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特許6202592電池制御装置、蓄電装置、蓄電方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202592
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】電池制御装置、蓄電装置、蓄電方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20170914BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20170914BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20170914BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20170914BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   H02J7/10 B
   H02J7/04 H
   H02J7/00 P
   H01M10/48 P
   H01M10/44 P
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-248354(P2012-248354)
(22)【出願日】2012年11月12日
(65)【公開番号】特開2014-96958(P2014-96958A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】駱 園
(72)【発明者】
【氏名】吉田 信秀
(72)【発明者】
【氏名】小暮 純司
(72)【発明者】
【氏名】大畑 伸也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 真吾
(72)【発明者】
【氏名】板橋 宣幸
【審査官】 早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−065481(JP,A)
【文献】 特許第3161215(JP,B2)
【文献】 特開平09−120843(JP,A)
【文献】 特開2008−192607(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/032776(WO,A1)
【文献】 特開2011−203259(JP,A)
【文献】 特開2012−085443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00−7/12
H02J7/34−7/36
H01M10/42−10/48
B60L11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次電池の電圧を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された電圧が第1基準値を下回った場合、前記2次電池の電圧が前記第1基準値よりも大きい第2基準値となるまで充電する充電処理を開始する制御手段と、
前記第1基準値と前記第2基準値とに基づいて定められるヒステリシス幅を調整する基準となる第1調整情報である前記2次電池の劣化度と、前記2次電池に対する電力需要に応じて設定された第2調整情報を受信し、該受信した第1調整情報および第2調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する調整手段と、
を有する電池制御装置。
【請求項2】
前記第調整情報は、季節、曜日、時刻、及び気温の少なくともいずれかに基づいて設定されている、
請求項1に記載の電池制御装置。
【請求項3】
前記調整手段は、前記2次電池の劣化度として、SOH(State Of Health)を示す情報を受信する、
請求項1または2に記載の電池制御装置。
【請求項4】
前記調整手段は、前記第1基準値を変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する、
請求項1からのいずれか1項に記載の電池制御装置。
【請求項5】
前記調整手段は、前記第2基準値を変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する、
請求項1からのいずれか1項に記載の電池制御装置。
【請求項6】
前記調整手段は、前記第1基準値及び前記第2基準値を共に変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する、
請求項1からのいずれか1項に記載の電池制御装置。
【請求項7】
前記2次電池は、EV(Electric Vehicle)又はPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)のバッテリーを充電する充電ステーションにおいて用いられ、
前記調整手段は、前記充電ステーションに入庫する前記EV又はPHVが撮像された画像から抽出された、前記EV又はPHVの数に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する、
請求項1からのいずれか1項に記載の電池制御装置。
【請求項8】
2次電池と、
前記2次電池の電圧を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された電圧が第1基準値を下回った場合、前記2次電池の電圧が前記第1基準値よりも大きい第2基準値となるまで充電する充電処理を開始する制御手段と、
前記第1基準値と前記第2基準値とに基づいて定められるヒステリシス幅を調整する第1調整情報である前記2次電池の劣化度と、前記2次電池に対する電力需要に応じて設定された第2調整情報を受信し、該受信した第1調整情報および第2調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する調整手段と、
を有する蓄電装置。
【請求項9】
コンピュータが、
2次電池の電圧を測定し、
前記測定された電圧が第1基準値を下回った場合、前記2次電池の電圧が前記第1基準値よりも大きい第2基準値となるまで充電する充電処理を開始し、
前記第1基準値と前記第2基準値とに基づいて定められるヒステリシス幅を調整する第1調整情報である前記2次電池の劣化度と、前記2次電池に対する電力需要に応じて設定された第2調整情報を受信し、該受信した第1調整情報および第2調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する、
ことを含む蓄電方法。
【請求項10】
コンピュータを、
2次電池の電圧を測定する測定手段、
前記測定手段により測定された電圧が第1基準値を下回った場合、前記2次電池の電圧が前記第1基準値よりも大きい第2基準値となるまで充電する充電処理を開始する制御手段、
前記第1基準値と前記第2基準値とに基づいて定められるヒステリシス幅を調整する第1調整情報である前記2次電池の劣化度と、前記2次電池に対する電力需要に応じて設定された第2調整情報を受信し、該受信した第1調整情報および第2調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する調整手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次電池を制御する電池制御装置、蓄電装置、蓄電方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年は環境に対する負荷を小さくするため、様々なところでリチウムイオン電池などの2次電池が使用されている。そして、このような2次電池は使用するにつれて劣化が進む。2次電池のランニングコストを下げるためには、この劣化の進行を抑制することが必要である。
【0003】
特許文献1及び特許文献2には、2次電池の劣化を抑制する充電方法の例が記載されている。特許文献1では、充電中に測定された2次電池の電圧が満充電電圧に到達した場合、当該2次電池の充電を停止し、放電中に測定された2次電池の電圧が一定の電圧を下回った場合、当該2次電池の充電を再開する手法が開示されている。また、特許文献2には、電力需要の変動を考慮し、装置を運転するために十分な電力を確保する充電方法の例が記載されている。特許文献2では、電力需要に応じて予め設定された、時間毎の充電目標値に従って、電力蓄電装置を充電することにより、満充電付近で頻繁に充電することを避け、2次電池の劣化を抑制する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−203978号公報
【特許文献2】特開2001−187676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、2次電池の状態を満充電や過放電に近い状態で保つと、2次電池の劣化は進みやすい。また、劣化した2次電池の満充電時の電池容量(満充電容量)は、新品の2次電池の満充電容量よりも小さくなる。そのため、劣化した2次電池は、新品の2次電池よりも満充電状態や過放電状態に近付きやすくなる。そこで、本発明者は、2次電池の劣化度に応じて当該2次電池の状態を満充電状態又は過放電状態から遠ざけるように制御することで、2次電池の劣化を効果的に抑制することができる、と考えた。
【0006】
本発明の目的は、2次電池の劣化を効果的に抑制する、電池制御装置、蓄電装置、蓄電方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
2次電池の電圧を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された電圧が第1基準値を下回った場合、前記2次電池の電圧が前記第1基準値よりも大きい第2基準値となるまで充電する充電処理を開始する制御手段と、
前記第1基準値と前記第2基準値とに基づいて定められるヒステリシス幅を調整する基準となる第1調整情報である前記2次電池の劣化度と、前記2次電池に対する電力需要に応じて設定された第2調整情報を受信し、該受信した第1調整情報および第2調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する調整手段と、
を有する電池制御装置が提供される。
【0008】
本発明によれば、
2次電池と、
前記2次電池の電圧を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された電圧が第1基準値を下回った場合、前記2次電池の電圧が前記第1基準値よりも大きい第2基準値となるまで充電する充電処理を開始する制御手段と、
前記第1基準値と前記第2基準値とに基づいて定められるヒステリシス幅を調整する第1調整情報である前記2次電池の劣化度と、前記2次電池に対する電力需要に応じて設定された第2調整情報を受信し、該受信した第1調整情報および第2調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する調整手段と、
を有する蓄電装置が提供される。
【0009】
本発明によれば、
コンピュータが、
2次電池の電圧を測定し、
前記測定された電圧が第1基準値を下回った場合、前記2次電池の電圧が前記第1基準値よりも大きい第2基準値となるまで充電する充電処理を開始し、
前記第1基準値と前記第2基準値とに基づいて定められるヒステリシス幅を調整する第1調整情報である前記2次電池の劣化度と、前記2次電池に対する電力需要に応じて設定された第2調整情報を受信し、該受信した第1調整情報および第2調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する、
ことを含む蓄電方法が提供される。
【0010】
本発明によれば、
コンピュータを、
2次電池の電圧を測定する測定手段、
前記測定手段により測定された電圧が第1基準値を下回った場合、前記2次電池の電圧が前記第1基準値よりも大きい第2基準値となるまで充電する充電処理を開始する制御手段、
前記第1基準値と前記第2基準値とに基づいて定められるヒステリシス幅を調整する第1調整情報である前記2次電池の劣化度と、前記2次電池に対する電力需要に応じて設定された第2調整情報を受信し、該受信した第1調整情報および第2調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する調整手段、
として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、2次電池の劣化を効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る電池制御装置の構成例を示す図である。
図2】実測値に基づいて設定されるOCV−SOCテーブルの一例を示す図である。
図3】第1調整テーブルの一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る蓄電装置の詳細な構成例を示す図である。
図5】第1記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る電池制御装置がヒステリシス幅を調整する流れを示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態に係る電池制御装置が実行する充電処理の流れを示すフローチャートである。
図8】第1調整テーブルの変形例を示す図である。
図9】第2の実施形態に係る蓄電装置の詳細な構成例を示す図である。
図10】季節に基づいて設定される、第2調整テーブルの例を示す図である。
図11】曜日に基づいて設定される、第2調整テーブルの例を示す図である。
図12】時刻に基づいて設定される、第2調整テーブルの例を示す図である。
図13】気温に基づいて設定される、第2調整テーブルの例を示す図である。
図14】第2の実施形態に係る電池制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図15】複数の基準に基づいて設定される、第2調整テーブルの例を示す図である。
図16】第3の実施形態に係る電池制御装置が取得する画像データの一例を示す図である。
図17】第3の実施形態に係る蓄電装置の詳細な構成例を示す図である。
図18】第3の実施形態に係る電池制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0014】
なお、以下に示す説明において、電池制御装置100の各処理部は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。電池制御装置100の各処理部は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶メディア、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電池制御装置100の構成例を示す図である。電池制御装置100は、図示しない蓄電装置が有する2次電池の充電を制御する装置である。本図に示す例では、電池制御装置100は、測定部110、制御部120、及び調整部130を備えている。
【0016】
測定部110は、少なくとも1以上の2次電池(不図示)に接続されており、各2次電池の電圧を測定する。
【0017】
制御部120は、測定部110により測定された電圧に基づいて、2次電池の充電を制御する。具体的には、制御部120は、測定部110により測定された2次電池の電圧が、第1基準値を下回った場合に、当該2次電池の電圧が第2基準値となるまで充電する充電処理を開始する。ここで、第1基準値とは、予め設定された、2次電池の充電を開始する指標となる電圧値を示す。また、第2基準値とは、予め設定された、2次電池の充電を停止する指標となる電圧値を示す。ここで、第1基準値及び第2基準値は、例えば、2次電池を識別する識別情報と対応付けられて、制御部120に予め設定されている。なお、第1基準値及び第2基準値は、2次電池を識別する識別情報と対応付けられて、メモリやストレージ等の記憶部(付図示)に記憶されていてもよい。この場合、制御部120は、2次電池210毎の第1基準値及び第2基準値を記憶部から読み出して、充電処理を実行する。
【0018】
また、制御部120は、2次電池を、外部電源(例えば系統電源)及び負荷に接続している。また、制御部120は、例えばAC(Alternate Current)−DC(Direct Current)変換部(不図示)を有している。制御部120は、例えば2次電池を充電するときには、系統電源からの電力をAC−DC変換部を用いて直流電力に変換する。また、制御部120は、2次電池から放電するときには、2次電池からの電力をAC−DC変換部を用いて交流電力に変換する。
【0019】
調整部130は、ヒステリシス幅を調整する基準となる第1調整情報として2次電池の劣化度を受信し、その劣化度に応じてヒステリシス幅を調整する。ここで、調整部130は、電池制御装置100に内蔵される記憶部(メモリやストレージなど)から、第1調整情報を読み出してもよいし、電池制御装置100の外部から第1調整情報を受信してもよい。また、ヒステリシス幅とは、第1基準値以上第2基準値以下の区間によって示される電圧の幅を示す。また、第1調整情報として受信する劣化度は、例えばSOH(State Of Health)である。SOHは、以下の式1を用いて算出できる。ここで、2次電池の電池容量は、例えば、充電時に2次電池に印加された電流を、充電した時間に基づいて積分することで算出できる。
【数1】
【0020】
また、初期の2次電池の開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)とSOC(State Of Charge)との対応関係に基づいても、2次電池のSOHを算出できる。初期の2次電池のOCVとSOCとの関係は、例えばテーブル形式(OCV−SOCテーブル)で電池制御装置100や他の装置に設定される。このOCV−SOCテーブルに格納される値は、新品の2次電池を最初に充電する際に、電圧と充電電流の積分値とを遂次測定して得られた実測値であってもよい。図2は、実測値に基づいて設定されるOCV−SOCテーブルの一例を示す図である。また、OCV−SOCテーブルに格納される値は、データシート等の製品仕様から得られる値であってもよい。そして、2次電池の満充電状態におけるOCVを用いてこのOCV−SOCテーブルを参照することで、その2次電池が、初期状態と比較してどれだけ劣化したかが求められる。例えば、ある2次電池の満充電状態におけるOCVが3.99[V]であったと仮定する。この場合、図2に示すようなOCV−SOCテーブルを参照すると、現在の2次電池の満充電時のSOCは、新品の2次電池の満充電時のSOCの85[%]分に相当すると判断できる。すなわち、その2次電池のSOHは85[%]と算出できる。なお、このようにSOHを算出する場合、2次電池が満充電状態となってからある程度時間が経過した後(例えば2時間後など)、2次電池のOCVを測定することが好ましい。その理由は、ある程度時間が経過することで、2次電池の状態が安定し、SOHを精度よく算出できるからである。
【0021】
そして、調整部130は、2次電池のSOHと第1調整テーブルとに基づいて、ヒステリシス幅を調整する。ここで、第1調整テーブルは、例えば、調整部130に予め設定されている。そして、第1調整テーブルには、SOHに基づいてヒステリシス幅を調整するための情報が設定されている。第1調整テーブルには、2次電池の劣化が進むにつれて、その2次電池のヒステリシス幅を狭めるような情報が設定される。
【0022】
図3は、第1調整テーブルの一例を示す図である。図3に示す例では、調整部130は、SOHに基づいて2次電池の第1基準値を変更することにより、当該2次電池のヒステリシス幅を調整する。具体的には、調整部130は、劣化した2次電池のSOHが基準値以下か否かを判別する。なお、図3は、基準値が90%の場合を示している。そして、調整部130は、2次電池のSOHが90%以下の場合は、SOHと第1調整テーブルに設定された情報とに基づいて、第1基準値を変更する。一方、調整部130は、2次電池のSOHが90%を超える場合は、第1基準値を変更しない。また、図3の例では、調整部130は、2次電池のSOHに関わらず、2次電池の第2基準値を変更しない。なお、第1調整テーブルに設定される情報は、図3に限定されない。第1調整テーブルの情報は、ユーザが任意に設定できる。また、第1調整テーブルは、調整部130以外の他の処理部、又は電池制御装置100の外部に位置する他の装置が有していてもよい。
【0023】
図4は、第1の実施形態に係る蓄電装置10の詳細な構成例を示す図である。蓄電装置10は、電池制御装置100及び電池部200を備えている。
【0024】
電池部200は、少なくとも1以上の2次電池210を有している。2次電池210は、測定部110及び制御部120に接続されている。ここで、2次電池210は、例えばリチウムイオン電池である。2次電池210は、複数の2次電池パッケージを直列に接続したものであってもよい。また、各2次電池パッケージは、複数の2次電池セルを並列に接続したものであってもよい。
【0025】
また、図4では、電池制御装置100は、第1記憶部140を更に有している。第1記憶部140は、2次電池210毎に劣化状態を示すSOHを記憶する。図5は、第1記憶部140に記憶される情報の一例を示す図である。図5において、識別情報の列には、電池部200に含まれる2次電池210を個別に識別する情報が格納されている。この識別情報は、例えば、各2次電池210のシリアル番号等である。またSOHの列には、2次電池210のSOHが格納されている。このSOHは、上述のように、2次電池210の充電が完了した際に、上記の式1又はSOC−OCVテーブルに基づいて算出され、第1記憶部140に記憶される。そして、調整部130は、第1記憶部140から、対象とする2次電池210に対応するSOHを読み出し、その2次電池210のヒステリシス幅を調整する。図4の例では、SOHは、測定部110により測定された2次電池210の電圧に基づいて算出され、第1記憶部140に記憶される。なお、これに限らず、SOHは、図示しない他の処理部により算出され、第1記憶部140に記憶されてもよい。また、第1記憶部140は、電池制御装置100の外部に位置する他の装置が有していてもよい。
【0026】
本実施形態に係る電池制御装置100の処理の流れを、図6及び図7を用いて説明する。図6は、第1の実施形態に係る電池制御装置100がヒステリシス幅を調整する流れを示すフローチャートである。また、図7は、第1の実施形態に係る電池制御装置100が実行する充電処理の流れを示すフローチャートである。
【0027】
まず、電池制御装置100がヒステリシス幅を調整する流れを説明する。この処理は、例えば、2次電池210の充電が完了した際に算出される、当該2次電池210のSOHが第1記憶部140に格納された後に実行される。また、この処理は、予め定められた時間毎、又は所定の間隔毎に実行されてもよい。
【0028】
電池制御装置100は、2次電池の劣化度(SOH)を取得する(S102)。本実施形態では、電池制御装置100は、2次電池210に対応するSOHを、当該2次電池の識別情報を用いて第1記憶部140から取得する。そして、電池制御装置100は、S102で取得されたSOHに応じて、ヒステリシス幅を調整する(S104)。例えば、図3に示すような第1調整テーブルが設定されていたと仮定する。この場合、S102で取得されたSOHが90%以下であれば、そのSOHに応じて第1基準値が変更される。これにより、ヒステリシス幅が調整される。
【0029】
次に、電池制御装置100が実行する充電処理の流れを説明する。ここで、電池部200が複数の2次電池210を有している場合、この充電処理は、各々の2次電池210に対して実行される。
【0030】
電池制御装置100は、測定部110を用いて、2次電池210の電圧を測定する(S202)。そして、電池制御装置100は、S106で測定された2次電池210の電圧が、当該2次電池210の第1基準値以下であるか否かを判定する(S204)。2次電池210の電圧が第1基準値を下回る場合(S204:YES)、電池制御装置100は、2次電池210の電圧が第2基準値になるまで、2次電池210を充電する(S206)。一方、2次電池210の電圧が第1基準値を下回らない場合(S204:NO)、電池制御装置100は、そのまま処理を終了する。
【0031】
以上、本実施形態では、2次電池のSOHに応じて第1基準電圧を変更することにより、当該2次電池のヒステリシス幅が調整される。そして、調整されたヒステリシス幅に従って充電処理が実行される。このように、本実施形態によれば、2次電池の劣化度に応じて、当該2次電池の状態を過放電状態から遠ざけるようにヒステリシス幅が調整されるため、2次電池の劣化を抑制できる。
【0032】
また、本実施形態において、第1調整テーブルは図3に限られない。例えば、第1調整テーブルは、図8に示すようなテーブルであってもよい。図8は、第1調整テーブルの変形例を示す図である。図8(A)に示される第1調整テーブルでは、第2基準値のみを変更することにより、ヒステリシス幅が調整される。この場合、S104において、SOHに応じて第2基準値が変更される。そして、S206において、変更された第2基準値が用いられる。このようにすることで、2次電池の状態を満充電状態から遠ざけるようにヒステリシス幅が調整されるため、第1基準値のみを変更する場合と同様に、2次電池の劣化を抑制できる。
【0033】
また、図8(B)に示される第1調整テーブルでは、第1基準値及び第2基準値を変更することにより、ヒステリシス幅が調整される。この場合、電池制御装置100は、S104において、SOHに応じて第1基準値及び第2基準値を変更する。この場合、S104において第1基準値及び第2基準値が変更される。そして、S204において、変更された第1基準値が用いられ、S206において、変更された第2基準値が用いられる。このようにすることで、2次電池の状態を満充電状態及び過放電状態の双方から遠ざけるようにヒステリシス幅が調整されるため、第1基準値又は第2基準値のみを変更する場合よりも、2次電池の劣化を効果的に抑制できる。
【0034】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、以下の点を除き、第1の実施形態と同様である。
【0035】
電力需要は、季節、曜日、時刻または気温等の要素に応じて変動し得る。2次電池の有効利用という観点では、2次電池の劣化を抑制しつつ、需要を満たす電力を確保できることが好ましい。そこで、第2の実施形態の電池制御装置100は、上述のように電力需要に影響を与える要素を考慮してヒステリシス幅を調整する。
【0036】
図9は、第2の実施形態に係る蓄電装置10の詳細な構成例を示す図である。図9において、電池制御装置100は、第2記憶部150を更に有する。第2記憶部150は、第2調整テーブルを記憶している。第2調整テーブルには、第2調整情報に応じてヒステリシス幅を調整するための情報が設定されている。ここで、第2調整情報とは、季節、曜日、時刻または気温の少なくともいずれかを示す。そして、第2調整テーブルには、季節、曜日、時刻または気温の少なくともいずれかの需要予測に基づく、第1基準値及び第2基準値が設定されている。図10〜13は、第2記憶部150に記憶される第2調整テーブルの一例を示す図である。なお、第2記憶部150は、電池制御装置100の外部に位置する他の装置が有しいてもよい。
【0037】
図10は、季節に基づいて設定される、第2調整テーブルの例を示す図である。図10において、季節は、春、夏、秋、冬に分けられている。さらに、3月〜5月が春、6月〜8月が夏、9月〜11月が秋、12月〜2月が冬と区分されている。また、第1基準値及び第2基準値には、例えば、季節に基づく過去の電力需要を統計的に分析して定められた値がそれぞれ設定される。なお、図10において、3月〜5月が春、6月〜8月が夏、9月〜11月が秋、12月〜2月が冬と区分されているが、季節の区分はこれに限定されない。また、図10に示される第1基準値及び第2基準値の値は一例であり、これに限定されない。季節の区分、及び第1基準値及び第2基準値は、ユーザが任意に設定できる。
【0038】
図11は、曜日に基づいて設定される、第2調整テーブルの例を示す図である。図11において、曜日は、平日と休日とに分けられている。また、第1基準値及び第2基準値には、例えば、曜日に基づく過去の電力需要を統計的に分析して定められた値がそれぞれ設定される。なお、図11では、曜日は、平日と休日とに分けられているが、これに限定されない。例えば、月曜日〜日曜日を個別に分け、それぞれの曜日に対して第1基準値及び第2基準値を設定してもよい。また、図11に示される第1基準値及び第2基準値の値は一例であり、これに限定されない。曜日に応じて設定される第1基準値及び第2基準値は、ユーザが任意に設定できる。
【0039】
図12は、時刻に基づいて設定される、第2調整テーブルの例を示す図である。図12において、時刻は、22:00〜7:00、7:00〜12:00、12:00〜18:00、18:00〜22:00に分けられている。また、第1基準値及び第2基準値には、例えば、時刻に基づく過去の電力需要を統計的に分析して定められた値がそれぞれ設定される。なお、時刻の区切り方は、これに限定されない。また、図12に示される第1基準値及び第2基準値の値は一例であり、これに限定されない。時刻の区切り方と、第1基準値及び第2基準値の値は、ユーザが任意に設定できる。
【0040】
図13は、気温に基づいて設定される、第2調整テーブルの例を示す図である。図13において、気温は、10℃未満、10℃〜20℃、20℃〜30℃、30℃以上、に分けられている。また、第1基準値及び第2基準値には、例えば、気温に基づく過去の電力需要を統計的に分析して定められた値がそれぞれ設定される。なお、気温の区切り方は、これに限定されない。また、図13に示される第1基準値及び第2基準値の値は一例であり、これに限定されない。気温の区切り方と、第1基準値及び第2基準値の値は、ユーザが任意に設定できる。
【0041】
本実施形態の調整部130は、SOH(第1調整情報)に加え、取得された第2調整情報に基づいて、ヒステリシス幅を調整する。この場合、調整部130は、第1の実施形態に加え、例えば、以下のように処理を実行する。調整部130は、曜日や時刻といった第2調整情報をさらに取得する。そして、取得した第2調整情報を用いて、第2記憶部150に記憶される第2調整テーブルを参照し、第1基準値及び第2基準値を取得する。そして、調整部130は、第1調整情報を用いて取得された第1基準値及び第2基準値と、第2調整情報を用いて取得された値に基づいて、ヒステリシス幅を調整する。例えば、調整部130は、第1調整情報を用いて取得された第1基準値及び第2基準値と、第2調整情報を用いて取得された第1基準値及び第2基準値との平均値や中間値等に基づいて、ヒステリシス幅を調整する。
【0042】
本実施形態に係る電池制御装置100の処理の流れを、図14を用いて説明する。図14は、第2の実施形態に係る電池制御装置100の処理の流れを示すフローチャートである。なお、この処理は、例えば、第1の実施形態における、第1調整情報に基づくヒステリシス幅の変更処理と連動して実行されてもよい。また、この処理は、予め定められた時間、又は所定の間隔毎に実行されてもよい。
【0043】
電池制御装置100は、第2記憶部150から第2調整情報を取得する(S302)。電池制御装置100は、例えば、電池制御装置100のシステム時間等に基づいて、季節、時刻、及び曜日を第2調節情報として取得できる。また、電池制御装置100は、例えば、図示しない温度センサにより、気温を第2調節情報として取得できる。そして、電池制御装置100は、S102で取得した2次電池210のSOHと、S302で取得された第2調整情報とに基づいて、2次電池のヒステリシス幅を調整する(S304)。例えば、図示しない温度センサにより、電池制御装置100が「気温15℃」という第2調整情報を取得したと仮定する。この場合、調整部130は、図13に示すような第2調整テーブルから、第1基準値及び第2基準値として、「3.1V」及び「3.9V」をそれぞれ取得する。ここで、処理対象の2次電池210のSOHが80%であり、図8(B)に示される第1調整テーブルが設定されていたと仮定する。すると、電池制御装置100は、S102では、SOHに基づいて第1基準値「3.0V」及び第2基準値「4.0V」が取得される。そして、電池制御装置100は、例えば、これらの第1基準値及び第2基準値の平均値をそれぞれ算出する。ここでは、第1基準値の平均値として「3.05V」が、第2基準値の平均値として「3.95V」が算出される。これにより、電池制御装置100は、電池の劣化度と需要予測とに基づいて、2次電池210のヒステリシス幅を調整できる。また、電池制御装置100は、気温以外にも、曜日や時刻等に基づいて取得された第1基準値及び第2基準値を更に加味して平均値や中間値等を算出し、ヒステリシス幅を調整してもよい。
【0044】
以上、本実施形態では、第1調整情報と第2調整情報とに基づいて、ヒステリシス幅が調整される。すなわち、曜日や時刻等に基づく電力需要をさらに考慮して、ヒステリシス幅が調整される。これにより、本実施形態によれば、2次電池の劣化を抑制しつつ、需用を満たす電力量を安定して確保できる。
【0045】
また、本実施形態において、第1基準値及び第2基準値を第2調整情報に基づいて変更することにより、ヒステリシス幅を調整する例を示した。しかし、本実施形態は、これに限らない。例えば、第1の実施形態で説明したように、第1基準値及び第2基準値のいずれか一方を、第2調整情報に基づいて変更することにより、ヒステリシス幅を調整してもよい。
【0046】
また、第2記憶部150は、図15に示すように、例えば曜日と時刻等、複数の基準に基づいて設定される第1基準値及び第2基準値を、第2調整情報として記憶していてもよい。
【0047】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の電池制御装置100は、画像データから抽出された対象物の数に応じて、必要となる電力量を適切に確保できるようにする。本実施形態では、蓄電装置10がEV(Electric Vehicle)又はPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)のバッテリーを充電する充電ステーションで用いられる場合を例に説明する。図16は、第3の実施形態に係る電池制御装置100が取得する画像データの一例を示す図である。本実施形態では、図16中の点線部分で示すように、対象物であるEV又はPHVが画像データから抽出される。
【0048】
図17は、第3の実施形態に係る蓄電装置10の詳細な構成例を示す図である。本実施形態では、電池制御装置100は、調整部130は、画像を撮像する撮像部(不図示)より画像データを受信し、当該画像データから対象物であるEV及びPHVを抽出する。調整部130は、一般的な画像認識処理を用いて、画像データから対象物を抽出できる。
【0049】
本実施形態に係る電池制御装置100の処理の流れを、図18を用いて説明する。図18は、第3の実施形態に係る電池制御装置100の処理の流れを示すフローチャートである。なお、この処理は、例えば、第1の実施形態における、第1調整情報に基づくヒステリシス幅の変更処理と連動して実行してもよい。また、この処理は、予め定められた時間、又は所定の間隔毎に実行されてもよい。
【0050】
電池制御装置100は、例えば充電ステーションに設置された定点カメラ等により撮像された画像データを取得する(S402)。電池制御装置100は、S402で取得された画像データから対象物の抽出する(S404)。例えば、電池制御装置100は、エッジ検出処理等により画像データから得られた特徴量と、車と判断する指標となるテンプレートデータをマッチングすることで、対象物を抽出できる。そして、電池制御装置100は、S102で取得された2次電池210のSOHと、S404で抽出された対象物の数とに基づいて、2次電池210のヒステリシス幅を変更する(S406)。例えば、電池制御装置100は、SOHが100%の時の第1基準値及び第2基準値を上限として、抽出された対象物1つ毎に、第1基準値及び第2基準値を所定の値(例えば、0.05V)ずつ上昇させる。これにより、電池制御装置100は、電池の劣化度と需要予測とに基づいて、2次電池210のヒステリシス幅を調整できる。
【0051】
以上、本実施形態では、画像データから認識されたEV及びPHVといった対象物の数に基づいて、ヒステリシス幅がさらに調整される。このように、本実施形態によれば、状況に応じて2次電池の充電処理を制御して、2次電池の劣化を抑制しつつ、需用を満たす電力量をさらに安定して確保できる。
【0052】
また、本実施形態では、電池制御装置100の調整部130が画像データから対象物を抽出し、その数を取得する例を示した。しかし、電池制御装置100の外部に位置する他の装置が画像データから対象物を抽出し、電池制御装置100は抽出された対象物の数のみを受信するようにしてもよい。このような構成としても、上述の効果が得られる。
【0053】
また、本実施形態において、電池制御装置100は、過去の所定時間の範囲に抽出された対象物の数に基づいて、ヒステリシス幅を調整してもよい。この場合、電池制御装置100は、抽出された対象物を、抽出された時間を示す時間情報と共にメモリやストレージ等の記憶部に記憶しておく。なお、この記憶部は、電池制御装置100に内蔵されていてもよいし、電池制御装置100の外部に位置する他の装置に内蔵されていてもよい。このようにすれば、電池制御装置100は、時間情報に基づいて、所定時間内に抽出された対象物の数を記憶部から取得できる。また、電池制御装置100は、記憶部に記憶された情報から、対象物の増加傾向と需要の増加傾向との相関関係等を分析できる。これにより、電池制御装置100は、直近の対象物の増加傾向から精度よく需要を予測でき、適切なヒステリシス幅を選択できる。
【0054】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0055】
例えば、上述した各実施形態では劣化度の一例としてSOHを用いたが、劣化度はこれに限定されない。例えば、劣化度は2次電池の内部抵抗の値としてもよい。
【0056】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、例えば各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0057】
なお、上述した実施形態によれば以下の発明が開示されている。
(付記1)
2次電池の電圧を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された電圧が第1基準値を下回った場合、前記2次電池の電圧が前記第1基準値よりも大きい第2基準値となるまで充電する充電処理を開始する制御手段と、
前記第1基準値と前記第2基準値とに基づいて定められるヒステリシス幅を調整する基準となる第1調整情報として、前記2次電池の劣化度を受信し、該受信した第1調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する調整手段と、
を有する電池制御装置。
(付記2)
前記調整手段は、前記2次電池の劣化度として、SOH(State Of Health)を示す情報を受信する、
付記1に記載の電池制御装置。
(付記3)
前記調整手段は、前記第1基準値を変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する、
付記1または2に記載の電池制御装置。
(付記4)
前記調整手段は、前記第2基準値を変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する、
付記1または2に記載の電池制御装置。
(付記5)
前記調整手段は、前記第1基準値及び前記第2基準値を共に変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する、
付記1または2に記載の電池制御装置。
(付記6)
前記調整手段は、季節、曜日、時刻、及び気温の少なくともいずれかを、前記ヒステリシス幅を調整する基準となる第2調整情報として受信し、該受信した第2調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する、
付記1から5のいずれか1つに記載の電池制御装置。
(付記7)
前記2次電池は、EV(Electric Vehicle)又はPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)のバッテリーを充電する充電ステーションにおいて用いられ、
前記調整手段は、前記充電ステーションに入庫する前記EV又はPHVが撮像された画像から抽出された、前記EV又はPHVの数に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する、
付記1から6のいずれか1つに記載の電池制御装置。
(付記8)
2次電池と、
前記2次電池の電圧を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された電圧が第1基準値を下回った場合、前記2次電池の電圧が前記第1基準値よりも大きい第2基準値となるまで充電する充電処理を開始する制御手段と、
前記第1基準値と前記第2基準値とに基づいて定められるヒステリシス幅を調整する調整情報として、前記2次電池の劣化度を受信し、該受信した調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する調整手段と、
を有する蓄電装置。
(付記9)
コンピュータが、
2次電池の電圧を測定し、
前記測定された電圧が第1基準値を下回った場合、前記2次電池の電圧が前記第1基準値よりも大きい第2基準値となるまで充電する充電処理を開始し、
前記第1基準値と前記第2基準値とに基づいて定められるヒステリシス幅を調整する調整情報として、前記2次電池の劣化度を受信し、該受信した調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する、
ことを含む蓄電方法。
(付記10)
コンピュータを、
2次電池の電圧を測定する測定手段、
前記測定手段により測定された電圧が第1基準値を下回った場合、前記2次電池の電圧が前記第1基準値よりも大きい第2基準値となるまで充電する充電処理を開始する制御手段、
前記第1基準値と前記第2基準値とに基づいて定められるヒステリシス幅を調整する調整情報として、前記2次電池の劣化度を受信し、該受信した調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する調整手段、
として機能させるためのプログラム。
(付記11)
前記調整手段は、前記2次電池の劣化度として、SOH(State Of Health)を示す情報を受信する、
付記8に記載の蓄電装置。
(付記12)
前記調整手段は、前記第1基準値を変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する、
付記8または11に記載の蓄電装置。
(付記13)
前記調整手段は、前記第2基準値を変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する、
付記8または11に記載の蓄電装置。
(付記14)
前記調整手段は、前記第1基準値及び前記第2基準値を共に変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する、
付記8または11に記載の蓄電装置。
(付記15)
前記調整手段は、季節、曜日、時刻、及び気温の少なくともいずれかを、前記ヒステリシス幅を調整する基準となる第2調整情報として受信し、該受信した第2調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する、
付記8、及び11から14のいずれか1つに記載の蓄電装置。
(付記16)
前記2次電池は、EV(Electric Vehicle)又はPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)のバッテリーを充電する充電ステーションにおいて用いられ、
前記調整手段は、前記充電ステーションに入庫する前記EV又はPHVが撮像された画像から抽出された、前記EV又はPHVの数に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する、
付記8、及び11から15のいずれか1つに記載の蓄電装置。
(付記17)
前記コンピュータが、前記2次電池の劣化度として、SOH(State Of Health)を示す情報を受信する、
ことを含む付記9に記載の電池制御方法。
(付記18)
前記コンピュータが、前記第1基準値を変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する、
ことを含む付記9または17に記載の電池制御方法。
(付記19)
前記コンピュータが、前記第2基準値を変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する、
ことを含む付記9または17に記載の電池制御方法。
(付記20)
前記コンピュータが、前記第1基準値及び前記第2基準値を共に変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する、
ことを含む付記9または17に記載の電池制御方法。
(付記21)
前記コンピュータが、季節、曜日、時刻、及び気温の少なくともいずれかを、前記ヒステリシス幅を調整する基準となる第2調整情報として受信し、該受信した第2調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する、
ことを含む付記9、及び17から20のいずれか1つに記載の電池制御方法。
(付記22)
前記2次電池は、EV(Electric Vehicle)又はPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)のバッテリーを充電する充電ステーションにおいて用いられ、
前記コンピュータが、
前記充電ステーションに入庫する前記EV又はPHVが撮像された画像から抽出された、前記EV又はPHVの数に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する、
ことを含む付記9、及び17から21のいずれか1つに記載の電池制御方法。
(付記23)
前記コンピュータを、前記2次電池の劣化度として、SOH(State Of Health)を示す情報を受信する手段、
として機能させるための付記10に記載のプログラム。
(付記24)
前記コンピュータを、前記第1基準値を変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する手段、
として機能させるための付記10または23に記載のプログラム。
(付記25)
前記コンピュータを、前記第2基準値を変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する手段、
として機能させるための付記10または23に記載のプログラム。
(付記26)
前記コンピュータを、前記第1基準値及び前記第2基準値を共に変更することにより、前記ヒステリシス幅を調整する手段、
として機能させるための付記10または23に記載のプログラム。
(付記27)
前記コンピュータを、季節、曜日、時刻、及び気温の少なくともいずれかを、前記ヒステリシス幅を調整する基準となる第2調整情報として受信し、該受信した第2調整情報に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する手段、
として機能させるための付記10、及び23から26のいずれか1つに記載のプログラム。
(付記28)
前記2次電池は、EV(Electric Vehicle)又はPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)のバッテリーを充電する充電ステーションにおいて用いられ、
前記コンピュータを、
前記充電ステーションに入庫する前記EV又はPHVが撮像された画像から抽出された、前記EV又はPHVの数に基づいて、前記ヒステリシス幅を調整する手段、
として機能させるための付記10、及び23から27のいずれか1つに記載のプログラム。
【符号の説明】
【0058】
10 蓄電装置
100 電池制御装置
110 測定部
120 制御部
130 調整部
140 第1記憶部
150 第2記憶部
200 電池部
210 2次電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18