特許第6202594号(P6202594)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202594
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】射撃訓練システム
(51)【国際特許分類】
   F41J 5/14 20060101AFI20170914BHJP
   F41J 5/20 20060101ALI20170914BHJP
   F41J 7/06 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   F41J5/14
   F41J5/20
   F41J7/06
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-282641(P2012-282641)
(22)【出願日】2012年12月26日
(65)【公開番号】特開2014-126257(P2014-126257A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】小峰 幸子
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 邦子
(72)【発明者】
【氏名】深谷 知子
【審査官】 志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−083393(JP,A)
【文献】 特開2003−314995(JP,A)
【文献】 特開2007−010194(JP,A)
【文献】 特開平09−113193(JP,A)
【文献】 特開2000−193398(JP,A)
【文献】 特開2003−294394(JP,A)
【文献】 特開2004−020039(JP,A)
【文献】 特表2003−536045(JP,A)
【文献】 特開平09−257394(JP,A)
【文献】 特開2011−133176(JP,A)
【文献】 特開2006−200879(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0197584(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3153556(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41J 1/00 − 13/02
F41G 3/26
A63F 9/02
A63F 13/00 − 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的装置と標的制御装置とを備える射撃訓練システムにおいて、
前記標的装置は、
隠顕動作を行うものであって、標的より広い所定範囲の弾着を検出するセンサを備え、
前記標的制御装置は、
前記センサの値から前記所定範囲内の弾着座標及びエリアを算出する弾着位置算出手段と、
弾着順に弾着座標をリスト表示するとともに、弾着座標の前記エリアに対応する所定範囲の座標内にマーク形式で表示し、訓練の種類と、前記標的の種類と前記訓練の種類に応じた当該標的の隠顕動作中の状態に応じて得点及び表示色を設定した採点用テーブルを参照して、弾着座標に応じて前記リストの背景色と前記マークを所定の表示色で表示する弾着描画手段と、を備え、さらに
前記標的制御装置は、訓練の種類と、前記標的の種類と前記訓練の種類に応じた当該標的の隠顕動作中の状態と訓練者のレベルに応じて得点及び表示色を設定した採点用テーブルを参照し、
前記弾着描画手段により描画される弾着位置とともに、当該訓練者の弾着座標の一覧のリストを表示することを特徴とする射撃訓練システム。
【請求項2】
請求項1に記載の射撃訓練システムであって、
前記標的装置は、射撃側に射撃を行う反撃装置を備え、
前記標的制御装置は、前記反撃装置より射撃側に射撃を行わせるための反撃情報を伝送する手段とを備えたことを特徴とする射撃訓練システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実弾を用いた射撃訓練システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の実弾を用いた射撃訓練システムを図14に示す。訓練者101は銃などの火器102を用いて実弾105を標的104に向かって発射し、射撃訓練を行う。標的104は、制御装置103によって制御され、起立、倒れなどの隠顕動作を行う。また、標的104への実弾の命中(弾着)の有無については、標的104に取り付けた図示しない振動センサによる振動検知により、標的104に実弾105が命中したか否かを判断している。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−286138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の射撃訓練システムでは、標的104に取り付けられた振動センサにより標的104に実弾105が命中したか否かを判断する構成となっている。
このため、第1の問題点として、従来の射撃訓練システムは、標的104に実弾105が命中したか否かは射撃結果として、訓練者にフィードバックを行うことはできるが、標的104のどの位置に命中(弾着)したのかは訓練者に射撃結果としてフィードバックできず、また訓練者に直感的に標的104のどの位置に命中したのかを得点として表示したり、複数の射撃訓練の結果を集計した得点として表示することができなかった。
【0005】
更に、従来の射撃訓練システムでは、標的104が倒れ状態から起立するまでの起立途中や起立から倒れ状態までの倒れ途中では、標的104が隠顕動作により振動してしまい、実弾105が標的に命中していないにもかかわらず振動センサが命中したと誤認識をしてしまうため、起立途中や倒れ途中では振動センサが誤認識しないように、振動センサが振動を検出しても実弾105が命中したか否かを判断しないようにしていた。
このため、第2の問題点として、従来の射撃訓練システムでは、標的104が完全に起立している状態で実弾105が標的104に命中したか否かのみ射撃結果として表示するため、起立途中や倒れ途中に実弾105が標的104に命中しても訓練者に射撃結果として得点を表示することができなかった。
【0006】
実際に敵味方に分かれて交戦する場合には、敵は完全に現出してから射撃をしてくるわけではなく、物陰などから敵の体が出始めた時点で射撃をしてくるのが一般的である。
そこで、射撃訓練を行う場合には、少しでも敵の体が現出し始めたら射撃する方がより実践に近い訓練が行え、実践に近い訓練の結果を訓練者に対して表示したほうが有効である。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、実弾が標的に命中した位置や命中した位置による得点などを射撃結果として画面に色分け表示することによって、視覚による弾着位置の確認が容易となり、また、射撃毎に得点を都度表示することによって、目標得点への到達度がほぼリアルタイムで確認することが可能な射撃訓練システムを提供することを目的とする。
更に、標的が倒れ状態から起立するまでの起立途中や起立から倒れ状態までの倒れ途中でも実弾が命中したか否かを判断し、射撃訓練結果の得点として画面に表示することが可能な射撃訓練システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の射撃訓練システムは、標的装置と標的制御装置とを備える射撃訓練システムにおいて、前記標的装置は、標的より広い所定範囲の弾着を検出するセンサを備え、前記標的制御装置は、前記センサの値から前記所定範囲内の弾着座標及びエリアを算出する弾着位置算出手段と、弾着順に弾着座標をリスト表示するとともに、弾着座標の前記エリアに対応する所定範囲の座標内にマーク形式で表示し、前記標的の種類と訓練者のレベルに応じて得点及び表示色を設定した採点用テーブルを参照して、弾着座標に応じて前記リストの背景色と前記マークを所定の表示色で表示する弾着描画手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、実弾が標的に命中した位置や命中した位置による得点などを射撃結果として画面に色分け表示することにより、視覚による弾着位置の確認が容易となり、また、射撃毎に得点を都度表示することにより、目標得点への到達度がほぼリアルタイムで確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態1に係る射撃訓練システムのシステム構成図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る標的装置1の制御構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る標的制御装置30の制御構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る標的制御装置30の採点用テーブルを説明するための図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る標的制御装置30での弾着結果及び得点表示処理のフローチャートである。
図6】本発明の実施の形態1に係る標的制御装置30の弾着結果及び得点表示の画面例である。
図7】本発明の実施の形態2に係る射撃訓練システムにおける訓練パターン(A)の場合の得点の重み付けの例をあらわす図である。
図8】本発明の実施の形態2に係る射撃訓練システムにおける訓練パターン(B)の場合の得点の重み付けの例をあらわす図である。
図9】本発明の実施の形態2に係る射撃訓練システムにおける訓練パターン(C)の場合の得点の重み付けの例をあらわす図である。
図10】本発明の実施の形態2に係る標的制御装置30’の制御構成を示すブロック図である。
図11】本発明の実施の形態2に係る標的制御装置30’での得点算出及び得点表示処理のフローチャートである。
図12】本発明の実施の形態2に係る標的装置1の標的15の角度と時間の関係をあらわすグラフである。
図13】本発明の実施の形態2に係る標的制御装置30’での標的15の隠顕動作中の弾着確認方法を説明するための図である。
図14】従来の実弾を用いた射撃訓練システムのシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態1>
〔射撃訓練システムの制御構成〕
以下で、本発明の実施の形態1に係る射撃訓練システムのシステム構成について、図1を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る射撃訓練システムのシステム構成図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る射撃訓練システムは、標的装置1と、射撃訓練を行う図示しない訓練者の近くに設置される標的制御装置30と、中継装置40とから構成され、訓練者と標的との間に距離があっても、訓練者の近くに設置したモニタ画面で弾の弾着した場所と得点をリアルタイムで確認することが可能なシステムである。
なお、図1には、3組の射撃訓練システムを描画しているが、これは、複数の射撃者が同時に訓練を行う場合を想定したものであって、本発明の実施の形態は、1組でも複数組でも構わない。
標的装置1は、実弾を用いた射撃訓練の標的となる装置である。標的装置1は、標的制御部10と、標的15と、弾着検出部17とを含んで構成される。標的制御部10は、予め作成されたスケジュール情報又は標的制御装置30からの指示により標的15に隠顕動作を行わせる。また、標的15は、標的制御部10により駆動される脱着可能な標的本体であり、射撃の目標となる。弾着検出部17は、弾着の座標に係る値を検出する。弾着検出部17の弾着座標の検出可能な範囲を、エリア400として示す。このエリア400及びその他のエリアの詳細については後述する。
標的制御装置30は、標的装置1への制御指示や動作状態の表示、弾着結果等を表示する標的15のコントローラである。また、標的制御装置30は、標的装置1の状態取得や弾着結果の取得を行う。標的制御装置30は、弾着検出部17が検出する弾着位置の位置情報を使用し、標的装置1の制御方法や弾着結果の表示方法を改善することができる。
中継装置40は、電波により標的装置1との間でデータの入出力を行う。
【0012】
〔標的装置1の制御構成〕
次に、図2を参照して、標的装置1の詳細な制御構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る標的装置1の制御構成を示すブロック図である。
標的制御部10は、電動アクチュエータ等の標的駆動部12により、例えば、ヒトのシルエット等の板状形状をした標的15の起立/倒れといった動作を行う。
弾着検出部17は、訓練者である射手の射撃用の火器(図示せず)から発射された実体弾等による「弾」の通過(弾着)位置を検出するエリア検出センサ部17aを備えている。
標的装置1は、標的制御部10の制御部11による自律制御、標的制御装置30からの無線又は有線によるプログラム制御、又はオペレータ(図示せず)によるマニュアル操作による制御を行うことができる。
【0013】
標的制御部10は、制御部11(制御手段)、標的駆動部12(標的駆動手段)、通信部13(通信手段)、記憶部14、電源部16を含んで構成される。標的15は、標的駆動部12に機械的又は電気的に接続される。
【0014】
制御部11は、標的装置1の全体の動作を制御するCPU(中央処理装置)等の制御演算部位である。制御部11は、記憶部14に記憶された制御プログラムを、ハードウェア資源を用いて実行し、標的装置1を自立制御することができる。
記憶部14は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDD等の記憶部位である。記憶部14は、標的15の起立/倒れの状態、バッテリの残量といった、標的装置1の状態情報を記憶している。また、記憶部14は、制御プログラムや設定情報やファームウェア等も記憶している。さらに、記憶部14は、エリア検出センサ部17aにより検出した弾着に係るデータを記憶している。また、記憶部14は、予め設定された固有の標的装置1のID(Identification)等についても記憶することができる。
標的駆動部12は、標的15を駆動するためのモータ、エンコーダ、電磁アクチュエータ等を含む部位である。標的駆動部12は、標的15を脱着して交換可能に構成されている。標的駆動部12は、連結部とモータ等を用いて、敵の身体動作に対応する多彩な表現を行う。標的駆動部12は、例えば、訓練者の身体の起立/倒れに対応して、標的15を起立/倒れさせる等の駆動を行う。
【0015】
エリア検出センサ部17aは、駆動する標的15の前に設置され、射撃の弾着を検知するための弾着センサである。エリア検出センサ部17aは、標的15より広い所定範囲の弾着を検知する。つまり、エリア検出センサ部17aは、標的15から所定範囲内で射撃の弾が当たった際、又は弾が通過した場合、弾着として検知する。このため、標的15に弾着しなかった場合であっても、弾の通過位置の位置座標に関する値を取得できる。また、エリア検出センサ部17aは、実体弾の場合、弾着座標の検出手段として、衝撃波を検出するセンサや超音波センサ等を用いることができる。標的制御装置30の制御部300は、弾着位置算出部301を用いて、エリア検出センサ部17aで検知した値から、標的15の同一平面上のXY座標等に変換された弾着座標を算出できる。
通信部13は、RF(電波)やデータやコマンド等の情報の送受信を行う通信手段である。通信部13は、中継装置40を介し、標的制御装置30に対して、標的装置1のエリア検出センサ部17aで検出した弾着に係る値のデータや標的駆動部12のエンコーダで検出した標的15の回転角度のデータ等の情報を送信する。また、通信部13は、標的制御装置30から、訓練の開始/終了指示等を受信する。また、通信部13は、プログラム制御やマニュアル操作による制御に係る指令の情報も受信可能である。なお、通信部13は、有線や赤外線等で中継装置40(図1)と情報を送受信してもよい。
電源部16は、バッテリとスイッチング電源等を備えた電源部位であり、標的装置1の各部位に電力を供給する。なお、電源部16は、有線で、又は電磁誘導等で電力を供給する部位として構成してもよい。
【0016】
なお、標的装置1は、反撃のため、実弾、電波、レーザ等の弾を放出する射撃部を備えていてもよい。この場合、通信部13は、訓練者の火器(図示せず)に、射撃に係る反撃情報を送信するように構成することもできる。
また、標的装置1は、射撃訓練時に複数台同時に用いることができ、自律制御においてもそれぞれの標的装置1が通信部13にて制御情報を送受信し、協調して動作するよう制御可能である。この場合でも、標的装置1は、弾着に係るデータを標的制御装置30へ送信する。
【0017】
〔標的制御装置30の制御構成〕
次に、図3を参照して、標的制御装置30の詳細な制御構成について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る標的制御装置30の制御構成を示すブロック図である。
標的制御装置30は、PC/AT互換機等のPC(Personal Computer)や専用機等を用いることができる。標的制御装置30は、制御部300(制御手段)、記憶部310(記憶手段)、表示部320(表示手段)、入力部330(入力手段)、ネットワーク送受信部340(ネットワーク送受信手段)、及び電源部350を備えている。また、図示しない印字機等を接続することもできる。
制御部300は、CPU、GPU、DSP等であり、記憶部310に記憶されたプログラム等を、ハードウェア資源を用いて実行する。制御部300は、標的装置1への指示を行い、各種データを表示部320に表示するよう制御する。
記憶部310は、RAM、ROM、HDD、フラッシュメモリ等を備えた記憶部位である。記憶部310は、標的装置1の制御や弾着の分析用のプログラムやデータ等を記憶する。このプログラムやデータの詳細については後述する。なお、記憶部310は、汎用的なOS(Operating System)やファームウェア等も記憶している。これに加えて、記憶部310に記憶されたプログラムは、別途、光学/磁気記録媒体やフラッシュメモリカード等の記録媒体に記録されたプログラムをインストールして用いることもできる。
表示部320は、汎用的な液晶や有機ELディスプレイやプロジェクタやインクジェットプリンタやレーザプリンタ等の画像/文字を出力する部位である。表示部320は、後述する弾着の情報を含む各種情報を表示、出力する。
入力部330は、スイッチやキーボードやマウスやタッチパネル等の入力部位である。入力部330は、主に訓練者からの指示を検知することができる。
ネットワーク送受信部340は、標的制御装置30と中継装置40との間を接続するためのLAN(Local Area Network)、USB(Universal Serial Bus)、シリアル(RS−232C)、パラレル等の接続インターフェイスである。
【0018】
また、制御部300は、弾着位置算出部301(弾着位置算出手段)、弾着描画処理部302(弾着描画手段)、及び目標設定部303を備えている。
弾着位置算出部301は、標的装置1のエリア検出センサ部17aで検出した弾着に係るデータから、実際のエリア400内における弾着の位置(座標)を算出する。
弾着描画処理部302は、弾着位置算出部301により算出された弾着の位置や標的15に当たったか否か等の各種情報を表示部320に描画する。
目標設定部303は、標的装置1の起立/倒れの指示を行う。
また、記憶部310は、射撃訓練DB311(弾着位置情報記録手段)、採点用テーブル312、及び点数集計用テーブル313を備えている。
射撃訓練DB311は、SQL等のデータベースである。射撃訓練DB311は、弾着位置算出部301により算出された弾着座標等のデータを記憶する。
採点用テーブル312は、標的の種類(形状)と訓練者のレベルに応じて得点になり得る座標を網羅しておき、その座標点での得点、及び画面に表示する際の表示色等を設定したテーブルである。図4は、本発明の実施の形態1に係る標的制御装置30の採点用テーブルを説明するための図であり、(a)は、弾着検出エリア400内での標的15の位置及び弾着の座標位置基点を示す図であり、(b)は、標的形状(A)で訓練者レベル(1)の場合の採点用テーブルを示し、また、(c)は、標的形状(A)で訓練者レベル(2)の場合の採点用テーブルを示す。
点数集計用テーブル313は、訓練者が射撃訓練時に獲得した得点を集計したデータを記憶するテーブルである。
【0019】
〔標的制御装置30の弾着結果及び得点表示処理〕
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態1に係る標的制御装置30の弾着結果及び得点表示処理について説明する。
本実施形態の弾着結果及び得点表示処理においては、標的装置1及び標的制御装置30がハードウェア資源を用いて、射撃を行った際の標的15に対する弾着位置及び得点を、画面に表示する。この際:
(1)リストと、当該リストに対応した弾着座標にマークを表示する。
(2)得点別に色分け表示(得点の高低に応じて濃度を変える等)を行う。
(3)射撃毎に獲得した得点の合計点を表示する。
といった表示処理を行う。したがって、実弾が標的に命中した位置や命中した位置による得点などを射撃結果として画面に色分け表示することにより、視覚による弾着位置の確認が容易となり、また、射撃毎に得点を都度表示することにより、目標得点への到達度がほぼリアルタイムで確認することが可能となる。
以下で、この弾着結果及び得点表示処理について、図5のフローチャートを参照して詳しく説明する。
【0020】
図5は、本発明の実施の形態1に係る標的制御装置30での弾着結果及び得点表示処理のフローチャートである。
まず、ステップS101において、標的制御装置30の制御部300は、標的装置1から弾の通過情報を取得する。
具体的には、標的装置1の制御部11は、エリア検出センサ部17aにて弾の通過や実体弾等の弾着を検知した場合、この検知した値を弾着した時刻と共に記憶部14に記憶する。また、制御部11は、このエリア検出センサ部17aの値を、通信部13から中継装置40へリアルタイム(実時間)で送信する。
標的制御装置30の制御部300は、標的装置1からの、エリア検出センサ部17aの値を中継装置40を介して取得し、記憶部310の射撃訓練DB311に記憶する。
【0021】
次に、ステップS102において、標的制御装置30の制御部300は、使用中の標的15の種類と訓練者のレベルを基に採点用テーブル312から所定のテーブルを取得する。
例えば、使用中の標的15が形状(A)で、訓練者のレベルが(2)の場合には、図4(c)のテーブルを取得する。
次に、ステップS103において、標的制御装置30の制御部300は、弾着位置算出部301にて弾着位置算出処理を行うとともに、ステップS102で取得したテーブルを参照し、標的15への弾着の有無を確認する。その結果、「YES」の場合は、ステップS104に進み、「NO」の場合は、ステップS105にて得点は「0」として、ステップS107に進む。
ここでは、制御部300は、射撃訓練DB311からエリア検出センサ部17aで検出した値を読み出して弾着座標を算出し、この弾着座標と採点用テーブル312の所定のテーブルを比較することで標的15に弾着したか否かを判定する。
【0022】
ここで、図4(a)を参照して、標的装置1の弾着検出部17のエリア検出センサ部17aにより弾着検出した値から、標的制御装置30の弾着位置算出部301を用いて算出できるエリアの一例について説明する。この例では、制御部300は、エリア検出センサ部17aの値を基に、標的15と正対する向きに、左右をX座標、上下をY座標として弾着座標を算出する。
より具体的には、制御部300は、エリア検出センサ部17aの中心から垂直平面上のXY座標を算出する。具体的に、制御部300は、検出範囲の中心を基準とした座標位置基点450の座標を(X,Y)=(0,0)とし、このX座標及びY座標の距離により、エリアを判定する。
具体的には、制御部300は、算出した弾着座標から、例えばエリア400〜エリア420のようなエリアを判定できる。
エリア400は、例えば、縦約5m×横約5mの四角形のエリアで、エリア検出センサ部17aで検知可能な所定範囲を示す。
エリア410は、例えば、縦約120cm×横約120cmの四角形のエリアで、表示部320に表示される標的15とその周辺の所定範囲を示している。
エリア420は、ほぼ標的15の範囲の座標に対応する標的エリアである。このエリア420に弾着があると命中弾となる。
なお、図4(a)のエリア420は、標的15が起立時の標的エリアである。
【0023】
次に、ステップS104において、制御部300は、採点用テーブル312の所定のテーブル内をサーチし、ステップS103で算出した弾着座標と一致する座標を確認して、点数と表示色を取得する。
次に、ステップS106において、制御部300は、弾着描画処理部302を用いて上述の弾着座標とエリアを基に弾着結果を表示部320にリスト形式及びマーク形式で表示する。また、リストの背景色と弾着結果の位置表示マークの表示色をテーブルより取得した表示色で座標表示する。
次に、ステップS107において、制御部300は、記憶部310の点数集計用テーブル313の合計点の数値に、ステップS104にて取得した訓練者の点数を加算する。
次に、ステップS108において、制御部300は、点数集計用テーブル313の対象訓練者の合計点を呼び出して、弾着描画処理部302を用いて表示部320の合計点表示欄に表示する。
【0024】
ここで、図6の画面例500を参照して、弾着結果及び得点の画面表示について説明する。
図6は、本発明の実施の形態1に係る標的制御装置30の弾着結果及び得点表示の画面例である。
制御部300は、例えば、表示部320のプログラムの専用ウィンドウ等に、ボタン群600、表示欄700〜730のような表示要素を画面例500のように配置して表示する。制御部300は、入力部330を用いたOSのGUI(Graphics User Interface)により、これらの表示要素に対するユーザの指示を検知可能である。
【0025】
ボタン群600は、標的装置1を制御し各種の処理を呼び出すためのユーザインタフェース用のボタンである。ここでは、弾着結果や分析に係る弾着位置検出のボタンが選択されている状態を示す。ボタン群600は、他にも、標的装置1の生データのモニター、起立/倒れ等のスケジュールの設定、グループに分けた制御処理、訓練情報の表示、訓練結果の表示、保守用の機能の呼び出し、結果の印刷、プログラムの終了等のボタンを選択できる。
【0026】
表示欄700は、訓練を行う訓練者を表示する部位である。
表示欄710は、弾着結果として取得したデータ及び算出した弾着座標の一覧をリスト形式で表示する部位である。
制御部300は、このリストに、弾着順番(No.)、弾着時刻、標的15への弾着結果、及び実際の弾着座標のX座標及びY座標(弾着位置)といった情報を表示する。
【0027】
表示欄720は、弾着検出部17で弾着を検出可能な座標のうち上述のエリア410に相当する領域を描画する部位である。
制御部300は、表示欄720に、座標位置基点450を中心として、エリア420を実際の標的15の形状や大きさに該当するイメージ図等として描画する。この上で、制御部300は、表示欄720に、各弾着座標の情報を基に、画面内の該当する弾着座標にマーク801、802等のようにマーク形式で複数の弾着結果の表示を行う。
弾着座標がエリア420内の場合は、標的15に弾着したとして、例えばマーク801のように、図4の(b)、(c)等に示す採点用テーブル312の表示色で表示する。また、弾着座標がエリア420より外であった場合は、標的15から外れたとして、例えばマーク802ように、黒色で表示する。
なお、採点用テーブル312で点数による色分け表示、特に、色の濃度により得点の高低を表すようにすれば、視覚的に射撃の傾向が容易に掴めるので、射撃方向の修正が必要か否か容易に判断することができる。
また、制御部300は、表示欄710のリストの背景色も、採点用テーブル312を参照し、表示欄720の弾着した座標を示すマークと同様の表示色で表示するので、視覚的に射撃の傾向が容易に掴めるので、射撃方向の修正が必要か否か容易に判断することができる。
また、制御部300は、マーク801、802等において、表示欄710のリスト表示の弾着順番を丸印の横に描画する。これにより、何発目の弾着位置かを、容易に知ることが可能になる。
また、制御部300は、対象訓練者の合計点を射撃を行う毎に表示欄730に表示する。
【0028】
また、制御部300は、訓練中は標的装置1からのデータ取得の都度、表示欄710の弾着座標の一覧のリストと表示欄720のイメージ図により弾着座標に係る描画をする。このため、リアルタイム(実時間)で、弾着座標等を確認できる。
なお、制御部300は、標的装置1に対する命中率を表示欄710又は表示欄720に表示することもできる。
【0029】
上述したように、本発明の実施の形態1に係る射撃訓練システムによれば、実弾が標的に命中した位置や命中した位置による得点などを射撃結果として画面に色分け表示することにより、視覚による弾着位置の確認が容易となり、また、射撃毎に得点を都度表示することにより、目標得点への到達度がほぼリアルタイムで確認することが可能となる。
【0030】
<実施の形態2>
以下で、本発明の実施の形態2に係る射撃訓練システムのシステム構成について説明する。
本発明の実施の形態2に係る射撃訓練システムは、標的が隠顕動作中に射撃する場合も含め、下記の様々なシチュエーションを想定した射撃訓練が行える射撃訓練システムである。
ここで、標的の隠顕動作中の状態をあらわす言葉である倒れ、起立途中、起立、及び倒れ途中の各状態について、以下のように定義する。
本発明でいう起立とは、標的が射撃者から見て完全に現出している状態をいう。また、倒れとは、標的が正面から見て完全に隠れている状態をいう。また、起立途中とは、倒れから起立の途中の状態をいう。また、倒れ途中とは、起立から倒れの途中の状態をいう。
【0031】
一般的に、紛争地域等において、敵味方の間で射撃による交戦が行われる場合、次のようなシチュエーションが想定される。
・パターン(A):紛争地域で敵しかいない状況
・パターン(B):屋内で敵が人質を拘束している状況
・パターン(C):紛争地域で民間人に混じり、敵が混在している状況
【0032】
ここで、パターン(A)のシチュエーションを想定した場合、実戦では敵は完全に現出してから射撃をしてくるわけではなく、体が出始めた時点で射撃をしてくるはずである。訓練としては、少しでも敵の体が現出し始めたら射撃する方がより実戦に近い訓練が行える。
そこで、射撃訓練において、標的の起立途中の状態を、敵が物陰から少し姿を現し始めた状態を模擬しているものとして訓練が行える。また、標的の隠顕動作制御をソフトウェアで行っているので、標的の状態が起立開始、起立途中、起立、倒れ開始、倒れ途中、倒れと分けて認識することができる。そこで、それぞれの状態に分けて射撃に得点の重み付けをすることができる。図7は、訓練パターン(A)の場合の得点の重み付けの例をあらわす図である。
図7に示すように、パターン(A)の場合には、敵が見えたらすぐに撃った方が良い。すなわち起立開始から射撃までの時間が短いほど有効(高得点)と考える。
【0033】
また、パターン(B)のシチュエーションを想定した場合、敵が物陰から出てきたらすぐに射撃をするのではなく、現出した相手が誰であるかを判断して射撃をする必要がある。そこで、パターン(A)の場合と同様に、それぞれの状態に分けて射撃に得点の重み付けをすることができる。図8は、訓練パターン(B)の場合の得点の重み付けの例をあらわす図である。
【0034】
また、パターン(C)のシチュエーションを想定した場合、パターン(B)と同様に、敵が物陰から出てきたらすぐに射撃をするのではなく、現出した相手が誰であるかを判断して射撃をする必要がある。そこで、パターン(A)の場合と同様に、それぞれの状態に分けて射撃に得点の重み付けをすることができる。図9は、訓練パターン(C)の場合の得点の重み付けの例をあらわす図である。
【0035】
〔射撃訓練システムの制御構成〕
本発明の実施の形態2に係る射撃訓練システムは、上述した実施の形態1に係る射撃訓練システムに対し標的制御装置30’の構成のみ異なるため、図10を参照して、標的制御装置30’の詳細な制御構成について説明する。
【0036】
〔標的制御装置30’の制御構成〕
図10は、本発明の実施の形態2に係る標的制御装置30’の制御構成を示すブロック図である。
標的制御装置30’は、PC/AT互換機等のPC(Personal Computer)や専用機等を用いることができる。標的制御装置30’は、制御部300(制御手段)、記憶部310’(記憶手段)、表示部320(表示手段)、入力部330(入力手段)、ネットワーク送受信部340(ネットワーク送受信手段)、及び電源部350を備えている。また、図示しない印字機等を接続することもできる。
なお、標的制御装置30’は、標的制御装置30に対し記憶部310’の構成のみ異なるため、記憶部310’の構成についてのみ説明する。
【0037】
記憶部310’は、射撃訓練DB311(弾着位置情報記録手段)、採点用テーブル312、点数集計用テーブル313及び訓練パターン別採点用テーブル314を備えている。
射撃訓練DB311は、SQL等のデータベースである。射撃訓練DB311は、弾着位置算出部301により算出された弾着座標等のデータを記憶する。
採点用テーブル312は、標的の種類(形状)と訓練者のレベルに応じて得点になり得る座標を網羅しておき、その座標点での得点、及び画面に表示する際の表示色等を設定した点数テーブルである。図4は、本発明の実施の形態1に係る標的制御装置30の採点用テーブルを説明するための図であり、(a)は、弾着検出エリア400内での標的15の位置及び弾着の座標位置基点を示す図であり、(b)は、標的形状(A)で訓練者レベル(1)の場合の採点用テーブルを示し、また、(c)は、標的形状(A)で訓練者レベル(2)の場合の採点用テーブルを示す。
点数集計用テーブル314は、訓練者が射撃訓練時に獲得した得点を集計したデータを記憶するテーブルである。
訓練パターン別採点用テーブル314は、図7〜9に示した訓練パターン別の隠顕動作時での得点の重み付けデータを記憶するテーブルである。
【0038】
〔標的制御装置30’の得点算出及び得点表示処理〕
そこで、本発明の実施の形態2に係る射撃訓練システムでの得点算出及び得点表示処理について、図11のフローチャートを参照して詳しく説明する。
図11は、本発明の実施の形態2に係る標的制御装置30’での得点算出及び得点表示処理のフローチャートである。
まず、ステップS201において、標的制御装置30’の制御部300は、標的装置1から弾の通過情報及び標的15の状態情報を取得する。
具体的には、標的装置1の制御部11は、エリア検出センサ部17aにて弾の通過や実体弾等の弾着を検知した場合、この検知した値を弾着した時刻と共に記憶部14に記憶し、また、標的駆動部12のエンコーダから取得した信号により、弾着した時刻での標的15の回転角度を算出し、算出した標的15の回転角度情報を記憶部14に記憶する。また、制御部11は、このエリア検出センサ部17aの値と標的15の回転角度情報を、通信部13から中継装置40へリアルタイム(実時間)で送信する。
なお、標的装置1の制御部11は、標的駆動部12を介して自ら標的15の隠顕制御等を行っているので、例えば、図12に示す標的15の角度と時間の関係をあらわすグラフ等の情報を基に、起立開始から起立完了までの時間から標的15の角度θを求めることも可能である。
標的制御装置30’の制御部300は、標的装置1からの、エリア検出センサ部17aの値と標的15の回転角度情報を中継装置40を介して取得し、記憶部310’の射撃訓練DB311に記憶する。
【0039】
次に、ステップS202において、標的制御装置30’の制御部300は、使用中の標的15の種類と訓練者のレベルを基に採点用テーブル312から所定のテーブルを取得する。
例えば、使用中の標的15が形状(A)で、訓練者のレベルが(2)の場合には、図4(c)のテーブルを取得する。
【0040】
次に、ステップS203において、標的制御装置30’の制御部300は、弾着位置算出部301にて弾着位置算出処理を行うとともに、ステップS202で取得したテーブルを参照し、標的15への弾着の有無を確認する。その結果、「YES」の場合は、ステップS204に進み、「NO」の場合は、ステップS205にて得点は「0」として、ステップS209に進む。
具体的には、制御部300は、射撃訓練DB311からエリア検出センサ部17aで検出の値と標的15の回転角度情報を読み出して弾着座標を算出し、この弾着座標と採点用テーブル312の所定のテーブルを比較することで標的15に弾着したか否かを判定する。
ここで、隠顕動作中の標的15への弾着の有無を確認する方法について説明する。
【0041】
図13は、本発明の実施の形態2に係る標的制御装置30’での標的15の隠顕動作中の弾着確認方法を説明するための図である。
図13は、標的15が起立途中または倒れ途中の状態で弾が弾着した場合を示しており、図13の奥行き方向がX座標であり、上下方向がY座標である。そこで、実際に弾が標的15に当たった位置gの基準面(回転中心を含む)からY方向の距離(弾着座標のY座標値に相当)をHo、標的15の回転中心からgまでの距離をH、標的15の回転角度をθとすると、
H=Ho/sinθ・・・計算式(D)
の関係となる。
つまり、標的15の隠顕動作は、図13に示すように、射撃する方向から見て前後方向のみであるため、上記計算式(D)でY座標のみ座標変換を行うことにより、標的15が起立状態と同様に、採点用テーブル312の所定のテーブルを使用して標的15に弾着したか否かを判定することが可能である。
【0042】
次に、ステップS204において、標的制御装置30’の制御部300は、予め設定された訓練パターンに応じた採点処理を行う。例えば、パターン(A)の場合は、ステップS206のAの採点処理を、パターン(B)の場合は、ステップS207のBの採点処理を、また、パターン(C)の場合は、ステップS208のCの採点処理を行う。
具体的には、ステップS206のAの採点処理では、制御部300は、記憶部310’の採点用テーブル312の所定のテーブル内をサーチし、算出した弾着座標データと一致する座標を確認して、点数を取得する。また、制御部300は、標的15の回転角度情報を基に、記憶部310’の訓練パターン別採点用テーブル314内の訓練パターン(A)の場合の得点の重み付け情報(図7参照)から標的15の隠顕動作状態での得点を読み出し、先ほどの点数に加算する。
また、ステップS207のBの採点処理では、制御部300は、記憶部310’の採点用テーブル312の所定のテーブル内をサーチし、算出した弾着座標データと一致する座標を確認して、点数を取得する。また、制御部300は、標的15の回転角度情報を基に、記憶部310’の訓練パターン別採点用テーブル314内の訓練パターン(B)の場合の得点の重み付け情報(図8参照)から標的15の隠顕動作状態での得点を読み出し、先ほどの点数に加算する。
また、ステップS208のCの採点処理では、制御部300は、記憶部310’の採点用テーブル312の所定のテーブル内をサーチし、算出した弾着座標データと一致する座標を確認して、点数を取得する。また、制御部300は、標的15の回転角度情報を基に、記憶部310’の訓練パターン別採点用テーブル314内の訓練パターン(C)の場合の得点の重み付け情報(図9参照)から標的15の隠顕動作状態での得点を読み出し、先ほどの点数に加算する。
【0043】
次に、ステップS209において、制御部300は、記憶部310’の点数集計用テーブル314の合計点の数値に、ステップS206、S207またはS208にて求めた点数を対象訓練者の点数に加算する。
次に、ステップS210において、制御部300は、点数集計用テーブル314の対象訓練者の合計点を呼び出して、弾着描画処理部302を用いて表示部320の合計点表示欄に表示する。
【0044】
上述したように、本発明の実施の形態2に係る射撃訓練システムによれば、標的が隠顕動作中に射撃する場合も含め、様々なシチュエーションを想定した射撃訓練が行えると共に、その射撃訓練結果を画面に表示することができる。
【0045】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0046】
1:標的装置、10:標的制御部、11:制御部、12:標的駆動部、13:通信部、14:記憶部、15:標的、16:電源部、17:弾着検出部、17a:エリア検出センサ部、30:標的制御装置、40:中継装置、101:訓練者、102:火器、103:制御装置、104:標的、105:実弾、300:制御部、301:弾着位置算出部、302:弾着描画処理部、303:目標設定部、310,310’:記憶部、311:射撃訓練DB、312:採点用テーブル、313:点数集計用テーブル、314:訓練パターン別採点用テーブル、320:表示部、330:入力部、340:ネットワーク送受信部、350:電源部、400,410,420:エリア、450:座標位置基点、500:画面例、600:ボタン群,700,710,720,730,740:表示欄、801,802:マーク。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14