(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電池保護部は、前記状態値が前記警戒範囲に含まれる場合、前記状態値の変化に基づいて、前記二次電池の保護が必要となるまでの停止猶予時間を予測し、前記停止猶予時間が予め定められたシステム停止遅延時間よりも長いと、前記システム保護機能を実行し、前記停止猶予時間が前記システム停止遅延時間以下であると、前記電池保護機能を実行する、請求項1に記載の蓄電システム。
前記電池保護部は、前記停止猶予時間が前記システム停止遅延時間より長い場合、前記停止猶予時間から前記システム停止遅延時間を差し引いた保留時間が経過した後で、前記システム保護機能を実行する、請求項2に記載の蓄電システム。
前記電池保護部は、前記停止猶予時間が前記システム停止遅延時間以下の場合、前記停止猶予時間から前記システム停止遅延時間より短い電池停止遅延時間を差し引いた保留時間が経過した後で、前記電池保護機能を実行する、請求項2または3に記載の蓄電システム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同じ機能を有するものには同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態の蓄電システムの構成を示すブロック図である。
図1において、蓄電システム100は、蓄電部10と、システム保護部20とを備える。
【0016】
蓄電部10は、複数の二次電池パック11を有する二次電池パック群で構成される。なお、二次電池パック11の数は、特に限定されないが、例えば、16個である。また、各二次電池パック11の接続関係は、特に限定されないが、本実施形態では、各二次電池パック11は並列に接続されているものとする。
【0017】
システム保護部20は、蓄電部10を蓄電システム100の外部と遮断するシステム保護機能を有する。
【0018】
具体的には、システム保護部20は、EMS(Energy management system:エネルギー・マネジメント・システム)21と、遮断ゲート22と、電源制御部23とを有する。
【0019】
EMS21は、各二次電池パックから送信されたシステム停止指示を電源制御部23へ通知する。
【0020】
遮断ゲート22は、蓄電部10と蓄電システム100の外部との接続および遮断を切り換えるスイッチである。
【0021】
電源制御部23は、蓄電部10内の各二次電池パック11の充放電を制御する。また、電源制御部23は、EMS21からシステム停止指示を受信すると、遮断ゲート22を用いて、蓄電部10を蓄電システム100の外部から遮断する。
【0022】
図2は、二次電池パック11の構成の一例を示す図である。
図2において、二次電池パック11は、二次電池101と、電池保護部102とを有する。
【0023】
二次電池101は、充電可能な電池であれば特に限定されないが、例えば、リチウムイオン二次電池である。
【0024】
電池保護部102は、二次電池101を二次電池パック11の外部から遮断する電池保護機能を有する。
【0025】
また、電池保護部102は、二次電池101の状態を示す状態値を監視し、その状態値に基づいて、自身の電池保護機能の実行を制御およびシステム保護部20によるシステム保護機能の実行をさせるためにEMS21への状態値の伝達し、システム保護を実行するよう命令を出す。二次電池101の状態値は、例えば、二次電池の電流値、電圧値および温度の少なくとも一つを含む。
【0026】
電池保護部102は、具体的には、遮断ゲート103と、電池保護制御部104とを有する。
【0027】
遮断ゲート103は、二次電池101と二次電池パック11の外部との接続および遮断を切り換えるスイッチである。
【0028】
電池保護制御部104は、二次電池101の状態値を監視し、その状態値が予め定められた通常範囲から外れた場合、状態値に基づいて、システム保護機能を実行させるためのEMS21への状態値の伝達または電池保護機能を実行する。具体的には、状態値が通常範囲から外れた場合、電池保護制御部104は、状態値が通常範囲に隣接する警戒範囲に含まれるか、状態値が警戒範囲に隣接する電池停止範囲に含まれるかに応じて、実行する保護機能や保護機能を実行するタイミングなどを変更する。なお、警戒範囲および電池停止範囲は、通常範囲には含まれない。
【0029】
電池保護制御部104は、システム停止指示をシステム保護部20に送信することで、システム保護機能を実行することができる。また、電池保護制御部104は、遮断ゲート103を用いて、二次電池101を二次電池パック11の外部から遮断することで、電池保護機能を実行することができる。
【0030】
また、通常範囲は、二次電池101の充放電時に状態値が通常存在する範囲である。警戒範囲は、状態値が長時間存在すると、二次電池101パック内の回路部品が発熱したり、二次電池101の寿命に影響を与えたりする可能性のある範囲である。電池停止範囲は、一時的な状態値の変動などによって状態値が到達する範囲であり、比較的短い時間でも二次電池101が破損する恐れのある範囲である。通常範囲、警戒範囲および電池停止範囲は、二次電池101の構成や種類などに応じて予め決定される。例えば、寿命に影響を与える温度に達するまでの時間は、電流値に依存することから、警戒範囲または電池停止範囲と停止猶予時間の関係を決定することができる。
【0031】
図3および
図4は、通常範囲、警戒範囲および電池停止範囲の一例を示す図である。
【0032】
図3の例では、状態値は電流値であるとしている。また、通常範囲は、−閾値1より大きく閾値1より小さい範囲である。警戒範囲は、−閾値2より大きく−閾値1以下の範囲と、閾値1以上で閾値2より小さい範囲である。電池停止範囲は、−閾値2以下の範囲と、閾値2以上の範囲である。なお、電流値は、二次電池101の充電時に正となるものとしている。
【0033】
図4の例では、状態値は電圧値であるとしている。また、通常範囲は、閾値3’より大きく閾値1’より小さい範囲である。警戒範囲は、閾値4’より大きく閾値3’以下の範囲と、閾値1’以上で閾値2’より小さい範囲である。電池停止範囲は、閾値4’以下の範囲と、閾値2’以上の範囲である。
【0034】
なお、状態値が温度の場合も、
図4の例と同様にして、通常範囲、警戒範囲および電池停止範囲をさだめることができる。
【0035】
図5は、電池保護制御部104が行う処理をより詳細に説明するための図である。なお、
図5では、状態値は電流値であり、二次電池101の充電が行われているものとしている。
【0036】
二次電池101の充電が行われている場合、二次電池101の電流値は、基本的には通常範囲に含まれている。この場合、二次電池101は長時間充電されていても問題はないので、保護機能を実行する必要はない。
【0037】
しかしながら、何らかの原因で二次電池101の電流値が通常範囲から外れると、保護機能を実行する必要が生じる。
【0038】
このとき、電流値が電池停止範囲に含まれる場合、二次電池101に影響が生じるまでの時間が短いため、電池保護制御部104は、システム停止指示を送信してシステム保護機能を実行しようとしても、システム保護機能による二次電池101の保護が間に合わず、二次電池101が破損してしまう可能性がある。このため、電池保護制御部104は、二次電池101を速やかに保護するために、電池保護機能を実行する。
【0039】
一方、電流値が警戒範囲に含まれる場合には、二次電池101に影響が生じるまでの時間が比較的長いので、電池保護制御部104は、状態値の変化に基づいて、システム保護機能による二次電池101の保護が間に合うか否かを判断して、システム保護機能または電池保護機能を実行する。
【0040】
具体的には、電流値が警戒範囲に含まれる場合、電池保護制御部104は、状態値の変化に基づいて、二次電池101の保護が必要となるまでの停止猶予時間を予測する。停止猶予時間は、例えば、状態値が通常範囲を外れてから、状態値が電池停止範囲に到達するまでの停止到達時間、または、状態値が警戒範囲に留まっていることを許容できる最大許容時間である。また、停止猶予時間は、停止到達時間および最大許容時間のうち短い方でもよい。なお、最大許容時間は、状態値に応じて変化する。また、状態値の変化は、迅速に停止猶予時間を予測するために、状態値が通常範囲を外れた時刻以前の状態値の変化であることが望ましい。
【0041】
例えば、電池保護制御部104は、状態値が通常範囲を外れた時刻以前の状態値の変化に基づいて、その状態値の変化を示す変化カーブを求め、状態値が通常範囲を外れた時刻以降も、その変化カーブに従って状態値が変化すると仮定したときに、状態値が電池停止範囲に到達するまでの停止到達時間を停止猶予時間として予測する。
【0042】
また、電池保護制御部104は、変化カーブに基づいて、状態値が通常範囲を外れてから電池停止範囲に到達するまでの平均値を求め、その平均値に応じた最大許容時間を算出する。そして、電池保護制御部104は、停止到達時間および最大許容時間のうち短い方を停止猶予時間として予測してもよい。
【0043】
停止猶予時間を予測すると、電池保護制御部104は、その停止猶予時間が予め定められたシステム停止遅延時間よりも長いか否かを判断する。システム停止遅延時間は、システム保護機能の実行に要する時間であり、蓄電システム100の回路構成などに応じて予め定められる。なお、システム停止遅延時間は、電池保護部がシステム停止指示を送信するまでに要する時間と、システム停止指示が送信されてから電源制御部23がそのシステム停止指示を受信するまでに要する時間と、電源制御部23がシステム停止指示を受信してから二次電池パック11を蓄電システム100の外部から遮断するまでに要する時間との和となる。
【0044】
停止猶予時間がシステム停止遅延時間よりも長い場合、システム保護機能による二次電池101の保護が間に合うため、電池保護制御部104は、システム保護機能を実行する。具体的には、電池保護制御部104は、状態値が通常範囲を外れてから、停止猶予時間からシステム停止遅延時間を差し引いたシステム保留時間が経過した後で、システム停止指示をシステム保護部20に送信することで、システム保護機能を実行する。
【0045】
一方、停止猶予時間がシステム停止遅延時間以下の場合、システム保護機能による二次電池101の保護が間に合わないため、電池保護制御部104は、電池保護機能を実行する。具体的には、電池保護制御部104は、停止猶予時間から予め定められた電池停止遅延時間を差し引いた電池保留時間が0以上の場合、状態値が通常範囲を外れてから電池保留時間が経過した後で、電池保護機能を実行し、電池保留時間が負の場合、直ぐに電池保護機能を実行する。
【0046】
電池停止遅延時間は、電池保護機能の実行に要する時間であり、二次電池パック11の回路構成などに応じて定められる。また、電池停止遅延時間は、システム停止遅延時間よりも短い。なお、システム保留時間および電池保留時間をまとめて保留時間と呼ぶこともある。
【0047】
次に蓄電システム100の動作について説明する。
【0048】
図6は、蓄電システム100の動作の一例を説明するためのフローチャートである。なお、以下の動作では、状態値は電流値であるとする。また、二次電池101が充電されている、つまり、電流値が正の値であるとしている。
【0049】
先ず、電池保護制御部104は、状態値として二次電池101に流れる電流値l(t)を検出し、その電流値l(t)を記憶する(ステップS601)。そして、電池保護制御部104は、検出した電流値l(t)が閾値l
a以上か否かを判断する(ステップS602)。なお、閾値l
aは、電流値l(t)が正の方の警戒範囲の最小値であり、
図3の閾値1に対応する。
【0050】
電流値l(t)が閾値l
a未満の場合、電池保護制御部104は、一定時間待機し(ステップS603)、ステップS601の処理に戻る。
【0051】
一方、電流値l(t)が閾値l
a以上の場合、電池保護制御部104は、電流値l(t)が通常範囲から外れたと判断し、電流値l(t)が閾値l
b以上か否かを判断する(ステップS604)。なお、閾値l
bは、電流値l(t)が正の方の電池停止範囲の最小値であり、
図4の閾値2に対応する。
【0052】
電流値l(t)が閾値l
b以上の場合、電池保護制御部104は、電流値l(t)が電池停止範囲に含まれると判断し、遮断ゲート103を用いて、二次電池101を二次電池パック11の外部から遮断する電池保護機能を実行する(ステップS605)。
【0053】
一方、電流値l(t)が閾値l
b未満の場合、電池保護制御部104は、記憶している電流値l(t)から電流値l(t)の変化を求め、その電流値l(t)の変化に基づいて、停止猶予時間t
sを計算する(ステップS606)。
【0054】
そして、電池保護制御部104は、停止猶予時間t
sがシステム停止遅延時間t
3より長いか否かを判断する(ステップS607)。
【0055】
停止猶予時間t
sがシステム停止遅延時間t
3より長い場合、電池保護制御部104は、停止猶予時間t
sからシステム停止遅延時間t
3を差し引いたシステム保留時間t
2を算出する(ステップS608)。
【0056】
その後、電池保護制御部104は、一定時間待機し(ステップS609)、ステップS608が終了した時点からシステム保留時間t
2が経過したか否かを判断する(ステップS610)。
【0057】
システム保留時間t
2が経過した場合、電池保護制御部104は、システム停止指示をEMS21を介して電源制御部23に送信することで、システム保護機能を実行する(ステップS611)。一方、システム保留時間t
2が経過していない場合、電池保護制御部104は、ステップS609の処理に戻る。
【0058】
また、ステップS607で停止猶予時間t
sがシステム停止遅延時間t
3以下の場合、電池保護制御部104は、停止猶予時間t
sから電池停止時間t
5を差し引いた電池保留時間t
2を算出する(ステップS612)。そして、電池保護制御部104は、電池保留時間t
2が0以下か否かを判断する(ステップS613)。
【0059】
電池保留時間t
2が0以下の場合、電池保護制御部104は、ステップS605の処理、つまり、電池保護機能を実行する。一方、電池保留時間t
2が0より長い場合、電池保護制御部104は、一定時間待機し(ステップS614)、ステップS612が終了した時点から電池保留時間t
2が経過した否かを判断する(ステップS615)。
【0060】
電池保留時間t
2が経過した場合、電池保護制御部104は、ステップS605の処理、つまり、電池保護機能を実行する。一方、電池保留時間t
2が経過していない場合、電池保護制御部104は、ステップ614の処理に戻る。
【0061】
なお、蓄電システム100が状態値として電流値および電圧値など複数の値を監視する場合、各状態値のそれぞれについて、上述したような動作を行う。
【0062】
次に蓄電システム100と、電池保護機能およびシステム保護機能の一方のみを有する蓄電システムとを比較する。
【0063】
図7〜9は、本実施形態の蓄電システムと、電池保護機能およびシステム保護機能の一方のみを有する蓄電システムとを比較するための図である。
【0064】
図7は、電流値が通常範囲を外れたと判断された時点で電流値が警告範囲に含まれ、かつ、停止猶予時間t
sがシステム停止遅延時間t
3より長い場合における、保護機能が実行されるタイミングを示している。
【0065】
上記の各蓄電システムでは、電流値が実際に閾値1以上になってから、電流値が閾値1以上になったと判断されるまでに、電流値の検出に要する電流検出遅延時間t
1が発生する。
【0066】
電池保護機能のみを有する蓄電システムでは、電流検出遅延時間t
1が経過した時点から電池停止時間t
5が経過すると、電池保護機能にて二次電池101が二次電池パック11の外部から遮断されるので、直ぐに復帰が困難な状況になってしまう。
【0067】
また、システム保護機能のみを有する蓄電システムでは、電流検出遅延時間t
1が経過した時点でシステム停止指示が送信されてしまうので、電流検出遅延時間t
1が経過した時点からシステム停止遅延時間t
3が経過すると、二次電池パック11が蓄電システム100の外部から遮断される。この場合、二次電池101に影響が生じるかなり前に充電が終了してしまうので、充電時間が短くなってしまう。
【0068】
これに対して、蓄電システム100では、電流検出遅延時間t
1が経過した時点からシステム保留時間t
2が経過した後で、システム停止指示が送信されるので、二次電池101に影響が生じる直前まで充電を行うことが可能になり、充電時間を長くすることが可能になる。
【0069】
図8は、電流値が通常範囲を外れたと判断された時点で、電流値が警告範囲に含まれ、かつ、停止猶予時間t
sがシステム停止遅延時間t
3以下の場合における、保護機能が実行されるタイミングを示している。
【0070】
電池保護機能のみを有する蓄電システムでは、
図7の例と同様に、電流検出遅延時間t
1が経過した時点から電池停止時間t
5が経過すると、電池保護機能にて二次電池101が二次電池パック11の外部から遮断されるので、直ぐに復帰が困難な状況になってしまう。
【0071】
また、システム保護機能のみを有する蓄電システムでは、停止猶予時間t
sがシステム停止遅延時間t
3以下であるため、システム保護機能にて二次電池パック11が蓄電システムの外部から遮断したときには、電流値が閾値2を超えてしまっている。このため、二次電池パック11が破損してしまう可能性が高い。
【0072】
これに対して、蓄電システム100では、電流検出遅延時間t
1が経過した時点から電池保留時間t
2が経過した後で、電池保護機能が実行されるので、二次電池101に影響が生じる直前まで充電を行うことが可能になり、充電時間を長くすることが可能になる。
【0073】
図9は、電流値が通常範囲を外れたと判断された時点で、電流値が電池停止範囲に到達した場合における、保護機能が実行されるタイミングを示している。
【0074】
システム保護機能のみを有する蓄電システムでは、電流検出遅延時間t
1が経過した時点から停止猶予時間t
sが経過しないと二次電池101が保護されないので、二次電池101の保護が間に合わず、二次電池101が破損してしまう可能性がある。
【0075】
これに対して、電池保護機能のみを有する蓄電システムと蓄電システム100では、電流検出遅延時間t
1が経過した時点から電池停止時間t
5が経過すると、電池保護機能にて二次電池101が二次電池パック11の外部から遮断されるので、二次電池101を素早く保護することができる。
【0076】
以上説明したように本実施形態によれば、二次電池101の状態値に基づいて、システム保護機能および電池保護機能の実行が制御されるので、二次電池101の状態値に応じて適切な保護機能を実行することが可能になる。したがって、二次電池101の破損を防止しつつ、利便性を向上させることが可能になる。
【0077】
また、本実施形態では、二次電池101の状態値が通常範囲から外れた場合、二次電池101の状態値に基づいて、システム保護機能または電池保護機能が実行されるので、適切なタイミングでシステム保護機能または電池保護機能を実行することが可能になる。
【0078】
また、本実施形態では、状態値が通常範囲に隣接した警戒範囲に含まれると、状態値の変化に基づいて、システム保護機能または電池保護機能が実行され、状態値が警戒範囲に隣接する電池停止範囲に含まれると、電池保護機能が実行される。このため、二次電池101を素早く保護しなければならない場合には、電池保護機能を用いて、二次電池101の破損の防止を優先させ、二次電池101を保護するまでに十分な時間がある場合には、システム保護機能により、利便性を確保しつつ、二次電池101を保護することが可能になる。
【0079】
また、本実施形態では、状態値が警戒範囲に含まれる場合、停止猶予時間がシステム停止遅延時間よりも長いと、システム保護機能が実行され、停止猶予時間がシステム停止遅延時間以下であると、電池保護機能が実行される。このため、二次電池101の破損の防止を優先させるか、利便性を確保しつつ、二次電池101を保護するかをより適切に選択することが可能になる。
【0080】
また、本実施形態では、停止猶予時間がシステム停止遅延時間よりも長いと、停止猶予時間からシステム停止遅延時間を差し引いた保留時間が経過した後でシステム保護機能が実行される。また、停止猶予時間がシステム停止遅延時間以下である、停止猶予時間から電池停止遅延時間を差し引いた保留時間が経過した後でシステム保護機能が実行される。このため、二次電池101に影響が生じない範囲で、二次電池101の充電や放電を長く行うことが可能になる。したがって、利便性をより向上させることが可能になる。
【0081】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
【0082】
本実施形態の蓄電システム100では、第1の実施形態の蓄電システム100に対して、電池保護部102に新たな機能が追加されている。
【0083】
具体的には、電池保護部102の電池保護制御部104に対して、状態値が通常範囲から外れた後で、状態値が通常範囲に戻ると、システム保護機能および電池保護機能の実行を取り止める機能と、システム停止猶予時間内に、状態値が電池停止範囲に到達すると、電池保護機能を実行する機能とが追加されている。
【0084】
図10は、本実施形態の蓄電システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【0085】
図6を用いて説明したステップS609の処理が終了すると、電池保護制御部104は、電流値l(t)が閾値l
b以上か否かを判断する(ステップS701)。
【0086】
電流値l(t)が閾値l
b以上の場合、電池保護制御部104は、ステップS605の処理、つまり、電池保護機能を実行する。一方、電流値l(t)がl
b未満の場合、電池保護制御部104は、電流値l(t)が閾値l
a以上か否かを判断する(ステップS702)。
【0087】
電流値l(t)が閾値l
a未満の場合、電池保護制御部104は、システム保護機能の実行を取り止めて、ステップS601の処理に戻る。一方、電流値l(t)が閾値l
a以上の場合、電池保護制御部104は、ステップS610の処理を実行する。
【0088】
また、ステップS615の処理が終了すると、電池保護制御部104は、電流値l(t)が閾値l
b以上か否かを判断する(ステップS703)。
【0089】
電流値l(t)が閾値l
b以上の場合、電池保護制御部104は、ステップS605の処理、つまり、電池保護機能を実行する。一方、電流値l(t)がl
b未満の場合、電池保護制御部104は、電流値l(t)が閾値l
a以上か否かを判断する(ステップS704)。
【0090】
電流値l(t)が閾値l
a未満の場合、電池保護制御部104は、電池保護機能の実行を取り止めて、ステップS601の処理に戻る。一方、電流値l(t)が閾値l
a以上の場合、電池保護制御部104は、ステップS615の処理を実行する。
【0091】
以上説明したように本実施形態によれば、保留時間内に状態値が通常範囲に戻ると、システム保護機能および電池保護機能の実行が取り止められるので、二次電池101を保護する必要がない場合に、保護機能が実行されて二次電池101の充放電が停止されることを防止することが可能になる。このため、利便性をより向上させることが可能になる。
【0092】
また、本実施形態では、保留時間内に状態値が電池停止範囲に到達すると、電池保護機能が実行されるので、二次電池101をより適切に保護することが可能になる。
【0093】
次に本実施形態の第3の実施形態について説明する。
【0094】
本実施形態の蓄電システム100では、第2の実施形態の蓄電システム100に対して、電池保護部102に新たな機能が追加されている。
【0095】
具体的には、電池保護部102の電池保護制御部104に対して、保留時間(システム保留時間および電池保留時間)内に、状態値が通常範囲から外れた時刻以後の状態値の変化を考慮して、停止猶予時間t
sを更新することで、システム保留時間t
2を更新する機能が追加されている。
【0096】
図11は、本実施形態の蓄電システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【0097】
図11に示すフローチャートにおける動作では、電池保護制御部104は、ステップS610およびS615の処理を終了すると、ステップS606の戻る点が、第2の実施形態の動作と異なる。
【0098】
図12および
図13は、本実施形態の蓄電システムの特徴を説明するための図である。
【0099】
図12の例では、電流値が閾値1を超えた後で電流値の上昇率が大きくなっている。この場合、停止猶予時間t
sが更新されないと、システム保護機能で二次電池101が保護される前までに、電流値が閾値2を超えてしまう可能性がある。これに対して、本実施形態の蓄電システム100では、停止猶予時間t
sが更新されるため、電流値が閾値2を超えることを防止することが可能になる。
【0100】
図13の例では、電流値が閾値1を超えた後で電流値の上昇率が一旦0になり、その後、電流値が閾値1を下回っている。この場合、停止猶予時間t
sが更新されないと、二次電池101を保護する必要がないのに関わらず、システム保護機能で二次電池101が保護されてしまうため、充電が停止してしまう。これに対して、本実施形態では、停止猶予時間t
sが更新されるため、二次電池101の充電が停止することを防止することが可能になる。
【0101】
以上説明したように本実施形態によれば、保留時間内に停止猶予時間t
sが更新されるため、二次電池101を保護する必要がない場合に、保護機能が実行されて二次電池101の充放電が停止されたり、状態値の上昇率が大きくなり二次電池101が破損したりすることを防止することが可能になる。
【0103】
図14は、本実施形態の蓄電システムにおける二次電池パック11の構成を示す図である。
図14に示す二次電池パック11では、
図2に示した二次電池パック11と比べて、電池保護部102に強制遮断部105が追加されている。
【0104】
強制遮断部105は、二次電池101の電流値の大きさ(絶対値)が規定値以上になると、二次電池101を二次電池パック11の外部から遮断する。本実施形態では、強制遮断部105は、二次電池101と電源制御部23とを接続する配線上に設けられ、その配線上の電流値の大きさが規定値以上になると溶断するヒューズであるものとしている。また、規定値は、電池停止範囲に含まれるものとしている。
【0105】
図15は、強制遮断部105の動作を説明するための図である。
【0106】
図15に示されたように、電池停止範囲の中でも、規定値に対応する閾値3以上の範囲、および−閾値3以下の範囲は、強制遮断部105にて二次電池101が二次電池パックの外部から遮断される強制遮断範囲となる。このため、非常に大きな電流が二次電池101に流れると直ぐに二次電池101を保護することが可能になる。
【0107】
このように本実施形態によれば、電流値が非常に大きくなり、電池保護機能でも二次電池101の保護が間に合わないような状況でも、二次電池101を保護することが可能になる。
【0108】
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【0109】
例えば、蓄電部10は、二次電池パックを1つだけ備えた構成でもよい。
【0110】
また、充電電流以外の状態値として、放電電流、電圧、温度においても同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0111】
この出願は、2012年9月18日に出願された日本出願特願2012−204149号公報を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。