特許第6202511号(P6202511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6202511
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】食パン用簡易スライス補助器
(51)【国際特許分類】
   B26B 29/06 20060101AFI20170914BHJP
   B26D 7/01 20060101ALI20170914BHJP
   A47J 43/28 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   B26B29/06
   B26D7/01 C
   A47J43/28
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-16505(P2017-16505)
(22)【出願日】2017年2月1日
【審査請求日】2017年2月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516217686
【氏名又は名称】▲高▼橋 好仁
(74)【代理人】
【識別番号】100115303
【弁理士】
【氏名又は名称】岩永 和久
(72)【発明者】
【氏名】高橋 好仁
(72)【発明者】
【氏名】高橋 かおり
(72)【発明者】
【氏名】高橋 有香
(72)【発明者】
【氏名】中村 彩香
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0095191(US,A1)
【文献】 特開2003−311684(JP,A)
【文献】 実開昭58−170000(JP,U)
【文献】 実開昭58−075696(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 29/06
A47J 43/28
B26D 7/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口され、パン片を投入可能な開口部を有し、
所定の間隔をもって略平行に対向配置されて前記開口部が形成され、投入されたパン片に外側から内側への押圧力を伝えることができ、パン片を切断する際のズレを防ぐためにパン片を挟持する柔軟な素材又は材質よりなる平板矩形状の一対の挟持板と、
前記一対の挟持板の各々と外側から固着されており、所定の間隔をもって略平行に対向配置されて前記開口部が形成され、投入されたパン片を切断するパン切り包丁を前記挟持板と略平行な方向にガイドする間隙部が略中央に形成された前記挟持板に対して強固な素材又は材質よりなる一対の側枠板と、
少なくとも前記側枠板が固着された基台板と、
で筐体が構成され、
前記筐体の各側面のうち、前記挟持板及び前記基台板で構成される少なくとも一側面が平坦である食パン用簡易スライス補助器。
【請求項2】
前記挟持板及び前記側枠板は、前記挟持板の方が薄板であり、前記側枠板の方が厚板である請求項1記載の食パン用簡易スライス補助器。
【請求項3】
前記挟持板及び/又は前記側枠板は、透明又は半透明である請求項1又は2記載の食パン用簡易スライス補助器。
【請求項4】
前記側枠板の下端部には開口孔が形成されている請求項1から3のいずれか記載の食パン用簡易スライス補助器。
【請求項5】
前記基台板の上部に、前記間隙部と連なり前記間隙部と略直交する溝が設けられている請求項1から4のいずれか記載の食パン用簡易スライス補助器。
【請求項6】
前記基台板の上部に、前記間隙部と連なり前記間隙部と略直交する溝が形成される下板が設けられている請求項1から4のいずれか記載の食パン用簡易スライス補助器。
【請求項7】
前記一対の挟持板内に挿入して使用する一対の調整板を有する請求項1から6のいずれか記載の食パン用簡易スライス補助器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、市販の5枚切り食バン及び6枚切り食パンを、手軽にサンドウィッチ等用に半分の厚さに切るための補助器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
市販されている食パンスライサーは、一斤サイズ等の食パンを好みの厚さに切るために、縦に置いて横切りするか、横に置いて縦切りするものである。また、市販の5枚切り食パン及び6枚切り食パンを半分の厚さに切るためには、多くの場合、食パンを寝かせて、目視で少しずつ横切りしているのが現状である。
【0003】
一方で、市販の食パンを半分に切ることができる器具として、特許文献1〜4に記載のものが提案されている。特許文献1の食パン薄切具は、開閉可能な挟持板の内面にパン片を挿入し把持片を握り締めながらナイフで押し切りするものである。特許文献2〜4も、特許文献1と同様の機能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭50−19567号公報
【特許文献2】米国特許第5,946,998号
【特許文献3】米国特許第2,429,756号
【特許文献4】米国特許第2,918,099号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、市販の5枚切り食パン及び6枚切り食パンを半分の厚さに切る際に、刃物による危険を伴う点、寝かせて目視で切ることが難しく食パンの厚さが均一にならない点、作業時間がかかる点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の食パン用簡易スライス補助器は、上部が開口され、パン片を投入可能な開口部を有し、所定の間隔をもって略平行に対向配置されて前記開口部が形成され、投入されたパン片に外側から内側への押圧力を伝えることができ、パン片を切断する際のズレを防ぐためにパン片を挟持する柔軟な素材又は材質よりなる平板矩形状の一対の挟持板と、前記一対の挟持板の各々と外側から固着されており、所定の間隔をもって略平行に対向配置されて前記開口部が形成され、投入されたパン片を切断するパン切り包丁を前記挟持板と略平行な方向にガイドする間隙部が略中央に形成された前記挟持板に対して強固な素材又は材質よりなる一対の側枠板と、少なくとも前記側枠板が固着された基台板と、で筐体が構成される。
【0007】
本発明によれば、上部が開口された開口部は、パン片の出し入れを容易にして作業時間の短縮となる。また、特許文献1〜4の開閉式ではパンを切る際に開閉部分が開かないよう常に閉じる力が必要となるが、本発明は開閉式ではないことからそのような配慮は不要である。パンを切る際に注力すべき点が減り、刃物による注意力や厚さを均一にする注意力が散漫することがない。
【0008】
本発明の食パン用簡易スライス補助器は、前記挟持板と前記側枠板と前記基台板とで構成される筐体の各側面が平坦であるか、各側面のうち、前記挟持板及び前記基台板で構成される少なくとも一側面が平坦である。
【0009】
本発明によれば、食パン用簡易スライス補助器の筐体は、挟持板と側枠板と基台とで構成されており、平面・底面・左側面・右側面・正面・背面の各側面が平坦であることから、寝かせる面を気にすることなく、どの面を寝かせてもパン片を容易に切断することができる。少なくとも、正面・背面の各側面が平坦であればよい。この点、特許文献1〜4では基台が位置する底面を下にして切断せざるを得ず、他の面を寝かせると基台が邪魔になるという不都合が生じる。これでは、寝かせて切ることが難しく、食パンの厚さを均一にすることが難しい場合もある。また、どの面を寝かせてもよいことで、パン片の切断を容易にして作業時間の短縮となる。
【0010】
本発明の食パン用簡易スライス補助器は、前記挟持板の方が薄板であり、前記側枠板の方が厚板である
【0011】
本発明によれば、薄板の挟持板は、挿入されたパン片に外側から内側への押圧力を伝えることができ、パン片を切断する際にパン片がパン切り包丁の進行力でズレてしまい厚みが均一にならないという弊害を防ぐことができる。また、厚板の側枠板は、食パン用簡易スライス補助器の全体強度を保持することができる。このように、機能保持の点から挟持板と側枠板の素材や材質を異ならせ、利便性の良い食パン用簡易スライス補助器を提供することができる。
【0012】
本発明の食パン用簡易スライス補助器は、前記挟持板及び/又は前記側枠板は、透明又は半透明である。
【0013】
本発明によれば、透明又は半透明の挟持板側枠板を用いることで、パン片を目視で確認しながらの切断することができる。
【0014】
本発明の食パン用簡易スライス補助器は、前記側枠板の下端部には開口孔が形成されている。
【0015】
本発明によれば、開口孔(空穴)からパン片のパンくずを容易に清掃することができ衛生的である。開口孔(空穴)は指が入る位の隙間があればよい。なお、開口孔(空穴)の隙間を互い違いに開けることで、全部開けるよりは高い違いに開けた方が補助器の強度を保つことができる。
【0016】
本発明の食パン用簡易スライス補助器は、前記基台板の上部に、前記間隙部と連なり前記間隙部と略直交する溝が設けられている。或いは、本発明の食パン用簡易スライス補助器は、前記基台板の上部に、前記間隙部と連なり前記間隙部と略直交する溝が形成される下板が設けられている。
【0017】
本発明によれば、基台板の上部に溝が設けられている、或いは、基台板の上部に溝が形成される下板が設けられていることで、間隙部と略直交する溝が存在している。これにより、パン片は溝の上部に載上する一方、パン切り包丁の刃先は溝の下端にまで到達することから、切り残しがなくパン片を完全に切断することができる。
【0018】
本発明の食パン用簡易スライス補助器は、前記一対の挟持板内に挿入して使用する一対の調整板を有する。
【0019】
本発明によれば、一対の調整板を一対の挟持板内に挿入して使用する。例えば、5枚切り食パン用の食パン用簡易スライス補助器に、2枚の調整板を使用することで、6枚切り食パンにも使用可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、5枚切り又は6枚切りというパン片の大きさに合わせて作った食パン用簡易スライス補助器は、パン片を挟んで固定して用意に半分の厚さに切ることができ、刃物による危険を回避し、寝かせて目視で切ることを容易にし、厚さの均一を保持しつつ作業時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態に係る食パン用簡易スライス補助器の斜視図。
図2】本実施形態に係る食パン用簡易スライス補助器の上面図(平面図)。
図3】本実施形態に係る食パン用簡易スライス補助器の正面図(前面図)。
図4】本実施形態に係る食パン用簡易スライス補助器の側面図。
図5】本実施形態に係る他の食パン用簡易スライス補助器の斜視図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る食パン用簡易スライス補助器について説明する。なお、食パン用簡易スライス補助器の組立て方については一例を示している。
【0023】
(イ) まず、板1(下板)の両端に板2(側枠板)を直角に接着剤で固定して、コの字状の枠を制作する。板1,板2は透明のプラスチック製であり、各々の長さは食パンの長さを目安とし、コの字状の枠の内径はパン片がゆったり挟まる寸法とする。板1,板2の奥行きは、包丁の厚さを考慮して、5枚切り食パン又は6枚切り食パンの半分の厚さより1mm程度短めにする。
【0024】
(ロ) (イ)で制作したコの字状の枠の片側面に透明のプラスチック製の板3(挟持板)を接着剤で固定する。板3(挟持板)は薄板、それに比べて板2(側枠板)は厚板である。或いは、板3(挟持板)を柔軟なプラスチック製、板2(側枠板)を木製としてもよい。
【0025】
(ハ) (ロ)で制作した部品を2個用意し、プラスチック製又は木製の板4(基台板)を底として板4の周縁に沿うように接着剤で固定する。板4の幅(奥行き)は、パン片と同じ厚みとし、高さは1cm程度、横(長辺)の長さはパン片よりやや長めである。(ロ)で制作した部品を板4に固定する際に若干の隙間ができるように板4が設計されており、この隙間が間隙部として形成される。このようにして、一対の挟持板と、一対の側枠板と、挟持板及び側枠板が固着された基台板と、が構成される。
【0026】
(ニ) パン片を補助器の上部開口から挿入して固定し、包丁やパン切りナイフを間隙部の上から挿入してパン片を切り進める。
【0027】
なお、図1図5では、板4(基台板)の上部に板1(下板)が固定されている例を示している。板4(基台板)の上部に直接溝が形成される場合には、板1(下板)がなくても、切り残しがなくパン片を完全に切断することができる。
【0028】
また、一対の板5(調整板)を一対の板3(挟持板)内に挿入して使用し、5枚切り食パン用の食パン用簡易スライス補助器が6枚切り食パンにも使用可能となる。なお、板5(調整板)の厚みは板3(挟持板)と同じである。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の食パン用簡易スライス補助器は、市販の5枚切り食パン及び6枚切り食パンを、手軽にサンドウィッチ用に半分の厚さに切ることができる。また、5枚切り用の食パン用簡易スライス補助器に、調整板を2枚入れることで6枚切り食パンにも使用可能となる。
【符号の説明】
【0030】
1 板1(下板)
2 板2(側枠板)
3 板3(挟持板)
4 板4(基台板)
5 板5(調整板)
【要約】
【課題】市販の5枚切り食パン及び6枚切り食パンをサンドウィッチ用に容易に半分の厚さに切るための食パン用簡易スライス補助器を提供する。
【解決手段】食パン用簡易スライス補助器は、上部が開口され、パン片を投入可能な開口部と、所定の間隔をもって配置されて開口部が形成され、投入されたパン片を挟持する一対の挟持板(板3)と、所定の間隔をもって配置されて開口部が形成され、投入されたパン片を切断するパン切り包丁をガイドする間隙部が略中央に形成された一対の側枠板(板2)と、挟持板(板3)及び側枠板(板2)が固着された基台板(板4)と、で構成される。基台板(板4)の上部に、間隙部と連なり間隙部と略直交する溝が形成される下板(板1)が設けられている。また、5枚切り食パン用の食パン用簡易スライス補助器に、2枚の調整板(板5)を使用することで、6枚切り食パンにも使用可能となる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5