特許第6202509号(P6202509)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6202509ビームフォーミングを用いた通信方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202509
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】ビームフォーミングを用いた通信方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0456 20170101AFI20170914BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   H04B7/0456 100
   H04B7/06 956
【請求項の数】20
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2016-549494(P2016-549494)
(86)(22)【出願日】2014年4月2日
(65)【公表番号】特表2017-507588(P2017-507588A)
(43)【公表日】2017年3月16日
(86)【国際出願番号】CN2014074672
(87)【国際公開番号】WO2015149312
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2016年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ガンジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ミャオミャオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ジンジン
【審査官】 原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0301454(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0202054(US,A1)
【文献】 米国特許第7339979(US,B1)
【文献】 特表2009−505507(JP,A)
【文献】 特開平09−130128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/02
H01Q 3/00
H01Q 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信器プリコーディングモジュールと、送信器中間周波数ビームフォーミングモジュールと、送信器無線周波数ビームフォーミングモジュールと、アンテナ配列モジュールと、送信器フィードバックモジュールとを備える送信器であって、
前記送信器フィードバックモジュールは、受信器からのフィードバック情報に従って、送信器プリコーディング行列TrBBと、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIFと、送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFとを取得し、前記フィードバック情報はチャネル行列Hと離脱角(AOD)ベクトル情報とを含み、
前記送信器プリコーディングモジュールは、第1データストリームを取得し、TrBBに従って前記第1データストリームにプリコーディング処理を実行して第1アナログ信号を生成し、前記第1データストリームは、送信されるビットストリームがスクランブルをかけられレイヤマッピングを経た後に生成され、
前記送信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは、TrIFに従って前記第1アナログ信号に重み付け処理と電力増幅処理とを実行し、第2アナログ信号を生成し、
前記送信器無線周波数ビームフォーミングモジュールは、TrRFに従って前記第2アナログ信号に重み付け処理と電力増幅処理とを実行し、第3アナログ信号を生成し、
前記アンテナ配列モジュールは、前記第3アナログ信号に一致するアンテナ配列を決定し、前記第3アナログ信号に一致する前記アンテナ配列を用いることで前記第3アナログ信号を前記受信器に送信する、
送信器。
【請求項2】
前記送信器プリコーディングモジュールは特に、
TrBBに従って前記第1データストリームにプリコーディングを実行してプリコーディング信号を取得し、
前記プリコーディング信号にデジタル/アナログ変換処理を実行して前記第1アナログ信号を生成する、
請求項1に記載の送信器。
【請求項3】
前記送信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは特に、
中間周波数エンドアップコンバート処理を前記第1アナログ信号に実行し、
中間周波数エンドアップコンバート処理を経た前記第1アナログ信号に、TrIFに従って重み付け処理を実行し、
重み付け処理を経た前記第1アナログ信号に電力増幅処理を実行して前記第2アナログ信号を生成する、
請求項1又は2に記載の送信器。
【請求項4】
前記送信器無線周波数ビームフォーミングモジュールは特に、
無線周波数エンドアップコンバート処理を前記第2アナログ信号に実行し、
無線周波数エンドアップコンバート処理を経た前記第2アナログ信号に、TrRFに従って重み付け処理を実行し、
重み付け処理を経た前記第2アナログ信号に電力増幅処理を実行して前記第3アナログ信号を生成する、
請求項1から3の何れか一項に記載の送信器。
【請求項5】
前記送信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは特に、アップコンバート処理を経た前記第1アナログ信号に、TrIFに従って重み付け処理を実行し、
前記重み付け処理の方式は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つである、
請求項1から4の何れか一項に記載の送信器。
【請求項6】
受信器プリコーディングモジュールと、受信器中間周波数ビームフォーミングモジュールと、受信器無線周波数ビームフォーミングモジュールと、受信器フィードバックモジュールとを備える受信器であって、
前記受信器フィードバックモジュールは、送信器からのフィードバック情報に従って、受信器プリコーディング行列RxBBと、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIFと、受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFとを取得し、
前記フィードバック情報は、チャネル行列H、出現角(AOA)ベクトル情報、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを含み、
前記受信器無線周波数ビームフォーミングモジュールは、第1アナログ信号を取得し、RxRFに従って前記第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成し、
前記受信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは、前記第2アナログ信号にRxIFに従って重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成し、
前記受信器プリコーディングモジュールは、RxBBに従って前記第3アナログ信号にエンコード処理を実行して第2データストリームを生成し、前記第2データストリームはレイヤマッピング解除を実行するのに用いられる、
受信器。
【請求項7】
前記受信器無線周波数ビームフォーミングモジュールは特に、
RxRFに従って前記第1アナログ信号に重み付け処理を実行し、
重み付け処理を経た前記第1アナログ信号に、力増幅処理を実行し、
電力増幅処理を経た前記第1アナログ信号に無線周波数エンドダウンコンバート処理を実行して前記第2アナログ信号を生成する、
請求項に記載の受信器。
【請求項8】
前記受信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは特に、
RxIFに従って前記第2アナログ信号に重み付け処理を実行し、
重み付け処理を経た前記第2アナログ信号に、力増幅処理を実行し、
電力増幅処理を経た前記第2アナログ信号に中間周波数エンドダウンコンバート処理を実行して前記第3アナログ信号を生成する、
請求項又はに記載の受信器。
【請求項9】
前記受信器プリコーディングモジュールは特に、
前記第3アナログ信号をデジタル信号に変換し、
RxBBに従って、前記デジタル信号に変換された前記第3アナログ信号に重み付け処理を実行して、前記第2データストリームを取得する、
請求項からの何れか一項に記載の受信器。
【請求項10】
前記受信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは特に、RxIFに従って前記第2アナログ信号に重み付け処理を実行し、
前記重み付け処理の方式は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つである、
請求項からの何れか一項に記載の受信器。
【請求項11】
ビームフォーミングを用いた通信方法であって、
送信器により、受信器からのフィードバック情報に従って、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得する段階であって、前記フィードバック情報はチャネル行列H及び離脱角(AOD)ベクトル情報を含む、取得する段階と、
前記送信器により、第1データストリームを取得し、TrBBに従って前記第1データストリームにプリコーディング処理を実行して第1アナログ信号を生成する段階であって、前記第1データストリームは、送信されるビットストリームがスクランブルをかけられレイヤマッピングを経た後に生成される、生成する段階と、
前記送信器により、TrIFに従って前記第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する段階と、
前記送信器により、TrRFに従って前記第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する段階と、
前記送信器により、前記第3アナログ信号に一致するアンテナ配列を決定し、前記第3アナログ信号に一致する前記アンテナ配列を用いて、前記第3アナログ信号を前記受信器に送信する段階と、
を備える、
方法。
【請求項12】
TrBBに従って前記第1データストリームにプリコーディング処理を実行して第1アナログ信号を生成する前記段階は、
前記送信器により、TrBBに従って前記第1データストリームにプリコーディングを実行してプリコーディング信号を取得する段階と、
前記送信器により、前記プリコーディング信号にデジタル/アナログ変換処理を実行して前記第1アナログ信号を生成する段階と、
を有する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記送信器により、TrIFに従って前記第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する前記段階は、
前記送信器により、中間周波数エンドアップコンバート処理を前記第1アナログ信号に実行する段階と、
前記送信器によりTrIFに従って、中間周波数エンドアップコンバート処理を経た前記第1アナログ信号に重み付け処理を実行する段階と、
前記送信器により、重み付け処理を経た前記第1アナログ信号に電力増幅処理を実行して前記第2アナログ信号を生成する段階と、
を有する、
請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記送信器により、TrRFに従って前記第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する前記段階は、
前記送信器により、無線周波数エンドアップコンバート処理を前記第2アナログ信号に実行する段階と、
前記送信器によりTrRFに従って、無線周波数エンドアップコンバート処理を経た前記第2アナログ信号に重み付け処理を実行する段階と、
前記送信器により、重み付け処理を経た前記第2アナログ信号に電力増幅処理を実行して前記第3アナログ信号を生成する段階と、
を有する、
請求項11から13の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記送信器は、TrIFに従って、アップコンバート処理を経た前記第1アナログ信号に重み付け処理を実行し、前記重み付け処理の方式は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つである、
請求項11から14の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
ビームフォーミングを用いた通信方法であって、
受信器により、送信器からのフィードバック情報に従って、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFを取得する段階であって、前記フィードバック情報はチャネル行列H、出現角(AOA)ベクトル情報、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを含む、取得する段階と、
前記受信器により第1アナログ信号を取得し、RxRFに従って前記第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する段階と、
前記受信器により、RxIFに従って前記第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する段階と、
前記受信器により、RxBBに従って前記第3アナログ信号にエンコード処理を実行して第2データストリームを生成する段階であって、前記第2データストリームはレイヤマッピング解除を実行するのに用いられる、生成する段階と、
を備える、
方法。
【請求項17】
RxRFに従って前記第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する前記段階は、
前記受信器により、RxRFに従って前記第1アナログ信号に重み付け処理を実行する段階と、
前記受信器により、重み付け処理を経た前記第1アナログ信号に電力増幅処理を実行する段階と、
前記受信器により、電力増幅処理を経た前記第1アナログ信号に無線周波数エンドダウンコンバート処理を実行して前記第2アナログ信号を生成する段階と、
を有する、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記受信器により、RxIFに従って前記第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する前記段階は、
前記受信器により、RxIFに従って前記第2アナログ信号に重み付け処理を実行する段階と、
前記受信器により、重み付け処理を経た前記第2アナログ信号に電力増幅処理を実行する段階と、
前記受信器により、電力増幅処理を経た前記第2アナログ信号に中間周波数エンドダウンコンバート処理を実行して前記第3アナログ信号を生成する段階と、
を有する、
請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記受信器により、RxBBに従って前記第3アナログ信号にエンコード処理を実行して第2データストリームを生成する前記段階は、
前記受信器により、前記第3アナログ信号をデジタル信号に変換する段階と、
前記受信器によりRxBBに従って、前記デジタル信号に変換された前記第3アナログ信号に重み付け処理を実行して前記第2データストリームを取得する段階と、
を有する、
請求項16から18の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記受信器は、RxIFに従って前記第2アナログ信号に重み付け処理を実行し、前記重み付け処理の方式は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つである、
請求項16から19の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信分野に関し、特にビームフォーミングを用いた通信方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学と技術、並びに社会が進歩するにつれて、モバイルサービス及び無線サービスの数が急激に増加している。従来技術では、スペクトル効率を改善することでこのような要求を満足させることは非常に困難であり、高周波数帯域を使用することが必然的な傾向になっている。モバイルデータ速度の高速拡大に対する将来の要求を満たすべく、ミリ波帯域がより多くの人々から注目されてきた。その理由は、ミリ波帯域の短波長・広帯域などの特性による。しかしながら、既存のマイクロ波通信と比較すると、ミリ波は、雨、大気などの影響をより受けやすく、故に大気に吸収されて、伝送損失の増加などの問題を引き起こす。伝送損失を最小化すべく、大型配列を有する位相配列アンテナシステムを使用して伝送利得を改善させ、さらにビーム方向の精度を改善させることが、既に、業界において緊急に解決されるべき問題になっている。
【0003】
大型配列のビームフォーミング技術は、大型配列を有する位相配列アンテナシステムで用いられる必要がある。現時点で、大型配列のビームフォーミング技術を実装するスキームは、基本的に3種類に分類され得る。つまり、デジタルプリコーディングに基づいたビームフォーミングスキーム、相調整器に基づいたビームフォーミングスキーム、及びデジタルとアナログの2段階コントローラに基づいた複合ビームフォーミングスキームである。しかしながら、デジタルプリコーディングに基づいたビームフォーミングスキームは、非常に多数の無線周波数リンクADC/DACを必要とし、ハードウェア実装に比較的高い費用及び電力消費をもたらす。アナログ位相調整器に基づいたビームフォーミングスキームは、ビーム制御の柔軟性を低減させる原因となる。デジタルとアナログとの2段階コントローラに基づいた複合ビームフォーミングスキームの場合、ビーム方向の精度において特有のずれがスキームに存在する。故に、費用を適切に抑制しても、どのように効率的にビームフォーミング通信を実行するかが、既に、業界において緊急に解決されるべき問題になっている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の複数の実施形態は、ビームフォーミングを用いた通信方法及び装置を提供し、同時に、3段階構成を用いてビーム方向及びビーム幅を制御する。これにより、ビーム制御に必要とされるADC/DACの数が低減されるだけでなく、中間周波数ポート及び無線周波数ポートの数を調整することで利得の調整も実行され得る。
【0005】
前述の目的を実現すべく、以下の複数の技術的解決手段が本発明の複数の実施形態に用いられる。
【0006】
第1態様に従って、本発明の一実施形態が送信器(transmit end)を提供し、送信器は、送信器プリコーディングモジュールと、送信器中間周波数ビームフォーミングモジュールと、送信器無線周波数ビームフォーミングモジュールと、アンテナ配列モジュールと、送信器フィードバックモジュールとを含む。送信器フィードバックモジュールは、送信器により、受信器(receive end)からのフィードバック情報に従って、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得するよう構成され、フィードバック情報はチャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を含む。送信器プリコーディングモジュールは、送信器により、第1データストリームを取得し、TrBBに従って第1データストリームにプリコーディング処理を実行して第1アナログ信号を生成するよう構成され、第1データストリームは、送信されるビットストリームがスクランブルをかけられ、レイヤマッピングを経た後に生成される。送信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは、送信器により、TrIFに従って第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成するよう構成される。送信器無線周波数ビームフォーミングモジュールは、送信器により、TrRFに従って第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成するよう構成される。アンテナ配列モジュールは、送信器により、第3アナログ信号に一致するアンテナ配列を決定し、第3アナログ信号に一致するアンテナ配列を用いて第3アナログ信号を受信器に送信するよう構成される。
【0007】
第1態様の第1の可能な実装態様では、送信器プリコーディングモジュールはTrBBに従って第1データストリームにプリコーディングを実行してプリコーディング信号を取得しプリコーディング信号にデジタル/アナログ変換処理を実行して第1アナログ信号を生成するよう特に構成される。
【0008】
第1態様又は第1態様の第1の可能な実装態様に関連して、第1態様の第2の可能な実装態様では、送信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは中間周波数エンドアップコンバート処理を第1アナログ信号に実行しTrIFに従って、アップコンバートを経た第1アナログ信号に重み付け処理を実行し重み付け処理を経た第1アナログ信号に電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成するよう特に構成される。
【0009】
第1態様、あるいは第1態様の第1又は第2の可能な実装態様に関連して、第1態様の第3の可能な実装態様では、送信器無線周波数ビームフォーミングモジュールは無線周波数エンドアップコンバート処理を第2アナログ信号に実行しTrRFに従って、アップコンバートを経た第2アナログ信号に重み付け処理を実行し重み付け処理を経た第2アナログ信号に電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成するよう特に構成される。
【0010】
第1態様、あるいは第1態様の第1から第3の可能な実装態様の何れか1つに関連して、第1態様の第4の可能な実装態様では、送信器中間周波数ビームフォーミングモジュールはTrIFに従って、アップコンバートを経た第1アナログ信号に重み付け処理を実行するよう特に構成され、重み付け処理の方式は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つである。
【0011】
第1態様、又は第1態様の第1から第4の可能な実装態様の何れか1つに関連して、第1態様の第5の可能な実装態様では、送信器フィードバックモジュールはフィードバック情報に従ってチャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を取得し第1既定反復関数を用いてチャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を処理して、TrBB、TrIF、及びTrRFを取得するよう特に構成される。
【0012】
第2態様に従って、本発明の一実施形態は受信器を提供し、受信器は、受信器プリコーディングモジュールと、受信器中間周波数ビームフォーミングモジュールと、受信器無線周波数ビームフォーミングモジュールと、受信器フィードバックモジュールとを含む。受信器フィードバックモジュールは、受信器により計算を通じて、送信器からのフィードバック情報に従って、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、及び受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFを取得するよう構成される。フィードバック情報は、チャネル行列H、出現角ベクトル情報、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを含む。受信器無線周波数ビームフォーミングモジュールは、受信器により、第アナログ信号を取得し、RxRFに従って第アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第アナログ信号を生成するよう構成される。受信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは、受信器により、RxIFに従って第アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第アナログ信号を生成するよう構成される。受信器プリコーディングモジュールは、受信器により、RxBBに従って第アナログ信号にエンコード処理を実行して第2データストリームを生成するよう構成され、第2データストリームは、レイヤマッピング解除を実行するのに用いられる。
【0013】
第2態様の第1の可能な実装態様では、受信器無線周波数ビームフォーミングモジュールはRxRFに従って第4アナログ信号に重み付け処理を実行し重み付け処理を経た第4アナログ信号に電力増幅処理を実行し電力増幅処理を経た第4アナログ信号に無線周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第5アナログ信号を生成するよう特に構成される。
【0014】
第2態様又は第2態様の第1の可能な実装態様に関連して、第2態様の第2の可能な実装態様では、受信器中間周波数ビームフォーミングモジュールはRxIFに従って第5アナログ信号に重み付け処理を実行し重み付け処理を経た第5アナログ信号に電力増幅処理を実行し電力増幅処理を経た第5アナログ信号に中間周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第6アナログ信号を生成するよう特に構成される。
【0015】
第2態様、あるいは第2態様の第1又は第2の可能な実装態様に関連して、第2態様の第3の可能な実装態様では、受信器プリコーディングモジュールは第6アナログ信号をデジタル信号に変換しRxBBに従って、デジタル信号に変換された第6アナログ信号に重み付け処理を実行して第2データストリームを取得するよう特に構成される。
【0016】
第2態様、又は第2態様の第1から第3の可能な実装態様の何れか1つに関連して、第2態様の第4の可能な実装態様では、受信器中間周波数ビームフォーミングモジュールはRxIFに従って第5アナログ信号に重み付け処理を実行するよう特に構成され、重み付け処理の方式は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、及び位相重み付けのうち何れか1つである。
【0017】
第2態様、又は第2態様の第1から第4の可能な実装態様の何れか1つに関連して、第2態様の第5の可能な実装態様では、受信器フィードバックモジュールはフィードバック情報内にあるチャネル行列H、出現角ベクトル情報、TrBB、TrIF、及びTrRFを取得し第2既定反復関数を用いてチャネル行列H、出現角ベクトル情報、TrBB、TrIF、及びTrRFを処理して、RxBB、RxIF、及びRxRFを取得するよう特に構成される。
【0018】
第3態様に従って、本発明の一実施形態は送信器を提供し、送信器は、第1プロセッサと、第2プロセッサと、第1送受信器と、第2送受信器と、DACコンバータと、第1周波数混合器と、第2周波数混合器と、第1位相調整器と、第2位相調整器と、第1電力増幅器と、第2電力増幅器とを含む。第1送受信器は第1プロセッサに接続され、第1プロセッサはDACコンバータに接続されて送信器プリコーディング処理ブランチを形成する。第1送受信器は、第1データストリームを受信し、第1データストリームを第1プロセッサに送信するよう構成される。第1プロセッサは、第1データストリームをTrBBで乗算するよう構成される。DACコンバータは、TrBBで乗算された後に取得される第1データストリームにデジタル/アナログ変換処理を実行して第1アナログ信号を生成する。第1データストリームは、送信されるビットストリームがスクランブルをかけられレイヤマッピングを経た後に生成される。第1周波数混合器は第1位相調整器に接続され、第1位相調整器は第1電力増幅器に接続されて送信器中間周波数処理ブランチを形成する。第1周波数混合器は、送信器により、中間周波数アップコンバート処理を第1アナログ信号に実行するよう構成される。第1位相調整器は、TrIFに従って、アップコンバートを経た第1アナログ信号に重み付け処理を実行するよう構成される。第1電力増幅器は、重み付け処理を経た第1アナログ信号に電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成するよう構成される。第2周波数混合器は第2位相調整器に接続され、第2位相調整器は第2電力増幅器に接続されて送信器無線周波数処理ブランチを形成する。第2周波数混合器は、無線周波数アップコンバート処理を第2アナログ信号に実行するよう構成される。第2位相調整器は、TrRFに従って、アップコンバートを経た第2アナログ信号に重み付け処理を実行するよう構成される。第2電力増幅器は、重み付け処理を経た第2アナログ信号に電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成するよう構成される。第2送受信器は第2プロセッサに接続されて送信器フィードバックブランチを形成する。第2送受信器は、フィードバック情報に従ってチャネル行列Hを取得するよう構成される。第2プロセッサは、チャネル行列H及びフィードバック情報に従って離脱角ベクトル情報を計算し、第1既定反復関数を用いてチャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を処理して、TrBB、TrIF、及びTrRFを取得するよう構成される。
【0019】
第3態様の第1の可能な実装態様では、第1位相調整器は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つを、アップコンバートを経た第2アナログ信号に実行するよう特に構成される。
【0020】
第4態様に従って、本発明の一実施形態は受信器を提供し、受信器は、第1位相調整器と、第2位相調整器と、第1電力増幅器と、第2電力増幅器と、第1周波数混合器と、第2周波数混合器と、DACコンバータと、第1プロセッサと、第2プロセッサと、第1送受信器とを含む。第1位相調整器は第1電力増幅器に接続され、第1電力増幅器は第1周波数混合器に接続されて受信器無線周波数処理ブランチを形成する。第1位相調整器は、RxRFに従って第1アナログ信号に重み付け処理を実行するよう構成される。第1電力増幅器は、重み付け処理を経た第1アナログ信号に電力増幅処理を実行するよう構成される。第1周波数混合器は、電力増幅処理を経た第1アナログ信号に無線周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第2アナログ信号を生成するよう構成される。第2位相調整器は第2電力増幅器に接続され、第2電力増幅器は第2周波数混合器に接続されて受信器中間周波数処理ブランチを形成する。第2位相調整器は、RxIFに従って第2アナログ信号に重み付け処理を実行するよう構成される。第2電力増幅器は、重み付け処理を経た第2アナログ信号に電力増幅処理を実行するよう構成される。第2周波数混合器は、電力増幅処理を経た第2アナログ信号に中間周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第3アナログ信号を生成するよう構成される。DACコンバータは、第1プロセッサに接続されて受信器プリコーディング処理ブランチを形成する。DACコンバータは、第3アナログ信号をデジタル信号に変換するよう構成される。第1プロセッサは、RxBBに従って、デジタル信号に変換された第3アナログ信号に重み付け処理を実行して第2データストリームを取得するよう構成される。第2データストリームは、レイヤマッピング解除を実行するのに用いられる。第1送受信器は、第2プロセッサに接続されて受信器フィードバックブランチを形成する。第1送受信器は、フィードバック情報内にあるチャネル行列H、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得するよう構成される。第2プロセッサは、フィードバック情報及びチャネル行列Hに従って出現角ベクトル情報を計算し、第2既定反復関数を用いてチャネル行列H、出現角ベクトル情報、TrBB、TrIF、及びTrRFを処理して、RxBB、RxIF、及びRxRFを取得するよう構成される。
【0021】
第4態様の第1の可能な実装態様では、第位相調整器は、受信器により、RxIFに従って、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つを第アナログ信号に実行するよう特に構成される。
【0022】
第5態様に従って、本発明の一実施形態は、ビームフォーミングを用いた通信方法を提供し、以下の複数の段階を含む。送信器により計算を通じて、受信器からのフィードバック情報に従って、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得する段階であり、フィードバック情報は、チャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を含む。送信器により、第1データストリームを取得し、TrBBに従って第1データストリームにプリコーディング処理を実行して第1アナログ信号を生成する段階であり、第1データストリームは、送信されるビットストリームがスクランブルをかけられレイヤマッピングを経た後に生成される。送信器により、TrIFに従って第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する段階である。送信器により、TrRFに従って第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する段階である。そして、送信器により、第3アナログ信号に一致するアンテナ配列を決定し、第3アナログ信号に一致するアンテナ配列を用いて第3アナログ信号を受信器に送信する段階である。
【0023】
第5態様の第1の可能な実装態様では、TrBBに従ってプリコーディング処理を実行して第1アナログ信号を生成する段階は、以下の複数の段階を含む。送信器により、TrBBに従って第1データストリームにプリコーディングを実行してプリコーディング信号を取得する段階である。そして、送信器により、プリコーディング信号にデジタル/アナログ変換処理を実行して第1アナログ信号を生成する段階である。
【0024】
第5態様又は第5態様の第1の可能な実装態様に関連して、第5態様の第2の可能な実装態様では、送信器により、TrIFに従って第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する段階は、以下の複数の段階を含む。送信器により、第1アナログ信号に中間周波数アップコンバート処理を実行する段階である。送信器によりTrIFに従って、アップコンバートを経た第1アナログ信号に重み付け処理を実行する段階である。そして、送信器により、重み付け処理を経た第1アナログ信号に電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する段階である。
【0025】
第5態様、あるいは第5態様の第1又は第2の可能な実装態様に関連して、第5態様の第3の可能な実装態様では、送信器により、TrRFに従って第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する段階は、以下の複数の段階を含む。送信器により、無線周波数アップコンバート処理を第2アナログ信号に実行する段階である。送信器によりTrRFに従って、アップコンバートを経た第2アナログ信号に重み付け処理を実行する段階である。そして、送信器により、重み付け処理を経た第2アナログ信号に電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する段階である。
【0026】
第5態様、又は第5態様の第1から第3の可能な実装態様の何れか1つに関連して、第5態様の第4の可能な実装態様では、送信器は、TrIFに従って、アップコンバートを経た第1アナログ信号に重み付け処理を実行し、重み付け処理の方式は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つである。
【0027】
第5態様、又は第5態様の第1から第4の可能な実装態様の何れか1つに関連して、第5態様の第5の可能な実装態様では、送信器により計算を通じて、受信器からのフィードバック情報に従って、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得する段階は、以下の複数の段階を含む。送信器により、フィードバック情報に従ってチャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を取得する段階である。そして、送信器により、第1既定反復関数を用いてチャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を処理して、TrBB、TrIF、及びTrRFを取得する段階である。
【0028】
第6態様に従って、本発明の一実施形態はビームフォーミングを用いた通信方法を提供し、以下の複数の段階を含む。受信器により計算を通じて、送信器からのフィードバック情報に従って、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、及び受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFを取得する段階であり、フィードバック情報は、チャネル行列H、出現角ベクトル情報、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを含む。受信器により、第4アナログ信号を取得し、RxRFに従って第4アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第5アナログ信号を生成する段階である。受信器により、RxIFに従って第5アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第6アナログ信号を生成する段階である。そして、受信器により、RxBBに従って第6アナログ信号にエンコード処理を実行して第2データストリームを生成する段階であり、第2データストリームは、レイヤマッピング解除を実行するのに用いられる。
【0029】
第6態様の第1の可能な実装態様では、RxRFに従って第4アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第5アナログ信号を生成する段階は、以下の複数の段階を含む。受信器により、RxRFに従って第4アナログ信号に重み付け処理を実行する段階である。受信器により、重み付け処理を経た第4アナログ信号に電力増幅処理を実行する段階である。そして、受信器により、電力増幅処理を経た第4アナログ信号に無線周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第5アナログ信号を生成する段階である。
【0030】
第6態様又は第6態様の第1の可能な実装態様に関連して、第6態様の第2の可能な実装態様では、受信器により、RxIFに従って第5アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第6アナログ信号を生成する段階は、以下の複数の段階を含む。受信器により、RxIFに従って第5アナログ信号に重み付け処理を実行する段階である。受信器により、重み付け処理を経た第5アナログ信号に電力増幅処理を実行する段階である。そして、受信器により、電力増幅処理を経た第5アナログ信号に中間周波数ダウンコンバート処理を実行して第6アナログ信号を生成する段階である。
【0031】
第6態様、あるいは第6態様の第1又は第2の可能な実装態様に関連して、第6態様の第3の可能な実装態様では、受信器により、RxBBに従って第6アナログ信号にエンコード処理を実行して第2データストリームを生成する段階は、以下の複数の段階を含む。受信器により、第6アナログ信号をデジタル信号に変換する段階である。そして、受信器によりRxBBに従って、デジタル信号に変換された第6アナログ信号に重み付け処理を実行して第2データストリームを取得する段階である。
【0032】
第6態様、又は第6態様の第1から第3の可能な実装態様の何れか1つに関連して、第6態様の第4の可能な実装態様では、受信器は、RxIFに従って第5アナログ信号に重み付け処理を実行し、重み付け処理の方式は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つである。
【0033】
第6態様、又は第6態様の第1から第4の可能な実装態様の何れか1つに関連して、第6態様の第5の可能な実装態様では、受信器により計算を通じて、送信器からのフィードバック情報に従って、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、及び受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFを取得する段階は、以下の複数の段階を含む。受信器により、フィードバック情報内にあるチャネル行列H、出現角ベクトル情報、TrBB、TrIF、及びTrRFを取得する段階である。そして、受信器により、第2既定反復関数を用いてチャネル行列H、出現角ベクトル情報、TrBB、TrIF、及びTrRFを処理して、RxBB、RxIF、及びRxRFを取得する段階である。
【0034】
本発明の複数の実施形態において提供されるビームフォーミングを用いた通信方法及び装置に従って、3段階構成を有するマルチビームシステムを用い、ハードウェア実装の複雑度を低減させることに基づいて、ビーム方向及びビーム幅が同時に制御され得る。これにより、ビーム制御に必要とされるADC/DACの数が低減されるだけでなく、中間周波数ポート及び無線周波数ポートの数を調整することで利得の調整も実行され得る。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明の複数の実施形態又は従来技術において、複数の技術的解決手段をより明確に説明すべく、複数の実施形態又は従来技術を説明するのに必要とされる複数の添付図面を以下に簡潔に説明する。以下の説明において複数の添付図面は、単に本発明のいくつかの実施形態を示すに過ぎず、当業者は、これらの添付図面から創造努力をすることなく他の複数の図面をさらに導き出し得ることは明らかである。
【0036】
図1】本発明の実施形態に従った、送信器の概略構造図である。
【0037】
図2】本発明の実施形態に従った、受信器の概略構造図である。
【0038】
図3】本発明の実施形態に従った、送信器の概略ハードウェア図1である。
【0039】
図4】本発明の実施形態に従った、受信器の概略ハードウェア図である。
【0040】
図5】本発明の実施形態に従った、ビームフォーミングを用いた通信方法の概略フローチャート1である。
【0041】
図6】従来技術におけるビームフォーミング方法の概略構造図1である。
【0042】
図7】従来技術におけるビームフォーミング方法の概略構造図2である。
【0043】
図8a】従来技術におけるビームフォーミング方法の概略構造図3である。
【0044】
図8b】従来技術におけるビームフォーミング方法の概略構造図4である。
【0045】
図9】本発明の実施形態に従った、送信器の概略ハードウェア図2である。
【0046】
図10】本発明の実施形態に従った、ビームフォーミングを用いた通信方法の概略フローチャート2である。
【0047】
図11】本発明の実施形態に従った、ビームフォーミングを用いた通信方法の概略フローチャート3である。
【0048】
図12】本発明の実施形態に従った、ビームフォーミングを用いた通信方法の概略フローチャート4である。
【0049】
図13】本発明の実施形態に従った、ビームフォーミングを用いた通信方法の概略フローチャート5である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明の複数の実施形態における複数の技術的解決手段を、本発明の複数の実施形態における複数の添付図面を参照して、以下に明確且つ完全に説明する。説明される複数の実施形態は、単に本発明の複数の実施形態のうちのいくつかに過ぎず、全てではないことは明らかである。本発明の複数の実施形態に基づいて、当業者によって創造努力をすることなく取得される他の全ての実施形態は、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【0051】
位相配列アンテナとは、配列アンテナの放射ユニットの給電位相を制御することで、パターンの形状が変更されるアンテナである。アンテナパターンの最大値に対応する方向は、ビームスキャンの目的を実現するように位相を制御することで変えられ得る。特殊な場合において、マイナーレベル、最小値位置、パターン全体の形状も制御され得て、例えば、コセカント二乗パターンが取得され、このパターンは適応的に制御される。アンテナが機械的な方法を用いて回転させられる場合、慣性が大きく速度は遅い。位相配列アンテナは、そのようなデメリットを克服し、ビームのスキャン速度は速い。位相配列アンテナの給電位相は、通常、電子コンピュータを用いて制御され、位相の変化速度は速い(ミリ秒の単位)。つまり、アンテナパターンの最大値、又は別のパラメータに対応する方向がすぐに変わる。
【0052】
ビームフォーミングは、アンテナ技術とデジタル信号処理技術とを組み合わせたものであり、信号の有向送信又は有向受信に用いられる。受信器により実行される信号処理の間に、望ましい理想的な信号を形成すべく、複数のアンテナ配列素子により受信された複数の信号に重み付け及び合成が実行され得る。このことは、アンテナパターン(pattern)の観点から見ると、調整された方向にビームが形成されることに相当する。例えば、最初の無指向性の受信パターンが、ヌルポイントと最大値に対応する方向とを有するローブパターンに変換される。同じ原則は送信器にも適用可能であり、送信器はアンテナ配列素子の給電に対して振幅及び位相の調整を実行し、これにより、望ましい形状を有するパターンが形成され得る。ビームフォーミング技術が用いられる必要がある場合、前提条件は、複数のアンテナにより受信される複数の信号を、受信器において特定のアルゴリズムを用いて処理するのにマルチアンテナシステムが用いられる必要があるということであり、これにより、受信器の信号対雑音比が明らかに高められ得る。受信器が比較的遠くにある場合であっても、比較的望ましい信号品質が取得され得る。
【0053】
本発明の複数の実施形態において、第1アナログ信号、第2アナログ信号、第3アナログ信号などは、単に異なるアナログ信号を区別するのに用いられるに過ぎず、アナログ信号に対する限定とはみなされないことが留意されるべきである。
[実施形態1]
【0054】
本発明のこの実施形態は送信器を提供する。図1に示されるように、送信器は、送信器プリコーディングモジュール01、送信器中間周波数ビームフォーミングモジュール02、送信器無線周波数ビームフォーミングモジュール03、アンテナ配列モジュール04、及び送信器フィードバックモジュール05を含む。
【0055】
送信器フィードバックモジュール05は、受信器からのフィードバック情報に従って、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得するよう構成され、フィードバック情報はチャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を含む。
【0056】
送信器プリコーディングモジュール01は、第1データストリームを取得し、TrBBに従って第1データストリームにプリコーディング処理を実行して第1アナログ信号を生成するよう構成され、第1データストリームは、送信されるビットストリームがスクランブルをかけられレイヤマッピングを経た後に生成される。
【0057】
送信器中間周波数ビームフォーミングモジュール02は、TrIFに従って第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成するよう構成される。
【0058】
送信器無線周波数ビームフォーミングモジュール03は、TrRFに従って第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成するよう構成される。
【0059】
アンテナ配列モジュール04は、第3アナログ信号に一致するアンテナ配列を決定し、第3アナログ信号に一致するアンテナ配列を用いて第3アナログ信号を受信器に送信するよう構成される。
【0060】
さらに、送信器プリコーディングモジュール01は、TrBBに従って第1データストリームにプリコーディングを実行してプリコーディング信号を取得し、プリコーディング信号にデジタル/アナログ変換処理を実行して第1アナログ信号を生成するよう特に構成される。
【0061】
さらに、送信器中間周波数ビームフォーミングモジュール02は、中間周波数エンドアップコンバート処理を第1アナログ信号に実行し、TrIFに従って、中間周波数エンドアップコンバートを経た第1アナログ信号に重み付け処理を実行し、重み付け処理を経た第1アナログ信号に電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成するよう特に構成される。
【0062】
さらに、送信器無線周波数ビームフォーミングモジュール03は、無線周波数エンドアップコンバート処理を第2アナログ信号に実行し、TrRFに従って、無線周波数エンドアップコンバートを経た第2アナログ信号に重み付け処理を実行し、重み付け処理を経た第2アナログ信号に電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成するよう特に構成される。
【0063】
さらに、送信器中間周波数ビームフォーミングモジュール02は、TrIFに従って、アップコンバートを経た第1アナログ信号に重み付け処理を実行するよう特に構成され、重み付け処理の方式は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つであり得る。
【0064】
さらに、送信器フィードバックモジュール05は、フィードバック情報に従ってチャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を取得し、第1既定反復関数を用いてチャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を処理して、TrBB、TrIF、及びTrRFを取得するよう特に構成される。
【0065】
従って、3つの処理プロセス、つまり、ベースバンドプリコーディング処理、中間周波数ビームフォーミング処理、及び無線周波数ビームフォーミング処理を経た受信済み第1データストリームを、送信器は受信器に送信する。従来技術と比較すると、この解決手段は複数の側面において複数の有益な効果をもたらし得る。第1に、3段階構成を用いるビーム制御に必要とされるADC/DACの数が低減される。ビーム制御は2つの場合において実行されると考えられる。場合1では3段階ビーム制御が用いられ、場合2では2段階ビーム制御が用いられる。2つの場合に対応する無線周波数ビームフォーミング行列は、同一次元を有すると考えられる。場合1では、比較的小さいプリコーディング行列がベースバンド部分に用いられ、重み付け処理が中間周波数エンド分の信号に実行され、これにより、配列の次元はさらに増大し得る。場合2では、ベースバンドプリコーディング行列が処理に直接用いられる。比較から分かるように、場合1で必要とされるADC/DACの数は、場合2で必要とされる数より少ない。第2に、各チャネルについて、複雑な要件に従って必要利得が簡便に調整され得る。前述の解決手法から分かるように、各データストリームでは、IF処理及びRF処理によって利得の調整が柔軟に実行され得て、ここでは、IF出力ポートの数を調整することで利得の調整が実行され得る。第3に、ビーム方向の誤差がより小さく、さらに、3段階ビーム制御が用いられる場合、2段階ビーム制御との違いは、もう1段階のビーム制御が中間周波数エンドに追加されることであり、重み付け方式には以下の方式、つまり(1)振幅重み付け及び位相重み付け、(2)振幅重み付け、及び(3)位相重み付け、のうち1つが選択され得る。比較から分かるように、3段階ビーム制御システムでより正確なビーム方向が取得され、誤差がより小さくなる。第4に、この解決手段では、ユーザの実際の要件に従って段階数が選択され得て、ユーザの実際の要件に従って各段階のスイッチが制御され、ビーム方向を制御すべく段階1/段階2/段階3が別々に選択され得る。
【0066】
この解決手段では、3段階構成を有するマルチビームシステムを用い、ハードウェア実装の複雑度を低減させることに基づいて、ビーム方向及びビーム精度が同時に制御され得る。これにより、ビーム制御に必要とされるADC/DACの数が低減されるだけでなく、中間周波数ポート及び無線周波数ポートの数を調整することで利得の調整も実行され得る。
[実施形態2]
【0067】
本発明のこの実施形態は受信器を提供する。図2に示されるように、受信器は、受信器プリコーディングモジュール11、受信器中間周波数ビームフォーミングモジュール12、受信器無線周波数ビームフォーミングモジュール13、及び受信器フィードバックモジュール14を含む。
【0068】
受信器フィードバックモジュール14は、計算を通じて、送信器からのフィードバック情報に従って、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、及び受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFを取得するよう構成され、フィードバック情報は、チャネル行列H、出現角ベクトル情報、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを含む。
【0069】
受信器無線周波数ビームフォーミングモジュール13は、第1アナログ信号を取得し、RxRFに従って第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成するよう構成される。
【0070】
受信器中間周波数ビームフォーミングモジュール12は、RxIFに従って第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成するよう構成される。
【0071】
受信器プリコーディングモジュール11は、RxBBに従って第3アナログ信号にエンコード処理を実行して第2データストリームを生成するよう構成され、第2データストリームはレイヤマッピング解除を実行するのに用いられる。
【0072】
さらに、受信器無線周波数ビームフォーミングモジュール11は、受信器により、RxRFに従って第アナログ信号に重み付け処理を実行し、重み付け処理を経た第アナログ信号に電力増幅処理を実行し、電力増幅処理を経た第アナログ信号に無線周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第2アナログ信号を生成するよう特に構成される。
【0073】
さらに、受信器中間周波数ビームフォーミングモジュール12は、RxIFに従って第2アナログ信号に重み付け処理を実行し、重み付け処理を経た第2アナログ信号に電力増幅処理を実行し、電力増幅処理を経た第2アナログ信号に中間周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第3アナログ信号を生成するよう特に構成される。
【0074】
さらに、受信器プリコーディングモジュール11は、第3アナログ信号をデジタル信号に変換し、RxBBに従って、デジタル信号に変換された第3アナログ信号に重み付け処理を実行して第2データストリームを取得するよう特に構成される。
【0075】
さらに、受信器中間周波数ビームフォーミングモジュール12は、RxIFに従って第2アナログ信号に重み付け処理を実行するよう特に構成され、重み付け処理の方式は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つである。
【0076】
さらに、受信器フィードバックモジュール14は、フィードバック情報内にあるチャネル行列H、出現角ベクトル情報、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得し、第2既定反復関数を用いてチャネル行列H、出現角ベクトル情報、TrBB、TrIF、及びTrRFを処理して、RxBB、RxIF、及びRxRFを取得するよう特に構成される。
【0077】
本発明のこの実施形態において提供される受信器に従って、受信器は、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、及び受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFを送信器からのフィードバック情報に従って取得し、フィードバック情報は、チャネル行列H、出現角ベクトル情報、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを含む。受信器は第1アナログ信号を取得し、RxRFに従って第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する。受信器は、RxIFに従って第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する。受信器は、RxBBに従って第3アナログ信号にエンコード処理を実行して第2データストリームを生成する。第2データストリームはレイヤマッピング解除を実行するのに用いられる。受信器は、3段階構成を有するマルチビームシステムを使用して、ハードウェア実装の複雑度を低減させることに基づいて、ビーム方向及びビーム幅を同時に制御し得る。これにより、ビーム制御に必要とされるADC/DACの数が低減されるだけでなく、中間周波数ポート及び無線周波数ポートの数を調整することで利得の調整も実行され得る。
[実施形態3]
【0078】
図3及び図4は、本発明に従った、ビームフォーミングを用いた通信装置の概略ハードウェア図である。
【0079】
大型配列のビームフォーミングを用いた通信装置は、送信器21及び受信器22を含む。
【0080】
図3に示されるように、送信器21は、第1プロセッサ32、第2プロセッサ41、第1送受信器31、第2送受信器40、DACコンバータ33、第1周波数混合器34、第2周波数混合器37、第1位相調整器35、第2位相調整器38、第1電力増幅器36、及び第2電力増幅器39を含む。
【0081】
具体的には、第1送受信器31は第1プロセッサ32に接続され、第1プロセッサ32はDACコンバータ33に接続されて送信器プリコーディング処理ブランチを形成し、第1送受信器31は、第1データストリームを受信し、第1データストリームを第1プロセッサ32に送信するよう構成される。第1プロセッサ32は、第1データストリームをTrBBで乗算するよう構成される。DACコンバータ33は、TrBBで乗算された後に取得される第1データストリームにデジタル/アナログ変換処理を実行して第1アナログ信号を生成し、第1データストリームは、送信されるビットストリームがスクランブルをかけられレイヤマッピングを経た後に生成される。1又は複数のDACコンバータ33があってよく、このことは本発明のこの実施形態において限定されないことが留意されるべきである。
【0082】
第1周波数混合器34は第1位相調整器35に接続され、第1位相調整器35は第1電力増幅器36に接続されて送信器中間周波数処理ブランチを形成し、第1周波数混合器34は、送信器により、中間周波数エンドアップコンバート処理を第1アナログ信号に実行するよう構成される。第1位相調整器35は、TrIFに従って、中間周波数エンドアップコンバート処理を経た第1アナログ信号に重み付け処理を実行するよう構成される。第1電力増幅器36は、重み付け処理を経た第1アナログ信号に電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成するよう構成される。
【0083】
第2周波数混合器37は第2位相調整器38に接続され、第2位相調整器38は第2電力増幅器39に接続されて送信器無線周波数処理ブランチを形成し、第2周波数混合器37は、無線周波数エンドアップコンバート処理を第2アナログ信号に実行するよう構成される。第2位相調整器38は、TrRFに従って、無線周波数エンドアップコンバート処理を経た第2アナログ信号に重み付け処理を実行するよう構成される。第2電力増幅器39は、重み付け処理を経た第2アナログ信号に電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成するよう構成される。
【0084】
第2送受信器40は第2プロセッサ41に接続されて送信器フィードバックブランチを形成し、第2送受信器40はフィードバック情報に従ってチャネル行列Hを取得するよう構成される。第2プロセッサ41は、チャネル行列H及びフィードバック情報に従って離脱角ベクトル情報を計算し、第1既定反復関数を用いてチャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を処理して、TrBB、TrIF、及びTrRFを取得するよう構成される。
【0085】
送信器プリコーディング処理ブランチ、送信器中間周波数処理ブランチ、及び送信器無線周波数処理ブランチは、送信器フィードバックブランチに別々に接続される。
【0086】
さらに、第1位相調整器35は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つを、中間周波数エンドアップコンバートを経た第2アナログ信号に実行するよう特に構成される。
【0087】
図4に示されるように、受信器22は、第1位相調整器42、第2位相調整器45、第1電力増幅器43、第2電力増幅器46、第1周波数混合器44、第2周波数混合器47、DACコンバータ48、第1プロセッサ49、第2プロセッサ51、及び第1送受信器50を含む。
【0088】
第1位相調整器42は第1電力増幅器43に接続され、第1電力増幅器43は第1周波数混合器44に接続されて受信器無線周波数処理ブランチを形成し、第1位相調整器42は、RxRFに従って第1アナログ信号に重み付け処理を実行するよう構成される。第1電力増幅器43は、重み付け処理を経た第1アナログ信号に電力増幅処理を実行するよう構成される。第1周波数混合器44は、電力増幅処理を経た第1アナログ信号に無線周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第2アナログ信号を生成するよう構成される。
【0089】
第2位相調整器45は第2電力増幅器46に接続され、第2電力増幅器46は第2周波数混合器47に接続されて受信器中間周波数処理ブランチを形成し、第2位相調整器45は、RxIFに従って第2アナログ信号に重み付け処理を実行するよう構成される。第2電力増幅器46は、重み付け処理を経た第2アナログ信号に電力増幅処理を実行するよう構成される。第2周波数混合器47は、電力増幅処理を経た第2アナログ信号に中間周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第3アナログ信号を生成するよう構成される。
【0090】
DACコンバータ48は第1プロセッサ49に接続されて受信器プリコーディング処理ブランチを形成し、DACコンバータ48は、第3アナログ信号をデジタル信号に変換するよう構成される。第1プロセッサ49は、RxBBに従って、デジタル信号に変換された第3アナログ信号に重み付け処理を実行して第2データストリームを取得するよう構成され、第2データストリームはレイヤマッピング解除を実行するのに用いられる。
【0091】
第1送受信器50は第2プロセッサ51に接続されて受信器フィードバックブランチを形成し、第1送受信器50は、フィードバック情報内にあるチャネル行列H、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得するよう構成される。第2プロセッサ51は、フィードバック情報及びチャネル行列Hに従って出現角ベクトル情報を計算し、第2既定反復関数を用いてチャネル行列H、出現角ベクトル情報、TrBB、TrIF、及びTrRFを処理して、RxBB、RxIF、及びRxRFを取得するよう構成される。
【0092】
受信器プリコーディング処理ブランチ、受信器中間周波数処理ブランチ、及び受信器無線周波数処理ブランチは、受信器フィードバックブランチに別々に接続される。
【0093】
さらに、第2位相調整器45は、受信器により、RxIFに従って、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つを第アナログ信号に実行するよう特に構成される。
【0094】
本発明のこの実施形態に含まれる第1送受信器及び第2送受信器の機能は、1つの送受信器により実現されてよく、それに応じて、第1プロセッサ及び第2プロセッサの機能は1つのプロセッサにより実現されてよく、第1周波数混合器及び第2周波数混合器の機能は1つの送受信器により実現されてよいことが留意されるべきである。
【0095】
従って、3つの処理プロセス、つまり、無線周波数ビームフォーミング処理、中間周波数ビームフォーミング処理、及びベースバンドプリコーディング処理を経た受信済み第1データストリームを、受信器は送信器に送信する。従来技術と比較すると、この解決手段は複数の側面において複数の有益な効果をもたらし得る。第1に、3段階構成を用いるビーム制御に必要とされるADC/DACの数が低減される。ビーム制御は2つの場合において実行されると考えられる。場合1では3段階ビーム制御が用いられ、場合2では2段階ビーム制御が用いられる。2つの場合に対応する無線周波数ビームフォーミング行列は、同一次元を有すると考えられる。場合1では、比較的小さいプリコーディング行列がベースバンド部分に用いられ、重み付け処理が中間周波数エンド分の信号に実行され、これにより、配列の次元はさらに増大し得る。場合2では、ベースバンドプリコーディング行列が処理に直接用いられる。比較から分かるように、場合1で必要とされるADC/DACの数は、場合2で必要とされる数より少ない。第2に、各チャネルについて、複雑な要件に従って必要利得が簡便に調整され得る。前述の方法から分かるように、各データストリームでは、IF処理及びRF処理によって利得の調整が柔軟に実行され得て、ここでは、IF出力ポートの数を調整することで利得の調整が実行され得る。第3に、ビーム方向の誤差がより小さく、さらに、3段階ビーム制御が用いられる場合、2段階ビーム制御との違いは、もう1段階のビーム制御が中間周波数エンドに追加されることであり、重み付け方式には以下の形式、つまり(1)振幅重み付け及び位相重み付け、(2)振幅重み付け、及び(3)位相重み付け、のうち1つが選択され得る。比較から分かるように、3段階ビーム制御システムでより正確なビーム方向が取得され、誤差がより小さくなる。第4に、この解決手段では、ユーザの実際の要件に従って段階数が選択され得て、ユーザの実際の要件に従って各段階のスイッチが制御され、ビーム方向を制御すべく段階1/段階2/段階3が別々に選択され得る。
【0096】
本発明のこの実施形態において提供されるビームフォーミングを用いた通信装置に従って、装置は、3段階構成を有するマルチビームシステムを使用して、ハードウェア実装の複雑度を低減させることに基づいて、ビーム方向及びビーム幅を同時に制御し得る。これにより、ビーム制御に必要とされるADC/DACの数が低減されるだけでなく、中間周波数ポート及び無線周波数ポートの数を調整することで利得の調整も実行され得る。
[実施形態4]
【0097】
本発明のこの実施形態は、ビームフォーミングを用いた通信方法を提供する。図5に示されるように、本方法は以下の複数の段階を含む。
【0098】
101:送信器が、計算を通じ、受信器からのフィードバック情報に従って、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得する。
【0099】
本発明のこの実施形態において提供されるビームフォーミングを用いた通信方法に従って、3段階構成を有するマルチビームシステムを用い、ハードウェア実装の複雑度を低減させることに基づいて、ビーム方向及びビーム幅が同時に制御される。これにより、ビーム制御に必要とされるADC/DACの数が低減されるだけでなく、中間周波数ポート及び無線周波数ポートの数を調整することで利得の調整も実行され得る。フィードバック情報は、チャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を含む。
【0100】
従来技術では、大型配列のビームフォーミング技術を実装するスキームは、基本的に3種類に分類され得る。つまり、デジタルプリコーディングに基づいたビームフォーミングスキーム、アナログ位相調整器に基づいたビームフォーミングスキーム、及びデジタルとアナログの2段階コントローラに基づいた複合ビームフォーミングスキームである。図6は、デジタルプリコーディングに基づいたビームフォーミングスキームを示す。ここでは、615/625のデジタルプリコーディング行列の重み値を調整することでビーム方向が制御され、このスキームはビームフォーミングを制御するのに用いられる。しかしながら、デジタルビームフォーミングスキームがビームを制御するのに用いられ、サイドローブレベルの減少がもたらされる場合、メインローブビームが広がり、利得が減少する。さらに、このスキームでは、非常に多数のADC/DACデバイスが無線周波数リンク上に必要とされ、このことが原因となってハードウェア実装での費用及び電力消費が非常に高くなる。故に、デジタルビームフォーミングスキームの実行可能性は比較的低い。図7は、アナログ位相調整器に基づいたビームフォーミングスキームを示す。ここでは、位相調整器の方向の角度を変えることでビーム方向が制御される。位相調整器の重み値の発生が、デジタルエンドにおいて処理され得る。デジタルプリコーディングに基づいたビームフォーミングスキームと比較すると、このスキームでは、必要とされるDAC/ADCの数が低減されるが、位相調整器の重み値はシミュレーションのみに頼って調整されるので、ビーム制御の柔軟性の減少がもたらされ得る。図8a及び図8bは、デジタルとアナログとの2段階コントローラに基づいた複合ビームフォーミングスキームを示す。図8aは、デジタル・アナログ複合ビームフォーミングスキームの送信器の概略構造図である。図8bは、デジタル・アナログ複合ビームフォーミングスキームの受信器の概略構造図である。このスキームでは、デジタルプリコーディング行列及びアナログビームフォーミング行列が、フィードバック情報を用いて実行される推定により取得されてビーム制御を実行する。このスキームは、ハードウェア実装の複雑度とスキーム性能との間の妥協案を提供する。しかしながら、ビーム方向及びビーム幅の精度の制御、並びに用いられるADC/DACの数などの側面では、このスキームはまだ改善される必要がある。故に、本発明のこの実施形態はビームフォーミングを用いた通信方法を提供し、複数の段階を組み合わせてビームを制御することで、無線周波数リンク上で必要とされるADC/DACの数が低減され得る。これにより、一方向における低精度誤差及びハードウェア実装における低複雑度が確保されるとともに、大規模なアンテナ配列が実装される。さらに、ビーム制御の段階数が、ユーザに実際の要件に従って適応的に選択され得る。それにより、リソース割り当ての最適化、又は通信品質の改善という目的を実現する。
【0101】
具体的には、3つの処理プロセス、つまり、ベースバンドプリコーディング処理、中間周波数ビームフォーミング処理、及び無線周波数ビームフォーミング処理が送信器に含まれる。ベースバンドプリコーディング処理、中間周波数ビームフォーミング処理、及び無線周波数ビームフォーミング処理の間に、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFは、信号に重み付け処理を実行するのに用いられる必要がある。故に、送信器は、受信器からのフィードバック情報に従ってチャネル行列Hを最初に取得する。送信器はさらに、チャネル行列H及びフィードバック情報に従って離脱角ベクトル情報を計算し、第1既定反復関数を用いてチャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を処理して、TrBB、TrIF、及びTrRFを取得する。
【0102】
チャネル行列Hはチャネル状態情報であり、チャネルを表すあらゆる情報がチャネル状態情報とみなされる。チャネル行列は、MIMOシステムにおいて、チャネル状態情報の一種に過ぎない。チャネルプロファイル、多経路遅延、ドップラー周波数シフト、MIMOチャネルのランク、及びビームフォーミングベクトルなどの他の情報は全てチャネル状態情報である。
【0103】
SVD分解(singular value decomposition、特異値分解)は、行列分解(decomposition、factorization)の一種である。行列は、複数の行列に分解され、複数の行列の積に等しい。VDは、別の直交行列分解方法である。SVDは、非常に信頼できる分解方法である。しかしながら、SVDは、QR分解法にかかる計算時間のほぼ10倍長い計算時間がかかる。[U、S、V]=svd(A)であり、ここでU及びVは互いに直交する2つの行列を示し、Sは対角行列を示す。最初の行列Aは、必ずしも正方行列ではない。SVD分解法を用いることは、最小二乗誤差を計算し、データ圧縮を実行することである。
【0104】
最小二乗法、数学的な最適化技術である。最小二乗法では、最小誤差の平方和を用いて、データの最適関数適合が見つけられる。最小二乗法を用いて、未知のデータが容易に計算され得る。これにより、計算を通じて取得されたこれらのデータと実際のデータとの間の誤差は、最小平方和を有する。最小二乗法は、曲線適合にも用いられ得る。いくつかの他の最適化問題も、最小二乗法を用いて、エネルギーを最小化する又はエントロピーを最大化することで表現され得る。
【0105】
さらに、この実施形態は、送信器により計算を通じて、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得する方法を提供し、本方法は実施形態6において詳細に説明される。故に、詳細はここで改めて説明されない。
【0106】
102:送信器は、第1データストリームを取得し、TrBBに従って第1データストリームにプリコーディング処理を実行して第1アナログ信号を生成する。
【0107】
第1データストリームは、送信されるビットストリームがスクランブルをかけられレイヤマッピングを経た後に生成される。
【0108】
具体的には、送信器は第1データストリームを取得し、データストリームはN個の情報ストリームを含み得て、送信器は第1データストリームをTrBBでさらに乗算する。次に送信器は、TrBBで乗算された後に取得される第1データストリームにデジタル/アナログ変換処理を実行して第1アナログ信号を生成する。行列TrBBは、フィードバックモジュールにより提供される。
【0109】
103:送信器は、TrIFに従って第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する。
【0110】
具体的には、送信器が第1アナログ信号を生成した後に、送信器は、中間周波数エンドアップコンバート処理を第1アナログ信号に実行する。送信器は次に、TrIFに従って、アップコンバートを経た第1アナログ信号に重み付け処理を実行する。送信器はさらに、重み付け処理を経た第1アナログ信号に電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する。段階102と比較すると、中間周波数処理の間に、アンテナ配列素子の数が増加、有向無線電磁波を生成するのに用いられる。アンテナは、異なる方向の配列素子を含み、マルチビーム電磁波を生成し得る。中間周波数ビームフォーミング行列TrIFは、フィードバックモジュールにより提供される。
【0111】
さらに、送信器によりTrIFに従って、アップコンバートを経た第1アナログ信号に重み付け処理を実行する段階は、送信器によりTrIFに従って、中間周波数エンドアップコンバートを経た第1アナログ信号に振幅重み付けを実行する段階、又は送信器によりTrIFに従って、中間周波数エンドアップコンバートを経た第1アナログ信号に位相重み付けを実行する段階、又は送信器によりTrIFに従って、中間周波数エンドアップコンバートを経た第1アナログ信号に振幅重み付け及び位相重み付けを実行する段階を含み得る。
【0112】
さらに代わりに、図9に示されるように、重み付け処理を経た第1アナログ信号に電力増幅処理を送信器が実行した後に、結合器を用いて第1アナログ信号に結合処理がさらに実行され得る。図3と比較すると、中間周波数エンドにおける出力アンテナポートの数は、無線周波数リンクの数を図3の各中間周波数チャネルに対応するアンテナの数で乗算することにより取得される数である。中間周波数エンドにおける出力アンテナポートの数は、図9の無線周波数リンクの数と一致する。
【0113】
高周波無線通信では、無線周波数エンドはサンプリングレートに非常に高い要件を有し、ハードウェアデバイスに非常に厳しい要件をもたらす。このスキームにおいて、3段階の組み合わせビーム制御を用いることが提案され、中間周波数制御モジュールの一段階が無線周波数モジュールの前に追加されてビームを制御する。これにより、ハードウェアデバイスに対する要件が下げられ得て、ハードウェア実装の複雑度が低減される。もう1つのビーム制御の段階があり、故に、中間周波数エンドにおける出力ポートの数を調整することで、必要利得が柔軟に満たされ得る。
【0114】
104:送信器は、TrRFに従って第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する。
【0115】
具体的には、送信器が第2アナログ信号を生成した後に、送信器は、無線周波数エンドアップコンバート処理を第2アナログ信号に実行する。送信器は次に、TrRFに従って、アップコンバートを経た第2アナログ信号に重み付け処理を実行する。送信器はさらに、重み付け処理を経た第2アナログ信号に電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する。段階104の後に、送信器はさらに、アンテナ配列素子の数を必要とされる数に増加させ、データを送信するアンテナ配列を用いてアンテナを最後に選択する。
【0116】
105:送信器は、第3アナログ信号に一致するアンテナ配列を決定し、第3アナログ信号に一致するアンテナ配列を用いて、第3アナログ信号を受信器に送信する。
【0117】
アンテナ配列は、特定の要件に従って、給電及び空間配置を実行することで形成される。シングルアンテナの指向性が限定されるので、様々な場合の用途を満たすべく、特定の要件に従って、同一周波数で動作する2つ又はそれより多いシングルアンテナに給電及び空間配置が実行され、アンテナ配列形成する。アンテナ配列の主要な機能は、(1)放射線場の指向性を強化し高めること、(2)放射線場を強化することである。アンテナ配列は、電磁波(電磁場)の重畳とみなされ得る。数列の電磁波では、重ね合わせの原理に従って、電磁波が同一エリアに伝搬する場合、電磁波のベクトル重畳が生じる。重畳結果は電磁波の列の振幅に関連するだけでなく、入射領域内の電磁波間の位相差にも関連する。
【0118】
具体的には、送信器無線周波数ビームフォーミングモジュールが第3アナログ信号を生成した後に、各無線周波数RFリンクが複数のアンテナ配列素子を有しているので、送信器は、異なる要件に従って、1つのRFリンクを使用して空間重み付けを実行し、1つのビームを形成して、電磁波の形態で第3アナログ信号を受信器に送信し得る、又は複数のRFリンクを使用して空間重み付けを実行し、1つのビームを形成して、電磁波の形態で第3アナログ信号を受信器に送信し得る。既存の位相配列システムでは、アナログ信号をアンテナ配列素子と組み合わせる技術が既に十分に開示されている。故に、詳細はここで改めて説明されない。
【0119】
従って、3つの処理プロセス、つまり、ベースバンドプリコーディング処理、中間周波数ビームフォーミング処理、及び無線周波数ビームフォーミング処理を経た受信済み第1データストリームを、送信器は受信器に送信する。これにより、ビーム方向及びビーム幅の精度が、ハードウェア実装の複雑度を低減させることに基づいて、同時に制御される。
【0120】
本発明のこの実施形態において提供されるビームフォーミングを用いた通信方法に従って、3段階構成を有するマルチビームシステムを用い、ハードウェア実装の複雑度を低減させることに基づいて、ビーム方向及びビーム幅が同時に制御される。これにより、ビーム制御に必要とされるADC/DACの数が低減されるだけでなく、中間周波数ポート及び無線周波数ポートの数を調整することで利得の調整も実行され得る。
[実施形態5]
【0121】
本発明のこの実施形態は、ビームフォーミングを用いた通信方法を提供する。図10に示されるように、ビームフォーミングを用いた通信方法は、以下の複数の段階を含む。
【0122】
201:受信器が、計算を通じて、送信器からのフィードバック情報に従って、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、及び受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFを取得する。
【0123】
フィードバック情報は、チャネル行列H、出現角ベクトル情報、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを含む。
【0124】
本発明のこの実施形態において提供されるビームフォーミングを用いた通信方法に従って、3段階構成を有するマルチビームシステムを用い、ハードウェア実装の複雑度を低減させることに基づいて、ビーム方向及びビーム幅が同時に制御される。これにより、ビーム制御に必要とされるADC/DACの数が低減されるだけでなく、中間周波数ポート及び無線周波数ポートの数を調整することで利得の調整も実行され得る。
【0125】
具体的には、3つの処理プロセス、つまり、ベースバンドプリコーディング処理、中間周波数ビームフォーミング処理、及び無線周波数ビームフォーミング処理が受信器に含まれる。ベースバンドプリコーディング処理、中間周波数ビームフォーミング処理、及び無線周波数ビームフォーミング処理の間に、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、及び受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFは、信号に重み付け処理を実行するのに用いられる必要がある。故に、受信器は、フィードバック情報内にあるチャネル行列H、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを最初に取得する。受信器はさらに、フィードバック情報及びチャネル行列Hに従って出現角ベクトル情報を計算し、第2既定反復関数を用いてチャネル行列H、出現角ベクトル情報、TrBB、TrIF、及びTrRFを処理して、RxBB、RxIF、及びRxRFを取得する。具体的には、RxBB、RxIF、及びRxRFを計算する方法が、実施形態6において詳細に説明されている。故に、詳細はここで改めて説明されない。
【0126】
202:受信器は、第アナログ信号を取得し、RxRFに従って第アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する。
【0127】
具体的には、受信器は、アンテナ配列から第アナログ信号を取得し、RxRFに従って第アナログ信号に重み付け処理をさらに実行する。受信器は次に、重み付け処理を経た第アナログ信号に電力増幅処理を実行する。受信器は最後に、電力増幅処理を経た第アナログ信号に無線周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第2アナログ信号を生成する。
【0128】
203:受信器は、RxIFに従って第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する。
【0129】
具体的には、第2アナログ信号を生成した後に、受信器は、RxIFに従って第2アナログ信号に重み付け処理を実行する。受信器は、重み付け処理を経た第2アナログ信号に電力増幅処理をさらに実行する。受信器は最後に、電力増幅処理を経た第2アナログ信号に中間周波数ダウンコンバート処理を実行して第3アナログ信号を生成する。
【0130】
さらに、受信器により、RxIFに従って第2アナログ信号に重み付け処理を実行する段階は、受信器により、RxIFに従って第2アナログ信号に振幅重み付けを実行する段階、又は受信器により、RxIFに従って第2アナログ信号に位相重み付けを実行する段階、又は受信器により、RxIFに従って第2アナログ信号に振幅重み付け及び位相重み付けを実行する段階を含み得る。
【0131】
204:受信器は、RxBBに従って第3アナログ信号にエンコード処理を実行して第2データストリームを生成する。
【0132】
具体的には、第3アナログ信号を生成した後に、受信器は、第3アナログ信号をデジタル信号に変換する。受信器はさらに、RxBBに従って、デジタル信号に変換された第3アナログ信号に重み付け処理を実行して第2データストリームを取得する。第2データストリームは、レイヤマッピング解除を実行するのに用いられる。
【0133】
従って、3つの処理プロセス、つまり、無線周波数ビームフォーミング処理、中間周波数ビームフォーミング処理、及びベースバンドプリコーディング処理を経た受信済み第1データストリームを、受信器は送信器に送信する。これにより、ビーム方向及びビーム幅の精度が、ハードウェア実装の複雑度を低減させることに基づいて、同時に制御される。
【0134】
本発明のこの実施形態において提供されるビームフォーミングを用いた通信方法に従って、受信器は、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、及び受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFを送信器からのフィードバック情報に従って取得し、フィードバック情報は、チャネル行列H、出現角ベクトル情報、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを含む。受信器は第1アナログ信号を取得し、RxRFに従って第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する。受信器は、RxIFに従って第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する。受信器は、RxBBに従って第3アナログ信号にエンコード処理を実行して第2データストリームを生成する。第2データストリームはレイヤマッピング解除を実行するのに用いられる。この解決手段では、3段階構成を有するマルチビームシステムを用い、ハードウェア実装の複雑度を低減させることに基づいて、ビーム方向及びビーム幅が同時に制御され得る。これにより、ビーム制御に必要とされるADC/DACの数が低減されるだけでなく、中間周波数ポート及び無線周波数ポートの数を調整することで利得の調整も実行され得る。
[実施形態6]
【0135】
本発明のこの実施形態は、ビームフォーミングを用いた通信方法を提供する。図11に示されるように、ビームフォーミングを用いた通信方法は、以下の複数の段階を含む。
【0136】
301:送信器が、計算を通じ、受信器からのフィードバック情報に従って、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得する。
【0137】
本発明のこの実施形態において提供されるビームフォーミングを用いた通信方法に従って、3段階構成を有するマルチビームシステムを用い、ハードウェア実装の複雑度を低減させることに基づいて、ビーム方向及びビーム幅が同時に制御される。これにより、ビーム制御に必要とされるADC/DACの数が低減されるだけでなく、中間周波数ポート及び無線周波数ポートの数を調整することで利得の調整も実行され得る。
【0138】
従来技術では、大型配列のビームフォーミング技術を実装するスキームは、基本的に3種類に分類され得る。つまり、デジタルプリコーディングに基づいたビームフォーミングスキーム、アナログ位相調整器に基づいたビームフォーミングスキーム、及びデジタルとアナログの2段階コントローラに基づいた複合ビームフォーミングスキームである。図6は、デジタルプリコーディングに基づいたビームフォーミングスキームを示す。ここでは、615/625のデジタルプリコーディング行列の重み値を調整することでビーム方向が制御され、このスキームはビームフォーミングを制御するのに用いられる。しかしながら、デジタルビームフォーミングスキームがビームを制御するのに用いられ、サイドローブレベルの減少がもたらされる場合、メインローブビームが広がり、利得が減少する。さらに、このスキームでは、非常に多数のADC/DACデバイスが無線周波数リンク上に必要とされ、このことが原因となってハードウェア実装での費用及び電力消費が非常に高くなる。故に、デジタルビームフォーミングスキームの実行可能性は比較的低い。図7は、アナログ位相調整器に基づいたビームフォーミングスキームを示す。ここでは、位相調整器の方向の角度を変えることでビーム方向が制御される。位相調整器の重み値の発生が、デジタルエンドにおいて処理され得る。デジタルプリコーディングに基づいたビームフォーミングスキームと比較すると、このスキームでは、必要とされるDAC/ADCの数が低減されるが、位相調整器の重み値は手動でしか調整され得ず、ビーム制御の柔軟性の減少がもたらされ得る。図8a及び図8bは、デジタルとアナログとの2段階コントローラに基づいた複合ビームフォーミングスキームを示す。図8aは、デジタル・アナログ複合ビームフォーミングスキームの送信器の概略構造図である。図8bは、デジタル・アナログ複合ビームフォーミングスキームの受信器の概略構造図である。このスキームでは、デジタルプリコーディング行列及びアナログビームフォーミング行列が、フィードバック情報を用いて実行される推定により取得されてビーム制御を実行する。このスキームは、ハードウェア実装の複雑度とスキーム性能との間の妥協案を提供する。しかしながら、ビーム方向及びビーム幅の精度の制御、並びに用いられるADC/DACの数などの側面では、このスキームはまだ改善される必要がある。故に、本発明のこの実施形態はビームフォーミングを用いた通信方法を提供し、複数の段階を組み合わせてビームを制御することで、無線周波数リンク上で必要とされるADC/DACの数が低減され得る。これにより、一方向における低精度誤差及びハードウェア実装における低複雑度が確保されるとともに、大規模なアンテナ配列が実装される。さらに、ビーム制御の段階数が、ユーザに実際の要件に従って適応的に選択され得る。それにより、リソース割り当ての最適化、又は通信品質の改善という目的を実現する。
【0139】
高周波無線通信では、無線周波数エンドはサンプリングレートに非常に高い要件を有し、ハードウェアデバイスに非常に厳しい要件をもたらす。このスキームにおいて、3段階の組み合わせビーム制御を用いることが提案され、中間周波数制御モジュールの一段階が無線周波数モジュールの前に追加されてビームを制御する。これにより、ハードウェアデバイスに対する要件が下げられ得て、ハードウェア実装の複雑度が低減され得る。もう1つのビーム制御の段階があり、故に、中間周波数エンドにおける出力ポートの数を調整することで、必要利得が柔軟に満たされ得る。
【0140】
具体的には、3つの処理プロセス、つまり、ベースバンドプリコーディング処理、中間周波数ビームフォーミング処理、及び無線周波数ビームフォーミング処理が送信器に含まれる。ベースバンドプリコーディング処理、中間周波数ビームフォーミング処理、及び無線周波数ビームフォーミング処理の間に、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFは、信号に重み付け処理を実行するのに用いられる必要がある。故に、送信器は、受信器からのフィードバック情報に従ってチャネル行列Hを最初に取得する。送信器はさらに、チャネル行列H及びフィードバック情報に従って離脱角ベクトル情報を計算し、第1既定反復関数を用いてチャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を処理して、TrBB、TrIF、及びTrRFを取得する。
【0141】
例示的に図12に示されるように、本発明のこの実施形態は、マルチレベル構成においてビームフォーミング行列を構築する方法を提供する。
【0142】
401:送信器は、受信器からのフィードバック情報に従ってチャネル行列Hを取得する。
【0143】
具体的には、FDD(Frequency Division Duplexing、周波数分割複信)システムの送信器のフィードバックモジュールが、フィードバックチャネルに従ってチャネル行列Hを取得し得る。TDD(Time Division Duplexing、時分割複信)システムの送信器のフィードバックモジュールが、アップリンクSRS推定によって、チャネルレシプロシティに基づきチャネル行列Hを取得し得る。
【0144】
TDDは、フレーム期間内のダウンリンクオペレーションにおいて時間で無線チャネルを区別し、アップリンクオペレーションを続けるための技術であり、モバイル通信技術にも用いられる複信技術の1つであり、FDDに対応するものである。
【0145】
402:送信器は、フィードバック情報に対してAOD(Angle−of−departure)推定を実行して、離脱角配列ベクトルセットAtを取得する。
【0146】
AOD定は、信号のAODに基づいた位置決定アルゴリズムであり、代表的な測距ベースの位置決定アルゴリズムである。送信ノードの信号の離脱角が、いくつかのハードウェアデバイスを用いて検知される。送信ノード及びアンカーノードの相対的な位置又は角度が計算され、次に、未知のノードの位置を計算するのに三角測量法又は別の方式が用いられる。
【0147】
403:送信器は、チャネル行列Hに対してSVD分解を実行して初期値Troptを生成する。
【0148】
SVD分解、行列分解(decomposition、factorization)の一種である。行列は、複数の行列に分解され、複数の行列の積に等しい。VDは、別の直交行列分解方法である。SVDは、非常に信頼できる分解方法である。しかしながら、SVDは、QR分解法にかかる計算時間のほぼ10倍長い計算時間がかかる。[U、S、V]=svd(A)であり、ここでU及びVは互いに直交する2つの行列を示し、Sは対角行列を示す。最初の行列Aは、必ずしも正方行列ではない。SVD分解法を用いることは、最小二乗誤差を計算し、データ圧縮を実行することである。
【0149】
404:送信器は、第1既定反復関数用いてTroptを更新する。
【0150】
具体的には、RF(Radio Frequency、無線周波数)及びIF(Intermediate Frequency、中間周波数)のセットが巡回反復によって推定される。
【0151】
最初に、コスト関数f(x)=(A・Troptが構成される。コスト関数k=argmax(f(x)・(f(x)))が、適切なベクトルをAから選択するのに用いられ、RF及びIFのセット
【数1】
を形成する。
【0152】
最小二乗法がさらに用いられ、TXベースバンドプリコーディング行列TrBB
【数2】
を推定する。最小二乗法、数学的な最適化技術である。最小二乗法では、最小誤差の平方和を用いて、データの最適関数適合が見つけられる。最小二乗法を用いて、未知のデータが容易に計算され得る。これにより、計算を通じて取得されたこれらのデータと実際のデータとの間の誤差は、最小平方和を有する。最小二乗法は、曲線適合にも用いられ得る。いくつかの他の最適化問題も、最小二乗法を用いて、エネルギーを最小化する又はエントロピーを最大化することで表現され得る。
【0153】
さらに、Troptの解が更新され、指示変数iiがNRFより大きいかどうかが決定される。 指示変数iiがNRFより大きくない場合、段階402に戻り、要件が満たされるまで反復推定を続ける。ここで、
【数3】
である。
【0154】
405:送信器はTrBBを固定し、TranにSVD分解を実行し、TrIFとして右特異行列を選択し、TrRFとして左特異行列を選択する。
【0155】
TrBBが固定され、Tranに分解が実行され、TrIF及びTrRFを別々に取得する。このスキームでは、SVD分解がTranに実行され、右特異行列がTrIFとして選択され、左特異行列がTrRFとして選択される。
【0156】
406:送信器は、正規化処理を実行してTrBB、TrIF、及びTrRFを取得する。
【0157】
従って、送信器は、受信器により送信されるフィードバック情報に従って、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得する。
【0158】
302:受信器は、計算を通じて、送信器からのフィードバック情報に従って、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、及び受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFを取得する。
【0159】
具体的には、3つの処理プロセス、つまり、ベースバンドプリコーディング処理、中間周波数ビームフォーミング処理、及び無線周波数ビームフォーミング処理が受信器に含まれる。ベースバンドプリコーディング処理、中間周波数ビームフォーミング処理、及び無線周波数ビームフォーミング処理の間に、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、及び受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFは、信号に重み付け処理を実行するのに用いられる必要がある。故に、受信器は、フィードバック情報内にあるチャネル行列H、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを最初に取得する。受信器はさらに、フィードバック情報及びチャネル行列Hに従って出現角ベクトル情報を計算し、第2既定反復関数を用いてチャネル行列H、出現角ベクトル情報、TrBB、TrIF、及びTrRFを処理して、RxBB、RxIF、及びRxRFを取得する。
【0160】
例示的に図13に示されるように、本発明のこの実施形態は、マルチレベル構成においてビームフォーミング行列を構築する方法を提供する。
【0161】
501:受信器が、フィードバック情報に従って、チャネル行列H、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得する。
【0162】
502:受信器は、フィードバック情報に対してAOA(Angle−of−Arrival推定を実行して、出現角配列ベクトルセットArを取得する。
【0163】
AOA推定は、信号の出現角に基づいた位置決定アルゴリズムであり、代表的な測距ベースの位置決定アルゴリズムである。送信ノードの信号の出現角が、いくつかのハードウェアデバイスを用いて検知される。受信ノード及びアンカーノードの相対的な位置又は角度が計算され、次に、未知のノードの位置を計算するのに三角測量法又は別の方式が用いられる。信号AOAに基づいた位置決定アルゴリズムは、無線センサネットワークノードの一般的な自己位置決定アルゴリズムであり、このアルゴリズムは、通信オーバーヘッドが少なく、比較的高い位置決定精度を有する。
【0164】
503:受信器は、TrBB、TrIF、及びTrRFを固定し、初期化を実行し、受信器の最適行列セットRxMMSE=H・RxBB・RxIF・RxRFを計算する。
【0165】
さらに、初期化が実行される前に、チャネルを通過した信号y=H・TrRF・TrIF・TrBB・s(t)+n(t)がさらに取得され得る。ここでHはチャネル行列を示し、s(t)は入力のシングルストリーム信号又はマルチストリーム信号を示し、n(t)はガウス型ホワイトノイズを示す。
【0166】
504:受信器は、第2既定反復関数式を用いて、RxMMSEを更新する。
【0167】
具体的には、受信器は最初に関数kr=fr(x)を構成し「出現角ベクトルセットAr」から適切なベクトルを選択する。
【0168】
最初に、コスト関数f(x)=(A・E[yy]・RxMMSEが構成される。コスト関数数k=argmax(f(x)・(f(x)))が、適切なベクトルをAから選択するのに用いられ、RF及びIFのセット
【数4】
を形成する。
【0169】
さらに、受信器は、Rxanを用い、MMSE基準に基づいて、ベースバンドプリコーディング行列RxBBを推定する。
【0170】
MMSE(Minimum Mean Square Error、最小平均二乗誤)が重み値係数を最適化するのに用いられ、最小平均二乗誤差という意味で最適なスペクトル推定を取得する。
【0171】
さらに、受信器は、
【数5】
を更新する。
【0172】
具体的には、受信器はRxMMSEを更新し、指示変数kkがNRFより大きいかどうかを決定する。指示変数kkがNRFより大きくない場合、段階503に戻り、要件が満たされるまで反復推定を続ける。
【0173】
505:受信器はRxBBを固定し、RxanにSVD分解を実行し、RxIFとして右特異行列を選択し、RxRFとして左特異行列を選択する。
【0174】
具体的には、RxBBが固定され、Rxanに分解が実行され、RxIF及びRxRFを別々に取得する。このスキームでは、SVD分解がRxanに実行され、右特異行列がRxIFとして選択され、左特異行列がRxRFとして選択される。
【0175】
506:受信器は正規化処理を実行して、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、及び受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFを取得する。
【0176】
本発明のこの実施形態において、(・)は共役転置を示し、
【数6】
は、ユニタリ不変ノルムを示すことが留意されるべきである。
【0177】
従って、受信器は、送信器により送信されたフィードバック情報に従って、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、及び受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFを取得する。
【0178】
303:送信器は、第1データストリームを取得し、TrBBに従って第1データストリームにプリコーディング処理を実行して第1アナログ信号を生成する。
【0179】
本発明のこの実施形態において、送信器は、送信器プリコーディングユニット、送信器中間周波数ビームフォーミングユニット、送信器無線周波数ビームフォーミングユニット、及び送信器フィードバックユニットを含む。
【0180】
具体的には、送信器プリコーディングユニットは第1データストリームを取得し、データストリームはN個の情報ストリームを含み得て、送信器プリコーディングユニットは第1データストリームをTrBBでさらに乗算する。次に送信器プリコーディングユニットは、TrBBで乗算された後に取得される第1データストリームにデジタル/アナログ変換処理を実行して第1アナログ信号を生成する。
【0181】
好ましくは、送信器プリコーディングユニットは、第1送受信器、第1プロセッサ、及びACコンバータを含む。第1送受信器は、第1データストリームを受信し、第1データストリームを第1プロセッサに送信するよう構成される。第1プロセッサは、第1データストリームをTrBBで乗算するよう構成される。DACコンバータは、TrBBで乗算された後に取得される第1データストリームにデジタル/アナログ変換処理を実行して第1アナログ信号を生成する。
【0182】
304:送信器は、TrIFに従って第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する。
【0183】
具体的には、送信器プリコーディングユニットが第1アナログ信号を生成した後に、送信器中間周波数ビームフォーミングユニットは、第1アナログ信号に中間周波数エンドアップコンバート処理を実行する。次に送信器中間周波数ビームフォーミングユニットは、TrIFに従って、アップコンバートを経た第1アナログ信号に重み付け処理を実行する。送信器中間周波数ビームフォーミングユニットはさらに、重み付け処理を経た第1アナログ信号に電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する。
【0184】
好ましくは、送信器中間周波数ビームフォーミングユニットは、第1周波数混合器、第1位相調整器、及び第1電力増幅器が直列に接続された少なくとも1つのグループを含む。第1周波数混合器は、送信器により、第1アナログ信号にアップコンバート処理を実行するよう構成される。第1位相調整器は、TrIFに従って、アップコンバートを経た第1アナログ信号に重み付け処理を実行するよう構成される。第1電力増幅器は、重み付け処理を経た第1アナログ信号に電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成するよう構成される。
【0185】
さらに、送信器によりTrIFに従って、アップコンバートを経た第1アナログ信号に重み付け処理を実行する段階は、送信器によりTrIFに従って、アップコンバートを経た第1アナログ信号に振幅重み付けを実行する段階、又は送信器によりTrIFに従って、アップコンバートを経た第1アナログ信号に位相重み付けを実行する段階、又は送信器によりTrIFに従って、アップコンバートを経た第1アナログ信号に振幅重み付け及び位相重み付けを実行する段階を含み得る。
【0186】
305:送信器は、TrRFに従って第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する。
【0187】
具体的には、送信器中間周波数ビームフォーミングユニットが第2アナログ信号を生成した後に、送信器無線周波数ビームフォーミングユニットは、第2アナログ信号に無線周波数エンドアップコンバート処理を実行する。次に送信器無線周波数ビームフォーミングユニットは、TrRFに従って、アップコンバートを経た第2アナログ信号に重み付け処理を実行する。送信器無線周波数ビームフォーミングユニットはさらに、重み付け処理を経た第2アナログ信号に電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する。
【0188】
好ましくは、送信器無線周波数ビームフォーミングユニットは、第2周波数混合器、第2位相調整器、及び第2電力増幅器が直列に接続された少なくとも1つのグループを含む。第2周波数混合器は、第2アナログ信号にアップコンバート処理を実行するよう構成される。第2位相調整器は、TrRFに従って、アップコンバートを経た第2アナログ信号に重み付け処理を実行するよう構成される。第2電力増幅器は、重み付け処理を経た第2アナログ信号に電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成するよう構成される。
【0189】
306:送信器は、第3アナログ信号に一致するアンテナ配列を決定し、第3アナログ信号に一致するアンテナ配列を用いて、第3アナログ信号を受信器に送信する。
【0190】
従って、3つの処理プロセス、つまり、ベースバンドプリコーディング処理、中間周波数ビームフォーミング処理、及び無線周波数ビームフォーミング処理を経た受信済み第1データストリームを、送信器は受信器に送信する。これにより、ビーム方向及びビーム幅の精度が、ハードウェア実装の複雑度を低減させることに基づいて、同時に制御される。
【0191】
307:受信器は、第1アナログ信号を取得し、RxRFに従って第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する。
【0192】
本発明のこの実施形態において、受信器は、受信器フィードバックユニット、受信器無線周波数ビームフォーミングユニット、受信器中間周波数ビームフォーミングユニット、及び受信器プリコーディングユニットを含む。
【0193】
具体的には、受信器無線周波数ビームフォーミングユニットは、アンテナ配列から第1アナログ信号を取得し、RxRFに従って第1アナログ信号に重み付け処理をさらに実行する。次に受信器無線周波数ビームフォーミングユニットは、重み付け処理を経た第1アナログ信号に電力増幅処理を実行する。最後に受信器無線周波数ビームフォーミングユニットは、電力増幅処理を経た第1アナログ信号に無線周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第2アナログ信号を生成する。
【0194】
好ましくは、受信器無線周波数ビームフォーミングユニットは、第3位相調整器、第3電力増幅器、及び第3周波数混合器が直列に接続された少なくとも1つのグループを含む。第3位相調整器は、RxRFに従って第1アナログ信号に重み付け処理を実行するよう構成される。第3電力増幅器は、重み付け処理を経た第1アナログ信号に電力増幅処理を実行するよう構成される。第3周波数混合器は、電力増幅処理を経た第1アナログ信号に無線周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第2アナログ信号を生成するよう構成される。
【0195】
308:受信器は、RxIFに従って第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する。
【0196】
具体的には、受信器無線周波数ビームフォーミングユニットが第2アナログ信号を生成した後に、受信器中間周波数ビームフォーミングユニットは、RxIFに従って第2アナログ信号に重み付け処理を実行する。受信器中間周波数ビームフォーミングユニットは、重み付け処理を経た第2アナログ信号に電力増幅処理をさらに実行する。最後に受信器中間周波数ビームフォーミングユニットは、電力増幅処理を経た第2アナログ信号に中間周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第3アナログ信号を生成する。
【0197】
さらに、受信器中間周波数ビームフォーミングユニットにより、RxIFに従って第2アナログ信号に重み付け処理を実行する段階は、受信器により、RxIFに従って第2アナログ信号に振幅重み付けを実行する段階、又は受信器により、RxIFに従って第2アナログ信号に位相重み付けを実行する段階、又は受信器により、RxIFに従って第2アナログ信号に振幅重み付け及び位相重み付けを実行する段階を含み得る。
【0198】
好ましくは、受信器中間周波数ビームフォーミングユニットは、第4位相調整器、第4電力増幅器、及び第4周波数混合器が直列に接続された少なくとも1つのグループを含む。第4位相調整器は、RxIFに従って第2アナログ信号に重み付け処理を実行するよう構成される。第4電力増幅器は、重み付け処理を経た第2アナログ信号に電力増幅処理を実行するよう構成される。第4周波数混合器は、電力増幅処理を経た第2アナログ信号にダウンコンバート処理を実行して第3アナログ信号を生成するよう構成される。
【0199】
309:受信器は、RxBBに従って第3アナログ信号にエンコード処理を実行して第2データストリームを生成する。
【0200】
具体的には、受信器中間周波数ビームフォーミングユニットが第3アナログ信号を生成した後に、受信器プリコーディングユニットは第3アナログ信号をデジタル信号に変換する。受信器プリコーディングユニットは、RxBBに従って、デジタル信号に変換された第3アナログ信号に重み付け処理をさらに実行して第2データストリームを取得する。第2データストリームは、レイヤマッピング解除を実行するのに用いられる。
【0201】
好ましくは、受信器プリコーディングユニットは、第2DACコンバータ及び第3プロセッサを含む。第2DACコンバータは、第3アナログ信号をデジタル信号に変換するよう構成される。第3プロセッサは、RxBBに従って、デジタル信号に変換された第3アナログ信号に重み付け処理を実行して第2データストリームを取得するよう構成される。
【0202】
従って、3つの処理プロセス、つまり、無線周波数ビームフォーミング処理、中間周波数ビームフォーミング処理、及びベースバンドプリコーディング処理を経た受信済み第1データストリームを、受信器は送信器に送信する。従来技術と比較すると、この解決手段は複数の側面において複数の有益な効果をもたらし得る。第1に、3段階構成を用いるビーム制御に必要とされるADC/DACの数が低減される。ビーム制御は2つの場合において実行されると考えられる。場合1では3段階ビーム制御が用いられ、場合2では2段階ビーム制御が用いられる。2つの場合に対応する無線周波数ビームフォーミング行列は、同一次元を有すると考えられる。場合1では、比較的小さいプリコーディング行列がベースバンド部分に用いられ、重み付け処理が中間周波数エンド分の信号に実行され、これにより、配列の次元はさらに増大し得る。場合2では、ベースバンドプリコーディング行列が処理に直接用いられる。比較から分かるように、場合1で必要とされるADC/DACの数は、場合2で必要とされる数より少ない。第2に、各チャネルについて、複雑な要件に従って必要利得が簡便に調整され得る。前述の方法から分かるように、各データストリームでは、IF処理及びRF処理によって利得の調整が柔軟に実行され得て、ここでは、IF出力ポートの数を調整することで利得の調整が実行され得る。第3に、ビーム方向の誤差がより小さく、さらに、3段階ビーム制御が用いられる場合、2段階ビーム制御との違いは、もう1段階のビーム制御が中間周波数エンドに追加されることであり、重み付け方式には以下の形式、つまり(1)振幅重み付け及び位相重み付け、(2)振幅重み付け、及び(3)位相重み付け、のうち1つが選択され得る。比較から分かるように、3段階ビーム制御システムでより正確なビーム方向が取得され、誤差がより小さくなる。第4に、この解決手段では、ユーザの実際の要件に従って段階数が選択され得て、ユーザの実際の要件に従って各段階のスイッチが制御され、ビーム方向を制御すべく段階1/段階2/段階3が別々に選択され得る。
【0203】
本発明のこの実施形態において提供されるビームフォーミングを用いた通信方法に従って、3段階構成を有するマルチビームシステムを用い、ハードウェア実装の複雑度を低減させることに基づいて、ビーム方向及びビーム幅が同時に制御される。これにより、ビーム制御に必要とされるADC/DACの数が低減されるだけでなく、中間周波数ポート及び無線周波数ポートの数を調整することで利得の調整も実行され得る。
【0204】
簡便且つ簡潔な説明という目的のために、前述の複数の機能モジュールの分割が説明の一例と受け取られることが、当業者により明確に理解され得る。実際の応用において、前述の複数の機能は、異なる複数の機能モジュールに割り当てられ、要件に従って実装され得る。つまり、装置の内部構造は異なる複数の機能モジュールに分割され、上述された複数の機能の全て又はいくつかを実装する。前述のシステム、装置、及びユニットの詳細な動作プロセスについては、前述の方法の複数の実施形態において対応するプロセスが参照され得るので、詳細はここで改めて説明されない。
【0205】
本願において提供されるいくつかの実施形態において、開示されるシステム、装置、及び方法は、他方式で実装され得ることが理解されるべきである。例えば、説明された装置の実施形態は、単に例示に過ぎない。例えば、モジュール又はユニットの分割は、単に論理的な機能の分割であって、実際の実装においてはその他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又は構成要素が、別のシステムに組み合わされても統合されてもよい。又は、いくつかの特徴が無視されても実行されなくてもよい。さらに、表示された又は論じられた複数の相互結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインタフェースを介して実装され得る。複数の装置間又は複数のユニット間の複数の間接結合又は複数の通信接続は、電子的形態、機械的形態、又は他形態で実装されてよい。
【0206】
別個の部分として説明された複数のユニットは、物理的に別個であってもなくてもよく、ユニットとして表示される複数の部分は、物理的なユニットであってもなくてもよく、1つの場所に配置されていても、複数のネットワークユニット上に分散していてもよい。複数のユニットのいくつか又は全ては、複数の実施形態の複数の解決手段の目的を実現すべく、実際の要求に従って選択されてよい。
【0207】
さらに、本発明の複数の実施形態の複数の機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてよく、又は複数のユニットのそれぞれは物理的に単独で存在してよく、又は2つ又はそれより多いユニットが1つのユニットに統合される。統合ユニットはハードウェアの形態で実装されても、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装されてもよい。
【0208】
統合ユニットがソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、別個の製品として販売されるか用いられる場合、統合ユニットはコンピュータ可読記憶媒体に格納され得る。そのような理解に基づいて、本発明の複数の技術的解決手段は、本質的に又は部分的に従来技術に寄与する、あるいは、複数の技術的解決手段に全て又は一部がソフトウェア製品の形態で実装されてよい。 ソフトウェア製品は記憶媒体に格納され、コンピュータデバイス(これは、パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイスであってよい)、又はプロセッサに、本発明の複数の実施形態において説明される複数の方法の複数の段階の全て又は一部を実行するよう指示するための複数の命令を含む。前述の記憶媒体は、プログラムコードを格納し得るあらゆる媒体を含み、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリメモリ(ROM、Read−Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、又は光ディスクなどがある。
【0209】
前述の説明は、単に本発明の特定の実装態様に過ぎず、本発明の保護範囲を制限するよう意図されるものではない。本発明において開示される技術的範囲内で、当業者によって容易に考え出される何らかの変形例および置換例は、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。故に、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
(項目1)
送信器プリコーディングモジュールと、送信器中間周波数ビームフォーミングモジュールと、送信器無線周波数ビームフォーミングモジュールと、アンテナ配列モジュールと、送信器フィードバックモジュールとを備える送信器であって、
上記送信器フィードバックモジュールは、受信器からのフィードバック情報に従って、送信器プリコーディング行列TrBBと、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIFと、送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFとを取得し、上記フィードバック情報はチャネル行列Hと離脱角ベクトル情報とを含み、
上記送信器プリコーディングモジュールは、第1データストリームを取得し、TrBBに従って上記第1データストリームにプリコーディング処理を実行して第1アナログ信号を生成し、上記第1データストリームは、送信されるビットストリームがスクランブルをかけられレイヤマッピングを経た後に生成され、
上記送信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは、TrIFに従って上記第1アナログ信号に重み付け処理と電力増幅処理とを実行し、第2アナログ信号を生成し、
上記送信器無線周波数ビームフォーミングモジュールは、TrRFに従って上記第2アナログ信号に重み付け処理と電力増幅処理とを実行し、第3アナログ信号を生成し、
上記アンテナ配列モジュールは、上記第3アナログ信号に一致するアンテナ配列を決定し、上記第3アナログ信号に一致する上記アンテナ配列を用いることで上記第3アナログ信号を上記受信器に送信する、
送信器。
(項目2)
上記送信器プリコーディングモジュールは特に、
TrBBに従って上記第1データストリームにプリコーディングを実行してプリコーディング信号を取得し、
上記プリコーディング信号にデジタル/アナログ変換処理を実行して上記第1アナログ信号を生成する、
項目1に記載の送信器。
(項目3)
上記送信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは特に、
中間周波数エンドアップコンバート処理を上記第1アナログ信号に実行し、
中間周波数エンドアップコンバート処理を経た上記第1アナログ信号に、TrIFに従って重み付け処理を実行し、
重み付け処理を経た上記第1アナログ信号に電力増幅処理を実行して上記第2アナログ信号を生成する、
項目1又は2に記載の送信器。
(項目4)
上記送信器無線周波数ビームフォーミングモジュールは特に、
無線周波数エンドアップコンバート処理を上記第2アナログ信号に実行し、
無線周波数エンドアップコンバート処理を経た上記第2アナログ信号に、TrRFに従って重み付け処理を実行し、
重み付け処理を経た上記第2アナログ信号に電力増幅処理を実行して上記第3アナログ信号を生成する、
項目1から3の何れか一項に記載の送信器。
(項目5)
上記送信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは特に、アップコンバート処理を経た上記第1アナログ信号に、TrIFに従って重み付け処理を実行し、
上記重み付け処理の方式は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つである、
項目1から4の何れか一項に記載の送信器。
(項目6)
上記送信器フィードバックモジュールは特に、
上記フィードバック情報に従って、上記チャネル行列H及び上記離脱角ベクトル情報を取得し、
第1既定反復関数を用いることで、上記チャネル行列H及び上記離脱角ベクトル情報を処理してTrBB、TrIF、及びTrRFを取得する、
項目1から5の何れか一項に記載の送信器。
(項目7)
受信器プリコーディングモジュールと、受信器中間周波数ビームフォーミングモジュールと、受信器無線周波数ビームフォーミングモジュールと、受信器フィードバックモジュールとを備える受信器であって、
上記受信器フィードバックモジュールは、送信器からのフィードバック情報に従って、受信器プリコーディング行列RxBBと、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIFと、受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFとを取得し、
上記フィードバック情報は、チャネル行列H、出現角ベクトル情報、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを含み、
上記受信器無線周波数ビームフォーミングモジュールは、第1アナログ信号を取得し、RxRFに従って上記第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成し、
上記受信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは、上記第2アナログ信号にRxIFに従って重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成し、
上記受信器プリコーディングモジュールは、RxBBに従って上記第3アナログ信号にエンコード処理を実行して第2データストリームを生成し、上記第2データストリームはレイヤマッピング解除を実行するのに用いられる、
受信器。
(項目8)
上記受信器無線周波数ビームフォーミングモジュールは特に、
RxRFに従って上記第1アナログ信号に重み付け処理を実行し、
重み付け処理を経た上記第1アナログ信号に、上記受信器により電力増幅処理を実行し、
電力増幅処理を経た上記第1アナログ信号に無線周波数エンドダウンコンバート処理を実行して上記第2アナログ信号を生成する、
項目7に記載の受信器。
(項目9)
上記受信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは特に、
RxIFに従って上記第2アナログ信号に重み付け処理を実行し、
重み付け処理を経た上記第2アナログ信号に、上記受信器により電力増幅処理を実行し、
電力増幅処理を経た上記第2アナログ信号に中間周波数エンドダウンコンバート処理を実行して上記第3アナログ信号を生成する、
項目7又は8に記載の受信器。
(項目10)
上記受信器プリコーディングモジュールは特に、
上記第3アナログ信号をデジタル信号に変換し、
RxBBに従って、上記デジタル信号に変換された上記第3アナログ信号に重み付け処理を実行して、上記第2データストリームを取得する、
項目7から9の何れか一項に記載の受信器。
(項目11)
上記受信器中間周波数ビームフォーミングモジュールは特に、RxIFに従って上記第2アナログ信号に重み付け処理を実行し、
上記重み付け処理の方式は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つである、
項目7から10の何れか一項に記載の受信器。
(項目12)
上記受信器フィードバックモジュールは特に、
上記フィードバック情報内にある上記チャネル行列H、上記出現角ベクトル情報、TrBB、TrIF、及びTrRFを取得し、
第2既定反復関数を用いて、上記チャネル行列H、上記出現角ベクトル情報、TrBB、TrIF、及びTrRFを処理し、RxBB、RxIF、及びRxRFを取得する、
項目7から11の何れか一項に記載の受信器。
(項目13)
第1プロセッサと、第2プロセッサと、第1送受信器と、第2送受信器と、DACコンバータと、第1周波数混合器と、第2周波数混合器と、第1位相調整器と、第2位相調整器と、第1電力増幅器と、第2電力増幅器とを備える送信器であって、
上記第1送受信器は上記第1プロセッサに接続され、上記第1プロセッサは上記DACコンバータに接続されて送信器プリコーディング処理ブランチを形成し、上記第1送受信器は、第1データストリームを受信し、上記第1データストリームを上記第1プロセッサに送信し、
上記第1プロセッサは上記第1データストリームをTrBBで乗算し、
上記DACコンバータは、TrBBで乗算された後に取得される上記第1データストリームにデジタル/アナログ変換処理を実行して第1アナログ信号を生成し、上記第1データストリームは、送信されるビットストリームがスクランブルをかけられレイヤマッピングを経た後に生成され、
上記第1周波数混合器は上記第1位相調整器に接続され、上記第1位相調整器は上記第1電力増幅器に接続されて送信器中間周波数処理ブランチを形成し、上記第1周波数混合器は、上記送信器により、中間周波数アップコンバート処理を上記第1アナログ信号に実行し、
上記第1位相調整器は、TrIFに従って、中間周波数アップコンバート処理を経た上記第1アナログ信号に重み付け処理を実行し、
上記第1電力増幅器は、重み付け処理を経た上記第1アナログ信号に電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成し、
上記第2周波数混合器は上記第2位相調整器に接続され、上記第2位相調整器は上記第2電力増幅器に接続されて送信器無線周波数処理ブランチを形成し、上記第2周波数混合器は上記第2アナログ信号に無線周波数アップコンバート処理を実行し、
上記第2位相調整器は、TrRFに従って、無線周波数アップコンバート処理を経た上記第2アナログ信号に重み付け処理を実行し、
上記第2電力増幅器は、重み付け処理を経た上記第2アナログ信号に電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成し、
上記第2送受信器は上記第2プロセッサに接続されて送信器フィードバックブランチを形成し、上記第2送受信器は、フィードバック情報に従ってチャネル行列Hを取得し、
上記第2プロセッサは、上記チャネル行列H及び上記フィードバック情報に従って離脱角ベクトル情報を計算し、第1既定反復関数を使用することで上記チャネル行列H及び上記離脱角ベクトル情報を処理して、TrBB、TrIF、及びTrRFを取得する、
送信器。
(項目14)
上記第1位相調整器は特に、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つを、アップコンバート処理を経た上記第2アナログ信号に実行する、
項目13に記載の送信器。
(項目15)
第1位相調整器と、第2位相調整器と、第1電力増幅器と、第2電力増幅器と、第1周波数混合器と、第2周波数混合器と、DACコンバータと、第1プロセッサと、第2プロセッサと、第1送受信器とを備える受信器であって、
上記第1位相調整器は上記第1電力増幅器に接続され、上記第1電力増幅器は上記第1周波数混合器に接続されて受信器無線周波数処理ブランチを形成し、上記第1位相調整器は、RxRFに従って第1アナログ信号に重み付け処理を実行し、
上記第1電力増幅器は、重み付け処理を経た上記第1アナログ信号に電力増幅処理を実行し、
上記第1周波数混合器は、電力増幅処理を経た上記第1アナログ信号に無線周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第2アナログ信号を生成し、
上記第2位相調整器は上記第2電力増幅器に接続され、上記第2電力増幅器は上記第2周波数混合器に接続されて受信器中間周波数処理ブランチを形成し、上記第2位相調整器は、RxIFに従って上記第2アナログ信号に重み付け処理を実行し、
上記第2電力増幅器は、重み付け処理を経た上記第2アナログ信号に電力増幅処理を実行し、
上記第2周波数混合器は、電力増幅処理を経た上記第2アナログ信号に中間周波数エンドダウンコンバート処理を実行して第3アナログ信号を生成し、
上記DACコンバータは上記第1プロセッサに接続されて受信器プリコーディング処理ブランチを形成し、上記DACコンバータは上記第3アナログ信号をデジタル信号に変換し、
上記第1プロセッサは、上記デジタル信号に変換された上記第3アナログ信号に、RxBBに従って重み付け処理を実行して第2データストリームを取得し、上記第2データストリームはレイヤマッピング解除を実行するのに使用され、
上記第1送受信器は上記第2プロセッサに接続されて受信器フィードバックブランチを形成し、上記第1送受信器は、フィードバック情報内にあるチャネル行列H、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF,及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得し、
上記第2プロセッサは、上記フィードバック情報及び上記チャネル行列Hに従って出現角ベクトル情報を計算し、第2既定反復関数を用いて上記チャネル行列H、上記出現角ベクトル情報、TrBB、TrIF、及びTrRFを処理してRxBB、RxIF、及びRxRFを取得する、
受信器。
(項目16)
上記第2位相調整器は特に、RxIFに従って、上記受信器により、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つを上記第2アナログ信号に実行する、
項目15に記載の受信器。
(項目17)
ビームフォーミングを用いた通信方法であって、
送信器により、受信器からのフィードバック情報に従って、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得する段階であって、上記フィードバック情報はチャネル行列H及び離脱角ベクトル情報を含む、取得する段階と、
上記送信器により、第1データストリームを取得し、TrBBに従って上記第1データストリームにプリコーディング処理を実行して第1アナログ信号を生成する段階であって、上記第1データストリームは、送信されるビットストリームがスクランブルをかけられレイヤマッピングを経た後に生成される、生成する段階と、
上記送信器により、TrIFに従って上記第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する段階と、
上記送信器により、TrRFに従って上記第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する段階と、
上記送信器により、上記第3アナログ信号に一致するアンテナ配列を決定し、上記第3アナログ信号に一致する上記アンテナ配列を用いて、上記第3アナログ信号を上記受信器に送信する段階と、
を備える、
方法。
(項目18)
TrBBに従ってプリコーディング処理を実行して第1アナログ信号を生成する上記段階は、
上記送信器により、TrBBに従って上記第1データストリームにプリコーディングを実行してプリコーディング信号を取得する段階と、
上記送信器により、上記プリコーディング信号にデジタル/アナログ変換処理を実行して上記第1アナログ信号を生成する段階と、
を有する、
項目17に記載の方法。
(項目19)
上記送信器により、TrIFに従って上記第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する上記段階は、
上記送信器により、中間周波数エンドアップコンバート処理を上記第1アナログ信号に実行する段階と、
上記送信器によりTrIFに従って、中間周波数エンドアップコンバート処理を経た上記第1アナログ信号に重み付け処理を実行する段階と、
上記送信器により、重み付け処理を経た上記第1アナログ信号に電力増幅処理を実行して上記第2アナログ信号を生成する段階と、
を有する、
項目17又は18に記載の方法。
(項目20)
上記送信器により、TrRFに従って上記第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する上記段階は、
上記送信器により、無線周波数エンドアップコンバート処理を上記第2アナログ信号に実行する段階と、
上記送信器によりTrRFに従って、無線周波数エンドアップコンバート処理を経た上記第2アナログ信号に重み付け処理を実行する段階と、
上記送信器により、重み付け処理を経た上記第2アナログ信号に電力増幅処理を実行して上記第3アナログ信号を生成する段階と、
を有する、
項目17から19の何れか一項に記載の方法。
(項目21)
上記送信器は、TrIFに従って、アップコンバート処理を経た上記第1アナログ信号に重み付け処理を実行し、上記重み付け処理の方式は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つである、
項目17から20の何れか一項に記載の方法。
(項目22)
送信器により計算を通じて、受信器からのフィードバック情報に従って、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを取得する上記段階は、
上記送信器により、上記フィードバック情報に従って上記チャネル行列H及び上記離脱角ベクトル情報を取得する段階と、
上記送信器により、第1既定反復関数を用いて上記チャネル行列H及び上記離脱角ベクトル情報を処理して、TrBB、TrIF、及びTrRFを取得する段階と、
を有する、
項目17から21の何れか一項に記載の方法。
(項目23)
ビームフォーミングを用いた通信方法であって、
受信器により、送信器からのフィードバック情報に従って、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFを取得する段階であって、上記フィードバック情報はチャネル行列H、出現角ベクトル情報、送信器プリコーディング行列TrBB、送信器中間周波数ビームフォーミング行列TrIF、及び送信器無線周波数エンドビームフォーミング行列TrRFを含む、取得する段階と、
上記受信器により第1アナログ信号を取得し、RxRFに従って上記第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する段階と、
上記受信器により、RxIFに従って上記第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する段階と、
上記受信器により、RxBBに従って上記第3アナログ信号にエンコード処理を実行して第2データストリームを生成する段階であって、上記第2データストリームはレイヤマッピング解除を実行するのに用いられる、生成する段階と、
を備える、
方法。
(項目24)
RxRFに従って上記第1アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第2アナログ信号を生成する上記段階は、
上記受信器により、RxRFに従って上記第1アナログ信号に重み付け処理を実行する段階と、
上記受信器により、重み付け処理を経た上記第1アナログ信号に電力増幅処理を実行する段階と、
上記受信器により、電力増幅処理を経た上記第1アナログ信号に無線周波数エンドダウンコンバート処理を実行して上記第2アナログ信号を生成する段階と、
を有する、
項目23に記載の方法。
(項目25)
上記受信器により、RxIFに従って上記第2アナログ信号に重み付け処理及び電力増幅処理を実行して第3アナログ信号を生成する上記段階は、
上記受信器により、RxIFに従って上記第2アナログ信号に重み付け処理を実行する段階と、
上記受信器により、重み付け処理を経た上記第2アナログ信号に電力増幅処理を実行する段階と、
上記受信器により、電力増幅処理を経た上記第2アナログ信号に中間周波数エンドダウンコンバート処理を実行して上記第3アナログ信号を生成する段階と、
を有する、
項目23又は24に記載の方法。
(項目26)
上記受信器により、RxBBに従って上記第3アナログ信号にエンコード処理を実行して第2データストリームを生成する上記段階は、
上記受信器により、上記第3アナログ信号をデジタル信号に変換する段階と、
上記受信器によりRxBBに従って、上記デジタル信号に変換された上記第3アナログ信号に重み付け処理を実行して上記第2データストリームを取得する段階と、
を有する、
項目23から25の何れか一項に記載の方法。
(項目27)
上記受信器は、RxIFに従って上記第2アナログ信号に重み付け処理を実行し、上記重み付け処理の方式は、振幅重み付け及び位相重み付け、振幅重み付け、並びに位相重み付けのうち何れか1つである、
項目23から26の何れか一項に記載の方法。
(項目28)
受信器により計算を通じて、送信器からのフィードバック情報に従って、受信器プリコーディング行列RxBB、受信器中間周波数ビームフォーミング行列RxIF、及び受信器無線周波数エンドビームフォーミング行列RxRFを取得する上記段階は、
上記受信器により、上記フィードバック情報内にある上記チャネル行列H、上記出現角ベクトル情報、TrBB,TrIF,及びTrRFを取得する段階と、
上記受信器により、第2既定反復関数を用いて上記チャネル行列H、上記出現角ベクトル情報、TrBB,TrIF,及びTrRFを処理して、RxBB,RxIF,及びRxRFを取得する段階と、
を有する、
項目23から27の何れか一項に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12
図13