(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザが前記筐体を手に取る動作を開始したタイミング及び完了したタイミングの少なくとも一方を取得動作タイミングとして取得する取得動作タイミング取得手段をさらに備え、
前記表示データ出力手段は、前記取得された取得動作タイミングに応じて、前記表示部に表示データを出力するタイミングを決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る実施の形態を、図面を参照して以下に説明する。
【0016】
(実施の形態1)
本実施の形態1では、本発明に係る表示制御装置100を備える通信端末1を、携帯電話機として実現した場合を例に説明する。本実施の形態1では、
図1に示すような、いわゆる折り畳み型の携帯電話機を想定する。
【0017】
本実施の形態1に係る通信端末1は、
図1に示すように、略矩形の第1の筐体11と第2の筐体12とが、それらの短辺において、1軸のヒンジ13を介して、回動可能に連結されている。また、第1の筐体11には第1の表示部160Aが設けられ、第2の筐体12には第2の表示部160Bが設けられている。
【0018】
図1(a)では、第1の表示部160Aと第2の表示部160Bとが接するように、通信端末1が閉じられている(以下、この形態を「第1の形態」という)。第1の形態では、第1の表示部160A及び第2の表示部160Bがいずれも隠れた状態になる。この第1の形態は、例えば、通信端末1をカバンやポケットの中に収納する際に選択される。
【0019】
第1の形態から、第1の筐体11と第2の筐体12を開くと、
図1(b)に示す「第2の形態」になる。この第2の形態では、第1の表示部160A及び第2の表示部160Bが露出し、例えば、第1の表示部160A及び第2の表示部160Bの表示方向が同じになる。この第2の形態は、通信端末1の音声通話機能を使用するときや、電子メールの作成・閲覧時などに選択される。
【0020】
第2の形態から、第1の筐体11と第2の筐体12をさらに開き、それらが背中合わせになるまで開くと、
図1(c)に示す「第3の形態」になる。この第3の形態では、第1の表示部160A及び第2の表示部160Bが露出しており、かつ、それらの表示方向は互いに反対になる。この第3の形態は、例えば、通信端末1をテーブルの上に置く際に選択される。
【0021】
次に、このような筐体構造の通信端末1の内部構成を、
図2に示す通信端末1の内部構成を示すブロック図を参照しながら説明する。
【0022】
図2に示すように、通信端末1は、制御部110、通信部120、音声処理部130、記憶部140、操作部150、表示部160(第1の表示部160A、第2の表示部160B)、報知部170、状態検出部180などで構成されている。
【0023】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)などで構成され、所定の動作プログラムを実行することで通信端末1の各部を制御する。通信端末1の各構成は制御部110によって制御されるとともに、各構成間の情報伝達などは制御部110を介して行われる。
【0024】
RAMには、アドレス帳が記憶されている。アドレス帳には、例えば、個人や法人を示す氏名、電話番号、送信電子メールの送信先及び受信メールの発信元を示すメールアドレス(アドレス)、送信する電子メールの件名及び本文にフォントを指定する書式、及びメモなどが書き込まれている。
【0025】
また、制御部110は、後述するように各機能構成を有している。
【0026】
通信部120は、通信端末1が通信を行う際の無線アクセスを行うものであり、例えば、所定の通信方式を用いた通信装置などで構成され、当該通信方式に対応したアンテナ121による無線送受信を行うことで、近傍の基地局と無線通信を行う。
【0027】
音声処理部130は、例えば、音声データ用のコーデック回路などで構成され、通信端末1の音声入出力に係る処理を行う。通信部120で受信したデジタル音声データをアナログ音声信号に変換してスピーカ131から出力する受話動作や、マイクロフォン132から入力されたユーザの発話音声をデジタル音声データに変換して通信部120に送出する送話動作などを行う。
【0028】
記憶部140は、例えば、フラシュメモリなどの記憶装置であり、制御部110が実行する動作プログラムを格納する他、本発明を実現するために必要な種々のデータを格納する。
【0029】
操作部150は、例えば、第1の筐体11の外面上に構成されたボタンなどで構成され、通信端末1のユーザによって操作される。操作部150は、各ボタンに接続された入力回路などを備え、ユーザの操作に応じた入力信号を生成して制御部110に入力する。
【0030】
第1の筐体11側の第1の表示部160A及び第2の筐体12側の第2の表示部160Bから構成された表示部160は、例えば、有機EL(Organic Electro-Luminescence)画面などで構成された表示出力装置である。
【0031】
第1の筐体11側の第1の表示部160Aは、タッチパネル機能を有する。このタッチパネル機能は、テンキーなどに代わる入力機能を供する。表示出力機能と入力機能との切換えは、制御部110からの指令によって行われる。
【0032】
報知部170は、電話の着信やメールの受信をユーザに報知するものであり、バイブレータ、サウンドスピーカ及びLED(Light Emitting Diode)(いずれも図示せず)などで構成される。
【0033】
状態検出部180は、第1の筐体11と第2の筐体12とを連結するヒンジ13に取り付けられた角度センサ181及び第1の筐体11の内部に設けられたジャイロスコープ182を有する。
【0034】
角度センサ181は、第1の筐体11と第2の筐体12との成す角度θを検出するものであり、ロータリーエンコーダなどで構成される。角度センサ181は、ヒンジ13の軸が所定角度回転する毎にパルス信号を発生し、このパルス信号を制御部110に入力する。制御部110は、入力されたパルス信号に基づいて、第1の筐体11と第2の筐体12との成す角度θを算出する。
【0035】
ジャイロスコープ182は、第1の筐体11の姿勢(地表に対する傾き)を検出するものであり、櫛形に並べられた可動電極などで構成される。ジャイロスコープ182は、可動電極間の静電容量の変化に応じた検出信号を制御部110に入力する。
【0036】
次いで、制御部110の機能構成について説明する。
制御部110は、形態判定部111、上下判定部112、視認状態判定部113、表示データ出力部114及び表示項目設定部115を備える。
【0037】
形態判定部111は、角度センサ181が検出した角度θに基づいて、通信端末1の形態、即ち、通信端末1が第1の形態、第2の形態または第3の形態のうちいずれの形態であるかを判定する「形態判定処理」を行うものである。
【0038】
上下判定部112は、ジャイロスコープ182が検出した筐体11の姿勢と形態判定部111が判定した形態とに基づき、第1の表示部160Aが表示部160Bよりも上側であるか下側であるかを判定する「上下判定処理」を行うものである。
【0039】
視認状態判定部113は、上下判定部112が判定した結果に基づいて、視認可能な表示部160を判定する「視認状態判定処理」を行うものである。
【0040】
表示データ出力部114は、例えば、「着信日時」や「相手の氏名」などの表示項目データが含まれた表示データを表示部160に出力するものである。
【0041】
表示項目設定部115は、後述するようにシークレットモードに設定した場合に、ユーザが予め選択した項目を表示部160に表示する表示項目として設定するものである。
【0042】
姿勢取得手段は、ジャイロスコープ182から構成される。
視認状態判定手段は、視認状態判定部113から構成される。
表示データ出力手段は、表示データ出力部114から構成される。
表示項目設定手段は、表示項目設定部115から構成される。
筐体配置検出手段は、形態判定部111と角度センサ181から構成される。
【0043】
また、表示制御装置100は、
図2に示すように制御部110、記憶部140及び状態検出部180等から構成される。
【0044】
次に、制御部110において実行される各種の判定処理について説明する。
【0045】
形態判定部111は、第1の筐体11と第2の筐体12との成す角度θに基づいて、通信端末1の形態を判定する「形態判定処理」を実行する。例えば、0°≦θ<45°の場合には第1の形態、45°≦θ≦180°の場合には第2の形態、180°<θ<360°の場合には第3の形態と判定する。
【0046】
上下判定部112は、通信端末1の形態及び第1の筐体11の姿勢に基づいて、第1の表示部160Aと第2の表示部160Bとの位置関係を判定する「上下判定処理」を実行する。この上下判定処理では、第1の筐体11が表向き(
図1に示す第1の表示部160Aが上方を向く向き)の状態において、通信端末1の形態が第1の形態又は第2の形態の場合、第1の表示部160Aが下側で第2の表示部160Bが上側であると判定する。通信端末1の形態が第3の形態の場合、第1の表示部160Aが上側で第2の表示部160Bが下側であると判定する。
【0047】
視認状態判定部113は、形態判定部111が行った「形態判定処理」の判定結果及び上下判定部112が行った「上下判定処理」の判定結果に基づいて、その時点における表示部160の視認状態を判定する「視認状態判定処理」を実行する。その判定方法を、
図3を参照しながら説明する。視認状態判定部113は、通信端末1が第1の形態の場合、「上下判定処理」の判定結果にかかわらず、第1の表示部160A及び第2の表示部160Bの両方が視認不能(×と図示)と判定する。視認状態判定部113は、通信端末1が第2の形態の場合、「上下判定処理」の判定結果にかかわらず、第1の表示部160A及び第2の表示部160Bの両方が視認可能(○と図示)と判定する。
【0048】
視認状態判定部113は、通信端末1が第3の形態の場合、「上下判定処理」の判定結果に基づいて、第1の表示部160Aが上側のときには、第1の表示部160Aが視認可能で、第2の表示部160Bが視認不能と判定する。また、視認状態判定部113は、第2の表示部160Bが上側のときには、第2の表示部160Aが視認可能で、第1の表示部160Aが視認不能と判定する。
【0049】
次に、通信端末1のシークレットモード機能について説明する。シークレットモードとは、視認可能な表示部160の表示項目を制御するモードである。シークレットモードの設定/解除および表示項目の設定は、通信端末1が第2の形態のときに、ユーザがタッチパネル上のキーを操作することによって行うことができる。
【0050】
シークレットモードが解除されているときに、電話の着信があると、制御部110は、着信に関する表示項目を示すデータ(以下、「着信表示項目データ」という)の全てが含まれた表示データを生成する処理を実行する。表示データ出力部114は、生成された表示データを表示部160に出力する。すると、
図4に示すように、「着信中」のメッセージと、「着信日時」「相手の氏名」「相手の電話番号」「分類(例えば、家族、取引先等)」「会社名・団体名」「部署名」「役職」及び「メモ」とが表示部160に表示される。「相手の電話番号」は電話会社の交換所から発信されたものが表示され、それ以外の表示項目の内容はアドレス帳に予め書き込んだものが表示される。
【0051】
一方、シークレットモードが設定されているときに電話の着信があると、制御部110は、全ての着信表示項目データが含まれた表示データを生成する処理を実行して、表示項目設定部115は、ユーザによって予め選択されていた項目を表示部160に表示する表示項目として設定する。以下、この処理をシークレット処理という。
【0052】
表示データ出力部114は、設定された表示項目の着信表示項目データが含まれた表示データを表示部160に出力する。すると、「着信中」のメッセージと、「着信日時」「相手の氏名」「相手の電話番号」の中でユーザが選択した表示項目とが表示部160に表示される。「分類」「会社名・団体名」「部署名」「役職」及び「メモ」は表示されない。
【0053】
シークレットモードが解除されているときに、メールの受信があると、制御部110は、受信に関する表示項目を示すデータ(以下、「受信表示項目データ」という)の全てが含まれた表示データを生成する処理を実行する。表示データ出力部114は、生成された表示データを表示部160に出力する。すると、
図5に示すように、「新規メールあり」のメッセージと、「受信日時」「相手の氏名」「相手のメールアドレス」「分類」「会社名・団体名」「部署名」「役職」及び「メモ」とが第1の表示部160A及び/又は第2の表示部160Bに表示される。「相手のメールアドレス」は電話会社の交換所から発信されたものが表示され、それ以外の表示項目の内容はアドレス帳に予め書き込んだものが表示される。
【0054】
一方、シークレットモードが設定されているときにメールの受信があると、制御部110は、全ての受信表示項目データが含まれた表示データを生成する処理を実行して、表示項目設定部115は、ユーザによって予め選択されていた項目を表示部160に表示する表示項目として設定する(シークレット処理)。
【0055】
表示データ出力部114は、設定された表示項目の受信表示項目データが含まれた表示データを表示部160に出力する。すると、「新規メールあり」のメッセージと、「受信日時」「相手の氏名」「相手のメールアドレス」の中でユーザが選択した表示項目(表示項目設定部115が設定した表示項目)とが表示部160に表示される。「分類」「会社名・団体名」「部署名」「役職」及び「メモ」は表示されない。
【0056】
次に、
図6を参照しながら、制御部110において実行される表示部160の「表示制御処理」について説明する。本処理は、電話の着信時及びメールの受信時に開始される。
【0057】
表示制御処理が開始されると、形態判定部111は、第1の筐体11と第2の筐体12との成す角度θに基づいて通信端末1の形態を判定する「形態判定処理」を実行する(ステップS101)。次に、形態判定部111は、通信端末1が第1の形態であるか否かを判定する(ステップS102)。
【0058】
通信端末1の形態が第1の形態である場合(ステップS102:YES)、制御部110は、報知部170を構成するバイブレータ、サウンドスピーカ及びLEDを作動させ、第1の表示部160A及び160Bを消灯状態に維持する。
【0059】
一方、通信端末1の形態が第1の形態でない場合(ステップS102:NO)、形態判定部111は、通信端末1の形態が第2の形態であるか否かを判定する(ステップS103)。通信端末1の形態が第2の形態である場合(ステップS103:YES)、制御部110は、通信端末1がシークレットモードに設定されているか否かを判定する(ステップS104)。
【0060】
通信端末1がシークレットモードに設定されている場合(ステップS104:YES)、制御部110は、前述したシークレット処理を実行する(ステップS105)。
【0061】
一方、シークレットモードが解除されている場合(ステップS104:NO)、制御部110は、シークレット処理(ステップS105)をスキップする。
【0062】
そして、表示データ出力部114は、第2の表示部160Bに表示データを出力する(ステップS106)。その際に、表示データ出力部114は、シークレットモードが解除されている場合には、全表示項目を示すデータが含まれた表示データを第2の表示部160Bに出力し、シークレットモードが設定されている場合には、ユーザが設定した表示項目を示すデータが含まれた表示データを第2の表示部160Bに出力する。
【0063】
一方、通信端末1の形態が、第1の形態でも第2の形態でもない場合(ステップS103:NO)、形態判定部111は、通信端末1の形態が第3の形態であると判定し、「第3の形態用の表示制御処理」を実行する(ステップS107)。
【0064】
「第3の形態用の表示制御処理」を、
図7に示すフローチャートを参照して説明する。本実施の形態1では、通信端末1がテーブルの上に置かれた状態から処理が開始される。
【0065】
第3の形態用の表示制御処理が開始されると、上下判定部112は、「上下判定処理」を実行する(ステップS201)。そして、視認状態判定部113は、視認可能な表示部160を判定する「視認状態判定処理」を実行する(ステップS202)。
【0066】
次に、制御部110は、通信端末1がシークレットモードに設定されているか否かを判定する(ステップS203)。通信端末1がシークレットモードに設定されている場合(ステップS203:YES)、前述したシークレット処理を実行する(ステップS204)。
【0067】
一方、シークレットモードが解除されている場合(ステップS203:NO)、制御部110は、シークレット処理(ステップS204)をスキップする。
【0068】
そして、表示データ出力部114は、表示部160に表示データを出力する(ステップS205)。その際、表示データ出力部114は、シークレットモードが解除されている場合には、視認可能な上側の表示部160に、設定された表示項目を示すデータが含まれた表示データを出力するとともに、視認不能な下側の表示部160に表示データを出力しない。
【0069】
一方、表示データ出力部114は、シークレットモードが設定されている場合には、視認可能な上側の表示部160に、ユーザが選択した表示項目(表示項目設定部115が設定した表示項目)を示すデータが含まれた表示データを出力するとともに、視認不能な下側の表示部160に、全表示項目を示すデータが含まれた表示データを出力する。上述した制御を行う結果、各表示部160には
図8に示す表示項目が表示される。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態1によれば、シークレットモードが設定されている場合には、視認可能な表示部160にユーザが予め設定した表示項目のみを表示するので、第三者への情報の漏洩を防止することができる。
【0071】
第3の形態用の表示制御処理では、ユーザが詳細な情報を得るまでに、通信端末1を手に取り、裏返す動作を介するので、第三者への情報の漏洩を防止することができる。
【0072】
第3の形態用の表示制御処理では、視認不能な下側の表示部160に全表示項目を表示するので、その表示部160を見るだけで詳細な情報を得ることができ、ユーザの利便性を維持することができる。
【0073】
シークレットモードが解除されている場合には、視認可能な表示部160に全表示項目を表示するので、状況に応じた情報の保護を適切に行うことができる。
【0074】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について
図9と
図10を参照して説明する。
【0075】
実施の形態2に係る通信端末は、実施の形態1に係る通信端末1と同様の構成部分を有するので、通信端末1と同様の構成部分については、同じ符号を付すことで説明を省略する。以下、実施の形態3、4、5についても同様とする。
【0076】
図9を参照しながら、本発明の実施の形態2に係る通信端末による「表示制御処理」について説明する。本実施の形態2は、上記実施の形態1と「第3の形態用の表示制御処理」が異なる。以下、実施の形態2の「第3の形態用の表示制御処理」について説明する。
【0077】
第3の形態用の表示制御処理が開始されると、上下判定部112は、「上下判定処理」を実行する(ステップS301)。そして、視認状態判定部113は、前述した「視認状態判定処理」を実行する(ステップS302)。
【0078】
次に、制御部110は、通信端末1がシークレットモードに設定されているか否かを判定する(ステップS303)。通信端末1がシークレットモードに設定されている場合(ステップS303:YES)、制御部110は、前述したシークレット処理を実行する(ステップS304)。
【0079】
一方、シークレットモードが解除されている場合(ステップS303:NO)、制御部110は、シークレット処理(ステップS304)をスキップする。
【0080】
そして、表示データ出力部114は、視認可能な上側の表示部160に表示データを出力する(ステップS305)とともに、視認不能な下側の表示部160には表示データを出力しない。そして、
図6の表示制御処理のフローに戻る。
【0081】
その際、表示データ出力部114は、シークレットモードが解除されている場合には、視認可能な上側の表示部160に、全表示項目を示すデータが含まれた表示データを出力し、シークレットモードが設定されている場合には、ユーザが選択した表示項目(表示項目設定部115が設定した表示項目)を示すデータが含まれた表示データを出力する。上述した制御を行う結果、各表示部160には
図10に示す表示項目が表示される。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態によれば、シークレットモードに設定されている場合には、前述した実施の形態1と同様に、視認可能な上側の表示部160にユーザが予め選択した表示項目を表示するので、第三者への情報の漏洩を防止できる。また、視認不能な下側の表示部160を消灯状態に維持するので、省電力化を図ることができる。
【0083】
(実施の形態3)
次に、本発明に係る表示制御装置300を備える通信端末3について
図11と
図12を参照して説明する。
【0084】
状態検出部380は、実施の形態1で説明した状態検出部180の構成に加え、さらに第1の筐体11及び第2の筐体12の外面にそれぞれ設けられたタッチセンサ383及び加速度センサ384を有する。
【0085】
タッチセンサ383は、ユーザの指先との接触を検出するものであり、導電膜などで構成される。タッチセンサ383は、ユーザの指先と導電膜との間の静電容量の変化に応じた検出信号を制御部310に入力する。制御部310は、入力された検出信号に基づいて、ユーザが通信端末3に触れているか否かを判定する。
【0086】
加速度センサ384は、第1の筐体11の加速度を検出するものであり、センサ素子可動部及び固定部などで構成される。加速度センサ384は、センサ素子可動部と固定部との間の静電容量の変化に応じた検出信号を制御部310に入力する。制御部310は、入力された検出信号に基づいて、第1の筐体11の加速度を算出する。
【0087】
接触検出手段は、タッチセンサ382から構成される。
加速度検出手段は、加速度センサ384から構成される。
【0088】
次に、制御部310の機能構成について説明する。
【0089】
制御部310は、実施の形態1で説明した制御部110の機能構成に加え、さらに取得判定部316を備える。
【0090】
取得判定部316は、ユーザが通信端末3を取得したか否かを判定する「取得判定処理」を行うものである。
取得動作タイミング取得手段は、取得判定部316から構成される。
表示制御装置300は、制御部310、記憶部140及び状態検出部380等から構成される。
【0091】
次に、制御部310において実行される「取得判定処理」について説明する。
【0092】
取得判定部316は、「取得判定処理」を実行し、タッチセンサ382の検出結果及び加速度センサ384の検出結果に応じて、通信端末3の取得状態、即ち、ユーザが通信端末3を取得したか否かを判定する。例えば、ユーザが通信端末3に触れておらず、かつ第1の筐体11の加速度が0の場合、取得判定部316は、通信端末3が静止状態にあると判定する。タッチセンサ382がユーザの指先との接触を検知した後、加速度センサ384が第1の筐体11の加速度を検出した場合、取得判定部316は、ユーザが通信端末3を手に取る動作を開始した(取得動作開始)と判定する。その後、第1の筐体11の加速度が非常に小さくなった場合、取得判定部316は、ユーザが通信端末3を手に取る動作を完了した(取得動作完了)と判定する。取得動作が完了した状態は、ユーザが通信端末3を顔の前に構えたと推認される状態である。
【0093】
次いで、
図12を参照しながら、本発明の実施の形態3による「表示制御処理」について説明する。本実施の形態は、上記実施の形態1及び2と「第3の形態用の表示制御処理」が異なる。以下、実施の形態3の「第3の形態用の表示制御処理」について説明する。
【0094】
第3の形態用の表示制御処理が開始されると、取得判定部316は、「取得判定処理」を実行し(ステップS401)、通信端末3の取得動作が開始されたか否かを判定する(ステップS402)。通信端末3の取得動作が開始されていない場合(ステップS402:NO)、電話の着信又はメールの受信から所定の待機時間(例えば30sec)が経過したか否かを判定する(ステップS403)。
【0095】
待機時間が経過していない場合(ステップS403:NO)、上記ステップS401及びステップS402のステップ処理を再度実行する。待機時間が経過した場合(ステップS403:YES)、本処理を終了し、表示部160が消灯状態のままで
図6の表示制御処理のフローに戻る。
【0096】
一方、通信端末3の取得動作が開始された場合(ステップS402:YES)、取得動作の開始から所定時間(例えば3sec)が経過したか否かを判定する(ステップS404)。
【0097】
所定時間が経過していない場合(ステップS404:NO)、所定時間の経過を待つ。所定時間が経過した場合(ステップS404:YES)、上下判定部112は、「上下判定処理」を実行する(ステップS405)。そして、視認状態判定部113は、「視認状態判定処理」を実行する(ステップS406)。
【0098】
そして、表示データ出力部114は、視認可能な上側の表示部160に全表示項目を示すデータが含まれた表示データを出力する(ステップS407)とともに、視認不能な下側の表示部160に表示データを出力しない。そして、
図6の表示制御処理のフローに戻る。
【0099】
以上説明したように、実施の形態3では、通信端末3は、ユーザが通信端末3を取る動作を開始したタイミングを取得動作タイミングとして取得し、この取得動作タイミングに応じて、表示部160に表示データを出力するタイミングを決定する。従って、通信端末3は、意図しないタイミングで表示部160に表示データが出力されることが回避され、第三者への情報の漏洩を防止することができる。
【0100】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について
図13を参照して説明する。
【0101】
本発明の実施の形態4に係る通信端末による「表示制御処理」について説明する。本実施の形態4は、上記実施の形態3と「第3の形態用の表示制御処理」が異なる。以下、実施の形態4の「第3の形態用の表示制御処理」について説明する。
【0102】
第3の形態用の表示制御処理が開始されると、取得判定部316は、「取得判定処理」を実行し(ステップS501)、通信端末3の取得動作が開始されたか否かを判定する(ステップS502)。通信端末3の取得動作が開始されていない場合(ステップS502:NO)、電話の着信又はメールの受信から所定の待機時間(例えば30sec)が経過したか否かを判定する(ステップS503)。
【0103】
待機時間が経過していない場合(ステップS503:NO)、上記ステップS501及びステップS502のステップ処理を再度実行する。待機時間が経過した場合(ステップS503:YES)、本処理を終了し、
図6の表示制御処理のフローに戻る。
【0104】
一方、通信端末3の取得動作が開始された場合(ステップS502:YES)、取得判定部116は、通信端末3の取得動作が完了したか否かを判定する(ステップS504)。
【0105】
通信端末3の取得動作が完了していない場合(ステップS504:NO)、取得動作が完了するまでこのステップS504を繰り返し実行する。通信端末3の取得動作が完了した場合(ステップS504:YES)、上下判定部112は、「上下判定処理」を実行する(ステップS505)。そして、視認状態判定部113は、「視認状態判定処理」を実行する(ステップS506)。
【0106】
そして、表示データ出力部114は、視認可能な上側の表示部160に全表示項目を示すデータが含まれた表示データを出力する(ステップS507)とともに、視認不能な下側の表示部160に表示データを出力しない。そして、
図6の表示制御処理のフローに戻る。
【0107】
以上説明したように、実施の形態4では、通信端末3は、ユーザが通信端末3を取る動作を完了したタイミングを取得動作タイミングとして取得し、この取得動作タイミングに応じて、表示部160に表示データを出力するタイミングを決定する。従って、通信端末3は、意図しないタイミングで表示部160に表示データが出力されることが回避され、第三者への情報の漏洩を防止することができる。
【0108】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について
図14と
図15を参照して説明する。
【0109】
上記実施の形態1〜4では、具体的な表示制御装置100、300について説明したが、本実施の形態5では、最小構成から成る表示制御装置500について説明する。
【0110】
図14に示す通信端末5には、表示制御装置500が備えられている。
【0111】
表示制御装置500は、姿勢取得手段としての姿勢取得部510、視認状態判定手段としての視認状態判定部520及び表示データ出力手段としての表示データ出力部530を備えている。
【0112】
姿勢取得部510は、通信端末5の筐体の姿勢を取得するものである。
【0113】
視認状態判定部520は、姿勢取得部510によって取得された筐体の姿勢に応じて、通信端末5の複数の表示部のうちユーザが視認可能な表示部を判定するものである。
【0114】
表示データ出力部530は、視認状態判定部520の判定結果に基づいて、表示部に表示データを出力するものである。表示データには、例えば、「着信中」のメッセージや「着信日時」、「相手の氏名」、「相手の電話番号」がある。
【0115】
また、通信端末5は、表示制御装置500の他に、通信部120、音声処理部130、操作部150、表示部160、報知部170などを備えている。表示部160は複数設けられており、複数の表示部160は筐体の互いに異なる面に配置されている。
【0116】
次に、
図15を参照しながら、表示制御装置500において実行される「表示制御処理」について説明する。
【0117】
表示制御処理が開始されると、姿勢取得部510は、通信端末5の筐体の姿勢を取得する「姿勢取得処理」を実行する(ステップS601)。次に、視認状態判定部520は、姿勢取得部510によって取得された筐体の姿勢に応じて、通信端末5の複数の表示部のうちユーザが視認可能な表示部を判定する「視認状態判定処理」を実行する(ステップS602)。
【0118】
表示データ出力部530は、視認状態判定部520の判定結果に基づいて、通信端末5の表示部に表示データを出力する(ステップS603)。例えば、表示データ出力部530は、ユーザが視認可能な表示部に、設定された表示項目を示すデータが含まれた表示データを出力するとともに、ユーザが視認不能な表示部に表示データを出力しない。
【0119】
上述したように表示制御装置5を、例えば、ユーザが視認可能な表示部に表示データを出力し、ユーザが視認不能な表示部に表示データを出力しない、即ち、ユーザにとっては視認不能だが第三者にとっては視認可能である表示部に表示データを出力しない設定とする。
【0120】
また、表示制御装置5を、例えば、通信端末5がテーブルの上に置かれた状態では、ユーザと第三者にとって視認不能な表示部に表示データを出力し、ユーザと第三者にとって視認可能な表示部に表示データを出力しない設定とする。この場合には、ユーザは通信端末5を手に取り、裏返すことで簡単に表示データを確認することができる。なお、表示部への表示データの出力をする制御方法は任意である。
【0121】
表示制御装置5は、上述したように表示部への表示データの出力を制御するので、第三者への情報の漏洩を防止することが可能となり、ユーザの利便性を維持することができる。
【0122】
なお、本発明は、説明した実施の形態1〜5に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0123】
(変形例)
実施の形態1〜5では、通信端末1、3、5の姿勢に応じて、視認可能な表示部160を判定しているが、これに加えて他の適当な条件やパラメータ、例えば、表示部160に入り込む光量を検出し、検出された光量にさらに応じて視認可能な表示部160を判定してもよい。
【0124】
実施の形態1〜4では、通信端末1、3が折り畳み型であるが、互いに異なる面に複数の表示部160が設けられていればよく、例えば、各筐体を分離・連結可能なものでもよく、単一の筐体の表面と裏面に表示部160が設けられたものでもよい。
【0125】
実施の形態1〜4では、通信端末1、3を折り畳み型とし、第1の筐体11と第2の筐体12の相互の配置を検出する筐体配置検出手段を備える構成としたが、例えば、通信端末が単一の筐体からなるものである場合には、筐体配置検出手段を備えない構成としてもよい。
【0126】
実施の形態1〜4では、第1の筐体11と第2の筐体12とが、それらの短辺において連結されている構成としたが、例えば、第1の筐体11と第2の筐体12とが、それらの長辺において連結されている構成としてもよい。また、筐体11、12の形状は略矩形に限られず、例えば、略正方形であってもよい。
【0127】
実施の形態1〜4では、通信端末1、3は、第1の形態、第2の形態及び第3の形態を取り得るものとして説明したが、通信端末1、3は、第1から第3の全ての形態を取り得るものに限られず、少なくとも第2の形態及び第3の形態を取り得るものであればよい。
【0128】
実施の形態1〜4では、姿勢取得手段は、ジャイロスコープ182から構成されることとしたが、姿勢取得手段は、筐体の姿勢を取得することができればよく、例えば、表示部160に入り込む光量を検出し、検出された光量に応じて筐体の姿勢を取得するものでもよい。
【0129】
実施の形態1〜4では、筐体配置検出手段は、形態判定部111と角度センサ181から構成されることとしたが、筐体配置検出手段は、複数の筐体の相互の配置を検出することができればよく、筐体配置検出手段の構成は、必ずしもこれらのものに限られない。例えば、筐体配置検出手段を、各筐体に搭載されたジャイロスコープから各筐体の相互の配置を検出する構成としてもよい。
【0130】
実施の形態1〜4では、制御部110が、形態判定部111、上下判定部112、視認状態判定部113、表示データ出力部114、表示項目設定部115等の機能構成を備える構成としたが、各機能構成を制御部110から独立した構成としてもよく、また、これらの機能構成のうち一部を制御部110から独立した構成としてもよい。
【0131】
実施の形態1〜4では、接触検出手段は、タッチセンサ382から構成されることとしたが、接触検出手段は、筐体とユーザとの接触の有無を検出することができればよく、例えば、ユーザが筐体を掴めば押下されるボタンスイッチでもよい。
【0132】
実施の形態3及び4では、シークレットモード機能を用いていないが、シークレットモードの設定及び解除に応じて、表示項目を切り換えてもよい。
【0133】
実施の形態3では、ユーザが通信端末3を取る動作を開始したタイミングを取得動作タイミングとして取得し、また、実施の形態4では、ユーザが通信端末3を取る動作を完了したタイミングを取得動作タイミングとして取得したが、ユーザが通信端末3を取る動作を開始したタイミングと動作を完了したタイミングの両時点を取得動作タイミングとして取得してもよい。
【0134】
上述の実施の形態1〜5では、通信端末1、3、5が携帯電話の場合を例に説明したが、本実施の形態は、携帯電話以外の通信端末、例えば、パソコン、電子手帳及びタブレット端末にも適用できる。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【0135】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0136】
(付記1)
筐体の互いに異なる面に配置された複数の表示部への表示データの出力を制御する表示制御装置であって、
前記筐体の姿勢を取得する姿勢取得手段と、
当該取得された筐体の姿勢に応じて、前記複数の表示部のうちユーザが視認可能な表示部を判定する視認状態判定手段と、
当該視認状態判定手段の判定結果に基づいて、前記表示部に表示データを出力する表示データ出力手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【0137】
(付記2)
前記表示データには、表示項目を示すデータである表示項目データが複数含まれ、
前記表示データ出力手段は、前記視認可能と判定された表示部に前記複数の表示項目データのうちの一部を出力し、前記視認可能と判定されなかった表示部に前記複数の表示項目データの全てを出力する、
ことを特徴とする付記1に記載の表示制御装置。
【0138】
(付記3)
前記表示データには、表示項目を示すデータである表示項目データが複数含まれ、
前記表示データ出力手段は、前記視認可能と判定された表示部に前記複数の表示項目データのうちの一部を出力し、前記視認可能と判定されなかった表示部に表示データを出力しない、
ことを特徴とする付記1に記載の表示制御装置。
【0139】
(付記4)
前記視認可能と判定された表示部に出力する前記表示項目データを設定する表示項目設定手段をさらに備える、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の表示制御装置。
【0140】
(付記5)
ユーザが前記筐体を手に取る動作を開始したタイミング及び完了したタイミングの少なくとも一方を取得動作タイミングとして取得する取得動作タイミング取得手段をさらに備え、
前記表示データ出力手段は、前記取得された取得動作タイミングに応じて、前記表示部に表示データを出力するタイミングを決定する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載の表示制御装置。
【0141】
(付記6)
前記筐体の加速度を検出する加速度検出手段と、
前記筐体とユーザとの接触の有無を検出する接触検出手段とをさらに備え、
前記取得動作タイミング取得手段は、前記検出された筐体の加速度及び前記筐体とユーザとの接触の有無に応じて、前記取得動作タイミングを取得する、
ことを特徴とする付記5に記載の表示制御装置。
【0142】
(付記7)
前記表示データ出力手段は、前記取得動作タイミングが取得されない場合、表示データを出力しない、
ことを特徴とする付記5又は6に記載の表示制御装置。
【0143】
(付記8)
前記筐体は相互の配置を変更可能な複数の筐体から構成され、
前記複数の筐体の相互の配置を検出する筐体配置検出手段をさらに備え、
前記視認状態判定手段は、前記検出された複数の筐体の配置にさらに応じて、前記複数の表示部のうちユーザが視認可能な表示部を判定する、
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1つに記載の表示制御装置。
【0144】
(付記9)
筐体の互いに異なる面に複数の表示部を有し、付記1乃至8のいずれか1つに記載の表示制御装置を備える通信端末。
【0145】
(付記10)
筐体の互いに異なる面に配置された複数の表示部への表示データの出力を制御する表示制御方法であって、
前記筐体の姿勢を取得する姿勢取得ステップと、
当該取得された筐体の姿勢に応じて、前記複数の表示部のうちユーザが視認可能な表示部を判定する視認状態判定ステップと、
当該視認状態判定手段の判定結果に基づいて、前記表示部に表示データを出力する表示データ出力ステップと、
を備えることを特徴とする表示制御方法。
【0146】
(付記11)
前記表示データには、表示項目を示すデータである表示項目データが複数含まれ、
前記表示データ出力ステップでは、前記視認可能と判定された表示部に前記複数の表示項目データのうちの一部を出力し、前記視認可能と判定されなかった表示部に前記複数の表示項目データの全てを出力する、
ことを特徴とする付記10に記載の表示制御方法。
【0147】
(付記12)
前記表示データには、表示項目を示すデータである表示項目データが複数含まれ、
前記表示データ出力ステップでは、前記視認可能と判定された表示部に前記複数の表示項目データのうちの一部を出力し、前記視認可能と判定されなかった表示部に表示データを出力しない、
ことを特徴とする付記10に記載の表示制御方法。