【文献】
阿久津 洋巳,ポジティブ感情とネガティブ感情の測定−項目反応理論の適用−,岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要,日本,岩手大学教育学部附属教育実践総合センター,2008年 3月 1日,第7巻,第135−144頁,URL,http://hdl.handle.net/10140/1838
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本実施形態の感情可視化装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の感情可視化装置は、
図1に示すサーバ20により実現される。サーバ20は、ユーザが使用するクライアント端末10とインターネット回線またはLAN(Local Area Network)回線等の通信回線で接続されている。
【0017】
サーバ20は、操作ログ整理部21と、感情割り当て部22と、影響度割り当て部23と、感情指数計算部24と、表示部25と、感情記憶部26と、影響度記憶部27とを備える。
【0018】
操作ログ整理部21、感情割り当て部22、影響度割り当て部23、および感情指数計算部24は、例えば、プログラムに従って動作するCPU(Central Processing Unit)等の情報処理装置によって実現される。また、感情記憶部26、および影響度記憶部27は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、またはハードディスク等の記憶装置に記憶される。感情記憶部26および影響度記憶部27は、例えば、一般的なデータベースまたはテキストファイル等を含む記憶装置である。表示部25は、例えばCRT(cathode−ray tube)または液晶ディスプレイである。
【0019】
クライアント端末10は、WEBサイトまたはクライアントサーバ型アプリケーション等の操作画面を表示する。ユーザが、クライアント端末10に表示された操作画面を操作すると、操作ログがクライアント端末10からサーバ20に送信される。操作ログは、操作画面におけるユーザの操作内容、操作に関する時間情報、ユーザ情報、画面内容および画面遷移に関する情報等を含む。
【0020】
操作ログ整理部21は、ユーザから送信された操作内容の種類毎に操作ログを整理する。具体的には、操作ログ整理部21は、操作内容の種類毎に回数をカウントし、その操作内容が行われた回数および確率等を整理する。
【0021】
感情割り当て部22は、ユーザの操作ログに感情を割り当てる。感情記憶部26には、想定される操作ログに対応する感情および感情の大きさを表す感情指数が予め割り当てられている。感情割り当て部22は、その感情記憶部26内のデータを用いて、取得した操作ログに対して感情および感情指数を割り当てる。
【0022】
影響度割り当て部23は、ユーザから送信された操作ログに影響度を割り当てる。影響度記憶部27は、操作ログのユーザの感情への影響度を記憶している。影響度割り当て部23は、影響度記憶部27内のデータに基づいて、取得した操作ログに対して影響度を割り当てる。
【0023】
感情指数計算部24は、影響度を考慮した感情指数を計算する。影響度を考慮した感情指数は、例えば、感情指数×影響度という計算式により計算される。
【0024】
また、感情指数計算部24は、所定単位でユーザの感情指数を統合する。感情指数計算部24は、例えば、操作画面内の位置を示す座標単位で感情指数を統合する。感情指数計算部24は、座標単位で感情指数を統合する場合、ある座標に対してすでに計算されている感情指数に、新たに計算した感情指数を加算する。なお、感情指数を統合する単位は、座標単位に限らず、画面単位、画面遷移単位等であってもよい。また、感情指数計算部24は、上記単位で統合された感情指数を、さらに曜日単位、時間単位のように所定期間単位に統合してもよい。
【0025】
また、感情指数計算部24は、予め定められた感情の相関を示す数値に基づいて、ある感情の感情指数を他の感情の感情指数に置き換える。感情指数計算部24は、例えば、ある操作ログに対する怒りの感情指数が計算された後、ネガティブ指数を感情指数として表示したい場合、怒り指数のネガティブ指数に対する相関を用いて怒りの感情指数をネガティブ指数に置き換える。
【0026】
表示部25は、管理者から要求があった場合、感情指数に応じたユーザの感情を表示する。表示部25は、例えば、感情指数を色の違いにより表す。感情指数の表示方法として、ヒートマップ、プロセスマップ、タイムライン等の表示方法が用いられる。
【0027】
次に本実施形態の感情可視化装置の動作を説明する。
図2は、本実施形態の感情可視化装置の動作を示すフローチャートである。
【0028】
クライアント端末10は、ユーザの操作にしたがって、操作画面におけるユーザの操作内容、操作に関する時間情報、ユーザ情報、画面内容、画面遷移に関する情報等を含む操作ログをサーバに送信する(ステップS1)。クライアント端末10は、具体的には、特定の操作が行われたタイミングで操作ログをまとめて収集し、サーバ20に送信する。クライアント端末10は、単一操作毎に操作ログを送信するリアルタイム処理を行ってもよい。クライアント端末10は、所定時間毎に操作ログを収集し、サーバに送信してもよい。
【0029】
図3は、操作画面の例を示す説明図である。
図3に示す例では、操作画面にテキストボックスT1およびT2、ポインタP1、ボタンB1が表示されている。操作画面は、
図3に示したものに限らず、例えば、プルダウンやスクロールバーなどが含まれていてもよい。
【0030】
ユーザによる操作内容は、例えば、テキストボックスに文字を入力する操作、またはボタンを押す操作、スクロール操作、ポインタの移動等である。例えば、テキストボックスに文字を入力する操作に関しては、入力された文字が操作ログに記録される。また、例えばボタンを押す操作、およびスクロール操作に関しては、操作回数が記録される。また、例えば、ポインタの移動に関しては、ポインタの移動軌跡が操作ログとして記録される。
【0031】
操作ログに含まれる時間情報は、例えば、ある操作が行われた時間、ある操作と他の操作との間の時間などを示す情報である。例えば、テキストボックスに文字が入力された後、所定時間後にボタンが押下された場合、その時間が操作ログに記録される。操作内容だけでなく、操作に関する時間情報も操作ログに記録されることにより、設計者は、ユーザの迷いや困惑等の感情を容易に知ることができる。例えば、決定ボタンが画面スクロールしないと見えない位置にあり、ユーザの操作移動軌跡が画面上をぐるぐる回り、時間をかけて決定ボタンが押された場合に、ユーザが迷っていると見なされる。
【0032】
ユーザ情報は、例えばユーザID、IPアドレス等である。また、画面内容は、押したボタンのラベル、ボタンの座標、その他ユーザの操作に関わったオブジェクトの配置などである。
【0033】
なお、ユーザが操作する画面は、例えば、Webサイトまたはクライアントサーバ型アプリケーション等の操作画面であるが、一般的なプログラムに従って表示される操作画面であればどのような画面でもよい。また、ユーザによる操作は、例えば、マウスやキーボードによる操作であるが、ジェスチャや音声認識等でもよい。なお、ユーザは、1人でも複数でもよく、複数の場合、各ユーザの操作ログの送信は非同期で行われる。
【0034】
次に、操作ログ整理部21は、ユーザから送信された操作ログを操作内容の種類毎に整理する(ステップS2)。具体的には、操作ログ整理部21は、操作内容の種類毎に回数をカウントし、その操作内容が行われた回数および確率等を算出し整理する。例えば、画面を表示した回数が200回であり、あるテキストボックスへの入力の回数が100回である場合、確率は100÷200=50%となる。
【0035】
また、操作ログ整理部21は、操作内容毎の情報だけでなく、例えば、「テキストボックスを入力してからボタン押下した」という複数の操作の組合せによる操作内容に関しても、同様に回数、確率等を整理する。また、そのような複数の操作の組合せによる操作がされた場合、操作ログ整理部21は、複数の操作の間の時間を集計し、平均値、最大値等を算出する。また、ユーザが何もしなかった場合、その数もカウントされる。また、操作ログ整理部21は、ブラウザの戻るボタン押下、ブラウザの閉じるボタン押下のように、画面外へ遷移するための操作ログも同様に整理する。
【0036】
次に、感情割り当て部22は、ユーザから送信された操作ログに感情を割り当てる(ステップS3)。感情記憶部26に、想定される操作ログに対する感情および感情の大きさを表す感情指数が予め割り当てられている。感情割り当て部22は、感情記憶部26内のデータを用いて、取得した操作ログに対して感情および感情指数を割り当てる。感情は、例えば、怒り、期待、不安等であり、それぞれの感情に100%、50%等の感情指数が付加される。なお、1つのログに対し、複数の感情が割り当てられる場合もある。例えば、特定のボタンを繰り返し3回押下した場合、怒り100%、嫌悪100%が割り当てられる。
【0037】
また、感情は互いに独立ではなく、一定の相関を持っている(非特許文献1参照)。この相関を示す数値も予め割り当てられている。怒りに対する相関が、ネガティブ:80%、困惑:30%、悲しみ:30%であり、ある操作ログの感情が怒り50%である場合、この操作ログの悲しみの感情指数は、50%×30%=15%となる。この感情の相関は、感情記憶部26に記憶されていてもよいし、他のデータベース等に記憶されていてもよい。
【0038】
次に、影響度割り当て部23は、ユーザから送信された操作ログに影響度を割り当てる(ステップS4)。影響度記憶部27は、操作ログのユーザの感情への影響度を記憶している。例えば、特定のボタンを3回続けて押下する操作には、影響度100%が割り当てられている。なお、1つの操作ログに対して、影響度は一つの値が割り当てられており、複数の影響度が割り当てられることはない。
【0039】
次に、感情指数計算部24は、影響度を考慮した感情指数を計算する(ステップS5)。影響度を考慮した感情指数は、例えば、感情指数×影響度という計算式により計算される。
【0040】
次に、感情指数計算部24は、所定単位でユーザの感情指数を統合する(ステップS6)。サーバは、座標単位で感情指数を統合する場合、ある座標に対してすでに計算されている感情指数に、新たに計算した感情指数を加算する。なお、感情指数を統合する単位は、座標単位に限らず、画面単位、画面遷移単位等であってもよい。また、感情指数計算部24は、上記単位で統合された感情指数を、さらに曜日単位、時間単位のように所定期間単位に統合してもよい。
【0041】
また、感情指数計算部24は、予め定められた感情の相関を示す数値に基づいて、ある感情の感情指数を他の感情の感情指数に置き換える。感情指数計算部24は、例えば、ある操作ログに対する怒りの感情指数が計算された後、ネガティブ指数を感情指数として表示したい場合、怒り指数のネガティブ指数に対する相関は80%であるから怒り指数×80%を計算することによりネガティブ指数を算出する。
【0042】
ステップS2〜ステップS6におけるサーバ20の処理を、例えば、午前0時など毎日決められた時間に実施してもよいし、操作ログが送信されるたびに実施してもよい
【0043】
表示部25は、管理者から要求があった場合、感情指数に応じたユーザの感情を表示する(ステップS7)。表示部25は、例えば、感情指数を色の違いにより表す。例えば、感情指数の表示方法として、ヒートマップ、プロセスマップ、タイムライン等の表示方法が用いられる。
【0044】
図4は、感情指数を、ヒートマップを用いて表現した画面表示を示す説明図である。ヒートマップは、ユーザの感情を色の違いにより表す表示方法である。表示部25は、ヒートマップを用いて、例えば、ポジティブを赤で表示し、ネガティブを青で表示する。
図4において、ボタンB1およびテキストボックスT1上の楕円は青色、テキストボックスT2上の楕円は赤色で表示されているものとする。また、
図4に示す例では、色の濃さにより各指数の大きさを示す。例えば、ボタンB1に関するネガティブ指数が5.20であり、ポジティブ指数が0.00である場合、感情指数は、5.20−0.00=5.20と計算される。そして、表示部25は、ネガティブ5.20に相当する濃い青色を、ボタンB1上に表示する。また、テキストボックスT1の感情指数がネガティブ3.0であれば、テキストボックスT1は、ボタンB1上の色よりも薄い青色で表示される。また、テキストボックスT2の感情指数がポジティブ2.0であれば、テキストボックスT2は、薄い赤色で表示される。
【0045】
ヒートマップに表示される感情指数の表示方法は、上記の方法に限られない。表示部25は、例えば、1色の色で感情指数を表現し、濃い色であればネガティブ、薄い色であればポジティブという表現をしてもよい。または、表示部25は、複数の点をプロットし、点の粗密や点の色の混ざり方により感情指数を表現してもよい。または、表示部25は、顔アイコンもしくは写真を用いて、笑顔、怒り顔などの表情により感情指数を表現してもよい。
【0046】
または、表示部25は、マウスポインタなどのUI(User Interface)と、感情の表現を連動させて感情指数を表現してもよい。例えば、表示部25は、ポインタに顔アイコンがついていて、マウスポインタを動かすと場所に応じて表情が変化するようにしてもよい。
【0047】
また、
図4において、特定の領域(座標)における感情指数をそれぞれ個別に表示しているが画面毎に一つの感情指数を表示してもよい。そのように表示することにより、設計者は、画面単位のユーザの感情を知ることができる。
【0048】
図5は、感情指数とともに評価内容を表示した画面表示を示す説明図である。
図5に示すように、表示部25は、例えばネガティブ指数が高い領域があれば、ネガティブ指数が高い理由を示す評価内容を吹き出しで表示する。また、表示部25は、吹き出し表示に限らず、画面上部にまとめて評価内容を表示してもよい。また、評価内容を画面上には表示せずに、RAMまたはハードディスク等に保存しておき、設計者が必要に応じて評価内容を表示できるようにしてもよい。
【0049】
図5に示すように、例えば、必須入力項目でないテキストボックスにテキスト入力がほとんどない場合、「ほとんど使われていない領域です。」と表示される。また、必須入力項目であるテキストボックスにテキスト入力がされずに画面遷移させるボタンが押下された場合、「誤操作が頻発しています。」と表示される。また、例えば、ポジティブ指数が所定の値より高い領域に対しては「問題なく正しく使われています。」と表示される。評価内容を表示するために、予め、特定の操作内容に対応する評価内容がデータベース等に記憶されている。
【0050】
感情指数に対応した評価内容が示されることにより、設計者は、ネガティブ指数が高い領域にどのような問題点があるかを知ることができる。これにより、設計者は、操作画面をどのように改善すればよいか検討することが容易になる。
【0051】
図6は、感情指数とともにプロセスマップを表示した画面表示を示す説明図である。操作ログには、画面遷移に関する情報、つまり画面遷移がどのように行われたかを示す情報が含まれている。例えば、画面S1、画面S2、画面S3という3つの画面で1連の処理が完了する場合、画面S3まで遷移せずに他の画面に遷移したり、画面が閉じられてしまった場合は、目的を達成できなかったことになり、ネガティブ感情指数が高くなる。
【0052】
図6に示すプロセスマップでは、上部に画面S1→画面S2→画面S3という遷移における感情指数を、ポジティブである場合は赤で、ネガティブである場合は青で表示する。
図6に示す例では、画面S1→画面S2→画面S3の感情指数として、ネガティブを示す青色が表示されているものとする。また、下部に画面S1から画面S3までの遷移の状況を表示している。
図6に示す例では、画面S1が328回表示され、その後97回(29.6%)画面S2に遷移し、その後20回(20.6%)画面S3に遷移したことを示している。この例では、画面S1が表示された回数に対する画面S3が表示された回数の割合に応じて感情指数が表示される。また、表示部25は、画面S1から画面S2へ遷移した割合に応じた感情指数、および画面S2から画面S3へ遷移した割合に応じた感情指数をそれぞれ表示してもよい。
【0053】
プロセスマップを用いた表示を行う場合、例えば、複数画面で1連の処理が行われる場合などに、画面遷移がスムーズに行われているかどうかが、感情指数を用いて表現される。そのため、設計者は、画面遷移に関するユーザの感情を容易に把握できる。
【0054】
図7は、感情指数を、タイムライン(時間割)を用いて表現した画面表示を示す説明図である。
図7に示す画面は、具体的には、画面S1における感情指数を示す色を曜日毎に表示している。表示部25は、感情指数を表現する色を、
図4に示したヒートマップと同様に、ネガティブを青色、ポジティブを赤色で表現し色の濃淡で指数の大小を表現してもよいし、1色の濃淡で感情指数を表現してもよい。また、表示部25は、例えば1ヶ月のカレンダー表示上に、日毎の感情指数を色で表現してもよい。また、表示部25は、1日の中の時間毎の感情指数を表示してもよい。また、表示部25は、画面毎ではなく特定の座標毎等の感情指数をタイムライン上に表してもよい。
【0055】
タイムラインを用いた表現を用いた場合、設計者は、感情指数の時間経過による変化を容易に把握することができる。例えば、感情指数が悪化傾向であったり、特定の曜日の感情指数が悪いという傾向がある場合、設計者はその傾向を容易に把握することができる。
【0056】
(実施例)
次に、本実施形態の感情可視化装置の動作の一部を、具体的な数値例を用いて説明する。以下、特に感情割り当て部22、影響度割り当て部23、および感情指数計算部24の計算について具体的な数値例を説明する。
【0057】
感情割り当て部22が用いる感情記憶部26には、例えば以下のように操作ログに対する感情および感情指数が割り当てられている。
(1)テキストボックス入力、またはボタン押下:無感情=0%
(2)テキストボックス入力後、ボタン押下:期待50%、受容100%
(3)ボタン押下の3回繰り返し:怒り100%、嫌悪100%
(4)何も操作しない:不安30%
【0058】
また、影響度割り当て部23が用いる影響度記憶部27には、例えば以下のように操作ログに対する感情への影響度が割り当てられている。影響度記憶部27に記憶される操作ログは、本実施例では、以下に示すように感情記憶部26に記憶される操作ログよりも細分化された範囲の操作ログが記憶されている。
(1)テキストボックスT1入力、またはボタンB1押下:影響度=10%
(2)テキストボックスT1入力後、ボタンB1押下:影響度=10%
(3)ボタンB1押下の3回繰り返し:影響度=100%
(4)何も操作しない:影響度=50%
【0059】
感情指数計算部24は、以下のように感情指数×影響度を計算することにより、影響度を考慮した感情指数を算出する。
(1)テキストボックスT1入力、ボタンB1押下:0%×10%=0
(2)テキストボックスT1入力後、ボタンB1押下:50%×10%=期待0.05 100×10%=受容0.1
(3)ボタンB1押下の3回繰り返し:怒り=100%×100%=1
(4)何も操作しない:30%×50%=不安0.15
【0060】
また、すでに計算されている感情指数が、以下のように記録されているとする。
(1)テキストボックスT1入力、ボタンB1押下:0
(2)テキストボックスT1入力後、ボタンB1押下:期待指数1 受容指数2
(3)ボタンB1押下の3回繰り返し:怒り指数5.50
(4)何も操作しない:不安指数1.5
【0061】
このような場合、感情指数計算部24は、ある座標に対してすでに計算されている感情指数に、新たに計算した感情指数を加算する。本実施例では、それぞれの感情指数は、以下のように計算される。
(1)テキストボックスT1入力、ボタンB1押下:0+0=0
(2)テキストボックスT1入力後、ボタンB1押下:期待指数1+0.05=1.05 受容指数2+0.1=2.1
(3)ボタンB1押下の3回繰り返し:怒り指数5.50+1=6.50
(4)何も操作しない:不安指数1.5+0.15=1.65
【0062】
次に、感情指数計算部24は、上述した感情の相関を用いて、算出した感情指数を他の感情指数に置き換える。本実施例ではポジティブ指数およびネガティブ指数を感情指数として算出する。上記の各指数のポジティブ指数またはネガティブ指数に対する相関が、例えば以下のように定められていたとする。
(1)期待指数のポジティブ指数に対する相関:60%
(2)受容指数のポジティブ指数に対する相関:80%
(3)怒り指数のネガティブ指数に対する相関:80%
(4)不安指数のネガティブ指数に対する相関:60%
【0063】
この場合、各操作のポジティブ指数またはネガティブ指数は以下のように算出される。
(1)テキストボックスT1入力、ボタンB1押下:0
(2)テキストボックスT1入力後、ボタンB1押下:1.05×60%+2.1×80%=0.63+1.68=ポジティブ指数2.31
(3)ボタンB1押下の3回繰り返し:6.50×80%=ネガティブ指数5.2
(4)何も操作しない:1.65×60%=ネガティブ指数0.99
【0064】
本実施形態の感情可視化装置は、ユーザにとっての快適性を感情指数という数値を用いて定量的に表現する。そのため、設計者は、操作画面のユーザにとっての快適性を容易に知ることができるので、優先的に修正すべき項目を容易に見つけることができる。
【0065】
本実施形態の感情可視化装置によれば、設計者は、ユーザの感情を認識することにより、最適なUI設計指針を把握できる。設計者は、例えば、ユーザがよく迷う箇所、ユーザがよくミスする箇所などを知ることができるので、テストやヒアリングではわからない潜在的なUI設計問題を把握することができる。また、設計者は、UI専門家にはわからないシステム利用に関するマーケティングも分析でき、最適なUI設計指針を把握することができる。設計者は、具体的には、ユーザグループのうちマジョリティ、マイノリティだけでなく、イノベータ―、アーリーアダプターなどに対する、システム利用におけるマーケティングも分析できる。
【0066】
また、本実施形態の感情可視化装置によれば、ユーザは、快適なシステムの利用法を認識できる。例えば、本実施形態の感情可視化装置は、ヒューマンエラーなど、普段と異なる操作や知覚を検知し、個々のユーザをサポートすることができる。また、ユーザは、本実施形態の感情可視化装置により得られた結果を用いて、自ら快適なシステムへとカスタマイズできる。また、その結果が他のユーザへのサポートにつながる。
【0067】
また、本実施形態の感情可視化装置により抽出された特性データは、UX(user experience)のビッグデータとして応用可能である。
【0068】
図8は、本発明による感情可視化装置の主要部の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、本発明による感情可視化装置は、主要な構成として、操作画面に対する操作内容を含む操作ログを種類毎に整理する操作ログ整理部21と、操作ログに対応するユーザの感情および当該感情の大きさを表す感情指数を記憶する感情記憶部26と、整理された操作ログに、感情記憶部26に記憶されたユーザの感情および感情指数を割り当てる感情割り当て部22と、前記操作ログに割り当てられた前記ユーザの感情および感情指数を示す情報を表示する表示部25とを備える。
【0069】
また、上記の実施形態には、以下の(1)〜(7)に示す感情可視化装置も開示されている。
【0070】
(1)操作ログの感情への影響度を記憶する影響度記憶部(例えば、影響度記憶部27)と、操作ログに影響度を割り当てる影響度割り当て部(例えば、影響度割り当て部23)と、感情指数および影響度に基づいて、影響度を考慮した感情指数を計算する感情指数計算部(例えば、感情指数計算部24)とを備えた感情可視化装置(例えば、サーバ20)。このような感情可視化装置によれば、影響度を考慮するため、より精度良く感情指数を計算することができる。
【0071】
(2)感情可視化装置は、感情指数計算部が、予め定められた感情の相関を示す数値に基づいて、ある感情の感情指数を他の感情の感情指数に置き換えるように構成されていてもよい。このような感情可視化装置によれば、設計者が希望する感情指数を表示することができる。
【0072】
(3)感情可視化装置は、表示部(例えば、表示部25)が、ユーザの感情および感情指数を示す情報を色の違いにより表すように構成されていてもよい。このような感情可視化装置によれば、設計者がユーザの快適性を容易に知ることができる。
【0073】
(4)感情可視化装置は、表示部が、操作画面における特定の座標毎のユーザの感情および感情指数を示す情報を表示するように構成されていてもよい。このような感情可視化装置によれば、設計者が座標毎のユーザの快適性を容易に知ることができるので、操作画面内のどの部分を優先的に変更すればよいのか知ることができる。
【0074】
(5)感情可視化装置は、表示部が、操作画面毎のユーザの感情および感情指数を示す情報を表示するように構成されていてもよい。このような感情可視化装置によれば、設計者が画面毎のユーザの快適性を容易に知ることができるので、複数画面のうちどの画面を優先的に変更すればよいのか知ることができる。
【0075】
(6)感情可視化装置は、表示部が、ユーザの感情および感情指数を示す情報を時間割上に表示するように構成されていてもよい。このような感情可視化装置によれば、設計者は、感情指数の時間経過による変化を容易に把握することができる。例えば、感情指数が悪化傾向であったり、特定の曜日の感情指数が悪いという傾向がある場合、設計者はその傾向を容易に把握することができる。
【0076】
(7)感情可視化装置は、操作ログが、画面遷移に関する操作内容を含むように構成されていてもよい。このような感情可視化装置によれば、例えば、複数画面で1連の処理が行われる場合などに、画面遷移がスムーズに行われているかどうかが、感情指数を用いて表現される。そのため、設計者は、画面遷移に関するユーザの感情を容易に把握できる。
【0077】
この出願は、2013年1月21日に出願された日本出願特願2013−008109を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【0078】
以上、実施形態及び実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0079】
本発明は、システムの操作画面の設計に適用できる。