特許第6202624号(P6202624)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6202624-2軸押出機 図000002
  • 特許6202624-2軸押出機 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202624
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】2軸押出機
(51)【国際特許分類】
   B29C 47/40 20060101AFI20170914BHJP
   B29C 47/62 20060101ALI20170914BHJP
   B29B 7/46 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   B29C47/40 Z
   B29C47/62
   B29B7/46
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-134576(P2014-134576)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-10935(P2016-10935A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2016年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229047
【氏名又は名称】日本スピンドル製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(74)【代理人】
【識別番号】100097755
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 勉
(72)【発明者】
【氏名】福田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】歳内 繁人
【審査官】 今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−113706(JP,A)
【文献】 特開2009−248486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 47/00−47/96
B29B 7/00−11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料投入口を形成したホッパ部と、該ホッパ部に続いて先端に材料排出口を形成した圧縮部とを備えたケーシング内に、テーパ状のスクリュー羽根を配設した2本のスクリュー軸を回転可能に設けた2軸押出機において、圧縮部の位置のスクリュー羽根のリード角の大きさを、ホッパ部の位置のスクリュー羽根のリード角の大きさよりも小さく設定するとともに、圧縮部の位置にスクリュー羽根が2巻き以上配置されてなることを特徴とする2軸押出機。
【請求項2】
圧縮部の位置のスクリュー羽根のリード角が、10°〜24°に範囲に設定されてなることを特徴とする請求項1記載の2軸押出機。
【請求項3】
圧縮部の長さが、ケーシングの先端部の内壁の半径の寸法の2.5倍以上に設定されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の2軸押出機。
【請求項4】
圧縮部の位置のスクリュー羽根の肉厚の大きさを、ホッパ部の位置のスクリュー羽根の肉厚の大きさよりも大きく設定したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の2軸押出機。
【請求項5】
材料排出口にメッシュスクリーンを着脱可能に配設したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の2軸押出機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2軸押出機に関し、特に、大きな押出力が得られるようにした2軸押出機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、未成形のゴム原料やプラスチック原料等の高粘度物質(以下、「材料」という。)をスクリュー羽根にて押し出しながら次工程に適した形状に予備成形するために2軸押出機が汎用されている。
【0003】
この2軸押出機として、材料投入口を形成したテーパ筒状のホッパ部と、該ホッパ部に続いて先端に材料排出口を形成したテーパ筒状の圧縮部とを備えたケーシング内に、テーパ状のスクリュー羽根を配設した2本のスクリュー軸を回転可能に設けた2軸押出機(以下、「2軸テーパ押出機」という場合がある。)がある。
この2軸テーパ押出機は、スクリュー軸の基端側のスクリュー羽根の高さが、先端側のスクリュー羽根の高さより大きく設定するようにされているため、材料投入口の開口面積を大きくすることができ、材料投入口から材料を大きな塊のまま投入しても、円滑に噛み込んで圧縮部に供給することができる特長を有している。
ところで、この2軸押出機は、ホッパ部の位置では、材料投入口から投入された塊状の材料を噛み込み、圧縮部に供給する機能を、圧縮部の位置では、材料を圧縮し、材料排出口から材料を押し出すために要する圧力を生じさせ、かつ、材料の逆流を抑えて処理量を確保する機能を、それぞれ要求される。
このため、従来の2軸テーパ押出機においては、圧縮部の位置のスクリュー羽根のリード角の大きさを、ホッパ部の位置のスクリュー羽根のリード角の大きさよりも小さく設定するようにされていた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−305976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記2軸テーパ押出機の場合、単軸押出機と違って対向する2軸に曲げ応力が加わり撓みが生じる関係上、運転時のケーシングの内壁面とスクリュー羽根の外縁との接触を防止するために、ケーシングの内壁面とスクリュー羽根の外縁とのクリアランスを大きく設定する必要があり、この大きなクリアランスによって、材料の逆流が生じやすく、材料排出口から材料を押し出す圧力を高めることが困難で、例えば、材料に含まれる異物を除去するために、材料排出口にメッシュスクリーンを配設する場合のような大きな押し出し圧力が必要とされる用途には使用できなかった。
【0006】
本発明は、上記従来の2軸テーパ押出機の有する問題点に鑑み、ホッパ部では負荷動力の上昇や材料の発熱を抑えながら、圧縮部では材料排出口から材料を押し出すための圧力を高めることができるようにすることによって効果的にストレーニング等の用途にも使用できる2軸押出機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の2軸押出機は、材料投入口を形成したホッパ部と、該ホッパ部に続いて先端に材料排出口を形成した圧縮部とを備えたケーシング内に、テーパ状のスクリュー羽根を配設した2本のスクリュー軸を回転可能に設けた2軸押出機において、圧縮部の位置のスクリュー羽根のリード角の大きさを、ホッパ部の位置のスクリュー羽根のリード角の大きさよりも小さく設定するとともに、圧縮部の位置にスクリュー羽根が2巻き以上配置されてなることを特徴とする。
【0008】
この場合において、圧縮部の位置のスクリュー羽根のリード角が、10°〜24°に範囲に設定されてなるようにすることができる。
【0009】
また、圧縮部の長さが、ケーシングの先端部の内壁の半径の寸法の2.5倍以上に設定されてなるようにすることができる。
【0010】
また、圧縮部の位置のスクリュー羽根の肉厚の大きさを、ホッパ部の位置のスクリュー羽根の肉厚の大きさよりも大きく設定されてなるようにすることができる。
【0011】
材料排出口にメッシュスクリーンを着脱可能に配設することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の2軸押出機によれば、圧縮部の位置のスクリュー羽根のリード角の大きさを、ホッパ部の位置のスクリュー羽根のリード角の大きさよりも小さく設定する、より具体的には、10°〜24°に範囲に設定するとともに、圧縮部の位置にスクリュー羽根が2巻き以上配置されてなることにより、ホッパ部の位置では、材料投入口から投入された塊状の材料を噛み込み、圧縮部に供給する機能を、圧縮部の位置では、材料を圧縮し、材料排出口から材料を押し出すために要する圧力を生じさせ、かつ、材料の逆流を抑えて処理量を確保する機能を発揮するようにすることができる。そして、これによって、ホッパ部では負荷動力の上昇や材料の発熱を抑えながら、圧縮部では材料排出口から材料を押し出すための圧力を高めることができるようにすることによって効果的にストレーニング等の用途にも使用できる2軸押出機を提供することができる。
【0013】
また、圧縮部の長さが、ケーシングの先端部の内壁の半径の寸法の2.5倍以上に設定されてなるようにすることにより、材料の逆流を確実に抑えて処理量を確保する機能を発揮するようにすることができる。
【0014】
また、圧縮部の位置のスクリュー羽根の肉厚の大きさを、ホッパ部の位置のスクリュー羽根の肉厚の大きさよりも大きく設定されてなるようにすることにより、材料排出口から材料を押し出すための圧力を一層高めることができる。
ができる。
【0015】
材料排出口にメッシュスクリーンを着脱可能に配設することにより、一連の工程で材料に含まれる異物を除去することができ、材料の品質の向上と工程の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の2軸押出機の一実施例を示し、(a)は全体図、(b)はホッパ部の平面図である。
図2】同2軸押出機の平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の2軸押出機の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0018】
図1図2に、本発明の2軸押出機の一実施例を示す。
この2軸押出機は、従来の2軸テーパ押出機と同様、材料投入口11aを形成したテーパ筒状のホッパ部11と、このホッパ部11に続いて先端に材料排出口12aを形成したテーパ筒状の圧縮部12とを備えたケーシング1内に、テーパ状のスクリュー羽根21を配設した2本のスクリュー軸2を回転可能に設けるようにしている。
【0019】
そして、本実施例において、圧縮部12の位置のスクリュー羽根21のリード角β2の大きさを、ホッパ部11の位置のスクリュー羽根21のリード角β1の大きさよりも小さく設定するようにする(従来の2軸テーパ押出機と同様。)とともに、圧縮部12の位置にスクリュー羽根21が2巻き以上配置されてなるようにしている。
ここで、リード角β1、β2の大きさは、特に限定されるものではないが、β1:25°〜50°、好ましくは、30°〜45°程度に、β2:10°〜24°、好ましくは、12°〜20°程度に、それぞれ設定するようにする。
また、圧縮部12の位置におけるスクリュー羽根21の巻き数は、2巻き以上、好ましくは、2巻き以上、4巻き以下、より好ましくは、2巻き以上、3巻き以下に設定されてなるようにしている。
これにより、ホッパ部11の位置では、材料投入口11aから投入された塊状の材料を噛み込み、圧縮部12に供給する機能を、圧縮部12の位置では、材料を圧縮し、材料排出口12aから材料を押し出すために要する圧力を生じさせ、かつ、材料の逆流を抑えて処理量を確保する機能を発揮するようにすることができる。
【0020】
この場合において、圧縮部12の長さLを、ケーシング1の先端部の内壁の半径rの寸法(スクリュー軸2の軸心からケーシング1の先端部の内壁面12bまでの距離)の2.5倍以上、好ましくは、3.0倍以上、6.0倍以下、より好ましくは、3.5倍以上、5.0倍以下に設定されてなるようにしている。
これにより、材料の逆流を確実に抑えて処理量を確保する機能を発揮するようにすることができる。
【0021】
また、圧縮部12の位置のスクリュー羽根21の肉厚t2の大きさを、ホッパ部11の位置のスクリュー羽根21の肉厚t1の大きさよりも大きく設定されてなるようにしている。
すなわち、ホッパ部11の位置のスクリュー羽根21の肉厚t1の大きさは、従来の2軸テーパ押出機と同程度に設定するようにし、圧縮部12の位置のスクリュー羽根21の肉厚t2の大きさは、肉厚t1の大きさの1.5〜3.0倍程度、好ましくは、1.8〜2.5倍程度に設定するようにする。
これにより、材料排出口12aから材料を押し出すための圧力を一層高めることができる。
【0022】
なお、スクリュー羽根21は、通常、スクリュー軸2に板状部材を溶接等により取り付けて形成する関係上、本実施例のように、ホッパ部11の位置のスクリュー羽根21の肉厚t1の大きさ及び圧縮部12の位置のスクリュー羽根21の肉厚t2の大きさは、それぞれ一定に設定しているが、削り出し等により形成する場合には、スクリュー羽根21の肉厚の大きさが、基端側から先端側に向けて漸次増大するように形成することもできる。
【0023】
この2軸押出機によれば、従来の2軸テーパ押出機と同様、ホッパ部11の材料投入口11aから投入された塊状の材料を噛み込み、圧縮部12に円滑に供給する機能を有しながら、圧縮部12における材料の逆流を生じにくくすることができ、材料排出口12aから材料を押し出すための圧力を高めることができる。
そして、これによって、大きな押し出し圧力が必要とされる用途にも使用できる。
【0024】
具体的には、図1に示すように、材料排出口12aに、メッシュスクリーン31を配設し、このメッシュスクリーン31を介して、異物を除去した材料を、その後段に配設したローラヘッド4に材料を供給するようにすることができる。
この場合、メッシュスクリーン31は、スライド機構32を介して、水平方向に移動可能に構成し、使用と清掃とを交互に行うことができるようにしている。
これにより、一連の工程で材料に含まれる異物を除去することができ、材料の品質の向上と工程の短縮化を図ることができる。
【0025】
以上、本発明の2軸押出機について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の2軸押出機は、ホッパ部では負荷動力の上昇や材料の発熱を抑えながら、圧縮部では材料排出口から材料を押し出すための圧力を高めることができるものであることから、材料に含まれる異物を除去するために、材料排出口にメッシュスクリーンを配設する場合のような大きな押し出し圧力が必要とされる用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0027】
1 ケーシング
11 ホッパ部
11a 材料投入口
12 圧縮部
12a 材料排出口
12b 圧縮部のケーシングの内壁面
2 スクリュー軸
21 スクリュー羽根
31 メッシュスクリーン
32 スライド機構
4 ローラヘッド
L 圧縮部の長さ
t1 ホッパ部の位置のスクリュー羽根の肉厚
t2 圧縮部の位置のスクリュー羽根の肉厚
β1 ホッパ部の位置のスクリュー羽根のリード角
β2 圧縮部の位置のスクリュー羽根のリード角
図1
図2