特許第6202591号(P6202591)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202591
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】電源配電設備
(51)【国際特許分類】
   H02B 3/00 20060101AFI20170914BHJP
   H02B 1/40 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   H02B3/00 E
   H02B1/40 Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-231167(P2012-231167)
(22)【出願日】2012年10月18日
(65)【公開番号】特開2014-82913(P2014-82913A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2015年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091694
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 守
(72)【発明者】
【氏名】奥山 倫弘
(72)【発明者】
【氏名】井上 真輔
(72)【発明者】
【氏名】高橋 聡
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−165216(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0217128(US,A1)
【文献】 実開平01−143212(JP,U)
【文献】 特開2001−258128(JP,A)
【文献】 特開2007−215257(JP,A)
【文献】 特開2002−101508(JP,A)
【文献】 特開平8−331712(JP,A)
【文献】 特開平10−070803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 3/00
H02B 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電源供給源を有する複数の分電盤と、前記分電盤とは別に電源供給用ラックと、複数の機器が搭載される機器搭載用ラックと、前記分電盤の電源供給源の電圧/電流端子に接続される複数の電圧/電流給用口を持つ第1コンセントと、当該第1コンセントに接続される複数の電圧/電流送出口を持つ第2コンセントと、当該第2コンセントに接続される複数の機器口を持つ第3コンセントと、を有する電源配電設備であって、
前記第1、第2、第3コンセントは、前記機器搭載用ラックに搭載される機器の設計仕様範囲内で最高電圧/電流仕様を有し、
前記第1コンセントは、前記分電盤又は前記電源供給用ラックに配設し、前記第2コンセントは、前記電源供給用ラックに配設し、前記第3コンセントは、前記機器搭載用ラックに配設し、
前記第1コンセントと前記第2コンセントとの接続組合せをもって、前記分電盤の電圧/電流を前記機器に対応する電圧/電流に変更することを可能とし、
前記電源供給用ラックの第2コンセントと機器未搭載状態の前記機器搭載用ラックの第3コンセントとの間が電源ケーブルにより事前に配線してあることを特徴とする電源配電設備。
【請求項2】
請求項1に記載された電源配電設備において、
前記複数の分電盤の電源供給源は、100V用電源及び200V用電源を供給するものであって、2つの100V/20Aの電源供給源及び1つの200V/20A、1つの200V/30Aからなり、
前記第1、第2、第3コンセントは、前記機器搭載用ラックに搭載される前記機器が100VでNEMA規格5―15、100VでNEMA規格L5−20、200VでNEMA規格L6−20、200VでNEMA規格L6−30の電源仕様である場合、最高電圧/電流仕様の200VでNEMA規格L6−30の電源形状のコンセントであることを特徴とする電源配電設備。
【請求項3】
複数の電源供給源を有する複数の分電盤と、前記分電盤とは別に電源供給用ラックと、複数の機器が搭載される機器搭載用ラックと、を有する電源配電設備であって、
前記電源供給用ラックは、
前記機器搭載用ラックに搭載される機器の設計仕様範囲内で最高電圧/電流仕様であって、前記分電盤の電源供給源の電圧/電流端子に接続される複数の電圧/電流給用口を持つ第1コンセント及び当該コンセントに接続される複数の電圧/電流送出口を持つ第2コンセントを有し、
前記機器搭載用ラックは、
前記機器搭載用ラックに搭載される機器の設計仕様範囲内で最高電圧/電流仕様の複数の機器口を持つ第3コンセントを有し、
前記第1コンセントと前記第2コンセントとの接続組合せをもって、前記分電盤の電圧/電流を前記機器に対応する電圧/電流に変更することを可能とし、
前記電源供給用ラックの第2コンセントと機器未搭載状態の前記機器搭載用ラックの第3コンセントとの間が電源ケーブルにより事前に配線してあることを特徴とする電源配電設備。
【請求項4】
請求項3に記載された電源配電設備において、
前記複数の分電盤の電源供給源は、100V用電源及び200V用電源を供給するものであって、2つの100V/20Aの電源供給源及び1つの200V/20A、1つの200V/30Aからなり、
前記第1、第2、第3コンセントは、前記機器搭載用ラックに搭載される前記機器が100VでNEMA規格5―15、100VでNEMA規格L5−20、200VでNEMA規格L6−20、200VでNEMA規格L6−30の電源仕様である場合、最高電圧/電流仕様の200VでNEMA規格L6−30の電源形状のコンセントであることを特徴とする電源配電設備。
【請求項5】
複数の電源供給源を有する分電盤と、前記分電盤とは別に電源供給用ラックと、複数の機器が搭載される機器搭載用ラックと、を有する電源配電設備であって、
前記複数の分電盤は、
前記機器搭載用ラックに搭載される機器の設計仕様範囲内で最高電圧/電流仕様であって、当該分電盤の電源供給源の電圧/電流端子に接続される複数の電圧/電流給用口を持つ第1コンセントを有し、
前記電源供給用ラックは、
前記機器搭載用ラックに搭載される機器の設計仕様範囲内で最高電圧/電流仕様であって、前記第1コンセントに接続される複数の電圧/電流送出口を持つ第2コンセントを有し、
前記機器搭載用ラックは、
前記機器搭載用ラックに搭載される機器の設計仕様範囲内で最高電圧/電流仕様の複数の機器口を持つ第3コンセントを有し、
前記第1コンセントと前記第2コンセントとの接続組合せをもって、前記分電盤の電圧/電流を前記機器に対応する電圧/電流に変更することを可能とし、
前記電源供給用ラックの第2コンセントと機器未搭載状態の前記機器搭載用ラックの第3コンセントとの間が電源ケーブルにより事前に配線してあることを特徴とする電源配電設備。
【請求項6】
請求項5に記載された電源配電設備において、
前記複数の分電盤の電源供給源は、100V用電源及び200V用電源を供給するものであって、2つの100V/20Aの電源供給源及び1つの200V/20A、1つの200V/30Aからなり、
前記第1、第2、第3コンセントは、当該ラックに搭載される前記機器が100VでNEMA規格5―15、100VでNEMA規格L5−20、200VでNEMA規格L6−20、200VでNEMA規格L6−30の電源仕様である場合、最高電圧/電流仕様の200VでNEMA規格L6−30の電源形状のコンセントであることを特徴とする電源配電設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックに搭載される複数の機器に対応可能な電源配電設備に関する。
【背景技術】
【0002】
ラックに搭載される機器は、その電圧/電流の仕様が同一とは限らず、むしろ相違するケースが多々ある。
このような仕様の相違する機器の電源を分電盤から供給しようとする場合、その都度、機器に合わせた電源ケーブルの配線工事が必要となっていた。
【0003】
本技術分野の背景技術として、特開2007−215257号公報(特許文献1)がある。この文献には、「交流電力系統4からの交流電力を力率改善して直流電力に変換して出力する力率改善整流回路6と、自ら発電して直流電力を出力する分散型電源1と、力率改善整流回路からの直流電力または分散型電源からの直流電力を選択する電力スイッチ7と、電力スイッチ7の出力側に並列接続される蓄電器3および負荷に電力を供給するための配線8と、電力スイッチを制御する電源制御部2と、を備え、」、「交流電力系統における電力品質の悪化の発生を引き起こすことを防止し、直流電力を負荷に供給できる分散型電源配電システムを提供する。」と記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−215257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1には、分散型電源配電システムおよび分散型電源装置が記載されている。しかし、分散型電源から複数の機器への配電は、力率改善電源回路と分散型電源とを電力スイッチをもって切替えて行うものであって、複数のラックに多種多様な電源、電流を必要とする複数の機器を搭載し、当該機器への電源供給のための電源ケーブルの配線については特に考慮されていない。
【0006】
従って、従来は、図4に示す如く、電源利用要件発生、工事業者へ発注、工事実施、電源利用開始の手順となっていた。即ち、機器搭載用ラック(19インチラックなど)に機器を新規に搭載し、当該機器に電源を供給する必要が発生した場合、まず工事業者へ電源ケーブルの配線工事を発注する。次いで、当該配線工事までの所要期間を待って、当該工事業者により、分電盤から機器の設置場所まで、電圧(100V/200V)や電流(15A/20A/30A)に適合した配線工事を実施して貰っていた。この配線工事の所要期間(納期期間)は、一般的に二週間〜四週間程度の納期が必要とされている。
【0007】
また、機器搭載用ラックに搭載される機器のリプレース等にて今まで使用していた電源が次に利用する機器の電源や電流などに違いが発生した場合には、既存の電源ケーブルを再利用できないことから、既存電源ケーブルの撤去と、新規電源ケーブルの再配線工事が必要となっていた。
【0008】
要するに、従来にあっては、ラックに機器を設置し、またラックの機器を取り替える場合、その都度、工事業者への発注、配線工事を繰り替えして行った後でないと、機器の利用ができない状況にあった。従って、電源工事の都度、業者へ発注と工事が必要であった。また、工事内容によって既存ケーブル撤去及び再配線工事が必要であり、電源の利用開始まで時間が掛かっていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、かかる点に鑑み、電源ケーブルの配線工事による期間、つまり電源配電期間の短縮が図れ、機器利用者の利便性の向上と電源設備の継続的利用を可能とする電源配電設備を提供することにある。
【0010】
本発明は、前記目的を達成するため、分電盤とは別に電源供給用ラック及び複数の機器が搭載される機器搭載用ラックを有し、これらの分電盤、又は電源供給用ラック、及び機器搭載用ラックに、前記分電盤の電圧/電流端子に接続される複数の電圧/電流給用口を持つ第1コンセント、当該コンセントに接続される複数の電圧/電流送出口を持つ第2コンセント、前記機器搭載用ラックに搭載される機器の設計仕様範囲内で最高電圧/電流仕様の複数の機器口を持つ第3コンセントを設けたものである。
【0011】
例えば、本発明の電源配電設備は、複数の電源供給源を有する複数の分電盤と、前記分電盤とは別に電源供給用ラックと、複数の機器が搭載される機器搭載用ラックと、前記分電盤の電源供給源の電圧/電流端子に接続される複数の電圧/電流給用口を持つ第1コンセントと、当該第1コンセントに接続される複数の電圧/電流送出口を持つ第2コンセントと、当該第2コンセントに接続される複数の機器口を持つ第3コンセントと、を有する電源配電設備であって、前記第1、第2、第3コンセントは、前記機器搭載用ラックに搭載される機器の設計仕様範囲内で最高電圧/電流仕様を有し、前記第1コンセントは、前記分電盤又は前記電源供給用ラックに配設し、前記第2コンセントは、前記電源供給用ラックに配設し、前記第3コンセントは、前記機器搭載用ラックに配設し、前記第1コンセントと前記第2コンセントとの接続組合せをもって、前記分電盤の電圧/電流を前記機器に対応する電圧/電流に変更することを可能とし、前記電源供給用ラックの第2コンセントと機器未搭載状態の前記機器搭載用ラックの第3コンセントとの間が電源ケーブルにより事前配線してあることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の電源配電設備は、複数の電源供給源を有する複数の分電盤と、前記分電盤とは別に電源供給用ラックと、複数の機器が搭載される機器搭載用ラックと、を有する電源配電設備であって、前記電源供給用ラックは、前記機器搭載用ラックに搭載される機器の設計仕様範囲内で最高電圧/電流仕様であって、前記分電盤の電源供給源の電圧/電流端子に接続される複数の電圧/電流給用口を持つ第1コンセント及び当該コンセントに接続される複数の電圧/電流送出口を持つ第2コンセントを有し、前記機器搭載用ラックは、前記機器搭載用ラックに搭載される機器の設計仕様範囲内で最高電圧/電流仕様の複数の機器口を持つ第3コンセントを有し、前記第1コンセントと前記第2コンセントとの接続組合せをもって、前記分電盤の電圧/電流を前記機器に対応する電圧/電流に変更することを可能とし、前記電源供給用ラックの第2コンセントと機器未搭載状態の前記機器搭載用ラックの第3コンセントとの間が電源ケーブルにより事前配線してあることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電源配電設備は、複数の電源供給源を有する分電盤と、前記分電盤とは別に電源供給用ラックと、複数の機器が搭載される機器搭載用ラックと、を有する電源配電設備であって、前記複数の分電盤は、前記機器搭載用ラックに搭載される機器の設計仕様範囲内で最高電圧/電流仕様であって、当該分電盤の電源供給源の電圧/電流端子に接続される複数の電圧/電流給用口を持つ第1コンセントを有し、前記電源供給用ラックは、前記機器搭載用ラックに搭載される機器の設計仕様範囲内で最高電圧/電流仕様であって、前記第1コンセントに接続される複数の電圧/電流送出口を持つ第2コンセントを有し、前記機器搭載用ラックは、前記機器搭載用ラックに搭載される機器の設計仕様範囲内で最高電圧/電流仕様の複数の機器口を持つ第3コンセントを有し、前記第1コンセントと前記第2コンセントとの接続組合せをもって、前記分電盤の電圧/電流を前記機器に対応する電圧/電流に変更することを可能とし、前記電源供給用ラックの第2コンセントと機器未搭載状態の前記機器搭載用ラックの第3コンセントとの間が電源ケーブルにより事前配線してあることを特徴とする。
【0014】
前記複数の分電盤の電源供給源は、100V用電源及び200V用電源を供給するものであって、2つの100V/20Aの電源供給源及び1つの200V/20A、1つの200V/30Aからなり、前記第1、第2、第3コンセントは、前記機器搭載用ラックに搭載される前記機器が100V(NEMA規格 5―15)、100V(NEMA規格 L5−15)、200V(NEMA規格 L6−20)、200V(NEMA規格 L6−30)の電源仕様である場合、最高電圧/電流仕様の200V(NEMA規格 L6−30)の電源形状のコンセントであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来の課題を是正することができ、電源利用機器の導入に必要な電源工事について、機器の仕様に適合した電源をタイムリーに準備し、準備期間の短縮が図れ、利便性の向上と電源設備の継続的利用を可能とする電源配電設備を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施例を示す電源配電設備の全体構成を示す図である。
図2】本発明の第2の実施例を示す電源配電設備の全体構成を示す図である。
図3】本発明の電源準備の施工の流れ手順を示す図である。
図4】従来の電源準備の施工の流れ手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施例では、分電盤の電源として、最大電圧200V/最大電流30Aとした場合のシステム構成とし、100V20A(電源形状:NEMA規格 5−15)、100V20A(電源形状:NEMA規格 L5−20)、200V20A(電源形状:NEMA規格 L6−20)、200V30A(電源形状:NEMA規格 L6−30)とし、電源の最大電圧/最大電流を200V/30A(電源形状:NEMA規格 L6−30)とした場合を例として説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、既存の分電盤を使用して、当該分電盤から機器(サーバ等)が搭載される機器搭載用ラックへの電源ケーブルの配線を実現可能とした例を示す図である。
【0019】
電源配電設備は、分電盤100、電源供給用ラック200、機器搭載用ラック300を有する。
【0020】
分電盤100は、2つの分電盤110、120を有する。分電盤110は、100V用電源を供給するものであって、100V20Aの電源111、100V20Aの電源112を有する。分電盤120は、200V用電源を供給するものであって、200V30Aの電源121、200V20Aの電源122を有する。
【0021】
電源供給用ラック200は、電源供給用コンセント210(以下、第1コンセントと言う)、電源送出用コンセント220(以下、第2コンセントと言う)を有する。第1コンセント210は、4つの電源供給用端子211、212、213、214を有し、第2コンセント220は、4つの電源送出用端子221、222、223、224を有する。そして、これら4つの端子の電源形状は、何れも電源形状NEMA L6−30とする。当該電源供給用ラック300は、例えば分電盤100との接続を考慮して分電盤110、120の近傍に配置する。
【0022】
第1コンセント210と第2コンセント220は、4本の電源コード215、216、217、218により接続する。これらの接続は、必要な電圧/電流に応じて変更すれば良い。即ち、第1コンセント210と第2コンセント220は、機器搭載用ラック300に搭載される機器410〜440の電源仕様に応じて、ケーブル185〜188により接続される。
【0023】
機器搭載用ラック300は、複数のラック、例えば3つの19インチラック310、320、330と、1つの機器ラック340(19インチラックとは別)を有する。機器搭載用ラック300は、これらのラックに限定する必要はなく、1つのラックでも良い。
【0024】
19インチラック310、320、330及び機器ラック340は、それぞれ電源享受用コンセント350、360、370、380(以下、第3コンセントと言う)を有する。
【0025】
19インチラック310の第3コンセント350は、1つの電源享受用端子351を有し、19インチラック320の第3コンセント360は、4つの電源享受用端子361、362、363、364を有し、19インチラック330の第3コンセント370は、4つの電源享受用端子371、372、373、374を有し、機器ラック340の第3コンセント380は、1つの電源享受用端子381を有する。そして、これら4つの第3コンテンツの各端子の電源形状は、何れも電源形状NEMA L6−30とする。
【0026】
ここで、19インチラック310には、100V(NEMA規格 5−15)機器410を搭載し、19インチラック320には、200V(NEMA規格 L6−30)機器420を搭載し、19インチラック330には、200V(NEMA規格 L6−30)機器430を搭載し、機器ラック340には、100V(NEMA規格 L5−20)機器を搭載することを想定する。つまり、19インチラック以外の様々な機器ラックに対応可能である。
【0027】
第2コンセントと第3コンセントは、4本の電源ケーブル225〜228により、接続する。第3コネクタは、予め準備の電源ケーブル225〜228にて電源利用機器の電源形状に合致したコネクタとする。
【0028】
第1、第2、第3コンセント及び電源ケーブルは、使用が想定される電源規格(電源形状NEMA規格 5−15、NEMA規格 L5−20、NAMA規格 L6−20、NAMA規格 L6−30)の中から、最大電圧/最大電流(NEMA規格 L6−30)に対応できるものを使用する。また、電源ケーブルの両端は、最大電圧/最大電流に対応できるコネクタ形状(電源形状)とする。
【0029】
例えば、機器搭載ラック300の19インチラック310に搭載される機器410が100V(NEMA規格 5−15)の場合には、そのコネクタ形状と最大電圧/最大電流に対応できる電源形状とが相違することになることから、100V(NEMA規格 5−15)のコネクタを第3コネクタに直接接続することができない。この場合には、コネクタの形状に対応する電源形状(電源形状凡例参照)を有するオプションコンセント510を介して第3コンセント350の端子351に接続する。つまり、オプションコンセント510をもって機器410の電源規格に合致した形状にして接続する。
【0030】
機器搭載ラック300の19インチラック320に搭載される機器420が200V(NEMA規格 L6−30)の場合には、そのコネクタ形状と最大電圧/最大電流に対応できる電源形状とが一致するので、機器の電源を直接第3コネクタ360の端子361〜364の何れかに接続する。
【0031】
機器搭載ラック300の19インチラック330に搭載される機器430が200V(NEMA規格 L6−20)の場合には、そのコネクタ形状と最大電圧/最大電流に対応できる電源形状とが相違することになることから、200V(NEMA規格 L6−20)のコネクタを第3コネクタ370に直接接続することができない。この場合には、第3コネクタの形状に対応する電源形状(電源形状凡例参照)を有するオプションコンセント530を介して第3コンセント370の端子371〜374の何れかに接続する。つまり、オプションコンセント530をもって機器430の電源規格に合致した形状にして接続する。
【0032】
機器搭載ラック300の機器ラック340に搭載される機器440が100V(NEMA規格 L5−20)の場合には、そのコネクタ形状と最大電圧/最大電流に対応できる電源形状とが相違することになることから、100V(NEMA規格 L5−20)のコネクタを第3コネクタ380に直接接続することができない。この場合には、第3コネクタの形状に対応する電源形状(電源形状凡例参照)を有するオプションコンセント540を介して第3コンセント380の端子381に接続する。つまり、オプションコンセント540をもって機器440の電源規格に合致した形状にして接続する。
【0033】
要するに、使用が想定される電源規格の最大電圧/最大電流に対応できる電源ケーブルを機器が設置される機器搭載用ラックと分電盤及び/又は電源供給用ラックとの間に電源規格の最大電圧/最大電流に対応できる複数のコネクタを介して事前に配設しておく。また、各コネクタは、ケーブルの両端を、電源規格の最大電圧/最大電流に対応できるコネクタ形状とする。電源を使用する際には、電源供給用ラック内、又は分電盤と電源供給用ラック間の配線を電源コードにより接続する。これらにより、利用者による機器への電源供給を可能状態とする。例えば、電源供給用ラックに最大電圧/最大電流(NEMA L6−30)規格のコンセントを配置しているので、それ以下の電圧/電流の電源に対応することができる。
【0034】
係る実施例において、機器を利用する場合には、まず、第1、第2コンセント210、220の電源コード215〜218による接続組合せをもって、使用する機器410〜440の電源仕様に合った電源が第2コンセント220の電源送出用端子221〜224に得られるようにする。そして、利用者自身が機器搭載用ラック300に所望の機器を搭載し、当該機器の電源コードのコンセントを第3コンセント350、360、370、380の何れかに接続すれば良い。このとき、第3コンセントの電源形状と機器の電源コードの差し込み口の形状が相違する場合には、第3コンセントに対応可能なオプションコンセントを介して接続する。
【0035】
これにより、図3に示す如く、電源利用要件発生、電源コード/電源ケーブル接続、電源利用開始の手順で済み、工事業者に配線工事を発注する必要がなくなった。これにより、納期期間が省略できる。即ち、前もって電源コード/電源ケーブルの接続が行っているので、利用者が機器の電源コードを第3コンセントに接続することにより、機器の利用が可能となり、業者への配線工事発注が不要となり、その分のコスト低減化が図れる。また、即対応が可能であるので、利用開始までの期間を短縮できる。また、更に配線設備を耐用年数継続的な利用が可能となり、その期間、電源ケーブルを廃棄する必要がなく、省資源化が図れる。
【実施例2】
【0036】
図2は、分電盤として、本発明専用の専用分電盤を使用して、当該分電盤から機器(サーバ等)が搭載される機器搭載用ラックへの電源ケーブル配線を実現可能とした例を示す図である。
【0037】
本実施例は、第1の実施例と相違する点は、2つの第1コンセント210、210’を用意し、当該第1コンセントを2つの分電盤110、120にそれぞれ設置し、1つの第2コンセント220を電源供給用ラック200に設置した点にある。
【0038】
上述した実施例によれば、以下のような効果を期待することができる。
電源利用機器のリプレース等で電源の仕様に変更があった場合でも、既に既設した電源ケーブルの再利用が可能であり、長期的な利用による省資源化が期待できる。例えば、機器搭載ラックや機器は5年に一度、入れ替える場合が生じても、配電設備は、その耐用年数(約20年)は持たせることが可能である。また、事前の電源ケーブル配線により、業者による業者による電源工事が不要である。また、電源ケーブル接続で様々な規格(仕様)に対応した電源を短期間で準備することができ、利用開始期間の短縮化が図れる。電源/電圧の変更のための切替が容易である。電源コネクタを床下に埋設する必要がないので、その管理が容易である。
電源供給用ラック200をNEMA L6−30規格で作成した場合、200V/30A以下の電源に対応可能である。
第3コンセントにて、ラックに搭載される機器の電源規格に合致した形状にして接続することが容易に行える。
【0039】
以上述べた実施例によれば、以下のような効果を奏することができる。
新規で電源利用機器を導入する場合において、機器の変更等で電源の要件が変更になっても電源工事不要である。
また、電源利用機器のリプレース等で電源の要件が変わった場合でも電源ケーブルの再利用が可能となり電源工事不要である。
また、将来を見据えて使用が想定される電源規格(NEMA L6-30等)の最大電圧/最大電流に対応できる電源ケーブルを事前配線しているので、追加の電源工事が不要である。
また、配線した電源ケーブルは電源利用機器がリプレースされても再利用が出来る為、耐用年数(約20年)まで利用が可能である。
利用開始期間の短縮(お客様からのタイムリーな要求に答える事)ができる。
接続する電圧/電流の切替が容易である。
電源コネクタが床下に埋まる事が無いので管理が容易である
電源供給路への給電開始時、有資格者(電気工事士)による作業が不要である。
【0040】
なお、本発明は、上記した実施例限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全て構成を備えるもの限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
データセンタ構築時の大規模工事でコスト低減を考慮したハウジング事業などに適用可能である。
【符号の説明】
【0042】
100 分電盤
111、112、121、122 電源供給用コンセント(第1コンセント)
200 電源供給用ラック
220 電源送出用コンセント(第2コンセント)
215〜218 電源コード(パッチ電源コード)
225〜228 電源ケーブル(事前配線パワーケーブル)
300 機器搭載用ラック
350、360、370、380 電源享受用コンセント(第3コンセント)
400 搭載機器
510、530、540 オプションコンセント

図1
図2
図3
図4