(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202596
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】高所作業車におけるデッキ扉の安全装置
(51)【国際特許分類】
B66F 9/24 20060101AFI20170914BHJP
B66F 11/04 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
B66F9/24 S
B66F11/04
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-87567(P2013-87567)
(22)【出願日】2013年4月18日
(65)【公開番号】特開2014-210642(P2014-210642A)
(43)【公開日】2014年11月13日
【審査請求日】2016年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(74)【代理人】
【識別番号】100089222
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 康伸
(74)【代理人】
【識別番号】100134979
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 博
(74)【代理人】
【識別番号】100175400
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 伸
(72)【発明者】
【氏名】池田 克伸
(72)【発明者】
【氏名】川松 雄一
【審査官】
大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−040381(JP,A)
【文献】
特開2003−327400(JP,A)
【文献】
特開2006−036525(JP,A)
【文献】
特開2004−035212(JP,A)
【文献】
特開2009−197391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00 − 9/24
B66F 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブームと、該ブームの先端に設けられたデッキとを備える高所作業車の安全装置であって、
前記ブームをブームレストに載せた格納状態を検出するブーム格納状態検出器と、
前記デッキのデッキ扉を施錠する施錠手段と、
前記施錠手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記ブーム格納状態検出器が格納状態と検出している場合に前記施錠手段を解錠し、前記ブーム格納状態検出器が非格納状態と検出している場合に前記施錠手段を施錠する
ことを特徴とする高所作業車におけるデッキ扉の安全装置。
【請求項2】
前記施錠手段は、キープ型のソレノイドロックである
ことを特徴とする請求項1記載の高所作業車におけるデッキ扉の安全装置。
【請求項3】
前記デッキ扉を閉める方向に付勢する付勢手段を備える
ことを特徴とする請求項1または2記載の高所作業車におけるデッキ扉の安全装置。
【請求項4】
前記デッキ扉の開閉状態を検出するデッキ扉開閉状態検出器を備え、
前記制御手段は、前記ブーム格納状態検出器が非格納状態と検出しており、かつ、前記デッキ扉開閉状態検出器が閉状態と検出している場合に前記施錠手段を施錠する
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の高所作業車におけるデッキ扉の安全装置。
【請求項5】
解錠操作手段を備え、
前記制御手段は、前記施錠手段が施錠されている状態において前記解錠操作手段により解錠操作された場合に該施錠手段を解錠する
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の高所作業車におけるデッキ扉の安全装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記解錠操作手段の解錠操作により前記施錠手段を解錠した後、所定時間経過後に該施錠手段を施錠する
ことを特徴とする請求項5記載の高所作業車におけるデッキ扉の安全装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記解錠操作手段の解錠操作により前記施錠手段を解錠した後、前記デッキの移動操作がなされたときに該施錠手段を施錠する
ことを特徴とする請求項5記載の高所作業車におけるデッキ扉の安全装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所作業車におけるデッキ扉の安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高所作業車のデッキには、作業員や荷物の出入りのためにデッキ扉が設けられている。従来のデッキ扉には、手動で開閉する開閉レバーが設けられており、高所作業中には開閉レバーによりデッキ扉を閉めるようにしている。
【0003】
しかし、開閉レバーが物体と接触したり、衝撃で振動したりして、不意に開いてしまう恐れがある。デッキを高所に移動させた状態で開閉レバーが開くと、作業員に不安感を与えてしまう。
【0004】
特許文献1には、デッキ扉の閉鎖状態を監視するスイッチを設け、デッキ扉が閉鎖状態である場合にはデッキ操作を可能とし、デッキ扉が開放状態である場合にはデッキ操作を不可能とする技術が開示されている。これにより、作業員の不注意によりデッキ扉を閉鎖しないままデッキ操作することを防止できる。しかし、物体との接触や振動によってデッキ扉が不意に開く恐れはあり、上記問題を解決できていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平6−40240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、デッキ扉が不意に開くことを防止できる高所作業車におけるデッキ扉の安全装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明の高所作業車におけるデッキ扉の安全装置は、ブームと、該ブームの先端に設けられたデッキとを備える高所作業車の安全装置であって、前記ブーム
をブームレストに載せた格納状態を検出するブーム格納状態検出器と、前記デッキのデッキ扉を施錠する施錠手段と、前記施錠手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記ブーム格納状態検出器が格納状態と検出している場合に前記施錠手段を解錠し、前記ブーム格納状態検出器が非格納状態と検出している場合に前記施錠手段を施錠することを特徴とする。
第2発明の高所作業車におけるデッキ扉の安全装置は、第1発明において、前記施錠手段は、キープ型のソレノイドロックであることを特徴とする。
第3発明の高所作業車におけるデッキ扉の安全装置は、第1または第2発明において、前記デッキ扉を閉める方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする。
第4発明の高所作業車におけるデッキ扉の安全装置は、第1、第2または第3発明において、前記デッキ扉の開閉状態を検出するデッキ扉開閉状態検出器を備え、前記制御手段は、前記ブーム格納状態検出器が非格納状態と検出しており、かつ、前記デッキ扉開閉状態検出器が閉状態と検出している場合に前記施錠手段を施錠することを特徴とする。
第5発明の高所作業車におけるデッキ扉の安全装置は、第1、第2、第3または第4発明において、解錠操作手段を備え、前記制御手段は、前記施錠手段が施錠されている状態において前記解錠操作手段により解錠操作された場合に該施錠手段を解錠することを特徴とする。
第6発明の高所作業車におけるデッキ扉の安全装置は、第5発明において、前記制御手段は、前記解錠操作手段の解錠操作により前記施錠手段を解錠した後、所定時間経過後に該施錠手段を施錠することを特徴とする。
第7発明の高所作業車におけるデッキ扉の安全装置は、第5発明において、前記制御手段は、前記解錠操作手段の解錠操作により前記施錠手段を解錠した後、前記デッキの移動操作がなされたときに該施錠手段を施錠することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1発明によれば、ブームが非格納状態である場合にデッキ扉を施錠するので、デッキを高所に移動させた状態で物体との接触や振動によってデッキ扉が不意に開くことを防止できる。
第2発明によれば、キープ型のソレノイドロックによりデッキ扉を施錠するので、デッキを高所に移動させた状態で安全装置の電源をOFFにしても、デッキ扉を施錠したまま保持でき、デッキ扉が不意に開くことを防止できる。
第3発明によれば、付勢手段によりデッキ扉が自動的に閉まるので、デッキ扉が開いたまま施錠手段が施錠状態となることを防止でき、デッキ扉を確実に施錠できる。
第4発明によれば、デッキ扉が閉状態である場合に施錠手段を施錠するので、デッキ扉が開いたまま施錠手段が施錠状態となることを防止でき、デッキ扉を確実に施錠できる。
第5発明によれば、解錠操作手段により任意のタイミングでデッキ扉を解錠できるので、地上乗り込みや高所作業中の荷物の積み降ろしができる。
第6発明によれば、解錠操作手段の解錠操作によりデッキ扉を解錠した後、所定時間経過後にデッキ扉が施錠されるので、デッキ扉を解錠したまま高所作業を行うことを防止でき、物体との接触や振動によってデッキ扉が不意に開くことを防止できる。
第7発明によれば、解錠操作手段の解錠操作によりデッキ扉を解錠した後、デッキの移動操作がなされたときにデッキ扉が施錠されるので、デッキ扉を解錠したまま高所作業を行うことを防止でき、物体との接触や振動によってデッキ扉が不意に開くことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る安全装置のブロック図である。
【
図2】(A)図は高所作業車におけるデッキ扉をデッキの内側から見た図であり、(B)図は(A)図におけるB部分の拡大図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る安全装置のブロック図である。
【
図4】本発明の第3実施形態に係る安全装置のブロック図である。
【
図5】高所作業車の(A)平面図、(B)側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
まず、高所作業車100の構成について説明する。
図5において符号110は車両であり、この車両110には車両走行用の駆動源や運転室、車輪の外、作業中の安定を確保するアウトリガ111が設けられている。車両110の荷台の後方には旋回台120が搭載され、旋回モータにより水平面内で360°旋回できるようになっている。
【0011】
旋回台120にはブーム130が起伏自在に取り付けられている。旋回台120とブーム130との間には起伏シリンダが取り付けられている。この起伏シリンダを伸長させるとブーム130が起仰し、起伏シリンダを収縮させるとブーム130が倒伏する。ブーム130はテレスコピック状に構成されており、伸縮シリンダにより伸縮する。
【0012】
ブーム130の先端にはレベリングシリンダにより鉛直方向に姿勢が維持された支柱131が設けられており、その支柱131にデッキ140が旋回可能に設けられている。旋回台120の旋回、ブーム130の起伏、伸縮、デッキ140の旋回を組み合わせることで、立体空間内の任意の位置にデッキ140を移動させることができる。
【0013】
デッキ140は略矩形の籠状であり、床面141と、床面141の四方を覆う柵142とからなる。柵142の一部はデッキ扉143となっており、デッキ扉143を開けて作業員や荷物の出入りが可能となっている。また、デッキ140内には操作パネル144が設けられており、デッキ140の移動操作ができるようになっている。
【0014】
車両110の荷台、旋回台120、ブーム130の基端部にはステップ150が設けられている。ブーム130を格納状態にすると、作業員がステップ150を用いて地面とデッキ扉143との間を移動でき、デッキ140に乗り降りできる。ここで、
図5に示す高所作業車100においてブーム130の格納状態とは、ブーム130を前方に旋回し、伸縮、倒伏させて、ブームレスト132に載せた状態である。
【0015】
(第1実施形態)
つぎに、本発明の第1実施形態に係る安全装置Aを説明する。
安全装置Aは、上記のような高所作業車100におけるデッキ扉143が不意に開くことを防止するための安全装置である。
図1に示すように、安全装置Aは、ブーム格納状態検出器11と、制御手段20と、ソレノイドロック30とを備えている。
【0016】
ブーム格納状態検出器11は、ブーム130の格納状態を検出する検出器であり、例えばブームレスト132に設けられたスイッチで構成されている。制御手段20は、CPUやメモリ、または単純な電子回路などで構成されており、ブーム格納状態検出器11からの入力を基にソレノイドロック30を制御するものである。
【0017】
ソレノイドロック30は、電気的に施錠と解錠とを切り替えることができる施錠手段である。
図2(B)に示すように、ソレノイドロック30は、本体31と、ラッチ32とを備えている。ラッチ32は、本体31から突き出した状態(施錠状態)と、本体31に引き込まれた状態(解錠状態)とで切り替えることができる。この切り替えは、ソレノイドロック30に電気信号を送ることで行われる。
【0018】
図2(A)に示すように、デッキ扉143は、その左右の柵142a、142bの間に配置された開き戸である。デッキ扉143の一方の側縁部と一方の柵142aとが、バネヒンジ40を介して連結されており、バネヒンジ40を軸として回動することで開閉する。また、デッキ扉143は、バネヒンジ40により常に閉める方向に付勢されている。そのため、作業員が手でデッキ扉143を開けることができ、手を離せば自動的にデッキ扉143が閉まるようになっている。
【0019】
デッキ扉143の開閉側の側縁部には、上下に2つのストッパー50が固定されている。ストッパー50は、板状の部材であり柵142b側に突出している。デッキ扉143を閉じると、ストッパー50が柵142bに係止して、デッキ扉143の回動が止まるようになっている。
【0020】
また、デッキ扉143の開閉側の側縁部には、手動開閉式のドアラッチ60が設けられている。デッキ扉143を閉じる場合にはドアラッチ60を操作せずとも閉まり、デッキ扉143を開ける場合にはドアラッチ60を操作すれば開くことができる。
【0021】
図2(B)に示すように、ソレノイドロック30は、デッキ扉143の開閉側の柵142bに固定されており、ラッチ32がストッパー50側に向くように配置されている。デッキ扉143を閉めてストッパー50を柵142bに係止させて、ラッチ32を本体31から突き出した状態(施錠状態)とすると、ストッパー50が柵142bとラッチ32との間に挟まれる。これによりデッキ扉143が回動不能となり施錠される。また、ラッチ32を本体31に引き込んだ状態(解錠解錠)とすると、ストッパー50がラッチ32に当たらなくなる。これによりデッキ扉143が回動可能となり解錠される。
【0022】
図1に戻り、ブーム格納状態検出器11の検出結果は制御手段20に入力されている。制御手段20は、ブーム格納状態検出器11の検出結果を基にソレノイドロック30の施錠/解錠を制御する。具体的には、制御手段20は、ブーム格納状態検出器11が格納状態と検出している場合にソレノイドロック30を解錠し、ブーム格納状態検出器11が非格納状態と検出している場合にソレノイドロック30を施錠する。
【0023】
したがって、ブーム130が格納状態であり、作業員がデッキ140に乗り降り出来る状態であれば、ソレノイドロック30が自動的に解錠され、作業員が意識的に解錠することなくデッキ140に乗り降りできる。
【0024】
また、作業員がデッキ140に乗り込んでデッキ140を移動させると、ブーム130が非格納状態となり、ソレノイドロック30が自動的に施錠される。このように、ブーム130が非格納状態である場合にデッキ扉143を施錠するので、デッキ140を高所に移動させた状態で物体との接触や振動によってデッキ扉143が不意に開くことを防止できる。
【0025】
なお、ソレノイドロック30は、特許請求の範囲に記載の「施錠手段」に相当する。施錠手段としては、キープ型のソレノイドロック30を用いることが好ましい。ここで、キープ型のソレノイドロックとは、パルス電圧を印加することにより施錠/解錠の切り替えができ、それぞれの状態を無電力で維持できるソレノイドロックである。キープ型のソレノイドロック30によりデッキ扉143を施錠すれば、デッキ140を高所に移動させた状態でエンジンを停止させた場合など、安全装置Aの電源をOFFにしても、デッキ扉143を施錠したまま保持でき、デッキ扉143が不意に開くことを防止できる。
【0026】
施錠手段としてはソレノイドロック30以外にも、制御手段20の制御によりデッキ扉143の施錠/解錠を制御できる手段であれば特に限定されない。
【0027】
バネヒンジ40は、特許請求の範囲に記載の「付勢手段」に相当する。付勢手段としてはバネヒンジ40以外にも、ドアクローザーなどデッキ扉143を閉める方向に付勢する手段であれば特に限定されない。このような付勢手段を設ければ、デッキ扉143を開けた後は付勢手段により自動的に閉まるので、デッキ扉143が開いたままソレノイドロック30が施錠状態となることを防止でき、デッキ扉143を確実に施錠できる。
【0028】
(第2実施形態)
つぎに、本発明の第2実施形態に係る安全装置Bを説明する。
図3に示すように、安全装置Bは、ブーム格納状態検出器11と、デッキ扉開閉状態検出器12と、制御手段20と、ソレノイドロック30とを備えている。デッキ扉開閉状態検出器12は、デッキ扉143の開閉状態を検出する検出器であり、例えば柵142bに設けられたスイッチで構成されている。
【0029】
ブーム格納状態検出器11およびデッキ扉開閉状態検出器12の検出結果は、それぞれ制御手段20に入力されている。制御手段20は、ブーム格納状態検出器11およびデッキ扉開閉状態検出器12の検出結果を基にソレノイドロック30の施錠/解錠を制御する。具体的には、制御手段20は、ブーム格納状態検出器11が非格納状態と検出しており、かつ、デッキ扉開閉状態検出器12が閉状態(デッキ扉143が閉まっている状態)と検出している場合にソレノイドロック30を施錠する。それ以外の場合には、ソレノイドロック30を解錠する。
【0030】
したがって、作業員がデッキ140に乗り込んでデッキ140を移動させたとしても、何らかの原因でデッキ扉143が開いている場合にはソレノイドロック30が施錠されない。デッキ扉143が閉状態である場合にソレノイドロック30を施錠するので、デッキ扉143が開いたままソレノイドロック30が施錠状態となることを防止でき、デッキ扉143を確実に施錠できる。
【0031】
(第3実施形態)
高所作業車100は、ブーム130を格納状態としてデッキ140に乗り降りする場合の他に、デッキ140を地面に近づけて脚立などを用いて乗り込む場合(地上乗り込み)もある。また、デッキ140を高所に移動させた状態で荷物の積み降ろしをする場合もある。このような場合には、ブーム130が非格納状態である場合にもデッキ扉143を開閉する必要がある。本発明の第3実施形態に係る安全装置Cは、このような場合を考慮した実施形態である。
【0032】
図4に示すように、安全装置Cは、ブーム格納状態検出器11と、解錠スイッチ13と、制御手段20と、ソレノイドロック30とを備えている。なお、解錠スイッチ13は、特許請求の範囲に記載の「解錠操作手段」に相当する。解錠スイッチ13の取り付け位置は特に限定されないが、例えば、車両110や旋回台120に設けられた操作パネルや、デッキ扉143などに取り付けられる。
【0033】
ブーム格納状態検出器11の検出結果と解錠スイッチ13の信号は制御手段20に入力されている。制御手段20は、ブーム格納状態検出器11の検出結果および解錠スイッチ13の信号を基にソレノイドロック30の施錠/解錠を制御する。具体的には、制御手段20は、ブーム格納状態検出器11が格納状態と検出している場合にソレノイドロック30を解錠し、ブーム格納状態検出器11が非格納状態と検出している場合にソレノイドロック30を施錠する。そして、ソレノイドロック30が施錠されている状態において、解錠スイッチ13により解錠操作された場合に、ソレノイドロック30を解錠する。
【0034】
したがって、ブーム130が非格納状態でありデッキ扉143が施錠されていても、解錠スイッチ13により任意のタイミングでデッキ扉143を解錠できる。そのため、地上乗り込みや高所作業中の荷物の積み降ろしができる。
【0035】
また、制御手段20は、解錠スイッチ13の解錠操作によりソレノイドロック30を解錠した後、所定時間経過後にソレノイドロック30を施錠する。したがって、解錠スイッチ13の解錠操作によりデッキ扉143を解錠した後、所定時間経過後にデッキ扉143が自動的に施錠される。そのため、デッキ扉143を解錠したまま高所作業を行うことを防止でき、物体との接触や振動によってデッキ扉143が不意に開くことを防止できる。
【0036】
所定時間経過後にソレノイドロック30を施錠するのに代えて、制御手段20は、解錠スイッチ13の解錠操作によりソレノイドロック30を解錠した後、デッキ140の移動操作がなされたときにソレノイドロック30を施錠するように構成してもよい。デッキの移動操作は、デッキ140内の操作パネル144の操作信号などにより検知できる。
【0037】
このようにすれば、解錠スイッチ13の解錠操作によりによりデッキ扉143を解錠した後、デッキ140の移動操作がなされたときにデッキ扉143が自動的に施錠される。そのため、デッキ扉143を解錠したまま高所作業を行うことを防止でき、物体との接触や振動によってデッキ扉143が不意に開くことを防止できる。
【符号の説明】
【0038】
A〜C 安全装置
11 ブーム格納状態検出器
12 デッキ扉開閉状態検出器
13 解錠スイッチ
20 制御手段
30 ソレノイドロック
31 本体
32 ラッチ
40 バネヒンジ
50 ストッパー
60 ドアラッチ