(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判断手段は、前記リスト表示させる対象となる情報項目の数が、前記第1の表示手段に表示されるリストの表示可能項目数を超えたか否かに基づき、前記項目数を超えたとき、表示できないと判断する、請求項1に記載の電子システム。
前記表示制御手段は、前記第1の表示手段に表示できない情報項目を前記第2の表示手段にリスト表示させるとき、前記第1操作キーの表示画面を前記リストの表示画面に切り替える、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電子システム。
前記表示制御手段は、前記第1の表示手段と第2の表示手段の設置位置に基づき、上方または下方のいずれか一方あるいは左方または右方のいずれか一方に存在する前記第1または第2の表示手段から順に前記リストを表示させる、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の電子システム。
前記表示制御手段が表示させるリストは、ナビゲーション機能の検索結果リスト、マルチメディア再生機能の楽曲リスト、マルチメディア再生機能の動画リスト、放送波受信機能のプリセット周波数リスト、放送波受信機能の受信可能局リスト、電話通信機能の電話帳リスト、音声により前記複数の機能を操作する音声コマンドリスト、前記電子システムの機能リストのうち少なくとも1つを含む、請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の電子システム。
前記表示制御ステップは、前記第1の表示手段に表示できない前記情報項目を前記第2の表示手段にリスト表示させるとき、前記第1操作キーの表示画面を前記リストの表示画面に切り替える、請求項13に記載の電子システムのリスト表示方法。
前記表示制御ステップは、前記第1の表示手段に表示できない前記情報項目を前記第2の表示手段にリスト表示させるとき、前記第1操作キーの表示画面を前記リストの表示画面に切り替える、請求項16に記載の電子システムのリスト表示プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の複数のディスプレイを備えた車載システムにおいて、様々な情報をリスト形式で表示する機能を備えている。例えば、ナビゲーション装置を動作させるとき、目的地設定を行うための施設検索の際、その検索結果をリスト表示している。同様にオーディオ装置においても、再生したい楽曲を探すための楽曲検索の際、その検索結果をリスト表示している。その他、テレビやラジオなどの放送受信装置の放送局のプリセットリストや受信可能放送リスト、電話通信機能の電話帳リストなど、様々な情報をリスト形式で表示することが可能となっている。
このようなリスト表示は、上部ディスプレイを用いて行われるが、リストの表示対象となった項目全てが上部ディスプレイの1画面に表示できない場合、所定数の項目が1ページ目に表示され、それ以外の項目は、次のページ以降に表示されることになる。もし、上部ディスプレイに表示された項目から所望の項目を探し出すことができない場合には、次のページに移行するための操作が必要となる場合があり、この場合、ユーザにとって手間が生じる。
【0007】
例えば、ユーザが音声認識により都市名称検索した結果、
図1(a)に示す12件の都市名称がヒットし、上部ディスプレイに表示可能な項目数が6件であると仮定すると、上部ディスプレイには、
図1(b−1)に示す上位6件の都市名称が表示される。もし、上部ディスプレイに表示されたリストに所望の都市名称が存在しないならば、ユーザは、操作手段(スイッチ(SW1、SW2)やタッチパネル、音声入力)によって、次ページを表示するための操作を行わなければならない。この操作により、上部ディスプレイには、
図1(b−2)に示す次の6件の都市名称が表示される。一方で、上部ディスプレイがリスト表示画面になっても、下部ディスプレイは、
図1(c−1)や
図1(c−2)に示すように、オーディオ機能の操作画面が表示されたままである。
このように、従来の車載システムは、複数のディスプレイを備えているにも関わらず、その表示内容が固定的であるため、2つのディスプレイを有効的に活用しきれていないと言える。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて創作されたものであり、その目的は、複数のディスプレイを有効に活用し、複数の項目をリスト表示するときに、より多くの情報を提示することができる電子システム、リスト表示方法およびリスト表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電子システムは、複数の表示手段を備え、複数の情報項目をリスト形式で表示する電子システムであって、前記複数の情報項目をリスト形式で表示する第1の表示手段と、前記電子システムを操作するための第1操作キーを表示する第2の表示手段と、前記第1操作キーの操作または前記電子システムに予め設けた第2操作キーの操作のいずれか一方に応じて、前記複数の情報項目をリスト形式で表示するように指示する操作指示手段と、前記操作指示手段の操作に応答して、前記第1の表示手段に前記複数の情報項目をリスト表示させるとき、前記第1の表示手段の決められた領域内に全ての前記情報項目を表示できるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により、表示できないと判断された場合、前記第1の表示手段に前記情報項目をリスト表示させるとともに、前記第1の表示手段に表示できない前記情報項目を前記第2の表示手段にリスト表示させる表示制御手段と、を有する。
【0010】
好ましくは、前記判断手段は、前記リスト表示させる対象となる情報項目の数が、前記第1の表示手段に表示されるリストの表示可能項目数を超えたか否かに基づき、前記項目数を超えたとき、表示できないと判断する。
あるいは、前記リスト表示される前記情報項目数が所定数毎に1つのページを構成され、前記判断手段は、前記リストが複数のページで構成されるとき、表示できないと判断する。
【0011】
好ましくは、前記表示制御手段は、前記第1の表示手段に表示できない情報項目を前記第2の表示手段にリスト表示させるとき、前記第1操作キーの表示画面を前記リストの表示画面に切り替える。
このとき、前記表示制御手段は、前記第1の表示手段に表示できない情報項目を前記第2の表示手段にリスト表示させるとき、前記第2の表示手段に表示されている第1操作キーを画面の一部の領域に表示させ、残りの領域に前記リストを表示させる。
好ましくは、前記表示制御手段は、前記第1操作キーを画面の一部の領域に表示させるとき、前記第2の表示手段に表示されていた第1操作キーの中から選択された第1操作キーを表示させる。
【0012】
さらに、前記表示制御手段が、前記第2の表示手段に前記リストを表示させたとき、前記第2の表示手段に表示されていた前記第1操作キーの操作を、前記第2操作キーを用いて操作可能なことを案内する案内手段を、有する。
好ましくは、前記案内手段は、前記表示制御手段を制御し、前記第1または第2の表示手段に、前記操作可能なことを案内するメッセージを表示させる、
請求項7に記載の電子システム。
【0013】
さらに、移動中であるか否かを検出する検出手段を有し、前記表示制御手段は、前記検出手段により移動中であることが検出されたとき、表示制御を実行する。
また、さらに、前記検出手段により移動中であることが検出されたとき、前記第1の表示手段に表示されている画面に基づく所定の操作を無効にする操作無効化手段を有し、前記表示制御手段は、前記操作無効化手段により所定の操作が無効であるときに、表示制御を実行する。
【0014】
さらに、前記電子システムの所定の操作を音声により入力可能な音声入力手段を有し、前記操作無効化手段により、所定の操作が無効であっても、前記音声入力手段による音声操作は可能である。
【0015】
好ましくは、前記表示制御手段は、前記第1の表示手段と第2の表示手段の設置位置に基づき、上方または下方のいずれか一方あるいは左方または右方のいずれか一方に存在する前記第1または第2の表示手段から順に前記リストを表示させる。
また、前記第1の表示手段および前記第2の表示手段は、車両内のセンターコンソール部分に配置されており、前記第1操作キーは、前記第2の表示手段に表示されるソフトウェアキーであり、前記第2操作キーは、ハードウェアキーである。
【0016】
そして、前記表示制御手段が表示させるリストは、ナビゲーション機能の検索結果リスト、マルチメディア再生機能の楽曲リスト、マルチメディア再生機能の動画リスト、放送波受信機能のプリセット周波数リスト、放送波受信機能の受信可能局リスト、電話通信機能の電話帳リスト、音声により前記複数の機能を操作する音声コマンドリスト、前記電子システムの機能リストのうち少なくとも1つを含む。
【0017】
本発明の電子システムのリスト表示方法は、第1の表示手段と、第2の表示手段と、を備え、複数の情報項目をリスト形式で表示する電子システムのリスト表示方法であって、前記電子システムを操作するための第1操作キーを表示する操作キー表示ステップと、前記第1操作キーの操作または前記電子システムに予め設けた第2操作キーの操作のいずれか一方に応じて、複数の情報項目をリスト形式で表示するように指示する指示ステップと、前記指示に応答して、前記第1の表示手段の決められた領域内に全ての前記情報項目を表示できるか否かを判断する判断ステップと、前記判断結果により、表示できないと判断された場合、前記第1の表示手段に前記情報項目をリスト表示させるとともに、前記第1の表示手段に表示できない前記情報項目を前記第2の表示手段にリスト表示させる表示制御ステップと、を有する。
【0018】
好ましくは、前記表示制御ステップは、前記第1の表示手段に表示できない前記情報項目を前記第2の表示手段にリスト表示させるとき、前記第1操作キーの表示画面を前記リストの表示画面に切り替える。
あるいは、前記表示制御ステップは、前記第1の表示手段に表示できない前記情報項目を前記第2の表示手段にリスト表示させるとき、前記第1操作キーを画面の一部の領域に表示させ、残りの領域に前記リストを表示させる。
【0019】
さらに、前記表示制御ステップが前記第2の表示手段に前記リストを表示させたとき、前記第2の表示手段に表示されていた前記第1操作キーの操作を、前記第2操作キーを用いて操作可能なことを案内するステップを有する。
また、さらに、移動中であるか否かを検出するステップと、移動中であることが検出されたとき、前記第1の表示手段に表示されている画面に基づく所定の操作を無効にする無効化ステップと、を有し、前記表示制御ステップは、前記無効化ステップにより前記所定の操作が無効であるときに、表示制御を実行する。
【0020】
本発明の電子システムのリスト表示プログラムは、第1の表示手段と、第2の表示手段と、を備え、複数の情報項目をリスト形式で表示する電子システムのリスト表示プログラムであって、前記電子システムを操作するための第1操作キーを表示する操作キー表示ステップと、前記第1操作キーの操作または前記電子システムに予め設けた第2操作キーの操作のいずれか一方に応じて、複数の情報項目をリスト形式で表示するように指示する指示ステップと、前記指示に応答して、前記第1の表示手段の決められた領域内に全ての前記情報項目を表示できるか否かを判断する判断ステップと、前記判断結果により、表示できないと判断された場合、前記第1の表示手段に前記情報項目をリスト表示させるとともに、前記第1の表示手段に表示できない前記情報項目を前記第2の表示手段にリスト表示させる表示制御ステップと、を有する。
【0021】
好ましくは、前記表示制御ステップは、前記第1の表示手段に表示できない前記情報項目を前記第2の表示手段にリスト表示させるとき、前記第1操作キーの表示画面を前記リストの表示画面に切り替える。
あるいは、前記表示制御ステップは、前記第1の表示手段に表示できない前記情報項目を前記第2の表示手段にリスト表示させるとき、前記第1操作キーを画面の一部の領域に表示させ、残りの領域に前記リストを表示させる。
【0022】
さらに、前記表示制御ステップが前記第2の表示手段に前記リストを表示させたとき、前記第2の表示手段に表示されていた前記第1操作キーの操作を、前記第2操作キーを用いて操作可能なことを案内するステップを、さらに有する。
また、さらに、移動中であるか否かを検出するステップと、移動中であることが検出されたとき、前記第1の表示手段に表示されている画面に基づく所定の操作を無効にする無効化ステップと、を有し、前記表示制御ステップは、前記無効化ステップにより前記所定の操作が無効であるときに、表示制御を実行する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、複数の表示手段を備えた電子システムにおいて、複数の情報項目をリスト表示する際、1つの表示手段に全ての情報項目が表示できないとき、別の表示手段にその続きの情報項目を表示させることで、電子システムに備えられた複数の表示手段を有効的に活用し、ユーザにとって操作の手間を省くことができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の電子システムは、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット側パーソナルコンピュータ、パームトップ型コンピュータ、多機能携帯電話端末(スマートフォン)、携帯電話端末、車載システム、ナビゲーションシステムなどのうち、1つにおいて複数のディスプレイを備える装置またはシステムに実施することができ、さらに、これらの中から複数のものを組み合わせたシステムであってもよい。また、本発明の電子システムは、自動車等の移動体上に固定的に搭載されるもの、ユーザによって移動体に持ち込むことができるもの、あるいは、移動体から着脱可能なもののいずれであってもよく、さらにこれらの組合せによるシステムであってもよい。
本発明の電子システムは、ナビゲーション機能、オーディオ・ビデオデータを再生する機能を搭載するが、これ以外の機能、例えば、テレビ・ラジオ放送を受信する機能、電話通信を行う機能アプリケーションソフトウェアを実行する機能などを統合的に備えるものであってもよい。
以下の説明では、電子システムの一例として、移動体としての車両に搭載された車載システムを例にとって説明する。
【0026】
図2は、本発明の実施例に係る車載システムが車両の車内前方中央部に取り付けられている状態を示す図である。
図2(a)に示すように、1つ目のディスプレイ(第1ディスプレイ)DP1が、センターコンソールCC上部に取り付けられ、2つ目のディスプレイ(第2ディスプレイ)DP2が、センターコンソールCC中央部に取り付けられている。通常走行時には、例えば、第1ディスプレイDP1に地図画面(
図2(b))が表示され、第2ディスプレイDP2にオーディオ機能の再生情報と各種操作コマンドキーが配置された操作画面(
図2(c);通常オーディオ画面)が表示される。また、この車載システムを操作するための操作手段として、センターコンソールCC部分に各種スイッチ類SW1、ハンドル部分のステアリングリモコンスイッチSW2、第2ディスプレイDP2にタッチパネルが取り付けられている。また、図示しないマイクロフォンにより音声による操作入力も可能である。なお、上述するこれらの取り付け位置や数などは一例であることに留意すべきである。
【0027】
次に、
図3は、本発明の実施例1に係る車載システムのシステム構成例を示すブロック図である。同図に示すように、車載システムは、GPS受信機10と、自律航法センサ11と、ユーザインタフェースを構成する操作部20と、第1ディスプレイDP1に画像を表示する第1表示出力部21と、第2ディスプレイDP2に画像を表示する第2表示出力部22と、スピーカSP1から音声を出力する音声出力部23と、外部との間でデータ通信を行うデータ通信部24と、目的地までの経路案内などナビゲーション機能を実行するナビゲーション機能部(NV機能部)30と、オーディオデータやビデオデータなどのコンテンツ再生などのオーディオ機能を実行するオーディオ・ビジュアル機能部(AV機能部)31と、各種データを記憶するデータメモリ40と、各種プログラムとアプリケーションを格納するプログラムメモリ50と、車載システムの各部を制御する制御部60と、各部を接続する通信バス100と、を含んで構成される。但し、
図3に示す車載システムの構成は一例であることに留意すべきである。例えば、NV機能部30、AV機能部31の他、テレビやラジオなどの放送受信機能を実行する放送受信機能部、音声通話などの電話通信機能を実行する電話通信機能部、など各種機能を実行する機能部を統合的に備えるものであってもよい。
【0028】
GPS受信機10は、GPS衛星から配信されるGPS信号(時刻や軌道に関する情報)を受信し、受信したGPS信号を、制御部60に出力する。
【0029】
自律航法センサ11は、車両の回転角度を検出するジャイロなどの角度センサや一定走行距離毎にパルスを発生する距離センサなどにより構成され、車両の速度、各速度や自車方位などの情報を検出し、この検出信号を制御部60に出力する。なお、これらの情報は、車両と接続するための図示しない通信バスを介して、車両に備え付けられた自律航法センサから取得するような構成であってもよい。
【0030】
操作部20は、車載システムにおける各種指示操作を受け付けるためのものであり、各種スイッチ類SW1、SW2、第2ディスプレイDP2に取り付けられたタッチパネル、マイクロフォンなどの音声入力装置等により構成され、操作内容に応じた操作信号を制御部60に出力する。例えば、操作部20は、ユーザのリスト表示操作(ナビゲーション機能の目的地検索やオーディオ機能のコンテンツ検索の指示操作)を受け付け、そのリスト表示操作に応じた操作信号を制御部60に出力する。なお、この音声入力装置は、音声認識機能を有しており、ユーザが発話して入力した音声データを解析し文字列データに変換する。また、タッチパネルは、第2ディスプレイDP2だけでなく第1ディスプレイDP1の表面にも取り付けられていてもよい。
【0031】
第1表示出力部21は、制御部60から出力される画像データを第1ディスプレイDP1に表示させる。第1ディスプレイDP1には、ユーザに情報を提供するための各種画面が表示され、例えば、ナビゲーション機能の地図画面(
図2(b))や目的地検索結果、オーディオ機能のコンテンツ検索結果などが表示される。好ましい態様では、第1ディスプレイDP1は、
図2(a)に示すようにセンターコンソールCC上部に取り付けられ、第2ディスプレイDP2より上方に配置されている。
【0032】
第2表示出力部22は、制御部60から出力される画像データを第2ディスプレイDP2に表示させる。第2ディスプレイDP2には、主に車載システムの各種操作を行うための操作コマンドキーを配置した操作画面が表示され、例えば、ナビゲーション機能に関する各種コマンドキーやオーディオ機能に関する各種コマンドキー(
図2(c))が少なくとも表示される。好ましい態様では、第2ディスプレイDP2は、
図2(a)に示すようにセンターコンソールCC中央部に取り付けられ、第1ディスプレイDP1より下方に配置されている。また、この第2ディスプレイDP2の前面には操作部20のタッチパネルが取り付けられており、このタッチパネルは、第2ディスプレイDP2に表示される操作コマンドキーに対する操作指示を制御部60に出力する。
以下の説明では、この第2ディスプレイDP2には、オーディオ機能に関する各種操作コマンドキーや再生情報が配置した操作画面を表示する例を説明するが、その他の車載システムに備わる各種機能に関する各種操作コマンドキーやその情報を配置した操作画面を表示することも可能である。
【0033】
音声出力部23は、制御部60から出力される音声データを、D/A変換および増幅制御を行い、スピーカSP1から音声を出力する。
データ通信部24は、有線または無線により外部機器や外部装置との間でデータ通信を可能にする。例えば、データ通信部24は、外部記憶装置との接続を可能にし、そこに記憶されたデータを読み出す。また、データ通信部24は、外部通信機器との接続を可能にし、インターネットなどのネットワークへの接続を行う。
【0034】
ナビゲーション機能部(以下、NV機能部)30は、GPS受信機10からのGPS信号や自律航法センサ11からの検出信号に基づき自車位置を算出する自車位置算出機能(電子システムが車載用ではないときは現在位置算出機能に相当)、所望の地点や施設を検索する目的地検索機能、目的地までの最適な経路を探索する経路探索機能、探索された経路誘導を行う誘導案内機能、自車位置周辺の地図画像や経路が描画された地図画像などを描画する地図描画機能など、車載システムの各種ナビゲーション機能を実行する。
NV機能部30は、操作部20からの操作信号に基づき、目的地検索指示が入力されると、目的地検索機能により、所定の条件を満たす施設や住所、行政界などの情報を、データメモリ40の地
図DBから抽出し、それを制御部60に出力する。または、データ通信部24に接続された外部機器や外部装置の地
図DBから抽出するようにしてもよい。目的地検索機能には、例えば、施設名称検索、ジャンル検索、電話番号検索、目的地履歴検索、住所検索、都市名称検索、道路名称検索、交差点名称検索などがある。
例えば、ユーザが検索したい都市名称を発話すると、操作部20による音声認識機能によって文字列データに変換され、NV機能部30の目的地検索機能が、変換された文字列データに基づき、ユーザが発話した都市名称と一致する(または類似する)都市の情報を地
図DBから抽出する。
NV機能部30が動作されるとき、制御部60は、各種ナビゲーション機能により生成された画像データを第1表示出力部21および/または第2表示出力部22に出力し、また音声データを音声出力部23に出力する。
【0035】
オーディオ・ビジュアル機能部(以下、AV機能部)31は、CD、DVD、ブルーレイディスク、メモリ媒体、データメモリ40、データ通信部24に接続された外部機器や外部装置などに記憶されたオーディオデータやビデオデータ(コンテンツデータ)から所望のコンテンツデータを検索するコンテンツ検索機能、上述する各種記憶媒体に記憶されたコンテンツデータを再生するコンテンツ再生機能など、車載システムの各種オーディオ機能を実行する。また、AV機能部31は、操作部20からの操作信号に基づき、コンテンツ検索指示が入力されると、所定の条件を満たすコンテンツデータを、データメモリ40のコンテンツDBから抽出し、それを制御部60に出力する。または、データ通信部24に接続された外部機器や外部装置のコンテンツDBから抽出するようにしてもよい。
【0036】
AV機能部31が動作されるとき、制御部60は、各種ナビゲーション機能により生成された画像データを第1表示出力部21および/または第2表示出力部22に出力し、また音声データを音声出力部23に出力する。
【0037】
データメモリ40は、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリなどの記憶装置であり、地図データを格納する地図データベース(地
図DB)、オーディオデータやビデオデータなどを格納するコンテンツデータベース(コンテンツDB)などを記憶する。
プログラムメモリ50は、制御部60が実行する各種アプリケーションやプログラムデータを格納する。
【0038】
制御部60は、中央処理装置、マイクロコンピュータ、またはマイクロプロセッサなどの装置を含み、プログラムメモリ50に記憶されたプログラムを実行し、車載システムの各部を制御する。
例えば、制御部60は、プログラムメモリ50に記憶されたプログラムを実行し、車載システムのリスト表示制御を行う。そして、このリスト表示制御により、制御部60は、例えば、
図4(a)のような第1リスト画面および
図4(b)のような第2リスト画面を生成し、第1リスト画面を第1表示出力部21に、第2リスト画面を第2表示出力部22に出力する。この
図4(a)に示す第1リスト画面は、領域AR1に所定のリストが表示されている。また、
図4(b)に示す第2リスト画面は、領域AR2に第1リスト画面の領域AR1に表示できなかったリストの項目が表示されるとともに、別の領域AR3に現在再生中の楽曲名(TR1)、楽曲のトラックダウンやトラックアップ操作を行うことができる操作コマンドキー(CK1)などが表示されている。このリスト表示制御方法についての詳細は後述する。
【0039】
本実施例1の車載システムのリスト表示制御方法に関する機能的な構成ブロック図を、
図5に示す。同図に示すように、項目取得部601と、判断部602と、リスト画面生成部603と、表示制御部604と、を含んで構成される。好ましい態様では、
図5に示すようなリスト表示制御方法に関する機能は、制御部60がプログラムまたはアプリケーションを実行することにより実施される。
【0040】
項目取得部601は、ユーザのリスト表示操作に応答して、NV機能部30やAV機能部31が情報を検索したときに抽出された情報をリストの表示項目として取得する。
具体的には、ユーザが目的地検索を行うため、操作部20を用いて、目的地検索のリスト表示操作を行うと、NV機能部30は、そのリスト表示操作の際に入力された条件を満たす複数の目的地候補(地点や施設)を抽出し、項目取得部601は、抽出された複数の目的地候補をリストの表示項目として取得する。その他、ユーザがコンテンツ検索を行うため、操作部20を用いて、コンテンツ検索のリスト表示操作を行うと、AV機能部31は、そのリスト表示操作の際に入力された条件を満たす複数のコンテンツ情報を抽出し、項目取得部601は、抽出された複数のコンテンツ情報をリストの表示項目として取得することもできる。
例えば、ユーザが操作部20を用いて音声入力にて任意の都市名称を発話し、都市名称検索すると、操作部20は、入力された音声データを音声認識機能により文字列データに変換し、NV機能部30は、発話された都市名称(文字列データ)と一致する(または類似する)都市名称の情報を地
図DBから抽出する。そして、項目取得部601は、抽出された複数の都市名称情報をリストの表示項目として取得する。
なお、音声入力による検索では、必ず所定数の情報を抽出することも可能である。
【0041】
判断部602は、項目取得部601が取得したリストの表示項目の全てを第1ディスプレイDP1の1画面の所定の領域内に表示可能か否かを判断する。具体的には、判断部602は、項目取得部601が取得したリストの表示項目数が、第1ディスプレイDP1の1画面の領域内(
図4(a)のAR1)にリスト表示可能な項目数を超えているか否かを判断し、超えている場合、全てを表示できない(表示不可能)と判断し、一方、超えていない場合、全てを表示できる(表示可能)と判断する。例えば、判断部602は、
図4(a)に示すように第1ディスプレイDP1の1画面の所定の領域AR1内のリスト表示可能な項目数が6件としたとき、項目取得部601によって
図6(a)に示す12件のリストの表示項目が取得されたならば、判断部602は、表示可能項目数を超えていると判断し、全てを表示不可能と判断する。また、項目取得部601が
図6(b)に示す6件のリストの表示項目数を取得した場合には、判断部602は、表示可能項目数を超えていないと判断し、全てを表示可能と判断する。
【0042】
また、判断部602は、第1ディスプレイDP1の1画面の所定の領域内に表示可能な予め決められた項目数を1ページとして、項目取得部601が取得したリストの表示項目が複数ページにより構成される場合、表示不可能と判断し、一方、1ページ(単一ページ)により構成される場合、表示可能と判断するようにしてもよい。例えば、判断部602は、
図4(a)に示すように第1ディスプレイDP1の1画面の所定の領域内にリスト表示可能な項目数を6件とすると、項目取得部601が
図6(a)に示す12件のリストの表示項目を取得した場合、「TORRANCE」から「LAWRENCE」までの6件を1ページ目、次の「TOLLHOUSE」から「DE LUZ」までの6件を2ページ目とした複数ページで構成されるため、表示不可能と判断する。また、項目取得部601が
図6(b)に示す6件のリスト表示項目を取得した場合、「TORRANCE」から「LAWRENCE」までの全てを1ページのみで構成されるため、表示可能と判断する。
【0043】
リスト画面生成部603は、判断部602による判断の結果、表示不可能と判断した場合、項目取得部601が取得したリストの表示項目を用いて、第1ディスプレイDP1に表示するリスト画面(第1リスト画面)を生成するとともに、第1ディスプレイDP1に表示できなかったリスト表示項目を用いて、第2ディスプレイDP2に表示するリスト画面(第2リスト画面)を生成する。一方、リスト画面生成部603は、判断部602による判断の結果、表示可能と判断した場合、項目取得部601が取得したリストの表示項目を用いて、第1ディスプレイDP1に表示するリスト画面(第1リスト画面)のみを生成する。
【0044】
例えば、項目取得部601により
図6(a)に示す12件のリスト表示項目が取得されたとき、判断部602により表示不可能と判断されるため、リスト画面生成部603は、第1ディスプレイDP1に表示する
図7(a)に示す第1リスト画面を生成するとともに、第2ディスプレイDP2に表示する
図7(b)に示す第2リスト画面を生成する。一方、項目取得部601により
図6(b)に示す6件のリスト表示項目が取得されたとき、判断部602により表示可能と判断されるため、リスト画面生成部603は、第1ディスプレイDP1に表示する
図7(c)に示す第1リスト画面のみを生成する。
【0045】
もし、第2ディスプレイDP2を用いても、項目取得部601が取得したリストの表示項目を全て表示できなかった場合、リスト画面生成部603は、ユーザからの次ページ表示操作に応答し、その続きの項目から第1リスト画面および/または第2リスト画面を生成する。
【0046】
表示制御部604は、制御部60が生成する各種画像データ(画面データ)を第1ディスプレイDP1または第2ディスプレイDP2のどちらに表示させるか制御し、第1ディスプレイDP1に表示させる画面(例えば、第1リスト画面)を第1表示出力部21に、第2ディスプレイDP2に表示させる画面(例えば、第2リスト画面)を第2表示出力部22に出力する。好ましい態様では、表示制御部604は、リスト画面生成部603によって第2リスト画面が生成されたとき、第2表示出力部603に表示されている画面を第2リスト画面に切り替えさせ、あるいは割り込み表示させる。
例えば、表示制御部604は、リスト画面生成部603が生成した第1リスト画面を第1表示出力部21に出力し、第1表示出力部21は第1リスト画面を第1ディスプレイDP1に表示させる。また、表示制御部604は、リスト画面生成部603が生成した第2リスト画面を第2表示出力部22に出力し、第2表示出力部22は第2リスト画面を第2ディスプレイDP2に表示させる。
【0047】
このとき、表示制御部604は、第2表示出力部22に第2リスト画面を出力する際、これまで表示されていた操作コマンドキーの一部の表示を制限するため、その制限された操作または全ての操作を他のスイッチ(例えばステアリングリモコンSW2)で代替操作可能なことを示すメッセージを、第1ディスプレイDP1または第2ディスプレイDP2の少なくとも一方に表示させるように制御してもよい。また、制御部60により音声を用いて代替操作可能なことを案内することも可能である。例えば、第2リスト画面に表示される楽曲名称の表示欄に上述する代替操作可能なことを示すメッセージを表示することができる。
【0048】
次に、上記のように構成された実施例1に係る車載システムのリスト表示制御の動作を、
図8を参照して説明する。
ユーザが、操作部20を用いて、リスト表示させる所定のリスト表示操作(例えば、目的地検索やコンテンツ検索などの操作)を行うと(ステップS101)、NV機能部30やAV機能部31が操作指示に応じた情報をデータメモリ40から抽出する。そして、項目取得部601は、NV機能部30またはAV機能部31が抽出した複数の情報をリストの表示項目として取得する(ステップS103)。
続いて、判断部602は、項目取得部601が取得したリストの表示項目の全てを第1ディスプレイDP1の1画面の所定の領域に表示可能か不可能かを判断する(ステップS105)。
【0049】
判断部602により表示可能であると判断されると、リスト画面生成部603は、項目取得部601が取得したリストの表示項目を用いて、第1ディスプレイDP1に表示させる第1リスト画面を生成する(ステップS107)。
そして、表示制御部604は、リスト画面生成部603が生成した第1リスト画面を第1表示出力部21に出力し、第1表示出力部21が第1リスト画面を第1ディスプレイDP1に表示させる(ステップS109)。このとき、第2ディスプレイDP2は、これまでの通常オーディオ画面(
図2(c))が表示されたままである。
【0050】
一方、判断部602により表示不可能であると判断されると、リスト画面生成部603は、項目取得部601が取得したリストの表示項目を用いて、第1ディスプレイDP1に表示させる第1リスト画面を生成する(ステップS111)。その後、リスト画面生成部603は、第1リスト画面に表示できなかったリストの表示項目を用いて、第2ディスプレイDP2に表示させる第2リスト画面を生成する(ステップS113)。
【0051】
表示制御部604は、リスト画面生成部603が生成した第1リスト画面を第1表示出力部21に出力し、第2リスト画面を第2表示出力部22に出力する。そして、第1表示出力部21は、第1リスト画面を第1ディスプレイDP1に表示させ、第2表示出力部22は、第2ディスプレイDP2にこれまで表示していた通常オーディオ画面(
図2(c))から切り替えて、第2リスト画面を第2ディスプレイDP2に表示させる(ステップS115)。
【0052】
具体的なリスト画面の表示例を、
図9を参照して説明する。
車載システムは、通常走行時、第1ディスプレイDP1には、NV機能部30により生成された自車位置周辺の地図画像(
図9(a))が表示され、一方、第2ディスプレイDP2には、AV機能部31により生成された再生中の楽曲に対する情報(楽曲名)やトラックアップ、トラックダウンの操作コマンドキー、また音量などが配置された通常オーディオ画面(
図9(b))が表示されている。
【0053】
このような状況において、ユーザが例えば所望の地点を目的地に設定するため、例えば、ある都市名称を発話して、音声入力にて目的地検索(都市名称検索)を行うと、NV機能部30は、操作部20の音声認識機能により文字列データに変換された都市名称と一致するまたは類似する都市名称をデータメモリ40の地
図DBから抽出する。そして、項目取得部601は、NV機能部30が抽出した
図6(a)に示す12件の都市名称をリストの表示項目として取得する。続いて、判断部602が、取得した都市名称の全て第1ディスプレイDP1に表示可能か不可能かを判断する。判断部602は、第1ディスプレイDP1に表示可能な項目数が6件に対して、項目取得部601が取得した項目数が12件であるため、取得した項目の全てを1画面で表示不可能であると判断し、その結果をリスト画面生成部603に提供する。
【0054】
リスト画面生成部603は、提供された判断結果が表示不可能であったため、
図6(a)に示す12件の都市名称のうち上位6件(「TORRANCE」から「LAWRENCE」まで)を用いて、
図9(c)に示す第1リスト画面を生成する。リスト画面生成部603はさらに、第1リスト画面に表示できなかった次の6件(「TOLLHOUSE」から「DE LUZ」まで)を用いて、
図9(d)に示す第2リスト画面を生成する。
リスト画面生成部603は、この第2リスト画面を生成するとき、
図9(b)に示す各種コマンドキーや楽曲情報などの全部または一部を、第2リスト画面のリスト表示に用いられていない領域、例えば、リスト表示の周辺部などの所定の領域AR4に配置させる。リスト画面生成部603は、生成した第1リスト画面と第2リスト画面を表示制御部604に提供し、表示制御部604は、第1リスト画面を第1表示出力部21に出力し、第2リスト画面を第2表示出力部22に出力する。
【0055】
そして、第1表示出力部21は、第1リスト画面を第1ディスプレイDP1に表示し、第2表示出力部22は、
図9(b)に表示する通常オーディオ画面から
図9(d)に示す第2リスト画面に切り替えて第2ディスプレイDP2に表示する。
ユーザは、第1ディスプレイDP1に表示された第1リスト画面および第2ディスプレイDP2に表示された第2リスト画面を見て、所望の都市名称を探すことができ、操作部20を用いて、その都市名称を選択する。目的地が設定されると、NV機能部30がその地点までの経路を探索し、
図9(e)に示す経路が描画された経路地図画像を第1ディスプレイDP1に表示する。それと同時にAV機能部30が、
図9(b)と同じ通常オーディオ画面(
図9(f))を第2ディスプレイに表示する。
【0056】
このようにすることで、本実施例1の車載システムによれば、複数の情報項目をリスト表示する際、1つのディスプレイに全てのリスト項目が表示可能か不可能かを判断し、表示不可能なとき、もう1つのディスプレイに1つ目のディスプレイに表示できなかった続きのリスト項目を表示させるようにしたため、車載システムに備えられた複数のディスプレイを有効的に活用し、ユーザにとって操作の手間を省くことができる。
【0057】
上述する実施例1では、リスト表示の例として、音声認識による都市名称検索の検索結果リストの表示を例に説明したが、これに限らず、音声認識による操作ではなく、操作部20のスイッチ類(
図2(a)のSW1やSW2)や第1ディスプレイDP1または第2ディスプレイDP2の表面のタッチパネルなどを用いて操作することの可能である。また、都市名称検索の検索結果リストの表示だけでなく、施設名称検索、電話番号検索、ジャンル検索などの各種目的地検索の検索結果リストの表示においても適用可能であり、またオーディオ機能におけるコンテンツ検索の検索結果リストの表示においても適用可能である。
【0058】
さらに、上述する実施例1に係る車載システムに操作無効化手段を設けて、この操作無効化手段により、一部の操作が無効化にされているときにのみ、上述するリスト表示制御を行うようにすることも可能である。このときの実施例2に係る車載システムを説明する。
本発明の実施例2に係る車載システムは、
図3に示す実施例1に係る車載システムと同じ構成であるため、同じ符号番号を付してその説明を省略する。
実施例2の車載システムのリスト表示制御方法に関する機能的な構成ブロック図を、
図10に示す。同図に示すように、移動検出部621、操作無効化部622と、項目取得部623と、判断部624と、リスト画面生成部625と、表示制御部626と、を含んで構成される。好まし態様では、
図10に示すようなリスト表示制御方法に関する機能は、制御部60がプログラムまたはアプリケーションを実行することにより実施される。
【0059】
移動検出部621は、GPS受信機10からのGPS信号や自律航法センサ11からの検出信号に基づき、自車位置が移動しているか否かを検出する。具体的には、移動検出部621は、これらGPS信号や検出信号を所定間隔毎に監視し、この信号(値)に変化があった場合、移動中であることを検出する。
【0060】
操作無効化部622は、移動検出部621により移動中であると検出されるとき、操作部20から入力される各種操作指示の一部を無効にする(操作制限をかける)。具体的には、操作無効化部622は、ユーザが操作部20を用いて操作を行うと、その操作指示が所定の制限操作に該当するか否かを判断し、所定の制限操作に該当するとき、その操作指示の実行を行わない。このとき、第1ディスプレイDP1または第2ディスプレイDP2の少なくともいずれか一方に、操作が無効である旨のメッセージを表示させるようにしてもよい。
【0061】
例えば、操作無効化部622は、目的地設定操作や目的地検索操作、コンテンツ検索操作など煩雑な操作が必要な操作を無効にし、トラックアップ操作やトラックダウン操作などの単純な操作を無効にしない。ただし、操作無効化部622は、音声入力による各種操作についてはその操作全てを無効にしない。つまり、操作無効化部622は、音声入力によって目的地検索操作やコンテンツ検索操作が入力されたときには、移動中であっても、その操作を無効にしない(有効にする)。
【0062】
項目取得部623は、ユーザのリスト表示操作に応答して、NV機能部30やAV機能部31にリスト表示操作に応じた情報の抽出を実行させ、NV機能部30やAV機能部31が抽出した情報をリストの表示項目として取得する。ただし、項目取得部623は、操作無効化部622によりリスト表示操作が無効になっているとき(つまり、移動中であり、かつスイッチ類またはタッチパネル操作によりリスト表示操作を行ったとき)には、リストの表示項目の取得処理は実行しない。項目取得部623が行うリストの表示項目の取得処理は、実施例1の項目情報取得部602と同じため、その説明を省略する。
【0063】
判断部624は、操作無効化部622が一部の操作を無効にしている場合に、項目取得部623がリストの表示項目の取得を行うと、取得されたリストの表示項目の全てを第1ディスプレイDP1の1画面の所定の領域内に表示可能か否かを判断する。判断部624が行う表示可能か不可能かの判断は、実施例1における判断部602に同じためその説明を省略する。
一方、判断部624は、操作無効化部622が一部の操作を無効にしていない場合、表示可能か不可能かの判断は行わない。
【0064】
リスト画面生成部625は、操作無効化部622が一部の操作を無効にしている場合に、判断部624から表示可能か不可能かの判断結果が提供されると、これに基づき、第1リスト画面および/または第2リスト画面を生成する。リスト画面生成部625が行う第1リスト画面および/または第2リスト画面の生成処理は、実施例1におけるリスト画面生成部603と同じためその説明を省略する。
一方、リスト画面生成部625は、操作無効化部622が一部の操作を無効にしていない場合は、判断部624から表示可能か不可能かの判断結果が提供されないため、項目取得部623から提供されるリストの表示項目を用いて第1リスト画面のみを生成する。
【0065】
表示制御部626は、実施例1における表示制御部604と同じ処理を行い、リスト画面生成部625が生成した第1リスト画面を第1表示出力部21に出力し、第2リスト画面を第2表示出力部22に出力する。
【0066】
次に、上記のように構成された実施例2に係る車載システムのリスト表示制御の動作を、
図11を参照して説明する。
ユーザが、操作部20を用いて、リスト表示させる所定のリスト表示操作(例えば、目的地検索やコンテンツ検索などの操作)を行うと(ステップS201)、移動検出部621は、車両が移動中であるか否かを検出する(ステップS203)。その検出結果、移動中であることが検出されると、制御部60は、リスト表示操作の入力方法が音声入力であるかそれ以外の方法(スイッチ操作やタッチパネル操作など)であるかを確認する(ステップS205)。
【0067】
制御部60は、ステップS205で音声入力によりリスト表示操作が入力されたと判断した場合、実施例1のステップS103からステップS115までのリスト表示制御を実行する(ステップS207)。一方、音声入力以外の方法でリスト表示操作が入力されたと判断した場合、操作無効化部622によって、このリスト表示操作を無効にする(ステップS209)。そのため、第1ディスプレイDP1および第2ディスプレイDP2の表示画面は変わらない。
【0068】
ステップS203に戻り、移動検出部621によって、移動中ではない(停止中である)ことが検出されると、NV機能部30やAV機能部31が操作指示に応じた情報をデータメモリ40から抽出する。そして項目取得部623は、NV機能部30またはAV機能部313が抽出した複数の情報をリストの表示項目として取得する(ステップS211)
リスト画面生成部625は、項目取得部623が取得したリストの表示項目を用いて、第1リスト画面を生成する。このとき、リスト画面生成部625は、第2リスト画面の生成は行わない。つまり、制御部60は、実施例1のリスト表示制御を行わない。表示制御部626は、リスト画面生成部625が生成した第1リスト画面を第1表示出力部21に出力し、第1表示出力部21がこの第1リスト画面を第1ディスプレイDP1に表示させる(ステップS213)。
【0069】
このようにすることで、本実施例2の車載システムによれば、操作制限がかかっていないとき、つまり移動中でないときは、ゆっくり操作できるため、従来のリスト表示制御を行い、一方、操作制限がかかっているとき、つまり移動中のときは、できる限り操作手順を少なくする必要があるため、本発明に係るリスト表示制御を行う、移動中のユーザの手間を省くことができる。
【0070】
上述する実施例2では、移動検出部621により移動中であることが検出され、操作無効化部622によりスイッチ類やタッチパネルを用いた操作が無効になっており、かつ、音声入力によるリスト表示操作を実行された場合に、リスト表示制御を実行する例を説明したが、単純に移動検出部621により移動中である場合に、リスト表示制御を実行するようにすることも可能である。
【0071】
また、上述する実施例1および実施例2に記載されるNV機能部30が実行するナビゲーション機能やAV機能部31が実行するオーディオ機能以外の機能におけるリスト表示にも適用可能である。例えば、通信バス100にテレビやラジオなどの放送波を受信する放送受信機能部を接続し、この放送受信機能部の放送受信機能に用いられるチャンネルプリセット(周波数プリセット)のリスト表示(
図12(a))や受信可能局リストのリスト表示などにおいても適用可能である。また、通信バス100に電話通信機能部を接続し、この電話通信機能部の電話通信機能に用いられる電話帳リストのリスト表示やショートカットダイヤルのリスト表示(
図12(b))においても可能である。これらのチャンネルプリセットや受信可能局の情報、電話帳やショートカットダイヤルの情報はデータメモリ40に記憶しても、各機能部に備えられたメモリに記憶しておいてもよい。
その他、車載システムの音声認識機能により認識可能な音声認識コマンドリストの表示(
図12(c))や車載システムが提供することができる全機能のリストの表示、車載システムのオーディオソースリストの表示(
図12(d))など、リスト表示される全てのものに適用することが可能である。
【0072】
さらに、上述する実施例1および実施例2は、2つのディスプレイを備えた車載システムを例に説明したが、3つ以上のディスプレイを備えた車載システムにも適用することができる。例えば3つの場合、通常リスト表示させる1つ目のディスプレイに全てのリスト項目が表示できない場合、2つ目のディスプレイにその続きのリスト項目を表示する。さらに、2つ目のディスプレイに表示させたとしても、全てのリスト項目が表示されない場合、3つ目のディスプレイに2つ目のディスプレイを用いても表示できなかったリスト項目を表示させるようにする。このようにすることで、車両に備えられた全てのディスプレイを有効に活用することができる。ただし、運転手から見えないディスプレイについては、その表示制御を行わないようにする。
【0073】
また、上述する実施例1および実施例2では、第1ディスプレイDP1が第2ディスプレイDP2より上方に取り付けられている例を説明したが、例えば、第2ディスプレイDP2が第1ディスプレイDP1より上方に取り付けられている場合には、第2ディスプレイDP2に第1リスト画面を表示させ、第1ディスプレイDP1に第2リスト画面を表示させるようにすることもできる。このようにすることで、上方から下方に向けてリストが表示されるため、ユーザが確認し易くできる。さらに、第1ディスプレイDP1と第2ディスプレイが上下に取り付けられているのではなく、左右に取り付けられている場合、2つのディスプレイを比較し左方または右方のいずれか一方の方向からリストを表示するようにすることもできる。さらに、第1または第2ディスプレイは、着脱式であってもよい。
【0074】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。