【文献】
Mediatek Inc.,Remaining Issues of Aperiodic SRS, 3GPP TSG-RAN WG1#62b R1-105237,2010年10月
【文献】
Texas Instruments,Resource Allocation and Signaling for Aperiodic Sounding, 3GPP TSG-RAN WG1#62b R1-105291,2010年10月
【文献】
Sharp,Remaining Issues on Dynamic Aperiodic SRS Signaling, 3GPP TSG-RAN WG1#63 R1-106098,2010年11月
【文献】
Research In Motion, UK Limited,Remaining Details of Aperiodic SRS, 3GPP TSG-RAN WG1#63 R1-106127,2010年11月
【文献】
Research In Motion, UK Limited,Considerations on Remaining Design Details of Aperiodic SRS in LTE-A, 3GPP TSG-RAN WG1#62b R1-105507,2010年10月
【文献】
Mediatek Inc,Resource Allocation of Rel-10 SRS[online], 3GPP TSG-RAN WG1#62 R1-104549,2010年 8月17日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_62/Docs/R1-104549.zip>
【文献】
Sharp,SRS Options for LTE-A UL multi-antenna transmission[online], 3GPP TSG-RAN WG1#58 R1-093189,2009年 8月18日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_58/Docs/R1-093189.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
巡回シフトに関するN個のパラメータ(Nは8以上の偶数)のうちのいずれかに対応する巡回シフトを基本系列に施すことにより生成された、サウンディング・リファレンス・シグナル(SRS)系列を受信し、前記SRS系列は、前記巡回シフトに関するパラメータと、複数のアンテナポートのいずれかを示すアンテナポート識別番号とから特定された1つ以上の周波数リソースにマッピングされており、前記巡回シフトに関するパラメータが0から(N/2)−1の場合において各アンテナポート識別番号に対応する周波数リソースを定義する第1の対応関係は、前記巡回シフトに関するパラメータが(N/2)からN−1の場合において各アンテナポート識別番号に対応する周波数リソースを定義する第2の対応関係とは異なる、受信部と、
前記受信したSRS信号を用いて回線品質を測定する回線品質測定部と、
を具備し、
前記第1の対応関係では、前記複数のアンテナポート間で共通の1つの周波数リソースのみが定義され、前記第2の対応関係では、複数の周波数リソースが定義される、
受信装置。
前記第1の対応関係で定義される前記1つの周波数リソースは、前記第2の対応関係で定義される前記複数の周波数リソースのうち、偶数のアンテナポート識別番号に対応する周波数リソースと同じである、
請求項1に記載の受信装置。
巡回シフトに関するN個のパラメータ(Nは8以上の偶数)のうちのいずれかに対応する巡回シフトを基本系列に施すことにより生成された、サウンディング・リファレンス・シグナル(SRS)系列を受信し、前記SRS系列は、前記巡回シフトに関するパラメータと、複数のアンテナポートのいずれかを示すアンテナポート識別番号とから特定された1つ以上の周波数リソースにマッピングされており、前記巡回シフトに関するパラメータが0から(N/2)−1の場合において各アンテナポート識別番号に対応する周波数リソースを定義する第1の対応関係は、前記巡回シフトに関するパラメータが(N/2)からN−1の場合において各アンテナポート識別番号に対応する周波数リソースを定義する第2の対応関係とは異なり、
前記受信したSRS信号を用いて回線品質を測定し、
前記第1の対応関係では、前記複数のアンテナポート間で共通の1つの周波数リソースのみが定義され、前記第2の対応関係では、複数の周波数リソースが定義される、
受信方法。
前記第1の対応関係で定義される前記1つの周波数リソースは、前記第2の対応関係で定義される前記複数の周波数リソースのうち、偶数のアンテナポート識別番号に対応する周波数リソースと同じである、
請求項6に記載の受信方法。
巡回シフトに関するN個のパラメータ(Nは8以上の偶数)のうちのいずれかに対応する巡回シフトを基本系列に施すことにより生成された、サウンディング・リファレンス・シグナル(SRS)系列を受信し、前記SRS系列は、前記巡回シフトに関するパラメータと、複数のアンテナポートのいずれかを示すアンテナポート識別番号とから特定された1つ以上の周波数リソースにマッピングされており、前記巡回シフトに関するパラメータが0から(N/2)−1の場合において各アンテナポート識別番号に対応する周波数リソースを定義する第1の対応関係は、前記巡回シフトに関するパラメータが(N/2)からN−1の場合において各アンテナポート識別番号に対応する周波数リソースを定義する第2の対応関係とは異なる、受信処理と、
前記受信したSRS信号を用いて回線品質を測定する測定処理と、
を制御し、
前記第1の対応関係では、前記複数のアンテナポート間で共通の1つの周波数リソースのみが定義され、前記第2の対応関係では、複数の周波数リソースが定義される、
集積回路。
【背景技術】
【0002】
3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long-term Evolution、以降、単に「LTE」と呼ぶ)、及び、LTE-Advanced(以降、単に「LTE-A」と呼ぶ)では、上り回線受信品質を測定するためのリファレンス信号として、Sounding Reference signal(SRS)が用いられる(非特許文献1参照)。具体的には、SRSには、P-SRS(Periodic SRS)と、DA-SRS(Dynamic Aperiodic SRS)とがある。いずれも基地局から端末へ送信されるトリガー情報によってSRSの送信タイミングが制御される。ただし、P-SRSは、上位レイヤによって制御されるのに対して、DA-SRSは、物理層の制御チャネル(つまり、PDCCH)によって制御される。
【0003】
SRSを端末から基地局へ送信するために、全端末共通のSRSリソース(以下、「共通リソース」と呼ぶ)が設定される。この共通リソースは、セル単位で通知される。例えば、共通リソースが1、3、8サブフレームであることが制御情報によって通知されると、セル内の全端末は、1、3、8サブフレームのそれぞれにおける所定期間(詳細には、最終シンボル)において、データ信号の送信を取り止めるとともに、その期間をリファレンス信号の送信リソースとして用いる。
【0004】
また、上記した、共通リソース内で各端末に対して実際に割り当てられるリソースに関する情報(つまり、リソースの特定に用いられるパラメータ)には、先頭サブフレーム、設定帯域、送信帯域幅、SRSがマッピングされるフレーム間隔、送信時間などが含まれる。この情報が、端末単位で物理層よりも上位レイヤによって通知される。
【0005】
また、SRSは、各端末において直交系列によってスクランブルされて送信される。また、LTE-Aにおいて導入されるMIMO通信を行う端末においては、各アンテナポートから送信されるSRSが、直交系列によってスクランブルされて送信される。すなわち、複数の端末又はMIMO通信を行う端末から送信されるSRSは、符号分割によって多重されて送信される。
【0006】
ここで、直交系列としては、巡回シフト系列(CS系列)が使用される。詳細には、端末は、基地局から通知された巡回シフト量0〜7(つまり、3bitで通知される)の内のいずれかに対応する巡回シフトを、ZC(Zadoff Chu)系列で生成した基本系列に対して施すことにより、端末自身が使用する送信系列を生成する。具体的には、端末は、基本系列に対して、基地局から通知された巡回シフト量×シンボル長/16(ms)だけ巡回シフトを施す。
図1は、基本系列が1/4シンボルだけ巡回シフトされる様子が示されている。なお、LTE及びLTE-Aの上り回線では、SRSは、1サブキャリア置きに配置される。また、LTE及びLTE-Aの上り回線では、1シンボル内で同一波形が2回繰り返される。このため、(8〜15)×シンボル長/16(ms)の巡回シフトによって得られる波形と、(0〜7)×シンボル長/16(ms)の巡回シフトによって得られる波形は、同一となる。
【0007】
ところで、1つの端末の複数のアンテナからSRSを送信する場合(つまり、MIMO通信の場合)、全てのアンテナにおける巡回シフト量を基地局が端末に対して通知すると、シグナリング量が大変多くなってしまう。この様な問題を解決する巡回シフト量の通知方法としては、例えば、非特許文献2に開示されている方法がある。この方法では、基地局と端末とは、1番目のアンテナポートに対する巡回シフト量からの、2番目のアンテナポート、3番目のアンテナポート、及び4番目のアンテナポートのそれぞれに対する巡回シフト量のオフセット値についてのオフセットパターン(以下では、単に「オフセットパターン」と呼ぶ)を共有する。ここでのオフセットパターンは固定である。この共有状態において、基地局が端末に対して1番目のアンテナポートの巡回シフト量(CS0)を3ビットで通知する。これにより、端末は、通知された1番目のアンテナポートの巡回シフト量(CS0)から、2番目のアンテナポート、3番目のアンテナポート、及び4番目のアンテナポートのそれぞれに対する巡回シフト量を求めることができる。すなわち、CS
i = CS
0 + k mod 8によって、i番目のアンテナポートの巡回シフト量を求めることができる。ここで、iは、アンテナポート識別番号(0〜3)であり、kは、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量に対する識別番号iのアンテナポートのオフセット値である。
【0008】
図2には、識別番号0のアンテナポートの8つの巡回シフト量候補のそれぞれに関して、4つのアンテナポート識別番号と、各アンテナポート識別番号に対応する巡回シフト量とが対応付けられた対応テーブルの一例が示されている。
【0009】
図2を見てわかるように、4アンテナポートの場合(つまり、4アンテナMIMO送信の場合)には、オフセットパターンは、“0,4,2,6”(for i=0, 1, 2, 3)となる。また、2アンテナポートの場合(つまり、2アンテナMIMO送信の場合)には、オフセットパターンは、“0,4”(for i=0, 1)となる。ここで、
図2において、アンテナポート10は、1つのアンテナポートを使用する場合の1番目のアンテナポートを意味する。また、アンテナポート20、21は、2つのアンテナポートを使用する場合の1番目、2番目のアンテナポートを意味する。また、アンテナポート40、41、42、43は、4つのアンテナポートを使用する場合の1番目、2番目、3番目、4番目のアンテナポートを意味する。このようなオフセットパターンを用いることにより、アンテナポート間でCS間隔が最大となり、2つのアンテナポートからSRSが送信される場合、又は、4つのアンテナポートからSRSが送信される場合において、SRSの分離精度が最も高くなる。また、4アンテナポートの場合のオフセットパターンの最初の2つの要素と、2アンテナポートの場合のオフセットパターンとを一致させることにより、4アンテナポートの場合と2アンテナポートの場合とで共通の対応テーブルを用いることができる。なお、1アンテナポートの場合と、2アンテナポート、4アンテナポートの場合とで共通の対応テーブルを用いてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
【0019】
[実施の形態1]
[通信システムの概要]
本発明の実施の形態1に係る通信システムは、基地局100と端末200とを有する。基地局100は、LTE−A基地局であり、端末200は、LTE−A端末である。また、端末200は、L(Lは、2以上の自然数)個のアンテナポートの少なくとも一部のそれぞれから、基本系列に巡回シフトを施すことにより得られる巡回シフト系列によってスクランブルされたリファレンス信号を送信する。そして、基地局100は、L(Lは、2以上の自然数)個のアンテナポートの少なくとも一部のそれぞれから、基本系列に巡回シフトを施すことにより得られる巡回シフト系列によってスクランブルされたリファレンス信号を受信する。
【0020】
図3は、本発明の実施の形態1に係る基地局100の主要構成図である。基地局100において、設定部101は、L(Lは、2以上の自然数)個のアンテナポートの内の基準アンテナポートから送信されるリファレンス信号のスクランブルに用いられる巡回シフト系列に与えられる、基準シフト量に関する設定情報を生成する。そして、生成された設定情報は、送信処理部104を介して端末200へ送信される。また、受信処理部108は、基準シフト量が取り得る、シフト量0からN−1(Nは、8以上の偶数)を持つ基準シフト量候補群のそれぞれについて、各アンテナポートに対して巡回シフト量候補が対応付けられた対応関係と設定情報とに基づいて、各アンテナポートから送信されるリファレンス信号のスクランブルに用いる巡回シフト系列に与えられる、実シフト量を特定し、特定された実シフト量を用いて前記リファレンス信号を受信する。上記した対応関係では、シフト量X(Xは、0以上N/2−1以下の自然数)の基準シフト量候補に対する、各アンテナポートに対応付けられた巡回シフト量候補のオフセット値から成るオフセットパターンと、X+N/2の基準シフト量候補に対する、各アンテナポートに対応付けられた巡回シフト量候補のオフセット値から成るオフセットパターンとが異なる。
【0021】
図4は、本発明の実施の形態1に係る端末200の主要構成図である。端末200において、受信処理部203は、L個のアンテナポートの内の基準アンテナポートから送信されるリファレンス信号のスクランブルに用いられる巡回シフト系列に与えられる、基準シフト量に関する設定情報を受信する。そして、送信制御部206は、基準シフト量が取り得る、シフト量0からN−1(Nは、8以上の偶数)を持つ基準シフト量候補群のそれぞれについて、各アンテナポートに対して巡回シフト量候補が対応付けられた対応関係と前記設定情報とに基づいて、各アンテナポートから送信されるリファレンス信号のスクランブルに用いる巡回シフト系列に与えられる、実シフト量を特定する。上記した対応関係は、シフト量X(Xは、0以上N/2−1以下の自然数)の基準シフト量候補に対する、各アンテナポートに対応付けられた巡回シフト量候補のオフセット値から成るオフセットパターンと、X+N/2の基準シフト量候補に対する、各アンテナポートに対応付けられた巡回シフト量候補のオフセット値から成るオフセットパターンとが異なる。そして、送信信号形成部207は、特定された実シフト量に基づいて形成した巡回シフト系列を乗算したリファレンス信号をマッピングする。
【0022】
[基地局100の構成]
図5は、本発明の実施の形態1に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図5において、基地局100は、設定部101と、符号化・変調部102,103と、送信処理部104と、送信部105と、アンテナ106と、受信部107と、受信処理部108と、データ受信部109と、受信品質測定部110とを有する。
【0023】
設定部101は、設定対象端末200の「候補リソース」を設定するための「候補リソース設定情報」を生成する。この候補リソースは、設定対象端末200がSRSをマッピングすることができるリソースである。そして、候補リソース設定情報は、「時間周波数リソース設定情報」と、「符号リソース設定情報」とに分けることができる。時間周波数リソース設定情報には、設定対象端末200が候補リソースの設定を開始する先頭サブフレーム及び先頭周波数帯域、並びに、設定対象端末200が使用可能な周波数帯域幅等が含まれる。また、符号リソース設定情報には、「巡回シフト量に関する情報」等が含まれる。ここで、「巡回シフト量に関する情報」とは、基準となる基準アンテナポートから送信されるSRSに対して用いられる巡回シフト系列のシフト量に関する情報である。ここでは、特に、アンテナポート識別情報がゼロであるアンテナポートについての巡回シフト量が、「巡回シフト量に関する情報」として用いられる。
【0024】
また、設定部101は、設定対象端末200に対して送信を指示するSRSが特にDA-SRSである場合には、DA-SRSの送信開始を指示するトリガー情報を生成する。なお、P-SRSである場合はP-SRSの送信開始のトリガーに関する情報は、例えば時間周波数リソース設定情報に含まれる。
【0025】
以上のように設定部101によって生成された、候補リソース設定情報は、設定情報として、符号化・変調部102、送信処理部104、及び送信部105を介して設定対象端末200へ送信される。また、トリガー情報も同様に、符号化・変調部102、送信処理部104、及び送信部105を介して設定対象端末200へ送信される。また、設定情報及びトリガー情報は、受信処理部108へも出力される。
【0026】
さらに、設定部101は、リソース(RB)割当情報、及び、1つまたは複数のトランスポートブロック(TB)に対するMCS情報を含む、割当制御情報を生成する。割当制御情報は、上り回線データを割り当てる上り回線リソース(例えば,PUSCH(Physical Uplink Shared Channel))に関する割当制御情報、下り回線データを割り当てる下り回線リソース(例えば、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel))に関する割当制御情報で構成される。そして、上り回線リソースに関する割当制御情報は、符号化・変調部102および受信処理部108へ出力され、下り回線リソースに関する割当制御情報は、符号化・変調部102および送信処理部104へ出力される。
【0027】
ここで、設定情報は、上位レイヤ情報として(つまり、RRCシグナリングによって)、基地局100から端末200へ通知される。一方、割当制御情報及びトリガー情報は、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)によって、基地局100から端末200へ通知される。すなわち、設定情報は通知間隔が比較的長い(つまり、比較的長い間隔で通知される)のに対して、割当制御情報及びトリガー情報は、通知間隔が短い(つまり、短い間隔で通知される)。
【0028】
符号化・変調部102は、設定部101から受け取る設定情報、トリガー情報及び割当制御情報を符号化及び変調し、得られた変調信号を送信処理部104へ出力する。
【0029】
符号化・変調部103は、入力されるデータ信号を符号化及び変調し、得られた変調信号を送信処理部104へ出力する。
【0030】
送信処理部104は、符号化・変調部102及び符号化・変調部103から受け取る変調信号を、設定部101から受け取る下り回線リソース割当情報の示すリソースにマッピングすることにより、送信信号を形成する。ここで、送信信号がOFDM信号である場合には、変調信号を、設定部101から受け取る下り回線リソース割当情報の示すリソースにマッピングし、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理を施して時間波形に変換し、CP(Cyclic Prefix)を付加することにより、OFDM信号が形成される。
【0031】
送信部105は、送信処理部104から受け取る送信信号に対して無線処理(アップコンバート、ディジタルアナログ(D/A)変換など)を施し、アンテナ106を介して送信する。
【0032】
受信部107は、アンテナ106介して受信した無線信号に対して無線処理(ダウンコンバート、アナログディジタル(A/D)変換など)を施し、得られた受信信号を受信処理部108へ出力する。
【0033】
受信処理部108は、設定部101から受け取る上り回線リソース割当情報に基づいて上りデータ信号及びACK/NACK情報がマッピングされているリソースを特定し、受信信号から、特定されたリソースにマッピングされている信号成分を抽出する。
【0034】
また、受信処理部108は、設定部101から受け取る設定情報及びトリガー情報に基づいてSRSがマッピングされているリソースを特定する。
【0035】
具体的には、受信処理部108は、「時間周波数リソース設定情報」及びトリガー情報に基づいてSRSがマッピングされている時間周波数リソースを特定する。さらに、受信処理部108は、「符号リソース設定情報」と、「符号リソース設定ルールテーブル」とに基づいて、SRSがマッピングされている符号リソース(つまり、SRSの送信に用いられる巡回シフト系列の巡回シフト量)を特定する。
【0036】
そして、受信処理部108は、特定された複数の巡回シフト量にそれぞれ対応する複数の巡回シフト系列(つまり、巡回シフト系列セット)を生成する。そして、受信処理部108は、受信信号から、特定された時間周波数リソースにマッピングされている信号成分を抽出すると共に、生成された巡回シフト系列セットを用いて符号多重された複数のSRSを分離する。
【0037】
ここで、受信信号が空間多重された(つまり、複数のコードワード(CW)によって送信された)信号である場合には、受信処理部108は、受信信号をCW毎に分離する。また、受信信号がOFDM信号である場合には、受信処理部108は、抽出された信号成分に対してIDFT(Inverse Discrete Fourier Transform)処理を施すことにより、時間領域信号に変換する。
【0038】
こうして受信処理部108によって抽出された上りデータ信号及びACK/NACK情報は、データ受信部109へ出力され、SRSは、受信品質測定部110へ出力される。
【0039】
データ受信部109は、受信処理部108から受け取る信号を復号する。これにより、上り回線データ及びACK/NACK情報が得られる。
【0040】
受信品質測定部110は、受信処理部108から受け取るSRSに基づいて、各周波数リソースユニットの受信品質を測定し、受信品質情報を出力する。
【0041】
なお、設定情報(候補リソース設定情報及び送信方法設定情報)は、基地局100のセルにおいてトラヒック状況が変化しない場合又は平均的な受信品質を測定したい場合には、通知間隔が長い上位レイヤ情報で通知されることが、シグナリングの観点から好ましい。また、これらの各種オフセット量の一部または全てを報知情報として通知することにより、通知量をより軽減することができる。しかしながら、設定情報をトラヒック状況などに応じてより動的に変更する必要がある場合には、これらのオフセット量の一部または全てを通知間隔が短いPDCCHで通知することが好ましい。
【0042】
[端末200の構成]
図6は、本発明の実施の形態1に係る端末200の構成を示すブロック図である。ここでは、端末200は、LTE−A端末である。
【0043】
図6において、端末200は、アンテナ201と、受信部202と、受信処理部203と、リファレンス信号生成部204と、データ信号生成部205と、送信制御部206と、送信信号形成部207と、送信部208とを有する。
【0044】
受信部202は、アンテナ201を介して受信した無線信号に対して無線処理(ダウンコンバート、アナログディジタル(A/D)変換など)を施し、得られた受信信号を受信処理部203へ出力する。
【0045】
受信処理部203は、受信信号に含まれる設定情報、割当制御情報、トリガー情報、及びデータ信号を抽出する。受信処理部203は、設定情報、割当制御情報、及びトリガー情報を送信制御部206へ出力する。また、受信処理部203は、抽出されたデータ信号に対しては誤り検出処理を行い、誤り検出結果に応じたACK/NACK情報をデータ信号生成部205へ出力する。
【0046】
リファレンス信号生成部204は、送信制御部206から生成指示信号を受け取ると、リファレンス信号を生成し、送信信号形成部207へ出力する。
【0047】
データ信号生成部205は、ACK/NACK情報及び送信データを入力とし、送信制御部206から受け取るMCS情報に基づいてACK/NACK情報及び送信データを符号化及び変調することにより、データ信号を生成する。Non-MIMO送信の場合には、1つのコードワード(CW)でデータ信号が生成され、MIMO送信の場合には、2つ(または複数)のコードワードでデータ信号が生成される。なお、受信信号がOFDM信号の場合には、データ信号生成部205は、CP除去処理、FFT処理も行う。
【0048】
送信制御部206は、自端末がSRSをマッピングする候補リソースを設定する。具体的には、送信制御部206は、受信処理部203から受け取る設定情報(時間周波数リソース設定情報)に基づいて候補時間周波数リソースを特定する。また、送信制御部206は、受信処理部203から受け取る設定情報(符号リソース設定情報)と、「符号リソース設定ルールテーブル」とに基づいて候補符号リソース(つまり、SRSの送信に用いられる巡回シフト系列の巡回シフト量)を特定する。そして、送信制御部206は、受信処理部203からトリガー情報を受け取ると、SRSの送信に用いられる巡回シフト系列の巡回シフト量に関する情報を送信信号形成部207へ出力する。この端末200において設定される候補符号リソースについては、後に詳しく説明する。
【0049】
また、送信制御部206は、受信処理部203からトリガー情報を受け取ると、実際にSRSをマッピングする「RSマッピングリソース」を候補時間周波数リソースの中で決定し、決定されたRSマッピングリソースに関する情報(以下、「RSマッピングリソース情報」と呼ばれることがある)を送信信号形成部207へ出力すると共に、リファレンス信号の生成指示信号をリファレンス信号生成部204へ出力する。
【0050】
また、送信制御部206は、受信処理部203から受け取る割当制御情報に基づいて、データ信号をマッピングする「データマッピングリソース」を特定し、データマッピングリソースに関する情報(以下、「データマッピングリソース情報」と呼ばれることがある)を送信信号形成部207と共に、割当制御情報に含まれるMCS情報をデータ信号生成部205へ出力する。
【0051】
送信信号形成部207は、リファレンス信号生成部204から受け取るSRSをRSマッピング情報の示すRSマッピングリソースにマッピングする。そして、送信信号形成部207は、送信制御部206から受け取る、巡回シフト量に関する情報に対応する巡回シフトを基準系列に対して施すことにより、巡回シフト系列セットを生成し、当該巡回シフト系列セットを、RSマッピングリソースにマッピングされるSRSに対して掛け合わせる。巡回シフト系列セットを構成する複数の巡回シフト系列のそれぞれが掛け合わされたSRSは、対応するアンテナポートから送信される。これにより、複数のSRSは、符号多重される。
【0052】
また、送信信号形成部207は、データ信号生成部205から受け取るデータ信号をデータマッピングリソース情報の示すデータマッピングリソースにマッピングする。こうして送信信号が形成される。なお、Non-MIMO送信の場合には、1コードワードのデータ信号が1レイヤに割り当てられ、MIMO送信の場合には、2(または複数の)コードワードのデータ信号が複数のレイヤに割り当てられる。また、送信信号がOFDM信号の場合には、送信信号形成部207は、データ信号をDFT(Discrete Fourier transform)処理した後に、データマッピングリソースにマッピングする。また、形成された送信信号に対してCPが付加される。
【0053】
送信部208は、送信信号形成部207で形成された送信信号に対して無線処理(アップコンバート、ディジタルアナログ(D/A)変換など)を施してアンテナ201を介して送信する。
【0054】
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200の動作について説明する。ここでは、特に、設定対象端末200に対する候補符号リソースの設定処理、端末200による候補符号リソースを用いたSRSの送信処理、及び、基地局100による端末200から送信されたSRSの受信処理について説明する。また、特に、端末200が2つのアンテナポート又は4つのアンテナポートを用いてSRSを送信する場合について説明する。
【0055】
<設定対象端末200に対する候補符号リソースの設定処理>
設定部101は、設定対象端末200の候補符号リソースを設定するための候補符号リソース設定情報を生成する。具体的には、設定部101は、設定対象端末200の基準アンテナポートから送信されるSRSに対して用いられる巡回シフト系列のシフト量に関する情報を生成する。ここでは、特に、アンテナポート識別情報がゼロであるアンテナポートについての巡回シフト量が、巡回シフト量に関する情報として用いられる。
【0056】
こうして生成された候補符号リソース設定情報は、端末200に対して送信される。
【0057】
<端末200による候補符号リソースを用いたSRSの送信処理>
送信制御部206は、自端末がSRSをマッピングする候補符号リソースを設定する。具体的には、送信制御部206は、受信処理部203から受け取る符号リソース設定情報と、符号リソース設定ルールテーブルとに基づいて候補符号リソース(つまり、SRSの送信に用いられる巡回シフト系列の巡回シフト量)を特定する。
【0058】
図7は、本発明の実施の形態1に係る符号リソース設定ルールテーブルを示す図である。符号リソース設定ルールテーブルでは、基準アンテナポートの複数の巡回シフト量候補のそれぞれについて、4つのアンテナポート識別番号と、各アンテナポート識別番号に対応する巡回シフト量とが対応付けられている。巡回シフト量候補の数は、0〜7の8つである。上述の通り、基準アンテナポートは、識別番号0のアンテナポートである。
図7において、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補0〜3には、基本オフセットパターン“0,4,2,6”が適用されている一方、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補4〜7には、基本オフセットパターンと異なるオフセットパターンが適用されている。すなわち、一般化すれば、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補Xと、巡回シフト量候補X+4とには、互いに異なるオフセットパターンが適用される。特に、巡回シフト量候補Xには、基本オフセットパターンが適用される。ここで、Xは、0以上3以下の整数である。
【0059】
さらに一般化すると、基準アンテナポートの複数の巡回シフト量候補の数をN(Nは、8以上で且つ2のべき乗)個とすると、巡回シフト量候補Xと、巡回シフト量候補X+N/2とには、互いに異なるオフセットパターンが適用される。ここで、Xは、0以上(N/2−1)以下の整数である。また、Xは、(X−N/2)modNとしても良い。
【0060】
このような複数のオフセットパターンを含む符号リソース設定ルールテーブルが用いられることにより、SRSリソース割当の柔軟性を向上することができる。また、符号リソース設定ルールテーブルを基地局100と端末200とで予め共有することにより、基地局100は基準アンテナポートに対応する巡回シフト量に関する情報だけ端末200へ送信すれば良いので、シグナリング量の増加を防止することができる。
【0061】
また、具体的には、2アンテナポート送信では、2つの巡回シフト量から構成されるシフト量ペア『0,4』、『1,5』、『2,6』、及び『3,7』のいずれも使用することができ、4アンテナポート送信では、4つの巡回シフト量から構成されるシフト量グループ『0,2,4,6』及び『1,3,5,7』のいずれも使用することができる。このため、
図2に示される対応テーブルを用いた場合と同等の、SRSリソース割当の柔軟性を確保することができる。例えば、端末1が『0,4』、端末2が『1』を使用している場合、
図2のテーブルでは、端末3は『3,7』又は『2,6』を選択する以外に選択肢がないが、
図7のテーブルでは、端末3にとっては『3,7』、『2,6』、及び『5,6』の選択肢が存在する。
【0062】
そして、送信信号形成部207は、送信制御部206から受け取る、巡回シフト量に関する情報に対応する巡回シフトを基準系列に対して施すことにより、巡回シフト系列セットを生成し、当該巡回シフト系列セットを、RSマッピングリソースにマッピングされるSRSに対して掛け合わせる。巡回シフト系列セットを構成する複数の巡回シフト系列のそれぞれが掛け合わされたSRSは、対応するアンテナポートから送信される。これにより、複数のSRSは、符号多重される。
【0063】
<基地局100による端末200から送信されたSRSの受信処理>
受信処理部108は、「符号リソース設定情報」と、「符号リソース設定ルールテーブル」とに基づいて、SRSがマッピングされている符号リソース(つまり、SRSの送信に用いられる巡回シフト系列の巡回シフト量)を特定する。ここで用いられる「符号リソース設定ルールテーブル」は、端末200において用いられるものと同じである。
【0064】
そして、受信処理部108は、特定された複数の巡回シフト量にそれぞれ対応する複数の巡回シフト系列(つまり、巡回シフト系列セット)を生成する。そして、受信処理部108は、受信信号から、特定された時間周波数リソースにマッピングされている信号成分を抽出すると共に、生成された巡回シフト系列セットを用いて符号多重された複数のSRSを分離する。
【0065】
以上のように本実施の形態によれば、端末200において、受信処理部203は、L個のアンテナポートの内の基準アンテナポートから送信されるリファレンス信号のスクランブルに用いられる巡回シフト系列に与えられる、基準シフト量に関する設定情報を受信する。そして、送信制御部206は、基準シフト量が取り得る、シフト量0からN−1(Nは、8以上の偶数)を持つ基準シフト量候補群のそれぞれについて、各アンテナポートに対して巡回シフト量候補が対応付けられた符号リソース設定ルールテーブルと設定情報とに基づいて、各アンテナポートから送信されるリファレンス信号のスクランブルに用いる巡回シフト系列に与えられる、実シフト量を特定する。上記した符号リソース設定ルールテーブルは、シフト量X(Xは、0以上N/2−1以下の自然数)の基準シフト量候補に対する、各アンテナポートに対応付けられた巡回シフト量候補のオフセット値から成るオフセットパターンと、X+N/2の基準シフト量候補に対する、各アンテナポートに対応付けられた巡回シフト量候補のオフセット値から成るオフセットパターンとが異なる。そして、送信信号形成部207は、特定された実シフト量に基づいて巡回シフト系列を形成する。
【0066】
基地局100において、設定部101は、L(Lは、2以上の自然数)個のアンテナポートの内の基準アンテナポートから送信されるリファレンス信号のスクランブルに用いられる巡回シフト系列に与えられる、基準シフト量に関する設定情報を生成する。そして、生成された設定情報は、送信処理部104を介して端末200へ送信される。また、受信処理部108は、基準シフト量が取り得る、シフト量0からN−1(Nは、8以上の偶数)を持つ基準シフト量候補群のそれぞれについて、各アンテナポートに対して巡回シフト量候補が対応付けられた符号リソース設定ルールテーブルと設定情報とに基づいて、各アンテナポートから送信されるリファレンス信号のスクランブルに用いる巡回シフト系列に与えられる、実シフト量を特定し、特定された実シフト量を用いて前記リファレンス信号を受信する。上記した符号リソース設定ルールテーブルでは、シフト量X(Xは、0以上N/2−1以下の自然数)の基準シフト量候補に対する、各アンテナポートに対応付けられた巡回シフト量候補のオフセット値から成るオフセットパターンと、X+N/2の基準シフト量候補に対する、各アンテナポートに対応付けられた巡回シフト量候補のオフセット値から成るオフセットパターンとが異なる。
【0067】
[実施の形態2]
実施の形態2は、「符号リソース設定ルールテーブル」のバリエーションに関する。
【0068】
図8は、本発明の実施の形態2に係る符号リソース設定ルールテーブルを示す図である。
【0069】
図8において、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補0〜3には、基本オフセットパターン“0,4,2,6”が適用されている一方、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補4〜7には、基本オフセットパターンと異なるオフセットパターンが適用されている。すなわち、一般化すれば、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補Xと、巡回シフト量候補X+4とには、互いに異なるオフセットパターンが適用される。特に、巡回シフト量候補Xには、基本オフセットパターンが適用される一方、巡回シフト量候補X+4には、オフセットパターン“0,1,2,3”又は“0,−1,−2,−3”が適用される。ここで、Xは、0以上3以下の整数である。
【0070】
すなわち、オフセットパターン“0,1,2,3”又は“0,−1,−2,−3”が用いられることにより、巡回シフト量セットを構成する4つの巡回シフト量は、連続する値となる。
【0071】
さらに、
図8において、基本オフセットパターン以外のオフセットパターンが適用される、巡回シフト量候補X+4については、X+4が偶数の場合には、“0,1,2,3”及び“0,−1,−2,−3”の内の一方が適用され、奇数の場合には、他方が適用される。
【0072】
ところで、複数の端末200がSRSを送信する場合、端末間で生じる送信タイミングずれによって、系列間干渉の発生箇所が多くなる。例えば、端末200−1がシフト量グループ『0,4,2,6』、端末200−2がシフト量グループ『1,5,3,7』を使用する場合、端末200−2の送信タイミングがずれると、端末200−1の全ての巡回シフト量『0,4,2,6』の巡回シフト系列に対して、系列間干渉が与えられる(
図9参照)。
【0073】
これに対して、上述の通り、巡回シフト量候補X+4について、X+4が偶数の場合には、“0,1,2,3”及び“0,−1,−2,−3”の内の一方を適用し、奇数の場合には、他方を適用することにより、送信タイミングがずれる場合でも系列間干渉が発生する箇所を少なくできる。例えば、端末200−1がシフト量グループ『4,5,6,7』、端末200−2がシフト量グループ『0,1,2,3』を使用する場合、端末200−2の送信タイミングがずれても端末200−2の1ヶ所の巡回シフト量『4』のみに系列間干渉が発生する(
図10参照)。
【0074】
なお、シフト量グループの構成要素が連続していれば、各構成要素がどのアンテナポートに対応づけられるかは、特に限定されるものではない。例えば、
図11に示すように、識別番号1のアンテナポート及び識別番号2のアンテナポートで使用する巡回シフト量が不連続であっても、シフト量グループの構成要素が連続していれば良い。こうすることで、SRSに使用される巡回シフト量の偏りが少ない符号リソース設定ルールテーブルを作成することができる。
【0075】
[実施の形態3]
実施の形態3は、「符号リソース設定ルールテーブル」のバリエーションに関する。
【0076】
図12は、本発明の実施の形態3に係る符号リソース設定ルールテーブルを示す図である。
【0077】
実施の形態3では、他の実施の形態と同様に、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補Xと、巡回シフト量候補X+4とには、互いに異なるオフセットパターンが適用される。さらに、実施の形態3では、巡回シフト量候補2M(M=0,1,・・・)と巡回シフト量候補2M+1とには、互いに異なるオフセットパターンが適用される。巡回シフト量候補2M及び巡回シフト量候補2M+1の一方には、基本オフセットパターンが適用される一方、他方には、オフセットパターン“0,1,2,3”又は“0,−1,−2,−3”が適用される(
図12参照)。
【0078】
ここで、
図11に示した符号リソース設定ルールテーブルでは、基本オフセットパターン以外のオフセットパターンが適用される巡回シフト量グループに着目すると、2アンテナ送信で利用される識別番号0,1に対応する巡回シフト量ペアは、『4,3』『5,6』『6,5』『7,0』に限定され、巡回シフト量1,2は存在しない。すなわち、巡回シフト量1,2を割り当てることができない。
【0079】
これに対して、
図12のように、巡回シフト量候補2M及び巡回シフト量候補2M+1の一方には、基本オフセットパターンが適用される一方、他方には、オフセットパターン“0,1,2,3”又は“0,−1,−2,−3”が適用されることにより、識別番号1のアンテナポートに適用される巡回シフト量の偏りを軽減することができる。具体的には、
図12においては、基本オフセットパターン以外のオフセットパターンが適用される巡回シフト量グループに着目すると、2アンテナ送信で利用される識別番号0,1に対応する巡回シフト量ペアは、『4,5』、『1,0』、『6,7』、『3,2』となり、巡回シフト量の偏りが分散されている。
【0080】
なお、
図12には、
図11に示した符号リソース設定ルールテーブルを元に、巡回シフト量候補2M(M=0,1,・・・)と巡回シフト量候補2M+1とに互いに異なるオフセットパターンを適用することによって得られる符号リソース設定ルールテーブルを一例として示した。すなわち、本明細書に示される
図11以外の他の符号リソース設定ルールテーブルにおいて、巡回シフト量候補2M(M=0,1,・・・)と巡回シフト量候補2M+1とに互いに異なるオフセットパターンを適用しても良い。
【0081】
また、巡回シフト量候補2M(M=0,1,・・・)と巡回シフト量候補2M+1とに互いに異なるオフセットパターンを適用した状態において、基本オフセットパターン以外のオフセットパターンに対応付けられる、基準アンテナポートの巡回シフト量候補に連続する2つの巡回オフセット量候補が存在する場合には、一方(例えば、値が小さい方)にオフセットパターン“0,1,2,3”を対応づける一方、他方(例えば、値が大きい方)にオフセットパターン“0,−1,−2,−3”を対応づけても良い。
図13では、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量3に対しては、オフセットパターン“0,1,2,3”が対応付けられている一方、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量4に対しては、オフセットパターン“0,−1,−2,−3”が対応付けられている。
【0082】
こうすることで、2ポートアンテナ送信及び4ポートアンテナ送信のいずれの場合でも、巡回シフト量を分散させて偏りを防止することができる。この結果、SRSリソース割当の柔軟性を向上することができる。
【0083】
[実施の形態4]
実施の形態4は、「符号リソース設定ルールテーブル」のバリエーションに関する。
【0084】
図14は、本発明の実施の形態4に係る符号リソース設定ルールテーブルを示す図である。
【0085】
図14において、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補0〜3には、基本オフセットパターン“0,4,2,6”が適用されている一方、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補4〜7には、基本オフセットパターンと異なるオフセットパターンが適用されている。すなわち、一般化すれば、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補Xと、巡回シフト量候補X+4とには、互いに異なるオフセットパターンが適用される。特に、巡回シフト量候補Xには、基本オフセットパターンが適用される一方、巡回シフト量候補X+4には、オフセットパターン“0,4,1,5”又はオフセットパターン“0,4,3,7”が適用される。すなわち、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補4〜7に対して適用されるオフセットパターン群においては、識別番号0のアンテナポートと識別番号1のアンテナポートとに適用される巡回シフト量の差、及び、識別番号2のアンテナポートと識別番号3のアンテナポートとに適用される巡回シフト量の差が4である点について、全てのオフセットパターンで共通する。これに対して、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補4〜7に対して適用されるオフセットパターン群においては、識別番号1のアンテナポートと識別番号2のアンテナポートとに適用される巡回シフト量の差には、複数の値が存在する。
【0086】
ここで、端末200に対しては、4アンテナポート送信よりも2アンテナポート送信の方が適用される可能性が高い。
図15に示すように、2アンテナポート送信に適用されるオフセットパターンを“0,4”とすると、端末200−1〜4(
図15では、UE#1〜4と表示)は、巡回シフト量ペア『0,4』,『2,6』,『1,5』,『3,7』をそれぞれ使用する。
【0087】
この状態で、2つの端末200がSRS送信を終了することを想定する。例えば、UE#1とUE#2がSRS送信を終了する場合、巡回シフト量セット『0,4,2,6』が空きとなる。また、UE#1とUE#3がSRS送信を終了する場合、巡回シフト量セット『0,4,1,5』が空きとなる。また、UE#1とUE#4がSRS送信を終了する場合、巡回シフト量セット『0,4,3,7』が空きとなる。また、UE#2とUE#4がSRS送信を終了する場合、巡回シフト量セット『2,6,3,7』が空きとなる。また、UE#3とUE#4がSRS送信を終了する場合、巡回シフト量セット『1,5,3,7』が空きとなる。これらの空きCSに4アンテナポートのSRSを柔軟に割り当てることを想定すると、オフセット量セット『0,4,2,6』,『0,4,1,5』,『0,4,3,7』が有効である。
【0088】
従って、ここでは、巡回シフト量候補Xには、基本オフセットパターンを適用する一方、巡回シフト量候補X+4には、オフセットパターン“0,4,1,5”又はオフセットパターン“0,4,3,7”を適用する。これにより、4CS間隔の空きCSが2個存在する場合であっても、4アンテナポート送信におけるSRSリソース割当を容易にすることができる。例えば、空きCSが『0,4,1,5』である場合でも、4アンテナポート送信のSRSリソースを割り当てることができる。
【0089】
[実施の形態5]
実施の形態5は、「符号リソース設定ルールテーブル」のバリエーションに関する。
【0090】
図16は、本発明の実施の形態5に係る符号リソース設定ルールテーブルを示す図である。
【0091】
図16において、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補0〜3には、基本オフセットパターン“0,4,2,6”が適用されている一方、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補4〜7には、基本オフセットパターンと異なるオフセットパターンが適用されている。すなわち、一般化すれば、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補Xと、巡回シフト量候補X+4とには、互いに異なるオフセットパターンが適用される。特に、巡回シフト量候補Xには、基本オフセットパターンが適用される一方、巡回シフト量候補X+4には、オフセットパターン“0,3,A,B”又は“0,5,A,B”が適用される。ここで、AとBとは、異なる値である。さらに、AとBは、オフセットパターン“0,3,A,B”の場合には、0〜7の内の0,3以外の自然数であり、オフセットパターン“0,5,A,B”の場合には、0〜7の内の0,5以外の自然数である。
【0092】
ここで、実施の形態4では、2アンテナポート送信の場合に受信側においてSRSを高精度に分離できるように、識別番号0のアンテナポートと識別番号1のアンテナポートとの間で、適用される巡回シフト量の差を4として設計されている。しかしながら、2アンテナポート送信の場合にSRSリソース割当の柔軟性を重視する場合には、識別番号0のアンテナポートと識別番号1のアンテナポートとの間で、適用される巡回シフト量の差分値が、複数用意されていることが好ましい。そこで、本実施の形態のように、例えば、2アンテナポート送信の場合に受信側においてSRSを高精度に分離できるように、識別番号0のアンテナポートと識別番号1のアンテナポートとの間で、適用される巡回シフト量の差を、4の次に分離性能が高い、3又は5とする。これにより、分離精度の低下を抑えつつ、SRSリソース割当の柔軟性も改善することができる。
【0093】
[実施の形態6]
実施の形態6は、「符号リソース設定ルールテーブル」のバリエーションに関する。
【0094】
図17は、本発明の実施の形態6に係る符号リソース設定ルールテーブルを示す図である。
【0095】
図17において、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補0〜3には、基本オフセットパターン“0,4,2,6”が適用されている一方、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補4〜7には、基本オフセットパターンと異なるオフセットパターンが適用されている。すなわち、一般化すれば、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補Xと、巡回シフト量候補X+4とには、互いに異なるオフセットパターンが適用される。特に、巡回シフト量候補Xには、基本オフセットパターンが適用される一方、巡回シフト量候補X+4には、オフセットパターン“0,2,A,B”又は“0,6,A,B”が適用される。ここで、さらに、AとBは、オフセットパターン“0,2,A,B”の場合には、0〜7の内の0,2以外の自然数であり、オフセットパターン“0,6,A,B”の場合には、0〜7の内の0,6以外の自然数である。
【0096】
ここで、実施の形態5では、SRSの高い分離性能を維持しつつ、SRSリソース割当の柔軟性を改善するために、識別番号0のアンテナポートに適用される巡回シフト量と識別番号1のアンテナポートに適用される巡回シフト量との差分値として、3又は5を追加した。しかしながら、識別番号0のアンテナポートに適用される巡回シフト量と識別番号1のアンテナポートに適用される巡回シフト量との差分値を3又は5とする場合、巡回シフト量セット『0,4,2,6』と組み合せるとSRSリソース割当が複雑になるケースがある。例えば、巡回シフト量セット『0,4,2,6』を割り当てられた端末200が4アンテナポートでのSRS送信を終了する場合、巡回シフト量セット『0,4,2,6』のリソースが空きとなるが、識別番号0のアンテナポートに適用される巡回シフト量と識別番号1のアンテナポートに適用される巡回シフト量との差分値が3又は5である、巡回シフト量セットによっては、SRSリソースを割り当てることができない。そこで、本実施の形態のように、SRSリソース割当の柔軟性を重視する場合には、識別番号0のアンテナポートに適用される巡回シフト量と識別番号1のアンテナポートに適用される巡回シフト量との差分値として、2又は6を追加することが好ましい。
【0097】
なお、巡回シフト量候補Xには、基本オフセットパターンを適用し、巡回シフト量候補X+4には、オフセットパターン“0,2,4,6”を適用することにより、発生確率の高い2送信アンテナポート送信では、SRSリソース割当の柔軟性を確保できると共に、発生確率の比較的低い4送信アンテナポート送信では、アンテナポート間でCS間隔を最大にできるのでSRSの分離精度を最も高くできる。
【0098】
[実施の形態7]
実施の形態7は、「符号リソース設定ルールテーブル」のバリエーションに関する。
【0099】
図18は、本発明の実施の形態7に係る符号リソース設定ルールテーブルを示す図である。
【0100】
図18において、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補Xと、巡回シフト量候補X+4とには、互いに異なるオフセットパターンが適用される。さらに、識別番号0のアンテナポートの、巡回シフト量が偶数である巡回シフト量候補群(つまり、0,2,4,6)には、互いに異なるオフセットパターンが適用される。そして、識別番号0のアンテナポートの、巡回シフト量が偶数である巡回シフト量候補群の1つの巡回シフト量候補には、基本オフセットパターン“0,4,2,6”が適用される。
図18では、特に、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補0に、基本オフセットパターン“0,4,2,6”が対応付けられている。そして、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補2には、オフセットパターン“0,1,2,3”が対応付けられ、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補4には、オフセットパターン“0,2,4,6”が対応付けられ、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補6には、オフセットパターン“0,−1,−2,−3”が対応付けられている。
【0101】
ここで、
図2に示した従来の対応テーブルでは、2アンテナポート送信を想定する場合には、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補がXか又はX+2かによって、識別番号0のアンテナポートに対応付けられた巡回シフト量と識別番号1のアンテナポートに対応付けられた巡回シフト量とのペアが、互いに異なっている。しかしながら、4アンテナポート送信のみを想定する場合には、識別番号0のアンテナポートの、巡回シフト量が偶数である巡回シフト量候補群(つまり、0,2,4,6)は、巡回シフト量セットを構成する巡回シフト量が同一となる(
図19参照)。
【0102】
これに対して、本実施の形態では、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補Xと巡回シフト量候補X+4とに、互いに異なるオフセットパターンを対応付けると共に、さらに、識別番号0のアンテナポートの、巡回シフト量が偶数である巡回シフト量候補群(つまり、0,2,4,6)にも、互いに異なるオフセットパターンを対応付ける。こうすることで、巡回シフト量の通知のためのシグナリング量を増加させることなく、SRSリソース割当の柔軟性を向上することができる。
【0103】
[実施の形態8]
実施の形態8は、実施の形態1〜7と異なり、周波数領域内における、SRSリソース割当の柔軟性の向上を目指すものである。実施の形態8の基地局及び端末は、実施の形態1の基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図5,6を援用して説明する。
【0104】
実施の形態8の基地局100において、設定部101は、設定対象端末200の「候補リソース」を設定するための「候補リソース設定情報」を生成する。候補リソース設定情報は、「時間リソース設定情報」と、「符号周波数リソース設定情報」とに分けることができる。
【0105】
受信処理部108は、設定部101から受け取る設定情報及びトリガー情報に基づいてSRSがマッピングされているリソースを特定する。
【0106】
具体的には、受信処理部108は、「時間リソース設定情報」及びトリガー情報に基づいてSRSがマッピングされている時間リソースを特定する。さらに、受信処理部108は、「符号周波数リソース設定情報」と、「符号周波数リソース設定ルールテーブル」とに基づいて、SRSがマッピングされている符号周波数リソース(つまり、SRSの送信に用いられる巡回シフト系列の巡回シフト量及び周波数)を特定する。
【0107】
そして、受信処理部108は、特定された複数の巡回シフト量にそれぞれ対応する複数の巡回シフト系列(つまり、巡回シフト系列セット)を生成する。そして、受信処理部108は、受信信号から、特定された時間周波数リソースにマッピングされている信号成分を抽出すると共に、生成された巡回シフト系列セットを用いて符号多重された複数のSRSを分離する。
【0108】
実施の形態8の端末200において、送信制御部206は、自端末がSRSをマッピングする候補リソースを設定する。
【0109】
具体的には、送信制御部206は、受信処理部203から受け取る設定情報(時間リソース設定情報)に基づいて候補時間リソースを特定する。
【0110】
また、送信制御部206は、受信処理部203から受け取る設定情報(符号周波数リソース設定情報)と、「符号周波数リソース設定ルールテーブル」とに基づいて候補符号周波数リソース(つまり、SRSの送信に用いられる巡回シフト系列の巡回シフト量及び周波数)を特定する。そして、送信制御部206は、受信処理部203からトリガー情報を受け取ると、SRSの送信に用いられる、巡回シフト系列の巡回シフト量に関する情報及び周波数を送信信号形成部207へ出力する。この端末200において設定される候補周波数リソースについては、後に詳しく説明する。
【0111】
送信信号形成部207は、リファレンス信号生成部204から受け取るSRSをRSマッピング情報の示すRSマッピングリソースにマッピングする。そして、送信信号形成部207は、送信制御部206から受け取る、巡回シフト量に関する情報に対応する巡回シフトを基準系列に対して施すことにより、巡回シフト系列セットを生成し、当該巡回シフト系列セットを、RSマッピングリソースにマッピングされるSRSに対して掛け合わせる。巡回シフト系列セットを構成する複数の巡回シフト系列のそれぞれが掛け合わされたSRSは、対応するアンテナポートから送信される。これにより、複数のSRSは、符号多重される。
【0112】
以上の構成を有する、実施の形態8の基地局100及び端末200の動作について説明する。ここでは、特に、設定対象端末200に対する候補符号リソース及び候補周波数リソースの設定処理、端末200による候補符号リソース及び候補周波数リソースを用いたSRSの送信処理、及び、基地局100による端末200から送信されたSRSの受信処理について説明する。また、特に、端末200が2つのアンテナポート又は4つのアンテナポートを用いてSRSを送信する場合について説明する。
【0113】
<設定対象端末200に対する候補符号リソースの設定処理>
設定部101は、設定対象端末200の候補符号リソース及び候補周波数リソースを設定するための候補符号周波数リソース設定情報を生成する。具体的には、設定部101は、設定対象端末200の基準アンテナポートから送信されるSRSに対して用いられる巡回シフト系列のシフト量に関する情報を生成する。ここでは、特に、アンテナポート識別情報がゼロであるアンテナポートについての巡回シフト量が、巡回シフト量に関する情報として用いられる。
【0114】
こうして生成された候補符号周波数リソース設定情報は、端末200に対して送信される。
【0115】
<端末200による候補符号周波数リソースを用いたSRSの送信処理>
送信制御部206は、自端末がSRSをマッピングする候補符号周波数リソースを設定する。具体的には、送信制御部206は、受信処理部203から受け取る符号周波数リソース設定情報と、符号周波数リソース設定ルールテーブルとに基づいて候補符号周波数リソース(つまり、SRSの送信に用いられる巡回シフト系列の巡回シフト量及び周波数)を特定する。
【0116】
図20は、本発明の実施の形態8に係る符号周波数リソース設定ルールテーブルを示す図である。符号周波数リソース設定ルールテーブルでは、基準アンテナポートの複数の巡回シフト量候補のそれぞれについて、4つのアンテナポート識別番号と、各アンテナポート識別番号に対応する巡回シフト量及び周波数とが対応付けられている。巡回シフト量候補の数は、0〜7の8つである。
図20において、符号周波数リソース設定ルールテーブルでは、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補0〜7の全てに対して、固定のオフセットパターン“0,4,2,6”が適用されている。また、
図20において、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補0〜3では、全てのアンテナポートに対して1つの周波数帯域(同図では、周波数1)が対応付けられる一方、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補4〜7には、識別番号0及び識別番号1のアンテナポートに対して1つの周波数帯域(同図では、周波数1)が対応付けられると共に、識別番号2及び識別番号3のアンテナポートに対して1つの周波数帯域(同図では、周波数2)が対応付けられる。すなわち、一般化すれば、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補Xと、巡回シフト量候補X+4とには、互いに異なる周波数パターンが適用される。ここで、Xは、0以上3以下の整数である。
【0117】
図21は、本発明の実施の形態8に係る符号周波数リソース設定ルールテーブルの他の例を示す図である。
図21においては、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補0〜3では、全てのアンテナポートに対して1つの周波数帯域(同図では、周波数1)が対応付けられる一方、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補4〜7には、識別番号0及び識別番号2のアンテナポートに対して1つの周波数帯域(同図では、周波数1)が対応付けられると共に、識別番号1及び識別番号3のアンテナポートに対して1つの周波数帯域(同図では、周波数2)が対応付けられる。なお、上記した周波数1及び周波数2のそれぞれは、連続するサブキャリア群からなるサブキャリアブロックとしても良いし、飛び飛びに配置されたサブキャリア群からなるサブキャリアグループ(例えば、LTEにおけるComb)としても良い。具体的には、周波数1をComb#0、周波数2をComb#1と置き換えてもよい。すなわち、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補0〜3では1つのCombのみが使用され、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補4〜7では複数のCombのみが使用されるとしてもよい。なお、固定のオフセットパターン“0,4,2,6”は“0,2,4,6”など順番が異なっていてもよい。また、
図20、
図21等のテーブルを用いなくても数式などを用いることで同様の処理が実施できればよい。例えば、図の代わりに以下の数式を用いてもよい。
【0118】
図20は式(1)により表現することもできる。
【数1】
【0119】
同様に、
図21は式(2)により表現することもできる。
【数2】
【0120】
また、
図21をアンテナポート数2、
図20をアンテナポート数4で使用する場合は、式(3)となる。
【数3】
【0121】
ここで、実施の形態1乃至7では、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補Xと、巡回シフト量候補X+4とには、互いに異なるオフセットパターンが対応づけられている。しかしながら、SRSリソース割当の柔軟性を向上する方法は、これに限定されるものではない。すなわち、上述の通り、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補Xと、巡回シフト量候補X+4とには、互いに異なる周波数パターンを対応づけることによっても、SRSリソース割当の柔軟性を向上することができる。
【0122】
なお、周波数1及び周波数2は、周波数領域におけるオフセット量と捕らえることもできる。例えば、基地局100がComb#0を示す情報及び識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量候補0を通知する場合には、端末200は、SRSをComb#0でのみ送信する一方、基地局100がComb#1を示す情報及び識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量0を通知する場合には、端末200は、SRSをComb#1でのみ送信する。
【0123】
[他の実施の形態]
(1)上記各実施の形態においては、基準アンテナポートの複数の巡回シフト量候補の内の一部をトリガー情報(つまり、PDCCHにおけるトリガー用ビット)と対応付けても良い。例えば、設定情報により、PDCCHのトリガー情報1に基準アンテナポートの巡回シフト量候補0を対応づけ、PDCCHのトリガー情報2に基準アンテナポートの巡回シフト量候補4を対応づける。そして、基地局100がPDCCHのトリガー情報1を端末200に対して通知すれば、端末200は、基準アンテナポートの巡回シフト量候補0を対応づけられた巡回シフト量セットを用いてSRSを送信し、基地局100がPDCCHのトリガー情報2を端末200に対して通知すれば、端末200は、基準アンテナポートの巡回シフト量候補4を対応づけられた巡回シフト量セットを用いてSRSを送信する。
【0124】
(2)上記各実施の形態で取り上げたテーブルは、2アンテナポート送信の場合のみ、4アンテナポート送信の場合のみ、2アンテナポート送信及び4アンテナポート送信の両方のいずれの場合にも適用することができる。また、4アンテナポート送信の場合と2アンテナポート送信の場合とで、異なるテーブルが用いられても良い。
【0125】
(3)上記各実施の形態では、1つのアンテナポートを使用する場合と、2つまたは4つのアンテナポートを使用する場合とで、識別番号0のアンテナポートの巡回シフト量が一致することを前提に説明を行った。しかしながらこれに限定されるものではなく、1アンテナポートを使用する場合と、2または4アンテナポートを使用する場合とで、識別番号0のアンテナポートと巡回シフト量との対応関係を異ならせても良い。
【0126】
(4)上記各実施の形態では、SRS(例えば、DA-SRS、P-SRS)について説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、巡回シフト系列で符多重するものであれば適用できる。
【0127】
(5)上記各実施の形態における、アンテナポート(antenna port)とは、1本または複数の物理アンテナから構成される論理的なアンテナ(アンテナグループ)を指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。例えば、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、端末局が基準信号(Reference signal)を送信できる最小単位として規定される。また、アンテナポートはプリコーディングベクトル(Precoding vector)の重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
【0128】
(6)上記各実施の形態では、通知ビット数が3ビットであり、巡回シフト量候補が0〜7である場合を前提として説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、通知ビット数が4ビットであり、巡回シフト量候補が0〜15であっても良い。この場合に、オフセット量セット『0,4,2,6』を『0,8,4,12』などのように、オフセット量をM倍(4ビットの場合は、M=2)にしても良い。また、識別番号1〜3のアンテナポートの巡回シフト量も図中の値に限定するものではない。例えば、オフセット量セット『0,2,4,6』としてもよい。
【0129】
(7)上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連係においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0130】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0131】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0132】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0133】
2011年1月7日出願の特願2011−001829および2011年1月20日出願の特願2011−009870の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。