【実施例1】
【0018】
図1は、既存の分電盤を使用して、当該分電盤から機器(サーバ等)が搭載される機器搭載用ラックへの電源ケーブルの配線を実現可能とした例を示す図である。
【0019】
電源配電設備は、分電盤100、電源供給用ラック200、機器搭載用ラック300を有する。
【0020】
分電盤100は、2つの分電盤110、120を有する。分電盤110は、100V用電源を供給するものであって、100V20Aの電源111、100V20Aの電源112を有する。分電盤120は、200V用電源を供給するものであって、200V30Aの電源121、200V20Aの電源122を有する。
【0021】
電源供給用ラック200は、電源供給用コンセント210(以下、第1コンセントと言う)、電源送出用コンセント220(以下、第2コンセントと言う)を有する。第1コンセント210は、4つの電源供給用端子211、212、213、214を有し、第2コンセント220は、4つの電源送出用端子221、222、223、224を有する。そして、これら4つの端子の電源形状は、何れも電源形状NEMA L6−30とする。当該電源供給用ラック300は、例えば分電盤100との接続を考慮して分電盤110、120の近傍に配置する。
【0022】
第1コンセント210と第2コンセント220は、4本の電源コード215、216、217、218により接続する。これらの接続は、必要な電圧/電流に応じて変更すれば良い。即ち、第1コンセント210と第2コンセント220は、機器搭載用ラック300に搭載される機器410〜440の電源仕様に応じて、ケーブル185〜188により接続される。
【0023】
機器搭載用ラック300は、複数のラック、例えば3つの19インチラック310、320、330と、1つの機器ラック340(19インチラックとは別)を有する。機器搭載用ラック300は、これらのラックに限定する必要はなく、1つのラックでも良い。
【0024】
19インチラック310、320、330及び機器ラック340は、それぞれ電源享受用コンセント350、360、370、380(以下、第3コンセントと言う)を有する。
【0025】
19インチラック310の第3コンセント350は、1つの電源享受用端子351を有し、19インチラック320の第3コンセント360は、4つの電源享受用端子361、362、363、364を有し、19インチラック330の第3コンセント370は、4つの電源享受用端子371、372、373、374を有し、機器ラック340の第3コンセント380は、1つの電源享受用端子381を有する。そして、これら4つの第3コンテンツの各端子の電源形状は、何れも電源形状NEMA L6−30とする。
【0026】
ここで、19インチラック310には、100V(
NEMA規格 5−15)機器410を搭載し、19インチラック320には、200V(
NEMA規格 L6−30)機器420を搭載し、19インチラック330には、200V(
NEMA規格 L6−30)機器430を搭載し、機器ラック340には、100V(
NEMA規格 L5−20)機器を搭載することを想定する。つまり、19インチラック以外の様々な機器ラックに対応可能である。
【0027】
第2コンセントと第3コンセントは、4本の電源ケーブル225〜228により、接続する。第3コネクタは、予め準備の電源ケーブル225〜228にて電源利用機器の電源形状に合致したコネクタとする。
【0028】
第1、第2、第3コンセント及び電源ケーブルは、使用が想定される電源規格(電源形状NEMA
規格 5−15、NEMA
規格 L5−20、NAMA
規格 L6−20、NAMA
規格 L6−30)の中から、最大電圧/最大電流(NEMA
規格 L6−30)に対応できるものを使用する。また、電源ケーブルの両端は、最大電圧/最大電流に対応できるコネクタ形状(電源形状)とする。
【0029】
例えば、機器搭載ラック300の19インチラック310に搭載される機器410が100V(
NEMA規格 5−15)の場合には、そのコネクタ形状と最大電圧/最大電流に対応できる電源形状とが相違することになることから、100V(
NEMA規格 5−15)のコネクタを第3コネクタに直接接続することができない。この場合には、コネクタの形状に対応する電源形状(電源形状凡例参照)を有するオプションコンセント510を介して第3コンセント350の端子351に接続する。つまり、オプションコンセント510をもって機器410の電源規格に合致した形状にして接続する。
【0030】
機器搭載ラック300の19インチラック320に搭載される機器420が200V(
NEMA規格 L6−30)の場合には、そのコネクタ形状と最大電圧/最大電流に対応できる電源形状とが一致するので、機器の電源を直接第3コネクタ360の端子361〜364の何れかに接続する。
【0031】
機器搭載ラック300の19インチラック330に搭載される機器430が200V(
NEMA規格 L6−20)の場合には、そのコネクタ形状と最大電圧/最大電流に対応できる電源形状とが相違することになることから、200V(
NEMA規格 L6−20)のコネクタを第3コネクタ370に直接接続することができない。この場合には、第3コネクタの形状に対応する電源形状(電源形状凡例参照)を有するオプションコンセント530を介して第3コンセント370の端子371〜374の何れかに接続する。つまり、オプションコンセント530をもって機器430の電源規格に合致した形状にして接続する。
【0032】
機器搭載ラック300の機器ラック340に搭載される機器440が100V(
NEMA規格 L5−20)の場合には、そのコネクタ形状と最大電圧/最大電流に対応できる電源形状とが相違することになることから、100V(
NEMA規格 L5−20)のコネクタを第3コネクタ380に直接接続することができない。この場合には、第3コネクタの形状に対応する電源形状(電源形状凡例参照)を有するオプションコンセント540を介して第3コンセント380の端子381に接続する。つまり、オプションコンセント540をもって機器440の電源規格に合致した形状にして接続する。
【0033】
要するに、使用が想定される電源規格の最大電圧/最大電流に対応できる電源ケーブルを機器が設置される機器搭載用ラックと分電盤及び/又は電源供給用ラックとの間に電源規格の最大電圧/最大電流に対応できる複数のコネクタを介して事前に配設しておく。また、各コネクタは、ケーブルの両端を、電源規格の最大電圧/最大電流に対応できるコネクタ形状とする。電源を使用する際には、電源供給用ラック内、又は分電盤と電源供給用ラック間の配線を電源コードにより接続する。これらにより、利用者による機器への電源供給を可能状態とする。例えば、電源供給用ラックに最大電圧/最大電流(NEMA L6−30)規格のコンセントを配置しているので、それ以下の電圧/電流の電源に対応することができる。
【0034】
係る実施例において、機器を利用する場合には、まず、第1、第2コンセント210、220の電源コード215〜218による接続組合せをもって、使用する機器410〜440の電源仕様に合った電源が第2コンセント220の電源送出用端子221〜224に得られるようにする。そして、利用者自身が機器搭載用ラック300に所望の機器を搭載し、当該機器の電源コードのコンセントを第3コンセント350、360、370、380の何れかに接続すれば良い。このとき、第3コンセントの電源形状と機器の電源コードの差し込み口の形状が相違する場合には、第3コンセントに対応可能なオプションコンセントを介して接続する。
【0035】
これにより、
図3に示す如く、電源利用要件発生、電源コード/電源ケーブル接続、電源利用開始の手順で済み、工事業者に配線工事を発注する必要がなくなった。これにより、納期期間が省略できる。即ち、前もって電源コード/電源ケーブルの接続が行っているので、利用者が機器の電源コードを第3コンセントに接続することにより、機器の利用が可能となり、業者への配線工事発注が不要となり、その分のコスト低減化が図れる。また、即対応が可能であるので、利用開始までの期間を短縮できる。また、更に配線設備を耐用年数継続的な利用が可能となり、その期間、電源ケーブルを廃棄する必要がなく、省資源化が図れる。
【実施例2】
【0036】
図2は、分電盤として、本発明専用の専用分電盤を使用して、当該分電盤から機器(サーバ等)が搭載される機器搭載用ラックへの電源ケーブル配線を実現可能とした例を示す図である。
【0037】
本実施例は、第1の実施例と相違する点は、2つの第1コンセント210、210’を用意し、当該第1コンセントを2つの分電盤110、120にそれぞれ設置し、1つの第2コンセント220を電源供給用ラック200に設置した点にある。
【0038】
上述した実施例によれば、以下のような効果を期待することができる。
電源利用機器のリプレース等で電源の仕様に変更があった場合でも、既に既設した電源ケーブルの再利用が可能であり、長期的な利用による省資源化が期待できる。例えば、機器搭載ラックや機器は5年に一度、入れ替える場合が生じても、配電設備は、その耐用年数(約20年)は持たせることが可能である。また、事前の電源ケーブル配線により、業者による業者による電源工事が不要である。また、電源ケーブル接続で様々な規格(仕様)に対応した電源を短期間で準備することができ、利用開始期間の短縮化が図れる。電源/電圧の変更のための切替が容易である。電源コネクタを床下に埋設する必要がないので、その管理が容易である。
電源供給用ラック200をNEMA L6−30規格で作成した場合、200V/30A以下の電源に対応可能である。
第3コンセントにて、ラックに搭載される機器の電源規格に合致した形状にして接続することが容易に行える。
【0039】
以上述べた実施例によれば、以下のような効果を奏することができる。
新規で電源利用機器を導入する場合において、機器の変更等で電源の要件が変更になっても電源工事不要である。
また、電源利用機器のリプレース等で電源の要件が変わった場合でも電源ケーブルの再利用が可能となり電源工事不要である。
また、将来を見据えて使用が想定される電源規格(NEMA L6-30等)の最大電圧/最大電流に対応できる電源ケーブルを事前配線しているので、追加の電源工事が不要である。
また、配線した電源ケーブルは電源利用機器がリプレースされても再利用が出来る為、耐用年数(約20年)まで利用が可能である。
利用開始期間の短縮(お客様からのタイムリーな要求に答える事)ができる。
接続する電圧/電流の切替が容易である。
電源コネクタが床下に埋まる事が無いので管理が容易である
電源供給路への給電開始時、有資格者(電気工事士)による作業が不要である。
【0040】
なお、本発明は、上記した実施例限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全て構成を備えるもの限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他構成の追加、削除、置換をすることが可能である。