールドが血管によって装着されるときに1つ以上のストラットが破壊され、あるいは、スキャフォールドが不適切に拡張され、それにより、血管を適切に支持しないからである。この損傷の原因は、一般に知られてはいるが、クリンパブレードが適切に較正されなかった場合、ベアリング交換が必要だった場合、スキャフォールドがクリンパの中心部に適切に配置されなかった場合などにおいて引き起こされるであろう損傷とは対照的に、スキャフォールドに対するパターンまたは特徴的な損傷を見つける目的で特定することが容易ではなかった。
【0043】
[0043]当該技術分野において一般に知られるように、外部から加えられる力による物品(article)の変形の性質は、状況によっては、外力が加えられる身体に対して物品により加えられる反力から推測される場合がある。例えば、物品に対して力を加える身体が所定の速度での移動を強行するようにプログラミングされる場合には、強行された移動を維持するために必要とされる力の変化を監視することにより、身体がどのように変形されているのかに関して手掛かりを得ることができる。スキャフォールドの場合、術者は、クリンピングのための速度を設定して、加えられる力を監視することができる。しかしながら、計測のための既知の方法は、個々のストラットがクリンパジョーによってどのように変形されているのかを推測するために必要な精度レベルを与えることができない。したがって、術者は、スキャフォールドのストラットがクリンパ内でどのように変形されているのかについての知識を実質的に有さない。スキャフォールドがクリンパ内で起こるときにどのように変形されたのかについて術者が有する唯一の知識は、スキャフォールドがクリンパから引き出されて視覚的に検査された後のものである。この時点では、修復不可能な損傷が生じてしまっており、スキャフォールドおよびカテーテルを廃棄しなければならない。
【0044】
[0044]当該技術は、金属ステントのためのクリンピングプロセスを改善することにかなり広範囲にわたって取り組んできた。しかしながら、クリンピングプロセスを改善する際または問題を解決する際にバルーン拡張可能な金属ステントに関してなされる推測は、ポリマースキャフォールドと金属ステントとの間の著しい相違を無視しあるいは過小評価してきた。第1に、金属ストラットの不規則な変形は、望ましくないが、殆ど起こらない。また、それらの変形が起こる場合、金属ストラットの不規則な変形をしばしば許容できる。同じことが、ポリマー材料の劣悪な応力‐ひずみ特性に起因して、ポリマースキャフォールドには当てはまらない。第2に、ポリマースキャフォールドは、金属ストラットに対するポリマーストラットの小さい空間に起因して、金属ステントよりも不規則な変形を受けやすい(ポリマーストラットは、通常、金属ストラットよりも肉厚で幅広く、そのため、ポリマーストラットはほぼ同じ径方向剛性を有する)。クリンパに関連する既存の技術は、これらの相違を適切に考慮しない。
【0045】
[0045]
図2〜
図4は、従来のクリンピングプロセスを使用するときのクリンピングプロセス中のクリンパブレートとスキャフォールドとの間の関係を示すために参照される説明図である。簡単にするため、クリンパヘッドは、それぞれが45°の範囲にまたがる8個のブレードのみを有するように描かれている。より典型的な構成は、それぞれが30°の範囲にまたがる12個のブレードを有する。
【0046】
[0046]
図2および
図3は、クリンパヘッドの開口が第1の直径とさらに小さい第2の直径とをそれぞれ形成するときの、スキャフォールドに対するブレードの方向性を示すクリンパヘッドおよびクリンパヘッドの開口内のスキャフォールドの断面図である。スキャフォールド本体10がブレード22間に配置される。スキャフォールド10は、それがクリンパヘッド内に配置されるときにカテーテルの収縮されたバルーン200上に支持される。その後、ブレードエッジがスキャフォールドと係合すると、図示のようにスキャフォールドがバルーンから持ち上げられて離れる。この設定は、金属ステントにおけるクリンピングシーケンスのための典型的な設定であるが、この場合には、金属ステントがポリマースキャフォールドに置き換えられている。
【0047】
[0047]
図2において、開口が第1の直径にあるときには、ブレード22のより平坦な表面だけがスキャフォールド表面と当接するように、ブレードエッジがスキャフォールド表面から離れるように方向付けられる。このことは、表面同士の接触がより大きくなるので、スキャフォールド表面に作用する負荷が本体上のより大きな部分にわたって分配され、それにより、ブレード窪みがスキャフォールドに生じるのを回避できる可能性が高くなることを意味する。しかしながら、スキャフォールドがこの大きい方の直径にあるときには、依然として問題が生じ得る。スキャフォールド直径がバルーン外形よりもかなり大きいので、カテーテルに対するスキャフォールドの支持に関するあるいはクリンピングブレードがスキャフォールドを均一に閉じ込めないことに関する任意の僅かな位置ずれが、ねじれや不規則な曲げをもたらす可能性がある。これは、スキャフォールドが中心クリンピング軸線に対して中心から外れて変位されるからである。この問題は、スキャフォールドが大きな初期直径、例えばクリンプ直径サイズの2.5〜3倍の初期直径を有するときにスキャフォールドの支持を安定させる、内部が欠如することにより生じることが分かった。
【0048】
[0048]
図3では、ブレードのエッジがスキャフォールドの表面の方にさらに向けられる。これは、ブレードが
図2の場合よりもサイズが小さいアイリスを形成しているからである。この構成では、楔状ブレード22の比較的鋭利なエッジがスキャフォールド表面を押さえ付けている。それは、許容できない構造的な損傷を引き起こす窪み、切れ目、および、えぐり込みが生じ得る状況にある。また、スキャフォールドがその大きい方の直径にあるとき(
図2)に任意のねじれ、不規則な曲げ、または、ストラットの重なり合いが生じ始めた場合には、さらなるねじれ、曲げ、および、ストラットの重なり合いが生じる可能性がある。特に、大きい方の直径で開始された任意の曲げまたはねじれは、ストラット間の間隔が減少されてストラットが互いに当接し始めるにつれてさらに顕著になるあるいは促進されるようになると考えられる。あるストラットがねじれて位置ずれすると、そのストラットが隣接するストラットと接触し、それにより、隣接するストラットが投げ出されて位置ずれしあるいは曲がったストラット上に折り重なるようになる可能性がある。前述したように、ストラットを当接させるこの問題は、通常、金属ステントにおいては存在しない。これは、金属ステントストラットの方が薄いからであり、あるいは、クリンピングのために必要とされる直径減少がポリマースキャフォールドの場合よりも小さいからである。いずれにしても、ストラット間にはより大きな間隔が存在する。したがって、ステントの直径が減少される際に、より大きな利用できる隙間がストラット間に存在するため、位置ずれしたストラットが小さい方の直径でより大きい位置ずれを引き起こす機会が少ない。
【0049】
[0049]
図4Aおよび
図4Bはそれぞれ、
図2および
図3の拡大図であり、スキャフォールド10の表面に対するブレードエッジ22bおよび、エッジ22bから離れた表面22aの相対的な位置を示している。
図4Bは、エッジ22bがスキャフォールドを押さえ付ける結果としてスキャフォールドに形成されている変形、引き裂け、または、えぐり込みを描いている。この状況は、ブレードエッジ22bがスキャフォールドストラットを捕らえるように、たとえ僅かでも適所を外れて既に変形されあるいはねじられたストラットなどのスキャフォールドストラットのエッジをブレードのエッジが捕らえるときに起こると考えられる。図示のように、ストラットまたはクラウン10’は、ねじられてしまっており、ストラット10”と当接することによってストラットまたはクラウン同士の重なり合いをもたらしている。ストラット間のこの相互作用が始まって、直径がさらに減少されると、スキャフォールドが使用できなくなるまで問題が益々悪化する可能性がある。結果として、スキャフォールドおよびスキャフォールドを支持するカテーテルの両方が廃棄される。
【0050】
[0050]言うまでもなく、
図4Bに描かれる状況または
図11〜
図12および
図14に示される状況をもたらす作用または一連の事象の正確なメカニズムを知ることは、2つの理由により非常に難しい。第1に、ブレードとスキャフォールドとの間の相互作用を視覚的に検査することは一般に不可能である。スキャフォールドがクリンパから除去された後にクリンプされた形状がどのようであるかを検査することしかできない。第2に、ポリマースキャフォールドは、一般に透明であり、あるいは、せいぜい半透明である。したがって、透明なバルーンにクリンプされると、スキャフォールドの本体を横切る切れ目または窪みの正確な性質または範囲を決定してパターンまたは特徴的な損傷を見つけることは極めて困難となり得る。
【0051】
[0051]また、ポリマースキャフォールドは、それらが、クリンパのクリンピングアセンブリのブレードとの僅かな位置ずれを有する場合には、損傷を受けやすいことも見出された。「僅かな」位置ずれとは、当該技術がこれまで許容しかつ存在すると想定してきたが、クリンパのブレードと完全に位置合わせされて該ブレードと接触するときの、同じステントと比べて金属ステントがクリンパにより変形される仕方に著しく影響を及ぼし得ない位置ずれを意味する。そのような位置ずれ許容範囲は、市販のクリンピング装置の製造メーカから入手できる情報を参照することにより理解される。ポリマースキャフォールドに対する許容できない損傷を引き起こすと考えられるクリンパブレードの位置ずれの1つのタイプは、1つのブレードが隣接するブレードと同一平面内に維持されず、それにより、アイリス直径が減少されるときに鋭利なリーディングエッジが露出されるような場合である。この鋭利なエッジは、その後、ポリマーストラットに食い込み、あるいは、ポリマーストラットを横切って切断する可能性があり、それにより、例えば、
図12A〜
図12Bに示される損傷をもたらす可能性がある。
【0052】
[0052]
図11〜
図12および
図14は、金属ステントのための既知のクリンピングプロセスを使用したポリマースキャフォールドに対する損傷を示す写真である。しかしながら、
図13および
図15は、既知のクリンピングプロセスの代わりに本開示に係るプロセスが使用されるときの、クリンピングにおける際立った改善を示している。
図11〜
図13は、
図5に描かれるスキャフォールドに関する写真である。
図14〜
図15は、
図10に描かれるスキャフォールドに関する写真である。
【0053】
[0053]
図11A〜
図11Bは、クリンプされたスキャフォールドの2つのタイプの欠陥を示している。
図11Aは、クラウンに接続される連結要素が屈曲されていることを示している。スキャフォールドのこの屈曲した「Y」部分(D3)により、クリンプされたスキャフォールドは不合格とされた。この屈曲D3が生じた部位は、展開されたスキャフォールドにおいて破壊が生じる可能性が高い既知の高応力領域である。このため、スキャフォールドは不合格とされる。同様に、
図11Bも、このスキャフォールドが不合格とされる原因となる欠陥D3を示している。
図11Bの欠陥D3は、屈曲した「Y」部分だけでなく、クラウンの締め付けも含む。この写真から分かるように、上側クラウンが下側クラウンを押圧して「Y」を形成している。その結果、ストラットは、それらの設計された曲げ範囲を越えて互いに押し付けられている。したがって、この異常な形状からのバルーンの拡張は、この領域またはその近傍の領域で、スキャフォールドにおける剛性または破壊靱性の損失に対する懸念を引き起こす。
図12Aおよび
図12Bは、スキャフォールドを押さえ付けるクリンパブレードのナイフ状エッジに起因するスキャフォールドにおける摩耗、切れ目、えぐり込み、および、窪み(D3)を示す走査型電子顕微鏡の画像である。スキャフォールドに対するこの損傷D3は、同様に許容できず、そのため、スキャフォールドが不合格とされる。従来のクリンパヘッドを使用すると、
図11および
図12の両方に示されるような損傷がクリンプされたスキャフォールドに存在する虞がある。確かに、発明以前においては、
図11〜
図12に描かれる損傷がなかったスキャフォールドにおける歩留まりはほぼ0%であった。
【0054】
[0054]
図14A〜
図14Cは、
図10に描かれるスキャフォールドにおいて観察される損傷を示している。
図14Aにおいて容易に分かるように、スキャフォールドは、激しい不規則性、例えば、屈曲したおよびさらには反転したストラット、重なり合うストラット、および、締め付けられたストラットを示している。
図14Bは、
図14Aの場合のように屈曲およびねじれの激しさを示していないが、それにもかかわらず、同様にスキャフォールドにおいて許容できないクリンピングである。これは、1つの周方向位置におけるY要素またはW要素が他の周方向位置とは異なる比率でクリンプされているからである。このスキャフォールドがさらにクリンプされた場合には、スキャフォールドの重なり合い、反転、または、同様の望ましくない変形が生じると考えられる。
図14Cは、重なり合うストラット(D4)の拡大図を示している。このスキャフォールドは、
図14Aおよび
図14Bに描かれるスキャフォールドの場合と同様に不合格とされた。この部分における重なり合うストラットD4は、不適切な展開、ならびに、剛性および破壊靱性のかなりの損失をもたらし得る。
【0055】
[0055]本発明者等は、「僅かな」位置ずれが除去されあるいは実質的に除去された場合には、ポリマースキャフォールドをクリンプするときに、ポリマースキャフォールド、例えばPLLAスキャフォールドに対して修復不可能な損傷を引き起こすのに十分なスキャフォールドストラットの不規則な変形をかなり減らすことができることを意外にも見出した。位置ずれは、スキャフォールドの孔軸線がクリンパの中心軸線と一直線になっていないこと、あるいは、アイリスがスキャフォールドへ向けて閉じられているときにスキャフォールドがクリンピング装置のブレードの軸線と適切に位置合わせされていないことを指す。これらの2つを全体位置ずれ対局部位置ずれと見なしてもよい。クリンパ内で移動するブレードに対するスキャフォールド本体のより良好な位置合わせ、およびスキャフォールドのより良好な支持は、特にスキャフォールドがかなりの直径減少および高い保持力を必要とするときに改善された結果をもたらすことが分かった。
【0056】
[0056]この場合も先と同様に、ポリマースキャフォールド、特に位置ずれしたポリマースキャフォールドが対応する金属ステントよりもクリンパ内での損傷を受けやすいことが言及されるべきである。クリンパ内で「僅かな」位置ずれを有するポリマースキャフォールドは、損傷を受ける機会が金属ステントよりもかなり大きい。無論、クリンパ内にあるときの金属ステントのストラットのねじれ、曲げ、または、窪みを回避する必要性が知られている。しかしながら、ブレードエッジによりストラットに作用する局所的で不規則な力あるいは不均一な力にかなり耐える金属ステントとは異なり、ポリマースキャフォールドの表面は、金属ステント表面よりもかなり低い硬度を有する。したがって、ポリマースキャフォールドは、クリンパブレードによる局所的に損傷を受けやすい。また、ストラット同士の近接性に起因して(要求に応じて、金属ステントと同等な剛性を与えるためにより厚くより幅広いストラットが必要とされるため)、当接するストラットにおいては、クリンプされた状態で面外ねじれの重なり合うスキャフォールド構造をもたらす機会がさらに多い。したがって、ポリマースキャフォールドに作用する不規則なあるいは不均一なクリンピング力の影響は、金属ステントの場合よりも深刻である。この違いは、不規則なねじれあるいは曲げおよび窪みを呈する展開されたポリマースキャフォールドにおける亀裂および/または破壊の場合に最もはっきりと明らかになる。
【0057】
[0057]これらの理由により、
図2および
図3に示される方法でポリマースキャフォールドをクリンプすることは不適当であることが分かった。この方法でクリンプされるスキャフォールドは、しばしば損傷されて使いものにならない。金属ステントのためのクリンピング装置およびクリンピングプロセスを使用する一例では、歩留まりがほぼ0%であった。本発明の態様が使用された場合には、歩留まりが80%まで増大された。
【0058】
[0058]本開示に係るクリンピングアセンブリは先に言及されたアイリスタイプの動作機構を採用してもよく、その一例は、全ての図面を含むその開示が全ての目的のために本願に完全に組み入れられる米国特許第7389670号に記載される。
図9は、周方向および径方向で関節結合する一群のブレード、例えば12個の30°ブレードを含むクリンピング機構を組み込むそのようなクリンピングアセンブリ20の斜視図であり、各ブレードは、二軸連結機構(各ブレードごとに径方向および周方向の動きが組み合わされる)により他のブレードと一体を成して径方向および周方向で関節結合される。したがって、アセンブリは、直径が可変の開口21を形成するように配置される複数のブレードを含む。クリンピングアセンブリ20は、ベース48と、支持体50’,50”と、アイリスにより形成される開口21を減少させあるいは広げるためにブレードを内側へあるいは外側にそれぞれ移動させるためのアーム65とを含む。クリンピングブレードのための中心軸線またはアセンブリのためのクリンピング軸線が
図9に軸線31として描かれている。
【0059】
[0059]ポリマースキャフォールドのための既存のクリンパアセンブリに伴う既に前述した問題は、(1)クリンパのスキャフォールドとの接触表面を改質すること、(2)バルーン圧力を使用してスキャフォールドを内側から支持することを含む方法によって対処された。本開示のこれらの態様の実施形態が与えられる。
【0060】
[0060]一実施形態において、ポリマースキャフォールドは、スキャフォールドとクリンパブレードとの間にポリマーフィルムのシートを供給するクリンパアセンブリを使用してクリンプされる。このタイプのクリンピングアセンブリの一例が
図1Aおよび
図1Bに示されている。ポリマーシートはブレード表面を効果的により順応性良くするので、ポリマーシートがスキャフォールド表面の窪みを減らすのに役立つことも分かった。しかしながら、ポリマースキャフォールドに対する損傷を減らすためには、ブレードとスキャフォールド表面との間にポリマー材料を配置するだけでは十分でない。クリンプされたスキャフォールドが
図1Aおよび
図1Bのクリンパから除去された際には、許容できない多くの損傷スキャフォールドが依然として生じた。
【0061】
[0061]材料のシートは、ブレードの追従性の効果的な低下に起因して窪みを減らすが、ブレードがスキャフォールド表面を押さえ付けるときにスキャフォールドのストラットの不規則な曲げあるいはねじれを促進させるねじれ力もスキャフォールドに加えると思われた。任意の特定の理論に縛られたくはないが、スキャフォールドとブレードとの間に材料のシートを導入することにより、シートに作用する張力が、シートに対するブレードの動きと相まって、直径が減少された際に支持されないスキャフォールド本体のねじれを増大させ、それにより、幾つかの点で、観察される不規則なクリンピングを悪化させるという望ましくない結果をもたらしてしまった場合があると考えられる。別の意味では、ポリマーシートによってより順応性の良い表面が導入されただけでは、使用できるスキャフォールド−カテーテルアセンブリの歩留まりを向上させることができるように個々のブレードにより引き起こされるストラットの不規則な変形を十分に減らすことができないと思われた。より均一なクリンピング、したがって、より許容できる歩留まりを生み出そうとする試みでは、例えばスキャフォールド直径をその開始直径の約1/2にまで減少させる初期内径の減少中に、スキャフォールドのための内部支持体が導入された。膨張されたバルーンがスキャフォールドを支持するために使用された。膨張されたバルーンは、スキャフォールドがその最終的なクリンプ直径まで減少されるときにも使用された。確かに、スキャフォールド−カテーテルアセンブリの歩留まりの向上が初期直径減少中におけるバルーン支持の使用または幾つかの漸進的なクリンピングステップ中における膨張バルーンの組み合わせの使用だけに起因するあるいは該使用に主に起因するかどうかは分からない。前述したように、損傷したスキャフォールド構造をもたらす正確な原因および効果は、ポリマー材料の非弾性的な変形の複雑な性質とクリンピングシーケンスの各段階をより綿密に検査できないこととに起因して、容易に決定できない。それにもかかわらず、試験は、バルーン圧力がスキャフォールドのための支持を与えるときにスキャフォールド−カテーテルアセンブリの歩留まりが劇的に向上することを明らかにしている。
【0062】
[0062]スキャフォールドがその最終的なクリンプ直径に近づくときの個々のストラットのためのさらに局所的な支持は、ねじれるあるいは隣接するストラットと重なり合う傾向があるストラットのための一定量の支持を付加すると考えられる(ねじれるあるいは他のストラットと重なり合う傾向があるストラットとは、スキャフォールドが大きい直径にあるときに既に僅かに面外に曲げられたあるいはねじられたストラットのことである。したがって、前述したように、ポリマースキャフォールドにおけるストラットの近接性に起因して、金属ステントとは対照的に、ストラット同士が当接する際には、曲げ、ねじれ、または、重なり合いが生じる可能性がさらに高い)。本質的に、バルーン圧力は、先のクリンピングステップ中にブレードが加えた力よりも高い度合の力をブレードエッジがストラットに与えるときにストラットが重なり合うあるいは不規則にねじれる可能性を制限する役目を果たし得る有益な作用圧をストラットの管腔側に与えると考えられる。
【0063】
[0063]バルーン圧力は、クリンピングシーケンスの初期段階中にスキャフォールドを安定させるのに役立つ。一例において、スキャフォールドは、過度展開直径または展開直径から、サイズが約2.5〜3倍だけさらに小さい直径まで減少される。展開直径または過度展開直径にあるときには、スキャフォールドの直径が、スキャフォールドが載置する収縮したバルーンカテーテルよりもかなり大きいので、スキャフォールドのための支持があまり安定しない。したがって、任意の初期の不均一な付加クリンピング力、または、例えばポリマー表面上の残留静電荷に起因する位置ずれが、スキャフォールド直径がさらに減少されるときにより顕著になる不規則な曲げを引き起こす可能性がある。ブレードとスキャフォールド表面との間の摩擦、または、残留静電荷あるいは摺動するポリマー表面により引き起こされる静電荷蓄積も、スキャフォールドのこの不規則な変形の疑わしい原因である。スキャフォールドを内部から支持するためにバルーンが膨張されると、ストラットの不規則な曲げおよびねじれがかなり減少されることが見出された。スキャフォールドは、クリンパ軸線に対して適切な方向性を維持することがさらに可能であった。バルーンにより加えられる均一な圧力は、付加されるクリンピング力における任意の不均一性を相殺する傾向があった。
【0064】
[0064]スキャフォールド−カテーテルアセンブリの歩留まりを向上させようとして、さらなるクリンプ改良が本発明者等によって使用された。第1に、クリンパヘッド内のポリマー表面は、(以下でさらに詳しく説明するように)ブレード上にポリマーシートの形態で配置されようとポリマーコーティングの形態で配置されようと、静電荷の蓄積を回避するためにクリンピング前に脱イオン化される。第2に、クリンピング中の亀裂形成の事例を減らすために(ならびにバルーン保持力を増加させるために)、ポリマーのガラス転移温度付近までスキャフォールド温度が上昇されるが、展開された構造の強度および剛性プロファイルに影響を及ぼさないようにする。ポリマースキャフォールドクリンピングプロセスに対するこれらのさらなる改良は、米国特許出願第12/776,317号明細書(代理人整理番号62571.398)および米国特許出願第12/772,116号明細書(代理人整理番号62571.399)においてさらに詳しく論じられている。これらの出願は、共通の発明者および譲受人を本出願と共有する。
【0065】
[0065]ここで、ポリマースキャフォールドに対する損傷を減らすためのクリンピングシーケンス/プロトコルの例について論じる。これらの例では、スキャフォールドが径方向に拡張されたPLLAのチューブから形成された。スキャフォールドは、
図5,
図6および
図10に示されるようなストラットパターンを有していた。
図9に関連して説明されたクリンピングアセンブリと同様の動作特性を有するアイリスクリンパが、スキャフォールドを事前にクリンプして最終的にバルーンへクリンプするために使用された。
【0066】
[0066]
図5,
図6または
図10に示される構造的なリング、ストラット、および、連結要素から成るスキャフォールドパターンを有するポリマースキャフォールドのためのクリンピングプロセスが以下のように進行されてもよい。初期直径の減少に備えて、スキャフォールドがバルーン上に配置されて脱イオン化されるとともに、クリンピング開口21内に配置されるポリマーシートが脱イオン化されて、スキャフォールドがクリンパ20と共に配置される。クリンパブレードの温度が48℃までまたは約48℃まで上昇され、その温度で安定させることができる。スキャフォールドがクリンパ内にあるときに、ブレードからの放射熱および対流熱に依存してスキャフォールドの温度を上昇させる。スキャフォールド温度を上昇させるために高温の空気が導入されてもよい。
【0067】
[0067]金属ステントとは異なり、
図5,
図6または
図10に示されるタイプのポリマースキャフォールドは、初期直径の減少あるいは事前クリンプ、バルーンマーカを用いた再位置合わせあるいは位置合わせのチェックを必要とするとともに、それに続いて、ポリマースキャフォールドの初期の大きな直径に起因する最終的なクリンプ処理を必要とする。この場合、この大きな直径は、スキャフォールドにおける展開直径または過度展開直径に対応してもよい。ポリマースキャフォールドは、このようにして、それが展開状態で高い剛性および低い反跳を与えるのに最適なポリマー鎖配向を有することができるように形成される。しかしながら、この形態も、大きな直径減少が必要とされるため、クリンピングプロセスをさらに困難にする(一方、金属ステントは、材料特性の違いに起因して、この形態のアセンブリを必要としない。金属ステントは小さい直径で製造されてもよく、それにより、開始直径がクリンプ直径にさらに近くなるので、金属ステントをバルーンにクリンプすることがかなり容易になる)。一実施形態において、スキャフォールドは、約0.136インチの開始直径から、約0.052インチのクリンプ直径まで減少される。別の実施形態において、スキャフォールドは、約9mmの開始直径から、約2〜3mmのクリンプ直径まで減少される。
【0068】
[0068]これらの実施形態では、事前クリンピング前および/または事前クリンピング中にスキャフォールドを脱イオン化するために帯電防止フィルタ処理されたエアガンが使用される。事前クリンプ前に、帯電防止エアガンがスキャフォールド上にわたって前後に通過され、それにより、スキャフォールド上の静電荷が除去される。ある場合には、帯電防止フィルタ処理されたエアガンがスキャフォールドに沿って10秒〜1分間にわたって加えられる。別の実施形態では、事前クリンピング中にエアガンがスキャフォールドを脱イオン化する。帯電防止フィルタ処理されたエアガンがスキャフォールドに沿って10秒〜1分間にわたって加えられる。
[例]
【0069】
[0069]
図5に示されるパターンを有する3.0×18mmPLLAスキャフォールドにおけるクリンピングシーケンスを一例として説明する。初期事前クリンプは、アイリスを形成するブレードを0.136インチの開始直径から0.083インチの直径まで移動させ、その直径のまま30秒保持し続ける。これが段階1である。この段階中、スキャフォールドを安定させるために約2〜15psiの大きさのバルーン圧力が加えられてもよい。次いで、スキャフォールドおよび該スキャフォールドが載置するバルーンがクリンパから除去され、バルーンマーカを用いた位置合わせが検証される。0.082インチへの直径減少はスキャフォールドをバルーンに緩く固定し、それにより、スキャフォールドは、その場所を保つことができるが、依然としてバルーンマーカに対して調整され得る。スキャフォールドはクリンパへ戻される。
【0070】
[0070]クリンピングシーケンスの段階2は、アイリスを形成するブレードを0.068インチまで移動させ、15秒間にわたって保持される。この段階中、バルーンが約17〜100psiまで膨張される。この段階が完了されると、バルーンが収縮され、カテーテルを取り外すことができるようにアイリスが開放される。スキャフォールドは、バルーンマーカに対する最終的な位置合わせを受ける。スキャフォールドおよびバルーンは元のクリンパに配置される。段階3は、10秒の保持を伴って0.070インチまで直径を減少させる。この段階3中、バルーンが約17〜100psiまで膨張される。完了すると、機械は段階4に移動する。この段階4では、バルーン圧力が約15psiよりも低い圧力まで減少されるとともに、アイリスが0.047インチまで減少されて最後の200秒の保持時間にわたって保持される。この第4の最後の段階が完了すると、アイリスが開放されて、カテーテルおよびスキャフォールドが除去される。スキャフォールドは、バルーン上に保持されて、ポリマースキャフォールドの反跳を最小限に抑えるようにシースに直ちに配置される。
【0071】
[0071]直径減少中のバルーン圧力は、バルーン材料に過度の応力を与えることなくスキャフォールドのための支持を与えるように選択されてもよい。あるいは、
図10のスキャフォールドの場合と同様に、一定の圧力に保持される順応性のある拡張可能な支持バルーンが初期直径の減少中に使用されてもよい。幾つかの実施形態において、バルーン圧力は、スキャフォールド直径が減少されるときにガス圧の制御された解放により調整されてもよい。他の実施形態では、保持期間中、漸進的な直径減少が行なわれた後にバルーン圧力が増大されてもよい。漸進的なクリンプの直後にバルーン圧力を増大させることにより、バルーン圧力をサポートして、任意の不規則な変形を調整することができ、それにより、均一な圧力をスキャフォールドの内面に与えて、ストラットが不規則に変形する任意の傾向を補償できる。例えば、バルーンが膨張されるときに、内側に変形されたストラットを所定位置へ押し戻すことができる。
【0072】
[0072]別の実施形態において、直径が約9mmから約2〜3mmに減少されたスキャフォールドは、120mmの長さを有する。このスキャフォールドにおいて、クリンピングシーケンスは、米国特許出願第12/831,878号明細書(代理人整理番号62571.425)に記載されるクリンピングステーションなどのクリンピングステーションを使用して以下のように進行してもよい。
【0073】
[0073]第1および第2の例において、
図9に描かれるスキャフォールドのためのクリンププロセスは、PLLAスキャフォールド材料に対しては、摂氏約48度の温度でクリンプされる。PLGAに対しては、温度がより低くてもよい。スキャフォールド温度は、加熱されたクリンパブレードからの対流および放射によって上昇される。
【0074】
[0074]9mmのIDのスキャフォールドが9〜10mmの支持バルーン上に配置される。このバルーンは、8mmのODのバルーンを形成するために、40〜70psiの空気によりバルーンのサイドアームから膨張される。支持バルーンを加圧状態に維持する。このスキャフォールド−バルーンアセンブリを装填キャリッジ上に配置する。アセンブリがクリンプヘッドの中心にくるまでキャリッジを前方へ押し出す。
【0075】
[0075]スキャフォールド−バルーンをクリンプヘッドに配置した後のクリンププロセスの第1の例:
【0076】
[0076]段階1 − クリンプヘッドが毎秒0.5インチ(in/s)の速度で0.314”まで閉じた後、直ちに段階2へ移行する。
【0077】
[0077]段階2 − クリンプヘッドが0.005in/sの速度で0.300”まで閉じて30秒間にわたって保持する。
【0078】
[0078]段階3 − クリンプヘッドが0.005in/sの速度で0.270”まで閉じて30秒間にわたって保持する。栓を回して、膨張された支持バルーンカテーテルから圧力を解放する。
【0079】
[0079]段階4 − クリンプヘッドが0.005in/sの速度で0.240”まで閉じて30秒間にわたって保持する。
【0080】
[0080]段階5 − クリンプヘッドが0.005in/sの速度で0.200”まで閉じて30秒間にわたって保持する。
【0081】
[0081]段階6 − クリンプヘッドが0.005in/sの速度で0.160”まで閉じて30秒間にわたって保持する。クリンピングステーションの加圧モードを起動させて、50psiで支持バルーンを膨張させ、段階3と段階5との間で位置ずれした任意のストラットを位置合わせする。30秒間にわたる保持の後、クリンプヘッドが開放され、スキャフォールド/支持バルーンをクリンプヘッドから除去する。部分的にクリンプされたスキャフォールドを除去してそれをバルーンカテーテル(「FGバルーンカテーテル」)のバルーン上に配置する。このアセンブリを元のクリンプヘッドの中心へ挿入する。クリンパを再び起動させる。
【0082】
[0082]段階7 − クリンプヘッドが0.25in/sの速度で0.160”まで閉じて30秒間にわたって保持する。
【0083】
[0083]段階8 − クリンプヘッドが0.005in/sの速度で0.130”まで閉じて50秒間にわたって保持する。加圧モードを起動させ、50psiでFGバルーンカテーテルを膨張させて、ピロー(pillowing)効果を引き起こし、それにより、スキャフォールド保持力を向上させるとともに、50秒間にわたって保持する。50秒が経過した後、加圧モードを停止させる。
【0084】
[0084]段階9 − クリンプヘッドが0.005in/sの速度で0.074”まで閉じて150秒間にわたって保持する。
【0085】
[0085]完成したスキャフォールド−カテーテルアセンブリをクリンプヘッドから除去して、直ちに拘束シースをスキャフォールド上にわたって配置し、反跳を制限する。
【0086】
[0086]スキャフォールド−バルーンをクリンプヘッドに配置した後のクリンププロセスの第2の例
【0087】
[0087]段階1 − クリンプヘッドが毎秒0.5インチ(in/s)の速度で0.314”まで閉じた後、直ちに段階2へ移行する。
【0088】
[0088]段階2 − クリンプヘッドが0.005in/sの速度で0.160”まで閉じて30秒間にわたって保持する。この段階中、リリーフバルブが加圧された支持バルーンカテーテルから圧力を解放してバルーンの破裂を防止する。30秒間にわたる保持後、クリンプヘッドが開放され、スキャフォールド/支持バルーンをクリンプヘッドから除去する。部分的にクリンプされたスキャフォールドを除去してそれをFGバルーンカテーテル上に配置する。サブアセンブリを元のクリンプヘッドの中心へ挿入する。クリンパを再び起動させる。
【0089】
[0089]段階3 − クリンプヘッドが0.005in/sの速度で0.130”まで閉じて50秒間にわたって保持する。加圧モードを起動させ、50psiでFGバルーンカテーテルを膨張させて、ピロー効果を引き起こし、それにより、スキャフォールド保持力を向上させるとともに、50秒間にわたって保持する。50秒が経過した後、加圧モードを停止させる。
【0090】
[0090]段階4 − クリンプヘッドが0.005in/sの速度で0.074”まで閉じて150秒間にわたって保持する。
【0091】
[0091]完成したスキャフォールド‐カテーテルアセンブリをクリンプヘッドから除去して、直ちに拘束シースをスキャフォールド上にわたって配置し、反跳を制限する。
【0092】
[0092]これらのクリンピングプロセスのさらなる別の代替の方法において、第3の例では、スキャフォールドが、中間のクリンピング段階の間で支持バルーンまたは仮バルーン上に支持されつつ、その軸線周りに回転される。したがって、初期クリンプ後、スキャフォールドおよび支持バルーンがクリンパヘッドから除去され、スキャフォールドが例えば約45度その軸線周りで回転された後、第2のクリンプが行なわれる。直径に達するまで同じステップが数回行なわれてもよく、その場合、仮バルーンがバルーンカテーテルと置き換えられる。別の例において、回転は、30度未満であってもよく、あるいは、隣接する「Y」形状要素間にわたる角度であってもよい。回転角度は、
図14Bに描かれるクリンピングなどの不均一なクリンピングを補償するために、Y形状要素間の1/2の角度であってもよい。
【0093】
[0093]他の実施形態では、
図1Bの場合のように張力が付与されたポリマーシートを使用するのではなく、ポリマーコーティングがブレードのエッジに施される。その効果は、ポリマースキャフォールドと接触するブレード表面の硬度を低下させること、または、スキャフォールドストラットのクリンパブレード負荷が表面にわたってより幅広く分配されるようにすることである。別の意味では、目的は、ブレードエッジの硬度が比較的軟質のポリマー表面の硬度により近づくようにブレードエッジをより軟化することである。そうすることで、ブレード力(特にブレードエッジまたはその近傍のブレード力)がスキャフォールドの表面のより大きな部分にわたって分配され(表面がより軟質化されているので)、それにより、特にアイリス直径が最終的なクリンプ直径に移動するとき(
図3)にスキャフォールド表面上の窪みが減少するはずである。硬度とは、力が付加されるときの永久的な形状変化に対する表面の抵抗のことである。この目的のため、硬度とは、窪み硬度のこと、または、永久的な窪みの形成に耐えることができる能力のことである。ポリマースキャフォールドの硬度に影響を及ぼすようにポリマースキャフォールドの特性を変えることは望ましくないので、ブレードの硬度が変えられる。すなわち、ブレードは、適切な硬度のポリマーコーティングをブレードエッジに施すことによって軟化される。
【0094】
[0094]一方では、コーティングされたブレードの硬度をスキャフォールド表面に適合させたい場合がある。これは、ブレードの「有効」硬度、すなわち、スキャフォールド表面と接触するコーティングされた表面の硬度を意味するように意図されている。この構成は、おそらく、ブレードが意図される態様でスキャフォールドストラットを変形させることができるようにしつつスキャフォールドにおける窪みを回避するという観点からすれば最も理想的である。他方では、ブレード硬度をこの程度まで減少させるには、ブレードのより頻繁なメンテナンスが必要である。これは、量産クリンピング稼働後に(使用される材料に応じて)コーティングされたブレードエッジが変形されるようになりあるいは比較的頻繁にブレードから除去されるからである。高温でのクリンピング時には、ブレード硬度がスキャフォールドの硬度付近にあるようにブレード硬度を低下させることが望ましくない場合もある。
【0095】
[0095]例えば、ブレード硬度をスキャフォールドの硬度まで低下させるためには、比較的厚いコーティング要件が存在する場合があり、あるいは、比較的低い熱伝達率を有するポリマー材料が必要とされる場合がある。いずれにしても、金属ブレードから伝導されて放射される熱によってスキャフォールドが加熱される場合には、硬度を適合させるために使用されるポリマーコーティングが、熱をブレードからスキャフォールドへ効果的にあるいは効率的に伝導することを困難にする場合がある。
【0096】
[0096]ポリマーコーティングは、ポリウレタンまたは任意の他の比較的弾力性のあるポリマー材料であってもよい。ブレードに施されるコーティング厚さは、使用される材料に応じて、約100〜150ミクロンの範囲であってもよい。コーティングの厚さは、クリンパブレードのエッジをより軟化するように選択されてもよいが、断熱の問題を引き起こさないようにする。例えば、ポリマーコーティングの厚さは、一定の厚さに維持されてもよく、あるいは、鋭利なエッジにより引き起こされる損傷が減少されるがブレード放射/伝導によってスキャフォールドを所望のクリンピング温度まで効率的に加熱できるようにテーパ状の厚さを有してもよい。
【0097】
[0097]一実施形態によれば、ブレードエッジ接触長さにわたってあるいはこの長さ未満にわたってポリマー厚がテーパ状を成す場合、クリンパブレードに晒され、クリンパヘッド内に挿入されたスキャフォールドは、さらなる加熱源を必要とすることなく、ポリマーのガラス転移温度付近の温度、より好ましくはガラス転移温度を5〜10度下回る温度を得る。この場合、鋭利なチップまたはその近傍にある最大厚さは約100〜150ミクロンである。先に言及されたように、コーティングが厚すぎる場合またはコーティングがブレードチップの大部分にわたって配置される場合には、ブレードからスキャフォールドへの熱対流が損なわれる場合があり、それにより、クリンプブレードを通じたスキャフォールド加熱が、バッチクリンピングまたは量産クリンピングにおいて、実行不可能になりあるいは非現実的になる。これに加えてあるいはこれに代えて、スキャフォールドにおける窪みの形成を減らすためにコーティングにより改質されるエッジの硬度により、ブレードが変形を受けやすくなる場合もあり(表面が軟らかくされるので)、そのため、ポリマーコーティングされたブレードの頻繁なメンテナンスが必要となる場合がある。
【0098】
[0098]ポリマーコーティングは、さらにあるいはこれに加えて、ブレードのエッジ上にわたって均一に施されてもよく、あるいは、ブレードの形状または最終的なクリンプ直径のスキャフォールド表面に対するブレードの方向にしたがって不均一に施されてもよい。コーティングは、エッジと、アイリスが大きい方の直径にあるときにスキャフォールドに接触するエッジ近傍の表面との両方にわたって施されてもよい。あるいは、コーティングは、主にアイリスが最終的なクリンプ直径に近づくときに生じると考えられる損傷のみを補償するために、エッジに限られてもよい。ブレード上にわたるコーティングの厚さおよび/または分布は、接触表面にわたる熱対流または露出する金属表面からスキャフォールド表面への放射熱の最小比率を維持する必要性に基づいて、あるいは、特定のブレード構造に基づいて、および/または、クリンピングシーケンスにおいて、例えば最終的なクリンプであるいはクリンピングシーケンスの初期の方で損傷が生じる可能性が最も高いと考えられる場所に基づいて選択されてもよい。
【0099】
[0099]他の実施形態において、ブレードエッジは、ポリマーコーティングを使用する実施形態にわたってより効率的な維持費を促進してダウンタイムを減らすために、除去可能なポリマー挿入体またはエッジを受け取るように構成されてもよい。そのような挿入体の一例が米国特許第7389670号明細書に記載されている。しかしながら、挿入体は、施されるコーティングとは対照的に、挿入体をブレードエッジに容易に固定しかつブレードエッジから容易に取り外すことができるようにするためには、非常に小さくおよび/または薄く形成するしかない。したがって、例えば米国特許第7389670号明細書に開示されるようなポリマー挿入体を使用するブレードは、ブレードとスキャフォールドとの間に断熱問題をもたらす場合がある。そのため、熱をポリマースキャフォールドへ伝導するためにブレードの金属表面が必要とされる場合には挿入体を使用することが望ましくない場合がある。
【0100】
[00100]実施形態が
図7Aおよび
図7Bに示されている。
図7Aにおいて、ブレード22上のコーティング50はリーディングエッジ22bに第1の厚さt2を有しており、この厚さは、表面22aでリーディングエッジから離れた第3の薄い厚さt3に先細っている。
図7Bでは、略一定の厚さ「t1」のコーティング50が、エッジ22bに施され、および、クリンピングプロセス中にリーディングエッジ22bの前にストラット表面と接触する表面22a上にわたって施される。
【0101】
[00101]
図7Cは、ポリマー挿入体51を受け取るように形成されるブレード22’を描いている。挿入体は、スキャフォールドがブレード表面と接触する距離にわたってほぼ同じ厚さt4を有しており、
図7Aおよび
図7Bのブレードのエッジ寸法および表面寸法をほぼ形作るように形成される。相対的な厚さを比べることにより分かるように、交換可能な挿入体が使用される(
図7C)とき、挿入体は金属ブレードをスキャフォールドから断熱することができ、これは、好ましい実施形態の場合のようにスキャフォールドを加熱するためにブレード熱が使用されるときには望ましくない。したがって、ポリマースキャフォールドがブレードによって加熱される本発明の実施形態においては、ブレードからスキャフォールドへの熱対流または熱放射に悪影響を及ぼさない厚さを有することができるコーティングが使用される。
【0102】
[00102]他の実施形態において、ブレードエッジ22bは、より鈍的なあるいは丸みを帯びたエッジを与えて、アイリスが最終クリンプ直径に近づくときにスキャフォールド表面上の力の集中を減らすように再形成されてもよい。そのようなブレードチップにおいて求められる目的は二つからなっていてもよい。第1に、より丸みを帯びたあるいは鈍的なエッジまたはチップ(丸みを帯びたエッジは鈍的なエッジの一実施形態である)を設けることにより、ブレードとスキャフォールドとの間の表面間の接触面積をクリンピングステップの全体にわたってより一定にすることができる。これは、狭いブレードエッジによりもたらされる損傷を与える力集中を減らすという効果を有し、この力集中は、ブレードが最終クリンピング直径付近でクリンピング力を加える狭い接触面積に起因する。したがって、ブレードがスキャフォールドに作用する表面積を増大させることにより、窪みを減らすことができる。第2に、ブレードがスキャフォールドに作用する表面において比較的に劇的な変化がない鈍的なエッジを設けることによって、特にブレードが位置ずれするときに(例えば、クリンパベアリングが摩耗し始める結果として)、クリンピングシーケンスにおける前のクリンピングステップにより引き起こされた任意の既に不規則に変形されたスキャフォールドストラットは、ブレードエッジによって捕捉され、つかみ取られ、あるいは、外側または内側に押圧される傾向が少なくなる。ブレードエッジと既に変形されたストラットとの間のこの種の相互作用により、最終的なクリンピングステップ中にかなりの損傷が生じ得ると考えられる。
【0103】
[00103]これらの実施形態の一例が
図8Aおよび
図8Bに示されている(説明を容易にするため、この図では、ブレード24の幅が
図7A〜
図7Cと比べて誇張されている)。これらの図面は、それをより鈍的にするように改質されたブレード24のエッジを示している。これらの例では、エッジに丸みが付けられている。ブレードエッジ24bは曲率半径Rにより規定される曲率を有しており、この場合、円の中心は、基準点「p」で終端する楔の幅を規定する集束する表面38,39の二等分線37から距離「d」だけオフセットされている。例えば、アイリスを形成するように協働する12個のクリンパブレードが存在する場合には、各ブレードが30度の範囲に及ぶ楔を規定する。したがって、
図8Bの角度φは15度である。二等分線37は、ブレードがクリンピングアセンブリ(
図9)の機構によって内側に移動する際のブレード24の作用線に対応する。ブレードエッジは二等分線37に対して非対称であってもよい。
【0104】
[00104]
図8Aおよび
図8Bにおいてブレード24が反時計回りに回転する(小さい方のアイリスに対応する)とき、ブレード24の鈍的なエッジ24bは、スキャフォールドが大きい方の直径を有するときに先行する表面24aが成した表面間の接触量と同じ表面間の接触量をほぼ維持する。同じ表面接触をブレードごとに維持することにより、窪みをもたらすスキャフォールド表面上の力集中が減少されるはずである。アイリスの大きい方の半径でスキャフォールド表面と接触する表面24aは、エッジ24bで曲率半径をもたらす曲率の漸進的変化を与えるように傾斜される。ブレードがスキャフォールドを押さえ付けるときに力集中を回避できるように、ブレード24の表面輪郭の急激な変化は望ましくない。
【0105】
[00105]
図8Bは、鈍的なエッジに施されるポリマーコーティング52を示しており、このコーティングは、小さい方の直径でより円形のアイリスを形成するためのあるいはブレード硬度を低下させるための手段として有益となり得る。鈍的であるにもかかわらず、
図8Aのブレードは、それがスキャフォールドの比較的軟質の表面と当接するときに依然としてスキャフォールドを損傷させる場合がある。
図8Bのコーティングされた鈍的なエッジの実施形態の外面と他の図面のブレードエッジとを比べることにより分かるように、ブレード24は、コーティングが施されていないブレード22とほぼ同じ表面輪郭を有する。従来のブレードチップの鋭利なエッジを真似るようにポリマーコーティングが形成される場合、コーティング52のために使用されるポリマーは、それが狭いエッジに形成されるので、弾力性をあまり有さずあるいはより硬質であってもよい。このように、ポリマーエッジは、このように構成されたブレードを使用して幾つかのスキャフォールドがクリンプされた後にその形状を保持できるより大きな能力を有する。
【0106】
[00106]
図8Aおよび
図8Bに示されるような鈍的で非対称なエッジを形成することが、ねじれたストラット、曲がったストラット、または、重なり合うストラットを回避することに関連する、という有益な効果も存在する。例えば米国特許第7389670号明細書に描かれるような比較的鋭いブレードエッジがストラットを押さえ付ける場合には、ブレードがストラットの側面と接触しあるいは側面を捕捉し、それにより、特にスキャフォールドが大きい方の直径でクリンプされていたときにストラットが既に外側または内側に曲げられた場合にはストラットが外側または内側に曲がる。より鈍的なエッジを形成することにより、エッジは、既に曲げられたあるいはねじられたストラットをその側面で捕捉するあるいはつかみ取るのではなく、アイリス直径が減少されるにつれてエッジ上にわたって摺動する傾向をより一層有する。
【0107】
[00107]金属ステントに関してこれまでに提案されたクリンピングアセンブリが、
図7および
図8に示される手法とは反対の手法を示唆してきたことを指摘しておかなければならない。他の手法は、ブレードチップをより内側に湾曲させることを提案しており、それにより、ブレードが最終直径で一緒になるとき、アイリスがより円形の形状を成す。しかしながら、この手法は、実際には、本発明者等がポリマースキャフォールドに関して解決しようとしている問題を悪化させると考えられる。これは、一般に、ブレードの完全な位置合わせを維持することが難しいからである。ブレードにおける内側に湾曲されたチップは、実際に、ポリマースキャフォールドに対する損傷を増大させる可能性がある。これは、ブレードが常に完全な位置合わせに維持されなければ、アイリスが最終クリンプ直径に近づくときに、露出したリーディングエッジがスキャフォールドの表面により直接的に至らされるからである。この例では、金属ステントクリンパ装置に関連する技術が発明者等によって提案される方向と反対の方向で進行してきたことが分かる。確かに、既知の技術に基づき、これまでは、強度の損失または不適切な展開をもたらす損傷を受けやすいいと発明者等が見出してきたポリマースキャフォールドなどの医療器具を形成するために使用されるより軟質な材料の窪み、切れ目、引き裂き、あるいは、ねじれをクリンパブレードが形成し得るかどうかに対する懸念があまりなかったように思われる。
【0108】
[00108]前述したように、本開示によれば、スキャフォールドは、米国特許出願第12/447,758号明細書(米国特許出願第2010/0004735号明細書)に記載されるスキャフォールドパターンを有する。PLLAに適するスキャフォールドパターンの他の例は、米国特許出願第2008/0275537号明細書において見出される。
【0109】
[00109]
図5は、米国特許出願第2010/0004735号明細書に描かれるストラットパターン200の中間部分216の詳細図を示している。中間部分は、直線状のリングストラット230と湾曲したヒンジ要素232とを有するリング212を含む。リングストラット230はヒンジ要素232によって互いに接続される。ヒンジ要素232は屈曲するように構成されおり、それにより、リング212は非変形形態から変形形態に動くことができる。線B−Bは、米国特許出願第2010/0004735号明細書に描かれる中心軸線224に対して垂直の基準平面上にある。リング212が非変形形態にあるときには、各リングストラット230は、基準平面に対してゼロ以外の角度Xで方向付けられる。ゼロ以外の角度Xは、20度〜30度であり、より具体的には25度または約25度である。また、リングストラット230は、クリンピング前には互いに対して内角Yで方向付けられる。内角Yは、120度〜130度であり、より具体的には125度または約125度である。径方向の拡張などの他のファクタと組み合わせて、内角を少なくとも120度にすると、スキャフォールドが展開されるときに高い周方向強度がもたらされる。内角を180度未満にすることにより、クリンピング中にスキャフォールドストラットに対する損傷を最小限に抑えつつスキャフォールドをクリンプすることができるとともに、クリンピング前のその初期直径よりも大きい展開直径へのスキャフォールドの拡張も許容し得る。リンクストラット234がリング212を接続する。リンクストラット234は、スキャフォールドの孔軸線と平行にあるいは略平行に方向付けられる。リングストラット230、ヒンジ要素232、および、リンクストラット234は、複数のW形状クローズドセル(閉じられた小空間部)236を画定する。明確にするために、
図5では、W形状クローズドセル236の境界または外周に影線が入れられている。
図5において、W形状は、反時計回りに90度回転されているように見える。W形状クローズドセル236のそれぞれは6つの他のW形状クローズドセル236によって直接に取り囲まれており、そのため、各W形状クローズドセル236の外周は、他の6つのW形状クローズドセル236の外周の一部と同化することを意味する。各W形状クローズドセル236は、6つの他のW形状クローズドセル236に当接しあるいは接触する。
【0110】
[00110]
図5を参照すると、各W形状クローズドセル236の外周は、8個のリングストラット230と、2つのリンクストラット234と、10個のヒンジ要素232とを含む。8個のリングストラットのうちの4個がセル外周の近位側を形成し、他の4個のリングストラットがセル外周の遠位側を形成する。近位側および遠位側の対向するリングストラットは互いに平行でありあるいは略平行である。各ヒンジ要素232内には交点238があり、この交点へ向けてリングストラット230とリンクストラット234とが集束する。リングストラット230およびリンクストラット234のそれぞれの端部に隣接して交点238がある。リングストラット230の端部に隣接する交点同士間の距離240は、ストラットパターン200の中間部分216のそれぞれのリングストラット230において同じでありあるいはほぼ同じである。距離242は、中間部分216のそれぞれのリンクストラット234において同じでありあるいはほぼ同じである。リングストラット230は、リングストラットの個々の長さ方向の軸線213に沿って寸法が一様な幅237を有する。リングストラットの幅234は0.15mm〜0.18mmであり、より具体的には0.165mmまたは約0.165mmである。リンクストラット234は、リンクストラットの個々の長さ方向の軸線213に沿って寸法が同様に一様な幅239を有する。リンクストラットの幅239は0.11mm〜0.14mmであり、より具体的には0.127mmまたは約0.127mmである。リングストラット230およびリンクストラット234は径方向の厚さが同じあるいはほぼ同じであり、その厚さは、0.10mm〜0.18mmであり、より具体的には0.152mmまたは約0.152mmである。
【0111】
[00111]
図5に示されるように、各W形状クローズドセル236の内部空間は、線A−Aと平行な軸方向寸法244と、線B−Bと平行な周方向寸法246とを有する。軸方向寸法244は、中間部分216の各W形状クローズドセル236内の周方向位置に関して一定または略一定である。すなわち、セル236の上端部および下端部に隣接する軸方向寸法244Aは、端部からさらに離れた軸方向寸法244Bと同じあるいはほぼ同じである。軸方向および周方向の寸法244,246は、中間部分216のW形状クローズドセル236間で同じである。
【0112】
[00112]
図5から分かるように、直線状のリングストラット230と直線状のリンクストラット234とを備えるスキャフォールドにおけるストラットパターンは、径方向に拡張されたポリマーチューブと軸方向に延ばされたポリマーチューブとから形成される。リングストラット230は、非変形形態から変形形態に移動できる複数のリング212を規定する。各リングが1つの中心点を有し、中心点のうちの少なくとも2つがスキャフォールド中心軸線を規定する。リンクストラット234は、スキャフォールド中心軸線に対して平行にあるいは略平行に方向付けられる。リンクストラット234はリング212同士を接続する。リンクストラット232およびリングストラット230はW形状クローズドセル236を画定する。各W形状クローズドセル236は他のW形状セルと当接する。各リング212のリングストラット230およびヒンジ要素232は、互いに交互に入れ替わる一連の山部および谷部を規定する。各リング212上のそれぞれの山部は、リンクストラット234のうちの1つによって、直ぐ隣のリングの他の山部に接続され、それにより、W形状セルのオフセット「煉瓦」配置が形成される。
【0113】
[00113]
図6に描かれるスキャフォールドパターン300を参照すると、ダイヤモンド状のセル310を接続して形成される円筒状のリング305が存在し、各リング305は水平連結要素355によって互いに接続される。屈曲要素320,315,335,340,345がセル310を形成する。セルは端部360で接続される。
【0114】
[00114]他の実施形態によれば、スキャフォールドは
図10に描かれるようなスキャフォールドパターンを有する。このスキャフォールドパターンの例が米国特許出願第12/561,971号明細書(代理人整理番号62571.370)に記載されている。スキャフォールドパターン400は複数のジグザグ状の環状帯306,308を含む。各環状帯は水平連結要素304によって接続される。
【0115】
[00115]本発明の特定の実施形態について図示して説明してきたが、当業者であれば分かるように、この発明のより広範な態様から逸脱することなく変更および改変を行なうことができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の思想および範囲内に入るそのような変更および改変の全てを、それらの範囲内に包含しようとするものである。
[発明の項目]
[項目1]
ポリマースキャフォールドをバルーンにクリンプするための方法であって、
前記ポリマースキャフォールドを第1の直径からより小さい第2の直径にクリンプするためのクリンピングアセンブリを用意するステップであって、前記クリンピングアセンブリが複数の可動のブレードを含み、前記ブレードの各々が、ある硬度と、ブレードチップを形成するように集束する第1の側面および第2の側面とを有し、前記ブレードチップがその回転軸線周りにアイリスを共同して形成するように配置され、前記アイリスがクリンプ開口を画定し、このクリンプ開口の周囲に前記ブレードが配置される、ステップと、
前記ブレードチップのブレードエッジと前記ポリマースキャフォールドの表面との間にポリマー材料を配置して前記ブレードエッジの硬度を低下させるステップと、
前記ポリマースキャフォールドが前記アイリス内に配置される間に前記ポリマースキャフォールドを支持するステップであって、該ステップが、前記ポリマースキャフォールドに対して内部支持を与えるために前記ポリマースキャフォールド内のバルーンを膨張させるステップを含み、それにより、前記ブレードにより不規則にねじられた前記ポリマースキャフォールドの隣接するストラットが前記バルーンの表面によって支持されて、前記ストラットのうちの一方が他方のストラットに対して重なり合うあるいは不規則にねじれることが防止されるステップと、
前記ポリマースキャフォールドの直径を前記第1の直径から前記第2の直径に減少させるために複数の可動楔を前記第1の直径からより小さい前記第2の直径にそれぞれ移動させるステップと、
を備える方法。
[項目2]
前記ポリマー材料が前記ブレードのリーディングエッジ上に配置されるコーティングである、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記コーティングが均一な厚さを有する、項目2に記載の方法。
[項目4]
前記コーティングは、前記ポリマースキャフォールドが前記第1の直径を有するときに前記ポリマースキャフォールドの表面と接触する側面に沿って前記ブレードのリーディングエッジから離れるように先細るコーティング厚さを有する、項目2に記載の方法。
[項目5]
前記ポリマースキャフォールドが、遠位端、近位端、および、前記遠位端と前記近位端との間の中間セグメントを有する管状体を形成するリング構造体を有し、前記リング構造体が、軸方向に向けられる直線状のリンクストラットによって互いに接続され、前記リング構造体と前記リンクストラットとがW形状のクローズドセルを形成し、
前記バルーンを膨張させるステップは、直径減少中にあるいは直径減少後に前記バルーンのうちの1つが膨張されることにより第1のリング構造体の、隣接する第2のリング構造体に対する位置を維持して、前記第1のリング構造体が前記第2のリング構造体と重なり合うあるいは一方のリング構造体が他方のリング構造体に対してねじれる可能性を減らすステップを含む、項目1に記載の方法。
[項目6]
前記ポリマースキャフォールドが、水平連結要素によって接続される複数のクローズドセルまたはジグザグ環状帯を形成するリング要素を有し、
前記バルーンを膨張させるステップが、
直径減少中にあるいは直径減少後に前記バルーンのうちの1つが膨張されることにより第1の環状帯の、隣接する第2の環状帯に対する位置を維持して、前記第1の環状帯が前記第2の環状帯と重なり合うあるいは一方の環状帯が他方の環状帯に対してねじれる可能性を減らすステップと、
直径減少中にあるいは直径減少後に前記バルーンのうちの1つが膨張されることにより第1のリング要素の隣接する第2のリング要素に対する位置を維持して、前記第1のリング要素が前記第2のリング要素と重なり合うあるいは一方のリング要素が他方のリング要素に対してねじれる可能性を減らすステップと
のうちの一方を含む、項目1に記載の方法。
[項目7]
前記ポリマースキャフォールドが前記水平連結要素によって接続される前記ジグザグ環状帯を有し、前記第1の直径が、前記ポリマースキャフォールドにおける最終クリンプ直径よりも約2.5〜3倍大きい、項目6に記載の方法。
[項目8]
前記ポリマースキャフォールドが前記水平連結要素によって接続される前記ジグザグ環状帯を有し、前記バルーンは、前記ポリマースキャフォールドの直径が減少されるときに一定の圧力を有する、項目7に記載の方法。
[項目9]
前記バルーン圧力が、前記ポリマースキャフォールドの直径を減少させた後に増大される、項目1に記載の方法。
[項目10]
前記ポリマースキャフォールドが前記水平連結要素によって接続される前記ジグザグ環状帯を有し、前記バルーンは、前記ポリマースキャフォールドが前記第1の直径を有するときに前記ポリマースキャフォールドを支持するために使用される使い捨て可能な支持バルーンであり、前記ポリマースキャフォールドは、直径が前記第1の直径から前記第2の直径に減少されるときに約30〜40%だけ直径が減少される、項目6に記載の方法であって、
前記ポリマースキャフォールドを前記第2の直径から第3の直径に減少させるステップをさらに含み、該ステップが、直径を前記第3の直径に減少させる前に前記ポリマースキャフォールドを前記ポリマースキャフォールドの送達バルーン上に配置するステップを含む、方法。
[項目11]
前記バルーンを膨張させるステップが、前記ポリマースキャフォールドの部分的なクリンプの後に行なわれ、前記膨張されたバルーンが、変形されたストラットを部分的なクリンプ後の位置に押し込む、項目1に記載の方法。
[項目12]
ポリマースキャフォールドをバルーンにクリンプするための方法であって、
前記ポリマースキャフォールドを第1の直径からより小さい第2の直径にクリンプするためのクリンピングアセンブリを用意するステップであって、前記クリンピングアセンブリが複数の可動のブレードを含み、前記ブレードの各々が、プレードチップを形成するように集束する第1の側面および第2の側面を有し、前記ブレードチップがその回転軸線周りにアイリスを共同して形成するように配置され、前記アイリスがクリンプ開口を画定し、このクリンプ開口の周囲に前記可動ブレードが配置される、ステップと、
前記ブレードチップのリーディングエッジを軟化するために前記ブレードチップ上にポリマーコーティングを設けるステップと、
前記ポリマースキャフォールド内の膨張されたバルーンによってクリンプ中に前記ポリマースキャフォールドを支持するステップであって、前記バルーンが、ストラットまたは前記ストラットの近傍に加えられる不均一なクリンピング力に起因して面外に変位するあるいはねじれる前記ストラットに対して安定化圧力を与えるために径方向外側の圧力を加える、ステップと、
前記ポリマースキャフォールドの直径を減少させるために前記複数の可動のブレードを前記第1の直径から前記小さい第2の直径に移動させるステップと、
を備え、
前記バルーン圧力は、前記バルーンによって前記ポリマースキャフォールドに加えられる径方向外側に向けられる力が前記ポリマースキャフォールドを支持してスキャフォールド構造の不規則な曲げあるいはねじれを回避するあるいは補償するように、前記リーディングエッジを含む前記ブレードチップによって前記ポリマースキャフォールドの直径が減少される際に調整される、方法。
[項目13]
前記ポリマースキャフォールドが、金属ブレードからの熱対流および熱放射によってクリンピング温度に至らされ、前記ポリマーコーティングは、前記金属ブレードから前記ポリマースキャフォールドへの熱対流および/または熱放射が前記ポリマースキャフォールドと前記金属ブレードとの間に施される前記コーティングの存在によって実質的に損なわれないように施される、項目12に記載の方法。
[項目14]
前記ブレードチップの部分が、前記リーディングエッジに第1の厚さを有し、前記リーディングエッジ付近に第2の厚さを有し、前記第1の厚さが前記第2の厚さよりも大きい、項目12に記載の方法。
[項目15]
前記ポリマーコーティングが前記ブレードの前記リーディングエッジ付近だけに施される、項目13の方法。
[項目16]
前記リーディングエッジがある曲率半径を有し、その円の中心が、前記ブレードの一般的な形状を描く楔形状の集束面を二等分する線からずらされている、項目12に記載の方法。
[項目17]
第1の硬度を有する金属から形成される複数の可動のブレードを有するタイプのクリンピング装置を使用してポリマースキャフォールドをバルーンにクリンプするための方法であって、
前記ブレードの各々が、ブレードチップを形成するように集束する第1の側面および第2の側面をそれぞれ有し、前記ブレードチップがその回転軸線周りにアイリスを共同して形成するように配置され、前記アイリスがクリンプ開口を画定し、このクリンプ開口の周囲に前記ブレードが配置され、ポリマーフィルムの第1および第2のシートが前記ブレードの第1の対と第2の対との間で延び、それにより、前記第1および前記第2のシートの一部分が前記アイリスにより形成される開口を横切って延び、
当該方法は、
前記ポリマースキャフォールドをバルーン上に配置するステップと、
前記ポリマースキャフォールドおよび前記バルーンが前記第1のシート部分と前記第2のシート部分との間に配置されるように前記ポリマースキャフォールドおよび前記バルーンを前記開口内に配置するステップと、
前記バルーンを膨張させるステップと、
前記複数のブレードをほぼ前記第1の直径からほぼ前記第2の直径に移動させるステップと、
を含み、
前記バルーン圧力は、前記バルーンによって前記ポリマースキャフォールドに加えられる前記バルーンの径方向外側に向けられる圧力が前記ポリマースキャフォールドを支持して前記ポリマーシートにより引き起こされるスキャフォールド構造の不規則な曲げまたはねじれを回避するまたは補償するように、前記ポリマースキャフォールドの直径が前記ブレードによって減少される際に調整される、方法。
[項目18]
前記ブレードを移動させる前記ステップの前に前記ポリマーシート部分を脱イオン化するステップをさらに含む、項目17に記載の方法。
[項目19]
前記直径減少後に前記バルーン圧力を増大させるステップをさらに含む、項目18に記載の方法。
[項目20]
前記直径減少前および前記直径減少後の両方で前記バルーン圧力を増大させるステップをさらに含む、項目19に記載の方法。
[項目21]
ポリマースキャフォールドをバルーンにクリンプするための方法であって、
第1の直径を有するスキャフォールドを支持バルーン上に配置するステップと、
前記ポリマースキャフォールドがクリンプされている間、前記ポリマースキャフォールドを支持して前記第1の直径で安定させるための圧力まで前記支持バルーンを膨張させるステップと、
第1のバルーンが前記支持バルーンによって支持される間、前記ポリマースキャフォールドを前記第1の直径から第2の直径にクリンプするステップと、
前記ポリマースキャフォールドが前記第2の直径まで減少された後に前記支持バルーンをバルーンカテーテルと置き換えるステップと、
前記ポリマースキャフォールドが前記バルーンカテーテル上に支持される間、前記第2の直径よりも小さい第3の直径に前記ポリマースキャフォールドをクリンプするステップと、
を備える方法。
[項目22]
前記支持バルーンが順応性のあるバルーンであり、前記カテーテルバルーンが順応性のないバルーンである、項目21に記載の方法。
[項目23]
前記ポリマースキャフォールドの前記第1の直径が前記カテーテルバルーンの完全展開直径よりも大きい、項目21に記載の方法。
[項目24]
前記ポリマースキャフォールドがクリンプ時にポリマーシート間に配置される、項目21に記載の方法。
[項目25]
前記ポリマースキャフォールドがクリンパブレードによって加熱されて接触され、前記クリンパブレードにはそれを軟化するためのポリマーがコーティングされる、項目21に記載の方法。
[項目26]
前記支持バルーンを使用する第1のクリンプの後に前記支持バルーン周りで前記ポリマースキャフォールドを回転させて、前記ポリマースキャフォールドの直径を減少させた後、前記支持バルーンを前記バルーンカテーテルと置き換えて、前記ポリマースキャフォールドの外周の周囲で前記ポリマースキャフォールドのより均一なクリンピングをもたらすステップをさらに含む、項目21に記載の方法。
[項目27]
ポリマースキャフォールドをバルーンにクリンプするためのクリンピングアセンブリであって、
複数の可動のブレードであって、前記ブレードの各々が、ある硬度と、ブレードエッジを形成するように集束する第1の側面および第2の側面とを有し、前記ブレードエッジがその回転軸線周りにアイリスを共同して形成するように配置され、前記アイリスがクリンプ開口を画定し、前記クリンプ開口の周囲に前記可動ブレードが配置される、複数の可動のブレードを備え、
前記ブレードエッジが、一方または両方に、前記ブレードの硬度を低下させるためにコーティングされるポリマーを有し、あるいは、鈍的なエッジとして形成され、前記鈍的なエッジが、クリンピング機構が前記アイリスを第1の直径から第2の直径に調整する際に前記ブレードの作用線を規定する二等分線の周りに非対称的に配置される、クリンピングアセンブリ。
[項目28]
前記鈍的なエッジがある曲率半径を含み、その円の中心が、前記ブレードの一般的な形状を描く楔形状の集束面を二等分する線からずらされている、項目27に記載のアセンブリ。
[項目29]
前記ポリマーコーティングが前記鈍的なエッジ上に形成される、項目27に記載のアセンブリ。
[項目30]
前記ポリマーコーティングが、前記鈍的なエッジ上、および、前記鈍的なエッジにつながって前記ポリマースキャフォールドと接触する表面上に形成され、前記エッジは、前記ポリマースキャフォールドが第1の直径を有するときに前記ポリマースキャフォールドと接触し、前記エッジにつながる前記表面が、前記ポリマースキャフォールドと第2の直径で接触し、前記第1の直径が前記第2の直径よりも小さい、項目27に記載のアセンブリ。
[項目31]
前記バルーンは、前記複数の楔を移動させる前記ステップ中に、直径が減少されるにつれて内部バルーンの圧力が増大するように膨張されてシールされる、項目1に記載の方法。
[項目32]
前記バルーンが、膨張されるとともに、直径が前記第1の直径から前記第2の直径に減少されるときにパージできる、項目1に記載の方法。
[項目33]
前記第1の直径が前記第2の直径の約2.5〜3倍である、項目1の方法。
[項目34]
前記ポリマースキャフォールドの直径が減少された後、前記ポリマースキャフォールドは、クリンパブレードが前記ポリマースキャフォールドの表面と係合する際に前記シートが前記ポリマースキャフォールドと接触させられることにより引き起こされる前記ポリマースキャフォールドのねじれを補償するために、前記第1および前記第2のシートの位置に対して所定の角度にわたって回転される、項目17に記載の方法。
[項目35]
前記ポリマーが前記ブレード上に配置されるポリマーである、項目1に記載の方法であって、
前記ブレード上にわたって所定の厚さのポリマーコーティングを設けるステップをさらに含み、前記厚さは、前記ブレードのエッジが前記ポリマースキャフォールドを押さえ付けることによる前記ポリマースキャフォールドの窪み、切れ目、または、えぐり込みを減らすように選択される、方法。
[項目36]
クリンプ中に前記ポリマースキャフォールドの温度を上昇させるために前記ブレードを加熱するとともに、さらなる加熱源が使用されることなく前記ポリマースキャフォールド温度をクリンピング温度に上昇させるために熱が前記ブレードエッジから効果的に伝導されて放射され得るように前記ポリマーにおける厚さを選択するステップをさらに含む、項目35に記載の方法。
[項目37]
前記クリンピング温度がポリマーガラス転移温度、またはガラス転移温度よりも5〜10度低い温度にある、項目36に記載の方法。
[項目38]
前記ポリマーがPLLAであり、前記温度が摂氏約45度〜54度である項目37に記載の方法。